2
Prologue
脳
の
働
き
が
一
瞬
で
変
わ
る
!
い
ち
ば
ん
簡単
な
方法
仕事もプライベートも、今一歩うまくいっていない気がする。なんとかしたいとい う方。また一方で、いまの自分に、基本的にはまあ満足している。でも、もうワンラ ンク、ステップアップしたいという方。 どちらの場合でも、自分の現状からの脱却や、目標達成をより早く、よりラクに実 現できる方法はないだろうか。そう考えている方は多いと思います。 目標を達成したいという思いを実現し、悩みを解決に向かわせる、そのためにいち ばん確実に効果があがる方法が “ 脳 を だ ま す ” ことです。 “脳をだます”というと、頭の中にクエスチョンマークをいくつも浮かべる方もいら っしゃるかもしれません。 し か し、 “ 脳 を だ ま す ” と は、 難 し い こ と で は あ り ま せ ん。 脳 の 働 き 方 や 性 質 を よ く 知 っ て 、 脳 を 働 き や す い 状 態 に す る こ と 。また、より効率的に勉強や仕事の成3 Prologue 果をあげられるようにしたり、悩みを解決していく方法のこと。 “ 脳 を だ ま す ” こ と が で き る よ う に な る と 、 努 力 が 不 要 に な り ま す 。 「えっ? そんなことができるの?」と驚く人もいらっしゃるかもしれませんが、実 は誰でも、すでに“脳をだました”経験をしているはずです。 その代表例の一つが 暗 示 です。 「 ど う も 二 日 酔 い ぎ み で、 仕 事 に 集 中 で き な い 」 と 言 う 人 に、 「 こ れ、 ち ょ う ど 昨 日 実家に帰ったときに、実家近くで 汲 く んできた湧き水。二日酔いによく効くんだよ」と 言 っ て、 ペ ッ ト ボ ト ル の 水 を 差 し だ す。 そ れ を 飲 ん だ と こ ろ、 「 さ す が だ ね。 軽 い 酸 味とコクがあるんだね。なんとなく気分もすっきりしてきた」と言い、実際、本当に 気分がよくなってくる。 実 は、 コ ッ プ の 水 は た だ の 水。 脳 は「 湧 き 水 」 と い う 言 葉 に よ っ て 暗 示 を 受 け て、 味が違うと感じ、実際に気分の悪さまで解消してしまう……。 これが“脳をだます”ことの一例、暗示です。 スポーツ選手などがよくおこなうゲンかつぎも、ゲンがよいと信じていることを実
4 行することによって、 「これで勝利は間違いない」と脳に暗示をかけているわけです。 私がよくセミナーでおこなう実験に以下のものがあります。 参 加 者 を A と B の 2 チ ー ム に 分 け ま す。 A グ ル ー プ に は「 私 は じ ゃ ん け ん が 強 い 」 と言ってからじゃんけんをしてもらい、Bグループには「私はじゃんけんが弱い」と 言ってからじゃんけんをしてもらいます。 AチームとBチームでペアになって、ある程度じゃんけんを繰り返してから結果を 集計する。いままで何度となくこの実験をしていますが、例外なく「私はじゃんけん が 強 い 」 と 言 っ て か ら じ ゃ ん け ん を し た A チ ー ム の 勝 利 数 が 多 く な り ま す。 自 己 暗 示 は 確 実 に 結 果 に 響 く のです。 そ う 言 わ れ て み る と、 常 に 自 己 暗 示 を 使 っ て い る 人 と、 使 っ て い な い 人 の 人 生 は、 大きく変わってくることに気づくでしょう。 いまのは暗示の例ですが、脳には他にもさまざまな特徴があります。 脳は長いこと、ブラックボックスといわれ、その働き方や仕組みはなかなか解明さ れませんでした。
5 Prologue しかし近年、脳の研究は加速度的に進み、最近では脳の働きの大きな部分は「潜在 意識」といわれる、意識や知識、理論ではとらえにくい領域の脳の働きに大きく 依 よ っ ていることがわかってきました。 ふだん、意識している脳の働きのことを「顕在意識」といいます。そのさらに奥底 にふだんは無意識に使っている「潜在意識」が潜んでいます。 人は脳のトータルな力の3〜 10%ぐらいしか活用していないといわれています。と くに、潜在意識はその名称どおり、これまでは意図的に使われることはあまりなかっ た、といって過言ではありません。 “ 脳 を だ ま す ” こ と は、 潜 在 意 識 に 働 き か け 、 そ の 力 を 引 き 出 し て 使 う こ と に も 通 じ る 脳 の 新 し い 活 用 法 です。 気 が つ か な い う ち に、 「 い つ も の、 慣 れ た 方 法 」 を お こ な っ て い る と い う 慣 性 の 法 則や、 「言葉の影響を受けやすい」なども、潜在意識の特徴です。 “脳をだます”には、こういった潜在意識の特長的な動き方を知っておき、その動き 方を生かして使いこなすとよいのです。
6 ○
脳(潜在意識)
の
7
つ
の
特徴
詳しくは本文の中でお伝えしますが、脳(潜在意識)には、先の性質に加えて、以 下のような特徴があります。1
「 快 」 を 求 め 、「 不 快 」 を 避 け る 脳(潜在意識)は気持ちのいいこと、うれしいこと、ワクワクすることが大好きで す。反対に、つらいこと、苦しいこと、重く、うっとうしいことは大嫌い。 この傾向を知って、たとえば、英語の教材に、英語がしゃべれるようになったら行 っ て み た い と 思 っ て い る 外 国 の 写 真 を 貼 っ て お く。 す る と、 教 材 を 手 に し た だ け で ワ ク ワ ク す る → 勉 強 す る 気 に な る 。 脳 は 軽 く“ だ ま さ れ ”、 そ の 気 に な っ て し ま う のです。 チョコレートが大好き。でも、ダイエットのために、しばらくチョコレートとは訣 別 し よ う。 そ ん な と き は、 チ ョ コ レ ー ト の 箱 に ぶ よ ぶ よ の 三 段 腹 の 写 真 を 貼 っ て お7 Prologue く。この写真を見ると不快になる→チョコレートを手にしたいという気持ちがなくな ってしまう。 こんなふうに“脳をだまして”目的を達成するわけです。
