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芝浦工業大学 学生会員 ○宮崎 幹太 三和石産(株) 正会員 大川 憲

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Academic year: 2021

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(1)

乾燥スラッジ微粉末および再生セメントの中性化抵抗性に関する研究

芝浦工業大学 学生会員 ○宮崎 幹太 三和石産(株) 正会員 大川 憲

芝浦工業大学 正会員 伊代田 岳史

1.背景および目的

建設業界では、年間約 150~200 万m

3

の残コンや 戻りコンが、発生している。これらが廃棄されると 環境に多大な負荷を与えるため様々な方法で再利用 されている。その再利用方法の 1 つとして、コンク リートを骨材、スラッジ水に分別して再利用を行う 洗浄処理がある。JIS A 5308 では、この時に回収さ れる骨材と、スラッジの固形分率が単位セメント量

の 3%以下のスラッジ水、上澄み水を練混ぜに用いる

ことを認めている。一方、処理の際に発生するスラ ッジケーキのほとんどは産業廃棄物となっている。

これらのスラッジケーキを有効活用するため、スラ ッジケーキを 130℃ で乾燥させた乾燥スラッジ微粉 末(以下:DSP)をセメントの代替品として利用す る研究

1

が行われている。DSP の製造工程ではレデ ィーミクストコンクリートとしてセメントが接水し た時点から、スラッジケーキが乾燥されるまでの時 間を処理時間と称する。DSP は一度水和したセメン トであるが、未水和セメントが残存しており普通ポ ルトランドセメント(以下:OPC)の 5 割程度の強 度が発現し、中性化抵抗性が OPC と比較して低いこ とが既往の研究

2

によりわかっている。一方で、 DSP の中性化抵抗性がどの程度低いかについての知見は 少ない。

本研究では、DSP を使用したモルタルの中性化抵 抗性能を実験的に検討する。 DSP の比較対象として、

DSP の製造工程を参考に OPC に処理を施した試料

(以下:再生セメント)を使用したモルタルを用意 し中性化抵抗性と硬化体物性、化学分析結果の関係 について検討を行っていく。

2.実験概要 2.1 使用材料

本研究では、OPC、 DSP2 種類、試製した再生セメ ントを使用した。 DSP は処理時間 8 時間、 24 時間(処

表- 1 配合表

W C S

OPC DSP 再生セメント

50 225 450 1350 W/C(%) 単位セメント量

理時間ごとに、 8 時間を DSPA、 24 時間を DSPB と記 す)と再生セメント 2 種類を使用した。本研究では、

セメントと水を 1:2 の割合で、スターラーを用いて 攪拌した。この時の攪拌時間を処理時間と仮定し、

攪拌時間を 8、24 時間とした。その後、 105℃ で乾燥 させ粉砕ミルで粉末にした試料を再生セメントとし た。今回、再生セメントは処理時間ごとに 8h105℃、

24h105℃と記す。

2.2 試験体概要

本実験で使用したモルタルの配合を表-1 に示す。

打設した翌日に脱型を行い材齢 28日になるまで恒温 恒湿室で封緘養生を行った後、試験を実施した。

2.3 圧縮強度試験

JIS R 5201 に準拠して圧縮強さ試験を実施した。

2.4 促進中性化試験

DSP および再生セメントの中性化抵抗性を確認す るため促進中性化試験を実施した。養生終了後、打 設面 2 面を除く 4 面を、アルミテープで覆い、この 試験体を促進中性化装置(温度 20℃、湿度 60%、二 酸化炭素濃度 5%)に静置した。材齢ごとに、促進中 性化装置から試験体を取り出し、端部を割裂し、割 裂面にフェノールフタレイン溶液を噴霧し中性化深 さを測定し中性化速度係数を算出した。

