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目次 1.1 カンボジアの基本情報 P カンボジアの概要 P (1) カンボジアの概要 政治経済 P (2) カンボジアの概要 投資制度 P (3) カンボジアの概要 労働市場の動向 P (4) カンボジアの概要 物流 生産インフ

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(1)

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グローバル・アドバイザリー部

カンボジア・ラオス ビジネスガイド

2018年3月

(2)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 1

目次

1.1 カンボジアの基本情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P. 2

1.2 カンボジアの概要

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P. 3

1.2 (1) カンボジアの概要「政治経済」 ・・・・・・・・・・・・・ P. 4

1.2 (2) カンボジアの概要「投資制度」 ・・・・・・・・・・・・・ P. 5

1.2 (3) カンボジアの概要「労働市場の動向」 ・・・・・・・・ P. 7

1.2 (4) カンボジアの概要「物流・生産インフラ」 ・・・・・・・ P. 8

1.3 カンボジアの進出手続

1.3 (1) カンボジアの進出手続「進出形態」

・・・・・・・ P. 9

1.3 (2) カンボジアの進出手続「投資申請プロセス」 ・・ P. 10

1.4 カンボジアの税制

1.4 (1) カンボジアの税制「法人所得税」 ・・・・・・・ P. 11

1.4 (2) カンボジアの税制「個人所得税」 ・・・・・・・ P. 13

1.4 (3) カンボジアの税制「付加価値税」 ・・・・・・・ P. 14

1.4 (4) カンボジアの税制「その他税・国際課税」 ・・・ P. 15

1.5 カンボジアの主要経済指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P. 16

2.1 ラオスの基本情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P. 17

2.2 ラオスの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P. 18

2.2 (1) ラオスの概要「投資動向」

・・・・・・・・・・ P. 19

2.2 (2) ラオスの概要「投資優遇措置」 ・・・・・・・・ P. 20

2.2 (3)ラオスの概要「SEZの整備」

・・・・・・・・・ P. 21

2.2 (4) ラオスの概要「電力と関税」 ・・・・・・・・・・ P. 22

2.2 (5) ラオスの概要「労働力動向」 ・・・・・・・・・・ P. 23

2.2 (6) ラオスの概要「タイ工場との一体運営」・・ P. 24

2.3 ラオスの進出手続

2.3 (1) ラオスの進出手続「進出形態」 ・・・・・・・ P. 25

2.3 (2) ラオスの進出手続「投資申請プロセス」・・ P. 26

2.4 ラオスの税制

2.4 (1) ラオスの税制「法人所得税」

・・・・・・・ P. 27

2.4 (2) ラオスの税制「個人所得税」

・・・・・・・ P. 28

2.4 (3) ラオスの税制「付加価値税・国際課税」・・・・・ P. 29

2.5 ラオスの主要経済指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P. 30

(3)

1.1 カンボジアの基本情報

インドシナ半島南部に位置する。

1991年に内戦が終結し、立憲君主制に基づく民主主義国家が成立した。

ASEAN後発4ヵ国の一つ。2010年代に入り日系企業の投資先として脚光を浴びている。

国名 カンボジア王国 (Kingdom of Cambodia) 面積 18.1万平方キロメートル (日本の約2分の1) 人口 1,578万人(2016年) 名目GDP 202億米ドル(2016年) 首都 プノンペン(183.5万人、2015年) 言語 カンボジア語 宗教 仏教 (一部少数民族はイスラム教) 政体 立憲君主制 元首 ノロドム・シハモニ国王 (2004年10月即位) 首相 フン・セン首相(1998年11月就任) (65歳/1951年4月4日生) 議会 二院制 (上院61名 / 国民議会123名) (出所)外務省ウェブサイト、CEIC、ジェトロウェブサイト

カンボジア

ベトナム

ラオス

タイ

・23州 ・1特別市 (プノンペン)

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1.2 カンボジアの概要

民主主義体制に移行後は政情が比較的安定し、縫製業を中心に経済成長を持続。

進出にかかわる法規制、工業団地や生活基盤等、投資環境の整備が進む。

周辺国に比べ安価な労働力が豊富。人口構成も若年層が多く、安定的な労働供給が期待される。

タイとベトナムの中間に位置するという地の利に恵まれ、域内の労働集約型工程の分業拠点として有望。

1.安定的な政情と持続的な経済成長 (1)1991年の内戦終了以降、25年にわたり政情は比較的 安定。 (2)この間、欧米からの縫製業の投資に牽引され、年平 均9.5%の経済成長路線を維持。2014年には一人当 たり国民所得は1,000米ドルを超え、最貧国を脱した。 3.安価な労働力が豊富 (1)ASEAN先発国に比べ賃金は低水準。ただし、上昇傾 向にあるため、留意が必要。 (2)人口構成では若年層が多く、中長期的にも生産年齢 人口は増加していく見込み。 4.地の利を活かした分業拠点としての期待 (1)バンコック(タイ)、プノンペン、ホーチミン(ベトナム)を 結ぶ南部経済回廊の中心に位置し、地理的に優位。 (2)2015年にメコン川をまたぐネアックルン橋(つばさ橋) が開通する等両隣国を結ぶ道路インフラの整備が進 み、生産分業拠点として活用する利便性が高まって いる。 2.整備が進む投資環境 (1)外資規制が緩く、最大9年間の法人所得税免除等投 資優遇制度が整い、進出までの準備期間が短い。 (2)経済特別区(Special Economic Zone:SEZ)には電力

や水道等の基本インフラを具備した工業団地が設け られている。

(3)プノンペンを中心に生活基盤も急速に改善しており、 ASEANの他の後発国に比べ投資環境が整う。

(5)

1,095 0 500 1,000 0 100 200 1991 1996 2001 2006 2011 名目GDP(左軸) 一人当たり国民所得(右軸) 25.5 33.9 17.2 16.5 14.2 14.3 26.1 0 10 20 30 40 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年) 中国 英国 シンガポール ベトナム 日本 その他 SEZ内の投資認可額の推移 外国からの対内直接投資額(SEZ内の投資等を除く)の推移

1.2 (1)カンボジアの概要「政治経済」

内戦終結(1991年)以降、政治情勢は安定し、2014年には一人当たり国民所得が1,000米ドルを超えた。

2010年代以降、SEZ向けを中心に日系企業からの投資が本格化。

(出所)カンボジア開発評議会ウェブサイトセミナー資料 (出所)ジェトロ「世界貿易投資報告」 名目GDP、一人当たり国民所得 略史 (億米ドル) (米ドル)

