研究論文
インド財閥の形成 と組織構造
‑Adi t yaBi r l a 財閥の事例‑
Bi s hwaRa jKANDEL
1. は じめに
本稿 で、イ ン ド財 閥に注 目す る理 由は2つ あ る。 まず 1つは、イ ン ドにおいて財 閥が国民経 済に占める比重の大きさである。イ ン ド財閥は、
イ ン ドの経済発展 に極 めて重要な役割 を果 た し てい る。そのため、政府 と財 閥 との問では共 同 や連携 が見 られ る。つま り、政府 は経済発展の パー トナー として財閥を育成 してい るのである。
今 日、財 閥のプ レゼ ンスは、イ ン ドにおいて経 済分野のみな らず、政治、文化 、イデオ ロギー な ど社会のあ らゆる分野で現れてい る。 その存 在 の大 き さは、一般 国民生活 において、い くつ かの主要財 閥が供給す る物品やサー ビスを消費 す るこ と無 しにイ ン ドでの生活 は1日た りとも 成 り立たない と言われ るほ どである。それ ほ ど 財 閥は国民経済の各分野で大 きな比重 を 占める
よ うになってい る。
も う1つの理 由はイ ン ド財 閥に関す る発展過 程や所有支配構造 に関す る研究があま りな され て い な い こ とに あ る。1991年 の 自由経 済 政 策 1)導入 以 降のイ ン ドは世界 の投 資家 に とっ て魅力的な市場 になってきてい る。 しか し、イ ン ド財 閥について、その発展過程や所有 ・支配 構造 の視点か ら分析 を試み、研究 され ることは 少 ない。 日本 では、欧米諸 国の企業や企業集 団 に対す る関心は高 く、それ らについての研 究は 活発 に行 われてい る。 しか しなが ら、イ ン ド財 閥を対象 とした企業や企業集 団についての体系 的な研究は極 めて少 ないのが実情である。
また、イ ン ド財 閥の経営実態が研究 され る際 に は、 イ ン ドの大 手財 閥 で あ るTATA財 閥や
Reliance財 閥が 中心 に取 り上 げ られ てい る。 そ のため、その他 の大手財 閥の研究はあま り進 ん でいないのが実状である。 そ こで、本稿では、
イ ン ドにお ける財 閥の全体像 を把握す ることに 主眼 をお く。 そ して本稿 の 目的を主 として、① イ ン ド財閥の発展形成過程 を明 らかにす ること、
②AdityaBirla財 閥 の企 業経 営機構 体制 を明 ら かにす ることとし、検討 を重ねてい く。
2. イン ド財閥の形成
イ ン ド財 閥の起源 は、イ ギ リス統治下におけ る綿取引に端 を発 してい る。産業革命 によ り急 速 な工業化 を遂 げていたイ ギ リス企業 は、南北 戦争 の影響でアメ リカか らの綿供給が妨 げ られ るよ うになる と、イ ン ドに注 目す るよ うになっ た。そこでイギ リス企業は、現地 コミュニティー ズに支援 を求 めた。 この商業的機会 に機敏 に反 応 したイ ン ド商人は、取引を請負 い、財 を蓄 え た。そ して、現金収入 を手 に した商人 は、やが て 自らが織物工業 を設立 し、更なる事業拡大の ために 自身の家族や近親 を経営層 に組込み、今
日のイ ン ドの財 閥を形成 した。
この過程で、ほぼ全てのイ ン ド財閥や企業は、
一族 による所有 ・経営に特徴 を持つ経営代理制 度2)(ManagingAgencysystem)の下で発展 し てきた。 この経営代理制度 を通 じ、家族が企業 を支配 し、その傘下にい くつかの企業 を収 め、
事業 を拡大 してきたのである。イ ン ド財 閥は、
他 の先進 国や資本主義 国の企業 と異な り、植 民 地性や封建 的性格 を持 って発展 した3)。Helen B.Lamb(ラム)は、マサチ ューセ ッツ工科大学
イ ン ド財 閥の形成 と組織構造 93
の国際研究所 にお けるセ ミナーで 「イ ン ドの財 閥の発展 はアメ リカのメロン、デ ュポ ン、 ロッ クフェラーのよ うなアメ リカの有力な事業家族 と似 てい る」 4) と説 明 し、アメ リカ とイ ン ドの 財 閥形成 に関す る類似性 を指摘 してい る。 しか し、長年 に渡 る植 民地支配 と社会主義国家制度 を経験 してきたイ ン ド財 閥 と古典的資本主義国 家 として発展 してきたアメ リカの財閥 との類似 性 を発見す るのは困難 であると加藤長雄 は反論
してい る5)0
さらに、このよ うな制度が当時イ ン ド以外 に、
中国や 日本‑広が らなかったのには、イ ン ドな らではの特殊 な諸事情が絡 んでいた。 その例 と して、イ ン ドがイ ギ リスの完全植 民地であった ことや 当時のイ ン ドの経済 開発 の大半がイ ギ リ ス人 のエー ジ ェ ンシー ・ハ ウス6)の下 で行 わ れ て い た こ と等 を、 金 田近 三 は指 摘 して い る 7)。 また、 イ ン ドの大手企 業や 高利 益 の仕 事 はほ とん どイ ギ リス人が支配 していたが、イ ン ドの社会構造 の問題 としてのカース ト制度や 民族的要因 として言語 の問題 な どが存在 してお り、イギ リス商人 はイ ン ド商人 を経営代理人 と して頼 らなければ事業を拡大す るのが困難であっ た と考 え られ る 8)0
