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接 着 に及 ぼす ア ル ミニ ウムの表 面特 性(1) 昭 和 アル ミニ ウム㈱

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Academic year: 2022

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(1)一. 論. 文. 一. 接 着 に及 ぼす ア ル ミニ ウムの表 面特 性(1) 昭 和 アル ミニ ウム㈱. The. Effect. of. 礒. 永. 三. Surface. Aluminum. on. Properties SHOWA. Adhesive. ALUMINUM. Bonding. CORPORATION EI zo. 1.は. 山. I SOYAMA. じめ に. アル ミニ ウム材 料 は材 料 自身 の機 能 性 を さ らに高 め る為 に高分 子 材 料 と複合 して利 用 され るこ とが 非 常 に多 い 。例 を挙 げれ ば飲 料缶 用 フ タ材,カ. ラー アル ミ,複 合 皮 膜 サ ッシ等 の プ レ コー ト品,箔 容. 器,キ ャ ップ シ ール材 等 の箔 加 工分 野 にお け る塗 装 お よ び ラ ミネー ト品等 が すべ てそ の対象 とな る。 この場 合,複 合機 能 を十 分 に果 し うる為 に は アル ミニ ウ ム材 料 と高 分子 材 料 が まず 安定 して,し っか り くっつ くこ とが非 常 に重要 で あ る。 金 属 材料 表 面 は外 観 的 に は 同 じよ うにみ えて いて も,そ の 中 味(表 面 層 構造)は 非 常 に様 々 であ る。 どの様 な材 料 組成 で どの 様 な製 造条 件 で 作 られ た か,ま た どの様 な環 境 に どれ く らいの期 間保 管 され て いたか に よ って も大 き く異 な って くる。 ところが 外 観 が同 じ状態 だ か ら と考 えて取 り扱 うと同 じよ うに して接 着 した はず なの に よ く くっつ く もの と,そ うで な い ものが あ り,"ど う!"と. うな って い るのだ ろ. 首 をか し げて しま うこ とに な る。幸 いに も最 近 はESCA,AES,IMA,STEM等. の 表 面解. 析 法が 身近 に利 用 出来 るよ うにな り,材 料 の 表 面状 態 をか な り ミク ロに解 析 出来 るよ うに な った。 そ こで こ こで は,ア ル ミニ ウ ム材 料 の表 面 を中心 に接 着 機 能 に対 して,"良. い表 面,悪 い表 面"に. っ いての い くつ か の研 究例 を紹 介 したい 。. 2.物. 質 は ど う して くっつ くの か. 接 着 力が 発 生す る原 因 と して は,次 の よ う な こ とが理 論 的 に は考 え られ て い る。1) ω機 械 的な 接着:材 料表 面 の 凹凸 に接 着 剤 分子 が 入 り込 ん で単 純 な力 学 的結 合力 が 発生 す る もので, フ ァス ナ ー効 果 とか,ア ン カー効果 等 と呼 ばれ る。実 際 の接 着 には大 きく寄与 す る場 合 が 多 い。 (2)分子 間力 お よ び化学 的結合 に よ る接着:金 属 表 面 と接 着剤 分 子 あ るい は高 分子 材 料 と接 着剤 分子 との結 合 によ る もの で,分 子 間 の結 合 力 と して は,主 と して水素 結合 力,フ. ァンデ ル ワール スカ. がある。 水 素結 合 は分 子 間 力 の 中で は最 も大 き く,金 属 と有 機 化 合物 との接 着 の多 くは この 水素 結 合 に よ る.

