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介 護 支 援 専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 19

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介 護 支 援専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト

阻害要 因の計量 的分析

和 気 純 子

〔要 約 〕

介 護保 険 制 度 にお い て 中核 的 な機 能 を担 う介 護 支 援 専 門員 につ い て は 、制 度 の発足 当初 よ り、 そ の業 務 をめ ぐる矛盾 や負 担 が 問題 とな って い る。 本 稿 で は、

介 護 支援 専 門員 へ の 自記 式 ア ンケ ー ト調 査 か ら、34項 目13領 域 に わ た るケ ア マ ネ ジメ ン ト実 践 の 達 成 状 況 を評 価 し、34項 目7領 域 か らな る阻 害 要 因 の影 響 力 につ い て検 討 を行 っ た。 そ の結 果、 介護i保険 制 度 に 限 定 的 な 「基礎 的 ケ アマ ネ ジ メ ン ト」 は概 ね 実 施 で きて い る もの の 、権 利 擁 護 や 地域 資 源 の 開発 な ど を含 む 「発 展 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト」 の達 成 状 況 は低 い レベ ル に と どま っ て い る こ と が 明 らか に な っ た 。 また、 阻 害 要 因 で は、 時 間不 足 に代 表 され る 「劣 悪 な勤 務 環 境 」 とそ れ に 伴 う 「バ ー ンア ウ ト」 が 多 領 域 に及 ぶ ケ アマ ネ ジ メ ン ト実 践 を

阻害 して い るほ か 、 これ ら に加 えて 、 基礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トで は 「面 接 技 術 の未 熟 」、 発 展 的 ケ アマ ネ ジ メ ン トで は 「若 年齢 」 で あ る こ とが 阻害 要 因 に な っ て い る こ とが判 明 した 。 最 後 に、 これ らの 阻 害 要 因 の解 消 また は軽 減 を図 り、

発 展 的 ケ アマ ネ ジメ ン トの実 践 を支援 ・促 進 して い く必要 性 につ い て論 及 した。

〔キ0ワ ー ド 〕

介 護 支 援 専 門 員 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 阻 害 要 因 ソ ー シ ャ ル ワ ー ク

1.は じ め に

2000年 よ り施 行 さ れ て い る 介 護 保 険 制 度 に お い て は 、 利 用 者 の ニ ー ズ を ア セ ス メ ン トし、 必 要 な サ ー ビ ス を コ ー デ ィ ネ イ トす る ケ ア マ ネ ジ メ ン トが 介 護 支

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18 人 文 学 報No.35d(社 会 福 祉 学20)2004.3

援 サ ー ビス と して 制 度化 され 、 介 護 支 援 専 門 員 が そ の業 務 を担 う専 門職 と して 位 置 づ け られ た 。 しか しなが ら、 当該 制 度 の 「要 」 と も言 うべ き介 護支 援 専 門 員 をめ ぐっ て は 、 業 務水 準 の ば らつ きや過 重 労務 の 問題 な ど を含 め た さ ま ざ ま

な課 題 が提 起 され て い る。

こ う した 諸課 題 を解 決 す る ため の方 策 と して 、 当初 よ り現 任 研 修 カ リキ ュ ラ ム の拡 充 が 図 られ て きた が 、 平 成14年 度 に は、 ケ ア マ ネ ジ メ ン トリー ダー活 動 等 支 援 事 業 が付 加 され た 。 さ らに平 成15年 度 に は、 介 護 支 援 専 門 員 に対 す る介 護 報 酬 の 引 き上 げ が 行 わ れ た一 方 で、 モ ニ タ リ ン グや担 当者 会 議 の 実施 を含 む 一・定 の要 件 を満 た さ ない場 合 の介 護 報 酬 の 減 額 な ど を盛 り込 ん だ 、居 宅 介 護 支 援二に要 す る費用 の算 定 基準 の改 定 が 行 わ れ た と ころ で あ る ω。

この よ う に、 制 度 が 施 行 され て以 降、 現 場 の 混 乱 を反映 して 、改 善 をめ ざ し た対 応 が 矢 継 ぎ早 に な され て きて は い る もの の 、 現 場 か らは依 然 と して介 護 支 援 専 門員 の 業務 をめ ぐる負 担 や 矛 盾 を訴 え る声 が 多 く聞 か れ る 。本 稿 で は、 こ

う した状 況 をふ ま え、 介 護 支 援 専 門員 の 自己 評価 に も とつ い て彼 らの実 践 を計 量 的 に把 握 ・分 析 し、 そ れ らを 阻害 す る要 因 を明 らか にす る こ とを 目的 とす る。

2.先 行 研 究

ケ アマ ネ ジ メ ン トに 関す る先 行研 究 は数 多 い。 我 が 国 で は、1980年 代 か ら介 護 保 険 実 施 に至 る1990年 代 にか けて 、 海 外 で の事 例 や 研 究 の紹 介 ・分 析 を中心 に、 わが 国 の実 情 に見 合 っ た ケ ア マ ネ ジ メ ン トの あ り方 を模 索 す る研 究 が 数多 く蓄積 され た(2)。 そ の後 、 介 護 保 険 制 度 の施 行 後 は 、 ア セ ス メ ン トやケ ア プ ラ ン作 成 な どの実 践 活 動 に役 立つ 実 用 書 や 事例 集 な どの刊 行 が 相次 い でい る(3)。

この よ う に、 先 行 研 究 は豊 富 で あ る もの の 、 介 護 保 険 制度 の 施行 か ら3年 余 りと 日が浅 い こ とか ら、 介 護 支 援 専 門員 に よ るケ ア マ ネ ジ メ ン トの分 析 は緒 に つ い た段 階 で、 分析 モ デ ルの 精 緻 化 な ど を含 め た 検 討 課 題 は少 な くない。 こ こ で は まず 、 誌 上 発 表 され た 実 証 的 研 究 を 中心 に 、 先 行 研 究 で 得 られ た知 見 を整 理 す る(4)。

は じめ に、 介 護 支援 専 門 員 に よ るケ アマ ネ ジ メ ン トの実 態 を分 析 した3つ の

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介 護 支 援 専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 19

調 査 研 究 の 主 要 な結 果 に つ い て み て お き た い 。

まず 、2000年11月 〜12月 に 実 施 さ れ た 大 阪 府 下 の 全 ケ ア マ ネ ジ ャ ー を対 象 に 行 っ た 調 査 で は 、 ケ ア マ ネ ジ ャ ー の 雇 用 ・労 働 条 件 と、 ケ ア マ ネ ジ ャ ー の 仕 事 内 容 、 悩 み 、 暮 ら し と健 康 との 関 連 な ど が ク ロ ス 集 計 に よ っ て 分 析 さ れ 、 ケ ア マ ネ ジ ャ ー が 抱 え る 悩 み や 健 康 問 題 の 深 刻 さが 明 らか に され て い る(5)。 具 体 的 に み る と、7割 が 「担 当 者 会 議 や 関 係 機 関 と の 連 絡 ・調 整 を 行 う 時 間 が な い ・ 少 な い 」 と し て い る ほ か 、 「利 用 者 ・家 族 の 生 活 状 況 を把 握 す る 時 間 が な い ・少

な い 」(56%)、 「残 業 が 多 い 」(51%)な ど、 半 数 近 い 回 答 者 が 業 務 時 間 の 不 足 に よ っ て 十 分 な 実 践 が で き な い こ と を 報 告 し て い る 。 ま た 、 過 半 数 以 上 が 心 身 の 疲 労 を 感 じて お り、37%が 「も う続 か な い と思 う こ とが あ る」 と答 え て い る。

こ れ らの 結 果 をふ ま え 、 「給 与 面 で の 改 善 」(64%)を は じめ 、 「関 係 機 関 お よ び ケ ア マ ネ ジ ャ ー 問 の 交 流 ・学 習 の 場 を 増 や す 」(58%)と い っ た 雇 用 ・労 働 条 件 の 改 善 や 関 連 機 関 と の 連 携 構1築 な ど の 環 境 整 備 を 求 め る 要 望 が 多 くあ げ られ て い る 。 な お 、 担 当 ケ ー ス 数 が 増 え る ほ ど、 悩 み や 要 望 が 深 刻 か つ 明 確 に な る 点 や 、 「常 勤 専 任 」 「常 勤 兼 任 」 「非 常 勤 」 と い っ た 雇 用 形 態 に よ っ て 悩 み や 要 望 に 差 異 が あ る こ とが 判 明 し て い る 。

