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たいと考えている II 調査の方法 調査方法としては 当社へ依頼のあったデータ を元に調査した ( 3 4) なお 当社は 経理 関連求人ポジションについて 人材紹介会社では 国内最大級の求人数を保持しており マーケット の現状をかなり反映していると推測される IFRS を特定できる用語が 採用の背

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グローバルホワイトカラー人材マーケット 調査レポートシリーズ No.3

経理求人におけるIFRS関連の動向

~企業会計審議会中間報告から

企業会計審議会中間報告から

企業会計審議会中間報告から

企業会計審議会中間報告から

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年半を契機に

年半を契機に

年半を契機に

年半を契機に~

黒澤

敏浩

敏浩

敏浩

敏浩

(株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2009年6月の金融庁企業会計審議会の「我が国における国際会計基準の取り扱いについて(中間報告)」 で、早ければ 2015 年のIFRS(国際会計基準)(※1)の強制適用(アドプション)が提起され、IF RSへの対応が注目を浴びるに至った。それから1年半がたち、経理関連職種の求人におけるIFRSの 位置付けについて、推移、内容、今後といった視点で、最新データを元に調査した。 キーワード: キーワード: キーワード: キーワード: 国際会計基準国際会計基準国際会計基準国際会計基準 、、、 、 国際財務報告基準国際財務報告基準 、国際財務報告基準国際財務報告基準、 、、 IFRSIFRSIFRSIFRS 、、、 、 経理経理 経理経理 目次 I はじめに II 調査の方法 III 調査結果 Ⅲ-1 経理関連職種求人におけるIFRS関連求人比 率の推移 Ⅲ-2 IFRS関連求人の本社地域別構成と推移 Ⅲ-3 IFRS関連求人の業種別構成と推移 Ⅲ-4 IFRS関連求人の求人要件 Ⅲ-5 まとめ IV おわりに V 注

IIII

はじめに

はじめに

はじめに

はじめに

グローバルな金融市場の展開の中で、国際的な会 計 基 準の 収斂 ( コン バー ジェン ス )が 進み つ つ あ る 。 現在 のグ ロ ーバ ル金 融市場 の 働き につ い て は 世 界 同時 不況 を 招い た等 、賛否 両 論あ ると 思 わ れ る が 、企 業活 動 自体 のグ ローバ ル 化が 進む 以 上 、 金 融 につ いて も 共通 化が 進むの は ある 意味 あ る 程 度普通の流れかと思われる。 その中で、2009年6月に金融庁企業会計審議会 が 公 表し た「 我 が国 にお ける国 際 会計 基準 の 取 り 扱いについて(中間報告)」において、IFRSの 早ければ 2015 年の強制適用(アドプション)を 2012年を目処に決定するという案は、実際の導入 準備(※2)を考えるとあまり時間が無い点もあり、 大 き な衝 撃を も たら した 。また 、 それ は、 経 理 関 連 の 仕事 にお け る新 しい スキル の 要求 をも た ら し た。それから 1年、経理関連職種の求人における I F RS の動 向 と現 在、 今後を 調 査し 、今 後 の 企 業 ・ 経理 パー ソ ン・ 日本 社会に と って の参 考 に し

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たいと考えている。

II

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調査の方法

調査の方法

調査の方法

調査の方法

調 査方 法と して は、 当社 へ依頼 のあ った データ を元に調査した(※3、※4)。なお、当社は、経理 関 連 求人 ポジ シ ョン につ いて、 人 材紹 介会 社 で は 国 内 最大 級の 求 人数 を保 持して お り、 マー ケ ッ ト の現状をかなり反映していると推測される。 IFRSを特定できる用語が「採用の背景」、「仕事 内 容」、「求 める 経験 ・ス キル」 の いず れか に含ま れるものをIFRS関連求人と定義している(※5)。

