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発行日 :2020 年 7 月 8 日 本レポートは 特定の金融商品の販売等を目的とした資料ではありません 経済情勢 市況などの投資環境に関する参考情報としてご活用ください

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(1)

本レポートは、特定の金融商品の販売等を目的とした資料ではありません。 経済情勢、市況などの投資環境に関する参考情報としてご活用ください。

発行日:2020年7月8日

(2)

当面の注目ポイント

為替相場見通し

5月から6月にかけてのドル円相場は、107円ちょうどを挟んだ値動きが中心となりました。6月上旬には、経済活動再開への

期待や、米長期金利の上昇により、一時ドル高・円安が進行。しかしその後、米国でイールドカーブ・コントロール(YCC)が導 入され、将来にわたり金利が抑えられるのではとの思惑が広がると、米長期金利の低下に併せてドル売りが優勢となり、結 局元の107円を中心とした水準で落ち着いています。

今後も新型コロナウイルスの感染状況を睨みながらの相場が続きそうですが、最大のリスクは、やはり米国における感染第

2波の加速です。米国では、早期に経済活動を再開した南・西部の州で新規感染者数が急増しており、感染第2波への懸念

が強まっています。テキサス州やフロリダ州では5月より段階的に進められてきた経済活動の再開が一部停止されるなど、こ のところ高まっていた景気回復への期待にも水を差されている状況です。これまで感染拡大の中心となってきたニューヨーク 州は今のところ抑制に成功していますが、遅れて経済活動が再開された同州でも感染が再拡大するようなことがあれば、市 場心理は更に悪化し、円高が進む可能性は低くありません。ただし、先日もトランプ政権が1兆ドル規模の追加の景気対策を 検討していると報じられたように、政府や中央銀行は「できることは何でもやる」という力強い姿勢を示しており、景気下支え への根強い期待が市場心理の大幅な悪化を防いでいます。ドル円は当面、新型コロナウイルスに関するネガティブな材料で 一時的には円高に振れやすいものの、大きくは崩れにくい相場が続きそうです。

新型コロナウイルスを巡る動向(事態が悪化し、米株価が急落すれば円高要因に)

香港・ウイグル情勢、通商協議を巡る米中関係(関係が悪化すれば円高要因に)

各国の経済対策(大規模な経済対策が奏功するとの期待から米株高となれば、円安要因に)

中東情勢や北朝鮮を巡る地政学リスクが再燃しないか(軍事的緊張が高まれば円高要因に)

出所:Bloomberg、SFH

*執筆日:2020年6月30日

米感染再拡大を睨んでの相場

執筆者

森本 淳太郎 アナリスト

0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

105.5 106.5 107.5 108.5 109.5

2020/5/1 2020/5/14 2020/5/27 2020/6/9 2020/6/22

(円) (%)

5/11

複数の連銀総裁が、米国のマイナス 金利導入を否定。ドルは全面高に

5/14

トランプ大統領が「現時点で強いドルを持つ ことは良いことだ」と発言。これまでのドル安 志向を転換し、ドル高を容認した

5/19

米バイオテクノロジー会社のモ デルナ が、「開発中の新型肺炎ワクチン候補 が初の治験で有力な結果を示した」と 発表。円は全面安となった

6/2

経済活動再開への期待から市場心 理が改善する中、節目の108円を突 破したことで一気にドル高・円安方向 に振れた

6/8

米連邦公開市場委員会(FOMC)で イールドカーブ・コントロール(YCC)が 議論されるとの思惑から、米長期金 利が低下するのに併せて、急速にド ル売りが進行

(3)

今月のキーワード

シニアエコノミスト

執筆者

渡辺 浩志

マクロ経済見通し

ペントアップ・ディマンド(繰り越し需要)

米国経済は悪化していますが、株価は上昇基調にあります。しかし、現在の株高を不可解とする見方は多く、株価が急落す るたびに、「戻り相場の終わり」との声が高まります。コロナ禍での株高の原動力は何なのでしょうか?

「財政ファイナンス相場」の行方

”Pent up”とは「抑圧された」「鬱積した」「閉じ込められた」といった意味があり、ペントアップ・ディマンドは一般的には「繰り越し需要」と訳

されます。代表的な例では、災害で自動車工場が水没するなどして生産が滞り、消費者が新車を購入できないようなケースがあります。

また、今般のように、新型コロナの感染抑止のための外出禁止・自粛などで、モノを買いたくても買えないといったケースもあります。こう した需要は、消滅したわけではなく、蓄積されていることが多いため、経済活動が再開すれば一気に表面化する傾向があります。まして、

現在のように家計への給付金によって貯蓄率が上昇している場合には、消費の回復も思いのほかはやい可能性があります。

株価とは、企業収益(EPS )の割引現在価値であり、

EPS

を割引率(=実質金利-期待成長率)で割ったものです。また、この割引率の逆 数が株価収益率(

PER

)です。足下の株高は、

EPS

が下落するなかで

PER

が急上昇していることが原動力です。では、なぜいま

PER

が急 上昇しているのでしょうか

?