(出所)CEIC、UN「National Accounts Main Aggregates Database」 (出所)外務省ウェブサイト、国際金融情報センターウェブサイト 1953 カンボジア王国としてフランスから独立。 1975 クメール・ルージュが民主カンボジア政権を樹立。 1978 ベトナムによる軍事介入、民主カンボジア政権崩壊。 1991 パリ和平協定。 1992 国連カンボジア暫定機構(UNTAC)活動開始。 1993 UNTAC監視下で制憲議会選挙。 1998 第2回国民議会選挙。第1次フン・セン首班連立政権。 1999 ASEAN加入 2004 WTO加盟 2013 第5回国民議会選挙。フン・セン首相首班政権発足。 (億米ドル) (億米ドル) (年) 1.1 1.8 1.9 2.4 1.3 1.3 1.6 0 1 2 3 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年) 中国 日本 タイ 台湾 シンガポール その他

(6)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 投資保障  外国人投資家は、土地所有権を除き、外国人であることのみ を理由に差別的な扱いを受けない  政府は、カンボジアにおける民間投資家の資産に悪影響を及 ぼす国有化政策を行なわない  政府は、適格投資プロジェクト(QIP)の製品価格やサービス 料金を統制しない  政府は、投資家が銀行を通じて外貨を購入し、以下の目的で 外国へ送金することを許可する 投資法で外国人投資家に対して以下を保障。(注) (出所)カンボジア開発評議会ウェブサイト (注)2008年に発効した日・カンボジア投資協定に投資家及び投資資産の保護等が 規定されている。 5

1.2 (2)カンボジアの概要「投資制度」

多くの業種で外国資本100%の現地法人の設立が可能。ただし、外国人の土地の所有は認められていない。

外貨の海外送金も原則自由。

 輸入品の代金、国際的な借入に 対する元金・利息の支払い  ロイヤルティと管理費用の支払い  利益の送金  投下資本の本国送金 業種別参入規制 対象 参入が禁止される業種 内外不問  向精神薬及び非合法薬の製造・加工  国際規約又は世界保健機関(WHO)によって 禁止され、公衆の健康や環境に影響を及ぼす、 毒性を有する化学品、農業用除虫剤・殺虫剤、 その他の化学品を使用する薬物の製造・加工  外国から輸入する廃棄物を使った発電  森林法により禁止されている森林開発事業 外資のみ 特になし (出所)カンボジア開発評議会「カンボジア投資ガイドブック」(2013年)

(7)

 すべての商業活動、輸入、輸出、 卸、小売、免税店  水・陸・空路による運輸サービ ス(鉄道分野を除く)  レストラン、カラオケ、バー、 ナイ トクラブ、マッサージ店、フィットネ スセンター  観光サービス  カジノ、賭博ビジネス  銀行、金融機関、保険会社等の 通貨・金融サービス  ラジオ、テレビ、新聞、雑誌等を 含む報道・放送ビジネス  専門的サービス  合法的な国内供給源である自 然林の木を原料として使用する 木材製品の製造・加工  50ha以下のホテル、テーマパー ク、スポーツ施設、動物園等を含 む複合娯楽施設  3星級以下のホテル  不動産開発、倉庫業 投資優遇制度

適格投資プロジェクト(Qualified Investment Project:QIP)として認定さ れた事業には以下の恩典が与えられる。 (出所)カンボジア開発評議会ウェブサイト、「カンボジア投資ガイドブック」(2013年) (注1)始動期間:「最終登録証明書」発行の日から最初に利益を計上する年、又は最 初に売上を計上してから3年間のどちらか短い期間。 (注2)優先期間:最長3年間。プロジェクト内容(業種と投下資本額)に基づき、予算法 によって定められる。 優遇の種別 優遇内容 選 択 制 法人所得 税の優遇  法人所得税(20%)の最長9年間(始動期間(注1) +3年間+優先期間(注2))免除  ただし、免税期間に実施する配当に対しては追加 所得税が課税される 特別償却 の適用  製造・加工工程において使用される有形固定資 産価格の40%相当の特別償却 関税の優遇  生産設備及び建設材料等の輸入関税の減免  輸出税を免税(現行法に規定される場合を除く) 投資分野別の適格投資プロジェクト最低投資額 最低額 投資分野 10万米ドル  輸出産業にすべて(100%)の製品・部品・材料を 供給する裾野産業 20万米ドル  飼料の製造 30万米ドル  皮革製品及び関連製 品の製造  金属製品の製造  電気・電子器具と事 務用品の製造  玩具・スポーツ用品の製造  自動二輪車及び 同部品・アクセサリーの製 造  陶磁器の製造 50万米ドル  食品・飲料の生産  繊維関連製品の製 造  衣類縫製、繊維、履 物、帽子の製造  木製以外の家具・備 品の製造  紙・紙製品の製造  ゴム製品・プラスチック製 品の製造  上水道供給  伝統薬製造  輸出向け水産物の 冷凍・加工  輸出向け穀物の加工 100万米ドル  化学品の製造  セメントの製造  肥料の製造  石油化学製品の製造  現代薬の製造 200万米ドル  近代的なマーケットや貿易センターの建設(注3) 400万米ドル  工業、農業、観光、インフラ、環境、工学、化学等の産業 に関連した技能・技術の開発・向上のための訓練を実 施する機関 800万米ドル  国際貿易展示センター、会議ホール 優遇措置非適格となる投資分野

1.2 (2)カンボジアの概要「投資制度」 (続き)

投資優遇制度が整備され、法人所得税の減免等の恩典を受けられる。

(出所)カンボジア開発評議会「カンボジア投資ガイドブック」(2013年) (注3)投資額に加えて、1万m2以上の用地の確保が条件。

(8)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 52.3 6.6 15.8 92.7 69.0 0 50 100 ミャンマー ラオス カンボジア ベトナム タイ 1,000 500 0 500 1,000 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 1,000 500 0 500 1,000 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ ASEAN年間実負担賃金(注)(2016年) 人口分布の推移 総人口:1,431万人 生産年齢人口比率:62.9% 総人口:2,202万人 生産年齢人口比率:66.0% 7