次 に 、 長 寿 開 発 セ ン タ ー が2001年7月 〜9月 に 行 っ た 調 査 で は 、 介 護 支i援専 門 員 の 業 務 実 態 が 、 質 問 紙 調 査 お よ び タ イ ム ス タ デ ィ に よ っ て 把 握 さ れ て い る (6)。2000事 業 所 を 層 化 無 作 為 抽 出 して 行 っ た 調 査 で は、 介 護 支 援 専 門 員 一 人 あ た り担 当 者 数 は42.7人 で 、 「社 会 福 祉 法 人 」、 「介 護 老 人 福 祉 施 設 の 併 設 」、 「併 設 事 業 所 お よ び 利 用 者 数 の 多 い 事 業 所 」、 「事 務 職 員 が 業 務 分 担 し て い る 事 業 所 」

ほ ど 、 一 人 あ た りの 担 当 ケ ー ス 数 が 多 く な っ て い る 。 ま た 、 利 用 者 属 性 との 関 連 で は 、 多 くの 担 当 ケ ー ス を持 つ 介 護 支 援 専 門 員 ほ ど、 利 用 者 宅 へ の 訪 問 回 数 や 電 話 回 数 、 他 事 業 所 へ の 訪 問 回 数 が 少 な く な り、 サ0ビ ス 担 当 者 会 議 の 実 施 が 減 る が 、 サ ー ビ ス 種 類 数 や 他 事 業 者 と の 電 話 連 絡 、 ケ ア プ ラ ン の 変 更 な ど と

の 関 連 は み られ ず 、 担 当 利 用 者 数 に よ っ て サ ー ビ ス に 大 き な 格 差 が 生 じて い る と は 言 い 切 れ な い と結 論 づ け て い る 。

さ ら に 、 タ イ ム ス タ デ ィ の 結 果 か ら は 、 「訪 問 」(27.5%)、 「ケ ア プ ラ ン作 成 」 (17.7%)、 報 酬 請 求 事 務 な ど ケ ア マ ネ ジ メ ン トに 直 接 関 わ ら な い 業 務 」(14%)

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の順 で業 務 時 間 が 多 くな っ てい る こ とや 、 要 介 護 度 が 高 くな る に従 い 、 ケ アマ ネ労働 投 入 量 が 多 くな るが 、 そ の 差 が 生 じて い る要 因 は 「サ ー ビス の種 類 数 」 で あ る こ と、 要介 護 度 とは独 立 して ケ ア マ ネ労 働 投 入 時 間 に関連 の あ る項 目は、

新 規 利 用 の 有 無」 「経 済 状 態 」 「当 月 の ケ ア プ ラ ン変 更 の 有 無 」 「当 月 のサ ー ビ ス担 当者 会 議 開催 の有 無 」 で あ る こ とな どが 明 らか に な って い る。

最 後 に、 神 奈 川 県 介 護 支i援専 門 員協 会 が2002年 に行 った 調 査 報 告 に言 及 して お きた い(7)。 ケ アマ ネ ジ メ ン ト業 務 の 達 成 状 況 で は、 「ア セ ス メ ン ト」 や 「苦 情 処 理」 はほ ぼ実 施 で きて い るが 、 「サ ー ビス担 当者 会 議」 の達 成状 況 が 極端 に 低 い ほ か 、 「モ ニ タ リ ン グ」 「再 ア セ ス メ ン ト」 も十 分 に で きて お らず 、 これ ら の業 務 に対 して は介 護 支 援 専 門員 が い だ く負担 感 も高 くな っ て い る。 なお 、 本 調査 研 究 で は、 介 護 支 援 専 門 員 の満 足 度 を中 心 と して 主 要 な変 数 との ク ロス 集 計が 実 施 され て い るが 、 有 意 差 が認 め られ る 関連性 は限 定 的 であ り、 と りわ け、

担 当 ケ ー ス 数 と介 護 支 援 専 門員 の満 足 度 を は じめ とす る主 要 な変 数 間 に は 関連 が み られ な い。 他 方 、 介 護 支 援 専 門 員 の 満 足 度 との 問 に有 意差 が認 め られ たの は、 「モ ニ タ リ ング達 成状 況 」 「研 修 参 加 回数 」 「事 業 所 の介 護 支援 専 門員 に対 す る理解 度 」 で あ る ほか 、30歳 代 の 若 い 世 代 にお い て介 護 支援 専 門 員業 務 のや り が いが 低 い こ とが判 明 して い る。

続 い て、 近 年 発 表 され た研 究 論 文 で 明 らか に され て い る点 につ い て も整 理 し て お きた い。

綾 部 らに よる研 究 で は、 ケ ア マ ネ ジ メ ン トに お い て十 分 に実 施 され て い な い 課題 領 域 は、 「利 用 者 や 家族 との居 宅 サ ー ビス計画 作 成 」 お よび 「評価 」 で あ っ た と して い る(8)。 また 、t検 定 お よ びF検 定 の 結 果 か ら、 「関 連 研 修 の 受 講 」 が ア セ ス メ ン トや ケ ア プ ラ ンの作 成 の規 定要 因 であ る ほか 、 「在宅 介 護 支援 セ ン

ター勤 務 経 験 」 と 「専 任 」 で あ る こ とが 「エ ン トリー」 領域 で有 意 で あ り、 「利 用者 や家 族 との居 宅 サ ー ビス 計 画作 成 」 に お い て は、 「国家 資格 保 持 者」 が それ 以外 の者 よ り も達 成 状 況 が 良好 であ った こ とを報 告 して い る。

また 、 馬場 らに よ る研 究 で は、 ア セ ス メ ン トお よび ケ ア プ ラ ンの作 成 にお い て 、 「地 域 ・近 隣 との 関係 」 「イ ン フ ォー マ ル ケ ア」 な どの把 握 や反 映 が な され て い る割 合 が か な り低 い うえ、 サ ー ビス担 当者 会 議 や モ ニ タ リ ング も十 分 に実

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施 され て お らず 、 本 来 の ケ アマ ネ ジ メ ン ト業 務 が 行 わ れ て い る とは言 い難 い状 況 に あ る と結論 づ けて い る(9)。 そ の上 で、 資 格 別 、運 営 主体 別 、雇 用 状 況別 の ク ロス 集 計 に よっ て実 施 状 況 の差 異 を検 討 した結 果 、全 体 と して業 務独 占 の 国 家 資格 取 得 者 の 方 が 実 施 状 況が 良好 で あ り、 社 会 福 祉 士 や ホ ー ムヘ ルパ ー な ど の福 祉 職 の 実 施 状 況 が 低 い こ とが 示 され た ほ か 、 運 営 主体 別 で はNPO法 人 、 経 験 年 数 で は長 い方 が 実 施状 況 が 良好 で あ る こ とが 判 明 して い る。

さ らに、 沖 田 らに よる研 究 で は、45項 目か らな る ケ ア マ ネジ メ ン ト過程 質 評 価 項 目の すべ て につ い てそ の重 要性 は認 識 して い る もの の 、 「チ ー ム に よる協 議 と計 画 」 「モ ニ タ リ ング と評価 」 「社 会 資 源 の 開 発 」 な どの実 施 状 況 が低 く、 ケ アマ ネ ジ メ ン トの 結 果 で は、 利 用 者 の 自己決 定 や 主 体 性 の促 進 、 自分 ら しい 自 立 生 活 の 達 成 な どの領 域 で 十 分 な効 果 が 得 られ なか っ た こ とが 報 告 され て い る

