36-1
集合住宅における家庭用燃料電池の電力・熱融通効果に関する研究
―生活スケジュールがエネルギー消費量に与える影響―
平田 智子 1. はじめに エネルギー基本計画1)では、家庭用の定置用燃料電池を 2030 年までに 530 万台導入することが期待されており、戸建住 宅だけでなく、今後は集合住宅への導入も進めていく必要があ る。本研究では集合住宅において燃料電池を導入した場合の 省エネルギー効果を算出することを目的とする。集合住宅での 家庭用燃料電池のシステム構成としては、1 住戸 1 台の設置の ほか、複数住戸で家庭用燃料電池を共有(電力・熱を融通)する ことが考えられるが、多くの世帯が生活する集合住宅では居住 者の世帯構成および生活スケジュールによってエネルギー 消費量が変化する。そこで数値シミュレーションにより居住 者の生活スケジュールがエネルギー消費量および燃料電池 の導入効果に与える影響を明らかにするとともに燃料電池 を共有する際により効果的な居住者の組み合わせについて 検討する。 2. アンケート調査と生活スケジュールの作成 燃料電池シミュレーションに用いる居住者の生活スケジ ュールをより実際の条件と近づけるために、アンケート調査 を行った上で居住者の生活スケジュールを作成した。 2.1 アンケート調査概要 アンケートの配布は、2015 年 3 月 29 日にポスティングに よって 3 棟の集合住宅 A・B・C で行い、300 件の配布に対 し 157 件の回答を得た(回収率 52%)。このうち 144 件(144 世 帯、288 人)を有効票とし、集計を行った。調査項目を表 1 に 示す。世帯類型の分類は表 2 のとおりとし、回答者の世帯類型、 世帯人数は図 1、図 2 に示すとおりとする。 2.2 アンケート調査結果 生活スケジュールに関する集計結果と空調・給湯機器の使用 頻度に関する集計結果を以下に示す。 生活スケジュールに関する集計結果:起床、出勤、帰宅、入浴、 就寝の各時刻を調査した。起床時刻および外出時刻は年齢階 級に関わらず、それぞれ朝 6 時から 8 時、朝 7 時から 9 時の時 間帯に集中している。一方で帰宅、入浴、就寝時刻ではばらつ きが見られる(図 3~図 5)。年齢階級ごとに見ると、10 歳未満で は各行為ともにある程度の偏りが見られる。中でも、就寝時刻に ついては 21 時から 22 時という回答が約 9 割を占めている。こ 世帯類型 定義 若年単身 単身世帯かつ年齢が 50 代以下 高齢単身 単身世帯かつ年齢が 60 代以上 若年夫婦 夫婦のみからなる世帯かつ年齢がどちらかが 50 代以下 高齢夫婦 夫婦のみからなる世帯かつ年齢が 2 名とも 60 代以上 夫婦+子 夫婦と子のみからなる世帯 その他 上記の 5 類型に当てはまらない世帯 調査項目 内容 基本データ 住宅属性:間取り,家族属性:性別,年齢 生活スケジ ュール 起床,出勤,外出,入浴,就寝の各時刻,平日昼間の在室状況 暖房・冷房 暖房・冷房の有無,使用機器,頻度,時間帯 給湯 季節別の洗面・食器洗い時のお湯の使用頻度,湯張り頻度 光熱費 電気・ガス・灯油の 2014 年 8 月,10 月,2015 年2 月の支払料金 図 2 居住者の世帯人数分布 表 1 アンケートの調査項目 表 2 世帯類型の分類 17% 13% 0% 12% 13% 26% 33% 23% 6% 13% 22% 13% 9% 11% 0% 8% 34% 19% 30% 26% 17% 13% 11% 14% 4% 6% 4% 5% 0% 25% 50% 75% 100% 集合住宅A_N:47 集合住宅B_N:70 集合住宅C_N:27 全住棟合計_N:144 若年単身 高齢単身 若年夫婦 高齢夫婦 夫婦+子 その他 不明・未回答 30% 39% 33% 35% 26% 34% 30% 31% 19% 20% 15% 19% 23% 7% 19% 15% 2% 4% 1% 0% 25% 50% 75% 100% 集合住宅A_N:47 集合住宅B_N:70 集合住宅C_N:27 全住棟合計_N:144 単身世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯 5人以上世帯 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 0 3 6 9 12 15 18 21 時刻[時] 平均_n:144 10歳未満_n:31 10代_n:19 20・30代_n:48 40・50代_n:68 60歳以上_n:78 図 5 年代別就寝時刻の分布 図 3 年代別帰宅時刻の分布 図 4 年代別入浴時刻の分布 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 0 3 6 9 12 15 18 21 時刻[時] 平均_n:144 10歳未満_n:45 10代_n:19 20・30代_n:60 40・50代_n:82 60歳以上_n:78 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 0 3 6 9 12 15 18 21 時刻[時] 平均_n:144 10歳未満_n:45 10代_n:19 20・30代_n:62 40・50代_n:81 60歳以上_n:78 図 1 居住者の世帯類型分類36-2 のことから、必然的に入浴時刻が他の年齢層よりも早い 18 時か ら 20 時の間に集中している。