物語作者〈紫式部〉への序章 : 『紫式部日記』と 他テクスト群との語彙用例数比較
著者 加藤 直志
雑誌名 同志社国文学
号 73
ページ 27‑45
発行年 2010‑12‑20
権利 同志社大学国文学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012541
物 語 作 者
︿ 紫 式 部
﹀ へ の 序 章
﹃ 紫 式 部 日 記
﹄ と 他 テ ク ス ト 群 と の 語 彙 用 例 数 比 較
加 藤 直 志
はじ めに 去る 二〇
〇八 年︑
﹁源 氏千 年紀
﹂を 記念 し︑ 各地 で様 々な 講演 会 や展 覧会 など が行 われ た︒
﹁源 氏物 語千 年紀 委員 会﹂ なる 会も 発足 し︑ 一大 事業 とし ての 感を 呈し てい た①
︒ 二〇
〇八 年を
﹁源 氏千 年紀
﹂と し︑ また
︑﹁ 源氏 物語 千年 紀委 員 会﹂ が十 一月 一日 を﹁ 古典 の日
﹂と 宣言 した 根拠 は︑
﹃紫 式部 日記
﹄ の︑ 藤原 公任 が紫 式部 のい る局 に向 かっ て戯 れに 語り かけ たと され る出 来事 が︑ 寛弘 五︵ 一〇
〇八
︶年 十一 月一 日の こと であ った とい うこ とに よる
︒ 左さ 衛ゑ 門もん の督かみ
︑﹁ あな かし こ︑ この わた りに
︑わ かむ らさ きや さ ぶら ふ﹂ と︑ うか がひ たま ふ︒ 源氏 に似 るべ き人 も見 えた まは ぬに
︑か の上うへ は︑ まい てい かで もの した まは むと
︑聞 きゐ たり
︒
︵﹃ 紫式 部日 記﹄ 寛弘 五年 十一 月一 日︑ 一六 五頁 )
『源 氏物 語﹄ に関 する 事業 を行 う上 での 意義 付け が︑
﹃紫 式部 日記
﹄ の記 述内 容に よっ て規 定さ れた のだ とい うこ とを
︑ま ずは
︑改 めて 押さ えて おき たい
︒ 無署 名を 原則 とす る当 時の 物語 にお いて
︑作 者名②
が知 られ
︑な お かつ
︑同 一人 物の 手に なる とさ れる
﹃紫 式部 日記
﹄や
﹃紫 式部 集﹄ が千 年以 上の 時を こえ て我 々の 前に 伝存 して いる 状況 は︑ 人類 史的 に見 ても 稀有 なこ とに 違い ない
︒本 稿で は︑ まず
︑こ のよ うな 状況 の下
︑作 者﹁ 紫式 部﹂ とい う存 在を 共通 項と して
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ と﹃ 源氏 物語
﹄と を結 びつ けよ うと して きた
︑あ るい は︑ その よう な結 びつ けを 避け よう とし てき た︑ 享受 史・ 研究 史を 今一 度︑ 振り 返り
︑そ の後
︑﹁ パラ テク スト 論③
﹂や
﹁広 義の テク スト 論④
﹂を 参照 しな がら
︑物 語作 者︿ 紫式 部﹀ に迫 る可 能性 を探 って みた
︒ 物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
二七
一︑ 作者
﹁紫 式部
﹂へ の関 心 作者 不明 のテ クス トが 多い 平安 期の 物語 にあ って
︑﹁ 紫式 部﹂ と いう 作者 名を 記し つつ
︑﹃ 源氏 物語
﹄の 執筆 状況 に言 及し よう とす る言 説群 の存 在は
︑す ぐれ て貴 重な 出来 事と いっ てよ い︒ まず は︑ これ らの 記述 内容 につ いて
︑先 行研 究⑤
に導 かれ つつ
︑再 確認 して い く︒ 紫の 物語 に宇 治の 宮の むす めど もの こと ある を︑ いか なる 所な れば
︑そ こに しも 住ま せた るな らむ とゆ かし く思 ひし 所ぞ かし
︒
︵﹃ 更級 日記
﹄三 四三 頁)
『更 級日 記﹄ には
︑﹁ 紫の 物語
﹂と 書か れて いる ので あっ て︑ はっ きり と﹁ 紫式 部﹂ とは 書か れて いな いが
︑﹁ 物語 の執 筆者 が宇 治八 宮の 姫君 達を 宇治 に住 まわ せた ので あろ う﹂ と読 むこ とが でき る︒
﹃源 氏物 語﹄ の執 筆状 況と まで はい えな いが
︑こ こに
︑﹃ 更級 日記
﹄ 作者 によ る︑ 物語 の執 筆者 への 関心 の萌 芽が 読み 取れ る︒ 十二 世紀 後半 ごろ にな ると
︑﹃ 今鏡
﹄や
﹃宝 物集
﹄な どに
︑﹁ 紫式 部堕 地獄 説﹂ と呼 ばれ る言 説群 を見 るこ とが でき るよ うに なる
︒こ れら は︑
﹃源 氏物 語﹄ の作 者が
﹁紫 式部
﹂で ある こと を前 提と しな けれ ば生 まれ ない わけ であ るが
︑こ こで は﹁ 紫式 部が
﹃源 氏物 語﹄ を書 いた
﹂と はっ きり 記述 され てい るも のに 限っ て︑ 引用 して おく
︒
「紫 式部 とぞ 世に は申 すな るべ し﹂ とい ふに
︑﹁ それ は名 高く お はす る人 ぞか し︒ 源氏 とい ふめ でた き物 語つ くり 出い だし て︑ 世 に類たぐひ
なき 人に おは すれ ば︑ いか ばか りの 事ど もか 聞き もち 給 へら む︒
︵﹃ 今鏡
﹄・ 序︑ 三十 二頁 ) 紫式 部が 虚言 をも つて 源氏 物語 をつ くり たる 罪に より て︑ 地獄 にお ちて 苦患 しの びが たき よし
︑
︵﹃ 宝物 集﹄ 巻第 五︑ 二二 九頁 )
『今 鏡﹄ や﹃ 宝物 集﹄ には
︑﹁ 紫式 部﹂ が﹃ 源氏 物語
﹄を 執筆 した と いう こと がは っき りと 記述 され てい るが
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ への 言及 はな い︒ 同じ く︑ 十二 世紀 後半 ごろ の成 立か とい われ る﹃ 水鏡
﹄に おい て︑
﹃紫 式部 日記
﹄へ の言 及を 見る こと がで きる
︒ 紫式 部が 源氏 など かき て侍 るさ まは ただ 人の しわ ざと やは みゆ る︒ され ども その とき には 日本 紀の 御つ ぼね など つけ てわ らひ けり とこ そは
︑や がて 式部 が日 記に はか きて はべ めれ
︒
︵﹃ 水鏡
﹄・ 跋︑ 四五 二頁 )
「紫 式部 が源 氏な どか きて 侍る さま
﹂へ の関 心と
﹁式 部が 日記
﹂と を関 連付 けて いる 点で
︑興 味深 い︒
『水 鏡﹄ とほ ぼ同 時代 の成 立と いわ れる
﹃無 名草 子﹄ も︑
﹃源 氏物 語﹄ の執 筆状 況と
﹃紫 式部 日記
﹄と を関 連づ けて 語っ てい る︒
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
二八
『源 氏﹄ を作 りた りけ ると こそ
︑い みじ くめ でた くは べれ
﹂と 言ふ 人は べれ ば︑ また
︑﹁ いま だ宮 仕へ もせ で︑ 里に はべ りけ る折
︑か かる もの 作り 出で たり ける によ りて