(lo)0

最 後 に、 介 護 支 援 専 門 員 の役 割 葛 藤 と燃 え尽 きの 関 連 につ い て み た渡 辺 の研 究 につ い て もふ れ てお こ う(11)。14項 目で把 握 され た役 割葛 藤 ・あ い ま さの項 目 で 上 位 を 占 め た の は、 「不 明確 な ゴー ル」 「理 想 と異 な るや り方 」 で 、7割 以 上 の 回 答 者が この よ うな葛藤 体 験 を 「か な りあ る」 「い つ もあ る」 と し、 また 、両 項 目を含 め た10項 目 と 「情 緒 的 消 耗 感 」 との 問 に は有 意 な正 の相 関が 認 め られ た。 さ らに、 自由記 述 か らは、 「時 間不 足 」 「役 割 ・限界 に 関す る 問題 」 とい っ た介 護 支 援 専 門 員 の 業務 過 多 や役 割 ・業 務 範 囲 の不 明 確 さが 数 多 く訴 え られ て い る。 こ う した結 果 をふ ま え、役 割 の 不 明確 さか ら生 じる ジ レ ンマ を解 消 す る た め に、 介 護 支 援 専 門 員 の 職 務 ス タ ンダ ー ドの 明確 化 や 職 務 の遂 行 を可 能 にす る シス テ ム整 備 の 必 要性 が 提 起 され て い る。

以 上 、 主 要 な先 行研 究 を概 観 してみ る と、 介 護 支 援 専 門員 は多 忙 で かつ 業務 範 囲が 不 明確 な状 況 にお か れ て お り、 地 域 に お け る連 携 や 地 域 資 源 の利 用 ・開 発 とい っ た、 ソー シ ャ ル ワー クの 領 域 で 重 視 され て い る実 践 を十 分 に実 践 す る こ とが で きず 、 理 想 と現 実 の デ ィ レ ンマ に直 面 し、 心 身 と もに疲 弊 して い る現 状 が 読 み とれ る。 また 、 こ う した状 況 と介 護 支援 専 門 員 の 属 性 との 関 連 で は、

国家 資 格 保 持 者 、保 健 医療 職 、 年 齢 や 経 験 の豊 富 な者 、 研 修 受 講者 な どで ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 達 成状 況 が 良 好 で あ る ほか 、 担 当 ケ ー ス数 や雇 用 形 態 に よ って

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も悩 み や要 望 に 差異 が み られ る こ とな どが報 告 され て い る。 しか しなが ら、 各 研 究 に よっ て ケ アマ ネ ジ メ ン トの操 作 的 な定義 や把 握 方 法 が 異 なる うえ、 用 い られ て い る変 数 も多 様 で あ る こ とか ら、 結 果 の解 釈 の 普 遍 化 は必 ず し も単純 で はな い。 また、 分析 にお い て は、 多 くは ク ロス 集 計 に よる2変 数 の関 連分 析 に と ど ま って お り、介 護 支 援 専 門 員 の実 践 に影 響 を及 ぼす 因子 問 の相 対 的 な影 響 力 の検 討 が 十分 に な され て い な い とい う課題 も認 め られ る。 本 研 究で は、従 属 変 数 とな るケ アマ ネ ジ メ ン トの領 域 を重 層 的 に構 成 す る と と もに、重 回帰 分 析 を用 い て独 立変 数 問 の 相 互 の影 響 力 を統 制 す る 方法 を活 用 す る こ とで 、 こ う し た課 題 の い くつ か の解 決 を試 み る。

3.方

(1)調 査 対 象者 お よび調査 方 法

本稿 にお け る分析 の 対 象 者 は、 東 京都 近 郊A県 が 、 県社 会 福 祉 協 議 会 に委 託 して平 成15年3月 に実 施 した介 護 支援 専 門員 現任 研 修 「専 門課 程 」 の受 講者156 名 の うち、 回答 の あ っ た154名 で あ る。 調査 は、研 修 の一 部 と して実 施 され た も の で、 調 査 方 法 は 質 問 紙 に よる集 合 調 査 で あ る。 質 問 紙 は無 記 名 で記 入後 、研 修 終 了 時 に 回収 箱 にて 回収 され た(12>。

なお 、 各 種 調 査 法 に は 長 短 所 が あ るが 、集 合 調 査 は、 時 間や 費用 面 で の コス トが 低 い うえ、 郵 送 調 査 な どに比 べ て 回収 率 が 高 い こ と、 さ らに設 問 の意 図 や 回答 方 法 につ い て調 査 者 が 説 明 をす る機 会 が 確 保 され る た め 、 回答 の精 緻 度 を 高 め る こ とが で き る点 が 利 点 と して あ げ られ る。 また 、 今 回 の 調 査 の場 合 は 、 研 修 の 時 間 を用 い て集 合 調 査 を行 うこ とに よ り、 業 務 多忙 な介 護 支援 専 門員 の 負 担 を軽 減 しつ つ 、 自 らの 実践 を振 り返 る研 修 の意 義 を 高 め る効 果 が あ る とい う利 点 も併 せ持 っ て い る。 他 方 、 問 題 点 と して はサ ンプ ル の偏 りが あ げ られ る が 、 今 回 の研 修 が 意 欲 を も った特 殊 な人 々の み が 受 講 す る研 修 で はな い こ とか ら、 考 察 にお い て サ ンプ ル の特 性 を勘 案 す る こ とに よっ て、 上 記 の 問題 点 は ク リア され る もの と判 断 され る。

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介 護 支援 専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 23

(2)調 査 項 目

質 問 紙 に よ っ て 調 査 さ れ た 主 な 項 目 は 、(a)属 性(性 別 、 年 齢 、 経 験 年 数 、 勤 務 形 態 、 所 属 法 人 、 基 礎 資 格 、 担 当 ケ ー ス 数)、(b)使 用 ア セ ス メ ン ト様 式 、 (c)ケ ア マ ネ ジ メ ン ト達 成 状 況(34項 目)、(d)ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 阻 害 要 因 (34項 目)、(e)バ ー ン ア ウ ト(6項 目)、(f)困 難 ケ ー ス の 特 性(18項 目、 複 数 回 答)、(g)困 難 ケ ー ス へ の 対 応(10項 目、 複 数 回 答)、(h)悩 み(自 由 記 述) で あ る 。 こ れ らの う ち 、 本 稿 で は 、(c)、(d)、(e)を 主 た る変 数 と して 分 析 に 用 い る た め 、 以 下 に 詳 述 す る 。

(3)合 成 変 数

は じめ に 、(c>の ケ ア マ ネ ジ メ ン ト達 成 状 況 を 把 握 す る項 目 は 、 図2に 示 す 34項 目 で あ る 。 こ れ ら の 項 目 は 、 先 行 研 究 の 検 討 か ら 導 き 出 さ れ た も の で 、 ケ ア マ ネ ジ メ ン トの プ ロ セ ス に 関 わ る 項 目 に 加 え て 、 資 源 の 開 発 や 権 利 擁 護 な ど ソ ー シ ャ ル ワ ー ク の 領 域 で 重 視 さ れ る 利 用 者 志 向 の ケ ア マ ネ ジ メ ン トに 不 可 欠 と され る 実 践 項 目 を含 ん で い る(13)。 各 実 践 項 目 に つ い て 、 そ れ ぞ れ 「全 くで き て い な い 」 か ら 「非 常 に よ くで き て い る 」 ま で の5段 階 で 回 答 を 求 め た 。 ま た 、 重 回 帰 分 析 に お い て は 、 図1の と お り、34項 目 を① 援 助 関 係 の 形 成(1〜2)、

② ア セ ス メ ン ト ・課 題 分 析(3〜13)、 ③ ケ ア プ ラ ンの 作 成(14〜18)、 ④ モ ニ タ リ ン グ(19〜20)、 ⑤ 給 付 管 理(21)、 ⑥ 保 険 外 資 源 の 活 用(22〜26)、 ⑦ 連 携 (27〜28)、 ⑧ 権 利 擁i護(29〜30)、 ⑨ 開 発(31〜32)、 ⑩ ス キ ル ア ッ プ(33〜34) の10領 域 に 統 合 し た う え で 、 ① 〜 ⑤ を⑪ 基 礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト、 ⑥ 〜 ⑩ を⑫ 発 展 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト、 全 項 目か ら な る⑬ 包 括 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト と位 置 づ け 、 合 成 変 数 に 再 編 成 し た 。 こ こ で い う 「基 礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト」 は 、 介 護 保 険 制 度 の 運 用 に 限 定 的 な ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 基 本 的 プ ロ セ ス を 意 味 す る 。 こ れ に 対 し て 、 「発 展 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト」 は 、 基 礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト を基 盤 と して 、 利 用 者 ・地 域 の 顕 在 的 、 潜 在 的 ニ ー ズ の 充 足 と さ ら な る エ ンパ ワ ー メ ン トを志 向 す る 実 践 活 動 で あ る と定 義 して お く。 「包 括 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト」 は 、