その結果 、イ ン ド商人 のほ とん どが大 きな仕 事 を求 めてイ ギ リス商人の代理人 として働 いて いた。 このよ うなイ ン ドの経営代理制度 は単に 個人 に留ま らず、比較的小 さな家族商社やパー トナーシ ップ会社 、 さらに私的有 限責任会社や 公 開有限会社 にまで広 がった。 また、相 当な資 力 と優れた経営能力 を持 ち、財界での信用 もす こぶ る大 きいため、新会社設立の際の株式募集 や設立後 に銀行 か ら受 ける融資 も主 として経営 代理人 自身の信用に基づいて行 うことができた。
この経営代理制度 は独立後イ ン ドの近代的会社 において、極 めて重要 な役割 を果 た した ことが 指摘 されてい る9)。
先述 した よ うに、イ ン ド商人 は、や がてボン ベイや アーメダバー ドで近代的な織物工場 を設 立 あるいは獲得 し、事業 を展 開 した。商人はそ のために必要な資金 を身内や親戚 か ら借受 け、
94 国際経営論集 No.38 2009
工場 の設立や買収 を行 った。 この織物工場 を経 営す る初期 のイ ン ド民族資本家は、商業 と産業 とを兼営す るシャムの双生児 的存在 であ り、そ の産業資本‑の純化 はゆるやかなプ ロセスで し かなかった。大商人 の工場経営は、家業 の一部 として行 ってお り、複数 の家族が共同出資 を し た企業の場合で も、時 とともにその うちいずれ か の家族 の専一 的 な支配 に変 わ った こ とが多 い10)。 つ ま り、従来 か ら一族 に よって所 有 ・ 経営が支配的に行われていたのである。 さらに、
この商人 はイギ リスの大手企業の経営代理人 と して様 々な営業 を行 っていた。 これが後 に、時 代 の変化 によって大 きな企業集 団になったので あ り、現在 のイ ン ドの大手財 閥の起源 である と 言 える。
3.
先行研究三上敦史 〔1993〕は、イ ン ド財 閥についての 経営史的研究を確立 した。その豊富で詳細なデー タや検証 は、筆者 も何度 とな く参考に した。三 上氏はイン ド財閥はイン ドは一般的に 「Industrial Houses」と呼 ばれ てお り、文字 どお り特 定 の 家族 (同族) の支配下で大規模 で多角的事業経 営 を展 開 してお り、戦前の 日本財閥に極 めて類 似 した ものであると述べてい る。そ して 日本財 閥史の研究が経営史研究の主流的地位 を占め、
財 閥の国際比較‑の関心が一層高ま りつつ ある 昨今、事例研究 を通 じて財 閥現象のイ ン ド的展 開過程 を明 らかにす ることは、大きな意義 を持 つ として、検証 を試みてい る11)。
Khanna and palepu 〔2000〕は、個別企 業 と 比較 して、企業集 団は企業経営に対す る透 明性 が低 く、少数派株主に とって監督 が困難 である と指摘 してい る。 また、ChibberandMajumdar
〔1997〕は、外 国投資家 の株式所有 が企業 のパ フォーマ ンスに大 きな影響 を与 えることを指摘 している。特に、1991年の 自由経済政策導入後、
外 国投資家が積極的にイ ン ド市場‑参入 した こ とは、国内企業の経営のあ り方や コーポ レー ト・
ガバナ ンスの向上、企業経営の透 明性 の向上 に
大 きな影響 を及 ぼ した。
本稿 では、森川英正 〔1976〕に従い、財閥 を
「家族 ・同族 の封鎖的 な所有 ・支配 下 に成 り立 つ多角的事業経営体12)」 と定義す る。また、A.
D.チ ャン ドラー 〔1993〕が近代企業 の持続的 成長 の方法 と して説 明13)した よ うに、イ ン ド の財 閥は、垂直的統合 と多角的統合 を高度 に進 め、多数 の産業分野 に幅広 く展 開 してい る14)。
第2次世界大戦後に独立 した発展途上国では、
家族 あるいは同族 に よる出資 ・支配 の下 に企業 が発展 し、多分野‑の事業展開や複数 の企業 を 傘下 に収 めるな ど、閉鎖的に企業の所有 ・支配 を行 ってきた。 こ うした集 団は、各 国で 「企業 集 団 」、 「Big Business Houses」、「Corporate Houses」、 「ファ ミリー ・ビジネ ス」 な どの名称 で呼ばれてい る。 この集団の生成や発展、性格 は各 国の文化や習慣 、経済状況 に応 じて異 なる が、 この集 団それ 自体 はアメ リカ、欧州、 日本 の先進 国のみな らず、タイやイ ン ドな どの発展 途上国の経済 において も大 きな役割 を果た して きた。本稿 では、イ ン ドにお けるこ うした集 団 を財 閥 として扱 うことにす る。
4.
