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保全コスト平準化に向けた

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早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 博士学位論文

保全コスト平準化に向けた

電力設備の更新順位付け最適化手法の 開発に関する研究

Development of Optimization Methods for Prioritizing Electric Power Equipment to be Replaced for Leveling Maintenance Cost

早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 環境・電力システム研究

2013年2月

市村 富保

(2)

目次

第1章 序章 ... 1

1.1 はじめに ... 1

1.2 本研究の目的とその位置づけ ... 2

1.3 本論文の構成について ... 6

第2章 日本における電力設備の状況 ... 9

2.1 日本の電力流通設備の老朽化状況... 9

2.2 電力流通設備の保全について ... 11

2.2.1 電力流通設備の故障状況 ... 11

2.2.2 変電設備の保守 ... 13

2.2.3 地中電線路の保守 ... 15

第3章 電力設備に対する保全活動 ... 18

3.1 電力設備の信頼性 ... 18

3.1.1 設備のライフサイクル ... 18

3.1.2 設備保全(Asset Management) ... 20

3.1.3 故障・信頼性 ... 26

3.1.4 電力供給信頼度 ... 30

3.1.5 故障モードと故障メカニズム ... 31

3.2 設備保全モデルの提案 ... 36

3.2.1 設備単体保全モデル ... 37

3.2.2 企業保全モデル ... 47

3.2.3 企業保全モデルと設備単体保全モデルの統合 ... 57

第4章 設備更新コスト平準化問題の定式化と解法 ... 60

4.1 設備更新コストの平準化問題の定式化 ... 60

4.1.1 制約事項・前提条件の明確化 ... 61

4.1.2 定式化 ... 62

4.2 設備更新コスト平準化問題の解法(セットアップ付きナップサック問題) ... 70

4.2.1 セットアップ付きナップサック問題の厳密解法... 70

4.2.2 近似解法... 74

4.2.3 解法例 ... 77

4.3 大規模セットアップ付きナップサック問題の高速厳密解法 ... 78

4.3.1 概要 ... 78

4.3.2 セットアップ付きナップサック問題への定式化... 79

4.3.3 セットアップ付きナップサック問題の提案解法... 81

(3)

4.3.4 数値実験の結果 ... 90

第5章 二次式を活用した設備更新コスト平準化問題とその解法 ... 97

5.1 二次形式による設備更新コスト平準化問題の定式化 ... 98

5.2 設備更新コスト平準化問題の解法... 103

5.2.1 設備更新コスト平準化問題の定式化の基本形 ... 104

5.2.2 バイナリ二次計画問題の厳密解法 ... 105

5.2.3 バイナリ二次計画問題の近似解法 ... 107

5.2.4 タブーサーチによる制約付きバイナリ二次最適化問題の近似解法 ... 113

5.3 設備更新コスト平準化問題の提案解法に対する数値実験 ... 117

5.3.1 提案解法による数値実験 ... 117

5.3.2 設備更新コスト平準化問題に対する最適解の例示 ... 119

5.3.3 まとめ ... 125

5.4 設備保全コスト平準化への応用 ... 126

5.4.1 設備保全コスト平準化問題の定式化 ... 126

5.4.2 設備保全コスト平準化問題の解法について ... 129

5.4.3 定期点検を加えた設備保全コスト平準化問題 ... 130

第6章 結論 ... 135

6.1 成果 ... 135

6.2 今後の研究課題 ... 137

謝辞 ... 139

付録-1 研究業績一覧 ... 141

(4)

図表目次

図 2.1 東京電力の最大電力の推移 ... 9

図 2.2 変電所の変圧器の経年分布(東京電力2007年度末) ... 10

図 2.3 電力設備別事故率の推移(送電線路及び特別高圧配電線路) ... 11

図 2.4 電力設備別事故率の推移(高圧配電線路) ... 11

図 2.5 電力設備別事故率の推移(変電所) ... 12

図 2.6 電気事業者の設備別工事資金の推移 ... 12

図 2.7 変圧器に対する保全活動 ... 15

図 3.1 電力設備更新時期の総合的評価 ... 19

図 3.2 電力設備の保全管理体系 ... 21

図 3.3 保全方式の分類 ... 23

図 3.4 RCM の業務適用フロー ... 25

図 3.5 故障確率密度関数、信頼度関数、不信頼度関数の関係 ... 27

図 3.6 信頼度関数、不信頼度関数 ... 27

図 3.7 バスタブ曲線 ... 28

図 3.8 アデカシーとセキュリティ ... 30

図 3.9 FMEA手法 ... 32

図 3.10 油入変圧器の異常進展フロー(抜粋) [16] ... 35

図 3.11 連続的务化状態指標値と離散的状態群の関係 ... 41

図 3.12 故障率の推移 ... 42

図 3.13 务化ステージに対する保全活動開始時期 ... 43

図 3.14 設備単体保全モデルに関する保全活動抽出の流れ ... 45

図 3.15 設備単体保全モデル ... 46

図 3.16 並列システム ... 50

図 3.17 直列システム ... 50

図 3.18 影響度観点の階層構造化 ... 55

図 3.19 企業保全モデル ... 56

図 3.20 企業保全モデルと設備単体保全モデルの関係と統合化 ... 57

図 3.21 企業保全モデルと設備単体保全モデルの関係から最適化問題の導出へ ... 58

図 4.1 設備グループ ... 63

図 4.2 設備更新時期の経年グラフの作成イメージ ... 66

図 4.3 設備更新コスト平準化イメージ ... 66

図 4.4 定式化の考え方 ... 68

図 4.5 目的関数値と制約値との関係 ... 71

図 4.6 分枝限定法のイメージ ... 72

(5)