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文 字 通 り両 者 を統 合 した す べ て の 実 践 活 動 で あ る 。 各 合 成 変 数 と も、 評 点 を 加 算 す る 方 法 で 作 成 した 。13の 合 成 変 数 の 内 的 一 貫 性 を 示 すa値 は 、 図1に 示 し

て あ る とお り、0.61〜0.95に 分 布 し、 構 成 され る 項 目が 少 な い 領 域 で はや や 値 が 低 い も の の 、 全 体 的 に は 高 い 値 が 得 ら れ 、 尺 度 化 して 用 い る こ と の 妥 当 性 が 確

認 され て い る 。

次 に 、(d)の ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 阻 害 要 因 は 、 図3に 示 す34項 目 に つ い て 、

「全 く問 題 な い 」 か ら 「非 常 に 問 題 」 ま で の5段 階 で 回 答 を 求 め た 。そ の う え で 、 重 回 帰 分 析 で は 、 図1の とお り、 「そ の 他 」 を 除 く33項 目 を 、 ① 知 識 不 足(1〜

6)、 ② 面 接 技 術 の 未 熟(7)、 ③ 利 用 者 の 問 題(8〜10)、 ④ 資 源 不 足(11〜13)、

⑤ 調 整 困 難(14〜25)、 ⑥ 劣 悪 な 勤 務 環 境(26〜32)、 ⑦ 行 政 リー ダ ー一シ ッ プ の 欠 如(33)の7領 域 に 統 合 し た 。7つ の 合 成 変 数 の 内 的 一 貫 性 を 示 す α値 は 、 図1の とお り、0.64〜0.80に 分 布 し、 こ れ ら を尺 度 化 す る こ と の 妥 当 性 に つ い て も検 証 さ れ て い る 。

最 後 に 、(e)の バ ー ン ア ウ トの 測 定 に は 、 マ ス ラ ッ ク ら に よ っ て 開 発 さ れ 、 幅 広 く使 用 さ れ て い る バ ー ン ア ウ ト尺 度(Maslach'sBurnoutInventory)を 用 い る(14)。 こ の 尺 度 は 、 「情 緒 的 消 耗 感 」、 「個 人 的 達 成 感 」、 「脱 人 格 化 」 の3次 22項 目か ら な る尺 度 で あ る が 、 本 研 究 で は 、 介 護 支 援 専 門 員 の 業 務 か ら み て 回 答 しや す い と判 断 さ れ る3次 元6項 目 を用 い る こ と と し、 各 項 目 に つ い て 「全

くな い 」 〜 「い つ も あ る 」 の5段 階 で 回 答 を得 た 。 図4で は 、 質 問 文1と4が

情 緒 的 消 耗 感 」、 質 問 文2と5が 「個 人 的 達 成 感 」、 質 問 文3と6が 「脱 人 格 化 」 に そ れ ぞ れ 対 応 して い る。6項 目 に よ る α値 は0.63で あ る 。

(4)分 析 枠 組 み

本 研 究 の 分 析 枠 組 み は 、 図1に 示 す と お り で あ る 。 独 立 変 数 は 、 性 別 、 年 齢 、 所 属 法 人(社 会 福 祉 法 人/そ れ 以 外)、 勤 務 形 態(専 従/兼 務)、 職 種 系(福 祉 系/

医 療 看 護 系)、 担 当 ケ ー ス 数 の6つ の 変 数 の ほ か 、 上 述 し た7つ の 合 成 変 数 か ら な る 阻 害 要 因 、 バ ー ン ア ウ トの 計14変 数 で あ る 。 な お 、 基 本 属 性 に お け る カ テ ゴ リー 変 数 で あ る 「所 属 法 人 」、 「勤 務 形 態 」、 「職 種 系 」 に つ い て は 、 次 節 で 述

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介 護 支 援 専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 25

べ る よう に、予 備 的 な一 元 配 置 分 散 分析 の 結 果 を も とに変 数 を再 構 成 して い る。

これ らの独 立 変 数 に対 す る従 属 変 数 は、 上 述 した13の 領 域 別 ケ アマ ネ ジ メ ン ト 達 成 状 況 で あ る 。 分析 方 法 は、13の 従 属 変 数 ご とに独 立 変 数 を一括 投 入 す る重 回帰 分析 とす る。

図1分 析枠 組 み(重 回帰 分析)

〈独立変数 〉 〔==〉 〈従殿 数〉

属 性 変 数 性 別

年 齢

法 人(社 会 福祉 法 人/そ の他) 勤 務 形 態(専 従 ・ 兼 務) 職 種 系(福 祉系/医 療看 護系) 担 当 ケ ー ス 数

阻 害 要 因

面 接 技 術 の 未 熟

行 政 リー ダ シ ップ の 不 足 利 用 者 の 問 題(α=0.73) 知 識 不 足(α=0.73) 資 源 不 足(α=Ub4) 調 整 困 難(α=1:1) 劣 悪 な 勤 務 環 境(a=0.76) バ ー ンア ウト(α=0 .63)

① 援 助 関 係 の 形 成 (a=0.69)

② ア セ ス メント課 題 分 析 (a=0.9)

③ ケ ア プ ラン作 成 (a=o.s2>

④ モ ニ タリング (a=0.73)

⑤ 給 付 管 理

⑥ 保 険 外 資 源 の 活 用 (a=0.85)

⑦ 連 携(α=0.75)

⑧ 権 利 擁 護(a=0.61)

⑨ 地 域 の 社 会 資 源 開 発 (a=o.70>

⑩ ス キ ル ア ップ(α=o.66)

⑪ 基 礎 的 ケ アマ ネジメント

(a=0.92)

⑫ 発 展 的 ケ アマ ネ ジメント

(a=0.91)

⑬ 包 括 的

ケ ア マ ネ ジ メント (a=0.95)

4.結

(1)単 純 集 計

1)基 本 属 性

調 査 対 象 者 の基 本属 性 は、 表1〜 表2に 示 す とお りで あ る 。性 別 は、 女 性 が 約8割 を 占め 圧 倒 的 に多 い 。 年 齢 は50代 が最 も多 く4割 を 占め て い る。 対 象 者 が保 持 して い る 資格 は 「介 護 福祉 士 」 が37%と 最 も多 く、次 い で 「看 護 師 」 の

(10)

26 人 文 学 報No.350(社 会 福 祉 学20)2004.3

21%、 職 務 経 験 か ら ケ ア マ ネ ー ジ ャ ー の 資 格 を取 得 し た い わ ゆ る 「相 談 ・介 護 従 事 者 」 は16%と3番 目 に多 く な っ て い る 。 所 属 法 人 は 、 「社 会 福 祉 法 人 」 が 53%と 過 半 数 を 占 め 、 次 い で 「医 療 法 人 」(12%)、 株 式 会 社 」(10%)な ど と な っ て い る 。 勤 務 形 態 で は 、 「常 勤 専 任 」 が68%、 常 勤 兼 務 」 が28%で あ り、

「非 常 勤 専 任 」 は5%に 満 た な い 。 勤 務 経 験 で は 、 専 門 職 と し て の 総 経 験 年 数 は 平 均15年 で あ り、 う ち 介 護 支 援 専 門 員 と して の 経 験 年 月 数 は 、 平 均33ヶ 月 で あ る 。 既 述 の よ う に 、 本 調 査 対 象 者 は 、 「専 門 課 程 」 研 修 参 加 者 で あ る た め 、 勤 務 年 数 の 浅 い 介 護 支 援 専 門 員 は 含 ま れ て い な い 。 最 後 に 、 担 当 ケ ー ス 数 の 平 均 は 約55ケ ー ス で あ る 。 こ れ を 勤 務 形 態 別 に み る と、 「常 勤 専 任 」 で は62ケ ー ス 、

