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雑誌名 大原社会問題研究所雑誌

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Academic year: 2021

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【特集】第32回国際労働問題シンポジウム : ILO(

国際労働機関)と日本 : 100年の歴史と仕事の未来 : 主催者代表挨拶

著者 鈴木 玲

出版者 法政大学大原社会問題研究所 

雑誌名 大原社会問題研究所雑誌

巻 743・744

ページ 3‑4

発行年 2020‑10‑01

URL http://doi.org/10.15002/00023585

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【特集】ILO(国際労働機関)と日本

―100 年の歴史と仕事の未来

主催者代表挨拶

 

鈴木 玲

 皆さん,こんにちは。法政大学大原社会問題研究所所長の鈴木玲と申します。本日は第 32 回国 際労働問題シンポジウムに参加いただきありがとうございました。

 今から 100 年前,1919 年 2 月 9 日に大阪の石井記念愛染園で大原社会問題研究所が創立されま した。創設者の大原孫三郎は,貧困問題などの社会問題を生み出す根源をさぐり,それを解決する 方法を研究する機関が必要だと認識し,大原社会問題研究所の設立につながりました。翌 1920 年 には高野岩三郎が初代所長に就任し,大阪天王寺に本館と書庫からなる研究所建物が新築されまし た。大原社会問題研究所は,ここ大阪が創設の地です。創設者の大原孫三郎は倉敷紡績の経営者で すが,大原氏の資金援助の打ち切りを契機に 1937 年に東京に移転しました。戦時下,終戦直後の 厳しい時代を乗り越えて,研究所は 1949 年に法政大学と合併して,法政大学大原社会問題研究所 となりました。2019 年は,研究所創立 100 周年とともに,法政大学との合併 70 周年の年でもあり ます。

 2019 年は,ILO(国際労働機関)創設 100 周年の年でもあります。1919 年 10 月 29 日から 1 ヵ 月の間,アメリカのワシントンで第 1 回の国際労働会議が開催されて,ILO が創設されました。国 際労働会議(総会)は,第二次大戦中の 1940 年から 1943 年を除き,ほぼ毎年開催され,条約,勧 告を採択して,国際労働基準を設定してきました。

 大原社会問題研究所と ILO は,2019 年にどちらも 100 周年を迎えましたが,国際機関である ILO と,日本の一民間研究所である大原社会問題研究所に直接の関係はありません。ただし,1928 年末にアルベール・トーマ事務局長が来日した際,トーマ氏は大原社会問題研究所を訪問していま す。また,大原社会問題研究所は 100 年の歴史の中で,いくつかの時点で ILO に関連する日本国 内の諸活動に「接点」を持ち,『日本労働年鑑』等の刊行物を通じて ILO の活動を記録しました。

 その「接点」のひとつが,この国際労働問題シンポジウムです。今年で 32 回を迎えるこのシン ポジウムは,大原社会問題研究所の創立の地である大阪で初めて開催されます。最初にシンポジウ ムが開かれたのは 1987 年 10 月で,「ILO と技術協力―日本はどう関わるのか」というテーマで した。当初は,大原社会問題研究所の主催,ILO 東京支局,日本 ILO 協会の後援でした。2003 年

*鈴木玲(すずき・あきら) 法政大学大原社会問題研究所教授。2016 年度より,同研究所所長。専門は労働社会学。

主 な 業 績 と し て,Akira Suzuki, ed. Cross-National Comparisons of Social Movement Unionism(Peter Lang, 2012)など。

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4 大原社会問題研究所雑誌 №743・744/2020.9・10 の第 16 回シンポジウムからは,法政大学大原社会問題研究所と ILO 駐日事務所の共催,日本 ILO 協会の後援となりました。2011 年の第 24 回シンポジウム以降,日本 ILO 協会は日本 ILO 協議会 となりました。

 このシンポジウムの趣旨は,「主として ILO のその年の総会で扱われ,広く関心を持たれている 問題を取り上げ,労使または政府の責任者が参加している ILO 総会で,どういう議論がされたの かを,国内にフィードバックする機会を作る」ということでした。これは第 9 回シンポジウムにお ける嶺学所長の挨拶から引用したものです。このような趣旨のもと,シンポジウムでは専門家や学 識経験者の講演とともに,労働者側,使用者側の立場から,取り上げられたテーマについての意見 が述べられます。

 本日のシンポジウムは,ILO と大原社会問題研究所の創立 100 周年を記念して「ILO(国際労働 機関)と日本―100 年の歴史と仕事の未来」をテーマに行います。通常の形式とは異なり,ILO の歴史に焦点を当て,吾郷眞一・立命館大学衣笠総合研究機構教授に「ILO と日本」をテーマに基 調講演をしていただき,石井聡・近畿大学経済学部教授と榎一江・法政大学大原社会問題研究所教 授にそれぞれ ILO 第 1 号条約と国際労働会議代表問題について報告をいただきます。また,この シンポジウムの会場である大阪中之島と社会運動の歴史については,エル・ライブラリーの谷合佳 代子館長にご紹介いただきます。

 本日のシンポジウムが,ILO の国際労働基準制定の歴史と日本への影響を振り返る機会になると ともに,これまでの歴史が仕事の未来への ILO の役割や意義について,どのような示唆を持つの か,議論する機会になることを期待します。本日はよろしくお願いします。(拍手)

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