10 代では入浴時刻が他の世代よ りも遅く、入浴から就寝までの時間が短い傾向にある。世帯ごと に見ると、10 歳未満の子がいる世帯は他の世帯と比べて世帯 全員の入浴、就寝時刻が早い傾向にある。 空調に関する集計結果:暖冷房利用頻度の世帯類型別の集計 結果を図 6、図 7 に示す。冷房のほうが暖房と比べてより多くの 部屋で使用されている。これは就寝時の空調機器の使用状況 によるものだと考えられる。睡眠中に寝室で空調を使用してい る世帯は 144 世帯中、冷房では 32 世帯、暖房では 9 世帯であ った。また、若い世帯のほうが空調の使用頻度が高い。 給湯に関する集計結果:世帯類型別の冬期、中間期、夏期のお 湯の使用頻度について調査した。食器洗いにお湯を使用する 頻度および湯張りの頻度について図 8~図 9 に示す。冬期は 食器洗い時にお湯を使用しない世帯は 8%であることから、冬 期の食器洗いは入浴同様に給湯負荷に与える影響が非常に大 きい。また、湯張りの頻度については年間を通して毎日湯張り をするという回答が最も多かった。一方で高齢単身世帯は中間 期、冬期の湯張りの頻度が低く、若い世帯では中間期、夏期は シャワーのみで済ます世帯が多い。さらに中間期、夏期につい ては時々お湯を使うと回答を多く得た。 2.3 生活スケジュールの作成 アンケートの結果を踏まえて、生活スケジュールを作成した。 世帯ごとにアンケートから得た起床、就寝、入浴時刻および外 出時間を決定し、残りの時間を NHK 国民生活時間調査 20101) を参考に作成した生活スケジュールで埋め、177 パターンの生 活スケジュールを作成した。さらにそれぞれの世帯について家 電機器の使用頻度、アンケート結果より湯張り・洗面・食器洗い 時のお湯の使用頻度を夏期、冬期、中間期それぞれ設定した。 3. 負荷計算 設定したスケジュールに基づく集合住宅での電力・給湯負荷 のばらつきを再現するため、全 60 住戸分の時刻別の各エネル ギー消費量を計算した。 3.1 計算対象 計算対象を福岡市中央区に位置する6 戸×10 階建の全 60 戸の新築分譲マンションとする。LDK には温水床暖房を設 置するものとし、平面図を図 10 に示す。外皮性能は「平成 25 年 省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解 説」2)に示される外皮性能に関する基準値に沿うように設定 した。居住者は、2012 年首都圏新築マンション契約動向調査 3)から作成した。居住者構成は図 11 に示すとおりとする。 3.2 計算方法 計算の流れを図 12 に示す。 家電電力:居室にある家電機器のエネルギー消費は行動に起 因するものとし、該当する行動が発生した際にエネルギーが消 費されるとして家電機器の消費電力を計算する。電気スタンド 及びパソコンについては、行為を行う人数分必要と考え、行為 者数倍する。厨房の家電機器は、家族構成によらず調理時に 76% 58% 83% 58% 92% 80% 67% 76% 18% 24% 11% 27% 10% 0% 19% 0% 0% 8% 25% 0% 6% 12% 27% 17% 25% 5% 15% 33% 17% 12% 9% 17% 25% 22% 15% 29% 17% 0% 17% 0% 16% 20% 14% 10% 12% 9% 3% 5% 6% 41% 18% 67% 33% 27% 55% 57% 38% 12% 0% 0% 16% 20% 29% 10% 18% 12% 6% 14% 15% 14% 12% 65% 55% 78% 75% 46% 30% 57% 55% 6% 8% 2% 12% 36% 17% 11% 5% 15% 24% 42% 6% 25% 14% 5% 19% 0% 25% 50% 75% 100% 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・無記入_N:6 全住棟合計_N:143 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・無記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・無記入_N:7 全住棟合計_N:144 リ ビ ン グ 寝室 子供部屋 ほぼ毎日暖房する 時々暖房する 暖房しない 該当する部屋がない 不明回答 71% 52% 56% 42% 78% 65% 57% 63% 47% 24% 22% 8% 38% 15% 29% 28% 47% 24% 22% 8% 38% 15% 29% 28% 12% 30% 39% 33% 19% 25% 29% 26% 6% 21% 33% 42% 22% 20% 43% 24% 6% 21% 33% 42% 22% 20% 43% 24% 12% 15% 6% 25% 3% 14% 10% 35% 27% 39% 42% 38% 50% 29% 37% 35% 27% 39% 42% 38% 50% 29% 37% 