︑召 し出 でら れて
︑ それ ゆゑ 紫式 部と いふ 名は つけ たり
︑と も申 すは
︑い づれ かま こと にて はべ らむ
︒そ の人 の日 記と いふ もの はべ りし にも
︑
﹃︵ 中略
︶﹄ など こそ 見え ては べれ
︒君 の御 あり さま など をば
︑い みじ くめ でた く思 ひき こえ なが ら︑ つゆ ばか りも
︑か けか けし く慣な らし 顔に 聞こ え出 でぬ ほど もい みじ く︑ また
︑皇くわう 太たい
后こう 宮ぐう の御 事を
︑限 りな くめ でた く聞 こゆ るに つけ ても
︑愛あい
敬ぎやう
づき
︑ なつ かし くさ ぶら ひけ るほ どの こと も︑ 君の 御あ りさ まも なつ かし くい みじ くお はし まし し︑ など 聞こ えあ らは した るも
︑心 に似 ぬ体てい にて あめ る︒
︵後 略︶
﹂
︵﹃ 無名 草子
﹄二 七七
~二 七八 頁)
「源 氏を 作り たり ける
﹂事 情へ の興 味に 加え て︑
﹁そ の人 の日 記﹂ を 通し て︑
﹁つ ゆば かり も︑ かけ かけ しく 慣な らし 顔に 聞こ え出 でぬ ほ ども いみ じく
﹂︑
﹁心 に似 ぬ体てい にて あめ る﹂ など とい った
﹁紫 式部
﹂ の人 物像 への 関心 が見 られ る︒ ただ し︑
﹃紫 式部 日記
﹄を 読む こと が﹃ 源氏 物語
﹄の 読み へと つな がる とい う発 想は
︑こ こか らは 読み 取れ ない
︒ 鴨長 明に よる
﹃無 名抄
﹄に は︑ 赤染 衛門 と和 泉式 部と の比 較に お
いて
︑﹁ 紫式 部が 日記
﹂へ の言 及が 見ら れる もの の︑ あく まで も歌 人の 比較 をす る際 の史 料と して の紹 介に 過ぎ ない
︒ 歌の 方かた は︵ 引用 者注
・和 泉︶ 式部 左右 なき 上手 なれ ども
︑身 のふ るま ひも てな し︑ 心持も ちな ど︑ 赤染 には 及び 難がた かり ける にや
︑紫 式部 が日 記と いふ 物を 見侍 りし かば
︑﹁ 和泉 式部 はけ しか らぬ 方かた こそ あれ ど︑
︵後 略︶
︵ ﹂
﹃無 名抄
﹄式 部赤 染勝 劣事
八十 頁) この 他に
︑古 注釈 類に も︑
﹃紫 式部 日記
﹄へ の言 及が 散見 され る︒ 例え ば︑
﹃河 海抄
﹄に は︑ 五例⑥
を数 える こと がで きる が︑ それ らは
︑
﹃水 鏡﹄ のよ うな 執筆 状況 への 興味 か︑
﹃無 名抄
﹄の よう な史 料と し ての 参照 に留 まる⑦
︒ 光源 氏物 語は 紫式 部が 製作 也云 々是 今案 之儀 歟作 者紫 式部 寛弘 六年 ノ日 記ニ 源氏 物語 の御 前に ある をよ ませ 給と あり
︵﹃ 河海 抄﹄ 巻第 一・ 料簡
︑一 八七 頁) さが りば かた のほ どい とき よげ に 下場 也勘 文 紫式 部仮 名記 にも 此詞 あり
︵﹃ 河海 抄﹄ 巻二
・空 蝉︑ 二三 三頁 ) あて き 紫日 記ニ 上東 門院 の上 童に 此名 ある よし みえ たり
︵﹃ 河海 抄﹄ 巻第 五・ 葵︑ 二九 二頁 ) 式部 かや うに てや
紫式 部︵ が︶ 日記 に大 式部 もと 殿の 宣旨 と しお ひた る人 なり とみ えた り 物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
二九
︵﹃ 河海 抄﹄ 巻第 五・ 賢木
︑三
〇一 頁) 二月 のな かの 十日 あま りば かり のあ をや ぎの わづ かに しだ りは じめ たら ん心 ちし て︵ 中略
︶紫 記云 小少 将の 君は そこ はか とな くあ てに なま めか しく 二月 ばか りの しだ りや なぎ のさ まし たり
︵﹃ 河海 抄﹄ 巻第 十三
・若 菜下
︑四 八四 頁) ここ まで 引用 した 言説 群か らは
︑﹁ 紫式 部﹂ の人 物像 にわ ずか に 言及 した
﹃無 名草 子﹄ を除 き︑
﹃源 氏物 語﹄ の執 筆状 況を 問題 にす る際 に︑ 作者
﹁紫 式部
﹂に 触れ たに 留ま るも のや
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ を平 安時 代の 史料 とし て用 いた もの など が中 心で あっ たこ とが わか る︒
﹃栄 花物 語﹄ によ る﹃ 紫式 部日 記﹄ 引用 もま た︑ 後者 に属 する
︒ とこ ろが
︑元 禄時 代の 水戸 の国 学者
︑安 藤為 章は
︑そ の著 書﹃ 紫 家七 論﹄
︵一 七〇 三年 刊︶ にお いて
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ を読 み︑
﹁紫 式 部﹂ の人 格面 を積 極的 に明 らか にす るこ とで
︑﹃ 源氏 物語
﹄を 読み 解こ うと 試み た︒ ここ にい にし へよ り︑ 源氏 物語 を論 ずる 人︑ ただ 紫式 部が 英才 をの み称 して
︑そ の実 徳を いは ざれ ば︑ 物語 の本 意も あら はれ がた く︑ 式部 がた めに も物 うき こと なり
︒為 章つ らつ ら物 語と
︑ 紫日 記と を見 て︑ その 気象 をは かり
︑そ の実 徳を 考る に︑ やま とに は似 る人 もな く︑ 才徳 兼備 の賢 婦な り︒
︵﹃ 紫家 七論
﹄其 一 才徳 兼備
︑二
〇八 頁)
物語 と日 記と をよ く見 て其 気象 をは かる に︑ 式部 はい はゆ る甚 しき 事を せざ る人 なり
︵ ︒
﹃紫 家七 論﹄ 其四
文章 無双
︑二 一八 頁)
『源 氏物 語﹄ の執 筆動 機が
︑﹁ 諷諭
﹂で ある と何 度も 主張 する など
︑ 儒学 思想 の影 響に よる 限界 もい われ る⑧
もの の︑
﹃源 氏物 語﹄ を論 じ る際 に﹁
﹃紫 式部 日記
﹄を 通し て物 語作 者紫 式部 の︿ 内面
﹀に にじ り寄⑨
﹂ろ うと した 点で
︑新 たな 境地 を切 り開 いた とい える
︒ 以来
︑現 在で も︑
﹃源 氏物 語﹄ 研究 書の 多く が︑
﹁紫 式部
﹂と いっ た項 目を 立て たり 特集 を組 んだ りし てお り︑ その 際に
﹃紫 式部 日 記﹄ や﹃ 紫式 部集⑩
﹄が 引用 され るこ とも 特に 珍し いこ とで はな いと いえ よう
︒ 二︑ 近年 の﹁ 紫式 部﹂ 研究
『紫 家七 論﹄ 以降
︑近 代に 入っ ても
︑﹃ 源氏 物語
﹄は
︑作 者﹁ 紫式 部﹂ への 関心 とと もに あっ た︒ しか しな がら
︑︿ 物語 音読 論﹀ から
︿草 子地 論﹀
︑︿ 語り 論﹀ など を経 て︑
︿テ クス ト論
﹀へ と至 る近 年の
﹃源 氏物 語﹄ 研究⑪
は︑
﹁作 者の 死⑫
﹂を 受け 入れ
︑作 者﹁ 紫式 部﹂ と距 離を 置く 方向 で進 展し てき たし
︑そ のよ うな 研究 姿勢 が多 くの 優れ た研 究成 果を 生み 出し ても きた
