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耳下腺、顎下腺、舌下腺の大唾液腺からもがんは出てきます。

しかし、頭頸部がんの内でも部位別に咽頭がん、喉頭がん、副 鼻腔がんが特に問題となりますので、今回はこれらにつき述べ ます。頭頸部がんの好発年齢は中高年が多く、男性に多いです。

危険因子としてはアルコール歴やタバコ歴が挙げられます。(注)

さらに頭頸部領域の悪性腫瘍として、悪性リンパ腫という血 液のがんでリンパ節腫大をきたす疾患も発生頻度が高く、前に 述べた頭頸部がんと画像診断などで鑑別する必要があります。

また頭頸部は外界の空気や食べ物などを体内に取り込むた め、免疫組織も発達しており、感染や炎症性疾患を作ることが 多く、画像が診断に役に立ちます。

頭頸部の画像診断の手順は?

頭頸部領域の画像診断は、喉が痛い、ものが食べにくい、声 が嗄れる、聞き取りにくい、頸が腫れている、目が腫れるある いは突出するなどの様々な症状から来院され、耳鼻咽喉科、口 腔外科、眼科を主科として、また、神経内科、形成外科、脳神 経外科などとも関連しています。必要に応じてCTやMRI が 依頼され、それぞれ放射線科診断医が読影します。

まず解剖を簡単に説明します(図1)

症状と存在診断

(病変はあるのか)

咽頭がんと喉頭がん

声が嗄れるという訴えの場合では発声機能である喉頭を調べ ます。食べ物が飲み込みにくい(嚥下困難)という訴えの場合 には、食べ物を通る中咽頭から下咽頭と頸部食道を調べます。

頭頸部とはどの領域か?

頭頸部といいますと、一般の方には聞き慣れない領域かと 思います。その範囲は頭蓋骨底部から鎖骨の領域あたりまでを さし、この領域には眼窩、耳、鼻、口腔、咽喉から食道、喉頭か ら気管、唾液腺、扁桃組織とリンパ組織など様々な機能をもつ 臓器が存在しています。その機能には嗅覚、視覚(眼球の運動も 含む)、聴覚、平衡感覚、発声、食べ物を噛んで飲み込む(嚥下)、

唾液を出す、感染防御などがあります。また甲状腺、副甲状腺と いったホルモンを出す内分泌腺も頭頸部にはあります。

今回は頭頸部領域の画像診断がどのように行われているかを 紹介します。

頭頸部の悪性腫瘍性疾患と

炎症性疾患にはどのようなものがあるか?

頭頸部領域には様々の疾患が生じますが、もっとも重要な 疾患は悪性腫瘍である頭頸部がんです。頭頸部領域の悪性腫瘍 には上皮性のがんが多く、これは咽頭や喉頭、副鼻腔をおおう 上皮ががん化したもので扁平上皮がんがほとんどです。一方で

頭頸部の画像診断

帝京大学医学部放射線科学講座

豊田 圭子

(とよだ けいこ)

(注:ヒト乳頭ウイルスが関与する中咽頭がんが近年注目されており、これは若年、

女性も罹患、喫煙・アルコール歴なしといった臨床像です。)

図1 頭頸部解剖

A.正中 矢状断

咽頭は嚥下の役割をし、食物が通過輸送される。高さで上、中、下に分かれる。口腔の後ろが中咽頭となる。

中咽頭の下は下咽頭に連なり、下咽頭は食道に連なる。上咽頭の前には鼻腔がある(A)。

喉頭〜気管は肺に続く気道となり、喉頭は声帯というひだがあり、声帯ひだが開閉することにより発声する

(VC;図E)。喉頭と下咽頭の領域には甲状軟骨(TC;図E)およびその上に舌骨(HB;図A)があり喉頭の 骨組みとなって支える。その下に続く気管も空気を含むが、気管軟骨が骨組みとなっている。

喉頭蓋は、嚥下をするときに飲水などが喉頭や気管に入らないようにする蓋となる(Ep;図A、D)。鼻腔の 両側に副鼻腔の一つの上顎洞(MS;図C)がある。両眼の内側には篩骨洞(ES;図A、B)という細かい部 屋にわかれている副鼻腔がある。その奥に蝶形骨洞(SS:図A)がある。前頭洞は眼の上にある(FS;図A)。