その原因は財政・金融政策の協調にあると思われます。新型コロナによる景気後退は、感染抑止のための経 済活動の強制停止によるものであり、いわば「官製不況」です。その損失補填として、政府が積極的な財政出動を行い、中央銀行はそれを 金融緩和で支援しています。巨額の財政出動はコロナ禍で失墜した企業

の期待成長率を回復させます。一方、未曽有の金融緩和は名目金利の上 昇を抑え込むとともにインフレ期待を刺激し、実質金利を低下させます。こ の「期待成長率の回復」と「実質金利の低下」が割引率を押し下げ、その逆 数である

PERを押し上げているのです。景気後退期に金融緩和でPER

が 上昇することを「金融相場」と呼びますが、現在は財政・金融政策の協調に よる

PER

の上昇であり「財政ファイナンス相場」と呼ぶのが相応しいでしょう。

米国の財政出動の最たるものは、家計への現金給付や失業給付です。

これによって可処分所得は急増しましたが、消費支出は外出禁止によって 減少したため、4 月の貯蓄率は史上最高の

32

%となりました(図1 )。米国の 家計は、懐は暖かいのに財布の紐を解くことが出来ない状態にあり、いま の高い貯蓄率はペントアップ・ディマンド(繰り越し需要)の膨大さを表してい ます。経済活動が正常化に向かえば、貯蓄率は平時の水準へ近付き、そ の過程では年率

5兆ドルもの個人消費が発生するでしょう。これは企業の

期待成長率を大いに高めるものです。他方、金融緩和で

FRB

(米連邦準備 理事会)の総資産は急拡大しました。カネ余りの度合いを表すマーシャル のkも急上昇しており(図

2

)、これが実質金利を押し下げています。

今後、コロナ禍の「第二波」が襲えば、トランプ政権は速やかに数兆ドルの 追加財政出動を行うでしょう。それは国債増発を伴うため、

FRB

はすかさず 国債買入れを加速させると思われます。結果として、「第二波」はEPS を悪 化させる一方、追加的な財政・金融政策を呼び寄せ、

PER

を一段と上昇さ せそうです。そのため、株価は二番底があったとしても一番底より浅くなる ほか、財政ファイナンス相場の強化で、後の株高はかえって加速しそうです。

図2: FRBの国債買入れとカネ余りで実質金利が低下へ

注:マーシャルのk=通貨供給量/名目GDP 出所:Bloomberg、SFH 図1: 高い貯蓄率はペントアップ・ディマンドの膨大さを示唆

注:貯蓄率=貯蓄/可処分所得 出所:Bloomberg、SFH 0

5 10 15 20 25 30 35

66 69 72 75 78 81 84 87 90 93 96 99 02 05 08 11 14 17 20

(貯蓄率、%)

(年)

約5兆㌦の

シャドーは 景気後退局面

0.45 0.50 0.55 0.60 0.65 0.70 0.75 0.80 0.85 0.90

0 1 2 3 4 5 6 7 8

06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 FRBの総資産額

(左軸)

マーシャルのk

(通貨の余剰度、右軸)

(FRBの総資産額、兆ドル) (マーシャルのk、倍)

(4)

金融・経済見通し

経済見通し

10-12月期 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期 4-6月期

実質GDP 2.1 -5.0 -32.0 14.0 10.0 6.0 4.0 -5.3 3.8

コアPCEデフレータ 2.0 1.7 1.5 1.3 1.3 1.2 1.6 1.5 1.6

実質GDP -7.2 -2.2 -23.9 13.0 5.1 2.0 1.5 -5.0 1.7

コアCPI -0.5 -0.4 -1.1 -1.8 -1.6 -1.4 -1.0 -0.8 0.5

実質GDP 0.4 -14.2 -40.0 24.0 10.0 6.0 3.0 -5.1 3.3

CPI 1.0 1.1 -0.2 0.2 0.2 0.5 1.4 0.3 1.3

実質GDP 6.0 -6.8 1.5 4.5 4.8 18.5 8.5 1.1 8.9

CPI 4.2 5.0 3.9 2.8 1.7 1.7 2.0 3.4 1.9

注: 実質GDPは、米国・日本・ユーロ圏は前期比年率、中国は前年比。物価は前年比。日本のコアCPIは消費増税の影響除く

金利見通し

10-12月期 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期 4-6月期

政策金利 1.50~1.75 0.00~0.25 0.00~0.25 0.00~0.25 0.00~0.25 0.00~0.25 0.00~0.25 0.00~0.25 0.00~0.25 10年債利回り 1.92 0.67 0.70 0.75 0.80 0.85 0.90 0.80 1.00