︒ では
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ と﹁ 紫式 部﹂ の関 係は どう であ ろう か︒ 前
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三〇
節で 見た よう に︑
﹃紫 家七 論﹄ 以降
︑﹁ 紫式 部﹂ に言 及す る多 くの 論 がそ の根 拠を
﹃紫 式部 日記
﹄︵ や﹃ 紫式 部集
﹄︶ の記 述に 求め てい る し︑
﹃紫 式部 日記
﹄そ のも のを 論じ る場 合で も︑
﹁紫 式部 の⁝
﹂な ど とい う言 説が 見ら れる が︑ それ らが テク スト に内 在す る語 り手 を指 すの か︑ 実在 した 生身 の人 間を 指す のか は不 分明 な場 合も 多い
︒そ の点 から する と︑ 作者 と作 品と を切 り離 して 論じ よう とす る︑
﹃源 氏物 語﹄ 研究 の状 況と は一 線を 画し
︑作 者﹁ 紫式 部﹂ と作 品﹃ 紫式 部日 記﹄ とを 連続 的な もの とし て捉 えて いる よう にも 思わ れる
︒
﹁﹁ 日記 文学
﹂が 少な くと もそ の出 発点 に﹁ 日記
﹂と の連 続を 持っ て いる⑬
﹂と いう 特徴
︑つ まり
︑日 記文 学は 歴史 的事 実に 基づ いて いる とい う認 識や
︑叙 述の 主体 が﹁ 紫式 部そ の人 に収 束し てゆ く⑭
﹂と い う﹃ 紫式 部日 記﹄ の文 体の 特徴 が︑ 作者
﹁紫 式部
﹂と
﹃紫 式部 日 記﹄ とを 一体 のも のと して 扱お うと する 背景 にあ ると 思わ れる
︒と はい え︑ 作者
﹁紫 式部
﹂を 共通 項と して
︑﹃ 源氏 物語
﹄ま でも を関 連づ けて 論じ る研 究は
︑希 少な もの とな って いっ たと 言え よう
︒
『源 氏物 語﹄ 研究 にお ける
︿テ クス ト論
﹀の 先駆 者の 一人 とも 言 うべ き︑ 三谷 邦明 は︑
﹃源 氏物 語﹄ と﹃ 紫式 部日 記﹄ を安 易に 関連 づけ るこ とに は警 鐘を 鳴ら しつ つも
︑﹁ 二つ の作 品は
︿作 者﹀ とい う点 で絆 を結 びつ ける こと がで きる 可能 性が ある⑮
﹂と も述 べた
︒で は︑ その
﹁可 能性
﹂と は︑ どの よう なも ので あろ うか
︒以 下︑ 最近
の研 究を 参照 しつ つ︑ 検討 した い︒ 陣野 英則 は︑
﹁御み 冊さう
子し つく り﹂
︵一 六七 頁︶ とし て︑
﹃紫 式部 日記
﹄ でも 語ら れる
﹁書 写行 為﹂ こそ が﹃ 紫式 部日 記﹄ と﹃ 源氏 物語
﹄の
﹁接 点と なり
︑か つは 物語 世界 と現 実世 界と の接 点と なっ たの であ り︑ その 接点 のあ たり に紫 式部 とい う物 語作 家が 位置 して いる⑯
﹂と いい
︑﹃ 源氏 物語
﹄と
﹃紫 式部 日記
﹄と をつ なぐ 可能 性に 言及 した
︒ 陣野 の論 考で は直 接に は触 れら れて はい ない⑰
が︑
﹁物 語世 界と 現 実世 界と の接 点﹂ への 関心 は︑ ジェ ラー ル・ ジュ ネッ トの
﹁パ ラテ クス ト﹂ 概念 とも 重な り合 う︒ テク スト はほ とん どの 場合
︑そ れ自 体が 言語 的な
︑も しく は非 言語 的な いく つか の生 産物
︑た とえ ば作 者名
︑タ イト ル︑ 序文
︑ 挿絵 など を伴 い︑ かつ これ らに 補強 され た姿 でわ れわ れの もと に現 れる
︵中 略︶ テク スト の観 念性 には
︑書 字的 にせ よ音 声的 にせ よ︑ 物質 性が 部分 的に 付加 され る⑱
陣野 が︑
﹁物 語作 家﹂ を﹁ 現実 世界 に存 在し た︑ 生身 の人 間⑲
﹂と 規 定し たこ とと
︑﹁ 物質 性が 部分 的に 付加 され
﹂た とい うジ ュネ ット の間 には 差異 も読 み取 れる もの の︑
﹁ス イユ
︵
s e u i l s
︶﹂が フラ ンス 語で
﹁敷 居﹂ を表 すこ とか ら︑
﹁物 語世 界と 現実 世界 との 接点
﹂に 位置 する 作者
︿紫 式部
﹀を
﹁パ ラテ クス ト﹂ の一 つと して 位置 付け る可 能性 も考 え得 るだ ろう
︒ 物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三一
ジュ ネッ トの
﹁パ ラテ クス ト﹂ 論を 受け たも のと して
︑安 藤徹 の
﹁パ ラテ クス ト= オー ヴァ ーテ クス ト論 とし ての
︿紫 式部
﹀論⑳
﹂が ある
︒ス ミエ
・ジ ョー ンズ によ る術 語で ある
﹁オ ーヴ ァー テク ス ト﹂ とは
︑﹁ 不可 変の 真理 の存 在を 期待 せず
︑表 徴は 読み によ って 姿を 変え るば かり でな く︑ 読み によ って しか 存在 しな い㉑
﹂と いう 概 念で ある
︒﹁ パラ テク スト
=オ ーヴ ァー テク スト 論と して の︿ 紫式 部﹀ 論﹂ とは
︑物 語作 者︿ 紫式 部﹀ を読 み取 ろう とす る︑ 読者 によ る読 書行 為の 側に より 力点 を置 き︑ その よう な読 みが 生ま れる メカ ニズ ムを 明ら かに しよ うと する もの と言 い換 えら れそ うだ
︒ また
︑高 橋亨 は︑
﹁パ ラテ クス ト﹂ を含 む﹁ 広義 のテ クス ト論㉒
﹂ を参 照し つつ
︑﹁ パラ テク スト とし ての
︿紫 式部
﹀を 根拠 とし
︑﹃ 源 氏物 語﹄ と﹃ 紫式 部日 記﹄ そし て﹃ 紫式 部集
﹄の イン ター テク スト 関係 から
︑表 現主 体と して の︿ 作者
﹀の こと ば︵ 表現
︶と 思考 を考 察す るこ とは 有効 であ ると 思わ れる㉓
︒﹂ と述 べて いる
︒
『紫 家七 論﹄ に端 を発 した
︑作 者﹁ 紫式 部﹂ の人 格面 から
﹃源 氏 物語
﹄に 迫ろ うと する 作家 論的 実証 主義 から
︑﹁ 読者 の誕 生は
︑﹁ 作 者﹂ の死 によ って あが なわ れな けれ ばな らな い㉔
﹂と する
︿テ クス ト 論﹀ を経 て︑ 再び
︑作 者の 存在 を見 直そ うと する 動き が出 始め てい るの が︑ ここ 数年 の︑
﹃源 氏物 語﹄ と﹃ 紫式 部日 記﹄
︑そ して 作者
︿紫 式部
﹀に 関わ る研 究の 動向 であ る︒
作家 論的 実証 主義 から
︑︿ テク スト 論﹀ へと 至る
︑方 法論 の変 遷 を踏 まえ た上 で︑ テク スト の解 釈は
︑作 者か 読者 かの どち らか 一方 から では なく
︑両 者の 対話 によ り産 み出 され ると いう のが
︑松 澤和 宏の
﹁広 義の テク スト 論﹂ であ る︒ テク スト の解 釈は
︑文 脈
︵引 用者 注・ 著者 の地 平︶ を背 後に 控え るテ クス トと 新た な文 脈!