常 勤 兼 務 」 で は38ケ ー ス 、 「非 常 勤 専 任 」 で は47ケ ー ス と か な り差 が み ら れ る。

な お 、80ケ ー ス 以 上 を担 当 して い る 者 が15%お り、 う ち100ケ ー ス 以 上 を担 当 し て い る 者 も わ ず か な が ら存 在 して い る。

表1基 本 属 性(1)

N %

'生 万1

男 性 女 性 年 齢

30〜

40 50〜

.・

担 当 ケ ー ス 数

^‑19 20‑‑

40‑,一一 60‑‑

so‑一 一 100〜

基 礎 資 格

介 言隻若痛室止=ヒ 才i・ 言使 府巾 )柑,;炎そ 走 募孚者 一 宅i:会 袖1ン 祉 士 栄 養 一 一 ヒ 歯 科 栄 養 ト そ の 他 勤 務 形 態

常 勤 専 従 常 勤 兼 務

」ド'常勤 ξ 草そ 走 所 属 法 人

社 二 会 率笛室止?去 人 医 療 法 人 株 式 会 杜 NPO 財 団 法 人 そ の 他

9 5 2 2 1 4 7 2 1 9 4 5 3 1 2 8 8 9 6 9 5 7 3 4 6 1 2 5 4 2 6 3 2 1 1 4 3 7 0 4 1 2 9 6 9 9 9 8 1 1 1 8 2 8 1 1 8 1 5 3 1 2 0 0 7 2 3 4 8 5 7 9 7 2 5 5 5 7 3 1 1 3 2 1 3 9 9 8 9 7 3 7 0 5 8 4 2 9 3 2 1 5 9 5 7 7 4 6 2 2 3 4 8 8 3 3 2 0 5 5 2 5 1 1 1

(11)

介 護 支 援 専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト 27

表2基 本 属性(2)

平均 標準偏差

総 経験 年 数

ケ アマ ネ ジ ャー経験(月) 担 当 ケ ース数

常 勤 専従 常 勤 兼務 非 常勤 専従

15.2

33.2 54.5

38 46.9

6.3

8 21.3

18ユ

ユ9.2 21.3

2)ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 達 成 状 況

ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 達 成 状 況 は 、 図2の とお りで あ る 。 ほ と ん ど の 回 答 者 が

「で き て い る 」 と 回 答 して い る 項 目 は 、 「説 明 ・合 意 ・契 約 」 「信 頼 関 係 の 確 立 」

「ケ ア プ ラ ンの 作 成(事 業 者 と の 調 整)」 「給 付 管 理 」 で あ り、 介 護 保 険 制 度 の 運 用 に 不 可 欠 な 基 本 的 な ケ ア マ ネ ジ メ ン トの ス キ ル に つ い て は 、 お お む ね 実 施 で きて い る もの と判 断 さ れ る 。 た だ し、 基 本 的 な ケ ア マ ネ ジ メ ン トの ス キ ル で あ る ア セ ス メ ン トに お い て も、 「友 人 ・知 人 関 係 」 と 「地 域 資 源 」 の ア セ ス メ ン ト が 他 の ア セ ス メ ン ト項 目 に 比 べ て 際 立 っ て 達 成 状 況 が 低 くな っ て お り、 介 護 支 援 専 門 員 に よ る 現 行 の ケ ア マ ネ ジ メ ン トが 、 介 護 保 険 の 給 付 に 関 わ る必 要 最 低 限 の ア セ ス メ ン ト とサ ー ビ ス の 調 整 に終 始 して い る現 状 が よみ とれ る。

他 方 、 「ア ウ ト リー チ 」 「地 域 の社 会 資 源 の 開 発 」 「介 護 保 険 外 ボ ラ ンテ ィア 資 源 の 活 用 」 とい っ た 、 介 護 保 険 制 度 の 枠 組 み に の み と ら わ れ な い 発 展 的 な ケ ア マ ネ ジ メ ン トに つ い て は 、7割 以 上 が 「全 くで き て い な い 」 か 「あ ま りで き て い な い 」 と答 え て い る 。 ま た 、 適 切 な 助 言 や 指 導 の 授 受 を た ず ね た 「ス ー パ ー ビ ジ ョ ンの 授 受 」 に つ い て も、 「全 くで きて い な い 」(25%)「 あ ま りで き て い な い 」(48%)が 合 わ せ て7割 以 上 に お よ び 、 回 答 者 らが 適 切 な 助 言 や 指 導 を授 受 す る こ と が で き ず 、 孤 立 し た な か で 実 践 に 従 事 し て い る 状 況 が う か が わ れ る 。

さ ら に 、 上 記 に 続 い て 評 価 が 低 くな っ て い る 項 目が 「サ ー ビ ス 担 当 者 会 議 に よ る 調 整 」 や 「地 域 ケ ア 会 議 に よ る 連 携 」 で あ る 。1割 以 上 の 回 答 者 が 「全 くで

き て い な い 」 と 回 答 して い る ほ か 、 「あ ま りで き て い な い 」 を 含 め る と そ の 割 合 は5〜6割 に 達 す る 。 こ う し た 結 果 は 、 ス ー パ ー ビ ジ ョ ン の 欠 如 に み られ る 縦

(12)

28 人 文 学 報No350(社 会 福 祉 学20)2004。3

の連 携 の 欠 如 に加 えて、 介 護 支援 専 門 員 らの 地 域 に お け る横 の 連携 不 足 も示 し て い る。

図2ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 達 成 状 況(%)

1.説 明 ・ 合 意 ・ 契 約o.0 2.信 頼 関 係 の 確立0.4

7,アセスメント(高齢者の意思 ・ 希望)0.7

12.ア セスメン ト(地域 資 源)2.02.0

14.ケ ア プラン作 成(全 般)0.7

18,ケアプラン(事業者との調整)0.0 19,給 付 管 理2

E]全 くできて い ない [ヨ よくできて い る

圖 あまりできていない ロ ー応 できている

匡 コ 非 常 によくできている

(13)

介護 支援 専 門 員 に よる ケ アマ ネ ジ メ ン ト 29

3)ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 阻 害 要 因

図3ケ アマ ネ ジ メン トの阻害 要 因(%〉

1知 識・ 情報不足(心理)00 2知 識・ 情報不足(事業者)07 3知 識・ 情報不足(医学) 4知 識・ 情報不足(法律)00 5知 識・ 情報不足(住環境)07 6知 識・ 情報不足(地域資源)

7.面 接技術 の未熟 8利 用者に 問題(経済的困窮)00 9利 用者に問題(利用に消極的)00 10利 用者に問題(非協力的)07 11資 源不足(在宅)00 12資 源不足(施設)00 13資 源不足(保 険外)00 14調 整困難(非痴呆 高齢者) 15調 整困難(痴呆性 高齢者)OO

16調 整 困難(家族)07 17調 整困難(主 治医)20 18調 整 困難(行政>

19調 整困難(非営利在 宅事業者) 20調 整困難(営利在 宅事業者)27 21調 整困難(介護老人福 祉施設)13 22調 整困難(介護老人保健 施設)13 23調 整困難(介護療養型医療施設)07 24調 整 困難(在宅介護支援センター)

25調 整困難(医療機関)13 26勤 務条件(給与)

27勤 務時間 28勤 務形態(常勤 ・ 非常勤) 29勤 務形態(専任 ・ 兼任) 30時 間不足00 31担 当ケース数2.0 32相 談相手の不在 33行 政リーダーシップの欠如13

34そ の他

O O O O 0 7 0 0 0 2

00

0 0

n)()

07

醗1全く問題 ない 口 かなり問 題

國 あまり問題 ない 匿]非 常 に問 題

口 やや問題

(14)