図 4.7 設備更新コスト平準化問題の近似解法方式 ... 76

図 4.8 木探索の流れ ... 86

図 5.1 電力系統の構成 ... 120

図 5.2 各設備の年度別故障率推移 ... 121

図 5.3 更新コストの推移 ... 122

図 5.4 電力供給支障の推移(集中更新の場合) ... 122

図 5.5 設備更新コスト平準化施策実施後の設備更新コストの年度推移 ... 123

図 5.6 設備更新コスト平準化施策実施後の電力供給支障(EENS)の年度推移 .. 124

図 5.7 各設備の年度別故障率推移(制約コスト=660) ... 124

図 5.8 各設備の年度別故障率推移(制約コスト=690) ... 125

(6)

図表目次

表 2-1 受変電設備の点検の種類 ... 14

表 2-2 CVケーブルの务化要因と务化形態 ... 16

表 3-1 寿命の種類 ... 19

表 3-2 設備管理の視点 ... 20

表 3-3 RCM事前準備事項 ... 25

表 3-4 故障プロセスの分類 ... 29

表 3-5 油入変圧器のFMEA(抜粋) ... 33

表 3-6 影響分類例 ... 33

表 3-7 故障原因別の故障確率/影響度 ... 34

表 4-1 数値例 -設備更新コストとリスク変化量 ... 77

表 4-2 数値例 -設備保全グループ ... 77

表 4-3 数値実験用の問題例群1(Uk[0.15、0.20]) ... 91

表 4-4 数値実験用の問題例群2(Uk[0.05、0.10]) ... 91

表 4-5 問題例群1の計算結果(Uk∈[0.15、0.20]) ... 93

表 4-6 問題例群2の計算結果(Uk∈[0.05、0.10]) ... 93

表 5-1 バイナリ二次計画問題の分枝限定法による実行結果 ... 107

表 5-2 無制約バイナリ二次計画問題の数値実験の結果 ... 113

表 5-3 制約付きバイナリ二次計画問題の数値実験の結果 ... 116

表 5-4 多設備更新計画モデルの数値実験の結果 ... 119

表 5-5 設備故障による電力供給支障量(MWh) ... 120

表 5-6 各設備のライフサイクルにわたる故障率推移想 ... 121

表 5-7 設備の更新コスト ... 121

表 5-8 コスト平準化に向けた制約コスト別設備更新時期 ... 123

表 6-1 開発アルゴリズムの特徴 ... 136

表 6-2 当研究の活用分野例 ... 138

(7)

第1章 序章

1.1 はじめに

電力会社は、膨大な電力設備を活用して、安定的に電力の供給を行っている。近年、東日 本大震災の影響、再生可能エネルギーの全量買取り制度の適用などによる再生可能エネル ギー導入機運の高まり、さらには、電力小売完全自由化や発送電分離の議論など、日本の 電力を取り巻く環境に変化をもたらす動きがさまざまな形で発生している。

日本におけるこれらの環境下で想定される今後の動向として、以下のような事象が発生す ると考えられる。

- 電力事業者の参入拡大

- 再生可能エネルギー等を含む分散可能電源の導入拡大 - 電力系統の運用・管理の透明性の確保

- 参入者が増えた場合に、その多くが電力系統へ接続することとなるが、その状 況下で電力供給の信頼性を維持する必要がある

- 電力供給支障リスクに対する需要家の関心の増大

これらの環境変化に対して、電力系統利用に関するルール設計、および、それに基づく日 常運用対応など、電力の安定供給に向けた対応がなされていくものと想定されるが、電力 系統の継続的な維持・管理に向けた計画的な保全対応の考慮も忘れてはならない。このよ うな外部環境の変化や制約に対し、電力供給の安定化に向けた電力設備の維持管理活動(=

保全活動)は、その供給信頼性維持に向け、最適保全コストの確保、保全技術の進展とそ れを担う技術者育成など、適切な設備保全政策のもとで、電力系統を構成する電力流通設 備(送電設備、変電所、および、配電設備など送配電設備を指す。以下、本論文で単に「設 備」として記載した場合、電力流通設備を指す)の維持・管理を、継続的に実施していか なければならない。

さらに、近年の電力設備に関する状況として、次のような観点もあげられる。

電力供給に必要となる設備導入は、経済状況と密接な関係を有しており、日本においては 高度経済成長期に電力需要が飛躍的に増大し、これにともなって大量の電力設備が新規導 入され、また、需要増に対応するため設備容量の増大化を図るなど、その設備の寿命を迎 える前に設備更新が発生する状況にあった。しかしながら、近年は電力需要の伸びが鈍化 しており、それに伴い、需要増による設備更新はほとんど行われず、その設備寿命まで利 用される状況が増加しており、この傾向は今後ますます強まると予想される。そのため、

電力設備に対する保全活動は、寿命に近い多くの設備を対象に信頼性維持をする必要があ り、したがって、設備の保全活動は、今後さらにその重要性が増大していくものと考えら れ、保全技術の高度化や保全運用の高度化が要求される状況にある。

このような中で、高度経済成長期に大量導入された設備は、今後、その寿命時期が更新時

(8)

期と予想されるため、数十年後には、一斉に更新時期を迎える状況にあると言える。一方、

電力会社では自由化への対応などから電力供給コストの低減に向け、効率的な設備保全活 動が求められている。また、企業の経営的観点からも、ある期間に集中した設備更新によ る保全費用の突出は避ける必要がある。ただし、このとき、設備の更新延長によって供給 信頼性を損なうことがあってはならない。