︵引 用者 注・ 読者 の地 平︶ を背 負っ た解 釈者 との 不断 の対 話で あり
︑テ クス トを 通し た他 者理 解の 営み が自 己理 解の 深化 を同 時に もた らす こと が判 明し てく るで あろ う︒ 言い 換え れば
︑テ クス トは オリ ジナ ルな 文脈 に繋 ぎ留 めら れて いる と同 時に 新た な文 脈に 開か れて おり
︑こ の根 源的 な二 重性 がテ クス ト解 釈に 対話 的な 性格 を本 質的 に刻 印し てい ると 言え よう㉕
︒ 本稿 は︑ これ らの 研究 を踏 まえ て︑
﹃源 氏物 語﹄ と﹃ 紫式 部日 記﹄ との 関係 性の 中か ら浮 かび 上が って くる
︑物 語作 者︿ 紫式 部﹀ を論 じる 可能 性を 模索 する 試み であ る︒ 物語 作者
︿紫 式部
﹀は
︑テ クス トと 現実 との 境界 に位 置し なが ら︑ テク スト の読 解を 通し て︑ 我々 読者 にそ の存 在を 意識 させ る︒ 読者 によ るテ クス トの 解釈 以前 に存 在す る︑ 生身 の人 間で ある 作者
﹁紫 式部
﹂と は︑
﹁部 分的 に﹂ 重な りつ つも
︑読 者に よる テク スト 解釈 の結 果︑ 浮上 して くる 存在 であ ると いう 点︑ 存在 その もの が﹁ 敷居
﹂と も言 い得 る存 在で ある
︒物
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三二
語作 者︿ 紫式 部﹀ は︑
︵狭 義の
︶テ クス ト︵ 本文
︶と 別に 存在 する もの では なく
︑両 者を
︑﹁ 広義 のテ クス ト﹂ とし て包 括的 に捉 えな がら
︑読 み解 いて いき たい
︒ 例え ば︑ 我々 が︑ 物語 作者
︿紫 式部
﹀に 出会 う場 面と して
︑﹁ 日に 本ほん
紀ぎ の御み 局つぼね
﹂の あだ 名の 場面 があ げら れる
︒ 内う 裏ち のう への
︑源 氏の 物語 人に 読ま せた まひ つつ 聞こ しめ しけ るに
︑﹁ この 人は 日に 本ほん
紀ぎ をこ そ読 みた るべ けれ
︒ま こと に才ざえ あ るべ し﹂ と︑ のた まは せけ るを
︑ふ と推お しは かり に︑
﹁い みじ うな む才 があ る﹂ と︑ 殿てん 上じやう
人びと など にい ひ散 らし て︑ 日本 紀の 御み 局つぼね とぞ つけ たり ける
︑い とを かし くぞ はべ る︒ この ふる 里 の女 の前 にて だに
︑つ つみ はべ るも のを
︑さ ると ころ にて 才さ かし 出で はべ らむ よ︒
︵﹃ 紫式 部日 記﹄ 二〇 八頁 )
「こ の人
﹂と は︑
﹁源 氏の 物語
﹂の 執筆 者で あり
︑﹁ 学才 をひ けら か すよ うな こと はし ない
﹂と 言っ てい る人 物を 指す と読 める
︒日 記文 学に は︑ 単な る心 情の 吐露 とい うだ けで はな い︑
﹁世 間に 対す る自 己主 張㉖
﹂が 込め られ てい ると いっ たの は︑ 増田 繁夫 であ るが
︑こ の 場面 から は︑ 自分 こそ が︑ 帝を はじ め︑ 宮中 の話 題を 席巻 して いる
﹁源 氏の 物語
﹂の 作者 であ ると
︑読 者に 訴え るか のよ うに 書く
︑﹁ こ の人
﹂の 存在 を感 じ取 るこ とが でき るは ずで ある
︒ま た︑ この テク スト に付 され た題 名が
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ であ るこ とを 我々 は知 って
いる わけ であ り︑
﹁こ の人
﹂は
︑﹃ 源氏 物語
﹄の 作者 とし てそ の名 を 知ら れる
﹁紫 式部
﹂で ある とい うこ とも 読者 の脳 裏に 浮か ぶ︒ 物語 作者
︿紫 式部
﹀の 存在 が現 前し てく るの であ る︒ 次節 では
︑物 語作 者︿ 紫式 部﹀ 論に 進む 前段 階と して
︑﹃ 紫式 部 日記
﹄と
﹃源 氏物 語﹄ とを 関連 づけ て論 じる 際の 問題 点に 触れ
︑そ の後
︑関 連す る調 査報 告を 行う
︒ 三︑
﹃紫 式部 日記
﹄と 他テ クス ト群 との 語彙 用例 数比 較の 試み
『紫 式部 日記
﹄と
﹃源 氏物 語﹄
︑﹃ 紫式 部集
﹄を 比較 し︑ 共通 点や 相違 点を 探り
︑そ こか ら︑ 作者
﹁紫 式部
﹂に 迫ろ うと する 研究 は︑ これ まで にも 存在 した し︑ その 成果 は︑ 我々 に多 くの 示唆 を与 えて くれ てい る︒ しか しな がら
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ と﹃ 源氏 物語
﹄だ けを 比較 して
︑共 通点 を見 つけ て︑
﹁こ れが 紫式 部の 方法 であ る﹂ と主 張す る︑ ある いは
︑相 違点 を見 つけ て︑
﹁こ れは 日記 と物 語の 違い であ る﹂ と指 摘し たと ころ で︑ 同じ 平安 時代 の日 本語 で書 かれ たも ので ある 以上
︑共 通点 も多 いで あろ うし
︑書 かれ てい る内 容が 異な る以 上︑ 相違 点も 無限 に存 在し てし まう とい う︑ 論じ る上 での 困難 さが つき まと う︒ この 問題 を少 しで も解 決し よう とし たの が︑
﹃栄 花物 語﹄ が﹃ 紫 物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三三
式部 日記
﹄を 書き 換え た箇 所に 注目 し︑
﹃紫 式部 日記
﹄と
﹃源 氏物 語﹄ との 共通 点・ 相違 点を 指摘 する こと で︑ 紫式 部固 有の 要素 に迫 ろう とし た池 田節 子で ある
︒
『源 氏物 語﹄ の表 現の 特徴 はい ろい ろに 論じ られ
︑確 かに
︑そ れが 特殊 であ るこ とは 実感 され る︒ しか し︑ それ を︑
﹃紫 式部 日記
﹄や 他の 平安 時代 の作 品と 比較 する こと によ って
︑相 対化 して とら えな いこ とに は︑
﹃源 氏物 語﹄ の表 現の 特殊 性を 真に 理解 した こと には なら ない であ ろう㉗
︒
『紫 式部 日記
﹄と
﹃源 氏物 語﹄ を︑ 平安 時代 のテ クス ト群 のな かに 置い た上 で︑
﹃紫 式部 日記
﹄と
﹃源 氏物 語﹄ との 関係 を﹁ 相対 化﹂ する べき だと いう
︒池 田が
﹁紫 式部
﹂を どう 規定 して いる のか につ いて の言 及は ない もの の︑
﹁紫 式部 固有 のも の㉘
﹂に 繋が る可 能性 に 触れ た論 であ る︒ 本稿 では
︑他 のテ クス ト群 との 比較 から
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ と﹃ 源 氏物 語﹄ だけ に共 通す る要 素を 読み 取る こと で︑ 物語 作者
︿紫 式 部﹀ に迫 るヒ ント を得 られ る可 能性 があ ると 考え
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ から
︑解 釈が 問題 にな って いる 語彙 やあ まり 一般 的で はな いと 思わ れる 語彙 を集 め︑
﹃紫 式部 日記
﹄や
﹃源 氏物 語﹄ 以外 のテ クス トも 含め て︑ その 用例 数を 比較 して みた
︒後 期物 語や 和歌 集な どの 用例 も調 査す る必 要が あろ うが
︑ま ずは
︑﹃ 紫式 部日 記﹄
﹃源 氏物 語﹄ よ
りも 以前 に成 立し たと され る︑ 散文