30 人 文 学 報Na350(社 会 福 祉 学20)2004.3

ケ ア マ ネジメン トの 阻 害 要 因 を た ず ね た 単純 集 計 の 結 果 は、図3の とお りで あ る。 回 答 者 が ケ アマ ネ ジメントを実 践 す るうえで最 も深 刻 な 阻 害 要 因 で あ ると考 えて い るの は 「時 間 不 足 」で あ り、8割 近 い 回 答 者 が 「非 常 に 問 題 」もしくは 「か な り問 題 」と感 じて い る。また 、「時 間不 足 」とほ ぼ 同様 な割 合 で 問 題 視 され て い るの は、「施 設 サ ー ビス の不 足 」で あ る。 これ は 、介 護 老 人 福 祉 施 設 な どの絶 対 数 の不 足 が 依 然 として解 消 して お らず 、か な りの 期 間 の待 機 が 必 要 で あ ることや 、 緊 急 時等 の 短 期 入 所 の 調 整 が 難 航 す ることが背 景 に あ るもの と考 えられ る。

この ほか 、 「非 常 に問 題 」 「か な り問題 」 をあ わせ た 回 答割 合 が5割 程 度 に及 ぶ 項 目と して、 「勤 務 時 間」 お よ び 「担 当 ケ ー ス数 」 が あ げ られ て い るが 、 これ は、 先 に あ げ た 「時 問不 足 」 と関 連 す る項 目で あ り、 サ ブ カ テ ゴ リーで はいず れ も 「劣 悪 な勤 務 環 境 」 に含 まれ る項 目で あ る。 前 述 した よ う に、 常 勤専 任 の 介 護 支 援 専 門員 の平 均 担 当 ケ ー スi数は62ケ ー ス に お よび 、80ケ ー ス 以 上 を担 当 して い る者 も1割 以 上 存 在 す る。 こ の よ うな状 況 にお い て、 介 護 支援 専 門 員 ら が 業 務 過 重 に 陥 っ て お り、 十 分 な ケ ア マ ネ ジメ ン ト実践 が 阻 害 され て い る事 態 が 読 み とれ る。

なお 、 「そ の他 」 の項 目で は、 回答 者 が 自由 に阻 害要 因 を記 入 し、 同様 の評 点 をつ け る 方 法 を と った が 、9名 の み か ら具 体 的 な 回 答 が 得 られ た 。 この うち 、 複 数 名 か ら指摘 の あ った 阻害 要 因 は 、 「制 度 の矛 盾 」 が3件 、 「処 遇 困 難 ケ ース が多 く時間 が と られ る」 が2件 で、 いず れ も 「非 常 に問 題」 と評価 され てい た。

4)バ ー ン ア ウ ト

最 後 に 、 回 答 者 の 業 務 か ら生 じ る バ ー ン ア ウ トに つ い て た ず ね た 結 果 を 図4 に 示 す 。 「情 緒 的 消 耗 感 」 を 訴 え る 回 答 者 は か な り多 く、12〜15%が 「い つ もあ る 」、25〜29%が 「よ くあ る 」 と し、 回 答 者 らに 相 当 な情 緒 的 消 耗 が 認 め られ る 。 一・、 「脱 人 格 化 」 の 設 問 に 対 し て は 、37〜49%が 全 く な い 」 と し て お り、 そ

の 頻 度 は 必 ず し も高 くな い 。 「個 人 的 達 成 感 」 に つ い て は 、 「時 々 あ る」 とす る 中 間 的 な 選 択 肢 に4割 程 度 が 回 答 す る な ど 、 い ず れ か へ の 偏 り は み ら れ な い 。 以 上 の 結 果 は 、 ケ ア マ ネ ジ メ ン ト と い う意 義 あ る 仕 事 を通 して 高 齢 者 の 生 活 や

QOLの 向 上 に 寄 与 し て い る と は 感 じ て い る も の の 、 時 間 の な い な か で 複 雑 な

(15)

介 護 支 援 専 門員 に よ るケ アマ ネ ジ メ ン ト 31

問題 の処 理 や調 整 にお われ 、 情 緒 的 に疲 れ 果 て、 思 っ た よ う に仕 事 をす る こ と が で きな い欲 求 不 満 が相 当程 度 あ る こ と を示 して い る。

図4バ ー ン ア ウ ト(%)

2.

1.情 緒 的 消 耗 を 感 じ る ・

4.欲 求 不 満 をい だ く 灘 灘 勿 〃 ・ . 5.利 用 者 に よ い 影 響 を及 ぼ して い る 熱 〃'.、

6./〃 易 ン 勿%i'二1住7;一

園 全 くな い 口 た まに あ る 口 時 々 あ る 囚 よ くあ る 團 いつ も あ る

(2)一 元 配 置 分 散 分 析 に よ る予 備 的 分 析

重 回 帰 分析 を実 施 す る にあ た り、3つ 以 上 の カテ ゴ リー を もつ 質 的 な独 立 変 数 につ い て 、 従 属 変 数 との 関 連 を一 元 配 置 分 散 分析 に よっ て確 認 す る。検 討 す る独 立 変 数 は、 介 護 支援 専 門 員 の所 属 法 人、 勤 務 形 態 、 基 礎 資格 で あ り、 従属 変数 は包 括 的 ケ アマ ネ ジメ ン トで あ る。

は じめ に、所 属 法 人 と包 括 的 ケ ア マ ネ ジメン トに は 、統 計 的 に 有 意(p<0.05) な 関 連 が 認 め られ た 。 具 体 的 に は、ケ ースの 約 半 数 を 占 め る社 会 福 祉 法 人 の 達 成 状 況 が 平 均 点 を大 きく下 回 って い る ことが 明 らか に な った 。そ れ 以 外 の法 人 は す べ て 平 均 点 を上 回 って お り、数 は 少 な い もの の 、社 団 法 人 とNPO法 人 で 達 成 度 が 高 くな って い る。 この 結 果 は 、 先 行 研 究 に お い て も認 め られ て い る もの で あ り、NPO法 人 等 が 介 護 保 険 外 の事 業 を幅 広 く手 が け 、 利 用 者 の ニ ー ズ に そ っ て柔 軟 なサ ー ビス提 供 を して い る こ と に起 因 して い る もの と考 え られ る。

一 方、勤 務 形 態 は 「常 勤 専 従 」「常 勤 兼 務 」「非 常 勤 専 従 」の順 序 で達 成 状 況 が 高 くな る傾 向 が み られ るが 、統 計 的 な有 意 差 は認 め られ な い 。最 後 に、職 種 で は、

「は り師 」「きゅう師 」「あ ん 摩 指 圧 師 」「精 神 保 健 福 祉 士 」で達 成 状 況 が 低 い が 、

(16)

32 人 文 学 報No.350(社 会 福 祉 学20)2004.3

い ず れ も該 当 者 が ごく少 数 で あ り、統 計 的 な 有 意 差 は な い 。該 当 者 が 少 な い職 種 が か な りあ ることか ら、職 種 を、介 護 福 祉 士 、社 会福 祉 士 、精 神 保 健 福 祉 士 、 相 談 援 助 従 事 者 か ら構成 され る福 祉 系 と、そ れ 以 外 の 医 療 看 護 系 に2分 し、再 度 分 析 を行 ってみ た が 、有 意 差 は み られ な か った。

以 上 の結 果 をふ ま え、 所 属 法 人で は 「社 会福 祉 法 人 」 と 「そ れ 以外 」、 勤 務 形 態 で は、 非 常勤 の 者 が7名 とわず か で あ る こ とか ら 「専 従 」 と 「兼務 」、 職 種 に つ い て は 「福 祉 系 」 と 「医療 看 護 系」 の2値 変 数 に そ れ ぞ れ 再 構 成 し、 要 因分 析 にお け る独 立 変 数 とす る。

(3)要 因 分 析

13の 領域 別 ケ アマ ネ ジ メ ン ト達 成状 況 を従 属 変 数 とす る重 回帰 分析 の結 果 は、

表3〜 表5に 示 す とお りで あ る。

(17)

介 護 支 援 専 門 員 に よ る ケ ア マ ネ ジ メ ン ト33

表3基 礎 的 ケア マ ネジ メ ン トの諸領 域 を従 属 変数 とす る重 回帰分 析

援 助 関 係 の アセスメント・ ケアプラン モニ タ

形 成 課 題 分 析 作 成 リング

給付管理

(β) (β) (β)

(Q) (Q)