政策金利 -0.05 -0.10 -0.10 -0.10 -0.10 -0.10 -0.10 -0.10 -0.10

10年債利回り -0.01 0.02 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.02 0.06

政策金利 -0.50 -0.50 -0.50 -0.50 -0.50 -0.50 -0.50 -0.50 -0.50

独10年債利回り -0.19 -0.47 -0.45 -0.4 -0.35 -0.30 -0.25 -0.35 -0.15 中国 政策金利 4.35 4.25 4.25 4.15 4.15 4.15 4.15 4.15 4.15

為替見通し

10-12月期 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期 4-6月期

米ドル ドル円 108 108 107 107 108 110 113 108 110

ユーロ円 121 119 119 116 116 117 120 116 116

ユーロドル 1.12 1.10 1.11 1.08 1.07 1.06 1.06 1.07 1.05

ポンド円 143 133 131 126 123 128 133 123 129

ポンドドル 1.32 1.23 1.22 1.18 1.14 1.16 1.18 1.14 1.17

豪ドル円 76 66 72 68 71 73 75 71 70

豪ドル米ドル 0.70 0.61 0.67 0.64 0.66 0.66 0.66 0.66 0.64 2019年

2019年 2019年

2020年

注: 政策金利は、米国がFF金利、日本が政策金利残高への適用金利、ユーロ圏は資金供給オペ金利、中国は貸出基準金利。期末値 2020年

2020年

2020年 2020年

2020年

ポンド

(%)

日本 米国

ユーロ圏

注: 全て期末値 中国 ユーロ圏

日本 米国

(%)

ユーロ

豪ドル

2021年

2021年

2021年 2021年 2021年 2021年

(5)

ソニーフィナンシャルホールディングス アナリストの紹介

尾河 眞樹(おがわ まき)

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン証券などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シ ティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析、および個人投資家向け情報 提供を担当。2016年8月より現職。 テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説を 行っている。著書に『為替がわかればビジネスが変わる(2014年日経BP社)』、『富裕層に学ぶ外貨投資術(2015年日経新聞出版社)』、

『〈新版〉本当にわかる為替相場(2016年日本実業出版社)』などがある。

菅野 雅明(かんの まさあき)

1974年日本銀行に入行後、秘書室兼政策委員会調査役、ロンドン事務所次長、調査統計局経済統計課長・同参事などの役職を歴任。日 本経済研究センター主任研究員(日本銀行より出向)を経て、1999年JPモルガン証券入社、チーフエコノミスト・経済調査部長・マネジング ディレクターとして日本の金融経済分析・予測を担当。2017年4月より現職。総務省「統計審議会」委員、財務省「関税・外国為替等審議 会」専門委員、内閣府「経済財政諮問会議グローバル化改革専門調査会、金融・資本市場ワーキンググループ」メンバー、内閣官房「公 的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」メンバー、厚生労働省「年金積立金の管理運用に係る法人のガバ ナンスの在り方検討作業班」専門委員などを歴任。日本経済新聞「十字路」「経済教室」、日経QUICK「QUICKエコノミスト情報」、東洋経済

「経済を見る眼」「論点」、NTT出版「危機の日本経済」など執筆多数。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」レギュラーコメンテーター。

1974年東京大学経済学部卒、1979年シカゴ大学大学院経済学修士号取得。

渡辺 浩志(わたなべ ひろし)

1999年に大和総研に入社し、経済調査部にてエコノミストとしてのキャリアをスタート。2006年~2008年は内閣府政策統括官室(経済財政 分析・総括担当)へ出向し、『経済財政白書』等の執筆を行う。2011年からはSMBC日興証券金融経済調査部および株式調査部にて機関 投資家向けの経済分析・情報発信に従事。2017年1月より現職。内外のマクロ経済についての調査・分析業務を担当。ロジカルかつデー タの裏付けを重視した分析を行っている。

石川 久美子(いしかわ くみこ)

商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所 の立ち上げに参画。同年6月から研究員として、外国為替相場について調査・分析、レポートや書籍、ブログ、Twitterなどの執筆、セミナー 講師、テレビやラジオなどのコメンテーターとして活動。2016年11月より現職。外国為替市場の調査・分析業務を担当。

ソニーフィナンシャルホールディングスの公式ホームページでは、様々なマーケットレポートをご用意しております。ぜひご覧ください。

https://www.sonyfh.co.jp/ja/financial_info/market_report/

森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

みずほフィナンシャルグループにて企画業務、法人営業などを経験した後、2019年8月、ソニーフィナンシャルホールディングスへ入社。外 国為替市場の調査・分析業務を担当。

ソニーフィナンシャルホールディングス

金融市場調査部 シニアフェロー チーフエコノミスト ソニーフィナンシャルホールディングス

執行役員 兼 金融市場調査部長 チーフアナリスト

ソニーフィナンシャルホールディングス 金融市場調査部 シニアエコノミスト

ソニーフィナンシャルホールディングス 金融市場調査部 シニアアナリスト

ソニーフィナンシャルホールディングス 金融市場調査部 アナリスト

(6)

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東証第一部上場(銘柄コード8729)

介護事業 銀行事業 損害保険事業 生命保険事業 100%出資

100%出資

100%出資

100%出資

100%出資

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