・仮 名テ クス トを 対象 とし て調 査を 行っ た︒ 調査 に使 用し たそ れぞ れの テク スト が︑ 幾度 もの 書写 を経 た転 写 本に
︑現 代の 研究 者が 校合 を加 えた 活字 本で ある こと
︑さ らに は︑ 複数 作者 説の 存在 など も考 慮す ると
︑そ こか ら浮 上す る︑ 物語 作者
︿紫 式部
﹀も
︑複 数の 人間 の書 写行 為や 読み の重 なり 合い の上 に浮 かび 上が って くる 存在 とい える
︒ま た︑ 語彙 の選 別基 準が 主観 的で ある ため
︑今 回の 調査 結果 だけ で︑ 何ら かの 結論 を出 そう とい うつ もり もな い︒ だが
︑論 の入 り口 とし て︑ まず は調 査を 行い
︑結 果を
︑
︻資 料︼
﹁﹃ 紫式 部日 記﹄ と他 テク スト 群と の語 彙用 例数 比較 表﹂ と して まと めて みた
︒ 比較 表全 体か らは
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ に用 いら れて いる 語彙 と共 通 した 語彙 を最 も多 く含 んだ テク スト は︑
﹃源 氏物 語﹄ であ った とい う︑ いわ ば予 想通 りの 結果 に帰 結し たわ けだ が︑ 問題 は︑ 個別 の語 彙を それ ぞれ のテ クス トの 文脈 に戻 した 上で
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ と
﹃源 氏物 語﹄ にの み共 通す る要 素と 物語 作者
︿紫 式部
﹀の 存在 をど う読 み解 いて いく べき かと いう とこ ろに ある
︒ おわ りに 作者 に関 する 情報 が乏 しい 平安 期の 物語 を論 じる 際︑ 作者 のこ と
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三四
を知 らな くて も︑ 作品 を論 じる こと がで きる とい う意 味で
︑﹁ 作者 の死
﹂は
︑画 期的 な出 来事 であ った とい えよ う︒ また
︑作 者に 関す る情 報が ある 程度 分か って いる
︑﹃ 源氏 物語
﹄に おい ても
︑︿ テク ス ト論
﹀の 導入 によ って
︑多 くの 優れ た研 究成 果が 生み 出さ れて きた
︒ とは いえ
︑そ のこ とと
︑作 者﹁ 紫式 部﹂ の存 在を 置き 去り にす るこ とと は必 ずし も同 義で はな いは ずで ある
︒ 本稿 では
︑ま ず︑ 作者
﹁紫 式部
﹂へ の関 心が
︑諸 テク スト 群に お いて
︑ど のよ うに 記述 され てき たか を概 観し
︑安 藤為 章の 出現 と
︿テ クス ト論
﹀の 導入 が︑
﹁紫 式部
﹂研 究に おけ る大 きな 分岐 点と な って いる こと を︑ 再確 認し た︒ その 後︑
﹁パ ラテ クス ト論
﹂や
﹁広 義の テク スト 論﹂ を参 照し なが ら︑ 物語 作者
︿紫 式部
﹀を 読み 取っ てい く可 能性 を探 って みた
︒﹃ 紫式 部日 記﹄ に書 かれ てい る﹁ この 人﹂ が︑
﹃源 氏物 語﹄ の作 者で ある こと
︑﹁ この 人﹂ と書 かれ てい る テク スト の題 名に
﹁紫 式部
﹂と いう 名が 付さ れて いる こと など から
︑ 現前 して くる 存在 を︑ 物語 作者
︿紫 式部
﹀と して 捉え 直し たい
︒ さら に︑ 本稿 の最 後で は︑ 他の 平安 時代 のテ クス ト群 と併 置し つ つ︑
﹃紫 式部 日記
﹄と
﹃源 氏物 語﹄ の関 係を 相対 化す るこ とを 目指 し︑
﹃紫 式部 日記
﹄中 の注 目す べき 語彙 の用 例数 を比 較し てみ た︒ この 結果 を参 照し つつ
︑個 別の 語彙 を︑ 再び
︑そ れぞ れの テク スト の文 脈に 戻し た上 で︑ 物語 作者
︿紫 式部
﹀の 問題 に迫 って いけ ない
かと 考え てい る︒ 今後 の課 題と した い︒ 注
①
「源 氏千 年紀
﹂関 連の 企画 につ いて は︑ 源氏 物語 千年 紀委 員会 編﹃ 源 氏物 語千 年紀 記念 源氏 物語 国際 フォ ーラ ム集 成﹄
︵二
〇〇 九年
︑源 氏 物語 千年 紀委 員会 発行
︶及 び︑ 伊井 春樹
﹁源 氏千 年紀 各界 の動 向 イ ベン ト﹂
︵﹃ 国文 学﹄ 第五 十二 巻九 号︑ 二〇
〇七 年八 月か ら︑ 第五 十三 巻 十七 号︑ 二〇
〇八 年十 二月
︶を 参照
︒
② 紫式 部の 実名 に関 する 諸説 につ いて は︑ 上原 作和
﹁あ る紫 式部 伝 本 名・ 藤原 香子 説再 評価 のた めに
﹂︵
﹃光 源氏 物語 學藝 史 右書 左琴 の思 想﹄ 二〇
〇六 年︑ 翰林 書房
︒初 出は
︑南 波浩 編﹃ 紫式 部の 方法
﹄二
〇〇 二年
︑笠 間書 院︶ など に詳 しい が︑ 本稿 にお いて は︑ 実名 より も︑
﹁紫 式部
﹂と いう 呼称 が︑ 作者 名と して の機 能を 担っ てき たこ とを 重視 する
︒
③ ジェ ラー ル・ ジュ ネッ ト﹃ スイ ユ テク スト から 書物 へ﹄
︵和 泉涼 一 訳︑ 二〇
〇一 年︑ 水声 社︶
︒ジ ュネ ット によ れば
︑﹁ パラ テク スト
﹂と は︑
﹁作 者名
︑タ イト ル︑ 序文
︑挿 絵な ど﹂ の﹁ テク スト に伴 う生 産物
﹂の こと をい う︒
④ 松澤 和宏
﹁闇 のな かの 祝祭
なぜ 草稿 を読 むの か
﹂︵
﹃生 成論 の 探究
﹄二
〇〇 三年
︑名 古屋 大学 出版 会︒ 初出 は︑
﹃文 学﹄ 季刊
︑第 二巻 第二 号︑ 一九 九一 年四 月︶
︒松 澤は
︑﹁ テク スト
︑間 テク スト
︑パ ラテ ク スト
︑メ タテ クス ト︑ 前= テク スト は︑ 流動 的な 相依 相関 の下 に置 かれ てい る︵ 中略
︶広 義の テク スト とは
︑こ うし た布 置に 漲る 力学 に促 され た言 葉の 運動 体に 冠せ られ た総 称﹂ とい う︒ テク スト を自 律し たも ので はな く︑ パラ テク スト
︵作 者名
︑題 名な ど︶ や︑ メタ テク スト
︵注 釈な ど︶ など とと もに 布置 され てい る存 在と して 捉え る発 想で ある
︒ 物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三五
⑤ 安藤 為章
﹃紫 家七 論﹄
︑岡 一男
﹃源 氏物 語の 基礎 的研 究﹄
︵一 九五 四年
︑ 東京 堂︶
︑萩 谷朴
﹃紫 式部 日記 全注 釈 下巻
﹄︵ 一九 七三 年︑ 角川 書店
︶
﹁解 説/
『紫 式部 日記
﹄の 享受 者た ち﹂
︑今 井源 衛﹃ 人物 叢書 新装 版 紫 式部
﹄︵ 一九 八五 年︑ 吉川 弘文 館︶
﹁﹃ 源氏 物語
﹄の 享受 と紫 式部 観の 変 遷﹂
︑安 藤徹
﹁物 語作 者の 自己 成型
﹂︵
﹃源 氏物 語と 物語 社会
﹄二
〇〇 六 年︑ 森話 社︒ 初出 は︑ 王朝 物語 研究 会編
﹃研 究講 座 王朝 女流 日記 の視 界﹄ 一九 九九 年︑ 新典 社︶
︑高 橋亨
﹁物 語作 者の テク スト とし ての 紫式 部日 記﹂
︵﹃ 源氏 物語 の詩 学 かな 物語 の生 成と 心的 遠近 法﹄ 二〇
〇七 年︑ 名古 屋大 学出 版会
︒初 出は
︑注
②の 南波 浩前 掲書
︶な ど︒
⑥ 用例 の検 索に は︑ 玉上 琢彌 編︑ 山本 利達
・石 田穣 二校 訂﹃ 紫明 抄・ 河 海抄
﹄︵ 一九 六八 年︑ 角川 書店