イン ド財閥の特徴イ ン ド財 閥を語 る上で欠かせ ない もの として、
イ ン ド財 閥の大 きな特徴 である 「家族 ・同族経 営」 と 「コミュニテ ィ」の 2つが挙げ られ る15)0 第 1の特徴 である 「家族 ・同族経営」 について は、イ ン ド財 閥が支配す るほ とん どの企業集 団 において、特定の家族 ない し同族 が所有 と経営 を支配 してお り、グループの名前 に家族名 が冠 されてい る場合が多い。 この企業集 団では、総 帥によるグループ支配が確 立 されてい る。総帥 は、グループ内の中核企業の株式 を所有 して支 配株主 とな り、系列社 間で相互投資や循環投資 を行 わせ ることによってグループ全体の支配 を 実現 してきた。一般 にグループ全体 に占める総 帥個人 の株式保有率 は数%に過 ぎず 、わずかな 株式 を直接保有 し、それ以外 の株式 を間接的に 保有す るこ とで多 くの企業 に対す る経営支配が
可能 となっている。
企 業支配構 造 を株 式所有 の面 か ら見 る と、
「所有 と支配」の分離状況 は うかがえるものの、
系列企業 を通 じて、 「所有 と経営」 の未分化 は 依然 として続いてい ると言 って良い。 これ はイ ン ド社会 において家族や同族 による経営支配は、
企業の発展 と直接的に矛盾す るものではな く、
相 関関係 として両立す る社会環境 にあるため と 考 え られ る。歴史 を振 り返 ってみて も、イギ リ ス人 は近代的な企業経営 をイ ン ドに持 ち込んだ が、家族 ・同族 の価値観 が強いイ ン ドの企業家 は、伝統的な家族的経営体制 を変えることな く、
同族経営 を拡大 ・発展 させ た。
しか し、同族経営の継続 に関 しては、一族 内 での 「資産相続」が大きな障壁 になってい る。
事実、イ ン ド財 閥のほ とん どが 「資産相続」問 題 によって財 閥が分裂す るに至 っている。イ ン ド財 閥では、父系制家族制度 の下で、同一世代 の男子 の間で財産 の 「均等分割16)」が な され る ために、世代が交替す ると家の財産 は分割 され ることがある。つま り、イ ン ドの財産の相続法 に基づ くと、家族 内に蓄積 された家族 が支配 し てい る主要企業や親が保有す る土地や金融的財 産 (株式 を含む) を均等分割 しなけれ ばな らな い。 しか し財 閥では、後継者 による中核企業の トップ ・マネ ジメン トを巡 る争 いや企業経営の あ り方 の違いで分裂す る事例が多々存在す る。
この問題 に関 しては、2005年 に分裂 したReliance 財 閥 の 中核 企 業 で あ るReliance lndustriesの事 例 を挙 げることができる。 同企業では2人兄弟 による後継者 問題 に直面 していたが、最終的に は家族会での協議 を通 じて問題解決が図 られた。
これ は長子 の財産相続が支配的である 日本 と大 き く異 なる部分である。
第2の特徴 は 「コ ミュニテ ィ17)」財 閥の出 自が特定のコミュニテ ィに限定 されてい ること である。イ ン ド社会 には、宗教 ・出身地 ・カー ス トな どで帰属が規定 され るコミュニテ ィ (社 会的集 団)が存在 してい る。 このコ ミュニテ ィ は、内部 にお ける相互扶助制度、宗教行為、内 部結婚 な どを通 じて強い団結力 を形成 し、家族 イ ン ド財 閥の形成 と組織構造 95
図表‑1 Birla家の家系図 (分裂後)
出典 :三上敦史 〔1993〕『インド財 閥経営史研 究』 同文舘、204ページおよびAdityaBirla財 閥のホーム・ページ (http://ww .adityabirla.com/)をもとに筆者作成 (2009年08月15日アクセス)。
的経営か ら組織的会社経営に発展す る過程 にお いて コミュニテ ィは有効な利用手段 となってい る。 この意味において、イ ン ドの財 閥が帰属す る出身 コミュニテ ィの独 自性や性格、特徴はそ の財閥企業の経営思想や経営者の仕事振 りを理 解す る上で重要なポイ ン トになる。
5.Adi t yaBi r l a
財閥の歴史まず始 めに、AdityaBirla財 閥の原点である、
Birla財閥の歴史 を簡単に述べ る。かつて、 この 財 閥全体 の売上規模 はTATA財 閥に次いでイ ン ド第2位 の地位 を占めてお り、TATA財 閥 と共 にイ ン ド産業界 において最大勢力 を形成 してい た。Birla家 は、 イ ン ドの西部Rajasthan18)地方 に集 中 しているMarwariと呼ばれ るコミュニティ に属 している。 このコミュニテ ィは、 ビジネス に関す る明敏 さと取引経験の豊富 さで知 られて いたが、家族 内で分裂 を繰 り返 してきた。Birla 財閥は、イ ン ド独立前 よ り隆盛 を極 めていた、
最 も古い財 閥の1つである。 また、他 の少数 の 財 閥 と共に、イ ン ドの産業革命 を実現 した重要 96 国際経 営論集 No.38 2009
な財閥でもある。
長年 にわた り、Birla財 閥は、市場 向け製 品産 業の多方面に、企業 を設立 し、事業分野を広 げ てきた。 この財閥は、アル ミニ ウム、織物、化 学薬品、 自動車、麻、セメン ト、紅茶、軽工業、
コンサルテ ィングな どの業界 を取 り仕切 ってき た。 そ してBirla帝国 とまで呼ばれた、175社以 上の企業のネ ッ トワークによって、その他の多 くの製品も製造 ・販売 していた。 これ ら全てが、
Birla財閥をイ ン ド産業の中心勢力 とな らしめて きたのである。
隆盛 を誇 ったBirla財閥 もイ ン ドの他の財 閥 と 同様 に、一族の 「資産相続問題」によ り主要メ ンバーの間で企業を分割 した。1937年 にBirla財 閉はG.D.Birlaグループ、Rameshwaldasグループ (ボンベイ)、B.Y.Birlaグループ (カルカ ッタ) の3グループに分裂す るに至った。それにも関 らず 、G.D.Birla存命 中は内部分裂 に留 ま り、