III

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調査結果

調査結果

調査結果

調査結果

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経理関連

経理関連

経理関連

経理関連職種

職種求人における

職種

職種

求人における

求人における

求人における

IFRS

IFRS

IFRS

IFRS

連求人比率の

求人比率の

求人比率の

求人比率の推移

推移

推移

推移

経 理関 連職 種 求人 を抽 出し、 そ の中 から 、 I F R S 関連 求人 の 比率 の推 移を月 単 位で 調査 し た と ころ、図1のとおりとなった。 図 1   経 理 求 人 に 占 め る I F R S 関 連 求 人 の 比 率 図 1   経 理 求 人 に 占 め る I F R S 関 連 求 人 の 比 率 図 1   経 理 求 人 に 占 め る I F R S 関 連 求 人 の 比 率 図 1   経 理 求 人 に 占 め る I F R S 関 連 求 人 の 比 率 ( 2 0 0 9 / 6 時 点 で の 比 率 を1 0 0 と し て 指 数 化 ) ( 2 0 0 9 / 6 時 点 で の 比 率 を1 0 0 と し て 指 数 化 )( 2 0 0 9 / 6 時 点 で の 比 率 を1 0 0 と し て 指 数 化 ) ( 2 0 0 9 / 6 時 点 で の 比 率 を1 0 0 と し て 指 数 化 ) 65 319 223 108 316 345 180 100 122 92 52 95 168 189 180 114 125 242 210 290 276 228 234 206 0 1 00 2 00 3 00 4 00 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 1 0 月 1 1 月 1 2 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 1 0 月 1 1 月 1 2 月 2 00 9年 2 01 0年 指 数 ( 2 0 0 9 年 6 月 の 比 率 を 1 0 0 ) 指 数 ( 2 0 0 9 年 6 月 の 比 率 を 1 0 0 ) 指 数 ( 2 0 0 9 年 6 月 の 比 率 を 1 0 0 ) 指 数 ( 2 0 0 9 年 6 月 の 比 率 を 1 0 0 ) この結果を見ると、興味深い点は次の 2点であ る。 一つ目としては、2009200920092009年の上半期(年の上半期(年の上半期(年の上半期(1----6111666月期)月期)月期)月期) のIFRS比率がほぼ のIFRS比率がほぼ のIFRS比率がほぼ のIFRS比率がほぼ100100100100程度で推移しているの程度で推移しているの程度で推移しているの程度で推移しているの に対して、 に対して、 に対して、 に対して、2009200920092009年の下半期からは、年の下半期からは、年の下半期からは、年の下半期からは、200202020000程度で推程度で推程度で推程度で推 移 移 移 移 し て いる 。こ れは 、経 理 関連 職 種求 人に 占め る I F RS 関連 求 人の 比率 が企業 会 計審 議会 中 間 報 告 の 前後 で倍 増 した とい う点を 表 して いる 。 中 間 報 告 が企 業の 採 用活 動に 影響を 与 えた こと が 強 く 推測される。 一方、同中間報告の案は、2009年1月28日の 時 点 で企 業会 計 審議 会の 企画調 整 部会 にて 出 て い た が 、そ の後 の 求人 増に はつな が って いな い 。 こ の点との比較からも、6月の中間報告の影響の大き さが伺える。 二つ目としては、2009年8-10月の尖った盛り 上がりと、2010年の幅広な盛り上がりとの二つの 山 が ある 点で ある 。内 容面 を見 て みる と、 前 者 の前 者 の前 者 の前 者 の 山 は 、監 査法 人・ コ ンサ ルティ ン グフ ァー ムな ど 山 は 、監 査法 人・ コ ンサ ルティ ン グフ ァー ムな ど山 は 、監 査法 人・ コ ンサ ルティ ン グフ ァー ムな ど 山 は 、監 査法 人・ コ ンサ ルティ ン グフ ァー ムな ど の コ ンサ ルテ ィン グ サイ ドの求 人 のブ ーム の側 面 の コ ンサ ルテ ィン グ サイ ドの求 人 のブ ーム の側 面の コ ンサ ルテ ィン グ サイ ドの求 人 のブ ーム の側 面 の コ ンサ ルテ ィン グ サイ ドの求 人 のブ ーム の側 面 が大きいのに対して、 が大きいのに対して、が大きいのに対して、 が大きいのに対して、2010201020102010年については、いわゆ年については、いわゆ年については、いわゆ年については、いわゆ る 事 業会 社 る 事 業会 社る 事 業会 社 る 事 業会 社 サ イドサ イドサ イド の 求人 の割合 が 高い 、息 の長 いサ イドの 求人 の割合 が 高い 、息 の長 いの 求人 の割合 が 高い 、息 の長 いの 求人 の割合 が 高い 、息 の長 い 本格的な 本格的な本格的な 本格的な 求人求人求人求人 増加増加増加増加となっている。事業会社の中で、 実 際 にI FR S へ向 けて の陣容 強 化が 図ら れ て い る動きが数値にも現れている。

