調査の概要
1.調査の目的
近年、ものづくり分野における中国をはじめとしたアジア諸国との競争が激化する中、我が 国の製造業においては、これまでの低コスト大量生産型の収益構造から、より付加価値の高い 商品展開と高収益化を標榜した事業展開が加速し、中でもデザインの導入・活用は重要な経営要 素との認識が高まっている。
一方、北海道のものづくり事業は、公共事業の縮減、一次産業の低迷等の要因により、全国 よりも厳しい事業環境下であるものの、全国的なシェアを持つ農業機械製造事業者など、以前 からデザインの導入を図り、企業ブランドの確立、企業イメージの向上に努めている企業も存 在している。しかしながら、こうした企業は、北海道内の製造業としては稀な存在であり、一 般的にはデザインの導入はまだまだ進んでいないのが現状である。
このため、ものづくり産業におけるデザインの導入にあたっては、これまでの活用事例を捕 捉し、各企業における経営上の参考となる事例集を提示するとともに、多様なネットワーク形 成による、デザインを経営要素の中心と捉える「デザイン経営」(MOD)手法の優位性を明ら かにし、その取り組みを加速させる必要がある。
本調査では、北海道の中小機械工業系製造業者のデザイン活用に関する実態把握や、デザイ ン活用事例に関する調査を行うとともに、北海道外の先進的な事例研究を行うこと等により、
道内の製造事業者がデザインを経営資源として捉える北海道型デザイン経営の概念を整理する とともに、製品企画の段階からデザイナーが参加する形での製品開発を促進する基本的方向を 示すものである。
2.調査の内容
①北海道の機械工業におけるデザイン力強化の必要性
北海道の中小機械工業系製造業のデザイン力強化を考えるにあたって、デザインを製造 業の経営資源の一つと考えるMOD(デザイン経営)の考え方を提案した。さらに、北海 道におけるデザイン事業所と関連機関の現状を整理した。
②北海道の製造業におけるデザイン導入状況の把握
北海道内の製造業者の製品開発におけるデザイン活用の実態と、デザイン活用による効 果や課題、デザイン活用に対する意識を把握するために、北海道内の機械系製造業者に対 するアンケート調査を行い、分析を行った。
さらに、北海道でデザイン導入を行っている企業のヒアリング調査を行い、デザイン活 用の経緯と狙い・活用の方法・成果および課題をとりまとめた。
③デザインの効果的導入に関する先進事例調査
デザイン導入を効果的に行っている道外の地域事例として、富山県・福井県・大阪府の デザイン支援機関と企業の取組事例を調査した。
- i -
- ii -
④北海道の中小機械工業系製造業のデザイン力強化の方向性および支援方策
北海道におけるデザイン導入の現状と先進事例調査を踏まえて、北海道の中小機械工業 系製造業におけるデザイン力強化に向けた着眼点と支援方策のあり方を整理した。
3.調査の方法
有識者、関係機関の役職員等から構成される「北海道の中小機械工業系製造業のデザイン力 強化に向けた調査研究検討委員会」を設け、調査の方針、内容、結果等の検討を行った。
なお、調査の一部を株式会社北海道二十一世紀総合研究所に委託した。
北海道の中小機械工業系製造業のデザイン力強化に向けた調査研究検討委員会 検討委員名簿(敬称略)
委員長
小川 正博 札幌大学経営学部 教授
委 員 ※五十音順
及川 雅稔 北海道立工業試験場製品技術部 デザイン開発科長 川越 文博 アームデザイン株式会社 代表取締役
佐野 公康 株式会社デービス 代表取締役 花井 秀勝 フュージョン株式会社 代表取締役
森田 敏昭 札幌市立高等専門学校 工業デザイン助教授
渡邊 紘一 財団法人北海道科学技術総合振興センター 地域コーディネーター オブザーバー:経済産業省北海道経済産業局地域経済部製造産業課
北海道経済部産業支援課ものづくり支援グループ