G.D.Birlaを総帥 としてBirla一族 が協調 しなが ら 財 閥経営を行 っていた。そのため、事実上分裂
したのは、1983年 のG.D.Birlaの死後 と言 える。
さらに、その後 も分裂 を繰返 し、1990年代半ば
図表12 Aditya Birla財閥の主要企業
【単位1000万ルピー20)】 企業名 総資産 ROCE% 時価総額 500社 の順位 業界別順位 HindalcoⅠndustries 52,423.58 10.58 20,259.92 14 1(金属) Grasim industries 26,258.34 22.16 23,608.86 32 1(セ メン ト)
ⅠdeaCelluar 19,817.67 13.12 27,051.98 44 3(通信)
出典 :Theeditor〔2008],BWREAL500,BUSINESSWORLD,Vol.28.,Issue23,pp.62‑78をもとに筆者 作成 (2009年8月30日アクセス)0
図表‑3 Aditya Birla財閥の組織構造
出典 :AdityaBirla財 閥のホーム・ページ(http://www.adityabirla.com/)とボンベイ証券取 引所http://vww.bseindia. com/index̲op.htmをもとに筆者 作成 (2009年8月15日アクセス)0
の分裂 の結果 、現在 は6つ以上 の小 さな財 閥 と なった (図表 ‑ 1)。
Birla財 閥の総帥G.D.Birlaの死後 は、G.D.Birla の孫 で あ るAdityaBikram Birla(以下A.B.Birla) がBirla財 閥の主要 な企業 を引 き継 ぐこ とになっ た。 このA.B.BirlaはBirla財 閥群 の 中で、最 も精 力的な人物 として知 られ ていた。 しか し、彼 は 1995年 にガ ンによ り突然死 したため、同年 に息 子であるKumarMangalam Birla(以下K.M.Birla) が29歳 の若 さで財 閥の会長 に選任 され た。 その 後、AdityaBirla財 閥 が形 成 され た。K.M.Birla
は1967年 に生 まれ 、公認会計士資格 を取得後 、 ロン ドン ・ビジネ ス ・ス クール (ロン ドン) で MBAを取得 した。 現在 、財 閥 は、 セ メ ン ト、
製糸、織物 、肥料 な どの伝統産業か ら電力 、電 気通信 、石油精製 、金属 の分野 に事業 を多角化 してい る。AdityaBirla財 閥は、2007年 時点で2 40億 米 ドル の資産(時価総額315億 米 ドル) を保 有 してい る。 そ して、同財 閥は30カ国で約13万 人 の従業員 を抱 えてい る。 また2007年 には、最 も仕事 が しやす い環境 のあるイ ン ドの優 良企業 として、アジア トップ企業20社19)に選 出 された。
イ ン ド財 閥 の 形 成 と組 織 構 造 97
図表‑4 Aditya Birla財閥の主な傘下企業の株式保有率 (o/.) 2009年3月時点
企 業 名
Hindalco Grasim Aditya Birla UltraTech所 有 者
Industries Industries NuVo Ltd. CementLtd.創 業考 36.1 25.19 41.52 54.77
非創業者 16.3 16.06 16.69 33.33 機 関投資家 28.94 44.06 37.06 ll.19
その他 13.76 14.46 4.74 0.85
出典 :ボンベイ証券取引所http://www.bseindia.com/index̲op.htmをもとに筆者 作成 (2009年8月15日アクセス)O
図表 ‑5 K,M.Birla一族 の主な出資関係
出典 :ボンベイ証券取 引所http://www.bseindia.com/index‑̲op.htmをもとに筆者 作成 (2009年6月15日アクセス)0
さらに、イン ドの有名 な週刊誌である、 「Business world」誌 の2008年度 のイ ン ド500企業 の中に4 つの傘下企業が名 を連ねてい ることは大 きな意 味 を持つ と言 える。 図表‑ 2は、イ ン ド500社 に ラ ンクイ ン したAditya Birla財 閥 の主要企 業 の一覧である。
6.Adi t yaBi r l a
財閥の組織構造Aditya Birla財 閥の組織構 造 は、K.M.Birla(会 長)が トップに置かれ、AdityaBirlaManagement Corporation Pvt.Ltd.21) (以 下ABMC)が純粋 持 株会社 として傘下企業の経営 に携 わってい る。
98 国際経営論集 No.38 2009
その傘下には21社 の子会社 があ り、更 に各社 が 外 部 と合 弁会社 を設 立 してい る。 Aditya Birla 財 閥の取締役会 は10人で構成 され、取締役 は、
一族以外か ら任命 され ることが多い。
イ ン ドの商法上、企業構造は株主総会、取締 役 いわゆる経営者、監査役 の3つの主要 な部 門 か ら成 り立ってい る。 さらに、商法では、取締 役会 は企業の 日常経営 を行 うための代表権 を第 三者 に委任す ることが認 め られている。そこで、
日常の企業経営 を行 う場合 、取締役 の下に執行 委員会 を設立 してい る。取締役会 は企業 の重要 事項 の意思決定、企業の経営戦略や人事、経営 監督 な どを行 う場合 が多い。 図表一 3で示 して い る よ うに、 Aditya Birla財 閥で は財 閥 内の企
図表 ‑6 AdityaBirla財閥の中核企業Hindalco lndustriesLtdの株式保有率
株 主 株弐数 株式保有比 (%)
プライベー ト .カンパニー