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IFRS

IFRS

IFRS

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関連求人の本社 地域別

関連求人の本社

関連求人の本社

関連求人の本社

地域別

地域別

地域別 構成

構成

構成 と

構成

推移

推移

推移

推移

次に、2009年と2010年に新規に発生したIF R S 求人 の本 社 地域 別の 分布を 調 査し た。 そ の 結 果が図2である。 この特徴として、次の2点がある。 ま ず 、第 一に 、 関 東 の 比 率 が高 い関 東 の 比 率 が高 い関 東 の 比 率 が高 い こ とで ある 。関 東 の 比 率 が高 い 2009年で88.5%、2010年でも76.9%と、高い比 率 を 占め てい る 。こ の背 景には 、 東京 本社 の 大 手 企 業 ・国 際企 業 が多 いこ と、コ ン サル ティ ン グ サ イ ド (監 査法 人 ・I FR S対応 コ ンサ ル・ 金 融 機 関 ・ I T 関 連 等 ) の 企 業 も 多 い こ と 、 既 に IFRS を採用(※6)している欧州系を含む外資系企業の 日本本社が多いことなどがあげられる。 第二に、 関西の比率が、関西の比率が、関西の比率が、関西の比率が、2009200920092009年の年の年の年の9.89.89.89.8%から、%から、%から、%から、 2010 20102010 2010 年には年には年には年には20.220.220.220.2%と、倍増%と、倍増していることである。%と、倍増%と、倍増 この背景には、2010年になって、事業会社での求 人 が 本格 化し 、 その 中で 、関西 の 大手 グロ ー バ ル 製 造 業で の求 人 が非 常に 活発化 し たこ とが あ げ ら れ る 。そ の中 に は、 グロ ーバル 本 社と して 、 多 数 の 海 外子 会社 の コン トロ ールの 確 立を 目指 し て 、

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図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア 図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア 図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア 図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア の 構 成 比 の 推 移 の 構 成 比 の 推 移 の 構 成 比 の 推 移 の 構 成 比 の 推 移 関東, 88.5% 関東, 76.9% 1.6% 中部, 1.0% 関西, 20.2% 関西, 9.8% その他, 1.9% 0 % 1 0 % 2 0 % 3 0 % 4 0 % 5 0 % 6 0 % 7 0 % 8 0 % 9 0 % 1 0 0 % 2 0 0 9 2 0 1 0 数 十 名単 位で 経 理ポ ジシ ョンを 強 化し てい る ケ ー ス も散見 される( ※7)。ま た、 関西は 関東に比べ て 管 理部 門の 人 材流 動性 が低く 、 ピン ポイ ン ト な 人 材 供給 が首 都 圏よ り難 しいこ と も、 企業 の 関 連 人材確保の動きに拍車を掛けている。