12% 9% 6% 3% 10% 6% 12% 9% 6% 3% 10% 6% 6% 3% 5% 2% 18% 8% 5% 6% 18% 8% 5% 6% 0% 25% 50% 75% 100% 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・無記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・無記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・無記入_N:7 全住棟合計_N:144 リビン グ 寝室 子供部屋 ほぼ毎日冷房する 時々冷房する 冷房しない 該当する部屋がない 不明回答 図 12 計算フロー図 0% 6% 6% 3% 0% 3% 6% 6% 11% 0% 3% 10% 29% 7% 24% 9% 22% 8% 14% 20% 43% 17% 12% 24% 17% 17% 5% 15% 29% 15% 6% 9% 22% 17% 8% 5% 10% 6% 12% 22% 17% 24% 10% 14% 16% 35% 36% 17% 33% 14% 10% 22% 18% 39% 17% 33% 14% 15% 0% 22% 6% 15% 17% 8% 14% 20% 0% 13% 0% 6% 11% 0% 8% 15% 0% 7% 12% 12% 17% 0% 8% 15% 0% 10% 6% 12% 6% 3% 0% 5% 47% 18% 44% 42% 70% 55% 47% 47% 21% 28% 42% 68% 45% 57% 44% 47% 39% 28% 50% 46% 45% 43% 42% 6% 9% 6% 8% 0% 5% 0% 5% 12% 12% 6% 8% 0% 10% 0% 7% 12% 12% 6% 17% 0% 5% 0% 7% 0% 25% 50% 75% 100% 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・未記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・未記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・未記入_N:7 全住棟合計_N:144 冬期 中間期 夏期 0日 1~2日 3~4日 5~6日 毎日 不明回答 図 6 部屋別冷房使用頻度 図 7 部屋別暖房使用頻度 図 8 世帯類型別食器洗い時のお湯の使用頻度 図 9 世帯類型別湯張りの頻度 29% 61% 61% 67% 65% 71% 63% 6% 24% 28% 32% 15% 0% 20% 6% 15% 6% 32% 10% 14% 15% 29% 27% 33% 17% 35% 29% 26% 29% 45% 50% 67% 49% 30% 29% 44% 6% 24% 28% 33% 49% 15% 0% 27% 24% 9% 6% 0% 8% 47% 12% 22% 25% 19% 55% 71% 29% 76% 45% 67% 58% 19% 75% 86% 52% 18% 3% 8% 0% 3% 18% 18% 8% 0% 0% 7% 12% 15% 8% 0% 0% 6% 0% 25% 50% 75% 100% 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 その他_N:20 不明・未記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・未記入_N:7 全住棟合計_N:144 若年単身_N:17 高齢単身_N:33 若年夫婦_N:18 高齢夫婦_N:12 夫婦+子_N:37 その他_N:20 不明・未記入_N:7 全住棟合計_N:144 冬期 中間期 夏期 毎日お湯を使う 時々お湯を使う お湯を使用しない 不明回答
36-3 固定的に使用する。ただし、昼食を家庭内で取る居住者が 1 人 も設定していない場合、昼食時の稼動はないものとする。 給湯水量:給湯が発生する行為は入浴(浴槽、シャワー)及び 洗顔、炊事とする。アンケートに基づいて夏期(6 月~9 月)、 中間期(3 月~5 月、10 月~11 月)、冬期(12 月~2 月)について それぞれ使用頻度を設定し、給湯水量を積算した。入浴(浴槽) は世帯ごとに最初の入浴者の入浴直前30 分間で湯張りを行 うこととする。炊事の行為に伴う給湯については朝、昼、夜 に分けて世帯ごとに給湯回数をカウントし、各時間帯の給湯 量を給湯回数で除することで平均化する。給湯量は世帯人数 により変化するものとする。 HASP/ACLD の仮想冷房負荷から室負荷の計算プログラム を用いて錬成させて計算する。仮想冷房負荷を作成するため の建物仕様データは最上階(西側、中間、東側)、中間階(西側、 中間、東側)、最下階(西側、中間、東側)の計 9 通りを作り、それ ぞれの部屋の空調スケジュールに合わせた負荷計算も室負荷 計算プログラムを用いて 5 分間隔で反映した。 3.3 計算結果 全 60 住戸の中間期の電力消費量および出湯量の時刻変動 例を図 13、図 14 に示す。