口腔の近くに、耳下腺、顎下腺(図D)、舌下腺といった大唾液腺がある。

B C D

E

F

頭頸部の画像診断

(3)

なお、咽頭でも上部の咽頭(上咽頭)では食べ物は通らないので、

上咽頭がんでは嚥下困難の症状になりません。腫瘤が大きくな らないと症状をきたしにくいです。その症状には、中耳と連続 する耳管の開口部が腫瘤により閉塞することによる中耳炎の症 状や、耳への放散痛があげられ、また進行すると近くの脳神経 症状などをきたしてきます。

これらは内視鏡ファイバーにて肉眼で見る(視診)ことによっ て局在診断をすることは可能ですが、内視鏡ファイバーでも 見えにくい小さながんもあります。耳鼻咽喉科医による内視鏡 ファイバー検査にて腫瘤が発見されがんが疑われると、ひき 続き生検が行われます。これは組織を少し採って病理学的に悪 性かどうか(すなわち、上皮性のがん、或いは稀ですが肉腫)を 調べます。喉頭がんで頻度の高い型は声門がんですが、これは 小さくても嗄声症状をだすので早期に内視鏡ファイバーで発見 されます。

また、頭頸部がんの特徴の一つに、原発不明がんという型が あります。これは頸部に腫瘤を触れ増大してきたことを訴えに 来院されるものです。この頸部腫瘤は転移したリンパ節の腫大 で生検による組織診断にてがんが検出されても、原発病巣が小 さいので内視鏡ファイバーでわかりにくい(あるいはわからな い)という型です。原発病巣の症状も出にくいです。このような 時に内視鏡ファイバーや画像診断で原発病巣をさがす部位とし ては、上咽頭、中咽頭の口蓋扁桃、舌根扁桃、下咽頭の梨状陥凹

(図2)が挙げられます。

副鼻腔がん

副鼻腔がんは副鼻腔粘膜上皮に発生するがんで、上顎洞にで きるのがほとんどで、他の副鼻腔にできるのは少ないですが、

副鼻腔は空気を含んだ空洞であるためがんが発育してもあまり 症状をきたしません。上顎洞内側壁にがんができると、隣の鼻 腔に進展し、鼻がつまる感じや鼻出血といった症状を呈します。

質的診断

(病変はよいもの? 悪いもの?)

生検の結果でがん細胞がでた場合に、あるいは出なくても 視診で悪そうな腫瘍が疑われた場合には、CTやMRIが行われ ます。とくにCTはまず行うべき検査となります。これは頸部の リンパ節転移を伴っているか否かを調べるためです。

広がり診断は

(原発病巣の範囲、リンパ節転移、stage分類)

頭頸部領域での画像診断の第一選択はCTとなります。ヨー ド造影剤という血管を分かりやすくする薬剤を使用します。初 回の場合はCTでは頭頸部を中心とした範囲で撮像します。下 咽頭がんで多い部位は梨状陥凹(梨状窩)という亜区域です

(図3)。喉頭で多いのは声門がんですがこれは腫瘤が小さい 時に発見されるので、画像診断ではリンパ節腫大の有無を主 に診断します。声門上がんが発見されるのは大きくなってから が多いです(図4)。副鼻腔でがんが多いのは上顎洞です(図5)

CT読影で重要なのは、T(腫瘍)、N(リンパ節)の診断です。

これはTNM分類の重要な一部です。T因子はT1からT4まで 細かく分類され、咽頭、喉頭、副鼻腔それぞれで分類の仕方が

RADIOLOGY

下咽頭の亜区域の梨状陥凹から咽頭後壁に腫 瘤を認める(A;→)その上の顎下部の高さで、

上内深頸リンパ節の腫大(B;→)を伴っており、

リンパ節に転移している。 右上顎洞に骨破壊をきたす腫瘤を認め、頬の皮下や鼻腔にも浸潤している。

造影CT MRI T1強調像 MRI T2強調像冠状断

(前額断)