このように、設備保全計画業務では、供給信頼性を維持することを前提に、年度毎の電力 設備更新費用を平準化することが今後に向けた課題になる。このような設備保全活動のコ ストを平準化に向けた課題を、本論文では、「設備保全コスト平準化問題」と呼ぶ。特に、

保全コストのうち、更新コストに焦点を当てた平準化問題を、「設備更新コスト平準化問 題」と呼ぶ。

このような背景から、本研究は、その題目を「保全コスト平準化に向けた電力設備の更新 順位付け最適化手法の開発に関する研究」とし、「設備保全コスト平準化問題」、および、「設 備更新コスト平準化問題」のために、設備の更新時期を決定する最適解の導出を行う研究 を実施した。

1.2 本研究の目的とその位置づけ

本研究では、前述したように、「設備保全コスト平準化問題」、および、「設備更新コスト 平準化問題」を中心テーマとする。このテーマに対し、さまざまな最適解法に関する研究 を行う。

まず、上記テーマを取り扱う目的を記載する。今後、低成長期が継続する場合、設備を寿 命まで使う保全運用が主流となることが想定され、ますます保全活動の重要性が増してい くことが想定される。このような中、高度成長期に新規導入された設備は、上記「平準化」

といった考慮がなければ、その寿命時期に高度成長期と同量の設備更新を行うことになる。

しかしながら、ある時期に集中して多くの設備更新作業が発生すると、それに関わる要員 の確保・育成に向けて多くの人的資源・コストの投入が必要となり、また、その集中的な 設備更新作業が完了すると人員余りが生じることになる。これらの事象を避けるためにも、

毎年の保全活動量、すなわち、保全コストをなるべく平準化される必要がある。この平準 化に向け、信頼性の維持を踏まえつつ保全活動の計画策定を行うことがテーマの目的であ る。

なお、上記問題の解法研究を行うにあたり、電力流通設備を取り巻く環境、および、その 信頼性を維持するための保全活動について、基盤となる考え方を整理する必要がある。そ の理由は以下のとおりである。

電力流通設備は、電力系統内に配置された設備であり、相互の設備が連携して、電力系統 の持つ役割である電力の安定供給を実現しなければならない。このような電力供給の信頼 性を継続的に維持の実現にあたって、その信頼性を電力系統といったシステム全体視点で

(9)

評価する観点が必要であると同時に、電力系統を電力流通設備の複合体として捉え、それ を構成する個々の電力流通設備に対する信頼性を、計画的な保全活動により維持していく、

といった個々の設備の信頼性を評価する観点も必要である。保全活動に対するこの2つの 評価観点の関係を明確化することは、保全活動の選定などの観点から重要である。電力系 統の電力供給機能の維持の目的に向けて、個々の電力流通設備に対する信頼性維持のため の保全活動は重要である。しかしながら、電力系統の構成におけるその設備の配置により、

その設備が故障が発生した場合の供給支障の大きさ・影響が決まり、電力系統における設 備の重要性が決定される。したがって、保全活動の対象設備の選定や活動内容については、

設備単体の信頼度のみで決定されるものではなく、電力系統の観点から得られるこのよう な重要性などを踏まえ決定されるべきである。このように、電力系統の信頼性の維持・管 理を実現する上では、それを構成する個々の設備と電力系統全体が実現する機能との関係 を踏まえることは重要である。

また、このシステム全体観点で見る場合、設備保全活動は、設備の重要性のような系統構 成に関わる制約以外にも、電力会社の経済的状況、各種資源制約などの環境に影響を受け ることが多く、これら保全活動におけるさまざまな制約事項も合わせて考慮に入れて設備 保全計画の策定を行う必要がある。

電力流通設備の保全活動においては、それが電力系統の一部であるがゆえに、設備停止を 伴う保全活動により電力供給支障の発生の可能性があり、このような保全活動に伴う計画 的な停電、すなわち、計画停電をなるべく回避して保全活動の計画策定を行う必要がある。

また、電力会社もその企業活動の一環で保全活動を行っているため、経営環境的な制約も 発生する。経営環境的な制約として、第一に保全コストが挙げられる。保全コストは経済 状況や企業の行かれた環境などの影響を受ける。そのため、保全活動にあたって、保全コ ストの制約は、企業経営から受ける制約といし、大きな位置を占める。さらに、経営環境 制約として、人的資源の問題がある。設備保全活動に携わる人的資源は限られており、保 全活動量の増減に応じて技術力を持つ人的資源の確保量の増減を行うことはできない。こ のようなさまざまな制約環境下で信頼性維持を実現するために、個々の設備の保全活動と これらの制約の関係を明確化して捉える必要がある。

このように、保全活動を取り巻くさまざまな環境を踏まえ、さまざまな制約条件のもとに、

信頼性維持といった目的を実現する設備保全活動計画の策定を行う必要があり、その前段 で、これら設備を取り巻く環境についての整理を行う必要があると考える。

今回のテーマである「設備保全コスト平準化問題」、および、「設備更新コスト平準化問題」

も、上記のような考え方を踏まえて捉える必要がある。

本研究では、保全活動に関する整理を行うにあたって、今後、その重要性が高まる中、さ らに、高度化した保全活動が行われるべきである、との立場で以下の取り組みを目指す。

電力系統内設備の維持管理する上では、個々の設備に関するプロファイル情報や保全履歴

(10)

情報など、さまざまな情報を活用することで、効率的、かつ、維持活動に対する信頼性の 向上に役立てることができる。これらの保全にかかわる情報を、情報システムを活用して、