2
時 間 の 認 識 が な い 潜在意識には過去・現在・未来の認識、時間の認識がありません。過去・現在・未 来のどこか一点が悪いという認識があると、他の2つの時間もすべて悪いと認識して しまうのです。 ト ラ ウ マ は そ の 典 型 で す。 過 去 に 嫌 な 体 験 を す る と、 そ れ が 現 在 に も 引 き ず ら れ、 現在も嫌だと思い、将来も嫌だという思いを抱き続ける……。また、将来展望を暗く 考えてしまうと、現在の状況にも希望を感じられなくなり、それもこれも、過去のあ の体験が悪いのだというように、過去まで暗く考えてしまいます。 こ う し た 場 合 に は、 現在の思いを変えるようにすると 、将来はもちろん 、過去 の 体 験 ま で 書 き 換 え る こ と が で き ま す 。 子 ど も の こ ろ 、 い じ め に あ っ た と い う 経 験 が あ っ た と し ま し ょ う 。 そ の 後 、 い じ め を8 克 服 し 、 現 在 は 明 る く 強 きよう 靱 じん な 気 持 ち を 持 て る よ う に な っ て 、 仕 事 に も 燃 え て い る … … 。 こういう人にとっては、いじめは困難な状況をはねのけるバネになったり、弱者へ の理解力となるなど、人生に大きなプラスになっている。過去も現在も肯定する気持 ち は 当 然、 将 来 に 向 け る 視 線 も 肯 定 的 に し、 積 極 的 な 将 来 展 望 を 描 く よ う に な り ま す。 反対に、現在、パッとしない状況でうつうつとした毎日を送っていると、過去も否 定 さ れ、 「 あ の い じ め か ら、 ど う も オ レ の 人 生 の 歯 車 は 狂 い 出 し た 」 と 考 え る よ う に なってしまうのです。将来への希望も目標も持てません。 こ う し た 状 況 を 脱 す る に は、 現 在 を 「 肯 定 的 に 受 け 入 れ る 」 よ う に 、 脳 を 切 り 替 え て し ま う ことがいちばん。 「現在を肯定的に受け入れる方法」や、逆に「過去や未来の認識を変えることによっ て、現在を変える方法」などは、本文でいろいろご紹介していきます。
3
人 称 の 認 識 が な い 潜 在 意 識 に は、 自 分 と 相 手 を 区 別 す る 人 称 の 認 識 が あ り ま せ ん。 他 人 を 憎 ん だ り 、9 Prologue 嫌 っ た り 、 悪 口 を 言 っ た り す る と 、 そ の 気 持 ち は そ の ま ま 自 分 に 向 け ら れ て し ま う の で す。 自 分 で 自 分 を 好 き に な れ ず、 自 分 の 欠 点 ば か り 気 に な る、 自 己 否 定 的 な 感情のとりこになってしまいます。 反対に、他人をほめたり、好きになると、その気持ちが自分に向けられ、自分が好 きになれ、自信や誇りも持てるようになります。
4
言 葉 に 左 右 さ れ る 真実とは異なる言葉を使ったとしても、脳は、実際に耳に響いた言葉をそのまま受 け 入 れ ま す。 マ イ ナ ス の 出 来 事 が 起 こ っ て も 、 そ れ を プ ラ ス に 言 い 換 え る と 、 脳 は プ ラ ス の 思 い を 持 つ よ う に な る のです。 た と え ば、 真 冬 の 北 海 道 に 出 張 す る こ と に な っ た と し ま す。 こ う い う と き、 「 寒 い と こ ろ に 行 く の は 嫌 だ な あ 」 と 言 う 代 わ り に、 「 幻 想 的 な 雪 景 色 が 見 ら れ る。 楽 し み だなあ」と口に出してみるのです。 現 実 の 解 釈 を ち ょ っ と 変 え て、 「 快 」 な も の だ と 錯 覚 さ せ る。 す る と、 同 じ 目 標 を 楽しい目標だと解釈するようになり、脳はみるみる高揚してきます。10 一 方、 マ イ ナ ス の 言 葉 に も 左 右 さ れ ま す。 「 い つ も、 お 若 い で す ね 」 と ほ め ら れ た のに、謙遜して「いいえ、とんでもない。もう年ですから、最近は鏡を見るのが怖い くらい」と否定的な言葉を返すと、本心から出た言葉でなくても、脳はその否定的な 言葉を認識してしまい、本当に年齢が浮きでた印象になっていってしまうのです。 「 お 若 い で す ね 」「 い つ も 素 敵 で す ね 」 な ど と ほ め ら れ た ら、 「 あ り が と う ご ざ い ま す」とほめ言葉を素直に受け入れるようにするほうが、ずっといいのです。 ち な み に、 50歳 以 上 で、 見 た 目 が 若 い 方 は、 ほ ぼ 例 外 な く こ の 習 慣 を 持 っ て い ま す。
5
否 定 形 を 認 識 し な い 「 遅刻しない 0 0 0 0 0 ようにしなくっちゃ」とか「先のことはわからないもの。あれこれ、将 来 に つ い て 心 配 し な い 0 0 0 0 0 で お こ う 」 と い う よ う に、 否 定 形 で 脳 に 思 い を 伝 え る の は 間 違 い 。 潜 在 意 識 は 否 定 形 を 認 識 し な い の で、 こ う し た 言 葉 を 伝 え ら れ る と、 「 遅 刻 し て い る 自 分 」「 将 来 の こ と を 心 配 し て い る 自 分 」 を 思 い 浮 か べ て し ま い、 そ の 自 分 を 実 現11 Prologue しようという方向に動き出してしまいます。 たとえば、いま、本書を読んでいるあなたに私がこう言ったとします。 「 い ま 、 こ の 本 を 読 ん で い る と き に 聞 こ え て い る 音 は 気にしない 0 0 0 0 0 で く だ さ い 」 どうですか。さっきよりまわりの音が気になりませんか?