世帯ごとに電力と給湯需要のピーク を迎える時刻およびピーク値は異なるが、朝食時と夕食時~夕 食後に最もエネルギーを消費している。また、夏期の日中は在 室者がいる世帯と在室者がない世帯で大きく消費電力が異なる。 給湯については入浴する時間帯が 19 時~21 時に集中するた め、同時間帯の出湯量が非常に多くなっている。 4. 燃料電池の導入効果 4.1 検討ケース 生活スケジュールがエネルギー消費量および燃料電池の導 入効果に与える影響を明らかするため、燃料電池シミュレーシ ョンをおこなう実機の発電、起動、停止、待機の挙動を再現した。 また燃料電池の設置台数については以下のようにケースを 設定した。case0 は燃料電池を設置せず、系統電力と従来型 ガス給湯器(給湯効率 75%、暖房効率 67%(いずれも HHV)) を用いるケースとする。case1 は燃料電池を 1 住戸に 1 台設 置するケースである。case2 は複数住戸で燃料電池を共有す る場合でアンダーバー以降の数字は燃料電池設置台数を表 すものとする。タンクユニットからの出湯は階ごとに行われ、 各住戸には補助熱源機が設置されている。タンクユニットか ら出湯される湯温が出湯温度(40℃)に満たないときは、補助 熱源機で 40℃まで加熱する。電力は各発電ユニットから直接 住棟全体に送るものとし、階ごとには区別しない。 4.2 全住戸での年間エネルギー消費量 年間の各ケースの 1 次エネルギー消費量を図 15 に示す。燃 料電池の導入により case1 で 16.6%のエネルギー消費量を削減 できた。燃料電池を共有する case2 では 60 台設置(case2_60)、 40 台設置(case2_40)では case1 以上(17.0%、16.7%)の削減効果 が得られた。3 分の 1 の設置台数(case2_20)でも 13.5%の削減 効果が得られた。月別に見ると、中間期が最も省エネルギー率 が高く、給湯負荷と電力消費量のバランスが取れていると考え られる。一方で夏期は省エネルギー率が 10%以下のケースが あり、給湯負荷に対して電力消費量が過多である。 4.3 階別省エネルギー率 階別の 1 次エネルギー消費量について case0 と比較した各 ケースの省エネルギー率を図 16、図 17 に示す。1 階、4 階、5 階、9 階は省エネルギー率が高い。4 階と 6 階は電力消費量、 給湯水量ともにほぼ同程度であるが、燃料電池共有時の省エ ネルギー率は差がある。これは生活スケジュールの違いによる ものである。4 階と 6 階の時刻別電力消費量と case2_40、 case2_60 の燃料電池運転台数の比較を図 18、図 19 に、給湯 水量とタンク蓄熱量との比較を図20、図21 に示す。6 階では給 湯水量のピークが数回に分けてあり、0 時の段階で 4 階よりもタ ンク蓄熱量が低いため深夜時間帯に case2_60 で 3 台~4 台と 4 階よりも多くの燃料電池が運転し、余分に発電をしている。他 の階を見ても複数回タンク蓄熱量が低下する階では省エネル ギー率が低い。以上のことから、今回のシミュレーションでは燃 図 10 対象建物平面図 1日分の 生活スケジュール INPUTファイル作成プログラム 365日分の 生活スケジュール 365日分の 在室スケジュール 365日分の 家電スケジュール 365日分の 給湯スケジュール 365日分の ガススケジュール 需要計算プログラム 年間熱負荷計算プログラム (HASP/ACLD/8501) 仮想冷房負荷 蓄熱応答係数 室負荷計算プログラム 暖房負荷 (居間) 暖冷房負荷 (暖房:居間を除く) エアコン電力計算プログラム 暖冷房電力 (暖房:居間を除く) 建物仕様 外気条件 電力・熱・ガス需要の積算 家電電力 給湯水量 調理ガス 需要ファイル 発熱スケジュール 空調スケジュール 燃料電池システムシミュレーション 電力消費量・ガス消費量・燃料電池運転スケジュール 等 照明電力 換気電力 需要ファイル 空調計算用ファイル 年間スケジュール 市水温度 共用部電力 若年単身, 7世帯 若年夫婦, 24世帯 夫婦+子, 24世帯 その他, 5世帯 (a)世帯類型 (b)世帯主年齢 図 11 居住者の世帯類型 図 19 電力消費量と FC 運転台数の比較(6 階) 図 21 給湯水量とタンク蓄熱量の比較(6 階) 20代, 7世 帯 30~34歳, 17世帯 35~39歳, 15世帯 40代, 14 世帯 50歳以上, 7世帯
