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パラグアイ定期報告(4月分)
政治情勢
2013年5月作成
概要
(1)内政
●21日,当国において大統領選挙,上下両院議員選挙,県知事選挙,県議会議員選挙及びメルコスー ル議会議員選挙が行われ,大統領選挙においては,カルテス・コロラド党候補が次期大統領に選出され た。同次期大統領は,8月15日の大統領就任式において,正式に就任する予定。
●コロラド党は上下両院議員選挙においても議席を大きく伸ばし,下院(全80議席)では単独過半数を獲 得した他,メルコスール議会議員選挙及び県知事選挙においても大勝した。
●カルテス次期政権の課題としては,財政赤字の削減,対外債務の増加抑制,貧困対策,メルコスール 及びUNASURへの復帰,インフラ整備のための投資拡大等が指摘されている。
(2)外交
●大統領選挙において勝利したカルテス次期大統領は,ルセーフ・ブラジル大統領,フェルナンデス・ア ルゼンチン大統領,ムヒカ・ウルグアイ大統領等から電話による祝意表明を受けた。また,その他の南 米諸国,米国,スペイン等もコミュニケ等を通じて,当国の総選挙が高い参加率と透明性をもって行わ れたこと等に祝意を表明した。
●パラグアイのメルコスール及び南米諸国連合(UNASUR)復帰に関し,UNASUR の選挙監視団によ る評価が注目されたが,UNASUR は,当国の総選挙において明らかにされた市民的精神に対し,パラ グアイ国民に祝意を表明するとともに,カルテス次期大統領候補にも祝意を表明した。
●2~3日,フランコ大統領はスペインを公式訪問し,同日,ラホイ・スペイン首相と会談した他,5日に は米国ワシントンを訪問し,OAS 常設理事会が開催した同大統領歓迎のための儀礼セッションに出席 した。
1 内政
(1)与党リベラル党及び野党UNACE党による選挙協力に関する合意
●3日,アレグレ「パラグアイ・アレグレ」(与党リベラル党を中心とした選挙連合)大統領候補及びラケ ル・マリン女史(故リノ・オビエドUNACE党党首夫人)は,UNACE党本部において,4月21日の大統領 選挙に向けて,リベラル党が野党 UNACE 党との間で,選挙協力を行う旨の合意を結んだ旨正式に発 表した。
●また,同合意に先立つ1日,政府機関である農村土地開発院(Indert)が,UNACE党のオビエド・マッ ト上院議長の父親の会社が所有する5,700ヘクタールあまりの土地を約460億Gs(約1,150万米ドル)
で買収したことが明らかにされた。
●同買収については,上記リベラル党とUNACE党の選挙協力の一環として,UNACE党関係者がアレ グレ候補に投票することへの見返りとして,リベラル党側から UNACE 党幹部に対して次期政権におけ る要職のオファーも行われた可能性が指摘された。また,同買収が巨額の支出にもかかわらず,2013 年予算には計上されておらず,また,Indert,大蔵省等の政府関係機関による一連の支出に係る手続 きが同合意の数日前に異例の早さで行われていた等,政府による票の買収工作の一環である疑いが 指摘され,主に政府及びオビエド・マット議会議長(UNACE党)に対する批判が強まった。
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(2)オビエド・マット上院議長の辞任
●16日,リベラル党と UNACE党の選挙協力の一環として,多額の土地買収金を受け取った責任を追 及されているオビエド・マット上院議長(兼議会議長)は,同日召集された上院臨時本会議において,コ ロラド党上院議員を含む上院議員の賛成多数により同議長が罷免される可能性が高いと見られていた 中,同臨時本会議を予定時間を前倒して開始し,自ら上院議長の職を辞する意向を示した。
●オビエド・マット議長による辞意表明に対して,出席議員より特段の反対が示されなかったことから,
同議長は,自らによる議事進行において,ハエグリ第一副議長(与党リベラル党上院議員)が新たな議 長に就任する旨述べた。同新議長の任期は本年6月30日まで。
●なお,同議長の辞職に先立ち,15日,フランコ大統領は,同土地買収問題の責任を問う形でオルティ ゴサ農村土地開発院長官を更迭し,新長官にモンタルベティ汚職対策庁長官を任命した旨公表した。
(3)総選挙の実施
【大統領選挙】
●21日,当国において大統領選挙,上下両院議員選挙,県知事選挙,県議会議員選挙及びメルコス ール議会議員選挙が行われ,大統領選挙においては,コロラド党のカルテス候補が次期大統領に選出 された。また,同次期大統領とペアを組んでいたアファラ前イタプア県知事が次期副大統領に選出され た。同次期大統領等は,8月15日の大統領就任式において,正式に就任する予定。