A.症例1

声門上から咽頭後壁に浸潤 する大きな腫瘤を認める。

頸部リンパ節転移を伴う。

B.症例2

腫瘤は喉頭面に大きく突出 している。また後方にも進 展して下咽頭梨状陥凹を狭 くしている。

図2

下咽頭梨状陥凹の小さな癌(→)

図3 下咽頭癌 造影CT

図4 喉頭の声門上癌

図5 上顎洞癌 A

A B A B C

B

(4)

が、T3、T4といった周囲へ腫瘍が及んでいる場合は、内視鏡 ファイバーでは判断できずCTで浸潤範囲を診断する必要が あります。頭頸部領域は正常ではほぼ左右対称的な解剖構造 を呈していますので、がんがある側は一側腫瘤として画像診断 で認められ、非対称的な形で認められます。さらにがんが大き くなりますと、喉頭がんや咽頭がんでは喉頭の軟骨、副鼻腔が んでは副鼻腔の骨に浸潤して骨破壊をきたしてきますので、

CTやMRIにて軟骨・骨破壊の診断をします。

リンパ節転移は頭頸部がんには多く見られるもので大変重 要な因子です。リンパ節はリンパの流れから主に、内頸静脈に 沿ったリンパ節(内深頸静脈リンパ節)が腫れてきます。とくに 腫大しやすいのは、顔面や頸部のリンパ流が集まってくる上内 深頸リンパ節ですので、CTにてまず見るべきポイントとなり ます。リンパ節のN因子はサイズで分類されます。原発病巣が ある側でリンパ流にのりリンパ節への転移が生じやすいです。

しかし中咽頭がんなどでは、両側のリンパ節に転移することが あります。両側にリンパ節転移となるとN因子としては高くな ります。

らです。頭頸部がんは放射線療法が有効で、さらに化学療法

(抗がん剤)と手術を組み合わせ集学的な治療が基本です。

T1、T2のがんは前2つの治療法ですが、T3やT4など進行し ているがんの場合には手術が勧められるからです。しかし手 術の場合には、咽頭ではものをのみこむ機能、喉頭では発声す る機能、副鼻腔では顔面顔貌の変形など大きな機能の消失を きたし、美容上の問題が大きくなります。ただし近年は放射線 治療法の進歩や抗がん剤の進歩もあり、手術でない治療選択 も考慮されています。放射線治療法の進歩には強度変調放射 線療法が期待されています。

リンパ節転移の有無に関しては、リンパ節転移が大きいもの であると、腫大したリンパ節を手術し切除する手術(リンパ節 郭清)が考慮されます(図6)。したがってリンパ節の大きさや、

一側性か両側性か、リンパ節の外にも浸潤しているかどうか、

を画像で診断するのは大変重要なことです。

頭頸部がんの組織型は扁平上皮がんが殆どであり、これは放 射線治療が効く型です。放射線治療の照射野をしっかりと決定 するためにも正確な進展範囲をCTにて行います。

画像診断のもう一つの方法であるMRIは、濃度分解能に優 れており、軟骨・骨浸潤や周囲への浸潤の評価に優れます

(図7)。したがって大きな腫瘍の場合に行われることが多い です。とくに副鼻腔の腫瘤の場合には周囲への浸潤を評価す るのにMRIは役に立ちます。また、頸部リンパ節腫大の質的な 評価にも優れていると言われています。しかし撮像時間が長 くて、嚥下などの動きや気道の空気によるアーチファクト(偽 像)を生じるという欠点があります。

がん以外の悪性腫瘍はどう診断するのか?

頭頸部領域で上皮性のがん以外に多い疾患に悪性リンパ腫 があります。悪性リンパ腫はやはりCTやMRI画像で診断とな り、生検にて確定診断されます。頭頸部における発生部位は 様々です。咽頭組織にはワルダイエル扁桃輪といって扁桃組織 が輪状に連なっている構造があります。ワルダイエル扁桃輪や リンパ節の組織からあるいはリンパ節外の組織から発生しま す(図8)。頭頸部領域では、あらゆるリンパ節が腫大(両側性 など)して頭頸部がんなどのような癒合傾向がなく、CT/MRI にて均一な濃度 / 信号である、などの画像所見が認められる には悪性リンパ腫が疑われます(図9)。悪性リンパ腫は全身疾 患であるので、その他の部位に病変がないかは、胸腹部のCT やPET CTなどを追加して検討します。

頭頸部腫瘍でない炎症性病変の画像診断は?