6
体 の 動 き に 左 右 さ れ る 脳も体の一部。脳は一般的に考えられている以上に、体の影響を受けるのです。 たとえば、頭を下げた状態で「将来のことを考えてみよう」と言われても、脳は将 来 に 向 か っ て 動 い て い き に く い も の。 頭 を 上 げ 、 視 線 を 遠 く に 向 け る と 、 中 ・ 長 期 的 な 未 来 に つ い て 、 考 え は ど ん ど ん 広 が っ て い き や す い のです。 ためしに、バンザイをしてにっこり笑ってみてください。その状態のまま、ちょっ と気がかりな嫌なことを頭に浮かべてみましょう。 やってみるとおわかりいただけるように、笑顔でバンザイ状態では、落ち込むこと がないのです。反対に、落ち込んでいるときには、バンザイをしてにっこり笑ってみ12 ると落ち込んだ気持ちが消えてしまいます。 体 を 使 っ て 感 情 や 発 想 を コ ン ト ロ ー ル す る 方 法 を「 フ ィ ジ オ ロ ジ ー」 と い い ま す が、これについても本文で詳しくお伝えしていきます。
7
条 件 づ け や 知 覚 位 置 に よ っ て 考 え が 変 わ る 頭の中で未来の自分を思い浮かべ、その気になって未来の自分から現在の自分を見 る感覚を持つ。すると、それだけで現状を 俯 ふ 瞰 かん 的、長期的に見ることができるように なり、それまでの考え方がすっかり変わってしまったり、現状の問題点がクリアに見 えてきたりします。山登りのルートを頂上から見て決めるようなものです。 具 体 的 な や り 方 は 本 文 で お 伝 え し ま す が、 人 間 関 係 で も め て し ま っ た 場 合 な ど に は、実際に向かい合う2つの椅子を座り換え、自分の立場、相手の立場にそれぞれな り き っ た 気 分 に な る。 す る と、 相 手 の 気 持 ち が 見 え て き て 、 誤 解 し て い た こ と に 気 が つ い た り 、 相 手 に 対 す る 配 慮 が 足 り な か っ た こ と に 気 づ く ことがあります。 その結果、人間関係のトラブルは解消され、ビジネスが一気に好転しはじめた、と いうようなことも実際によく起こります。13 Prologue こ う し た 脳 の 性 質 や 特 徴 を 使 い こ な し、 “ 脳 を だ ま す ” こ と が 自 在 に で き る よ う に な る と、 仕 事 や 人 間 関 係 な ど、 悩 み が ど ん ど ん 解 消 さ れ、 さ ら に 改 善 に 向 か う の で す。 しかも、がむしゃらにがんばるとか、ひたすら耐えるということはまったく必要な し。 ま る で、 自 動 操 縦 の 車 に 乗 っ て い る の と 同 じ で 、 労 せ ず し て 将 来 の 目 標 や ビ ジ ョ ン 、 理 想 の 実 現 に 向 か っ て い き 、 成 功 を 手 に す る こ と が で き る のです。 さらに、目標やビジョン達成のプロセスそのものも、楽しみながら歩んでいけるよ うになります。 私 は、 ア メ リ カ を 中 心 と し た 世 界 各 地 で“ 脳 を だ ま す 方 法 ”、 正 確 に 言 え ば、 脳 の 力の引き出し方、脳の力を活用するさまざまなテクノロジーを学びました。 その後、教育ビジネスの会社「シナジープラス」を起業し、受講生やクライアント の方と歩む中で独自に研究した発想やノウハウを学んだことに加えて、私自身も実践 してきています。 その結果、たとえば、海外の大学院に留学する、会社を軌道に乗せる、本を出版し
14 ベストセラーにする、などのビジョンが無理なく実現し、さらにその展望もどんどん 広がってきています。 何より受講生の方が成果を出されているのが大きな喜びです。年収アップ、転職の 成功、起業、人間関係の改善、結婚などの吉報を絶えずいただいています。 “脳をだます”方法を身につけると、 ●描 い た 未 来 に 向 か う 行 動 が ラ ク に で き る よ う に な る ●気 持 ち を 自 在 に コ ン ト ロ ー ル で き る よ う に な る ●自 分 自 身 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が ス ム ー ズ に で き る よ う に な る ● 他 者 の 思 い を 理 解 で き る よ う に な り 、 人 間 関 係 が ラ ク に 、 う ま く い く よ う に な る などの成果を得られます。 これまで、セミナーや講演などを通じて、数千人の方々と出会ってきましたが、こ の本で紹介する方法によって、ほとんどの方々が願う成果を手に入れたり、目指す方 向に向かって、しっかり前進できるように、大きく変わっています。
15 Prologue そのための 34の具体的なノウハウやアドバイスを紹介していきます。それらを実行 して “脳をだます”方法を身につけ、脳を思う存分、使いこなしてください。 今日、この瞬間から、まだ使い切っていない脳の可能性をもっと引き出し、最高の 人生の実現に向かって進み出しましょう。 「本当に簡単にできるの? ……」 安心してください。脳をだませば努力は不要。すべてがうまく回り出します。
プロローグ 脳の働きが一瞬で変わる! いちばん簡単な方法 …… 2 脳(潜在意識) の7つの特徴
脳を
“だまし”
て、
やる気を出す
01
笑顔になって、 脳を “だます” …… 24 朝の掃除で、 いい気分が一日中続く/短期間で驚くほど英語力がつく秘策02
恐怖心や不安を受け入れて、 脳を “だます” …… 31 すべての感情は、 よい結果を導いてくれる03
小さな成功の連鎖で、 脳を “だます” …… 35 脳が 「きっとできる」 と思うようになる法/視線の角度を上げるだけで、 行動力が変わる04
慣れることで、 脳を “だます” …… 42 どんなことでも続けられる3つのポイント05
思い込みを書き換えて、 脳を “だます” …… 48 心のブレーキをはずす7つのステップ06
自分にラベルを貼って、 脳を “だます” …… 55 脳 を“ だ ま す ”と す べ て が う ま く 回 り 出 す 目 次 Part1
ラベルを替えるだけで積極的になれる/ “私は〜です” につられて脳もやる気に!