管理・維持し、また、集積された情報を活用して分析が行われ、戦略的な設備保全計画を 立案・策定することが一般的になっている。一般に「アセットマネジメント」と呼ばれる 分野である。このような管理的側面を精度よく実施することが保全活動の高度化につなが ることは言うまでもない。しかしながら、さらなる高度化を目指すにあたっては、保全活 動の質の向上が目指されるべきである。保全活動の前提となる個々の設備に対するライフ サイクルにわたる状態を詳細に捉え、その务化プロセスやメカニズムの解明ができれば、

設備保全の信頼性が飛躍的に向上すると思われる。原子力発電設備に対する保全活動では、

このような考え方を取り入れた保全プログラムをもとに、その保全活動が実施されている [8]。同様の考え方に基づく保全活動を実施していくにあたっては、設備に関する研究の進 展とともに、現場で、どのようにその保全活動を取り入れていくかについての議論が必要 であるが、設備の务化プロセスやメカニズムの解明に向けた研究は、変圧器などを含め、

多くの研究がなされている状況にある。そのため、個々の設備に対する保全活動の記載に あたっては、このような観点を踏まえ、前提にすることによって、設備保全の高度化に向 けた取り組みを目指すことができると考える。

以上のような考え方の視点に立ち、保全活動に関わるさまざまな環境を捉えた上で、「設 備保全コスト平準化問題」および、「設備更新コスト平準化問題」の最適解法の研究を行う 必要がある。

以上から、本研究では、個別テーマとして、以下のテーマを設定するものとする。

テーマ1 :「電力流通設備の保全モデル」

電力流通設備の保全活動を可視化するために、各設備としての最適な保 全活動のモデルを明確化するとともに、電力会社を取り巻く環境視点か ら、保全活動を捉えた場合に考慮されるべき、全社的な保全方針や、電 力系統構成や電力会社の保全活動を取り巻くさまざまな環境・制約条件 を捉え、どのような環境下で、保全活動がなされるかについての環境モ デルを明確にする必要がある。これらのモデルの開発を行う。

テーマ2 :「設備更新コストの平準化」

高度成長期に大量に導入された電力流通設備に対し、その老朽化に対 する設備更新を行うにあたり、電力系統の信頼性を維持しつつ、設備更 新コストを平準化することを考慮に入れ、各設備の最適な更新時期を決 定する問題に対し、上記の保全モデルを前提に、その最適解を導く複数 のアルゴリズムを開発する。

(11)

テーマ3 :「電力流通設備の保全モデルを活用した設備保全コスト平準化問題」

設備保全活動を、単に設備更新のみにとどまらず、設備保全コストへ拡 張する。

テーマ1では、本研究の目的である「設備保全コスト平準化問題」を行うにあたり、電力 流通設備に対する保全活動についての研究を行うものである。本論文では、各設備自身に 対する务化プロセスなどに関する研究成果を踏まえ、個々の保全活動の内容・タイミング の決定を行うための手段を設備保全モデルとして捉えるとともに、電力会社の経営状況や 電力系統を取り巻く環境制約がどのように保全活動に関連するかを明示した企業保全モデ ルを開発することによって、「設備保全コスト平準化問題」の定式化に活用可能なモデルを 提供するものである。

テーマ2では、上記テーマ1を活用し、いくつかのパターンで「設備更新コスト平準化問 題」の定式化を行い、その解法までを示すことによって、テーマ1の保全モデルの応用性 を示すことをテーマの目的の1つとする。また、さらなる目的として、定式化された「設 備更新コスト平準化問題」に対し、数理計画法を活用して、実利用性や電力系統上に属す る大量の電力流通設備が存在することを想定して、問題の大規模設備への対応や、高速解 法への対応方式についての研究を実施する。

さらに、テーマ3では、テーマ2の拡張として、「設備更新コスト平準化問題」から、「設 備保全コスト平準化問題」への拡張性に関する研究を行うものである。

なお、設備更新コスト平準化問題は、電力流通設備の保全課題として取り上げられており、

その解決に向けた取り組みとしては、文献[1-5]で研究成果が挙げられている。また、同様 に設備に対する保全コスト平準化にかかわる研究は他業種でも行われており、文献[6-7]で は、橋梁、および、河川設備に対し、設備更新コストの平準化問題を取り上げている。し かしながら、他業種における保全コスト平準化問題は、電力系統といったシステム内にお ける設備間の相互関連性の考慮がなされてはいないため、電力流通設備を対象とすること によって、設備間の相互関連性の考慮をしていることが本論文の1つの特徴である。

また、文献[3]では、電力流通設備を対象とした「設備更新コスト平準化問題」を、コス ト制約問題として捉えるとともに、設備更新コストの最小化問題として定式化されており、

その解法を提供している。これに対し、当論文では、保全構造を保全モデルとして明らか にするとともに、それを活用して、設備更新コスト平準化制約が設定された場合に、その コスト制約範囲で、電力系統における信頼性の最大化問題を目指す形で定式化を行ってお り、また、その解法提示を行っている。さらに、大規模解法に関する研究を行った成果を 提示する。

(12)

1.3 本論文の構成について

以上に述べた概要に基づき、以降の章では、次の構成で記述を行う。

第2章 日本における電力設備の状況

本章では、本研究テーマである「設備保全コスト平準化問題」を扱うにあたり、日本 における現状の電力設備構成がどのような状況にあるかについて概観し、問題を捉え るものとする。

また、第3章以降で電力流通設備の保全活動について触れるため、電力流通設備の保 全状況について概観する。

第3章 電力設備に対する保全活動

本章では、テーマ1に関連する電力流通設備に関わる2つの保全モデルとその関係に ついての記述を行う。1つは、「設備単体保全モデル」であり、電力流通設備の個々の 設備を対象とした場合の保全活動内容、および、そのタイミングを決定するためのモ デルである。設備のライフサイクルのモデルを务化プロセスを踏まえて捉え、その务 化メカニズムを踏まえた保全活動の計画策定に寄与するものである。また、もう1は、