頭頸部では悪性腫瘍の画像診断は最重要ですが、頭頸部に 多い感染や炎症性病変の診断にもCT画像診断は大きな役割を 果たします。

右の上内深頸リンパ節の腫 大が認められる(→)。

本例は下咽頭癌の症例でリ ンパ節郭清が行われている。

図6 頸部リンパ節転移

下咽頭から喉頭に浸潤して、

甲状軟骨を侵す大きな腫瘤 性病変である。

頸部リンパ節腫大とも一塊 となっている。

図7 下咽頭癌 MRI造影T1強調像

口蓋扁桃のレベルの軸位断で口蓋扁桃の腫大を認める。

冠状断でワルダイエル咽頭輪にそった扁桃組織の腫大が認め られ、リンパ腫の病変である。

軸位断 冠状断

図8 悪性リンパ腫 MRI造影T1強調像

A B

(5)

咽頭痛、高熱といった症状があった場合には頸部の炎症性 変化が考えられます。咽頭に主な免疫組織である扁桃があり ます。耳鼻咽喉科医や歯科・口腔外科医が口腔から中咽頭を 視診して、口蓋扁桃の領域に腫れをみた場合には、口蓋の扁 桃炎や周囲膿瘍が疑われます。扁桃炎ではCTを撮像するまで には至りませんが、口蓋扁桃周囲に膿瘍を形成してくると、ドレ ナージが必要か否かでCTが依頼され造影が必要です。扁桃 周囲膿瘍は緊急疾患で日常診療では頻繁にみられる疾患で す。造影CTにて、扁桃周囲辺縁に輪状の増強効果をともなう 腫瘤として認められるのが典型な画像所見です(図10)。浮腫 を伴いやすく下咽頭や喉頭の方に及ぶと重篤になり、声嗄れや 呼吸困難もきたしてくることもあるので迅速な対応と治療が 必要となります。

その他に顔面耳前部から耳下部が腫脹してくる炎症性疾患 としては耳下腺膿瘍が挙がります。これは歯を含めた口腔内 感染によるものです。造影CTにて耳下腺内に膿瘍を反映する 輪状増強効果が見られます(図 11)。耳下腺領域が腫脹する

ものとしては耳下腺腫瘍や木村病(非感染性の炎症性疾患)と いう疾患もありますので、臨床症状とCT 所見による鑑別が 必要です。口腔内感染症にともなうものとして、別の疾患とし ては口腔底の蜂窩織炎が挙がります。

また咽後膿瘍といって、咽頭の後ろの潜在する腔(咽頭後 間隙)これは前にのべた扁桃周囲膿瘍や耳下腺膿瘍、その他の 口腔内・唾液腺感染症、咽頭炎、咽頭異物誤飲後などでも生じ ますが、問題は膿瘍が下方に降りやすく縦隔まで達し縦隔炎を きたし重篤になることがあります。造影CTにて腫脹と膿瘍の 及ぶ範囲を迅速に診断するのが重要です(図12)

リンパ節が腫大してくるのは頭頸部がんや悪性腫瘍の転移 だけではなく、感染症でも生じます。感染ではウイルス感染や 細菌感染でリンパ節が腫れてきます。抗菌薬や抗ウイルス薬に て効果がみられない場合にCTなどの画像検査が行われるこ とがあります。感染性でも結核などの特殊な感染症(図13)

や、小児では川崎病、非感染性の菊池病など診断できることが 多いです。

RADIOLOGY

右耳下腺は腫大しており、境界 不明瞭な増強効果と内部の低 吸収をみとめ、膿瘍をあらわす

(→)。

耳介も腫脹している(点線→)。

対側耳下腺(P)耳介(A)

図11 耳下腺膿瘍 造影CT

結核性リンパ節炎では、リンパ節腫 大としては小さく集まり、内部に低 吸収域がみられる(→)。頸部の下の 方のリンパ節が病巣となりやすい。

T:甲状腺 C:鎖骨 図13 結核性リンパ節炎 A:両側の顎下部に大きさの異なる、癒合の少ない結

節が多数認められ、腫れたリンパ節の病変である。

B:甲状腺のレベルの頸部の下部においても、左側に リンパ節腫大が認められる。

図9 悪性リンパ腫 造影CT

A →D(頭側→尾側)