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IFRS

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関連求人の業種

関連求人の

関連求人の

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業種

業種構成と推移

業種

構成と推移

構成と推移

構成と推移

次 に、 IF R S関 連求 人の求 人 企業 の業 種 構 成 とその推移を調査した。その結果が図3である。 ここでの動向は、3つに分けられる。 一つ目は、「機械・自動車・電機・化学」と「流「機械・自動車・電機・化学」と「流「機械・自動車・電機・化学」と「流「機械・自動車・電機・化学」と「流 通 ・ 商社 ・サ ービ ス 」企 業の求 人 の構 成比 の増 加 通 ・ 商社 ・サ ービ ス 」企 業の求 人 の構 成比 の増 加 通 ・ 商社 ・サ ービ ス 」企 業の求 人 の構 成比 の増 加 通 ・ 商社 ・サ ービ ス 」企 業の求 人 の構 成比 の増 加 である。それぞれ、2009年から2010年に掛けて、 25.4%から44.2%、3.2%から11.5%と非常に大き く 伸 びて いる 。 グロ ーバ ル日本 企 業で の求 人 が 活 発 化 した こと が この 背景 にある 。 個別 デー タ を 見 る と 、特 に、 中 でも 機械 、電機 、 化学 など で の 増 加のペースが著しい。 二つ目として、「金融・コンサル・監査法人等」 と「IT・通信」が、2009年から2010年に掛け 図 3   「 I F R S 」 求 人 の 業 種 図 3   「 I F R S 」 求 人 の 業 種 図 3   「 I F R S 」 求 人 の 業 種 図 3   「 I F R S 」 求 人 の 業 種 の 構 成 比 の 推 移 の 構 成 比 の 推 移の 構 成 比 の 推 移 の 構 成 比 の 推 移 機械・自動 車・電機・ 化学, 25.4% 機械・自動 車・電機・ 化学, 44.2% IT・通信, 15.9% , , , , , , , , 金融・コ ン サル・監査 法人等, 34.9% 金融・コ ン サル・監査 法人等, 22.1% 12.5% 消費財・メ デ ィカル, 19.0% 3.2% 流通・商 社・サー ビ ス, 11.5% 8.7% その他, 1.0% その他, 1.6% 0 % 1 0 % 2 0 % 3 0 % 4 0 % 5 0 % 6 0 % 7 0 % 8 0 % 9 0 % 1 0 0 % 2 0 0 9 2 0 1 0 て、それぞれ、34.9%から22.1%、15.9%から8.7% と 低 下し たこ と であ る。 この背 景 には 、こ れ ら の 業 種 に多 く含 ま れる コン サルテ ィ ング サイ ド の 求 人が2009年6月の中間報告後早期に発生し始め、 そ れ が早 期に 一 巡し 、そ の後は そ のま ま安 定 し た ペースで推移したという点がある。 三つ目は、「消費財・メディカル」が19.0%から 12.5% に 低 下 し て い る 点で ある 。 こ ち ら に 関 し て は 、 この 分野 で は、 欧州 系の外 資 系企 業な ど を 中 心 に 以前 から I FR S関 連求人 が 存在 した 一 方 、 こ れ らの 業界 の 日本 企業 の動き 出 しが まだ 鈍 い こ とが背景にある。

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IFR

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関連求人の

関連求人の

関連求人の

関連求人の求人要件の状況

求人要件の状況

求人要件の状況

求人要件の状況

IFRS関連求人の求人要件について、2010年 の I FR S関 連 新規 求人 の求人 票 を分 析し た 。 そ の結果が図4である。 この調査結果から分かるのは次の3点である。 第 1に、 現在現在現在現在 のののの IFRS関連経理系求人のほとIFRS関連経理系求人のほとIFRS関連経理系求人のほとIFRS関連経理系求人のほと んどは、「経理経験」を要求している んどは、んどは、「経理経験」を要求している「経理経験」を要求している んどは、「経理経験」を要求しているという点であ

