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五月女 仁子
ファイル送信機能を伴う 出席システムの構築と運用
■ 目 次
1 はじめに 2 課題の提出 3 出席管理システム 4 出席管理システムの概要 5 出席管理システムの運用 6 ファイル管理の変更 7 出席システムの構成 8 今回のシステム運用 9 今後の課題
1 はじめに
2006年度9月より数校の大学で出席管理システム「Web Attendance check System」を構築し運 用した。Web 上でシステムを構築することによって、各大学のサーバーにシステムを設置してもら う必要はなく、各大学共通に使用でき、ファイル構成、書式などを統一して利用できる。
そもそも、実技科目において出席は重要で、特にコンピュータに関する実技科目では、1回欠席して しまうと、次の講義についていくことが非常に難しい。何回か欠席すると講義に出なくなってしまう 傾向が高い。教員としてはガイダンス等の最初の講義において、必ず出席するように促すことが多い。
現在まで、出席チェック機能の他に、講義中に配布した資料や課題の解説資料をダウンロードでき る機能、ミニ試験や宿題を知らせる連絡事項の機能を追加することで、休んでしまった学生が次の講 義に出席できるように、工夫した。前回はアンケート機能を追加することで、講義開始前の学生のコ ンピュータ習熟度や講義に対する希望を聞き、学生のコンピュータに関する状況を把握し、講義をす すめる上での参考にした。
今回は、学生側から課題を提出する機能の追加と、講義資料のアップロード画面の修正を行った。
たのは、共有フォルダ等の提出の機能が不十分な教室での講義で、課題提出はメールでの添付で行っ ていた。しかし、期限を守らない場合や、ファイルの添付を忘れる学生が多かった。また人数が100 人近くいたため、ダウンロードする処理も大変だった。
3 出席管理システム
コンピュータ系の講義は、一般教室と違いコンピュータが設置された教室環境で講義をすすめるこ とがほとんどであるため、本システムは、講義に際して学生は必ずコンピュータにアクセスできる環 境があることを前提としている。
Web を利用する利点は前回までの以下のとおりである。
1.各大学で共通に使える 2.学生の操作のしやすさ 3.教員の管理のしやすさ
4.学生も教員もその場で出欠の状況を把握できる 5.アンケートの作成が容易
6.アンケートの実施が容易
7.アンケート実施後、該当データの検索が容易 8.アンケートの集計が容易
構築の言語としては PHP を使った。PHP を使う理由は前回と同様以下の点である。
1.データベース機能に優れている
2.PHP で構築している Web が多く、作成に関して資料が豊富である 3.レンタルサーバーの融合性が高い
4.IP アドレスの取得が可能である
4 出席管理システムの概要
管理システム「Web Attendance check System」は、教員側の画面(admin.php)と学生側の画面
(index.php)から構成されている。以下個別に説明する。
教員側の画面 admin.php 学生側の画面 index.php
5 出席管理システムの運用
【5−1】教員の設定
第1回目の講義が始まる前に、教師側の設定画面から「学校名の登録」と「授業時間の登録」を行 い、履修が確認したら「座席表の登録」、「アンケート作成」を行う。これについては前回までの作成 と大きな変更はない。
学校の登録は、図1[Administration]の[学校名編集・追加]を選択して登録する。大学名の登 録が終わったら、同じく図1の[Administration]の[授業時間編集]を選択し、授業名、開始年月 日、終了年月日、開始時間、終了時間を登録する。
また、履修が確定して、学生の登録が確定したら、図1[Administration]の[アンケート作成]
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図1)Administration 画面
図2)授業時間編集画面
図3)学生ファイルアップロードの変更画面
を選択し、アンケートを作成するとともに、各講義にあうアンケートを組み合わせる。同じく図1
[Administration]の[席順テーブル作成・編集]を選択して座席を登録する。
【5−2】教員側の設定(新しい設定)
① 学生からのファイル送信機能
図1[Administration]の[授業時間編集]を選択すると、図2の画面が表示される。
講義を登録した初期状態では、図2画面右端の[upload]項目は[N]状態となっているため、学 生からのアップロードはできない。この[N]ボタンを選択し、表示される図3画面から、▼をクリ ックして[可能]を選択し、[変更]ボタンをクリックすると、図4の画面が表示され、変更が完了 する。図2画面に戻ると[upload]は[Y]となり、アップロードが可能となる。
図4)学生ファイルアップロードの変更画面
図5)講義資料のアップロード画面
② 講義資料のアップロード修正