2.5 空隙率試験

モルタルの中性化抵抗性と空隙率の関係を調べる ため空隙率試験を実施した。試験体の端部を割裂し、

アセトンで水和を停止させ乾燥炉で絶乾にしたもの を用いて空隙率をアルキメデス法によって算出した。

キーワード:乾燥スラッジ微粉末,中性化,pH,再水和

連絡先 〒135-8548 東京都江東区豊洲 3-7-5 芝浦工業大学 TEL03-5859-835

(2)

2.6 pH 測定

モルタルの中性化抵抗性と pH の関係の確認を行 うため pH 測定を実施した。試験体を乳鉢で粉末状に し,ふるいを用いて細骨材を取り除いた。その後、

液体中の粉体濃度が 1%になるよう純水に溶かし、溶 液濃度が均一になるよう 5 分間攪拌しその溶液の pH をガラス電極法の pH メーターを用いて測定した。

3.試験結果および考察 3.1 圧縮強度試験結果

モルタルの中性化速度係数と圧縮強度の関係を図 -1 に示す。DSP、再生セメントは処理時間が長くな るほど強度が低下し、処理時間が同じものでは強度 は同程度となった。しかし、強度が同程度であるに もかかわらず DSP の中性化抵抗性は再生セメントと 比べても低下するという結果となった。

3.2 空隙率試験結果

モルタルの中性化速度係数と空隙率を図-2 に示す。

処理時間が長くなるにつれ、空隙率が増加し、処理 時間が同じ場合 DSP と再生セメントでは空隙率は同 程度となった。空隙率が同程度の場合においても DSP の中性化抵抗性が低下する結果となった。この ことから DSP の中性化抵抗性は空隙にかかわらず低 い結果となった。

3.3 pH 測定結果

pH の測定結果と中性化速度係数の関係を図-3 に 示す。この結果から、OPC と再生セメントの pH は 12.2~12.4 ほどと高かった一方、 DSP の pH は 11.7~

11.8 ほどと低くなる結果が得られた。既往の研究よ り、DSP には3割程度、微粒分が含まれており、相 対的にセメント分が少ない。その結果、低アルカリ となり、中性化抵抗性が低下していると考えられる。

4. まとめ

(1)

DSP、再生セメントは処理時間が長いほど空隙

率が高くなり、強度、中性化抵抗性が低下した。

また、処理時間が同じ場合、DSP は再生セメン トと同程度の強度、空隙率となるが、中性化抵 抗性が著しく低くなる。

(2)

再生セメントと比較し DSP は pH が低い。アル カリが低いことにより中性化抵抗性が低下する と考えられる。

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

(m/√年)

圧縮強度(N/mm

OPC DSPA

DSPB 8h105

24h105℃

図- 1 中性化速度係数と圧縮強度の関係

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

中性化速度係数(mm/√年)

空隙率(%)

OPC DSPA

DSPB 8h105℃

24h105℃

図- 2 中性化速度係数と空隙率の関係

0 10 20 30 40 50

11.6 11.8 12.0 12.2 12.4 12.6

中性化速度係数(mm/√年)

H

OPC DSPA

DSPB 8h105℃

24h105

図- 3 pH と中性化速度係数の関係

参考文献

1)

大川憲,青木真一,百瀬晴基,閑田徹志,笠井 哲郎:乾燥スラッジ微粉末と産業副産物混和材 を併用したクリンカーフリーコンクリートに関 する実験研究,日本建築学会構造系論文集, 2015,

巻 80,pp539–549,2015

2)

荒木萌,大川憲,伊代田岳史:乾燥スラッジ微 粉末を使用したモルタルの耐久性に関する研究,

コンクリート工学年次論文集,Vol40,2018,

pp1377-1382,2018

3)

八巻真規,大川憲,青木真一,閑田徹志,百瀬 晴基,石関浩輔,笠井哲郎:戻りコンクリート から製造した乾燥スラッジ微粉末の基礎物性,

V-65,42 回土木学会関東支部技術研究発表会,

2015

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