07
ラベルどおりの選択をして、 脳を “だます” …… 61 脳をベストな状態に保つ秘訣/自転車通勤でセロトニンの分泌が盛んに!08
目標を具体化して、 脳を “だます” …… 68 目標設定のための6つの質問法09
強制ではなく、 納得目標で、 脳を “だます” …… 74 「〜します」 とひとまず言ってしまう10
エゴとラブで、 脳を “だます” …… 79 自分を大事にするエゴも “必要”脳を
“だまし”
て、
感情を自在に操る
11
自己暗示で、 脳を “だます” …… 84 暗示で睡眠不足が解消する/気持ちが軽くなる暗示12
目的意識を伝えて、 脳を “だます” …… 90 なぜ朝と夜は潜在意識とつながりやすいのか Part2
13
前向きの態勢をとって、 脳を “だます” …… 95 気持ちが煮詰まったときの対処法14
リンクを変えて、 脳を “だます” …… 100 気持ちよく勉強できる魔法のスライド/対人不安を吹き飛ばす方法15
アンカリングして、 脳を “だます” …… 106 いつでもポジティブな感情を引き出せる!/望む感情を引き出す回路をつくる法16
違う角度から見て、 脳を “だます” …… 113 もう一つの考え方とうまく付き合う/幸せをつかむ人、 つかみ損ねる人の差17
苦手意識を “上書き” して、 脳を “だます” …… 118 嫌いなことには “プラスの上書き” をする18
過去や未来を行き来して、 脳を “だます” …… 122 過去のトラウマから逃れる法/潜在意識が目標に向かって動き出す脳を
“だます”
言葉のチカラ
19
プラシーボ効果のある言葉で、 脳を “だます” …… 130 「〜しない」 という言葉は禁止 Part3
20
毎朝の音読で、 脳を “だます” …… 135 「いい質問」 で脳を元気にする21
ほめ言葉で、 脳を “だます” …… 140 会話の最初と最後に感謝の気持ちを伝える/ほめられたら素直に喜んでみる22
ひとり芝居で、 脳を “だます” …… 146 頭の中に3つの意見を持つ/恥ずかしがらずになりきる脳を
“だます”
と人間関係がラクになる
23
相手の存在を五感で感じて、 脳を “だます” …… 154 人は孤独にはなり得ない/言葉ではキャッチできない情報をつかむ24
相手の感覚タイプを知って、 脳を “だます” …… 162 相手のタイプは3つに分けられる/目の動きだけで相手の気持ちがわかる25
互いの存在感をすり合わせて、 脳を “だます” …… 170 互いの 「地図」 に共通点をつくる26
相手の動作を真似して、 脳を “だます” …… 176 幸せはかならず自分に返ってくる Part4
27
知覚位置を換えて、 脳を “だます” …… 181 心の壁を取り外す方法/これまでわからなかったことに気づく28
「波紋の法則」 で、 脳を “だます” …… 191 どんな石を投げるかで関係は変わる脳が
“だまされる”
小さな習慣
29
カラーバス効果で、 脳を “だます” …… 196 脳の学習効率が驚くほどあがる30
サムシング ・ ニューをして、 脳を “だます” …… 200 小さな 「初めて」 で脳の働きが活性化する31
朝の 「先取りありがとう」 で、 脳を “だます” …… 205 脳を感謝と楽しい刺激で満たす32
憧れの人になりきって、 脳を “だます” …… 210 三日坊主だった禁煙が簡単に成功!/ライブが持つエネルギーを受け取る Part5
33
未来の自分からいまの自分を見て、 脳を “だます” …… 217 未来の自分にインタビューする34
成長を “見える化” して、 脳を “だます” …… 221 手帳でモチベーションを操る エピローグ 感謝力 ・ 幸福力を強化していく …… 226 感謝は幸福につながる コントリビュートという気持ちを大切に 成功よりハピネス 世界中があなたの味方であるPart
1
やる気を出す
24
01
笑顔
に
な
っ
て
、
脳
を“
だ
ま
す
”
いつも明るく、笑顔をたやさない人もいれば、どちらかといえば寂しく、沈んだ表 情をしている人もいます。客観的に見た2人の状況はあまり変わらないのに、です。 もちろん、性格の違いもあれば、体調の良し悪しもある。沈んだ表情の裏に、何か 事 情 が 隠 れ て い る こ と が あ る の か も し れ ま せ ん。 で も、 い ち ば ん の 違 い は 、 感 情 の コ ン ト ロ ー ル の 仕 方 を 知 っ て い る か 、 い な い か 。私は、そう思っています。 明るく楽しい感情を抱くには、いいこと、好きなこと、ハッピーなことに囲まれて いなければダメ。そうでなければいい感情にはならないと思っている人もいるかもし れません。いいことがあるからいい感情になる。逆に、嫌なことがあるから暗い感情 になる。誰もがそう思いがちです。 たしかに出来事は感情を引き起こします。しかし、必ずしも、いつでもそうだとい25 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す うわけではない。感情は自分でコントロールすることができるのです。 たとえば、鏡に向かって思いきりの笑顔をつくってみる。別におもしろいことなど 何もなくても笑顔はつくれます。はじめのうちは無理につくった笑顔でも、笑顔を続 けているうちに、だんだん気持ちが明るくなってくるのが感じられるでしょう。 実は、 「 い い 気 分 に な る の に 理 由 は い ら な い 」のです。 気分がいまひとつ盛り上がらない日があったら、無理にでも笑ってみる。満面の笑 み を 浮 か べ て み る の で す。 そ れ だ け で 気 持 ち は 大 き く 変 わ り、 や る 気 が 出 て く る も の。生理学的にも、笑顔をつくると表情筋が動き、その結果、脳に盛んに血流がいく ようになり、脳の働きが活性化されるのです。 つ ま り、 何 か い い 気 分 に な る こ と を し て 、 脳 を い い モ ー ド に し て し ま う 。 こ う して脳を“だまし”て、やる気のスイッチをオンにするわけです。 ○
朝
の
掃除
で
、い
い
気分
が
一
日中続
く