性別 年齢 経験 年数 担 当ケース数

勤務 形態(専 従/兼 務) 所属 法人

(社会福祉 法人/そ れ以外) 職種系

(福祉系/医 療 看 護系) 面接技術 の未熟

行政 リーダーシップの欠如 利用者の問題

知識不足 資源不足 調整 困難

劣悪な勤務環境 バーンアウト

0.15

1!:

0.05

‑0 .15

‑0 .05

0.17(*)

o.ol

‑0 .30*

‑0 .13

‑0 .23*

11・

0.17(*)

11・

0.27*

‑0 .24

りO Q ソ 5 つ σ 2 0 ユ 0 1 ⊥ ‑ α α α α 0 ︒

0 8 ユ ' 0 0 0

* * * 1 5 2 7 4 7 3 5 3 0 1 0 1 0 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0

一 〇 .13

0.13

0.05

‑011

11・

o.lo

‑0 .05

‑0 .39*

‑0 .12

‑0 .03

0.23(*)

0.16

‑0 .12

0.24*

‑0 .25

0.07

0.25

‑0 .07

‑0 .02

‑0 .02

0.14

il・

‑0 .21

‑0 .07

‑0 .15

‑0 .15

0.io

O.22(*)

0ユ0

‑0 .07

一 〇 .05

‑0 .05

0.05

‑0 .21

‑0 .27

‑0 .05

11.

‑1(*)

‑0 .03 0.05 0.24 0.20(*)

1!:

0.25*

‑0 .20(*)

決定係数

0.25** 0.30**0.24**0.19**11.

*p<0.5**p<0.01

βは 標 準 偏 回 帰 係 数

(*)P<0.1

(18)

34人 文 学 報Na350(社 会 福 祉 学20)2004.3

表4発 展 的 ケ ア マネ ジメ ン トの 諸領 域 を従 属変 数 とす る重 回帰分 析

保険外資源

の活用

権利擁護 地域 の社 会 スキル 資源 開発 アップ

(β) (β)

(Q)

(β)

ta>

性 別 年齢 経験 年数 担 当ケース数

勤務形態(専 従/兼 務) 所 属法人

(社会福 祉法 人/そ れ以外) 職種系

(福祉系/医 療 看護系) 面接技術の未熟

行政リーダーシップの 欠如 利用者の問題

知識不足 資源不足 調整困難

劣悪な勤務環境 バーンアウト

一 〇 .12

0.43**

‑0ユ5

0.11 0.22

0.12

11・

0.21 11:

0.11

‑0ユ8

11.

‑0ユ4

α22(*)

!

0.12

0.34**

‑0 .02

‑o .io

‑0 .11

111

0.11

0.15

1!・

‑0 .12

‑0 .34

‑Q .02

a.a5

0.24*

‑O .i4

‐o .lo

O.26**

‑0 .03

‑0 .10

11:

‑0 .16(*)

0.02

‑0 .10

!1:

‑0ユ1

0.01

‑0ユ1

‑0 .19

0.27**

‑0 .23*

一 〇 .13

0.13

0.11

0.li

a.16

i!・

0.02

0.01

‑0 .12

il.

‑0 .11

11:

0.02

0.28**

‑0 .31**

‐o .is

O.17

‑0 .13

0.a3

‐o .oi

O.15

i!:

‐o .io

il:

‑0 .01

‑0ユ0

0.01

0.12

a.16

‑0 .32**

決定係数 0.12* 0.20**0.21**0.19**0.18**

*p<0.5**p<o.ol

βは 標 準 偏 回 帰 係 数

(*)P<o.1

(19)

介 護 支 援 専 門 員 に よ る ケ アマ ネ ジ メ ン ト 35

表5領 域別 ケ ア マネ ジ メ ン トを従 属変 数 とす る重 回帰分析

基 礎 的 ケアマ ネジメント

発 展 的 包 括 的

ケアマネジメント ケアマ ネジメント

(β)

(Q)

(β)

性 別 年齢 経験 年数 担 当ケース数

勤務形態(専 従/兼 務) 所属 法人

(社 会福 祉法人/そ れ以外) 職種 系

(福祉系/医 療看 護系) 面接技術 の未熟

行政 リーダーシップの欠如 利用者の問題

知識不足 資源不足 調整 困難

劣悪な勤務環境 バーンアウト

0.02

0.19

0.04

‑0 .15

11・

o.li

0.03

一 〇 .29*

0.01

‑0 .04

‑0 .03

0.14

111

0.19*

‑0 .25*

/1:

0.27 1!!

‑o .ol a.a3

0.03

11:

一 〇 .01

‑0 .07

11・

1

11.

0.02

0.3**

‑0 .32*

11:

0.26(*)

‑0.02

‑0 .10

‑0 .03

1

一 〇 .01

一 〇ユ4

‑0 .07

‑0 .07

‑0 .05

11:

0.02

0.27*

‑0 .27*

決定係数

0.27*%k 0.29** 0.21**

*p<0.5=k*p<0.01

βは 標 準 偏 回 帰 係 数

(*)P<a.i

表3に は 、 基 礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トに 統 合 さ れ る5つ の 領 域 が 含 まれ て い る。

5領 域 の う ち 、 「モ ニ タ リ ン グ 」 を 除 く4つ の 領 域 に お い て 、 「劣 悪 な勤 務 環 境 」 が 有 意 な 阻 害 要 因 と な っ て い る 。 さ ら に 、 「援 助 関 係 の 形 成 」 「ア セ ス メ ン ト ・ 課 題 分 析 」 「ケ ア プ ラ ン の作 成 」 の3つ の 領 域 で は 、 こ れ に加 え て 「面 接 技 術 の

(20)

36 人 文 学 報No.350(社 会 福 祉 学20)2004.3

未 熟 」 と 「バ ー ンア ウ ト」 が 阻害 要 因 とな っ て い る。 一 方 、 特 定 の領 域 を 阻害 す る要 因 と して 、 「援 助 関係 の形 成」 にお け る 「利 用 者 の 問題 」、 「給付 管 理 」 に お け る 「勤 務 形 態 」 が あ げ られ る。 具 体 的 に は 、 利 用 者 に経 済 的 困窮 や サ ー ビ ス の利 用 拒 否 、 非協 力 的 な態 度 とい っ た 問題 が あ る と介 護 支 援 専 門員 が 感 じて い る ほ ど、 「援 助 関係 の形 成 」 は 困 難 とな る。 また 、 介 護 支援 専 門員 が 「兼務 」 で あ る こ とが 、 「給 付 管 理 」 を達 成 困 難 に して い る。 最 後 に、 「モ ニ タ リ ン グ」

で は、 「年 齢 」 の みが 有 意 な阻害 要 因 とな って お り、若 年 齢 で あ る こ とが モ ニ タ リ ング を不 十 分 な もの とす る傾 向 が あ る こ とが 判 明 して い る。 なお 、 この結 果 は、 次 に述 べ る発 展 的 ケ アマ ネ ジ メ ン トと共 通 性 が 高 い こ とか ら、概 念 的 に基 礎 的 ケ アマ ネ ジ メ ン トに統 合 され た 「モ ニ タ リ ング」 は、 現 状 で は発 展 的 なケ アマ ネ ジメ ン トの … 部 と して機 能 して い る と解 釈 した 方 が 妥 当 で あ る と考 え ら れ る。

次 に、 表4に は、 発 展 的 ケ アマ ネ ジメ ン トに 統 合 され る5つ の領 域 別 ケ アマ ネ ジ メ ン トの 達 成 状 況 を従 属 変 数 とす る重 回 帰 分 析 の 結 果 を示 して い る。 ここ で も、 「劣 悪 な勤 務 環境 」 と 「バ ー ンア ウ ト」 は、5つ の うち3つ の領 域 で有 意 な阻 害 要 因 とな っ てお り、 基 礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トの領 域 と同様 の傾 向 が み ら れ る。 これ に対 して 、 「保 険 外 資 源 の 活 用 」 「連 携 」 「権 利 擁i護」 で は、 上 記 の

「モニ タ リ ング」 と同様 に 「年 齢 」 の 規 定 力 が有 意 で あ り、 若 年齢 で あ る こ とが 阻 害要 因 とな って い る点 は、 基礎 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トと異 なっ て い る。 さ らに、