この「設備単体保全モデル」に相対する位置づけとして、その保全活動を担う電力会 社の経営的立場やそれを取り巻く環境から生じる、企業の保全方針や各種制約事項を 整理した「企業保全モデル」である。「企業保全モデル」は、保全コスト、各種資源(リ ソース)を始めとする保全活動に対する各種制約事項、および、保全活動を取り巻く 電力系統の構成などの環境要因を整理し、保全活動への関連・影響を持つかについて まとめたものである。

第4章 設備更新コスト平準化問題の定式化と解法

本章では、テーマ2に対する線形計画法を活用した定式化、および、解法の記述を行 う。第3章で定義を行った保全モデルを活用して、「設備更新コスト平準化問題」を定 式化する。その上で、その解法に関する研究を行う。

また、「設備更新コスト平準化問題」の解法で活用されるセットアップ付きナップサ ック問題に対し、その大規模設備数に対する高速解法アルゴリズムを開発した。この アルゴリズムの検証結果では、100万変数に対して数秒といった大規模高速解法を提供 できることを確認した。そのため、設備更新コスト平準化問題への応用により、数万 設備に対する数十年間程度の規模の問題に対しても、高速に解くことができる。

第5章 二次式を活用した設備更新コスト平準化問題の定式化と解法

本章では、テーマ2に対して、第3章で定義を行った保全モデルを活用して、二次式 を利用し、「設備更新コスト平準化問題」の定式化、および、解法の記述を行う。その

(13)

定式化にあたっては、さまざまな制約条件を付加されることを想定した。そのため、

解法に関しても拡張性を有するタブーサーチを活用した。その解法にあたっては、問 題定式化の基本形を、二次計画問題として表し、それをタブーサーチを改良したアル ゴリズムを開発して、大規模、かつ、高速に解くことができることを検証した。なお、

当解法がこの二次計画問題の厳密解法と比べて、大規模、高速に解くことができるこ とを比較して検証もおこなった。その上で、二次式を含めたさまざまな制約条件に対 しても、同様解法の活用ができることを示した。

また、本章では、テーマ3への拡張についての記述も行っている。二次式を利用し、

「設備更新コスト平準化問題」の定式化内容を、「設備保全コスト平準化問題」へ拡張 を行った。また、その解法は、本章の「設備更新コスト平準化問題」に対する解法アル ゴリズムに対し、その解法プロセスの拡張により「設備保全コスト平準化問題」への対 応ができることを示す。

第6章 結論

最後のまとめとして、本研究で得られた知見、ならびに、今後の課題を明らかにした。

(14)

参考文献

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第2章 日本における電力設備の状況

電力は、発電設備を有する発電所から、電力流通設備を経て、需要家の負荷に至るまでの 各要素が、相互に密接に関連を持った電力系統を介し、需要家へ供給されている。電力は、

その大量貯蔵が困難であり、その供給と消費を同量で同時にバランスさせなければならな いという特性を有している。しかも、多種多様な需要家のニーズを反映しつつ、社会イン フラとしてその供給停止は多大なる影響を及ぼす可能性を持つ。

電力系統は、電力の供給信頼性を維持しつつ運用を継続するために必要な、保護・制御・

監視・通信設備などを含み、諸施設を備えている。電力会社は、これらの設備を運用する ことによって、目標とする電力供給のサービスレベルを確保し、時々刻々と変化する需要 要求に対し、設備を最大限活かし、電力の安定供給、かつ、効率運用を実現している企業 体である。

本章では、本論文の研究テーマである「設備保全コストの平準化問題」に関連する電力流 通設備の現状についての調査・整理を行う。2.1章では、日本の電力流通設備の老朽化状況 について示し、また、2.2章では、電力流通設備の保全活動に関する考察を行う。

2.1 日本の電力流通設備の老朽化状況

電力系統のシステム拡充の歴史を振り返ると、電力需要の増加に対し、電源設備の増強 とともに、送電系統電圧の昇圧を行いながら、送電系統の設備増強がなされてきた。また、

近年は、その電力需要の伸びが鈍化している。これらは、図 2.1 の東京電力の最大電力の 時系列推移により、読み取ることができる。[1]

図 2.1 東京電力の最大電力の推移

出典:[1],[5]

(16)

日本の電力流通設備は、1960年代から70年代の高度成長期、および、1990年前後の平 成バブル期に大量に建設されたものが多く、これらが近い将来更新時期を迎えることとな る。[1]

図 2.2 変電所の変圧器の経年分布(東京電力2007年度末)

図 2.1、および、図 2.2を比較して、電力需要の伸びと電力設備の新規導入に関し、相関 があることがわかる。すなわち、図 2.1で電力需要の増加率(グラフでは需要変化の傾き)

が増大する時期に、図 2.2で設備の新設導入が増加している傾向であることがわかる。

また、図 2.1、および、図 2.2のグラフから、近年の需要の伸び、および、設備の新設導 入の量が尐ない状況にあることがわかる。これは、近年の低成長期では新設導入が尐なく、

そのため、現状の状況が継続すれば、高度成長期のように、設備の寿命前に、電力需要増 に対応して設備容量を増強する設備更新が発生するような事象が尐ないため、設備を寿命 まで使い切ることが多くなることを示している。そのため、今後、設備保全がさらに重要 な役割を担うこととなり、設備保全の高度化が必要性となることが分かる。