(2) 論. 文. と こ ろが 多 い 。つ ま り接 着 の主 理論 を形成 して い るの が,分 子 同士 が 相互 に引 き合 う分 子 間 力 に よ り 接 着力 が生 ず る との考 え方 で あ る。 よ く接 着 す るた め には2つ の物 質 が十 分 に接 近 す る こ とが必 要 で あ り,そ れが両 物質 に親 和性 が あ り,よ くぬれ る ことが 必 要 で あ る とい われ る理 由で あ る。 2.1表. 面 の ぬれ. 接 着 は まず 液状 の 接着 剤 が被 着 体 で あ る固体 表 面 を うま くぬ らす こ とか ら始 ま る。例 えば ポ リエチ レ ンや テ フ ロンの接 着性 が困難 なの は表 面 エ ネ ル ギ ーが 低 く,接 着剤 の ぬれ が悪 いた め で あ る。表 面 張 力 の 小 さ い液体 は低 エ ネル ギ ー表面 で も,高 エ ネル ギ ー表面 で もぬ らす こ とが で きるが,表 面 張力 が 大 きくなれ ば高 エ ネル ギ ー表 面 しか ぬ らす こ とが で きな くな る 。 一 般 に表1に 示 す よ うに金 属表 面 は高 エ ネル ギ ー表 面 で 表1種. 々の物 質の表面 自由エネル ギー. ,高 分 子表 面 は低 エ ネル ギ ー表面 で あ る3). ぬれ易 さの 目安 は図1に 示 す接 触 角 θを用 い て 表 わ す こ と が で き,θ が 小 さ い 程 そ の 液 体 は 固 体 表 面 を よ くぬ らす と い え る。 ま た 固 体 表 面 の ぬ れ 易 さ を 定 量 的 に示 す 一 つ の 指 標 と し てW. A.Zismanに (『c)が. a)ぬ れの限界表 面張力 b)融 点 付近 の値 面 張 力 を もつ 液体 で は ぬ れ に く く,rcよ 2.2親. よ って 提 唱 さ れ た 臨 界 表 面 張 力. あ る')固. 図1表. 体 表 面 はrcよ. り 大 きな 表. 面 に お ける液 滴 の ぬれ状 態. り小 さい表 面張 力 の 液 体 で は よ くぬれ る。. 和力. 接 着剤 と被 着 体 とが お互 いに どれ だ け凝集 し合 え るか,つ ま り両物 質 の親 和 力 が大 きいか小 さいか も"表 面 の ぬ れ"と 同様 に接 着 力 を決 定 す る重 要 な要 因 で あ る。 当然,親 和 力 の 大 きい もの程,よ 接 着 す る こ とにな る。 この親 和 力 は溶 解 度パ ラ メー タ(SP値)と 経験 的にSP値. よば れ る もの で知 る こ とが で きる。. が類 似 の もの はよ く混合 し,ま た 固体 で は よ くぬ れ る こ とに な る。接 着剤 のSP値. 被 着体 の それ とが等 しい こ とは,両 者 の界 面張 力 がゼ ロ とい う条件 に対 応す る もので あ る。 以上 の こ とか ら良好 な接着 を得 るた めの指 標 とな る もの を次 に ま とめて お く。 ω接 着 剤が 被 着 体 を よ くぬ らす こ と。 (被 着体 ♂c>液 状接 着 剤表 面 張 力). 2一. く. と.

(3) 論. 文. (2)被着 体 と接 着 剤 の 溶 解 度 パ ラ メ ー タ(SP値)が. 類 似 して い る こ と。. (3被 着 体 と接 着 剤 の 固 化 し た 場 合 の 両 者 間 の 表 面 張 力 が 等 し い こ と 。 2.3接. 着 強 さとは. 我 々 は 接 着 強 さ そ の も の を知 る こ と は 困難 な た め に,物 の 大 き さ,つ. ま り破 壊 の し易 さ,困 難 さ(破 壊 強 度)か. し この 破 壊 強 度 は 図2に. (。)鵬. ら接 着 性 が 良 い,悪. い を評 価 して い る 。 しか. 示 す(a)〜(c)の 破 壊 様 式 の ち が い に よ り,そ の 意 味 が 大 き く異 な る 。 覗強 い 接. 鰯 ㈱. 破 壊 場 所 ■■ウ. 体 と物 体 を ひ き は な す に 必 要 な エ ネ ル ギ ー. ⇒幽. の. 鰯. 体 の破 壊 栄. (C)接. (b)被 着 体 と 接 着 剤 の 界面 破 壊 (InterfaceFailure). (AdherendFailure). 騨 灘 着 剤 の 凝 集破 壊. (CohesiveFailure). ※(Φでは被着体表面近傍の弱境界層破壊も含む 図2代 着 系 構成"を. 表 的 な破 壊 の 様 式. 設計 す るた め に は,ど のよ うな破 壊様 式 か を知 る こ とが 実 際面 で の接 着 を考 えた 場合,. 最 も重要 な 知 見 の 一つ で あ り,種 々の 手法 を駆 使 して 破壊 場 所 を ミク ロに解 析す る こ とが大 切 で あ る。 ω材料 破 壊(図2(a)の. 場 合):材. 料 自体 が 破 壊す る場 合 と表 面近 傍 の弱 い層 で破 壊 す る場 合 が あ り,. この破壊 様 式 で は被 着 体材 質 お よ び表 面層 の 破壊 強 度 が 問題 で あ り,接 着 剤 を検 討 して も接 着性 は改 善 で きな い 。従 って接着 性 向 上 を計 るた め に は,被 着 体強 度 を あげ るか,被 着体 の 表面 処 理 に よ り表 面 の弱 い層,WBL※(WeakBoundaryLayer)を ※WBL:接. 除去 す る こ と等が 必 要 で あ る。. 着 界 面 とな る金 属表 面,接 着剤 表面,高 分 子 材 料表 面 には 内部 とは異 な る構 造 的 な傾斜. を有 す る層 が存 在 し,境 界 層近 傍 で の破 壊 に つ なが る。例 えば金 属 表面 に形 成 され る酸化 層,圧 延 油 等 の残 存 層 あ るいは材 料 中 の不 純 物 拡散 層等 もWBLと (2)界面破 壊(図2⑤. の場 合):被. な る こ とが 多 い。. 着 体 と接 着 剤 の境 界 面 で破 壊 が起 こ る場 合 で,両 者 の界 面 での 破. 壊 で あ るの で,真 の接 着 強 さが 得 られ る。 しか し実 際の 応用 面 で は界 面破 壊 を起 こす の は接 着性 不十 分 と して評 価 され るこ と も多 い。接 着 強 さを あ げ る方 法 と して は,ぬ れ性 の 改善 や 凹 凸 に よ るか らみ つ きをふ やす ため に表 面処 理 や プ ライ マー処 理 な どが施 され る。 (3凝集 破 壊(図2(c)の. 場 合):接. 着剤 層 で の 破壊 で,こ の 場 合 に接 着強 さを 向上 させ るた めに は,. 接 着 剤 の選 択,改 善 に よ り接 着剤 自身 の凝 集 力 を 向上 させ るこ とが 必 要 で あ る。. 3.ア. ル ミニ ウ ムの表面 層 構造 と接 着性 につ い て. アル ミニ ウ ム材 料 は多 くの製 造 工 程 を経 る こ とによ って,そ の 表 面 は焼 鈍 によ る高 温酸 化 皮 膜 ,圧. 一3一. き.