1.2 (3)カンボジアの概要「労働市場の動向」

賃金は、ASEAN先発国に比べ低水準。ただし、上昇傾向にあるため、留意が必要。

人口1,500万人余りの小国ながら、生産年齢人口は着実に増加。

(出所)国際連合ウェブサイト (出所)ジェトロウェブサイト、NNA (注)年間実負担額:一人あたり社員に対する負担総額(基本給、諸手当、 社会保障、残業代、賞与等の年間合計。退職金は除く)。 カンボジア内縫製業労働者に対する2016年の法定最低賃金は、 140米ドル/月。2017年は153米ドル/月、2018年1月より170米ドル/月に上昇。 生 産 年 齢 2010年 2050年 男性 女性 男性 女性 (歳) (歳) (米ドル) (千人) (千人) (出所)CEIC 人口(2016年) 製造業・中間管理職の年間実質負担賃金 製造業・ワーカーの年間実質負担賃金 (米ドル) (百万人) 2,167 2,308 2,376 4,474 6,001 0 5,000 ミャンマー ラオス カンボジア ベトナム タイ 9,922 11,223 11,879 13,949 23,346 0 10,000 20,000 30,000 ミャンマー ラオス カンボジア ベトナム タイ

(9)

カンボジアの物流インフラ ホーチミン バンコック タイ ラオス ベトナム プノンペン シアヌークビル ポイペト スヴァイリエン 南部経済回廊 その他陸路 物流インフラの概況 陸 運  南部経済回廊の整備やメコン川をまたぐネアックルン橋 の開通により、バンコック~プノンペン~ホーチミン間の 一貫陸送が可能になった  プノンペンに開業した大型近代商業施設への搬入や、 日系物流会社によるバンコックからの定期便に利用され ている  プノンペン~シアヌークビル港間の道路も整備済  「南部経済回廊」の副回廊として、バンコック~コッコン~ シアヌークビルを結ぶ「南部沿岸経済回廊」がある 水 運  シアヌークビル港は日本のODAで整備が進められた  水深10mであるカンボジア唯一の深海港。ガントリーク レーン2基を有し、シンガポール、香港、レムチャバン港等 を経由し、世界主要港へ就航 空 運  国内に3つの国際空港、8つの国内空港あり  2016年9月より、成田・プノンペン直行線が就航

1.2 (4)カンボジアの概要「物流・生産インフラ」

カンボジアを横断する南部経済回廊の整備が進みつつある。ネアックルン橋(つばさ橋)が2015年に開通し、バンコック

~プノンペン~ホーチミン間の一貫陸送が可能になった。

現在はプノンペン中心の産業集積であるが、地の利を活かし、ポイペト、コッコンやバベット(スヴァイリエン州)等の国境

地域で、「タイ・プラスワン」・「ベトナム・プラスワン」と呼ばれる国際分業が活発となっていくことが期待される。

コッコン 南部沿岸経済回廊 (出所)カンボジア開発評議会ウェブサイト、ジェトロウェブサイト、各種報道 国際空港 主要港 タイやベトナムの産業集積地で事業展開している日本企業が、そ の生産工程のなかから労働集約的な部分をタイやベトナム国境 付近にある経済特区(SEZ)に移転するビジネスモデルをいう。 本格化が期待されるタイ・プラスワン、ベトナム・プラスワン

(10)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 主な進出形態 駐在員事務所 有限責任会社 進出形態 支店 パートナーシップ 9

1.3 (1)カンボジアの進出手続「進出形態」

カンボジアへの投資は、私的有限責任会社の形態が多い。

長所 短所 概要  カンボジア国内に住所 登録が必要  最低資本金は400万リ エル(商業省は2,000万 リエル以上を推奨)(注)  取締役の設置が必要 私的有限会社:1名以上 公開有限会社:3名以上  100%外国資本による 設立も可能  親会社と別の法人格で あり、リスク回避が可能  株主の責任は、払い込 み金額に限定  QIPの適用あり  (禁止業務を除いて) 内国会社と同様の業務 を実施可能  株式譲渡等の際に商業 省への届出承認が必要  報告義務に伴う事務負 担増加  課税対象  カンボジア国内の住所 を商業省及び税務署に 登録が必要  商品の売買等の活動が 認められていない  社内組織や定款、会計 が簡素  利益が発生しないので、 法人税の対象とはなら ない  QIPの適用なし  定期的な商品販売、 サービスの提供等は認 められていない  カンボジア国内の住所 を商業省及び税務署に 登録が必要  本国の親会社と同一の 法人格であり、独立した 法人格を有しない  社内組織や定款、会計 が簡素  (禁止業務を除いて) 内国会社と同様の業務 を実施可能  QIPの適用なし  支店の債務は親会社に 帰属  課税対象  2名以上の関係者間の 契約で成立する  独立性及び柔軟性が 高い  QIPの適用なし 私的有限責任会社 公開有限責任会社 (出所)ジェトロ「カンボジア会社設立マニュアル」(2017年)、日本銀行「市場実勢相場」(2018年2月20日) (注)1万リエル=2.48米ドル(2018年2月)

(11)

(出所)日本アセアン・センターウェブサイト「カンボジアの投資誘致政策と制度」(2011年6月カンボジア投資セミナーレポート) (注)経済特別区(SEZ)への申請・承認は、各経済特別区に設置された経済特別区管理委員会(SEZ Administration)に対して行う。  会社登記(商業省)  関連ライセンス取得(鉱工業エネルギー省)  建設計画の審査及び承認(土地管理・都市計画・建設省の州出先機関)  初期環境影響評価(環境省)  税務登録(経済財務省)  現地銀行への資本金振込と残高証明書の発行 投資申請(投資計画書の提出) 【認可必要日数】

条件付投資登録証明書(Conditional Registration Certificate:CRC)の発行 ・・・【3営業日】

最終投資登録証明書(Final Registration Certificate:FRC)の発行 ・・・【28営業日】

備 考 申請窓口  投資額200万米ドル以上 カンボジア開発評議会(CDC)  投資額200万米ドル未満 州・特別市投資小委員会(PMIS) 申請料:700万リエル CRC発行の条件  投資計画書に必要な情報がすべ て記述されている  投資行為が制限リストに含まれて いない  国家利益や環境に影響を及ぼさ ない 投資計画書が上記条件を満たさない 場合、「非適合通知(Letter of Non-Compliance)」が発行される 最終投資登録証明書の発行が適格 投資プロジェクト(QIP)の認定となり、 QIPに付与される投資優遇策の恩典 を受けることが可能となる 投資申請・承認プロセス(注)