今回、本研究のテーマに設定した「設備更新コスト平準化問題」は、図 2.2のように、高 度成長期に導入された設備が、その寿命まで利活用された場合、その寿命時期に、設備導 入時期と同様量の設備更新が発生することが想定されるが、コスト・人的資源の制約によ り、保全活動量の平準化を行う必要があることから問題設定されている。したがって、図 2.2 は設備台数でグラフが生成されているが、縦軸をコストとしたときに、同様のグラフが想 定され、そのグラフの山をどのように平準化するかがテーマ課題と認識することができる。

出典:[1]

(17)

2.2 電力流通設備の保全について

ここでは、現行の保全活動の状況について記述を行う。

以下に、いくつかの電力流通設備に対する保全関連の情報について概観することで、今後 の設備保全活動の高度化に向けた方向性について記述を行う。

2.2.1

電力流通設備の故障状況

日本における各電力設備の故障状況を、種別別に、図 2.3、図 2.4、図 2.5に示す。[6]

図 2.3 電力設備別事故率の推移(送電線路及び特別高圧配電線路)

図 2.4 電力設備別事故率の推移(高圧配電線路)

[出所]電力保安統計(H14 年度電気事故統計)

[出所]電力保安統計(H14 年度電気事故統計)

(18)

図 2.5 電力設備別事故率の推移(変電所)

これらのグラフからわかる通り、設備故障は、設備保守の不備と、雷などの外部環境・自 然現象による故障がその主たる故障原因を占めている。外部環境・自然現象における主た る原因は、雷、暴風雤、および、地震であり、電気設備が外部にさらされて設置されてい ることで、直接自然現象の影響を受けることによるものが多い。また、これまでは、設備 の故障発生前に、定期的に点検・保守を行うTBM(Time Based Maintenance)方式を採用し ていることが多く、そのため、設備不良・故障となるケースが尐ない状況と考えられる。

図 2.6 電気事業者の設備別工事資金の推移 0

10,000 20,000 30,000 40,000 50,000

[出所]電力保安統計(H14 年度電気事故統計)

電源拡充工事 送配電拡充工事 改良工事 その他(給電・

原子力燃料他)

総計

[出典]電力事業連合会 電力統計情報

(19)

なお、最近では、設備の状態を監視しつつ、状態に応じた点検・保守を行うCBM(Condition Based Maintenance)や事後保全の考え方が取り入れられるようになっている[2]。

また、図 2.6は、日本の電力会社の設備投資額の年度推移を表している。1993年度をピー クの後は、景気低迷等により、設備の新設(拡張工事)が激減したこと、および、保全コ ストの削減に向け、上記の保全方式の改善を含めた各電力会社の改善活動に伴い、投資額 が低下してきた。近年は、ほぼ一定水準を維持している状況にある。

今後も、さらなる設備の延命化など、保全コストの投資低減を目指した保全活動が継続す ると想定される。そのためには、信頼性の維持をしつつ、さらなる保全活動の高度化・効 率化が要求されることが想定される。

電力流通設備を取り巻く環境として、近年の動きの主たるものとして、電力自由化が挙げ られる。これまで、一般電気事業者である電力会社が、発電・送配電の設備を所有し、電 力供給の責任を担っていたが、1990年代から順次、発電分野と一部の小売分野に関して自 由化がなされた。また、現在も、小売の完全自由化に対し、議論がされているとともに、

電力会社の発送電分離の議論も合わせて行われている。このような環境変化により、電力 系統に対しては、その保全計画やその運用について、公平性・透明性が求められている。

保全活動計画の策定にあたっては、策定内容に対する説明責任を求められる状況になるた め、保全活動計画策定にあたって、判断基準となるべき保全方針や保全活動実施における 前提条件を明確化するとともに、その保全計画の実施にあたっての保全記録の蓄積など、

効率的な実施に向けての施策が必要となると想定される。

ここまでは、電力設備全体に関わる保全活動について概観した。以下では、個々の設備に 関する保全活動の状況について記述を行う。その対象として、変電設備、および、地中電 線を概観する。

2.2.2

変電設備の保守

変電設備には、電圧を変成する設備で、遮断器、開閉器、変圧器、保護装置などが含まれ る。代表的な設備として、変圧器を選定し、現状の保守方式について以下に記述を行う。

なお、変圧器は、その絶縁の種類により、油入変圧器、ガス変圧器、モールド変圧器など に分類されるが、ここでは、油入変圧器を例に記述する。

変電設備の点検作業は、設備機器を停止することなく人間の五感や計測機器・センサーを 利用して行うオンライン点検と、設備機器を停止して行うオフライン点検に大別される。

これらが、設備ごとに定められた保守基準に基づき実施されている(表 2-1参照)。ただし、

設備に対する点検項目については、他社を含めた障害発生内容の把握に努め、同機種や同 構造の機器の障害発生部位に対する点検項目を取り入れる、また、新保全方式や新技術の 観点から、点検活動の高度化を図る取り組みも重要である。

(20)

点検の種類 点検方式 概要

巡視点検 オンライン点検 日常のチェックポイントを定期的に巡視して、点検を行う。

定期点検 普通点検 オフライン点検 機器を停止し、主要機能を点検・動作試験を行うとと もに、各部の調整・手入れを行う。

精密点検 オフライン点検 機器を停止し、分解整備、部品の交換のほか、各種測 定・試験を総合的に実施。

臨時点検 随時 設備の以上の兆候が認められた場合に、異常の有無を 判定し、必要な場合に点検修理を行う。

表 2-1 受変電設備の点検の種類

変圧器の巡視点検では、五感、計測器等による日常のチェックポイント内容の確認ととも に、計測器のデータ値のトレンド管理など、状態変化や異常兆候の有無を確認する。実施 にあたっては、その原理・構造・特性を踏まえた知識と、それを踏まえ、点検における差 異・異常兆候の抽出可否が重要になる。