(4) 論. 文. 延 油 の残 存 層,材 料 中 に含 まれ る微 量金 属 不 純物 層 あ るい は保管 時 に 形 成 され る水和 酸 化 膜,吸 着 水 分 な どで お お われ る。 そ の状態 は村 川 の示 した 図3に よ く表 され て い る詩) 3.1現. 実の アル ミニ ウム材料 の 表面 状態. アル ミニ ウ ム材料 の 多 くは,圧 延 に よ り 長 く延 ば され コ イル状 の もの と して扱 わ れ て い る。従 ってそ の コ イル材 料 の表 面 状態 を幅 方 向,長. さ方 向で 均一 に仕 上 げ る こ と. は非常 に重 要 で あ り,で きる限 り均 一 にす るた め に,種 々の工 夫 が こ ら され て い る。 例 えば大 気 中で圧 延 コ イル を焼鈍 した 場合 の 酸化 皮膜 の厚 さ と脱 脂状 態 の コ イル 幅方 向 での 代表 的パ ター ンは 図4の よ うで ある 。 コイル端 部 は酸 素 の供 給が 十 分 で あ り,酸 化皮 膜 が厚 く脱 脂状 態 が良 くな る。 ところ が コイル端 部 よ り少 し内側 で は酸 素 の 供給 が十 分 で な く,圧 延 油 の加 熱 によ る変 質 も 伴 って,非 常 にぬれ 性 の悪 い(接 触 角:大) 状態 に あ る。 この酸 化 皮膜 お よび脱 脂状 態 図4コ. イル の幅 方 向 にお け る酸 化皮 膜 と脱 脂 状 態 の プ ロフ ィー ル. の プ ロフ ィール は コイル の幅,長. さ,巻 き. 硬 さ,表 面 粗 度,圧 延 条件,圧 延 油 の性 状,. 焼 鈍 条件 な ど多 くの要 因 とか らんで お り,均 一 な 材料 表 面 に制 御 す る技 術 は重 要 な製 造 ノ ウハ ウの一 つ で あ る。 3.2材. 料 表 面要 因 の 接着 性 に及 ぼす影 響 につ いて. Al材 料/接 着 剤/高 分子 フ ィルムあ るい はAl材 料/塗 料 等 の 系 に お いて,ア ル ミニ ウ ム材 料側 の 要 因 で接 着性 低 下 を生 ず る場 合 に は,材 料表 面 に関連 す る問題 で あ るこ とが多 い。従 って アル ミニ ウ ム表 面 にWBLが. 形成 され て い な いか ど うか を,よ く吟 味す るこ とが重 要 で あ る。. つ ま り,ア ル ミニ ウ ム材 料表 面 に形 成 され る酸化 皮 膜,圧 延 油 の残存 層,微 量 金 属不 純 物 の拡 散 層 な どは,高 分 子 材 料 に お いて低 分子 量 物 質 や添加 剤 な どが表 面 に浮 か び出 てWBLを 様 に弱 い境界 層 とな る こ とが多 い。. 4一. 形 成 す るの と同.