「連携 」 に お い て は、 「知 識不 足 」 が 有 意 な阻 害要 因 とな って い る。

最 後 に、 表5に は、 各領 域 を統 合 した3種 類 の ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 達 成状 況 を従 属 変 数 とす る重 回帰 分 析 の結 果 を示 して い る。 基 礎 的 ケ アマ ネ ジ メ ン トで は、 「面接 技 術 の未 熟 」 「劣 悪 な勤務 環 境 」 「バ ー ンア ウ ト」 が そ れ ぞ れ有 意 な阻 害 要 因 で あ り、 発 展 的 ケ アマ ネ ジ メ ン トで は 、 「面 接 技 術 の未 熟 」 に代 わ っ て

年 齢 」 が統 計 的 に有 意 とな る。 最 終 的 に、 すべ て の領 域 を総 合 した包 括 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トで は、 「劣 悪 な勤 務 環 境 」 と 「バ ー ンア ウ ト」 の2つ が 阻害 要 因 と

して析 出 され て い る。

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介 護 支 援専 門 員 に よる ケ アマ ネ ジ メ ン ト 37

5.考

(1)発 展 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 必 要 性

本 研 究 の対 象 と な っ た介 護 支援 専 門員 は、 「専 門課 程 」 研 修 の 受 講 者 で あ り、

介 護 支 援 専 門員 と して の 平 均勤 務 月数 が33ヶ 月 で あ る こ とが 示 す よ う に、 そ の 多 くは制 度 開始 直後 か ら介 護 支援 専 門員 と して ケ アマ ネジ メ ン ト業 務 に従 事 し て きた ベ テ ラ ンで あ る。 ま た 、 介 護 保 険 制 度 が 施 行 され て か ら3年 が 経 過 し、

当初 は混 乱 を きた して い た 現場 にお い て も、 事 務 作 業 の ルー テ ィ ン化 が 進 む な ど、 本 来 の ケ ア マ ネ ジ メ ン ト業 務 を阻 害 す る要 因 はあ る程 度 は解 消 され つ つ あ る との 仮 説 も存 在 した。 しか しなが ら、 少 な くと もケ ア マ ネ ジ メ ン トの達 成状 況 とい う点 にお い て は、 そ の結 果 は、既 存 調 査 に よっ て 明 らか に され て きた状 況 を概 ね 追 証 す る もの で あ り、 介 護 支援 専 門員 の実 践 内容 に抜 本 的 な改 善 は認 め られ なか った 。

具体 的 に は、 介 護 保 険 制 度 に 限 定 的 な必 要 最 低 限 の ケ アマ ネ ジ メ ン ト業 務 は 概 ね 実 施 で きて い る もの の 、 友 人 ・知 人 や 地 域 資 源 の ア セ ス メ ン トを は じめ 、

権 利擁 護 や 地 域 資源 の 開発 な ど、 本研 究 で 「発 展 的 ケ アマ ネ ジ メ ン ト」 と位 置 づ け た ほ とん どの領 域 で 、 達成 状 況 はか な り低 い レベ ル に と どま っ て い た 。 こ の結 果 は、3年 の年 月 を費 や し、 業 務 の ル ー テ ィ ン化 が 図 られ て もなお 、 発 展 的 な ケ ア マ ネジ メ ン トを含 め た 包 括 的 な ケ ア マ ネ ジ メ ン トの 達 成 に は依 然 と し て困 難 が多 い こ とを示 して い る。

もっ と も、 介 護 支援 専 門員 に求 め られ る ケ ア マ ネ ジ メ ン トとは何 か とい う点 に 関 して、 必 ず しも合 意 が 形 成 され て い る わ け で は ない 。 本 研 究 は、 介 護 支 援 専 門 員 に は発 展 的 なケ アマ ネ ジ メ ン トの実 践 が 求 め られ る との前 提 に た って い るが 、先 行 研 究 の 一 部 に は、 介 護 支 援 専 門 員 に よ るケ アマ ネ ジメ ン トを、 基礎 的 なケ アマ ネ ジ メ ン トの 領域 に限定 してい る場 合 も見受 け られ る(15)。 また、 本 調 査 に お い て 自由記 述 法 で 回 答 を求 め た介 護 支援 専 門 員 の 「悩 み」 に は、 現 在 の介 護 保 険制 度 の枠 組 み の も とで発 展 的 な ケ アマ ネ ジ メ ン トは実 現 不 可能 であ る とす る意 見 や 、 介 護 支 援 専 門 員 が 実 践 す べ き業 務 範 囲 の曖 昧 さに苦 悩 す る記

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述 が 多 く見 受 け られ た。 こ う した 苦悩 や 矛 盾 を解 消 す るた め に は、介 護 支 援 専 門員 に求 め られ る ケ ア マ ネジ メ ン トの 業 務 範 囲 につ い て 、 行 政 、介 護 支 援 専 門 員 を含 め たサ ー ビス提 供 者 、利 用 者 に よる さ らな る合 意 の形 成 と、実 践 に関 し て、 理 念 の提 唱 に終 始 しない具 体 的 か つ 明瞭 な ガ イ ドライ ンの 策 定が 不 可 欠 で あ ろ う。 そ の際 に は、 介 護 支援 専 門員 が 地 域 ケ ア シス テ ム にお い て果 たす 役 割 を、 地 方 自治 体 を は じめ 在 宅 介 護 支 援 セ ン ター や 社 会 福 祉 協 議 会 な ど他 の組 織 ・職 種 との役 割 分 担 を視 野 に い れ て 明確 化 す る と と もに、 本稿 で位 置 づ け た 発 展 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トを 日常 の 実 践 活 動 の な か に組 み 入 れ る シス テ ム につ い て検討 す る こ とが必 要 で あ る。

(2)阻 害 要 因 の解 消 に む け て

発 展 的 ケ ア マ ネ ジ メ ン トの促 進 を 図 る た め に は、 介護 支援 専 門員 の ケ アマ ネ ジ メ ン トを阻害 して い る要 因 の相 対 的 な位 置 関係 の 明確 化 を図 り、 阻害 要 因 の 深 刻 さに応 じた解 消 戦 略 が 考 え られ な け れ ば な らない。 本研 究 で は、 介 護 支援 専 門員 の属 性 要 因や 阻害 要 因 間相 互 の 影 響 を取 り除 くた め に重 回 帰分 析 の 手法 を用 い 、13の 領 域 別 ケ アマ ネ ジ メ ン トご とに そ れ ら を阻 害 す る要 因 を析 出 を試 み た わ け で あ るが 、 そ の結 果 、 時 間不 足 を は じめ とす る 「劣 悪 な勤 務 環 境 」 と 介 護 支 援 専 門員 の 「バ ー ンア ウ ト」 が 、 多 くの ケ ア マ ネ ジ メ ン ト領 域 にお い て 阻 害要 因 とな って い る こ とが 判 明 した 。

と こ ろで 、 一 般 的 な ス トレス の プ ロセ ス ・モ デ ル に よれ ば、 バ ー ンア ウ トは そ の プ ロセ ス の 最 終 局 面 に位 置 づ け られ 、 様 々 な対 処 行 動 に よっ て もス トレ ッ サ ー の悪 影響 を払 拭 で きない 場 合 に顕 現 す る ア ウ トカ ム変 数 で あ る と捉 え られ る。 そ の 意 味 で 、劣 悪 な勤 務 環境 とバ ー ンア ウ トは、 厳 密 に は並 列 的 な因子 で は な く、 劣 悪 な勤 務 環境 はバ ー ンア ウ トの規 定 要 因 の 一 部 で あ る とも解 釈 で き る。 したが っ て、 劣 悪 な勤 務 環境 、 と りわ け介 護 支援 専 門 員 の 時 間不 足 を緩 和 す る こ とが 、 包 括 的 な ケ アマ ネ ジ メ ン トの達 成 に最 も必要 とされ る方策 に な る もの と考 え られ る。 た だ し、 本調 査研 究 の結 果 か らは、担 当 ケ ー ス 数 そ の もの は必 ず し も有 意 な 阻害 要 因 とは な っ てお らず 、 主 観 的 に 時 間不 足 で あ る と感 じ

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