口腔から顎下部の炎症性変化(点線→)が咽頭に及び(矢頭)、

咽頭後壁から咽後部(咽頭後間隙)に広い範囲で境界の不 明瞭な膿が作られ、下方(縦隔の方向)に降下している(→)。

図12 咽後膿瘍

A:右口蓋扁桃(PT)が腫大しており、その後外側に 辺縁が造影増強され内部が低吸収である膿瘍を認 める。症状は咽頭痛、発熱と炎症所見がみられる。

B:口蓋扁桃癌(参考症例)

口蓋扁桃の腫瘤は、内部に造影増強効果があり表面 がやや不整で潰瘍も伴っている(→)。扁桃周囲膿瘍 とは臨床像、画像所見は異なる。また同側の頸部リン パ節も伴っている。

C:PET CT 図10 扁桃周囲膿瘍

A B A

A B C D

B C

(6)

2.マッターホルンを正面に臨む、

ローテンボーデンからリッフェルベルクへのハイキング ツェルマットから登山電車でゴルナーグラートに着く と、スイスの最高峰モンテローザとゴルナー氷河が迫り ます。標高2815mのローテンボーデンまで下り、そこから マッターホルンを見ながら歩くコースは約1時間20分、岩 陰に咲く花③で心が癒されます。緑の草原とお花畑の中 をゆっくり下る途中で腰を下ろしアルプスに囲まれて食べ る昼食は格別です。

紹介したコースは初心者向けですが、ハイキングをもっ と楽しむためのコツがあります。まず、カメラは小型で十分、

できる限り自分の目で、足元の小さな花々と迫力のある 雄大なアルプスの絶景を楽しむことです。もしかしたら、

幻の花エーデルワイス④に出会うかも。もう一つは早起 きで新鮮な山の空気吸って、鮮やかな朝焼け⑤は決して 見逃してはいけません。

雄大なスイスアルプスと可憐な 高山植物との出会い。スイスで総 計6万キロのハイキングコースがあ ると言われている中で、人気のある 2コースを紹介します。

1.ベルナーオーバーラント3山を正面に臨む、

メンリッヘンからクライネシャイデックへのハイキング インターラーケンから登山電車でラウターブルンネン を経てウェンゲン方向に向かいます。 標高2227mのメン リッヘンへはロープウェイで数分、高山植物と一面に咲く 黄色のラルンクルス・モンタヌスがダイナミックです①。

アイガー、メンヒ、ユングフラウを正面に見ながら目的地 のクライネシャイデックまで下る約1時間30分のコース② は大きな段差なく整備され、道端にはいろいろな花々が 咲き乱れる自然の植物園のようで、疲れを感じず到着ま で飽きることはありません。

⑤ 朝焼けのマッターホルン

⑥ ローテンボーデンから

リッフェルベルクコースにある標識

アルプスのお花畑をハイキング

京都大学医学部附属病院放射線部

田中 龍蔵

(たなか りゅうぞう)

④ エーデルワイス ドイツ語で「高貴な白」とい う意味で、古くから消化器、

呼吸器疾患に処方されてい た薬草でした。アイガーが見 える高原で咲いていました

① ラルンクルス・モンタヌスの群生とアイガーが出迎えます

③ 岩陰に咲く ゲンチアナ

② アイガー・メンヒ・ユングフラウを正面に見て歩きます

ベルン

メンヒ4107m アイガー3970m グリンデルワルト

ジュネーブ ツェルマット ユングフラウ

4158m クライネシャイデック

ウェンゲン

チューリッヒ

フランス

スイス

ドイツ

オーストリア

イタリア サンモリッツ

マッターホルン 4478m モンブラン

4808m 

モンテローザ 4634m シャモニ

レマン湖

ボーデン湖

リヒテンシュタイン

(7)

元々スポーツが大好きな私は、これまでも部活動など を通じて色んなスポーツを体験し、実践していました。

しかしながら、数年前からは、年齢を重ねるたびに落ちて いく体力、仕事で成果を出すために必要な準備時間の 増加などの理由も重なり、いつしか本格的なプレーヤーと して自分がスポーツに関わる機会が激減しておりました。