【上下両院議員選挙】
●上院議員選挙においては,全45議席のうち,コロラド党が19議席(現在の15議席から4議席増),リ ベラル党が13議席(現在の14議席から1議席減),左派連合(FG)が5議席(現在の2議席から3議席 増),左派進歩民主党が3議席(現在の1議席から2議席増),左派「前進する国家」連合が2議席(現有 議席なし),左派国民会合党が1議席(現有議席なし),UNACE 党が2議席(現在の9議席から7議席 減)を獲得した。
●下院議員選挙においては,全80議席のうち,コロラド党が44議席(現在の30議席から14議席増)
で単独過半数を獲得し,引き続き第1党となった他,リベラル党は27議席(現在の29議席から2議席 減)を獲得した。他方,左派連合(FG)が1議席(現在の1議席から不変),左派「前進する国家連合」が 2議席(現有議席なし),左派国民会合党が2議席(現有議席なし)を獲得し,これら左派3政党が合計で 5議席を獲得した。その他,「チャコの情熱運動」(西部プレシデンテ・アジェス県の候補)が新たに1議席 獲得した。他方,既存の政党である愛国党が1議席(現在の4議席から3議席減),UNACE 党が2議席
(現在の15議席から13議席減)を獲得して,上院と同様に勢力を大きく後退させた。
●新たな議会は7月1日に発足する予定である。
【県知事選挙及び県議会議員選挙】
●県知事選挙においては,全17県のうち,コロラド党の候補が12県において当選した(現在の9県から 3県増)。リベラル党の候補は4県で当選するに留まった(現在の7県から3県減),また,西部プレシデ ンテ・アジェス県においては,リベラル党と国民会合党の連立であった「パラグアイ・アレグレ」の推薦を 受けた国民会合党員の知事が当選した。
●県議会議員選挙については,県毎に人口比で割り当てられている7~21名の県議会議員が選出さ れた。なお,当選議員の多くはコロラド党,或いはリベラル党に所属しており,その他の政党に所属する 議員は少数となった。
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【メルコスール議会議員選挙】
パラグアイが有する全18議席のうち,コロラド党が10議席(現在の5議席から5議席増),リベラル党 が6議席(現在の6議席から不変),左派連合が1議席(現在,左派連合を構成する TEKOJOJA 党の1 議席から不変)及び UNACE 党が1議席(現在の4議席から3議席減)を獲得した。なお,現在1議席を 有する愛国党は議席を獲得できなかった。
(4)総選挙に関する各国及び地域機構の反応
●大統領選挙において勝利したカルテス次期大統領は,ルセーフ・ブラジル大統領,フェルナンデス・ア ルゼンチン大統領,ムヒカ・ウルグアイ大統領等から電話による祝意表明を受けた。また,その他の南 米諸国,米国,スペイン等もコミュニケ等を通じて,当国の総選挙が高い参加率と透明性をもって行わ れたこと等に祝意を表明した。
●23日,南米諸国連合(UNASUR)は,当国の総選挙において明らかにされた市民的精神に対し,パ ラグアイ国民に祝意を表明するとともに,カルテス次期大統領にも祝意を表明した。
●インスルサOAS事務総長は,カルテス次期大統領と電話で話をしたとして,今後数週間のうちにパラ グアイを訪問してほしいとの同次期大統領の招待を受け入れた旨述べた。
●アシュトンEU外務安全保障政策上級代表はカルテス次期大統領に対して祝意を表明するともに,多 くのパラグアイ国民による選挙への参加,冷静かつ秩序立った行動を祝福した。
(5)カルテス次期政権の経済面での課題
カルテス次期政権の経済面での課題について,国際通貨基金(IMF)は,パラグアイ国民に影響する ような無秩序な政策を避けることが重要であるとして,主に,①対 GDP 比2%を記録している財政赤字 の削減,②現段階において,対 GDP 比18%に達した対外債務の増加抑制,③現在,約220万人(全 人口の34%)と推定される貧困人口の削減,④中銀が設定しているインフレ目標(2.5%~7.5%)内 でのインフレ率のコントロール,⑤現在,ラテンアメリカ諸国で最も低い社会政策への投資額(一人当た り150万グアラニー)の拡大,⑥メルコスール及び UNASUR への復帰,⑦インフラ整備のための投資 拡大,⑧貧困層向け住宅の整備,⑨失業率の改善,⑩経済成長を国民生活の質の向上に繋げること 等を重要課題として指摘している。
