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理想分離係数

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Academic year: 2021

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(1)

バイオガス分離に向けたカーボン膜モジュールの開発

(日大生産工・院) ○石引理智・(産総研) 吉宗美紀*・(産総研) 原重樹・

(日大生産工) 辻智也・(産総研) 原谷賢治

1.緒言

バイオガスは,生ごみなどをメタン発酵さ せて得ることができる発酵ガスであり,非枯 渇性の再生可能資源として注目されている 1). バイオガスは,約55-65%のCH4,30-45%の CO2が主成分であり,微量な成分として,H2S やNH3などを含んでいる.このバイオガスか らCO2を取り除きCH4を濃縮したガスは都市 ガスの代替物として利用できるため,バイオ ガスの分離技術の開発が望まれている.

ガス分離法には主に,深冷法,吸着法,吸 収法,膜分離法がある.その中でも膜分離法 は駆動力が圧力差であるため,熱エネルギー を必要とせず,連続運転が可能であるなどの 利点がある.バイオガスは微量なH2Sを含む ことから耐薬品性が分離膜に要求されるため,

耐薬品性を持つ炭素膜に着目した.炭素膜は アモルファス炭素から構成される分離膜であ り,特徴的な微細孔を利用した分子ふるい効 果によって優れたガス分離性能を示すことが 知られている 2).本研究では中空糸型の炭素 膜を用いて膜モジュールを作製し,バイオガ ス分離に向けた分離性能の評価を行うことを 目的とする.

2.実験方法

炭素膜の前駆体には,スルホン化ポリフェ ニレンオキシド(SPPO)を使用した.まず,

相転換法により中空糸高分子膜を紡糸し,こ れを乾燥後,酸化処理を行い,真空下,600℃

で2時間焼成することにより目的の中空糸炭 素膜を得た.この炭素膜200本を用いてFig. 1 に示す膜モジュールを作製した.得られた炭 素膜モジュールに対し,各種ガスの透過速度 を圧力変化法により測定することで膜モジュ ールの基本透過特性を評価した.

モジュールの長さ:15.5cm 膜の本数:200本 膜の外径:277㎛

膜面積:259cm2 Fig. 1 炭素膜モジュール

膜モジュールの分離性能の評価は,模擬バ イオガスとして40/60vol.%CO2/CH4混合ガス を用いて実施し,供給温度や供給圧力が分離 性能に与える影響を検討した.さらに,モジ ュール設計式(向流モデル)に基づいた理論 計算を行い,実験結果との比較を行った3)

3.結果および考察

Fig. 2に作製した炭素膜モジュールの25℃,

50℃,90℃における分子サイズの異なる6種

類のガスの透過速度を示した.また,Table 1 には CO2 と CH4 の透過速度比で表される CO2/CH4理想分離係数を示している.膜モジ ュールの透過速度はガスの分子サイズが小さ いほど大きくなる傾向があることから,膜モ ジュールにおいても分子ふるい型の透過機構 を有していることが確認できた.また,測定 温度が高いほど透過速度は大きくなった.一 方,CO2/CH4理想分離係数は測定温度が低い 方が大きくなっており,25℃では174と非常 に高い値を示していた.

Development of Carbon Membrane Module for Biogas Separation

Masanori ISHIBIKI, Miki YOSHIMUNE, Shigeki HARA, Tomoya TUJI, Kenji HARAYA

−日本大学生産工学部第43回学術講演会(2010-12-4)−

― 95 ― 5-44

(2)

Fig. 2 炭素膜モジュールの透過特性

Table 1 CO2/CH4理想分離係数

Fig. 3に,供給圧力0.1~0.5 MPa,試験温度

90℃において,高圧側に残る非透過側CH4

ル分率と CH4回収率(=非透過 CH4流量/供 給CH4流量)との関係についての計算値と実 験値を示した.Table 1 より 90℃における CO2/CH4理想分離係数は 62 であり,このと きCH4回収率96%で,CH4が95%に濃縮でき ることが計算結果から分かった.実験値は供 給圧力に関わらず計算値と比較的良く一致し ており,高い回収率でCH4濃縮が可能である.

次に、試験温度を25℃とした場合の計算値 と実験値をFig. 4に示した。90℃の場合に比 べてCO2/CH4理想分離係数が高いため,より 高い回収率でCH4濃縮が可能であることは明 らかである.しかし,CH4回収率が高い領域 では計算値と実験値はよく一致しているが、

供給圧力を高くするとCH4モル分率が計算値 より低下することが分かった.

Fig. 3 90℃における混合ガス分離試験

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

0.96 0.97 0.98 0.99 1.00 未透過側CH4モル分率

CH4回収率

計算値 0.1MPa 実験値 0.3MPa 実験値 0.5MPa 実験値

Fig. 4 25℃における混合ガス分離試験

4.まとめ

本研究で用いた炭素膜モジュールを用いる ことにより,CO2/CH4混合ガスを高効率に分 離できることから,バイオガス分離への適用 に有望である.

参考文献

1) 井熊 均,図解入門よくわかる最新バイオ燃料の 基本と仕組み,秀和システム,(2008) 99.

2) 吉宗 美紀,原谷 賢治,カーボン膜モジュール を用いた混合ガス分離,高圧ガス 46 (2009) 16.

3) 原谷 賢治,膜分離プロセスの理論と設計,アイ ピーシー,(1993) 191.

1.E-09 1.E-08 1.E-07 1.E-06 1.E-05 1.E-04 1.E-03

0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45 透過速度(cm3(STP) cm-2s-1cmHg-1)

分子サイズ(nm) 90℃

50℃

25℃

He

CH4

N2

O2

CO2 H2

CO

2

/CH

4

理想分離係数

90℃ 62

50℃ 117

25℃ 174

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

0.96 0.97 0.98 0.99 1 未透過側CH4モル分率

CH4回収率

90℃計算値 0.1MPa 実験値 0.3MPa 実験値 0.5MPa 実験値

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参照

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