36-4 料電池を共有する世帯のうち朝に入浴する世帯がない、もしく は 1 世帯の場合、効率よく運転する。また、case2_60 では燃料 電池が短時間に起動と停止を繰り返して電力を消費するために case2_40 と変わらない省エネルギー率となった。この点につい ては、1 度停止した燃料電池は一定時間起動しない等の制限を 設定し、より効率の良い制御方法を設定する必要がある。 5. おわりに アンケートで得た回答をもとに作成した生活スケジュール を用いて、季節特性を考慮した実際の条件に近い負荷データ を作成した。さらに数値シミュレーションによって、複数住戸 での燃料電池の共有により効率的に省エネルギーの実現が可 能であることを示すとともに居住者の生活スケジュールがエ ネルギー消費量および燃料電池の導入効果に与える影響を明 らかにした。 【参考文献】 1) 経済産業省資源エネルギー庁 :エネルギー基本計画, 2010年6月 2) NHK 放送文化研究所: データブック 国民生活時間調査2010, 2011 年 3月 3) 平成25年住宅・建築物の省エネルギー基準解説書編集委員会:住宅事 業建築主の判断の基準に準拠した算定・判断の方法及び解説,2013年5 月 4) 株式会社リクルート住まいカンパニー:2012年首都圏新築マンショ ン契約動向 0% 5% 10% 15% 20% 25% 1 階 2 階 3 階 4 階 5 階 6 階 7 階 8 階 9 階 10 階 1 階 2 階 3 階 4 階 5 階 6 階 7 階 8 階 9 階 10 階 1 階 2 階 3 階 4 階 5 階 6 階 7 階 8 階 9 階 10 階
case1 case2_60 case2_40
省エ ネルギ ー率 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
case0 case1 case2_60 case2_40 case2_20
1 次エ ネルギ ー消費量 [G J/ 年 ] 電気 ガス(FC) ガス(給湯) ガス(暖房) ガス(一般) 図 16 階別年間エネルギー推計 図 15 年間エネルギー推計 図 17 階別省エネルギー率 0 100 200 300 400 500 600 case0 case1 case2 _6 0 case2_4 0 case2 _2 0 case2 case3 case2 _0 case2 _2 0 case2 _4 0 case0 case1 case2 _6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2 _6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2 _6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2 _6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2_6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2 _6 0 case2_4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2 _6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 case0 case1 case2 _6 0 case2 _4 0 case2 _2 0 1階 2階 3階 4階 5階 6階 7階 8階 9階 10階 1 次エ ネルギ ー消費量 [GJ /年 ] 電気 ガス(FC) ガス(給湯) ガス(暖房) ガス(一般) 0 100 200 300 400 500 600 0 3 6 9 12 15 18 21 給湯水量 ]L/5m in] 時刻 1階 2階 3階 4階 5階 6階 7階 8階 9階 10階 0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 0 3 6 9 12 15 18 21 電力消費量 ]W] 時刻 1階 2階 3階 4階 5階 6階 7階 8階 9階 10階 0 1 2 3 4 5 6 7 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 0 3 6 9 12 15 18 21 FC 運転台数 [台 ] 電力消費量 ]W ] 時刻 601 602 603 604 605 606 case2_40 case2_60 0 1 2 3 4 5 6 7 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 0 3 6 9 12 15 18 21 FC 運転台数 [台 ] 電力消費量 ]W] 時刻 401 402 403 404 405 406 case2_40 case2_60 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 20 40 60 80 100 120 0 3 6 9 12 15 18 21 タ ン ク蓄熱量 [k W h ] 給湯水量 ]L/5m in ] 時刻 601 602 603 604 605 606 case2_40 case2_60 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 20 40 60 80 100 120 0 3 6 9 12 15 18 21 タ ン ク蓄熱量 [kW h ] 給湯水量 ]L/5m in] 時刻 401 402 403 404 405 406 case2_40 case2_60 図 13 電力消費量(中間期) 図 14 給湯水量(中間期) 図 18 電力消費量と FC 運転台数の比較(4 階) 図 20 給湯水量とタンク蓄熱量の比較(4 階) 図 19 電力消費量と FC 運転台数の比較(6 階) 図 21 給湯水量とタンク蓄熱量の比較(6 階)