講義資料のアップロードの画面が煩雑で分かりにくかったため、コメント等を表示できるようにし た。図1[Administration]で[授業ファイルのアップロード]を選択すると、図5画面が表示され る。[大学名]、[授業名]の各▼をクリックして、該当する大学、授業名を選択して、[コメント]を 入力する。[参照]ボタンをクリックして、講義資料となるファイルを選択して、[アップロード]ボ タンをクリックする。アップロードされたファイルは、[アップロード済みファイル一覧]に表示さ れる。
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図6)学生一覧・集積状況確認画面
図7)アンケート確認2
【5−3】教員側の確認画面
出席状況やパスワードの確認、座席表の確認、アンケートの確認についての変更はない。
① 出席状況やパスワードの確認
図1[Administration]の[学生一覧・出席状況確認]を選択して、出席状況やパスワードの欄に チェックを入れて、[出席状況]欄の[確認]ボタンをクリックすることで、確認できる(図6)。
② 座席表での出席の確認
図1の[Administration]の[席順作成テーブル・編集]を選択して、授業名と日付を選び[出席 状況確認]ボタンをクリックして確認する。
③ アンケート結果の確認
図1の[Administration]の[学生一覧・出席状況確認]を選択して、表示される図6の画面か ら、[アンケート]項目の[確認]ボタンをクリックすると、図7の画面が表示され、表示したい学 生の学籍番号をクリックして確認する。
【5−4】学生側の登録
学生側の登録についての変更はない。はじめに、学籍番号と氏名の登録をして、パスワードをもら う。その後は、学籍番号とパスワードでログインして、出席ボタンをクリックすることで出席完了と なる。
図8)学生側 ログイン画面
図9)出席ボタン表示画面
【5−5】学生側の操作
① 出席、講義資料のダウンロード、連絡事項、アンケート機能、座席表示画面 出席、連絡事項、アンケート機能、座席表示について、機能的には変更はない。
連絡事項と座席表示画面は、図8のようにログイン画面下に表示される。
ログインした後、図9の画面が表示される。[出席しました]ボタンをクリックすることで、出席 したことになり、講義中使用するファイルは[講義資料のダウンロード]を選択してダウンロードす る。初回のみ[アンケート]を選択して、アンケートに回答する。
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図10)講義資料画面
② 講義資料のダウンロード
メニューから[講義資料]を選択すると、図10のような画面が表示される。コメントが表示された のでどのような資料なのかが分かりやすくなった。
【5−6】学生側の操作(新しい操作)
① 課題の提出
メニューから[課題の提出]を選択すると、図11の画面が表示される。[コメント]欄にコメント を入力し、[参照]ボタンをクリックして、提出ファイルを選択する。この場合の提出ファイルは zip ファイルである。[参照]ボタンの左隣にファイルが登録されたら、ファイル名を確認して、[提出]
ボタンをクリックする。
[提出]ボタンをクリックすると、図12の画面が表示され、これで提出が完了する。[戻る]ボタン をクリックし、前の画面に戻ると、図13のように画面の下部に提出したファイルの一覧が表示され る。ここで、本日よりも前の講義で提出されたファイルは削除できないが、本日の課題であれば、
[削除]ボタンをクリックして、一度提出したファイルを削除して、再提出することができる。
図11)課題の提出画面1
図12)課題の提出完了画面
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図13)課題提出画面2
6 ファイル管理の変更
【6−1】サーバーの移動
今回、学生側からのファイル送信機能を追加するにあたり、今までのサーバーでは容量不足であっ たため、大容量のサーバーに移動した。
【6−2】ファイル管理の変更
講義資料のアップロード機能を追加した際のファイル管理としては、学校名の IP アドレスをフォ ルダ名としてフォルダを作成していた。その形式では、学校によって違う講義がある場合でも同じフ ァイル一覧が出るという形式だった。講義資料だけなら、このような形式で特に問題はなかったが、
学生側のファイルを送信するとなると送信されたファイルをクラスごとに分ける作業が出てきてしま った。
そのため、授業 ID をフォルダ名にとり、その中に Admin フォルダと Student フォルダを作成し、
Admin フォルダは、講義資料のファイルが入り、Student フォルダは学生の送信ファイルが入るよ うにした。授業 ID は、同じ ID がないように自動で連番がつけられている。
Student フォルダは常時あるものではなく、課題提出をした最初の学生が作成し、以後提出する学 生は、そのフォルダの中に入れていく。
7 出席システムの構成
【7−1】PHP 言語