また、「特に格闘技は観戦するよりも自分が実践したい!」

といって格闘技に興味津々な私ですが、「人と接する職種 に従事している以上、いくら自分が実践したくて も、打撃系は今更できない!?」といった思 いもあり、なかなか実施できない状況で した。そんな中、当時の自宅から徒歩 圏内に新しくオープンしたのが「ブラ ジリアン柔術(以下、柔術)」のスタ ジオだったのです。

妻とも相談し、インターネットで も色々と調べてみた私は随分と 悩んだのですが、当時は特に運動 不足でもあったため、 体のキレ と フットワーク を取り戻した い私は、「打撃系はない、フィット ネスとしても効能は大きく、安全 性の高い格闘技!」という宣伝文句 に惹かれ、40才を目前にした数年前、

とうとう柔術を習い始めたのです。

実際に習い始めてみると、柔術は 有酸素運動の決定版 ともいうべき体力 を酷使する内容であったため、一緒に見学に 来ていた長男が、初めての練習中の様子について、

「パパ、すごく辛そうな顔しながら練習してたよ!」と妻 に話していたことや、次の日の朝は目が覚めても全身筋 肉痛でなかなか起き上がれなかったことは、今でも鮮明 に覚えています。また、元々の源流である柔道との違いは、

「一度戦い始めたら余程実力差がない限りは対戦相手から 1本勝ちすることは難しいため、ほぼ試合時間の全てをひ たすら戦い続ける競技」ということだと私は感じています。

しかしながら、習い始めてみると、これが結構面白い!

それに体力もついてくると、結構スパーリング(通称:

スパー。試合形式で行う練習)でも動けるようになり、技 も多彩な数があり、今でも新しい技が生み出されているこ ともあるので、自分の身体上の特性に見合った技の習得も

可能となっています。

柔術にも柔道と同じように 帯制度 があるのですが、

帯の昇格は厳しいことでも有名でして、「白→青→紫→

茶→黒」と、昇格にはかなりの年月にわたる練習が必要 な競技なのです。今の私はまだ青帯ですが、色帯になる ことで 柔術家 として一応名乗れることも柔術仲間から 聞いていたので、昇格した時は感極まるほど嬉しかった 記憶があります。

青帯になるまでの試合で一番忘れられないのが、

当時の自宅近くの埼玉県立武道館・柔道場で の開催で家族みんなが観戦と応援に来て くれたDUMAU JAPAN OPEN JIU

JITSU CHAMPIONSHIP 2012です。

この試合に私は階級別と無差別級の 2部門にエントリーし出場したので すが、特にワンマッチだった無差別 級の私の試合相手は、身長185cm 以上、体重120kg 以上の日系ブラ ジル人の方と対戦することにな り、身長170cm、体重88kg程度の 当時の私にはとても恐怖心を感じ る試合でした。チームメイトも

「・・・」といった雰囲気の中、たっ た一人、長男だけは私のことを信じ、

試合中もずっと応援してくれていまし た。無我夢中で闘った結果、ポイント優 勢で勝つことができたのでした。その日は 階級別でも優勝したこともあり、この結果が きっかけで、「次の試合の成績が出せれば帯を昇格 させます!」と代表から言われ、帯昇格につながりました。

また、この試合がきっかけで、長男も興味を持ってくれ、

一緒に柔術を始めてくれたのです。今は 父子鷹 とし て練習に励んでおり、親子のコミュニケーションのための 手段としても役立っています。

普段は大学教員として教育や研究活動に従事している ため、始終考え事をしている私ではありますが、柔術に 取り組んでいるときだけは、そのことを忘れることができ、

非常に良い気分転換にもなっています。長男にはまだま だ負けない父親を今は保てていますが、この先、 その状 態をどこまで維持できるのか? を課題に、今後も親子で 柔術にも取り組んでいきたいと思います。

My Hobby

ブラジリアン柔術

日本医療大学保健医療学部診療放射線学科

俵 紀行

(たわら のりゆき)

3着目の親子お揃いの 術着を購入した時の

記念撮影

(8)

参照

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