見本3
論文内容要旨
Effect of Disintegrants on Prolongation of Tablet Disintegration Induced by
Immersion in Xanthan Gum-Containing Thickening Solution: Contribution of
Disintegrant Interactions with Disintegration Fluids
キサンタンガム粘性溶液による錠剤の崩壊遅延に対する崩壊剤および錠剤特性の影響
薬学専攻 杉浦 大介 内容要旨
近年嚥下が困難な患者の服薬を補助するために,水にキサンタンガムが 主成分のとろみ調整食品で粘性を付与したとろみ水が頻用されている.し かし,とろみ水は錠剤の崩壊および溶出を遅延させ,薬物の吸収を低下さ せるリスクがあることが報告されている.本研究ではとろみ水で服薬され る錠剤の崩壊性に及ぼす崩壊剤の影響ついて調査するために,種々の崩壊 剤を配合したプラセボ錠を調製し,とろみ水に浸すことにより崩壊時間が どのように変化するかを検討した.
錠剤の各種特性として接触角(濡れ易さ), T
2緩和時間(水分子運動性)
を測定し,さらに先行研究から引用した吸水性(Absorption Ration, Wetting
Time)の結果と合わせて,それらの錠剤特性と崩壊時間の関係について多
重回帰分析を行った.その結果,とろみ水により延長された錠剤の崩壊時
間は崩壊剤の種類によって異なっていた.また,粘性のない精製水におけ
る崩壊試験(Normal test)では濡れ易さの指標である Wetting time が,と
ろみ水を含む崩壊試験(Modified test)では水分子運動性の指標である T
2 緩
和時間がそれぞれ崩壊時間に影響していた.以上の結果より,とろみ水の
存在により錠剤の崩壊時間に影響する主要な因子が変化することが示唆
され,その指標となる特性を明らかにすることができた.本研究から,嚥
下が困難な患者が使用する医薬品の処方設計や使用における有益な知見
が得られた.