(6)新政権発足に向けた動き
●22日夜,カルテス次期大統領は,大統領公邸において,フランコ大統領と約40分間会談を行った。
同会談において,カルテス次期大統領は,主に外交及び経済社会分野に関するアジェンダに携わる政 権移行チームを発足させた旨述べた。同チームのメンバーは,フアン・カルロス・ロペス・モレイラ総括コ ーディネーター(カルテス・グループ関連企業幹部),レイラ・ラチド元外相(外交担当)及びヘルマン・ロ ハス元中銀総裁(経済・社会担当)である。
●23日,フランコ大統領は,現政権内に発足させた政権移行担当チームを発表した。同チームのメン バーは,デニス副大統領,フェルナンデス外相,カバリェロ内相及びフェレイラ蔵相である。
(7)カルテス次期大統領の健康状態
●22日,カルテス次期大統領の主治医であるバリオス医師は,同次期大統領が20日に背中の痛みを 訴え,21日午前に投票を済ませた後,腰痛のため自宅にて静養している旨述べた。
●23日,バリオス医師は,カルテス次期大統領がMRI検査を受けた結果,椎間板ヘルニアであると診 断された旨発表した。
●28日,カルテス次期大統領は,硬膜外麻酔の一種であるリドカイン(局所麻酔薬・Lidocaina)及びコ
4 ルチコステロイド(corticoides)を投与された。
●29日,バリオス医師は,カルテス次期大統領の病状は安定しており,7割程度回復している旨述べ た。
●30日,カルテス次期大統領は,数日間静養するため,チャコ地方の別荘に滞在した。
2 外交
(1)フランコ大統領のスペイン公式訪問
●2日,フランコ大統領はスペインを公式訪問し,同日,ラホイ首相と会談した。同訪問には,フェルナン デス外相,サバラ商工相,ルゴ帰国・避難民のための発展庁長官が同行した。同会談において,フラン コ大統領は,スペインとの良好な関係を維持することへのコミットメントを確認するともに,戦略的パート ナーとしてスペイン・パラグアイ関係を強化していく旨述べた。また,同大統領は,パラグアイが有する経 済的な強みを通じて,スペイン企業家の投資を誘致したいとの意向を示した。
●3日,フランコ大統領は,スペイン企業家連合との会合に出席し,同会合に出席したガルシア・スペイ ン経済相,40人以上の企業家等との意見交換を行った他,ガルシア・スペイン国際協力及びイベロアメ リカのための協力相をはじめ,世界の政治,社会及び経済界の代表者200人以上が参加した「欧州フ ォーラム」にも出席した。
(2)フランコ大統領のOAS訪問
●5日,フランコ大統領は,OAS常設理事会が開催した同大統領歓迎のための儀礼セッションに出席し た。同セッションにおいては,バリェリノ・パナマ大使が議長を務め,インスルサ事務総長及び同議長が 歓迎の挨拶を行い,両者は同挨拶において,フランコ大統領の民主的な経歴及びフランコ政権の功績 を強調した。
●フランコ大統領は,同セッションでのスピーチにおいて,フランコ政権による民主制及び自由へのコミ ットメントを改めて確認するとともに,パラグアイの選挙プロセスを見守りたいとの意向を示した。また,
パラグアイ憲法に基づき,本年8月15日に大統領としての権限を移譲する旨強調した。
(3)豪州議員団の当国訪問
●3日,Anna Burke 豪州議会議長をヘッドとする豪州議員団が当国を訪問した。同議員団は,デニス 大統領代行及びカリソサ上院外交委員会委員長をそれぞれ訪問し,貿易を含む二国間関係の強化等 につき協議した。
●同議員団は,パラグアイ豪州商工会議所主催レセプションに出席し,今回の当国訪問は,両国間の 貿易関係の増進を視野に入れたものであるとの考えを示した。
(4)ベネズエラ大統領選挙
15日,外務省は,同14日のベネズエラの大統領選挙の結果に関し,早期に完全な透明性をもって 再集計を行うことが慎重な判断であると考える旨表明した。
(5)サマニエゴ・アスンシオン市長の台湾公式訪問
29日,サマニエゴ・アスンシオン市長は台湾を公式訪問し,台湾政府高官及び外交団と会談した他,
焼却炉施設や地下鉄等の設備を視察した。
5 3 要人往来
(1)来訪
●3日,豪州議員団(デニス大統領代行等との会談等)
(2)往訪
●2~3日,フランコ大統領,スペイン公式訪問(ラホイ首相との会談等)
●5日,フランコ大統領,OAS訪問(OAS常設理事会による同大統領歓迎のための儀礼セッション出 席)
●11~12日,カセレス外務副大臣(経済担当),メキシコ訪問(経済補完協定締結に向けた協議)
●16日,アレグレ「パラグアイ・アレグレ」大統領候補,ウルグアイ訪問(ムヒカ大統領との会談)
●29日,サマニエゴ・アスンシオン市長,台湾公式訪問
(了)