︶の 索引 を用 いた
︒﹃ 河海 抄﹄ 本文 の引 用 も同 書に 拠っ た︒
⑦ 萩谷 朴は
︑こ の点 につ いて
︑﹁ 単な る用 語例 とし ての 効果 をし か求 め てい ない
﹂と 指摘 して いる
︵注
⑤前 掲書
︶︒
⑧ 今井 源衛
﹃人 物叢 書新 装版 紫式 部﹄
︵注
⑤前 掲書
︶︑ 野口 武彦
﹁﹁ も のの まぎ れ﹂ と﹁ もの のあ はれ
﹂ 萩原 広道
﹃源 氏物 語評 釈﹄ の﹁ 惣 論﹂ をめ ぐっ て﹂
︵﹃
﹃源 氏物 語﹄ を江 戸か ら読 む﹄ 一九 九五 年︑ 講談 社︒ 初出 は︑
﹃書 物の 窓﹄ 一九 八一 年一 月︑ 有斐 閣︶
︒
⑨ 安藤 徹﹁ 物語 作者 の自 己成 型﹂
︵注
⑤前 掲書
︶︒ 安藤 は︑
﹁﹃ 紫式 部日 記﹄ の注 釈書 の登 場が
﹃紫 家七 論﹄ 以後 であ る﹂ こと も指 摘し てい る︒
⑩
『源 氏物 語﹄ 研究 史に おい て︑
﹃紫 式部 日記
﹄へ の言 及や 引用 が古 くか ら行 われ てい るの に対 して
︑﹁ 明治 以前 にお いて は︑ 紫式 部集 は一 部の 人び との 間で 書写 され
︑読 まれ ては いた が︑ これ につ いて 多少 でも まと まっ た論 及を した もの はほ とん ど無 かっ た﹂
︵南 波浩
﹃紫 式部 集の 研究 校異 篇・ 伝本 研究 篇﹄ 一九 七二 年︑ 笠間 書院
︑﹁ 第一 章 紫式 部集 研究 の史 的概 要﹂
︶と いう
︒﹃ 紫式 部集
﹄に は︑
﹁日 記歌
﹂を 除き
︑﹃ 源氏 物
語﹄ に関 する 記述 がな いこ とが 大き な要 因か もし れな い︒
⑪ 高田 祐彦
﹁源 氏物 語研 究の 課題
﹂︵ 秋山 虔編
﹃別 冊国 文学 新・ 源氏 物語 必携
﹄一 九九 七年
︑学 燈社
︶な どを 参照
︒
⑫ ロラ ン・ バル ト﹁ 作者 の死
﹂︑
﹁作 品か らテ クス トへ
﹂︵
﹃物 語の 構造 分 析﹄ 花輪 光訳
︑一 九七 九年
︑み すず 書房
︶︒
⑬ 高田 祐彦
﹁王 朝日 記﹂
︵﹃ 国語 と国 文学
﹄第 八十 四巻 第五 号︑ 二〇
〇七 年五 月︶
︒
⑭ 上野 英二
﹁紫 式部 にお ける 日記 と物 語﹂
︵﹃ 成城 国文 学論 集﹄ 第二 十輯
︑ 一九 九〇 年三 月︶
︒
⑮ 三谷 邦明
﹁物 語と
︿書 くこ と﹀
物語 文学 の意 味作 用あ るい は不 在 の文 学
﹂︵
﹃物 語文 学の 方法
Ⅰ﹄ 一九 八九 年︑ 有精 堂︒ 初出 は︑
﹃日 本文 学﹄ 第二 十五 巻十 号︑ 一九 七六 年十 月︶
︒
⑯ 陣野 英則
﹁物 語作 家と 書写 行為
﹃紫 式部 日記
﹄の 示唆 する もの
﹂︵
﹃源 氏物 語の 話声 と表 現世 界﹄ 二〇
〇四 年︑ 勉誠 出版
︒初 出は
︑
﹃国 文学 研究
﹄第 一二 九集
︑一 九九 九年 十月
︶︒
⑰ 注⑯ 末尾 の︻ 補注
︼に おい て﹁ パラ テク スト
﹂と いう 語を 見る こと が でき るが
︑自 身の 論考 との 関わ りに つい ては
︑直 接に は言 及が ない
︒
⑱ 注③ 前掲 書︑
﹁序 論﹂
︒
⑲ 陣野 英則
﹁紫 式部 とい う物 語作 家
物語 文学 と署 名
﹂︵ 注⑯ 前 掲書
︒初 出は
︑河 添房 江・ 神田 龍身
・小 嶋菜 温子
・小 林正 明・ 深沢 徹・ 吉井 美弥 子編
﹃叢 書 想像 する 平安 文学
第2 巻﹄ 二〇
〇一 年︑ 勉誠 出 版︶
︒
⑳ 安藤 徹﹁
﹃源 氏物 語﹄ のパ ラテ クス ト﹂
︵﹃ 源氏 物語 と物 語社 会﹄
︵注
⑤ 前掲 書︶
︒初 出は
︑注
②の 南波 浩前 掲書
︶︒
㉑ スミ エ・ ジョ ーン ズ﹁ 江戸 文学 のオ ーヴ ァー テク スト
戯作 新論 に 向け て﹂
︵﹃ 江戸 文学
﹄第 二十 号︑ 一九 九九 年六 月︶
︒
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三六
㉒ 注④ に同 じ︒
㉓ 高橋 亨﹁ 物語 作者 のテ クス トと して の紫 式部 日記
﹂︵
﹃源 氏物 語の 詩 学﹄
︵注
⑤前 掲書
︶︶
︒
㉔ ロラ ン・ バル ト﹁ 作者 の死
﹂︵ 注⑫ 前掲 書︶
︒
㉕ 松澤 和宏
﹁︿ テク スト 布置 の解 釈学
﹀の 理論 的素 描の 試み
﹂︵
﹃H ER - SE TE C テク スト 布置 の解 釈学 的研 究と 教育
﹄第 三巻 第二 号︑ 二〇
〇 九年
︶︒
﹁広 義の テク スト 論﹂ と﹁ テク スト 布置 の解 釈学
﹂は
︑ほ ぼ同 じ 概念 と思 われ る︒
㉖ 増田 繁夫
﹁自 己主 張の 季節
平安 女流 日記 文学 史の ここ ろみ
﹂
︵﹃ 文学
﹄季 刊︑ 第二 巻第 三号
︑一 九九 一年 七月
︶︒
㉗ 池田 節子
﹁紫 式部 の言 葉
﹃源 氏物 語﹄
﹃紫 式部 日記
﹄﹃ 栄花 物語
﹄ を比 較し て
﹂︵
﹃源 氏物 語表 現論
﹄︑ 二〇
〇〇 年︑ 風間 書房
︒初 出は
︑
﹃国 文学 解釈 と鑑 賞 別冊 文学 史上 の﹃ 源氏 物語
﹄﹄ 一九 九八 年六 月︶
︒
㉘ 注㉗ に同 じ︒
【引 用本 文︼
『紫 式部 日記
﹄﹃ 更級 日記
﹄﹃ 無名 草子
﹄は
﹁新 編日 本古 典文 学全 集﹂
︵小 学館
︶に
︑﹃ 無名 抄﹄ は﹁ 日本 古典 文学 大系
﹂︵ 岩波 書店
︶に
︑﹃ 宝物 集﹄ は﹁ 新日 本古 典文 学大 系﹂
︵岩 波書 店︶ に︑
﹃水 鏡﹄ は︑ 金子 大麓
・松 本 治久
・松 村武 夫・ 加藤 歌子
﹃水 鏡全 注釈
﹄︵ 一九 九八 年︑ 新典 社︶ に︑
﹃今 鏡﹄ は︑ 竹鼻 績﹃ 講談 社学 術文 庫 今鏡
︵上
︶﹄
︵一 九八 四年
︑講 談 社︶ に︑
﹃紫 家七 論﹄ は︑ 秋山 虔監 修︑ 島内 景二
・小 林正 明・ 鈴木 健一 編集
﹃批 評集 成・ 源氏 物語 第一 巻 近世 前期 篇﹄
︵一 九九 九年
︑ゆ ま に書 房︶ に︑ それ ぞれ 拠り
︑適 宜︑ 表記 等を 改め た︒ また
︑引 用文 中の 傍線 は︑ 引用 者に よる もの であ る︒
【付 記】 本稿 の一 部は
︑二
〇〇 一年 度古 代文 学研 究会 大会
︵二
〇〇 一年 八月 八日
︑ 於・ 同志 社び わこ リト リー トセ ンタ ー︶ にお ける 口頭 発表 をも とに して いる
︒席 上︑ 多く の方 から 様々 なご 意見 を頂 戴し た︒ 御礼 申し 上げ ます
︒
【資 料】
『紫 式部 日記
﹄と 他テ クス ト群 との 語彙 用例 数比 較表 凡例
①用 例数 の確 認に 用い た索 引 5西 端幸 雄・ 木村 雅則
・志 甫由 紀恵
﹃平 安日 記文 学 土佐 日記
・蜻 蛉日 記・ 和泉 式部 日記
・紫 式部 日記
・更 級日 記総 合語 彙索 引﹄ 一九 九六 年︑ 勉誠 社︒ 5柳 井滋
・室 伏信 助・ 鈴木 日出 男・ 藤井 貞和
・今 西祐 一郎
﹃新 日本 古典 文学 大系 別巻 源氏 物語 索引
﹄一 九九 六年
︑岩 波書 店︒ 5上 坂信 男﹃ 九本 対照
竹取 翁物 語語 彙索 引﹄ 一九 八〇 年︑ 笠間 書院
︒ 5西 端幸 雄・ 木村 雅則
﹃歌 物語
伊勢 物語
・平 中物 語・ 大和 物語 総合 語 彙索 引﹄ 一九 九四 年︑ 勉誠 社︒ 5松 尾聰
・江 口正 弘﹃ 落窪 物語 総索 引﹄ 一九 六七 年︑ 明治 書院
︒ 5室 城秀 之・ 西端 幸雄
・江 戸英 雄・ 稲員 直子
・志 甫由 紀恵
・中 村一 夫
﹃う つほ 物語 の総 合研 究 本文 編上
~索 引編 自立 語!
