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走りやすさを考慮した高速道路の経路探索
09D8101029D 越水俊介中央大学理工学部情報工学科 田口研究室
2013
年
3月 あらまし:本研究では,高速道路の走りやすさを道路構造
と内部景観に着目して評価する.これらを数値化し,各
IC,JCT
間の走りやすさを評価する.さらにその評価に
基づき,走りやすさを考慮した高速道路の経路探索を行う.
キーワード:高速道路,走りやすさ,曲線半径,縦断勾配,
内部景観,経路探索
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序論
現在でも日本の高速道路の建設は続き,ネットワークの 充実によって出発
ICから到着
ICまで複数の経路で走行 が可能となっている場合がある.その際,経路決定に一番 簡単な方法は最短距離の経路を選択することである.しか し,最短経路であっても,急カーブが多くて運転しにくい 区間を通る経路である場合も考えられる.
そこで本研究では,中央自動車道(西宮線),東名高速 道路,新東名高速道路(清水連絡路,引佐連絡路も含む),
長野自動車道,関越自動車道(練馬
IC-長岡JCT間),
上信越自動車道, 北陸自動車道 (上越JCT-長岡JCT 間)
を対象に, 高速道路の道路構造と内部景観の
2つをそれぞ れ数値化し,走りやすさを評価する.この評価に基づき,
最も走りやすい経路の探索を行う.
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道路構造による走りやすさ
道路構造による走りやすさとして,道路の「車線数」
と「線形」に着目して評価する.線形については曲線半径 と縦断勾配を考える.
2.1
道路の車線数
道路の車線数による走りやすさを, 片側1 車線,
2車線,
3車線以上の場合に分けて考え,
それぞれの値を0.8,
1.0,1.2
と定める.
2.2
道路の線形
2.2.1曲線半径
道路の曲線部を大きな円の一部とみなしたとき,その円 の半径を曲線半径と呼ぶ.この曲線半径の値が大きいほど 直線に近い道路である.
2.2.2
縦断勾配
縦断勾配とは,水平に
d[m]走行した時の高低差がh[m]とすると
d/h[%]で表される.縦断勾配の値が0[%]であると平坦な道路である.
3 MAPPLE
ルーティングデータ
本研究では,高速道路の線形を計算するのに昭文社の
MAPPLE
ルーティングデータ
25000を使用した.
3.1
道路の線形による走りやすさの数値化
3.1.1遠心力の仕事
曲線半径が小さいほど車体にかかる遠心力が大きくな るため,遠心力の仕事を求める. 車体にかかる遠心力を
𝐹1[N]とすると,𝐹1
[N]
(m:質量
[kg],v:速度[m/s],R:曲線半径)となる.これに距離[m]をかけた値(=遠心力の仕事)を
求める.ただし,
m=1000[kg],v=22.2[m/s](=80[km/h])
とする.
3.1.2
勾配抵抗の仕事
縦断勾配が大きいほど車体に働く勾配抵抗が大きくな るため,勾配抵抗の仕事を求める.勾配抵抗を
𝐹2[N]とすると,
𝐹2
(m :質量
[kg],g:重力加速度[m/𝑠
2],G:縦断勾配
[%])となる. この値に距離[m]をかけた値 (=勾配抵抗の仕事)
を求める.ただし,
g=9.8[m/𝑠2]とする.4
道路の内部景観による走りやすさ
4.1道路の内部景観とは
道路を走行する車両からの眺めを道路の内部景観と呼 ぶ. この内部景観を構成する要素として, 道路の左側の 「側 方勾配」と「表面材料」の2 つを考える.この2つの組み 合わせとトンネルについて考える.
4.1.1
側方勾配
道路の側方勾配とは,道路の側方の外形線が創り出す視 覚的な傾斜角度である. 以下の
3段階に分類して評価する
(図
4.1参照) .ただし勾配
Cについては表面材料はなし とする.走りやすさは勾配
C,勾配B,勾配Aの順に大 きい.
図
4.1側方勾配
4.1.2表面材料
表面材料とは,道路の側方の表面を構成している素材及 び物体である.以下に示す
3種類に分類して考える.
・表面材料
a:コンクリート主体の法面保護工など・表面材料
b:植生吹付工,低木植栽,樹林など・表面材料
c:遮音壁,投物防止柵など走りやすさは草木類, 直立壁, コンクリートの順に大きい.
4.2
道路の内部景観による走りやすさの数値化
各路線について,第三次地域区画と呼ばれる区画に分割 し,各区画の中に一番含まれる側方勾配と表面材料の組み 合わせを設定し,それぞれに表4.1 のように数値を定める.
表
4.1内部景観による走りやすさ
表面材料
a表面材料
b表面材料
c勾配
A 40 60 50勾配
B 60 80 70勾配
C 100トンネル
302 5
走りやすさの評価
5.1
評価方法
まず道路構造による走りやすさを以下の式で求める.
道路の線形による走りやすさ 車線数による走りやすさ
これを各
IC,JCT間毎に求め,その区間の距離[m] で割
った値によって,表
5.1のようにランク付けをする.
表
5.1 道路構造のランクランク 範囲
A 200.0
未満
B 200.0
以上
400.0未満
C 400.0以上
600.0未満
D 600.0
以上
また道路の内部景観による走りやすさは以下の手順で 求める. それぞれの区間において, 通過する区画に対して,
表
4.1に定めた数値の和を求める.求めた値を区画数で割 った値を,その
IC,JCT間の内部景観による走りやすさ の値とする. この手順で求めた値によって,表
5.2のよ うにランク付けをする.
表
5.2 内部景観のランクランク 範囲
a 80.0
以上
b 60.0
以上
80.0未満
c 60.0
未満
5.2
結果
各路線(下り)の
IC,JCT間のランクの割合は図
5.1,図
5.2のようになった.
中央 東名 新東名 関越
長野 上信越 北陸
図
5.1 道路構造によるランクの割合中央 東名 新東名 関越
長野 上信越 北陸
図
5.2 内部景観によるランクの割合5.3
経路探索
まず各ランクの重み係数を定める.この値を各
IC,JCT間の距離にかけることで走りやすさを考慮した経路探索 を行う.探索には
Dijkstra法を用いる.
表
5.3重み係数
ランク
aランク
bランク
cランク
A 1.0 1.0 1.1ランク
B 1.0 1.1 1.1ランク
C 1.1 1.1 1.2ランク
D 1.1 1.2 1.2上越
JCT(上信越,北陸)から藤岡JCT(関越,上信越)への経路探索を行う.この区間の主な経路を図
5.3に,
探索結果を表
5.4に示す.
図
5.3 藤岡JCT-上越JCT間の主な経路 表
5.4 経路探索結果経由するJCT 上越JCTからの距離[km] 上越JCTからの走りやすさ
上越
JCT 0.0 0.0更埴
JCT 85.2 92.6佐久小諸
JCT 131.5 144.1藤岡
JCT 204.3 227.0この区間は走りやすさを考慮しても最短経路である上 信越自動車道のみの経路となった.また長岡
JCT経由の 経路では,距離が
237.7[km],走りやすさの値が254.3と なり,走りやすさの値の差は距離の差よりは小さくなって いる.
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まとめ
本研究では高速道路の走りやすさを道路構造(車線数,
曲線半径,縦断勾配)と内部景観(側方勾配,表面材料)
に着目し評価した.またこの評価に基づき,各路線のIC,
JCT