1 ⅠGH HoldingsPvtLtd. 228,963,487 13.47
2 TurquoiseⅠnVestment
&
FinancePVtLtd. 99,012,468 5.823 TraptiTrading
&
InvestmentsPvtLtd. 93,063,124 5.474 Grasim ⅠndustriesLtd. 54,542,475 3.21 5 AdityaBirlaNuVoLtd. 33,506,337 1.97
6 PilaniⅠnVestment
&
ⅠndustriesCorporationLtd. 29,185,398 1.727 UmangComm CoLtd. 26,442,761 1.56 8 BirlaGroupHoldingsPVtLtd. 6,731,467 0.40
9 ManaVⅠnVestment
&
TradingCompanyLtd. 672,571 0.0410 TGSⅠnVestment
&
TradePVtLtd. 585,249 0.03ll Mangalam ServicesLtd. 153,008 0.01 創業者一族
12 K.M.Birla 865,740 0.05
13 RajashreeBirla 612,470 0.04 14 VasavadattaBajaJ 121,319 0.01 15 NeerjaBirla 114,640 0.01 16 GlobalHoldingsPVtLtd. 6,336 0.00
投資会社やその他
17 BirlaⅠnstituteofTechnolog
y&
Science 21,583,090 1.2718 AdityaVikram KumarManagalam BirlaHUF 648,632 0.04
19 KumarMangalam BirlaF
&
N G OFAnanyashreeBirla. 35,895 0.0020 TrusteeHoldingSharesUndertheSchemeofMergerof 16,316,130 0.96 HⅠL/IGCL/ⅠGFLonBehalfofHindalco
21 HeritageHousingFinanceLtd. 634,591 0.04
出典 :ボンベイ証券取引所http://www.bseindia.com/index‑op.htmをもとに筆者作成 (2009年6月15日アクセス)0
業統治や企業間の関係 をよ り活発 にす るために、
数多 くの委員会 が設置 されてい る。
その中で、中央セル は財 閥内に設置 された財 閥の有力 な委員会 である。 これ は会長、取締役 で構成 され、直接運営 され る。 中央セル は財 閥 の傘下企業の取締役員や執行役員 、 さらに他 の 会社機 関 との関係 を保 ち、財 閥の経営 を改善す るために大 きなサポー トをす る義務 を負 ってい る。 中央セル の主な 目的 として、長期計画 を作 成す ることや予算 を組む際に会長 をサポー トす ることがある。 また、企業再編や資本提携 な ど
を含む戦略に関す る意思決定について も会長 を サポー トす る 目的を持 ってい る2
3 ) 0
財 閥では傘下企業の規模 が拡大に伴 い、企業 経営に困難 を生 じさせ ないために、多 くの企業 が委員会 を設立す る場合が多い。 また、財 閥傘 下企業の会長 (Chairman)と代表取締役 (Managing Director,MD)については、財 閥の主要 な傘下 企業 の場合 、一族 の会長 が 自ら会長 とMDを兼 任 す る こ とが あ る。AdityaBirla財 閥 の主要企 業 のAnnualReportに よれ ば、全 て の主要企業 の会長 にK.M.Birlaが就任 し、専門経営者 をMD
イ ン ド財 閥の形成 と組織構造 99
図表17 Aditya Birla財閥の主な傘下企業の取締役 の状況
企 業 名
Hinda】co G「asim tndust「ies Aditya Bi「la ∪lt「aTech所 有 者
lndust「ies NuVo Ltd. CementLtd.Chairman K.M.Birla* K.M.Birla * K.M.Birla * S.Misra * Director Ra(会長 の母) ◆jashreeBirla Ra(j会長 の母)◆ashreeBirla SushilAgarwal K.C.Birla◆
Director M.L Apte M.L.Apte C.K.Dutta ∫.Bajaj Director S.K.Jain * S.K.Jain * S.K.Jain* B Singh*
Director B.V.BhargaVa B.V.Bhargaya V.G.Somani ∫.Kumar Director R.C.BhargaVa R.C.Bhargaya ‑ Director CyrilShroff CyrilShroff ‑ Director A.K.Dasgupta S.B.Mathur ‑
Director S.G.Subrahmanyan S.G.Subhrahmanyan ‑
Director D.D.Rathi 1. 純粋持株会社 であるABMCのメンバー * 出典 :ボンベイ証券取引所http://www.bseindia.com/ndiex̲op.htmをもとに筆者 作成 (2009年7月15日アクセス)0
に任命 してい る。
図表‑4、図表‑ 5に示 した よ うに、財 閥の 傘 下企業は、一族 が株式保有す ることが多 く、
傘 下企業 との相互持合いは極 めて少 ない。非公 開純粋持株会社 であるABMCの情報 は公 開 され ていないため、所有 関係 を把握す ることができ ない。 しか し、一族 が完全所有 してい ると推測 できる。
一般 的に、アジア諸 国の多 くでは、創業者一 族 が財 閥傘下の上場企業 との間に ピラ ミッ ド型 組織 を形成 し、その トップに位置す る企業のみ を所 有 す る所 有 構 造 が あ る[La Porta et al.