定期点検は、主要機能を点検・動作試験を行うとともに、各部の調整・手入れを行うもの と、オーバーホールと呼ばれる分解整備、部品交換を伴うものとに分類される。定期点検 における点検項目は、その部位毎の务化プロセスや务化メカニズムが分かっている場合、

それを反映させ、务化の状態を診断する項目とすれば効果的な点検となる。また、機器の 構を構成する部品の特性を踏まえ、調整・手入れや保全内容を選定することで、効率的な 保全が実現できる。調整・手入れ、または、部品交換により機能回復が図れる部位には、

定期的な調整・手入れ、または、部品交換を実施する必要があり、务化により回復が不可 能な部品の場合は、その务化状況を監視し、適切な延命措置を図るなどの対応が必要であ る。

変圧器は、巻線、鉄芯からなる本体と、ブッシング、冷却装置、タップ切換器、計器、リ レーなどの付属機器から構成される。変圧器を構成している本体部品のうち、経年务化が 主に認められるのは絶縁油や絶縁紙(巻線)などである。

変圧器に対し一定の負荷をかけて運転すると、内部で発生する損失のため、その温度が上 昇する。やがて、発生する熱と放散する熱とバランスするが、その温度が高くなりすぎる と、絶縁材料の务化を早めたり焼損する可能性がある。これを熱的务化という。巻線の絶 縁紙は熱的务化等が進行すると、突入電流や外部短絡時に発生する電磁力による機械的ス トレスによって亀裂や損壊が発生し、絶縁破壊する可能性が増大する。こうした状態が変 圧器の寿命と考えられる。経年务化が認められる絶縁油や絶縁紙に対する务化プロセスと その保守対応内容について図 2.7[7]にて概観する。

この他、部分放電などによる電気的务化や、熱応力や振動などによる応力务化、吸湿、汚 損などによる腐食やや発錆などの環境的务化などがある。これらの务化により、絶縁性能 の务化や動作不良・誤動作などの変圧器の運転障害が発生する可能性もある。このように 油入変圧器の务化メカニズムはほぼ解明されており,絶縁油に溶け出した务化生成物を分

(21)

析することにより診断が実施されている。

図 2.7 変圧器に対する保全活動

設備の部位毎に、务化原因が特定でき、その务化のメカニズムや進展度合いが診断できれ ば、設備の状態把握が可能となり、また、その状態における適切な保全作業を実施するこ とができる。そのためにも、各機器の务化プロセスの研究が必要であるが、既存の発生故 障の解析や設備の务化データの集積を行うことで、务化原因やそのメカニズムの解明、お よび、その診断技術の発展に向けた取り組みが行われている[4]。

設備各部位の故障モードやその故障発生までのメカニズムの特定とともに、その進展度合 いを計測する技術の高度化がなされれば、運転中の設備の状況を計測・監視し、その結果 に基づいて計画的に、かつ、効率的に保全を行うことができ、設備故障の発生を未然に防 止し、使用可能状態を維持することができる。

2.2.3

地中電線路の保守

都市景観、安全で快適な通行空間の確保、および、都市防災機能の向上などの利点から送 電設備の地中化が行われてきた。現在、地中化率は全国大で約 14%であり、都市部、およ び、幹線道路での地中化率が高く、東京都 23 区内では約 92%となっている[5]。

経済の発展に伴う電力需要の急激な増加とともに、地中送電線路の高電圧化が進んでおり、

社会インフラとしての重要性が増しているが、近年、最大電力の伸びの鈍化からコストの かかる地中送電線路の建設が抑制され、既存設備の長期使用を図るため、务化診断を含め

絶縁油の劣化

電気的劣化・環境的劣化・熱的劣化

絶縁耐力の低下 巻線(絶縁紙)の劣化

電気的劣化・環境的劣化・熱的劣化

絶縁性能の低下

ブッシングの劣化 ガスケットの劣化

機械的強度の低下

絶縁耐力の低下 巻線締付部の緩み

絶縁破壊

絶縁破壊

圧縮復元低下 密封破れ 絶縁耐力低下

絶縁破壊

・シール不良・ひずみ

・漏油

・吸湿

・破損 発

生 事 象

【点検事象】

・目視

・圧縮ひずみ率測定

【修理・アクション】

・取替

・修理 保

・分解ガス発生

・部分放電

・電圧低下

・過熱 発

生 事 象

【点検事象】

・酸価 ・絶縁破壊電圧

・油中成分・油温 ・帯電度

【修理・アクション】

・取替

・修理 保

・分解ガス発生

・引張強度低下

・電圧異常

・過熱 発 生 事 象

【点検事象】

・引張強度(平均重合度)

・漏れ電流 ・絶縁抵抗

・油中ガス分析

【修理・アクション】

・取替 保 守

(22)

た保全技術への関心が高まっている。

地中電線路は電力ケーブル(以下、ケーブルという)とそれを収納する管路、洞道、トラフ などの防護建造物からなっている。大部分が地下に埋設されているため、目視点検が可能 な部分はごく限られており、保守のためには、ケーブルの埋設位置が正確にわからなけれ ばならず、周囲環境の変化を含め、常に、正確な図面を作成し、最新化することが地中線 保守管理の基礎事項となる。

代表的な設備として、高圧CVケーブルを選定し、その保守に関する記述を行う。

ケーブル事故の過半が、損傷と水トリー(ケーブル絶縁体周辺に水が存在し、局部的な電 解集中が原因で、絶縁体内に樹脂状(treeトリー状)に進展する絶縁务化現象)が原因で占め ている。このため、保守活動の中心は、線路巡視を含めた点検活動、および、工事立ち会 いなどがその多くを占めており、定期的に、ケーブル特性試験や絶縁抵抗の測定や部分放 電特性試験などの保全活動が行われている。