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図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 ) 図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 )図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 ) 図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 ) 要, 46.0% 要, 92.0% 要, 96.5% 要, 23.0% 要, 53.1% 不要, 49.6% 不要, 69.9% 不要, 54.0% 不要, 26.5% 12.4% 0.9% 3.5% 4.4% 20.4% 17.7% 歓迎, 23.0% 2.7% 4.4% 0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 % 決算  -経験 経理  -経験 経理  -知識 IF RS  -経験 IF RS  -知識 英語力 る。基本的に、(非常に特殊なケースを除き)未経 験 で 構わ ない 求 人は ほぼ 存在し な いと いっ て い い だ ろ う。 この 点 に関 して は、日 本 の公 認会 計 士 試 験 合 格レ ベル の 知識 があ っても ほ ぼ例 外で は な い (※8)。 第 2に、IFRS関連求人は、必ずしもIFR S の 知識 を要 求 して いな いとい う こと であ る 。 図 4 の と お り 、 I F R S関 連 求人 の う ち 、54.0% の 求人は、IFRSの知識も経験も要求していない。 こ の 背景 には 、 次の 3つ の理由 が ある 。① ( 経 理 の 経 験が あれ ば )I FR Sの知 識 は入 社し て か ら 学 べ ば分 かる 。 ②前 項に 近いが 、 直近 のI F R S 対 応 は、 既存 の 経理 部員 が学ん で 対応 する が 、 I F R S導 入に 伴 う業 務量 の増加 を 経理 経験 者 の 採 用 で 補う 。③ や はり 前々 項に近 い が、 現時 点 で そ ん な に人 材マ ー ケッ トに 多くな い であ ろう I F R S の 知識 を求 人 要件 にし ても仕 方 がな い、 と 思 わ れ て いる 。こ れ らが 、I FRS 関 連求 人に も 関 わ ら ず 、I FR S 関連 の経 験・知 識 が直 接要 求 さ れ ない背景になっている。 第 2に、「IFRS」に関しては、「経験」の要 求度合いと、「知識」の要求度合いにギャップがあ る。たとえば、必須要件としては、「IFRS経験」 を求めるものが12.4%であるのに対し、「IFRS 知識」(※9)を求めるものは 23.0%であり、その 差分の約 11%は知識だけでも構わないとしている ことが分かる。また、「不要」としているものであ っ て も、 その 業 務に 取り 組む以 上 、選 考上 で 同 レ ベ ル の経 験者 と 比較 した ときに 、 有利 なの は 確 か である。 な お 、 IF R Sの 経 験者 が既に 求 め られ て い る 背 景 には 、欧 州 系の 外資 系企業 が 既に IF R S を 利用しているため、という背景がある。 なお、「知識レベルで選考に有利」という状況に 関 し てで ある が 、こ れは 期間の 経 過と とも に 、 I F R S経 験者 が 増加 し、 市場に も 流通 する こ と に よ り、「経 理実 務経 験( IFR S)」と いう 形の比 率が急速に高まるものと考えられる。また、「IF R S の知 識」 の 保有 者も 増加し 、 積極 的な 差 別 化 の 用 を果 たさ な くな り、 知って い て当 然と な っ て くるであろう。これを表にしたのが図5である。 ステップ1 ステップ2 ステップ3 名称 発生前期 移行期 成熟期 状況 当 該 業 務 の ニーズ無し 「知識」にニ ーズ(※) 「経験」にニ ーズ 経験者 不存在 ほぼ不存在 多数存在 知識 知らない 一部が知る 全員知る 期間 長期間 数年程度 長期間 ※ IFRSの場合、「経理経験」自体は成熟期にあり、 前述のとおり経理経験は必須となっているので注意 図 図 図 図5555 新しい業務に関する新しい業務に関する新しい業務に関する新しい業務に関する 市場ニーズの市場ニーズの市場ニーズの市場ニーズの3333ステップステップ ステップステップ こ のこ とか ら考え ると、「 I F R S の 知識 」 を「 I F R S の 知識 」 を 、「 I F R S の 知識 」 を「 I F R S の 知識 」 を、、、 「 持 って いて 当然 」 とい う消極 的 な使 い方 では な 「 持 って いて 当然 」 とい う消極 的 な使 い方 では な「 持 って いて 当然 」 とい う消極 的 な使 い方 では な 「 持 って いて 当然 」 とい う消極 的 な使 い方 では な く、「持っていることが多少なりとも強み く、く、「持っていることが多少なりとも強み「持っていることが多少なりとも強み く、「持っていることが多少なりとも強み 」という」という」という」という 積 極 的な 活か し方 を する 場合は 、 積 極 的な 活か し方 を する 場合は 、積 極 的な 活か し方 を する 場合は 、 積 極 的な 活か し方 を する 場合は 、 現在 から 数年 間現在 から 数年 間現在 から 数年 間現在 から 数年 間 が最も効果的 が最も効果的が最も効果的 が最も効果的、ということになる。(もちろん、そ