1.3 (2)カンボジアの進出手続き「投資申請プロセス」

投資申請は以下のプロセスで行う。

(12)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 法人所得税 項目 概要 税率  法人税率:原則20%  ただし、石油・天然ガスの生産及び材木、金、宝石等を含む資源の開発から得られる所得については、30%の税率とな る  一方、付加価値税を除くすべての税金を含む総売上高に対して1%の税率でミニマム税が課税される。ミニマム税は、法 人税納付額とは異なるが、法人税納付額<ミニマム税の場合に納税者にミニマム税の納付義務が発生する  生命、財産又はその他のリスクに関する保険又は再保険の提供に従事する保険会社の総保険料所得に対しては、5% の税率が適用される 課税対象  キャピタルゲイン及び利息、ロイヤルティ、賃貸料等のパッシブインカムを含む課税所得  居住納税者については、全世界所得(居住納税者)  カンボジア源泉所得(非居住納税者) 納税義務者 【居住納税者】  カンボジア国内で組織されている、もしくは管理されている、またはカンボジア国内に主たる事業所を持つ企業を指す 【非居住納税者】  居住納税者でなく、且つ、カンボジア源泉所得を受け取っている企業は非居住納税者と見なされる

(出所)EY「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

会計・税務面につきましては、会計士・税理士等の専門家と十分にご相談下さいますようお願い致します。 11

1.4 (1)カンボジアの税制「法人所得税」

法人所得税の税率は原則20%。

(13)

法人所得税 (前ページの続き) 項目 概要 特記事項 配当に対する追加所得税 追加所得税率 法人税率 追加の所得税の額 0%~ 配当金額の20/100 9%~ 配当金額の11/91 20%~ 0 30%~ 0  国内及び海外の株主に対する利益剰余金の分配に対しては追加所得税が課される  追加所得税の納税義務者は、分配を行う法人  追加所得税の税率は、分配される利益剰余金に適用された法人税の税率によって異なる 源泉徴収税 居住納税者への支払い:以下について源泉徴収が必要  国内銀行及び貯蓄機関以外の受取人に支払われる利息:15%  国内銀行及び貯蓄機関が普通預金口座に対して支払う利息:4%  国内銀行及び貯蓄機関が定期預金口座に対して支払う利息:6%  ロイヤルティ:15%  動産及び不動産に対して支払われる賃借料:10%  サービスに対する個人への支払:15% 非居住納税者への支払い 以下について14%の源泉徴収が必要  配当金  利息  ロイヤルティ、賃借料、及び財産の使用に関連するその他の所得  管理サービスまたは技術サービスに対する報酬

(出所)EY 「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

(14)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 個人所得税 項目 概要 税率  0~20%の累進税率 課税対象  給与税 給与所得に対して課されるが、給与、報酬、賃金、賞与時間外手当付加給付等が対象に含まれる ただし、付加給付は付加給付に対する税の対象となる また、以下の給与所得は、非課税となる  雇用関連費用の払戻 労働法に定める限度内の解雇補償金 労働法に定める社会的特性を持つ追加報酬 派遣及び旅費に対する均一手当(従業員が行う現地作業に対する日当) 専用の制服又は業務用備品に対する手当 納税義務者  カンボジアでは、居住者・非居住者ともに給与税(Tax on Salary:ToS)が課される 居住者は、全世界所得が課税対象となり、非居住者はカンボジア源泉所得のみ課税対象となる  個人は、カンボジアに居住もしくは主たる住居を有する場合、又は当該課税年度中に終了する任意の12ヵ月の間に 182日を超えてカンボジアに滞在した場合、税務上の居住者と見なされる 特記事項  外国税額控除 外国源泉の給与を受け、外国の税法に従って税金を納付する居住者は裏付けとなる書類が提出可能である場合のみ ToSに対する税額控除を受けられる  税務申告及び納付の手続き 雇用主等はToSを源泉徴収し税務当局に提出する必要がある。雇用主又は源泉徴収代理人は、税金納付前にToS及び その他の所得に関する税金を源泉する必要がある。雇用主は、毎月、税務当局に従業員等の為に源泉、申告書の提出 および税金の納付を行う必要がある

(出所)EY 「 Worldwide Personal Tax Guide and Immigration Guide 2017」

13

1.4 (2)カンボジアの税制「個人所得税」

居住者、非居住者ともに給与税が課され、税率は0~20%の範囲で決まる。

(15)

付加価値税 項目 概要 税率  0%:カンボジア国内から海外への財の輸出及びカンボジア国外で費消されたサービスについて適用される 輸出には、旅客及び財の国際輸送が含まれる  10%:上記の輸出関連及び非課税の財・サービスの供給以外に適用される 課税対象 【課税対象取引】 1. カンボジア国内の課税事業者による財又はサービスの供給。課税事業者は、税法もしくは他の規制により納税者 とされる者を指す 2. 課税事業者による、自家使用の為の財の使用 3. 課税事業者による原価以下での供給等 4. 輸入品 【非課税取引】 1. 公的な郵便サービス 2. 医療サービス及び医療サービスに付随する医療品(歯科関係を含む)の販売 3. 国有企業による旅客輸送サービス 4. 保険サービス 5. 主要な金融サービス 6. 関税免除となった自家使用品 7. 公共目的の非営利活動 8. 外交団、国際機関等のその職務上の必要性から使用する輸入品もしくは購入品 納税義務者  課税対象の財・サービスを供給する居住納税者。課税対象の財・サービスの供給は、カンボジア内での課税対象事業者 による財・サービスの供給を含む 特記事項  控除できない未収付加価値税 1. 課税事業者が業務目的としてではなく、遊興、レクリエーション等の提供者として行った遊興・交際・レクリエーション費用 2. 課税事業者が賃貸、又は営業目的以外で購入又は輸入した自動車 3. 課税事業者が、石油製品の供給者として営業を行っていない場合の特定の石油製品の輸入又は購入。