私の場合、朝起きたら、自分の顔を磨きます。 “磨く” ? 具体的には、まず鏡を磨26 く。それから鏡の自分に向かって最高のいい笑顔を送る。つまり、鏡の中の自分を最 高の笑顔にするわけです。 それから、玄関とトイレを掃除することを習慣にしています。といっても、ぞうき ん で た た き や 床 を 拭 く 程 度 で す が、 意 外 に ほ こ り が あ る も の で、 「 あ れ、 一 日 で、 け っこう汚れていたんだ」と驚くくらい。本当にさっぱりします。 も と も と こ の 習 慣 は、 以 前、 あ る 女 性 経 営 者 の 方 か ら、 「 玄 関 と 水 ま わ り を き れ い にしておくと厄落としになり、いいことが起こるといわれているのですよ」と聞いた のをきっかけにはじめたこと。 だ か ら、 玄 関 と ト イ レ を 掃 除 す る と、 自 然 に、 「 今 日 も き っ と い い こ と が 起 こ る。 いい一日になる」と思えてきて、実際、本当にいい気分になります。 朝 を 快 適 な 気 分 で ス タ ー ト す る と 、 い い 気 分 は 一 日 中 続 き ま す 。 つ ま り、 一 日 中、明るく元気でいられ、前向きの考え方を保てるのです。 朝の掃除は結果的に、脳を“だまし”てやる気や元気を呼び覚まし、一日中、よい エネルギーで自分を満たすきっかけづくりだといえるかもしれません。
27 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す ○
短期間
で
驚
く
ほ
ど
英語力
が
つ
く
秘策
いい気分にすることがなぜ大事なのかといえば、脳は「快」のモードのほうがずっ と よ く 働 く か ら で す。 好 き な こ と を 増 や し 、 い い 気 分 に な る こ と を 身 に つ け る と 、 脳 の 働 き を 強 化 ・ 拡 大 化 で き る のです。 英語力をもっとつけたい。そう思い、厳しい予定を組んで、毎日、歯をくいしばっ て勉強する。もちろん、これでもそれなりに英語力はついていきます。 でも、同時に忘れてならないのは、英語を話すネイティブの友だちや恋人をつくる ことです。 友 だ ち に 会 う と、 脳 は 自 然 に「 快 」 の モ ー ド に 入 り、 そ の 結 果、 活 性 化 さ れ ま す。 この状態で英語を聞いたりしゃべったりするのですから、どんどん吸収され、短期間 に驚くほど英語力がついていきます。 友だちと語り合うのは楽しいことだから、脳は「快」のモードに。勉強はいうまで もなく、スポーツなどでも「快」になることは想像以上に大事なのです。28 女 子 プ ロ ゴ ル フ ァ ー の 宮 みや 里 ざと 藍 あい 選 手 の メ ン タ ル コ ー チ は、 「 ミ ス を し た ら 笑 顔 に な る こ と 」「 リ ラ ッ ク ス が 大 切 だ 」 と い う こ と を 徹 底 的 に 言 っ て い る そ う で す。 宮 里 プロが世界ランク1位になった陰には、脳を「快」にする習慣が身についてきたとい う事実があるのではないでしょうか。 TOEICなどのスコアアップを目指すというような場合には、体系的に勉強する ことが不可欠です。でも、実用レベルの英語なら、ネイティブ・スピーカーの友だち や恋人をつくることも効率のいい方法です。 勉強でも仕事でも、成果を確実にあげるには、できるだけ楽しみながらやる方法を 工夫してみるとよいでしょう。勉強する場所も窓辺に緑がそよいでいるような心地よ い環境の図書館とか、お気に入りのカフェなど、快適な環境を選ぶことをおすすめし ます。 何 か 楽 し い こ と を 思 い 浮 か べ て 、「 快 」 モ ー ド に 切 り 替 え て か ら 、 仕 事 や 勉 強 に と り か か る こ と も 有 効 です。 英会話のテキストにブロンド美女の写真のカバーをつけて、手に取るたびにニンマ リしたり……。気分が落ち込んでしまったら、いちばん好きなこと、たとえば、サー
29 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す
脳を「快」で満たすとやる気が湧いてくる!
脳は「快」のモードのほうが働く
朝起きたら、いい気分になることをする
30 人に は ど う し て も 好 き に な れ な い 、 苦 手 、 怖 い 、 不 安 な ど の 「 不 快 」 な 感 情 が あ る も の 。 こ う い う 不 快 感 を 持 っ て い る と 、 脳 の 働 き は ど う し て も 鈍 く な っ て し ま い ま す 。 たとえば、ある人を苦手だとか、怖いと意識すると、その人から、自分の名前を呼 ばれただけでギクっとして、何を言われるのだろうと不安でいっぱい。向かい合って も、相手の目をまともに見ることができず、おどおどギクシャク。思ったことの半分 も口に出せなかったりする……。そんな経験はないでしょうか。 そ の 結 果、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 不 足 す る。 意 思 の 疎 通 が 十 分 で き て い な い か ら、 誤解を招きやすく、さらに食い違いが起こり、ますます苦手意識が増幅する。こうし た悪循環におちいってしまうことも少なくないのです。 苦手意識や恐れ、不安は一見、ないほうがよい感情のように思われます。でも一概 覚を 気分、かっこいい自分にちょっと酔ってうっとりとしているいい気分……こうした感 実際にはサーフィンをしているわけではないのですが、サーフィン中のノリノリの 感で脳を満たすようにしましょう。 く波に乗り、楽しい気分にひたりきっているというイメージを思い浮かべて、その快 フィンが好きなら、サーフィンをしている自分、ビッグウエイブをとらえてかっこよ 思 い 浮 か べ る だ け で、 脳 は す っ か り そ の 気 に な り、 「 快 」 の 状 態 に 変 わ り ま す。 その結果、やる気もどんどん湧いてきます。 これも、脳を“だます”方法の一つです。
31 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す
02
恐怖心
や
不安
を
受
け
入
れ
て
、
脳
を“
だ
ま
す
”