〔1999
〕 ) ;
Claessens 〔1999〕 ]
。 Aditya Birla財閥の場合、創業者一族 は ピラ ミッ ド型組織構造 を形成 してい る。 同財 閥の場合 、創業者一族 の 個人名義で財 閥の中核企業や傘下企業の株式 を 直接保 有せず に、信託基金 、投資会社 23)や プ ライベ ー ト ・カ ンパ ニー 24)な どを設 立 し、 そ れ らを通 じ株式を間接的に保有 している。図表 ‑ 6は財閥の中核企業 として知 られているHindalco lOO国際経 営論集 No.38 2009
IndustriesLtd.の創 業者 (発 起人25)) の株 式保 有率の一覧である。
中核企業の多角的に拡大す るには、膨大の資 金が必要になる。そのために、中核企業 を上場 し、証券市場か ら容易 に資金調達す ることがで きる。 しか し、中核企業が上場 した場合、証券 市場 において簡単に株式が売買 され るため、株 式所有の分散化 が進み、創 業者一族 が財 閥の主 要 な傘下企業 を支配す ることが難 しくなる。 そ のため財閥は垂直的な所有 関係 を維持 目的に し て、創業者一族が筆頭株 主 として、信託会社、
プライベー ト・カンパニーや投資会社 を設立 し、
上場持株会社や 中核会社の株式を保有 している。
図表‑ 6が示す よ うに、Aditya Birla財 閥で は 傘下にプ ライベー ト・カ ンパニーが11社、投資 会社 は5社存在 してい る。
また、営業活動で生 じた利益 は、配 当として 一族 が吸い上 げ (図表 ‑ 3)、財 閥が運営 して い るい くつかの病院や学校 な どの非営利 的な団 体の社会活動 に充て られてい る。 しか し、現時
点では、社会活動 は、財 閥が行 ってきた政 ・官 との癒着 関係や反社会的行動 に対す る批判 をか わすための 1つの手段 に しかす ぎない。
7. Adi t yaBi r L a
財閥の経営構造一般的 に、創業者世代 の場合、子供 が後継者 となるので、子供 を欧米 の著名 な大学‑進学 さ せ、財閥に必要す る人材 を確保す る傾 向がある。
それ以外 には、創業者 の兄弟、親戚 、従兄弟 な どが、財 閥の有力 な人材 として財 閥の経営に携 わる。 また、財 閥が分裂す る場合や事業拡大 し て行 く場合 には、同族 内で人材 を確保す るのは 難 しくなる。長年 の一族争い を経て、6つ以上 の財 閥 に分裂 した経 験 を持 つAditya Birla財 閥 は、分裂や事業拡大の結果、財 閥一族や専門経 営者 が不足 してい るため、支配権が失われ ない 程度 に外部か ら多 くの専門経営者 を雇 っている。
AdityaBirla財 閥の主要 な傘 下企 業 の取締役 を見 ると、会長 の母 を取締役 として任命 してい る。それ以外 の血縁 関係や人事情報 は明 らかに されていないのは現状 である。 とは言 え、財 閥 が、一族 によって所有 ・支配 されてい ることや 会長 の母 が取締役 として就任 してい ることを見 ると、血縁 関係者 が傘下企業 に対 して大 きな意 思決定権 限を有 してい る と推測 され る (図表 ‑
7)。
イ ン ド財 閥の経営の最大の特徴 として挙 げ ら れ るのは、創業者 あるいは会長 (chairman)が トップダ ウン的な意思決定 を行 うこ とである。
この点ついては、韓 国財 閥の よ うなオーナー型 経営 と似 てい る とも言 える。財 閥は会長 を含 め た 専 門経 営者 の最 高 経 営機 関 (図表 ‑ 5の ABMC)を設立 し、それ を通 じて財 閥を支配す る。 この よ うな機 関はTATA財 閥、AdityaBirla 財 閥以外 にReliance財 閥 な ど多 くの財 閥に存在 す る。
また、会長 は最高経営責任者 であ り、法的経 営責任 を持つ。傘下の コア企業 の場合 、創業者 自らが会長 に就任 し、傘 下の非 コア企業の場合 は、同族 が会長 あるいは取締役 に就任す ること
もある。創業者 の権 限が非常に強いため、創業 者 の死後、後継者 によって傘下企業や創業者一 族内の資産や経営を巡 る争いが数多 く存在す る。
そ して第 2、 3世代 になると、創業者一族 のメ ンバー数 が増加 し、財 閥の トップ ・マネ ジメン トの役職 を巡ってポス ト争いが生 じやす くな り、
この過程で、ほ とん どのイ ン ド財 閥が分裂 を し てい る。そのため規模拡大や分裂の過程で、創 業者一族 がすべての傘下企業の経営 を行 うこと は不可能 となる。その場合、創業者一族が外部 か ら専 門経営者 を雇 うこととなる。 このよ うな 専門経営者 は最高経営機 関に所属す る場合 もあ る。 この専門経営者 が財 閥傘下企業の会長、副 会長や