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の 後 も必 要な の で、 それ 以降は い らな いわ け で は なく、それ以降は必須になるということである。) 第3に、「英語力」が求められている比率が高い、 ということである。「必須」だけで、53.1%と過半 数、「歓迎」も加えると、73.5%もの求人が英語力 を 求 めて いる 。 国際 会計 の実務 に 、海 外と の や り 取 り が求 めら れ 、英 語で の処理 が 求め られ る ケ ー スが多いことが具体的な背景としてある(※10)。 一 般 に 、I F RS 等 の会 計知識 は 、 英語 で 学 ぶ こ と も多 い。 そ のた め、 経理実 務 を英 語で 行 う こ と に 対す るポ テ ンシ ャル を感じ さ せる のに 有 益 な 側面も大きいだろうと推測される。

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まとめ

まとめ

まとめ

まとめ

以 上の とお り 、ま ず、 IFR S 関連 求人 の 比 率 は、2009 年上半期に比べ、2009 年下半期以降は 倍 近 くの 水準 に 増加 して 推移し て いる 。本 社 所 在 地は関東が多いが、2010年に入り関西の比率も急 増している。業種に関しては、2009年は金融・コ ン サ ル・ 監査 法 人・ IT といっ た コン サル サ イ ド の比率が高かったが、2010年にはいわゆるグロー バ ル 日本 企業 ( メー カー )など 事 業会 社の 比 率 が 急 増 した 。求 人 要件 に関 しては 、 経理 経験 が 必 須 で あ る一 方、 I FR Sに 関して は 、歓 迎要 件 や 知 識のみ必須などの移行的なステップにある。また、 英語力が多く求められている。 IV IV IV IV おわりにおわりにおわりにおわりに 企 業経 営者 及 び企 業支 援関係 者 には 、次 の 2 つ のことを示唆できると思われる。 一 つ目 は、 関 連人 材の 採用は 熱 を帯 びて き て い る の で、 過熱 す る前 から 、採用 に 着手 して お い た 方がいいということである。IFRSに関しては、 導 入 前、 導入 後 を含 めて 、業務 量 がし ばら く 増 え ると考えて良い(※11)。システムの変更を行う可 能 性 を考 慮す れ ばさ らに 準備が 早 期に 必要 と な ろ う 。 さら に、 I FR Sは 、原則 主 義か つ英 語 で 原 本 が 存在 する の で、 英語 で会計 原 則に つい て 動 向 を 把 握す る能 力 が役 立つ 。これ ら を考 える と 、 こ れ ら に 役 立 つ 質 の 高 い 人 材 を 、 早 い う ち か ら 採 用 ・ 教育 して お く方 が、 直前に あ わて るよ り も 結 局安くつくと考えられる(※12)。 経 理 パ ーソ ン に対 し ては 、求人 要 件 の節 で 書 い たとおりであるが、IFRSの知識を身につけて、 社 内 外で のキ ャ リア アッ プを目 指 すの であ れ ば 、 こ れ から しば ら くが 、非 常にベ ス トな 期間 だ と い う こ とで ある。「知 識」 段階の も のが、「経 験」に 変 換 され てい な くて も高 く評価 さ れる 期間 は 限 ら れており、現在から数年がその貴重な期間である。 本 テ ー マに つ いて は 、引 き続き 、 状 況を 追 っ て いきたいと考えている。

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※1. IFRSについては、国際会計基準、国際財務報告基準などの訳語が あるが、ここではIFRSと呼ぶこととする。なお、国際会計基準とい う訳語に対しては、従来からIFRSとは別にIASがあるが、ここで は企業会計審議会の用語(国際会計基準=IFRS)に従うこととする。 ※2. IFRSに基準を切り替えるということだけなら決算の書類を少し書 き換えたら良いことで一見何でも無いように思われるが、①切り替え時 には、過去からの3期分のB/Sと2期分のP/Lが必要になるといわれる。 すなわち、2013年3月末の時点からの財務諸表が用意できるように対策 する必要がある。②収益認識基準が変わることになる可能性があるので、 現場でのデータ把握の対策を打たないと、後から経理で対応しようとし ても手遅れになる可能性がある。③導入前に、1年間はドライラン(リ ハーサル)したいという考えもある。④仮にシステムの変更をするなら、 さらに早めの対応が必要である。⑤IFRS自体が変化し続ける(いわ ゆる”moving target”)ので、ある時点のIFRSを想定して対策を実施 している最中にもIFRS自身が変わり、必要な対策が変わってしまう。 ⑥移行期間の分は2つの基準で重複して財務諸表の作成が必要になり、 業務が増える。⑦税務などの単体決算は従来の日本基準が維持され、I FRSベースのものと2種類作り続けることになる可能性が高い。⑧I FRSは原則主義で細則の作成が禁じられている。⑨IFRSは海外・