(出所)EY 「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

1.4 (3)カンボジアの税制「付加価値税」

(16)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. フリンジベネフィット税(付加給付に対する税) 項目 概要 税率  付加給付に対する税は、提供された給付の合計価額に対して20%の税率で課税される 付加給付に対する税の目的上、付加給付の価額はすべての税金を含む公正時価となる 課税対象  付加給付に対する税は、雇用主により提供される課税対象となる付加給付に対して課される。この付加給付には労働法 に定める水準を超える車両の私的利用、住宅、食料、水道光熱費、家事使用人、低金利融資、割引販売、教育援助 (雇用関連の訓練を除く)、保険料及び年金拠出の提供が含まれる。 納税義務者  付加給付に対する税は、その受益者が負担する 国際課税 項目 概要 日本との 租税条約  なし 源泉税  非居住納税者への支払 居住納税者は、非居住納税者に対する以下の支払から14%の税率で税金を源泉徴収しなければならない 1. 配当 2. 利息 3. ロイヤルティ 4. 賃借料及び財産の使用に関連するその他の所得 5. 経営管理又は技術サービスに対する報酬(定義なし) 6. みなし利息 移転価格税制  あり 過少資本税制  なし

(出所)EY 「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

(出所)EY 「worldwide personal Tax Guide and Immigration Guide 2016-2017」

15

1.4 (4)カンボジアの税制「その他税・国際課税」

日本とカンボジアの間では租税条約が結ばれていない。

(17)

1.5 主要経済指標

(出所)CEIC、外務省「海外在留邦人数調査統計」 (注)KHR=カンボジアリエル(カンボジアの通貨単位) 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 GDP 名目GDP(億米ドル) 112 128 140 152 167 182 202 実質GDP成長率(%) 6.0 7.2 7.3 7.4 7.1 7.2 7.0 1人当たりGDP(米ドル) 782 878 945 1,011 1,095 1,168 1,278 国際収支指標 経常収支(億米ドル) ▲ 10 ▲ 8 ▲ 12 ▲ 20 ▲ 16 ▲ 17 ▲ 18 経常収支対GDP比(%) ▲ 9.3 ▲ 5.9 ▲ 8.2 ▲ 13.0 ▲ 9.8 ▲ 9.3 ▲ 8.8 貿易収支(億米ドル) ▲ 18 ▲ 21 ▲ 25 ▲ 32 ▲ 32 ▲ 35 ▲ 34 輸出 39 50 56 65 74 85 92 輸入 58 72 81 97 106 119 126 外貨準備高(億米ドル、年末) 33 34 43 45 56 69 84 対外債務残高(億米ドル、年 末) 32 38 58 66 75 89 98 景気指標 失業率(%) 0.3 0.2 0.2 0.3 0.1 0.1 ‐ 消費者物価上昇率(%) 4.0 5.5 2.9 3.0 3.9 1.2 3.0 鉱工業生産指数上昇率 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 財政・金融指標 政策金利 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 為替・株 為替レート(対米ドル、年平均) (注) 4,184.917 4,058.500 4,033.000 4,027.250 4,037.500 4,067.750 4,058.695 株価指数(年末) ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 日系企業総数(拠点数、各年10月1日現在) 63 74 125 142 182 224 270

(18)

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2.1 ラオスの基本情報

インドシナ半島の中央に位置する内陸国。ASEAN後発4ヵ国の一つで、名目GDPはASEAN最下位。

1975年、王政から社会主義に移行。1986年の市場経済導入後、鉱業や水力発電を中心に経済成長が続き、2010年に

一人当たり国民所得が1,000米ドルを超える。

タイとラオスを結ぶ交通インフラの整備が進み、タイとの経済的な結びつきが強まっている。

国名 ラオス人民民主共和国

(Lao People’s Democratic Republic) 面積 24万平方キロメートル (日本の約3分の2) 人口 659万人(2016年) 名目GDP 158億米ドル(2016年) 首都 ビエンチャン(82万人、2015年) 言語 ラオス語 宗教 仏教 政体 人民民主共和制 (人民革命党による一党支配体制) 元首 ブンニャン・ヴォーラチット国家主席 (ラオス人民革命党書記長) 首相 トンルン・シースリット首相 (71歳/1945年11月10日生) (2016年4月首相就任) 議会 一院制(149名) (出所)外務省ウェブサイト、CEIC、ジェトロウェブサイト

ラオス

タイ

ベトナム

カンボジア

・16県 ・1特別市 (ビエンチャン)

(19)

2.安価な労働力 (1)人口の絶対数は少ないが、就労人口は増加しており、 高度経済成長が持続。 (2)タイ、ベトナム等の隣国に比べ低水準の賃金。 (3)年齢別の人口構成で若年層が多く、中・長期的に生産 年齢人口が増加・維持される見込み。 1.アクセスと投資環境の改善 (1)投資優遇措置がある。現在、制度を改正手続き中であ り、制度活用の利便性が向上しつつある。 (2)ASEAN唯一の内陸国であるが、周辺国へつながる橋が 漸次開通している。特にタイとのアクセスが大幅に改善。 ベトナムのダナンに抜ける東西経済回廊も2015年に再 舗装が完了した。 (3)タイ国境付近の ビエンチャン、サワナケート、パクセー 等の経済特別区(Special Economic Zone:SEZ)で工業 団地の整備が進んでいる。 (4)豊富な水資源を背景に発電事業が発展し、電力供給は 安定。また、周辺国に比べて電気料金が安い。 (5)特別特恵関税制度(GSP−LDC)の活用が可能。アセア ン経済共同体(AEC)域内では2018年までに関税撤廃 を予定。 3.タイ工場との一体運営 (1)民族的に近いこともあり、ラオス人はタイ語を理解する ことが可能。タイ現地法人のタイ人スタッフの技術指導 による工場運営が可能。 (2)調達、出荷、会計等についても、タイ工場が支援するこ とにより、投資コストの抑制が可能。

2.2 ラオスの概要

道路と橋の整備が進み、周辺国へのアクセスが改善。外国投資の誘致拡大を狙い投資奨励法が改正された。

人件費が安い。人口構成は若年層が多く、長期的な労働者供給を下支え。

タイ親工場とラオス子工場の一体運営により投資コストの抑制が可能。

(20)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 中国 30% タイ 25% ベトナム 20% 韓国 4% フランス 3% 日本 2% その他 16% 1989~2015年 182.2億米ドル

41

129

0 50 100 150 2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (社) (年) 日系進出企業数(注)の推移 対内直接投資(1989~2015年累計) (出所)外務省「海外在留邦人数調査統計」各年 (注)本邦企業の支店・出張所、現地法人日系企業数(支店・合弁企業含む)の合計。 (出所)ラオス計画投資省ウェブサイト 19