MD
あるいは複数 の傘 下企業 の取締役 に 任命 され ることもある。 しか し、傘下企業 の経 営権 限は会長 が握 ることが圧倒 的に多い。AdityaBirla財 閥の経 営構 造 の特徴 と して挙 げ られ るのは、財 閥企業の トップ ・マネ ジメン トの構成員 に血縁 関係 がある者や 同族の者 が任 命 され る傾 向が強い ことである。 同様 に他 のイ ン ド財 閥 も トップに一族 を任命す る傾 向が根強 く存在 してい る。 しか し、イ ン ドの財 閥は封鎖 的な経営方針 を取 ってお り、開示 され る情報 が 限 られてい るため、同族 の トップ ・マネ ジメン ト‑の就任状況 を正確 に把握す ることは困難 で ある。
一方 、所 有 の面 で、AdityaBirla財 閥の傘 下 企業の株式保有比率 を見てみ ると創業者 は傘下 企業の株式 を高い保有比率で保有す ることが多 い。 これ はイ ン ド財 閥では一般的傾 向であ り、
未だに所有 と支配 が分離 してお らず、創 業者家 族 による独裁 的経営色が濃い ことは否 めない。
しか し、近年 、専 門経営者 が トップ ・マネ ジメ ン トに任命 され るケースが多 くな り、経営手段 の近代化 に向けた改善が見受 け られ る。 とは言 え、専門経営者 は意思決定の面で どこまで権 限 が与 え られているのかは不明である。
イ ン ド財 閥の形成 と組織構造 101
8.
おわ りにイ ン ド財 閥は1991年 の 自由経済政策 の導入後、
新 た な時代 の転換 点 に立 た され た。 イ ン ドにお いて は、財 閥 は一族 が企 業 を所 有 し、また経 営 を支配す るこ とが一般 的 となってい る。 Birla財 閥 はイ ン ド経 済 を支 えていた最 も有力 な財 閥で あったが、財 閥分裂後 には競争 に耐 え られ な く な り消滅す るグル ー プ もあった。 その 中で、唯 一 成 功 を収 めて い るAditya Birla財 閥 は、 サ ー ビス産業やIT・通信 産業 の よ うな分野‑多角化 す るこ とで事業拡 大 し、生 き残 ってい る。
Aditya Birla財 閥 にお け る取 締 役 会 で の 、 独 立取締役 の選任 や 中央セル の よ うな最 高経 営意 思決 定機 関の設 立 は昨今 の経 営モデル の1つ と
して捉 えるこ とがで き る。 とは言 って も、以前 か ら指摘 され てい る情報 の透 明化や説 明責任 の 欠如 の問題 は今 も解決 してい ない。 実際、所有 や経営面 に関 しては、閉鎖 的な財 閥で あるため、
株 式保 有状況 はほ とん ど把握す る こ とがで きな か っ た。Aditya Birla財 閥 が古 い財 閥 で あ りな が ら、所有権 を未 だ に創 業者一族 が保 ってい る.
しか し、財 閥 は専 門経 営者 を トップ ・マネ ジメ ン トに任命 してい る こ とか ら、伝 統 的 なイ ン ド 財 閥経 営 か ら近代 的 な経 営‑方針 を移行 しつつ
あ る よ うに見 える。
注
1) 1991年、当時の政権 は、債務危機 を克服す る ためIMF、世界銀行 の構造調整 プ ログラムを受 け 入れ、本格的な 自由経済政策 に乗 り出 した。 その 主 な内容 とは、①ル ピー切 下 げ、② 貿易 自由化 (輸入 ライセ ンス制度 の廃止 、輸入 ・輸 出規制緩 和等)、③ 関税率の引下げ、④外資規制緩和 な ど が挙 げ られ る(ビシュワ・ラズ ・カ ンデル 〔2006〕
「イ ン ド財 閥の家族経営 とその特質」『アジア経営 学会学会誌』第12号、アジア経営学会、17‑26ペー ジ)0
2)経営代理制度 (ManagingAgency System)と は、A企業が個人、 中間組合 、家族商社や他 の企 業 との間に経営代理契約 を交わ し、企業の全経営 権 を委託す る制度 であるC経営代理人 はA企業 に
102国際経営論集 No.38 2009
よ り一定の報酬 を受 ける代 わ りに経営の全責任 を 負 う(金 田近二 〔1960
〕
「イ ン ドの経営代理制度研 究」
『イ ン ドの経営代理制度』 アジア経済研究所、10‑19ページ)。
3)加藤長雄 〔1962〕『イ ン ドの財 閥 ‑ビル ラ財 閥を中心 として‑』アジア経済研究所、9ページ。
4)IlelenB.Lamb l1965],BusinessOrganization andleadershipinIndiaToday,Centerfわrinternational studies,MassachusettsInstituteoftechnology,p.4.