人に は ど う し て も 好 き に な れ な い 、 苦 手 、 怖 い 、 不 安 な ど の 「 不 快 」 な 感 情 が あ る も の 。 こ う い う 不 快 感 を 持 っ て い る と 、 脳 の 働 き は ど う し て も 鈍 く な っ て し ま い ま す 。 たとえば、ある人を苦手だとか、怖いと意識すると、その人から、自分の名前を呼 ばれただけでギクっとして、何を言われるのだろうと不安でいっぱい。向かい合って も、相手の目をまともに見ることができず、おどおどギクシャク。思ったことの半分 も口に出せなかったりする……。そんな経験はないでしょうか。 そ の 結 果、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 不 足 す る。 意 思 の 疎 通 が 十 分 で き て い な い か ら、 誤解を招きやすく、さらに食い違いが起こり、ますます苦手意識が増幅する。こうし た悪循環におちいってしまうことも少なくないのです。 苦手意識や恐れ、不安は一見、ないほうがよい感情のように思われます。でも一概32 に、ネガティブな感情はないほうがいいとはいえないのです。 「 あ ら ゆ る 感 情 は 自 分 の 味 方 」。 す べ て の 感 情 は 自 分 を 守 る た め に 起 き て い る 。 す べ て の 感 情 に は 肯 定 的 な 意 図 が あ る のです。 たとえば、高所恐怖症で、高いところに登るなんて、考えただけで怖い。足がすく んでしまう、という人がいます。でも、程度の違いはあっても、誰でも高いところは 怖いのです。 高いところに行けば足がすくみ、下を 覗 のぞ き込むなんて、考えただけで体が震えてく る。こんな恐怖心や不安は、ちょっと考えるとなくしたほうがよいと思えますが、実 は 、 け っ し て そ う で は な い の で す か ら 、 人 間 は 複 雑 に し て 、 お も し ろ い 生 き 物 な の で す 。 ○
す
べ
て
の
感情
は
、よ
い
結果
を
導
い
て
く
れ
る
よく考えると、このとき浮かぶ恐怖や恐れは、高いところは危険だということを教 えてくれているわけです。足がすくむのは、危険なところには近づかないほうがよい と判断して脳がかけたブレーキ。恐怖や恐れは、自分を守るために自分自身が起こし33 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す 苦手意識を受け入れると 脳のブレーキがはずれる!
あらゆる感情は自分の味方
あがり症だからうまくいかない あがり症だから本番までにきちんと準備ができる34 ている感情なのだと気づくでしょう。 自分が抱くすべての感情は、自分にとってよい結果を導こうとしているもの。すべ ての感情には肯定的な意図があるのです。 そ う し た 感 情 の 仕 組 み を 理 解 し た う え で、 恐 怖 を 受 け 入 れ 、 ラ ク な 気 持 ち に な れ る よ う に な る と 、 脳 の ブ レ ー キ が は ず れ 、 や る 気 の ス イ ッ チ を オ ン に で き ま す 。 何 ら か の 苦 手 意 識 や 恐 怖 や 不 安 に と ら わ れ て し ま っ た 場 合 は、 視 点 を 切 り 替 え て、 苦手意識や恐怖、不安が持つ肯定的な意図に目を向けてみましょう。 すると、恐怖は恐怖でなくなり、不安感もなくなります。いや、恐怖や不安に対し て、むしろ、感謝さえ湧いてくる。 ここまでくれば、気持ちは肯定的な方向にはっきりと向き変わり、恐怖や不安をな くすためのさまざまな行動を考えられるようになっていくもの。 こ う し た プ ロ セ ス を「 ダ ン ス ・ ウ イ ズ ・ フ ィ ア 」( 恐 怖 心 と ダ ン ス し よ う ぜ ) と いったりします。恐怖心をポジティブなエネルギーに変えて、一緒に踊り出す。ネガ ティブな感情を逆転させ、未来に向かって躍進していく姿を象徴する、なんだかワク ワクしてくるし、勇気が湧いてくる言葉です。 現状にけっして満足しているわけではない。それどころか、このままではいけない という気づきもある。それでも、現状を大きく変える勇気が持てなくて足踏みしてい る……という人も少なくないかもしれません。 こ う し た 気 持 ち は、 健 全 で あ る 証 だ と い う こ と も で き る の で す。 突 然 、 現 状 か ら 遠 く に 飛 び 出 そ う と す る の は 危 険 。 ハ ー ド ル を 越 え る 場 合 も、 い き な り 現 在 の 5 倍 の高さを飛び越えようとすると、いくら助走をつけたとしても、おそらく、壁に激突 して惨敗! という結果に終わるだけです。 はじめは1・1倍の高さに挑戦。次は1・5倍の高さに。こうして2倍、3倍と高 さを積み上げていけば、いずれは5倍、いえ、それ以上のハードルをクリアできるよ うになっていかれるでしょう。
35 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す
03
小
さ
な
成功
の
連鎖
で
、
脳
を“
だ
ま
す
”
現状にけっして満足しているわけではない。それどころか、このままではいけない という気づきもある。それでも、現状を大きく変える勇気が持てなくて足踏みしてい る……という人も少なくないかもしれません。 こ う し た 気 持 ち は、 健 全 で あ る 証 だ と い う こ と も で き る の で す。 突 然 、 現 状 か ら 遠 く に 飛 び 出 そ う と す る の は 危 険 。 ハ ー ド ル を 越 え る 場 合 も、 い き な り 現 在 の 5 倍 の高さを飛び越えようとすると、いくら助走をつけたとしても、おそらく、壁に激突 して惨敗! という結果に終わるだけです。 はじめは1・1倍の高さに挑戦。次は1・5倍の高さに。こうして2倍、3倍と高 さを積み上げていけば、いずれは5倍、いえ、それ以上のハードルをクリアできるよ うになっていかれるでしょう。36 最 初 の 一 歩 は 小 さ く 踏 み 出 す 。 こ の ほ う が う ま く い く 可 能 性 は ぐ ん と 高 い の で す 。 自 分 を 変 え て み た い と 思 っ た ら、 最 初 は、 す で に し っ か り 習 慣 に な っ て い る こ と、 マンネリ化していることに、小さな変化をつけることからはじめてみましょう。 ・いつもより、 15分早く出社してみる ・髪形を人目にわかるくらい、変えてみる ・これまで着たことのない色の服やネクタイをつけてみる ・駅で買う新聞の種類を変えてみる ・駅から会社まで、ふだんとは違う道を歩いてみる こうした小さな変化でも、脳にとっては新鮮な刺激となります。それまで慣れきっ ていた日常習慣に新鮮な風が吹き込まれ、やる気を送ってくれる。脳に元気が伝わっ ていくのが感じられるはずです。 脳内には神経回路が網の目状に広がっています。いつも体験している刺激だと、い つもの決まった回路を通って、決まった行動を起こすだけ。 ふ だ ん と 違 っ た こ と を し て み る。 そ の 結 果、 脳 に ふ だ ん と は 違 っ た 刺 激 が 伝 え ら
37 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す 小さな自信を積み重ねると さらに大きなやる気が起きる!