(5) 論. 文. 一. ω高 温 酸化 皮 膜 の影 響5)6) む. アル ミニ ウ ム表 面 に は,圧 延上 りです で に10数A程. 度 の酸化 皮 膜 が存 在 し,焼 鈍 な どによ って厚. く成長 す る。 この 高温 酸化 皮 膜 の 厚 さ とポ リエ チ レ ンとの接 着 性 の関 係 を図6に 示 す。 酸 化皮 膜 の成. 図5酸. 化 皮 膜 のTEM像. お よ び は く離 後 のAl表. 面のSEM像. 処理 条件 検討項 目. 酸化 皮膜の TEM像. は く離 後 の A1表 面 の SEM橡. o電. 解 研 摩. o大. 気 圧. △ 】OTorビ2. ●1Torr▲IOTorr5. 図6は. く離 強度 と酸化 皮 膜 厚 さの関係.

(6) 論. 文. 長 によ って接 着 性 が低 下 して お り,は く離 時 の破 壊場 所 も図5に 示 す よ うに酸 化 皮膜 が 薄 い場 合 に は ア ル ミニ ウ ム表 面 に,ポ. リエ チ レ ン分子 の残 存 が多 く認 め られ,ポ. リエ チ レ ン層 の凝 集 破壊 で あ るが,. 成 長 す るに した が い ポ リエ チ レン分 子 の残 存 が 少 な くな り,界 面 破 壊 もし くは酸 化皮 膜 層 の凝 集 破壊 へ と変 化 して くる。 また 酸化 皮膜 が 厚 く成 長 し,接 着性 の悪 い ア ル ミニ ウ ム表面 で は,図5の. よ うに. 酸化 皮 膜の 結 晶化 が 進 ん だ状 態 で あ り,こ の 皮膜 の 性状 変 化 も接 着 性 に影 響 して い る もの と考 え られ る。 同様 に エ ポキ シ系 接着 剤 を用 いた場 合 の 例 を 図7に 示 す が ア)ポ. リエチ レ ンの場 合 と同様,酸. 化 皮膜 が厚 くな る と接 着 性が 低 下 して い る。 (2)水和 酸化 皮 膜 の影 響8)9) 高温 度環 境 下 で 生成 す るで あ ろ う と思 われ る水 和 酸 化皮 膜 を想 定 して水 浸 漬 によ り水和 酸 化 皮 膜 を形 成 し,そ の接 着性 につ いて検討 した 結果 を図8に 示 す 。水 和 初期 に おい て一 時 的 に接着 性 が 低 下 す る 期 間が 存 在 し,そ の期 間 は反 応温 度 が 低 い 程,長. くな る とい う特徴 的 な変 化 が認 め られ る。また水 和. に伴 い,は く離 時の 破 壊場 所 は変 化 し,接 着性 の 悪 い条 件 で は,Al素 壊が 起 って い る こ とが 図9に 示 すIR,ESCA分. 析 お よ びTEMに. 地/水 和 酸化 皮 膜界 面 での 破. よ る皮 膜 断面 観察 に よ り確 認 され. て い る。. 処理時間 図8水. 和 処 理 時間 の 変化 に伴 う接 着 性 の変 化. 参 考 文献 1)日. 本 接 着 協 会 編:接. 2)芝. 崎:接. 着 ハ ン ドブ ッ ク,日. 刊 工 業(1980). 着28(1984),195. 3)W.A,Zisman:般ContactAngle,WettabilityandAdhesion" AdvanceinChemistrySeries43,Am.Chem.Soc.,(1964),P1. \ ︑. 4)村. 川:金. 属 機 能 表 面,近. 代 編 集 社(1984). 5)阿. 部,内. 山,礒. 山,村. 川:軽. 6)阿. 部,内. 山,礒. 山,竹. 中:第49回. 7)軽. 金 属 学 会 表 面 処 理 部 会 報 告 第2報(1983). 8)阿. 部,相. 沢,内. 山,礒. 山:軽. 金 属,24(1974),489. 9)内. 山,礒. 山,竹. 中,加. 藤:軽. 金 属,35(1985),29. 金 属,22(1972),182 軽 金 属 学 会 講 演 概 要,(1975),P81. ‑6一.

(7)

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