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特集に当って

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Academic year: 2021

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特集に当って

量豊橋技術科学大学 情報技術は,従来より,経営の情報処理能力の向上を 通じて,企業の収益力向上に貢献してきた.最近の情報 技術は,人工知能やエキスパート・システムなどの形で, 知的な問題解決にとりくんでいる.このような情報技術 の展開は,経営に新たな機会をもたらしている. 新技術の開発,新製品の開発,経営戦略の展開などは, 情報創造活動である.経営における情報創造活動は,最 近ますます重要な活動となっている.これらの領域で成 果をあげるためには,組織の情報処理能力,情報創造能 力の向上を図ることが課題となる. 組織知能は,組織の知的な問題解決能力である.この 能力は,人間知能と機械知能(人工知能)とが絡み合った 集積体に宿る.組織の情報処理能力,情報創造能力は, 組織知能の現われである. 新たな情報技術は,組織の知的な問題解決能力に対し て,どのような貢献をなし得るのであろうか.組織知能 の向上を図りたい,あるいは組織知能を開発したいと考 える人々は,どのように情報技術を利用したらよいので あろうか. このような点を組織知能の観点から検討すべく,特集 の課題としてとりあげた次第である. この特集では,組織知能の開発あるいは支援に対して, 情報技術の立場からの考察と,組織論の立場からの考察 をとりあげた.情報技術の立場からの考察は,経営にお ける問題解決のため,情報技術を適切な形で導入するこ とによって,組織知能の向上をもたらそうとするもので ある.組織論の立場からの考祭は,組織知能を解明する ため,組織文化,組織学習,組織化,自己組織化といっ た組織現象との関連を追究することにより,組織知能の 制度化や革新の議論を試みている. 組織知能の現われについては,松田武彦先生が,ちょ うど i 年前の本誌の特集「問題解決法としての ORJ に おいて論じておられる. 松田武彦先生には,組織知能の基本的視座とその性質 について,全体的な立場から組織知能論を論じていただ

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太田敏澄

いた.本稿は,当学会の研究部会 IOR/MS とシステ ム・マネジメント J における先生のご講演をおまとめい ただいたものである. 情報技術の支援とし、う側面から,組織知能を向上させ る経営のシステム化に関して, 山田善靖先生には,人間知能集積の集団的なレベルに 注目し,集団的な意思決定に対する支援システムのあり 方について論じていただいた.集団意思決定は,日本的 経営の優れた特徴でもあり,興味深いテーマである. 丹羽清氏には,人間知能集積の個人的なレベル,特に 専門家に注目し,人工知能やエキスパート・システムの 活用のあり方について,論じていただいた.人間知能と 機械知能の協同に関して,知識の伝承や知識移転は興味 深いテーマである. 大森正明氏には,人間知能の集積体のレベルである経 営システムに注目し,情報システムの革新について,実 態に即した支援システムの開発について,論じていただ いた.人間知能発揮のための柔軟なシステムづくりが論 じられており,興味深い. 組織論の立場から,組織知能の性質に関して,渡辺慶 和先生には,組織文化の側聞からみた組織知能について 論じていただいた.組織知能を組織レベルの概念装置と し,その諸相として組織学習と組織忘却の位置づけがな され,組織文化の構造変化が論じられており,興味深 L 、. 太田は,組織化・自己組織化の側面からみた組織知能 について論じた.自己生成的システムと他者生成的シス テムの対比にもとづいて,組織知能を特徴づける自己生 成的連鎖の抽出を試みた. 以上の議論は,いずれも組織知能の概念や,組織知能 高度化の方策に関する知見のまとめであり,経営システ ムの改善や開発に貢献するものと考えられる.今後,組 織知能に関する研究が, OR や AI と社会科学的な研究 領域との協同研究を盛んにする契機となることを願って いる. オベレーションズ・リサーチ © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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