小さな挑戦と成功で自信を積み重ねる
毎朝 4 時に起 きて、英 語と 中国語を勉強 して、仕 事の 準備をして… 15 分早く 出社する38 れ る と 、 脳 は 新 鮮 な 刺 激 に ふ さ わ し い 行 動 を 導 き 出 そ う と し 、 い つ も と は 違 う 回 路 を 探 し 出 そ う と 張 り 切 る のです。 い つ も よ り 早 く 出 社 し た ら、 誰 も い な い 社 内 が と て も 新 鮮 で い い 気 分 を 味 わ え た。 口 紅 の 色 を 変 え た ら、 「 い い 色 ね 」 と ほ め ら れ た。 こ う し た い い 気 分 や ち ょ っ と し た 自信が、自分を後押ししてくれて、より大きな変化へチャレンジする力をもらえるこ とにもつながります。 変化のサイクルはこうしたきっかけから回り出すことが多いのです。 ○
脳
が「
き
っ
と
で
き
る
」と
思
う
よ
う
に
な
る
法
求める結果に向かって、いきなり全力投球しようとすると、アクションを起こすた めの負荷が大きくなりすぎてしまい、結果的にかえって行動に移しにくい、というこ ともよくあります。 全力投球に移る前に軽くウォーミングアップをするように、むしろ小さなアクショ ンからはじめたほうがいい場合が多いもの。やる気の導火線の端に火をつければ、シ39 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す ュルシュルと燃えていき、やがて、自分の中のエネルギーが 炸 さく 裂 れつ します。 実 際 の ア ク シ ョ ン も 同 じ で す。 や る 気 の 導 火 線 に 火 が つ い た と 感 じ た ら 、 ま ず 、 何 か ア ク シ ョ ン を し て み ま し ょ う 。 変 化 を つ け て み ま し ょ う 。 ど ん な こ と で も い いのです。すると、わずかだけれど、達成感に似た感情が湧いてくるはず。 こ の 段 階 の 達 成 感 は ま だ 小 さ い け れ ど、 確 実 に 自 信 を 生 み ま す。 小 さ な 自 信 で も、 自信を持てたという実感から、さらに大きなことへの意欲がかきたてられる。その結 果、きっとできるという自信も湧いてくるはずです。 「小さな変化への挑戦→成功→自信→より大きな変化への挑戦→成功→自信→もっと 大きな変化への挑戦……」 これが、大きな変化を成功させる図式です。次々と、より大きなやる気や行動を引 き出していく連鎖反応も、脳の特性の一つなのです。 ○
視線
の
角度
を
上げ
る
だ
け
で
、行動力
が
変
わ
る
やる気を出す。これは意識の問題のように見えますが、それだけではありません。40 意識には、自分で意識できる領域と、自分では意識できない無意識の領域がありま す。自分でコントロールできるのは手、足を動かすことなど。自分ではコントロール できないものが、内臓の働きや知覚、感情の動き。さらには、朝、起きたらトイレに いくなど、ごく自然にやっている行動もコントロールしている行動とは別 範 はん 疇 ちゆう です。 やる気も自分の意志だけではコントロールできにくい、無意識の領域に入ります。 無意識の領域を動かしたり、働きかけたりするのは難しいと考えている人もあるか もしれません。ところが意外に簡単な方法があるのです。 い ち ば ん 簡 単 な 方 法 は 体 を 動 か す こ と。 体 を 動 か す こ と は 、 無 意 識 の 領 域 を 直 接 的 に刺 激し ます 。 た と え ば、 階 段 を 使 う な ど、 朝 の 通 勤 経 路 で の 運 動 量 を 少 し 増 や すだけで、オフィスに着いたときのモチベーションはかなり変わります。 こ ん な こ と で、 と 思 う よ う な 小 さ な ア ク シ ョ ン で 確 実 に や る 気 に ス イ ッ チ が 入 り、 オンにできます。一例として、視線を上げるだけでも、気持ちは大きく変わります。 人 は 、 視 線 を 30度 上 げ る と 、 気 持 ち が 前 向 き に 動 き 出 す といわれています。 「ふたりの囚人が鉄格子から外を見ている。ひとりは泥を。ひとりは星を」 アイルランドの作家フレデリック・ラングブリッジの有名な詩です。たとえ囚われ
41 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す の身になっても、視線の角度を変えれば、見える光景・世界観は文字どおり、天と地 ほど変わること、変えることができることを 謳 うた ったものです。 まず、視線を上げる。椅子から勢いよく立ち上がる。手を固く握って、空に突き出 す……などの小さなアクションを起こす。そして、気持ちが変わったら、変わった実 感を脳にしっかり伝えることが大事です。 脳 は 変 化 す る こ と で 気 分 が 一 新 し 、「 快 」 状 態 に な り ま す 。 そ の 結 果、 も っ と 大 きな「快」を求めて動き出します。 こ う し て、 脳 を 操 縦 し て い く 感 じ を つ か ん で く だ さ い。 小 さ な 変 化 か ら は じ ま り、 やがて、大きなチャレンジもできるようになるという自信を感じながら。
42
04
慣
れ
る
こ
と
で
、
脳
を“
だ
ま
す
”
「継続は力なり」という言葉があります。どんなことも一度や二度、実行したくらい では、結果らしい結果にはつながりません。 こつこつ努力を続けていく。そうした人の上には、必ず、成功が訪れます。 「自分には続ける才能がない」 そんなふうに開き直っている人もいるかもしれません。 今年こそ、英語をマスターするぞと張り切って購入した英語勉強のCDセット。気 が つ く と、 封 を 切 っ た の は「 レ ッ ス ン 1」 だ け。 勉 強 だ け で は な く、 つ い こ の 間 ま で、あんなにはまっていたゲームにもう飽きてしまった。こうして、いつの間にかや る気を見失っていく……。 こ う い う 人 に も っ と も い い 方 法 も ち ゃ ん と あ り ま す。 そ れ は、 「 慣 性 の 法 則 」 を 利43 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す 用 す る こと。 「脳は慣れやすい」という特性を活かして、英語の勉強を毎日の習慣にしてみる。習 慣にしてしまえば、あとはラクに続けていくことができるからです。長く続けるため にはこの方法がいちばんです。 ○