5)加藤長雄、前掲書、10ページ。
6) 当時イ ン ド‑や ってきたイ ギ リス人の うち、
政治や軍事 に携わる者以外の大多数 は進取気鋭 の 自由商人で主 として貿易 に従事 したが、その商売 の しかたはイギ リス本国のメーカーや大商社の代 理商(Agent)としての委託売買が主であった と言わ れ る。 したがってイ ン ドだけではな く、東洋 の各 地で彼 らの営んだ店舗は、一般に代理商館 (Agency House、エージェンシー ・ハ ウス)と呼ばれていた
(金 田近二、前掲書、10ページ)0 7)金 田近二、同上書、10‑13ページ。
8)金 田近二によれば、イ ン ドでのイギ リス支配 権 の確立 と経済開発 の進展 に伴 って、イギ リス本 国で対イ ン ド投資の有利 なことを知 る資本家 も次 第 に多 くなってきたのであるが、イ ン ドの気候風 土がイギ リス人の永住 に適せず、また交通 ・通信 機 関の未発達な当時にあって、イギ リス、イ ン ド 間を往復す ることは今 日では とうてい想像 も しが たいほ どの困難 を伴 っていた。 出資者 が 自ら現地 に行 って、直接事業の経営にあたる とい うことは 困難 であったに違いない。 そ こですでに、現地で 長年事業経験 を持つエージェンシー ・ハ ウスを経 営代理者 として、事業投資 を行 うとい う方式が極 めて 自然 に考 え出 された もの と思われ る (金 田近 二、同上書12ページ)0
9)金 田近二、同上書、10‑17ページ。
10)伊藤 正 二 〔1981
〕
「イ ン ド」 米川 伸 一編 著『世界の財 閥経営』 日本経済新聞社、62ページ。
ll)三上敦史 〔1993
〕
『イ ン ド財 閥経営史研 究』同文舘、 3ページ。
12)森川英正 〔1979年〕『日本財 閥史』教育社 、 ヽヾ、
16ベーン。
13)アル フル ッ ド・D.・チ ャン ドラーJr.(安部悦 生他訳)〔1993年〕『スケール ・アン ド・ス コープ』
有斐閣、29‑30ページ。
14)ビシュワ ・ラズ ・カ ンデル 、前掲書、 17‑26 ヽ、ヽ
ベーン。
15)国際経済交流財 団 〔1997
〕
『イ ン ド財 閥 と有 力企業 グループ』アジアクラブ、i〜V。16)イ ン ドの相続法1925では以下の よ うに書かれ て。 【THEINDIAN SUCCESSION ACT,1925ACT No.390F1925,PARTV‑1NTESTATESUCCESSION,
CHAPTER II"Rulesin casesoflntestatesother than Parsis"37.Whereintestatehasle氏 childor childrenonly.‑Wheretheintestatehasleftsurviving him achildorchildren,butnomoreremotelineal descendantthroughadeceasedchild,theproperty shallbelongtohissurvivingchild,ifthereisonly one, Or shallbe equally divided among allhis survivingchildren.
17)国際経 済交流財 団、前掲書、i〜V。
18)ラジャス タン州 は古 くは一般 にマル ワ‑ル と 呼ばれ、その地方 出身の商人 を総称的にマル ワ リイ (Marwari) 商人 と呼ぶ。 そ の 中で も特 に 日本 の長 野県 に相 当す る面積 を持 つ シェカ ワテ ィ地方 か ら おび ただ しい数 の商人 が発祥 し、そ の後財 閥化 し た こ とは、イ ン ド企 業者活動 史上注 目すべ き こ と に属す (三上敦史 、前掲書、199ペ ー ジ)0
19)2007年にAdityaBirla財閥はrheHewitt‑Economic Timesと WallStreetJournalStudy 2007に よ る
"The BestEmployerin India and amongthetop 20inAsia"に選 出 され た。
20)ル ピー はイ ン ド通貨 で あるイ ン ドル ピー の こ とを指 す。 2009年9月10日時 点 で100円 はお よそ 50.01ル ピー。
21) Limitedとは、株 式 会社 と違 い ,株 式 を公 募 す るこ とはで きず株 式譲 渡 には制 限が あ る。株 主 の 責任 は,株 式 の 引 き受 け額 を限度 とす る有 限責任 で あ る。一また,会社 の社名 の末尾 にLimitedやLtd.を つ ける。
22)AdityaBirla財 閥のAnuualReportを参照。
23)投 資会社 とは、 「不 特 定 多数 の投 資家 が安全 かつ有利 な株 式 ・社債 な どの有価 証券 に対す る投 資 を 目的 として特定 の者 (会社 ) に金銭 な どの財 産 を信 託 す る投 資信 託 (investmenttrust)」 の一 形態 で あ るが、 この種 の投資信託業務 を営む投 資 会社 を指す (海原 文雄 、砂 田卓 士現代信託 法研 究 会 〔1996〕『英米信託法辞典』、金融財 政事情研 究 会、158ペ ー ジ)0
24)プ ライベ ー ト ・カ ンパ ニー の設 立要件 は、従 業員 が2人以上50人以下であ り、株式 を公 開せず、
取締役 会 の同意 を得 ない限 り株 式 を譲渡 しない こ とで あ る。 (上原 美 鈴 木 「香 港 フ ァ ミ リー ビジネ スの継 承 と所有 ・経 営」 中国経営管理研 究 、第5 号、30ペー ジ)0
25)発起人 とは、企業 を設 立す る際 に直接 または 間接 的 に投 資 して い る者 。 (ビシ ュ ワ ・ラズ ・カ ン デル 〔2009
〕
「タタ財 閥 の企業集 団管理 」『経 営教 育研究』第12巻 第2号、 日本経営教育学会、69‑80ペ ー ジ)0
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