使用言語は PHP である。PHP はサーバーサイドスクリプト言語である。
スクリプト言語にはクライアントサイドスクリプトとサーバーサイドスクリプトの2形態がある。
クライアントサイドスクリプトは、Web ブラウザで処理を行うスクリプトであり、JavaScript が 代表的である。この方法は Web サーバーへの負担が少ない分、ユーザー側のブラウザの負担が大き く、ブラウザの種類やバージョン、ブラウザの環境の設定によって意図した結果にならない可能性が ある。
サーバーサイドスクリプトは、スクリプトの処理を Web サーバーが行うスクリプトであり JSP
(JavaServerPages)、ASP(ActiveSeverPages)/ASP.NET や PHP が代表的である。サー バ ー で 実 行した結果をクライアントに送るので、クライアントの実行環境、例えば、OS の環境の違い、ブラ ウザの種類の違い、端末の違いなどに依存せず、意図した通りの結果を出すことができる。サーバー サイドで処理をするため、データベースの操作やファイル操作などサーバーの資源を利用することも できる。
【7−2】ファイル構成
① 教員側
教員側の画面のファイル構成は図14のようになっている。
② 学生側
学生側の画面のファイル構成は図15のようになっている。新しくファイル送信機能(ファイルのア ップロード)のファイルが追加された。
③ 全体の構成
全体の構成下記の通りで、各学生は各大学内からでないとアクセスは不可能で、大学内であっても 講義時間でなければ[ログイン」ボタンは押せない。それに対して教員はどこからでもアクセスでき 学生の出欠状況が確認できる。全体の構成図は図16に示す。
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図14)教師側ファイル構成
図15)学生側ファイル構成
図16)全体の構成
8 今回のシステム運用
【8−1】学生からのファイル送信機能
私の講義では、講義の前半部分は、説明や解説をしながら、学生と一緒に入力し、後半部分は学生 の課題作成時間としている。課題は授業時間内にできた限りで提出をさせ、できなかった学生は翌週 講義内での解説で修正してもらっている。もちろん、前半部分が伸びて、課題の作成をする時間が作 れない場合もある。そのような場合は、講義内で一緒に作成したファイルを提出させている。決まっ た時間での課題の提出は、学生の理解度がわかり、どのようなところで躓いているのかを把握でき
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る。次回の講義ではその部分をもう一度解説するようにしている。講義内で一緒に作成したファイル の提出は、講義に参加しているかどうかの有無が分かる。
そのため、メールでの提出は、講義終了後の時間外からもできること、講義に出席していなくとも できること、添付が上手くできない学生もいることがあり問題が多かった。また、100人近い学生の メールをダウンロードするのも大変だった。
今回 出席システムに学生からのファイル送信機能を追加することで、講義時間内の提出が徹底さ れ、学生の理解度を把握しやすく、次回の講義も進めやすくなった。また、学生のファイル管理も容 易になった。学生側の画面から課題の提出状況が一覧形式で把握ができるようになり、提出されたか どうかの問い合わせが無くなった。また、一度提出したファイルも削除できることから、同じファイ ルを何回もみさせられることもなかった。コメント欄にわからない所や、要望なども書かれ、この点 についても授業改善の指針になった。それまで、講義終了後に出席ボタンを押し忘れたと言って来る 学生がいたが、課題提出の際に、必ず出席システムに入らなければならないため、忘れている学生も ここで出席ボタンを押す機会ができ、そのような訴えも少なくなった。
【8−2】サーバーの移動
大容量になったことで、ファイルの提出やダウンロードなどは非常にスムーズであった。
9 今後の課題
以下の点について、更なる改善を試みたい。
【9−1】出席確認
出席確認はログイン後の画面で、[出席状況確認]を選択することで出来るのであるが、それでも 出席を確認に来る学生が数名いた。出席状況の確認をもう少し改良したい。
【9−2】アンケート集計
前回追加したアンケート機能を集計する機能を追加し、全体の状況を一目で把握できるように修正 したい。
【9−3】座席表の表示機能
今回も座席表示が徹底できなかった。人数の多いクラスは、画面上で座席表を登録するのに非常に 手間取った。今後は座席表の登録を学生側で実施しするようにし、早めに座席表示を実施するように 改善したい。
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WINGS プロジェクト著 インプレス出版『基礎 PHP』
西沢直木著 SOFTBANK 出版『PHP による Web アプリケーション スーパーサンプル』
石田則道 法政大学 計算科学研究センター『顔の見える出席管理システム』
高島優作著 ナツメ社『PHP+MySQL で作る Web アプリケーション実践ガイド』