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学生の学習を中心とした学習環境とラーニング・コモンズ

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Academic year: 2021

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村上正行  近年、 大学において、 学生の主体的な学習

を促す教育が求められている。 2012年8月に出 された文部科学省中央教育審議会答申「新た な未来を築くための大学教育の質的転換に向 けて〜生涯学び続け、 主体的に考える力を育 成する大学へ〜」において、「このような時代 にあって、 若者や学生の「生涯学び続け、 ど んな環境においても“答えのない問題”に最善解 を導くことができる能力」を育成することが、

大学教育の直面する大きな目標となる」と指 摘されている。 大学教員としては、 このよう な能力を身につけた大学生を育てるために努 力していく必要があるし、 大学生のみなさん には、 ぜひ在学時にも卒業してからも学び続 けてもらいたい、 と思っている。 答申はさら に「このような学士課程教育の質的転換の前 提として、 学生に、 授業時間にとどまらず授 業のための事前の準備や事後の展開などの主 体的な学びに要する時間を含め、 十分な総学 修時間の確保を促すことが重要である。」と続 き、 主体的な学習や授業外学習の支援が必要 となっていることがわかる。

 このような背景から、 大学における学習環 境が重要と捉えられるようになり、 急速に整 備が進んでいる。 その最たるものがラーニン グ・コモンズである。 ラーニング・コモンズ は「学修支援サービス、 情報資源、 設備を総 合的にワンストップで提供する学修空間」(呑 海ら、 2011)であり、 文科省が毎年実施して いる「大学における教育内容等の改革状況に ついて」において、 ラーニング・コモンズを 整備・活用していると回答した大学は、 2011 年に33.9%、 2014年に55.6%と増えてきている。

 このような大学におけるラーニング・コモ ンズの急速な普及に伴い、 教室外の学習環境 としてのラーニング・コモンズを実際にどの ように設計、 運用していくか、 特にそれぞれ の大学の特性を踏まえて考えていくことが重 要になってくる。 なにより学生の学習を中心 に考える必要があり、 教育・学習目的や想定 される学習活動をしっかり考えておくことが

求められる。

 本学においては、 自律的な学習者の育成を 目的として、 2014年に外国語自律学習支援室 NINJAを設立し、 アドバイジングセッショ ンやスピーキング&ライティングセッショ ン、 留学生と多言語で会話するHave a Chat、

Language Exchange Programなど、 様々な外 国語学習支援を行っている。 さらに新4号館が 設立され、 2017年9月から利用可能になってい る。 今後、 大学全体として学習環境の構築、

運営をどのように行っていくのか、 というこ とが重要になる。 新4号館については利用が始 まったばかりで、 学習環境の面でまだ十分で はない点も多く見られるので、 今後、 学習を 促すための環境を設計していくことが必要に なってくるであろう。

 筆者はラーニング・コモンズの運用に関わ る教職員の情報共有の場として「関西ラー ニング・コモンズ担当者ネットワーク」を 2015年 よ り 立 ち 上 げ、 メ ー リ ン グ リ ス ト、

Facebook非公開グループによる情報共有、 3 ヶ 月に1回程度の研究会を実施している。 2017年 11月現在で、 26大学64名がメンバー登録して おり、 参加者メンバーが所属している大学が 持ち回りで会場を担当し、 ラーニング・コモ ンズの見学、 会場校からの話題提供、 グルー プ議論という内容で行っている。 このように して得られた他大学の知見も、 本学の学習環 境の運用などに活かしていけるように努力し ていきたい。

 現在、 大学図書館のあり方もどんどん変化 している。 本の管理や貸借、 閲覧室の提供だ けではなく、 現在の大学教育に求められてい る学習環境や学習支援を積極的に行っていく 必要があるだろう。 京都外国語大学の図書館 が「知の拠点」として、 学生の主体的な学習 を支援し、 生涯学び続ける能力を育成するこ とを期待している。

 むらかみ まさゆき

    (教授・教育工学・大学教育学)

学生の学習を中心とした学習環境とラーニング・コモンズ

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研究者と図書館

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