﹄一 九九 九年
︑ 勉誠 出版
︒ 5榊 原邦 彦﹃ 枕草 子 本文 及び 総索 引﹄ 一九 九四 年︑ 和泉 書院
︒
②名 詞に つい ては
︑そ の名 詞の 前後 に︑
﹁御
﹂や
﹁ ども
﹂が 付い てい ても
︑同 一の 語と みな した
︒
③﹃ 紫式 部日 記﹄
﹃源 氏物 語﹄ より も以 前に 成立 した
︑散 文・ 仮名 テク ス トを 対象 にし たが
︑﹃ 更級 日記
﹄に つい ては
︑﹃ 紫式 部日 記﹄ など と同 じ 索引 で同 時に 調べ るこ とが でき たた め︑ 調査 対象 に加 えた
︒ 物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三七
けしき 257/129 18
6 6 3 2 14 145 35 57 43
資料 ① (新大系/
ページ数)新全集の 紫式
部日 記 竹 取 物 語 伊 勢 物 語 土 佐 日 記 大 和 物 語 平 中 物 語 うつ ほ物 語 蜻 蛉 日 記 落 窪 物 語 枕 草 子 源 氏 物 語 和泉 式部 日記 更 級 日 記
0 89 3 12 7 23 0 3 0 3 1 5 255/126 心ばへ 0 0
0 0 1 0
0
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 254/125 女郎花さかりの色 0 0 8
0 0 1 0 0 1 0 0 1 254/124 遠く近く 0 0 1 3 0
0 0
泣きまどふ 259/132
1 0 0 0 0 0 10 1 1 0 11 0
1 0 0 3 0 0 0 0 0 1 254/124 うちつれたる 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 1 253/124 時(じ)
0 0 6 0 0 0
加持まゐる 259/132
1 0 0 0 0 0 4 0 0 0 9 0 0 46
0 0 0 0 0 0 0 0 1 254/124 とどろ 0 2 68 9 2
0 0 0 0 0 0 1 253/124 いひしろふ 1 0 2 0 0 1 0
2 2 0 6 0 0 0 0 0 3 257/129 とりわきて 0 0 5 0
5 4 0 0 0 0 1 5 254/124 おどろおどろし 0 0 18 0 1 2
0 0 0 0 0 1 253/124 をぐらし 4 1 31 3 1 0 3 1
2 0 0 0 0 0 0 0 2 256/128 うち赤み 2 1 9 8 5
2 0 0 0 0 0 1 253/123 現し心 0 0 1 0 0 0 0
0 0 3 0 1 253/124 夜ふかし
0 0 0 1 0 0 0 0 0
5 6 0 0 0 0 0 1 256/128 もの狂ほし 0 0 2 0 0 0
0 0 0 0 0 2 253/123 はかなき物がたり 1 0 8 2 4 1 3 0
0 0 0 2 259/132 おしかさぬ 0 0 0 0 0 0 1 256/128 見あく 0 0 1 0 0 0 0
0 2 0 0 2 253/123 入りたつ 3 3 353 6 5 1 6 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 1 256/128 口おほひ 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 20 253/123 けはひ
0 0 3 0 1 4 1 0 0
0 0 0 0 0 1 0 0 3 0 0
ゐこむ 259/131 1
0 0
0 0 0 0 1 256/128 まくらす
おしいる 259/132
2 0 1 0
0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0
気あがる 259/131
1 0 0 0 4 1 0 0 2 0 0 0
3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2
ひきつぼぬ 258/131
1
0 0 1 256/128 うちめ 0 0 1 0 0 0 7 0 0 0 0
258/130 1
0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0
たちさわぐ 258/130
0 2 256/128 まろがす 1 0 48 0 1 0 12 0 0 0 0 0
かりうつす 258/130
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0
耳ふりたつ 2 256/127 しめやかなり 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
0
日ひと日 258/130
1 0 0 3 0 0 2 1 1 5 8 0 0
256/127 中絶え 0 0 7 0 3 1 0 0 0 0 0 0 1 256/127
0 0
もてちがふ 258/130
2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
わざとの 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 256/127 読経あらそひ
639 15 12
しつらひ 258/130
2 2 0 0 1 0 6 0 1 0 53
0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 255/126 うち思ひ出づ 1
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三八
0 30 0 0
0 2
まだし 261/134 1
0 0 0 2 0 8 15 4 6 9 0 更 級 日 記
和泉 式部 日記
源 氏 物 語
枕 草 子
落 窪 物 語
蜻 蛉 日 記
うつ ほ物 語
平 中 物 語
大 和 物 語
土 佐 日 記
伊 勢 物 語
竹 取 物 語
紫式 部日 記
(新大系/
ページ数)新全集の
資料 ②
0 0 0 1 0 0 0 0 0 4 266/141 しざま 2
1 17 0 0
見たてまつりなる 260/133
1 1 0 0 0 0 5 1 2
0 0 0
たひらかなり 260/134
3 0 0 1 0 1 29 4 4 1 18
0
3 0 2 18 0 0
心をまどはす 260/133
1 4 0 0 1 0 3 0
2 25 0 0
おししぼむ 260/134
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0
0 29 2 5 0 8 0 0 0 0 0 4 267/143 ものものし 1
5 0 0 6 0 0
けつ 259/133 1
0 3 0 0 4 5
1 5 45 0 0
け遠し 260/133 2
0 0 0 0 0 0 0 0
3 0 0
かかやかす 265/140
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
せきあふ 259/132
1 0 0 0 0 1
心ひとつ 260/133
2 0 0 0 0 0 13 3
1 0 0 0
かかやかし 265/140
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 11 0 0
あふぎにはづれたる 267/143
1 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 2 1 0 0
かうな 259/132 1
0 0 0 0
3 0 6 0 0
物はしたなし 265/140
1 0 0 0 0 0 0 0 0
かたはらめ 267/143
2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0
もてつづく 267/143
1 0 0 0 5
0 0 4 0 1
しきる 264/139 1
0 0 0 0 1 0 4
かみのさがりば 267/143
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0
たちわたる 264/139
2 0 0 0 1 0 3
うちかがむ 267/142
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
くみわたす 263/138
1 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
うむ 263/138 1
0 0 0 0
0 0 1 266/142 およびがほなり 0 0 1 1 1 0 7 0 0 1 0
0 3 2 7 5 0 0 139 0 3
笑みほこる 263/137
1 0 0 0
0 1 266/142 うちむる 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 1 0 0 6 0 0
心のうち 263/137
5 0 0
1 266/142 いはがくれ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
おぼほる 262/136
2 0
266/142 立がほ 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 266/142
1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0
をぐ 261/135 1
色ふし 0 0 11 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 266/142 さへづる
261/134 1
0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0
顔がはりす 261/134
0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 266/142 しづのを 0
いひ出づ 261/134
3 0 1 1 0 0 3 1 4 15 29 0 3
顔づくりす
0 2 0 0 0 8 0 0 0 0 0 2 266/142 たてわたす 1 0
0
人ごと 261/134 2
0 0 0 0 0 0 2 0 1 1 0 0
3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 266/141 大かたのこと 0 0 3
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
三九
こまかにをかし 271/149
4 0 0 0 0 0 0 0 0 0
資料 ③ (新大系/
ページ数)新全集の 紫式
部日 記 竹 取 物 語 伊 勢 物 語 土 佐 日 記 大 和 物 語 平 中 物 語 うつ ほ物 語 蜻 蛉 日 記 落 窪 物 語 枕 草 子 源 氏 物 語 和泉 式部 日記 更 級 日 記
0 11 0 0 0 1 0 0 0 0 0 2 268/145 つきしろふ 0 0
0 0 1 5
0
なぞや 273/151 1
0 0 0 1 0 2 1 2 0 6 0 0
15 0 0 0 1 0 0 0 0 0 7 268/145 かどかどし 0 0 4
2 0 10 0 0 0 0 0 1 267/144 ゐなむ 0 0 17 0 0
思ひかけたる心 273/151
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 268/144 おしこむ 0 0 2 0
0 0 0 0 0 0 0 1 267/143 ゆゆしきまで 0 0 1 0 0 0
13 0 2 0 11 0 0 0 0 0 4 271/148 おくりもの 0 0 1
1 0 0 0 0 0 0 0 1 268/144 おほやけおほやけし 0 0 1 0 0
0 0 0 0 0 0 1 267/143 うれへなく
2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 271/148 かけまくも 0 0 23 6
0 0 0 0 0 0 0 1 268/144 おどろ
0 0 0 0 9 0 0
0 1 2 0 0 0 0 0 4 271/148 こちたし 0 0 36 0 2
0 0 44 3 0 4 5 0 0
0 1 0 1 3 14 0 0
思ひよそふ 273/152
2 0 0 0 0 0
1 5 0 1 0 1 0 1 271/148 いとどし 0 0 17 0 0 0
1 0 0 1 273/151 思はずなり 1 1 21 2 1 0 1 0 0 0
さと 273/152 1
0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 3 270/148 あえか 0 0 13 4 1 2 2