2.2 (1)ラオスの概要「投資動向」

対内直接投資は、中国、タイ、ベトナムの周辺3ヵ国で累計額の75%を占めるものの、近年では韓国等が増加傾向。

タイの人手不足や賃金上昇にともない、2010年以降、タイ・プラスワンの1つであるラオスへ日系企業の進出が増加。

<参考>タイ・プラスワンとは 10年間で日系進出企業数は3.1倍に増加  タイに進出している製造業が、主として労働集約的な工程を労働コストの低い 周辺国(カンボジア、ラオス、ミャンマー等)へ移管すること。  その背景には、タイの最低賃金の上昇や、労働集約産業を中心にワーカーの 確保が難しくなっていることが挙げられる。また、政情不安や自然災害といった リスクも勘案して、周辺国に工場を分散していく動きが加速している。 社 社

(21)

投資地域別優遇措置

2.2 (2)ラオスの概要「投資優遇措置」

投資奨励法が改正され、2017年4月に施行された。

インフラ整備の状況に応じ、地区別に投資優遇措置が設定されている。

地区(第10条) 免除期間 奨励業種(9条(2)(3)(5)(6)に規定) に 対する追加優遇期間 法人税免除期間 コンセッション費 地区1 貧困地域、遠隔地、 投資に対する社会経済 インフラの利便性が低い地域 10年 10年 5年 地区2 投資に対する社会経済 インフラの利便性が高い地域 4年 5年 3年 地区3 特別経済区(SEZ) SEZ関連法令によって判断 (出所)改正投資奨励法(ジェトロ仮訳) 改正投資奨励法に規定されるセクター(第9条)と地区(第10条)に従い、投資家は投資奨励優遇を受けることができる。(注) (注)優遇措置を付与する条件として総額12億キープ以上の投資又はラオス人技術者30人以上若しくは50名以上のラオス人労働者を1年以上雇用する必 要がある。ただし、中小規模の事業で条件を満たさない場合には、改正投資奨励法および他の関係法の規定に従い奨励優遇を受けることが出来る。 【投資優遇を与えるセクター(第9条)】 1. ハイテク・近代技術の使用、科学研究、R&D、イノベーションの利用、環境親和、天然資源エネルギー節約事業 2. クリーン農業、無農薬、育種、畜産品種生産、工芸作物栽培、森林開発、環境・多様性保全、地方開発奨励、貧困解決事業 3. 環境親和的な農産品加工工業、国家の独特な工芸品加工工業 4. 環境にやさしく持続的な自然・文化・歴史観光産業開発 5. 教育、スポーツ、人的資源開発、労働技術開発、職業訓練所、教育スポーツ用品生産事業 6. 近代的病院、製薬工場、医療機器工場、伝統薬の生産と治療に関する事業 7. 交通渋滞解決や住宅のための公共インフラ投資、サービス、開発、農業・工業用インフラ建設、商品輸送サービス、越境サービス事業 8. 商業銀行へアクセスできない国民やコミュニティの貧困解決のための政策銀行およびマイクロクレジット 9. 国内生産や世界的ブランドを奨励する近代的ショッピングセンター、工業工芸農業の国内生産製品を展示する展示場

(22)

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2.2 (3)ラオスの概要「SEZの整備」

ラオスは長らく陸の孤島であったが、橋の整備によりタイとのアクセスが向上。在タイ日系企業は、賃金の上昇を背景に、

国境付近のビエンチャン、サワナケート、パクセーへ進出しつつある。

ビエンチャン、サワナケート、パクセーでは、SEZの整備が進んでいる。2015年には日系中小企業専門のSEZが

パクセーに開業。

東西経済回廊が整備され、将来はベトナムとの分業や積出も可能になる見通し。

(出所)ラオス計画投資省ウェブサイト、日本アセアンセンターウェブサイト Savan-Seno SEZ(2003) (目的)商業、サービス、工業 Boten SEZ(2003) (目的)ロジスティクス、商業、観光 Golden Triangle SEZ(2007)

(目的)観光、商業、サービス VITA Park(2011) (目的)工業、商業、サービス Phoukhyo SEZ(2010) (目的)工業、商業、サービス、教育、空港、ロジスティックス Saysetha SEZ(2003) (目的)加工業、軽工業、観光、電機、機械、新エネルギー Thautluang Lake SEZ(2011)

(目的)商業、観光、サービス(病院、学校等) Longthanh-Vientiane SEZ(2012) (目的)サービス、観光(ゴルフコース、ホテル) Dongphosy SEZ(2012) (目的)商業、住宅、公共機関(大学等) Thakhek SEZ(2012) (目的)ロジスティクス、サービス、森林保護、緑地 Pakse-Japan SEZ(2015) (目的)日系中小企業専用 2 3 5 10 4 6 7 8 9 11 1 東西経済回廊 (注)赤字の経済特区には日本企業が進出済み。 ルアンナムター ボケオ ビエンチャン カムアン サワナケート チャンパサック 開業年 ラオス側 タイ側 第1メコン友好橋 1994年 ビエンチャン ノンカイ 第2メコン友好橋 2006年 サワナケート ムクダハン 第3メコン友好橋 2011年 タケーク ナコンパノム 第4メコン友好橋 2013年 ファイサーイ チェンコン 第5メコン友好橋 未定 パクサン ブンカーン 【タイとラオスを結ぶ橋一覧】 ラオス ベトナム

(23)

0.03 0.05 0.05 0.07 0.09 0.10 0.15 0.15 0.04 0.13 0.13 0.13 0.12 0.19 0 0.1 0.2 ミ ャ ン マ ー ラ オ ス マ レ ー シ ア ベ ト ナ ム タ イ イン ド ネ シ ア シ ン ガ ポ ー ル カ ン ボ ジ ア (米ドル)