ど
ん
な
こ
と
で
も
続
け
ら
れ
る
3
つ
の
ポ
イ
ン
ト
「でもその習慣化ができないんです……」となりそうですが、習慣化には3つのポイ ントがあります。 第1のポイントは、 は じ め の 21日 間 は な ん と か ふ ん ば る こと。 たとえば、健康とダイエットのために、朝、 30分〜1時間ぐらい、ウォーキングを することに決めたとします。 決めた以上、はじめのうちは毎朝、眠くても、ちゃんと家を出て歩く。どうしても 時間がないという日は、家を出ることだけでも必ず実行する、これが大事です。 習 慣 化 の 形 成 に は、 普 通、 21日 間 ほ ど か か る と い わ れ て い ま す。 つ ま り、 最 初 の44 3 週 間 は ち ょ っ と 自 分 に 負 荷 を か け る 。 す る と、 そ の 後 は そ れ ほ ど 力 ま な く て も、 自然に目指す方向に向かって、行動できるようになっていきます。 第2のポイントは、 ハ ー ド ル を 下 げ て も 続 け る こと。 い っ た ん、 慣 性 が 身 に つ い て も、 あ る 日、 ふ っ と、 「 今 日 は 面 倒 だ な ぁ」 と か「 今 日はやめておこうか。また、明日から続ければいいのだから」というような気持ちが 浮かんでしまうこともあるでしょう。 これは、慣性の法則が乱れたり、崩れたりする最初の 兆 きざ しです。この兆しを感じた ときは、実行項目のハードルを下げてでも、なんとか継続する。すると、やる気は先 へと続いていきます。 朝型の生活に切り替えようと決意して、毎朝5時に起床する、と決意したとしまし ょう。 最初の数日は5時にしゃきっと起きた。ところがある日、目覚まし時計の音で一応 目 は 覚 ま し た も の の、 「 眠 い。 も う 5 分 だ け ベ ッ ド の 中 に い た い 」 と い う 思 い が 断 ち 切れない。この5分が 10分になり、 10分のはずが 30分になり……。結局、早起きをは
45 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す じめる前と同じ7時に起きてしまった。 こうなると元の木阿弥。翌日も、その翌日も7時起きになってしまい、ウォーキン グを続けるという目標は達成できなくなってしまいます。 こ ん な と き は、 目 覚 ま し で 目 を 覚 ま し た ら 、 ウ ォ ー キ ン グ は で き な い ま で も 外 に 出 る こ と だ け は す る のです。つまり、ハードルを下げても継続はする。 ふ だ ん は 1 時 間 歩 く と こ ろ を、 そ ん な 日 は 10分 ぐ ら い 歩 い て や め る の で も O K で す。その結果、ウォーキングを続けることができ、ウォーキング習慣を身につけよう という決意を見失わずにすむのです。 いや、起きるだけでも上出来! です。起きたついでに、一歩外に出てみる。これ だけでもいい、と考える日があってもいいでしょう。 第3のポイントは、 週 に 1 回 は 積 極 的 に サ ボ る こと。 最初からあまりにも厳密でガチガチのルールにしてしまわないことも大事です。た と え ば、 飲 み 会 の 翌 日 は パ ス を 認 め る 、 と い う よ う に 例 外 を 設 定 し て お き ま す。 た だし、甘えにならないように例外は事前に設定しておくこと。
46 また、週1日はノータスクデーを設けてあえてサボるのも有効。毎週日曜だけはタ スクを設けずに自由に過ごすなど、サボる日を決めるのです。 「やりたい」という気持ちとやる気をあえてとっておく。すると翌日からまたテンシ ョ ン を 上 げ る こ と が で き、 1 日 休 ん だ こ と に よ り リ ラ ッ ク ス し た 脳 が 新 鮮 な 気 持 ち で タ ス ク か ら の 学 び を 吸 収 で き る のです。 ただし、積極的にサボるのは週1回に。曜日も決めておくべきです。体調が悪いと きは別ですが、 「2日続けてサボるのはなし」などと歯止めを用意しておくこと。 脳には慣性の法則が働いているのです。修正が遅れると、今度はサボることが習慣 化されてしまうこともあり得る、というわけですね。
47 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す 無理なく 習慣化 最初の 21 日間は ハードルを下げてでも続けること!
これで続けられる! 習慣化のポイント
早起き 21 日間 続けると… 週 1 日はサボる日をつくると やる気が続く! 語学の勉強 ダイエット48
05
思
い
込
み
を
書
き
換
え
て
、
脳
を“
だ
ま
す
”
最悪の自分と最高の自分。両方向のイメージを使いこなして、どちらからでも、や る気を発火できるようにしておく方法もあります。 脳へのアプローチを変えて、まず、ネガティブな意識をきれいに払しょくする。そ の後、今度はそれを払しょくすると、どんないい結果になるか、最高の状態の自分を 思い浮かべる。 このプロセスを段階的に踏んでいき、苦手意識や恐怖心を書き換え、最高の未来に 向かっていく大きな力を得るのです。 こ の 書 き 換 え は、 以 下 に 紹 介 す る 7 つ の 段 階 を 踏 む と、 ス ム ー ズ に 進 め ら れ ま す。 た と え ば、 「 人 前 で 話 す こ と が 苦 手 だ 」 と い う 意 識 の 書 き 換 え は、 次 の よ う に 進 め て いきます。49 Part1 脳を“だまし”て、やる気を出す ○