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英語で決められる(IASBの本部はロンドン)ので、日本語翻訳版に 対応すればいいとはいえ、理解しづらい。⑩収益認識基準が変わるなど の変化は、取引先とのやり取りの基準も変わるため、仮に発生した場今 は、取引先も影響を受ける。などといった問題があり、一見するより簡 単なことではなく、また、目の前の対策が必要となっている。ただ、こ こではIFRSの対応を論じることが目的ではないため、正確な情報は 関連書籍等も多数発行されているので各自確認されたい。 ※3. 株式会社ジェイ エイ シー リクルートメントの業務システムから、実 際のデータを閲覧し、定量データと定性データを把握した。調査データ は、2011年1月13日時点のものである。 ※4. データの精度については、実際の業務用データのため、一定の精度は あるが、逆にそれ以上は保証されない。(実務上問題ない程度の誤差は想 定される。) ※5. なお、ここでのIFRSの定義としては、当然ではあるが、IFRS のみを含んでいる。日本基準以外という意味では共通するが、US-GA AP(米国会計基準)は含んでいない。 ※6. 欧州では、2005年からEU域内の上場企業に対してIFRSを強制採 用している。 ※7. 求人票数ベースでカウントしている。よって、企業数ベースでカウン トするのと異なり、一企業で複数種類のポジションの求人を出している 場合などの影響を反映したデータとなっている。一方、1種類の求人票 で多数の採用を行う場合は1とカウントするため、事例(一つの同一角 ポジションで数十名採用)のような個別企業の影響は小さく反映されて いる。 ※8. もちろん、USCPA等の場合でも同様である。 ※9. 「IFRSの知識」の条件は、多くの場合、そのまま「IFRSの知 識」と指定される。これは、書籍・セミナー等で学ぶことや、IFRS知 識に役立つと 思われる資 格・検定 (「米国公 認会計士(U SCPA)」/ 「国際会計検定(BATIC)」/「IFRS検定」など)のこと全般を 指している。 ※10.日本企業の場合は、海外子会社とのやりとり、外資系企業の場合は、 本国や地域統括本社(アジアパシフィックの地域統括本社が日本ではな く、シンガポール等であるケースも多い)とのやりとりなどで必要とさ れるケースが多い。 ※11.注2を参照されたい。 ※12.前述のとおり、IFRS関連の経験・知識等を持つ人材を採用するの はもちろん、IFRSには既存の人材を充て、経理の経験者を採用して 部署を補強するのも手である。 黒 黒 黒 黒 澤澤澤 澤敏敏 浩(敏敏浩( くろざわ・としひろ浩(浩(くろざわ・としひろくろざわ・としひろくろざわ・としひろ )))) 株式会社ジェイ エイ シ ー リ クル ート メント 事 業統 括デ ィビ ジョン 事 業企 画チー ム。中小企業診断士。社団法人日本証券アナリスト協会検定 会員。公認内部監査人(CIA)。内部統制評価指導士(CC SA)。GCDF-Japanキャリアカウンセラー。

図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア図 2   「 I F R S 」 求 人 の 本 社 所 在 エ リ ア の 構 成 比 の 推 移 の 構 成 比 の 推 移の 構 成 比 の 推 移の 構 成 比 の 推 移関東,  88.5% 関東,  76.9%1.6%中部,  1.0%関西,  20.2%関西,  9.8%そ
図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 ) 図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 ) 図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 )図 4   I F R S 関 連 求 人 の 求 人 要 件 ( 2 0 1 0 年 )要, 46.0%要,  92.0%要, 96.5%要, 23.0%要, 53.1%不要, 49.6%不要,  69.9%不要, 54.0% 不要,

参照

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