2.2 (4)ラオスの概要「電力と関税」

メコン川の豊富な水資源を生かした水力発電は安定しており、電気料金も周辺国と比べ安価。

特別特恵関税(GSP-LDC)の対象国であり、日本を含めた先進国への輸出には、ほぼすべての品目で無税となる。

ASEAN域内の貿易に対しては、2018年までに関税が撤廃され、域内税率が0%になる予定。

一般用電気料金(注)(1kWhあたり)(2016年) (出所)ジェトロウェブサイト (注)ミャンマー、ラオス、マレーシア、ベトナム、タイ、カンボジアは、 使用量によって価格が変動するため、価格の最大値と最小値を記載。 AEC(ASEAN経済共同体) GSP(特恵関税制度)  GSPとは、開発途上国から先進国への輸出に対して、 一般税率よりも低い特恵税率(優遇された関税)を 適用する制度。  一般特恵(一般GSP)と特別特恵(GSP−LDC)の2種類が ある。 (出所)外務省ウェブサイト、ジェトロウェブサイト  AECは2015年末に正式に発足した枠組みで、 ASEAN域内での物品(貿易)、サービス、投資分野の自由化 を目指している。  物品(貿易)自由化への取り組みが最も進んでおり、 ASEAN域内での関税を2018年までに100%撤廃予定。 (出所)外務省ウェブサイト 一般特恵 特恵受益国に指定された国・地域を対象に特恵関税 を適用する制度。ただし、開発途上国のうち、後発開 発途上国(LDC)を除く。 特別特恵 LDCを対象とし、一般特恵と同等もしくはより有利な 特恵関税を適用する制度。ほぼすべての品目で無税 となる。

(24)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 52.3 6.6 15.8 92.7 69.0 93.1 79.9 77.2 94.5 96.7 0 50 100 0 50 100 ミャンマー ラオス カンボジア ベトナム タイ 人口(左軸) 識字率(右軸) 500 0 500 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 500 0 500 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 23

2.2 (5)ラオスの概要「労働力動向」

賃金は、ASEAN先発国であるタイと比較して3~6割と低水準。

生産年齢人口は増加しているものの、絶対人口が少ない(700万人余り)。比較的小規模な工場の立地に適している。

人材の質が課題。

人口分布の推移 2010年 2050年 総人口:625万人 生産年齢人口比率:60.0% 総人口:916万人 生産年齢人口比率:69.2% (出所)国際連合ウェブサイト 男性 女性 男性 女性 (千人) (千人) 生 産 年 齢 (出所)UNDP「人間開発報告」、CEIC 人口(2016年)、識字率(2015年)の比較 (百万人) (%) (出所)ジェトロウェブサイト (注)年間実負担額:一人あたり社員に対する負担総額(基本給、諸手当、 社会保障、残業代、賞与等の年間合計。退職金は除く。)(2016年度時点) ASEAN年間実負担賃金(注)(2016年) (米ドル) 製造業・中間管理職の年間実質負担賃金 製造業・ワーカーの年間実質負担賃金 (米ドル) 2,167 2,308 2,376 4,474 6,001 0 5,000 ミャンマー ラオス カンボジア ベトナム タイ 9,922 11,223 11,879 13,949 23,346 0 10,000 20,000 30,000 ミャンマー ラオス カンボジア ベトナム タイ

(25)

比較表 (共通)○メリット/▲課題・リスク ○メリット ▲課題・リスク カンボジア ○生産年齢人口が今後長期にわたり 増加を続け、安価な労働力を供給 年々人件費が上昇している点に留意 ○投資環境の整備が進んでおり、 経済特区等で優遇措置がある ▲人口規模がタイやミャンマー等に 比べて小さく、労働力確保が困難 ▲タイやミャンマーに比べ、人材の質に ついて留意が必要 ○陸路・水路輸送によって、ASEAN 各国へのアクセスが容易 ○経済成長による個人所得の上昇 を背景に消費市場が拡大 ▲電力の半分以上を輸入しており、 電気料金が高い ラオス ○タイと言語が近く、タイ・プラスワン として進出する際に、人材を活用 しやすい ○豊富な水資源を背景とした 水力発電によって、電力が 安定的かつ廉価に供給可能 ▲内陸国であり輸送費が割高 分業例 ラオス タイ タイ 親工場 前工程 後工程 タイから輸出

2.2 (6)ラオスの概要「タイ工場との一体運営」

民族的に近いこともあり、ラオス人はタイ語を理解することが可能。タイ現地法人のタイ人スタッフによるラオス人

スタッフの管理や技術指導が可能。

タイの親工場とラオスの子工場で調達や出荷、会計等の業務を一元化。

最終工程 ラオス第2工場 輸出のための 材料輸入は 関税免除 後工程 ラオスの工場で、タイ人スタッフを 活用した一体運営をすることにより、 投資コストを下げることが可能。 (労働集約的工程) (出所)JICA「JICA新興国セミナー資料」

(26)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 主な進出形態 25

2.3 (1)ラオスの進出手続「進出形態」

有限(非公開)会社の形態で進出することが一般的。

外資のみを対象とした参入規制業種は設けられていない。

会社の形態 名称 概要 株式会社 有限(非公開)会社 株主2~30名 公開会社 株主9名以上 個人所有会社 - 個人が無限責任 パートナーシップ会社 一般パートナーシップ 会社 出資者は無限責任 有限パートナーシップ 会社 無限責任を負う出資者と 有限責任を負う出資者 <参考>会社設立の手続きと必要日数及び費用 手順 必要日数 費用(キープ) ① 企業名予約証明書を申請 企業登録証明書を申請 2週間 10,000(企業名予約証明書) 10,000(法人設立)+70,000(申請書) +300,000(申請料) ② 定款を登録 1週間 0 ③ 税務登録証明書を申請 2週間 25,000(税登録)+100,000(納税証明書) ④ 商標及びビル広告の認可を申請 1~2週間 10,000 ⑤ 社印作成を申請 2週間 120,000(ラオス語) 123,000(ラオス語+その他の言語) ⑥ 社印の登録 1~2週間 0 ⑦ 労働者の社会保険を登録 1週間 0 ⑧ 付加価値税を登録 3週間 0 (出所)世界銀行「Doing Business 2018」 業種別参入規制(ネガティブリスト(注)) 農林漁業 鉱業・採掘業 電力・ガス・ 蒸気・空調 上下水道・ ごみ処理 運輸・倉庫 情報・通信 金融・保険 保健・社会福祉 アート、演芸・ 娯楽 (注)上記リストの業種は、投資が禁じられている事業 ではなく、企業登録の前に監督官庁の許可が必要な 事業という位置づけである。

(27)

