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特集にあたって三浦 英俊(南山大学理工学部)

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Academic year: 2021

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特集 都市の

OR

特集にあたって

三浦 英俊(南山大学理工学部)

都市のOR研究とは,OR手法を用いた地域課題の 解決の取り組みである.令和2年現在,鈴木勉先生(筑 波大学)が主査を務めておられる研究グループ「地域 課題解決のOR」が活動している.人口減少と高齢化,

大きな災害の発生,経済のグローバル化などの環境の 変化とともに都市のORの研究内容も多様化してきた.

伏見正則先生や腰塚武志先生が中心となって「都市の OR」研究グループを1997年に発足させた当時,あ るいはさかのぼって『Urban Operations Research

Richard C. Larson, Amedeo R. Odoni著)が出版 された1980年代は,都市への人口集中や都市の環境 問題を解決することが研究の大きなテーマであったが,

数十年のあいだに少子・高齢化に伴う諸問題や地球環 境問題などへ都市のORの研究分野は拡大している.

また,Society 5.0CASEといった標語で表される 新しい科学技術を軸とする社会の取り組みへの対応も 重要である.数理モデルや解法などの理論的研究につ いては,最適化手法の進展および最適化ソルバーの高 性能化を背景として,地理データ・時空間データを扱 う場合など大規模な問題に対応できる手法の開発が進 められてきた.

本特集ではこれら都市のORの新しい取り組みにつ いて最前線で活躍している方々による6編の論文を寄 稿お願いすることにした.

河瀬雄司氏と前野祐助氏((株)メタウォーター)お よび大山達雄先生(政策研究大学院大学)による「自然 災害時における社会インフラの復旧過程とわが国水道 事業の業務実績評価に関する定量的データ分析」は,自 然災害時における主要な社会インフラである電気,ガ ス,水道,通信ラインの復旧過程の特徴の分析と,水 道事業の業務実績評価指標の構築とこの指標を用いた 実証・定量的データ分析について記述した論文である.

伊藤真理先生と高嶋隆太先生(東京理科大学)によ

る「地域包括ケアシステム実現に向けた数理的なアプ ローチ―千葉県野田市・流山市との地域連携―」では,

自治体と大学の共同研究による地域包括ケアシステム の構築について執筆いただいた.介護と医療のシステ ム構築に数理的なアプローチとさまざまな主体間のコ ミュニケーションが重要であることが指摘されている.

古田壮宏先生(奈良教育大学)と諸星穂積先生(政策 研究大学院大学)による「救急車配置のためのシミュ レーションと最適化モデル」では,不確実性を考慮す る救急車の最適な配置をシミュレーションを用いて決 定する方法が提案されている.

鈴木敦夫先生(南山大学)による「凸でない目的関 数をもつ最適配置問題に対するBTST法」は,都市施 設の最適配置位置を巧妙な方法で見つけるBTST(Big Triangle Small Triangle)法とその適用事例について の内容となっている.

三浦と犬飼楓氏(東邦ガス情報システム)の「混雑緩 和のために必要な時差通勤・通学者人数の見積もり―

中京圏の鉄道網を事例として―」は,混雑緩和のため に必要な時差通勤・通学者人数を概算する方法を提案 し,中京圏の鉄道網を事例とした計算例を示したもの である.

大澤義明先生(筑波大学)他5名の著者による「地 域人材を育成するリカレント教育―筑波大学社会工学 学位プログラムの挑戦―」は,地域課題の解決の担い 手である行政,地域企業,住民などORを専門としな い人々へ,都市のOR手法を拡大させていくさまざま な取り組みについて紹介いただいた.

最後になりましたが,ご多忙のなか特集論文ご執筆 くださった方々と機関誌編集委員の皆様に心より感謝 申し上げます.本特集が,都市のOR研究の発展につ ながることを願うとともに,ひきつづき若い世代の都 市のOR研究の新しい取り組みに期待します.

466(2) オペレーションズ・リサーチ

参照

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