0 1 37 2 1 2 8 0 0
0 1 1 273/151 嘆かし 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 1 0 1 4 2 1 25 1 0
0 0 0 0 0 1 270/148 もてさわぐ 0 0 14 0 0 0 8 0
0 0 1 3 273/151 もの憂し
0 1 273/151 思ひがひ 0
0 0 0 4 0 1 0 34 0 0
思ひゐる 272/150
1 0 0
0 0 0 0 1 270/147 しなじな 0 0 1 1 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 0 0
心よせ 272/150 2
0
0 0 0 1 270/147 まどひ入る 0 0 38 0 0 0 10 0 0 0
1 0 0 0 0 0 4 0 0 0 7 0 0
わりなきわざ 272/150
1
1 0 3 270/147 見しらぬ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
272/150 2
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
うつくしむ 272/150
0 2 270/147 すべりとどまる 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
見えなす 272/149
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0
ひきさがす 1 269/146 こはづかひ 2 8 96 31 4 7 24 1 2 0 1 0 6
0
おしわたす 272/149
2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
269/146 さしいづ 0 0 33 1 3 0 19 0 0 0 0 0 1 269/146
0 0
つやつやと 272/149
1 0 0 0 0 0 3 1 1 1 8 0
こころみる 0 1 8 3 3 3 3 1 0 0 0 0 2 269/146 くちぐち
5 0 0
とりはなつ 271/149
1 0 0 0 0 0 5 0 1 0 5
0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 269/145 手をおしする 0
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
四〇
ことさらなり 278/160
4 0 0 0 1 0 10 0 0 9
資料 ④ (新大系/
ページ数)新全集の 紫式
部日 記 竹 取 物 語 伊 勢 物 語 土 佐 日 記 大 和 物 語 平 中 物 語 うつ ほ物 語 蜻 蛉 日 記 落 窪 物 語 枕 草 子 源 氏 物 語 和泉 式部 日記 更 級 日 記
3 287 4 6 1 17 0 0 0 2 1 1 275/154 心苦し 0 0
0 1 44 3
0
したつ 280/162 2
0 0 0 0 0 2 0 1 7 9 0 2
5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 274/154 やすげなし 0 0 26
1 2 8 0 0 0 0 0 2 274/153 心づかひす 0 1 0 0 0
かたじけなくもあはれ 281/163
1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 3 0 0 0
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 274/153 なほなほし 0 0 3 0
1 1 0 0 0 0 0 1 273/152 うちさわぐ 2 0 26 1 1 1
8 0 0 0 0 0 1 0 0 0 2 278/159 ゑひ泣き 0 0 30
0 0 0 0 0 0 0 0 2 274/153 たゆたふ 0 0 3 1 0
1 1 0 0 1 0 2 273/152 かきくらす
1 1 0 1 0 0 0 0 0 4 278/159 もてはやす 0 0 6 0
2 1 0 0 0 1 0 1 274/153 たゆし
4 0 0 2 12 1 1
0 0 1 0 0 0 1 0 0
0 3 0 0 0 0 0 0 2 278/158 あへしらふ 0 1 7 0 0
0 0 0 0 0 3 0 0
聞きゐる 283/165
2 0 0 0 0 0
3 0 1 5 5 0 0 17 1 2
まうち君 281/163
1 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 1 278/158 そぞろ寒し 0 0 1 0 0 0
0 0 2 1 0 0 18 0 0
ひこしろふ 283/165
1 0 0 0 0
0 0 0 0 8 0 3 4 21 0 0
かぞふ 282/164 2
0 1
0 0 0 0 0 0 1 278/158 心地ゆく 0 0 10 0 0 0 8
いとはし 283/166
2 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
あなずる 282/164
2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 2 278/158 吹きあはす 0 0 0 0 0 0 0 0
ざれいまめく 282/164
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0
あだふ 280/161 1
0 0
0 0 0 0 1 277/157 着はやす 0 0 1 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 1 0 0 11 0 0
取りさく 280/161
1 0
0 0 0 1 276/156 わきまへ 0 0 7 4 0 0 0 0 4 0
あはむ 280/161 1
1 0 2 276/156 けさうず 0 0 45 0 1 1 0 0 0 0 0
280/161 5
0 0 0 0 0 9 4 1 2 113 2 0
1 4 276/156 まほなり 0 1 19 1 0 0 6 0 0 0 0 0
にほひ 278/160 3
0 1 0 0 0 10 1 0 5 106 0 1
ことごとし 5 276/155 心々なり 0 0 3 0 0 0 3 0 0 0 0 0 1
0
明けたつ 278/160
3 0 0 0 0 0 2 0 0 1 2 0 1
276/155 こきまず 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 275/154
2 0
うちあふ 278/160
2 0 0 0 0 0 0 1 3 0 12 0
のだつ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 275/154 もこよひ
60 0 0
ねたし 278/160 3
0 0 1 3 0 37 0 29 0 65
2 0 25 0 1 1 2 0 0 0 0 0 3 275/154 夢のやう 0
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
四一
かき絶ゆ 286/170
1 0 0 0 0 0 0 1 1 0
資料 ⑤ (新大系/
ページ数)新全集の 紫式
部日 記 竹 取 物 語 伊 勢 物 語 土 佐 日 記 大 和 物 語 平 中 物 語 うつ ほ物 語 蜻 蛉 日 記 落 窪 物 語 枕 草 子 源 氏 物 語 和泉 式部 日記 更 級 日 記
0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 285/168 なぞの 0 0
0 0 0 0
むつかし 288/172
4 0 0 0 2 0 33 5 3 10 72 5 2
3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 284/167 うちつぶやく 0 0 5
0 0 0 0 0 0 0 0 1 284/166 われぼめす 0 0 0 0 0
0 1 0 0 0 0
6 0 1 6 1 0 0 1 0 1 284/167 なめし 0 0 0 0 0 0 0 1 283/166 かぞへやる
ことなしぶ 289/173
1 0 0 0 0 0 0 1 0
10 0 0 1 4 0 0 0 0 0 1 286/170 おほぞうなり 2 1 24
0 0 0 0 0
0 0 0 2 0 0
0 3 1 3 2 0 0 2 0 1 286/170 おとづる 0 0 17 1
0 0 0 0 0 0 0 2 284/167 さわがしき心地
3 1 0 1 1 0 1
思ひおくる 289/173
1 0 0 0 0 0 0
0 0 1 0 0 3 24 0 0
2 0 4 0 0 0 0 0 1 286/170 思ひおとす 0 0 11 0 0
1 14 0 0 5 65 1 1
いひつくす 289/174
2 0 0 0 0 0
0 5 2 34 16 16 14 128 4 7
たどたどし 288/173
2 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 1 286/170 心浅し 0 0 11 2 0 1
け近し 289/174 1
0 0 0 1
0 0 0 0 1 2 3 0 5 0 0
語らふ 288/173 5
1 3
1 0 0 0 1 1 1 286/170 おもなし 0 0 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 1 4 0 0
すくむ 288/173 2
0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0
0 0 0 0 0 1 286/170 残ることなし 0 0 0 0 0 0 0 0
1 1 1 0 2 0 1 5 2 10 13 1 1
厚ごゆ 288/173 1
0 0 0 0 2 2 0 0 7 0 0
見えわく 288/172
3 0 0
0 0 0 0 1 286/169 世にあるべき人数 0 0 0 0 0 0 0 0 0
寄り来 288/173 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
うちはらふ 287/171
1 0
0 0 0 1 286/169 そぞろごと 1 1 21 0 1 1 0 0 0 0
1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 2 0 1
鴨の上毛 287/171
1
0 0 1 286/169 思ひわく 0 0 9 0 0 2 1 0 0 1 0
287/171 1
0 0 0 0 3 2 5 0 0 33 1 1
浮き寝 287/171 0 1 286/169 行かふ 1 0 14 0 0 1 0 0 0 0 0 0
むつび語らふ 287/170
1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ものはかなし 1 285/169 ものむつかし 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
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心とむ 287/170 1
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285/168 心もとなき名 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 285/168
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ものあはれなり 287/170
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ひきうしなふ 0 3 4 1 14 0 4 0 0 0 0 0 2 285/168 さいなむ
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住み定まる 286/170
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0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 285/168 もののく 1
物語 作者
︿紫 式部
﹀へ の序 章
四二