投資形態別の届出先

2.3 (2)ラオスの進出手続「投資申請プロセス」

投資形態は大きく分けて一般投資事業とコンセッション事業の2種類存在する。

投資申請は、投資形態に応じて届出先が異なる。

形態 概要 届出先 一般投資 事業 非ネガティブリスト事業 ネガティブリストに記載されていない一般の投資家 に広く開かれている事業 商工省企業登録局あるいは都・県商工局窓口 ネガティブリスト事業 投資認可の前に関係当局による審査が必要である 事業 投資ワンストップサービス室(OSS) ・・・計画投資省(中央レベル)あるいは計画投資局 (県レベル)に設置された機関。関係機関との連絡 役となり、投資家へのワンストップの投資サービス を提供する。投資ワンストップサービス室へ提出さ れた申請書は、関係機関や地方へ送付され合意を 得る。その後、投資奨励管理委員会へ提出され審 査を受ける コンセッション事業 開発や事業のために政府が使用する所有権および その他権利を使用することが認められた投資活動 (土地コンセッション、鉱物採掘、電力エネルギー開 発、SEZ開発等) ①投資申請 非ネガティブリスト事業 ・・・商工省企業登録局あるいは都・県商工 局窓口へ申請 ネガティブリスト事業 ・・・投資ワンストップサービス室へ申請 ②投資承認手続き 非ネガティブリスト事業 ・・・企業登録申請書が受領されてから 10営業日以内 ネガティブリスト事業 ・・・企業登録申請書が受領されてから 25営業日以内 ③企業登録証の発行 関係機関により発行される「投資承認」、 「投資優遇措置」、「税務証明書」等を含む <参考>一般投資事業の投資申請・承認プロセス (出所)改正投資奨励法(ジェトロ仮訳)、ラオス投資ガイドブック(2017)

(28)

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法人税

27

2.4 (1)ラオスの税制「法人所得税」

法人の所得に対する課税として法人所得税が存在。課税所得に対する税率は24%。

(出所)EY 「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

項目 概要 税率  事業活動に対する標準税率は24% 課税対象  製造、販売、サービス業に従事している企業及び個人は、ラオス源泉所得に関してプロフィット税が課される  ラオス国内から所得を得る、またはJV契約を通じてラオスでの事業活動から所得を稼得している外国企業についても プロフィット税が課される 納税義務者  製造、販売、サービス業に従事している企業及び個人及び、ラオス国内から所得を得る、またはJV契約を通じてラオス での事業活動から所得を稼得している外国企業 特記事項 - 会計・税務面につきましては、会計士・税理士等の専門家と十分にご相談下さいますようお願い致します。

(29)

個人所得税

2.4 (2)ラオスの税制「個人所得税」

ラオスの個人所得税は累進課税になっており、所得に応じて0~24%が課される。

(出所)EY「Worldwide personal Tax Guide and Immigration Guide 2016-2017」

項目 概要 税率 【給与所得】  0~24%の累進税率 【事業所得】  0~24%の累進税率 【その他所得】  株主又はパートナーが受領する配当金その他の給付金:10%  契約またはその他の拘束力を有する義務に基づき受領する利子、仲介または代理業務による手数料収入または 保証行為による収入:10%等 課税対象  給与所得 給与所得には、給料、賃金、賞与、残業代、給与の前払い分、謝礼金、取締役会メンバーに対する手当及びその他の 現金または現物支給として得られる所得  事業所得  その他、配当や利子所得等 納税義務者  ラオス国内で所得を有する個人・法人 (中でも以下に該当する者はラオスにおける所得税の納付を義務付けられる)  ラオス国内で所得を有する個人  ラオス居住者で、海外で働き所得を得ている個人で、海外で所得税を免除されている個人  海外に所在する大使館、領事館または国際組織にて職を有し、ラオス国内での所得を有するラオス人被用者  租税条約の適用がある場合を除き、ラオス国内で働き給与を得ている外国人 特記事項 -

(30)

Copyright © 2018 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved. 付加価値税 29

2.4 (3)ラオスの税制「付加価値税・国際課税」

付加価値税は物品、原材料及びサービスに対して10%課される。

日本とラオスとの間では租税条約は結ばれていない。

(出所)EY 「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

項目 概要 税率  物品、原材料及びサービス:10%  国内生産が不可能な原材料、化学品、機械設備の生産または輸入および完成品または製品の輸出:0% 課税対象  物品、原材料及びサービス  国内生産が不可能な原材料、化学品、機械設備の生産または輸入および完成品または製品の輸出 納税義務者  年間収益が4億キープ(5万米ドル)を超える事業者、及び任意でVAT登録をした事業者 国際課税 項目 概要 日本との 租税条約  なし 源泉税  配当 10%  利子 10%  ロイヤルティ 5% 移転価格税制  なし 過少資本税制  なし

(出所)EY 「Worldwide Corporate Tax Guide 2017」

(31)

(出所)CEIC、外務省「海外在留邦人数調査統計」 (注1)LAK=キープ(ラオスの通貨単位) (注2)LSX: Composite Index 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 GDP 名目GDP(億米ドル) 75 90 102 120 133 144 158 実質GDP成長率(%) 8.0 8.0 7.8 8.0 7.6 7.3 7.0 1人当たりGDP(米ドル) 1,243 1,463 1,641 1,900 2,075 2,212 2,394 国際収支指標 経常収支(億米ドル) ▲ 12 ▲ 13 ▲ 25 ▲ 32 ▲ 24 ▲ 24 ▲ 17 経常収支対GDP比(%) ▲ 15.6 ▲ 14.3 ▲ 24.9 ▲ 26.7 ▲ 18.3 ▲ 16.5 ▲ 10.6 貿易収支(億米ドル) ▲ 3 ▲ 6 ▲ 8 ▲ 8 ▲ 16 ▲ 25 ▲ 14 輸出 17 19 23 23 27 28 34 輸入 21 24 31 31 43 52 47 外貨準備高(億米ドル、年末) 7 7 8 7 9 10 8 対外債務残高(億米ドル、年 末) 28 29 40 50 54 57 60 景気指標 失業率(%) 1.4 1.3 1.3 1.3 1.3 1.3 1.4 消費者物価上昇率(%) 6.0 7.6 4.3 6.4 4.1 1.3 2.0 鉱工業生産指数上昇率 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ 財政・金融指標 政策金利(%、年末) 5.00 5.00 5.00 5.00 5.00 4.50 4.25 為替・株 為替レート(対米ドル、年平均) (注1) 8,258.770 8,030.055 8,007.758 7,860.138 8,048.960 8,147.908 8,179.268 株価指数(年末)(注2) ‐ 899 1,215 1,253 1,414 1,174 1,015 日系企業総数(拠点数、各年10月1日現在) 65 68 83 103 114 128 130

2.5 主要経済指標

(32)

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