CVケーブルの务化要因を表 2-2 [4]のように、5つに分類することができる。CVケーブ ルの主な絶縁务化このうち、水トリー务化は、事故の大きな割合を占めている[4]。水トリ ーは、電気的务化に分類されるが、同じ電気的务化である電気トリー务化と比較して、低 電界でも発生し、ケーブルの絶縁性能を大きく低下させる。さらに、水トリーが伸び、絶 縁体を橋絡(内部半導電層と外部半導電層とをつなぐ)した場合、低電圧の高圧ケーブル は運転電圧ですぐに絶縁破壊に至ることはないが、特高ケーブルの場合、運転電圧で絶縁 破壊が起こることがある。そのため、水トリーによる絶縁务化の診断技術は重要であり、

さまざまな試験法が開発されている。近年では、その試験を活栓状態でできる技術も普及 しつつあり、保全活動のコスト低減、作業簡易化に寄与している。現在も、务化診断に向 けて多くの研究がなされているが、さらなる务化診断技術の研究が期待される。

分 別 劣 化 要 因 劣 化 形 態 電気的劣化 運転電圧過電圧

サージ電圧 直流電圧

・ 部分放電劣化

・ 電気トリー劣化

・ 水トリー劣化 熱的劣化 異常温度上昇

熱伸縮など

・ 熱劣化

・ 機械的損傷、変形 化学的劣化 油、化学薬品など ・ シースの膨潤

・ 腐食

・ 化学的トリー劣化 機械的劣化 外傷、衝撃・側圧異常など ・ 機械的損傷、変形など 生物学的劣化 動植物による食害、孔食など ・ 蟻害、鼠害など

表 2-2 CVケーブルの务化要因と务化形態

(23)

参考文献

[1] 矢部邦明,”信頼度を考慮した投資レベルと工事優先度評価”,IEEJ Jouranal,Vol.130

No.2,2010

[2] 田中秀昭,”変電設備アセットマネジメントのための数理計画法を用いた意思決定試験ツ ールに関する研究”,早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科博士学位論文,2010 [3] ”高経年期を迎える電力流通設備の円滑な取替えに備えて~高度成長期に建設された設

備のアセットマネジメント~”, 電気共同研究、第63巻第5号, 2008 [4] 河村達雄、田中祀捷、”電気設備の診断技術”、電気学会、1988

[5] “平成24年度 数表でみる東京電力”、東京電力株式会社、2012

[6] “平成 14 年度電気保安統計(電気事故統計)”, 総務省統計局(資源エネルギー庁),2009,

(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=00000 1019427&cycleCode=0&requestSender=estat)

[7] “変圧設備に関する保全方法について”, 中部電力株式会社, 電気主任技術者研修会,

2010

(24)

第3章 電力設備に対する保全活動

本研究テーマである「設備更新コスト平準化問題」を議論する上で、電力設備の保全活動 に関する整理を行う必要がある。本章では、電力設備に対する保全活動に関わる既存の研 究成果を概観した上で、電力設備の保全活動の整理を目的に、「保全モデル」の定義、考え 方の提示を行う。

保全モデルは2つのモデルから構成される。そのモデルの1つは、設備個々の保全活動を モデル化したものであり、「設備単体保全モデル(Asset Maintenance Model)」と呼ぶ。も う1つは、企業経営観点からの方針や制約、および、電力系統の構造上の制約をモデル化 したものであり、「企業保全モデル(Enterprise Maintenance Model)」と呼ぶ。本章では、

設備保全計画に関する個々の設備と企業の保全方針との間にコンフリクトが発生する問題 を扱う場合、この2つの保全モデルの関係をもとに、それぞれから提供される情報を活用 した最適化問題への定式化手順を提示する。これにより、これらの保全モデルを活用して、

保全活動に関する方針・意思決定を相互で調整し、最適な保全活動を選択することができ る。

以上より、本章では、3.1 章にて、設備保全に関する一般的理論を鳥瞰し、3.2 章にて、「設 備単体保全モデル」、「企業保全モデル」の提案を行い、2つのモデル間の関係を明確にす るものとする。

3.1 電力設備の信頼性

設備とは、アセットマネジメントの標準であるPublicly Available Specification (PAS) 55 [1]によると以下のように定義されている。

“Plant, machinery, property, buildings, vehicles and other items and related systems that have a distinct and quantifiable business function and service”

すなわち、その設備及び関連するシステムの機能やサービスを提供することによって、そ の設備の価値が発揮されていることを踏まえ、価値を提供するアイテム(item)を設備と 呼んでいる。ただし、ここでのアイテムとは、システム、サブシステム、機器、装置、構 成品、部品、要素などの総称である。

本論文では、電力流通設備を主に扱うが、この章では、電力流通設備の信頼性についての 既存研究の整理を行う。

3.1.1

設備のライフサイクル

設備のライフサイクルに対する考察を行う。この考察に先立ち、「寿命」に関する定義は、

重要である。設備の寿命とは、その設備が実際に使われ始めてから廃棄するまでの時間を いう。しかしながら、設備の寿命は、設備自身、および、設備が置かれた環境により異な る。その種類を表 3-1にまとめる。

(25)

寿命の種類 内容

物理的寿命 設備の性能低下、例えば、設備の务化や自然災害によって、期待する 機能・性能を満たさなくなる場合を想定して交換されるまでの寿命。

社会的寿命 社会環境の変化などによって要求される機能が変化し、それに対応で きずに使用が停止されるもの。

経済的寿命 技術の進歩や、社会的変化等を含めた設備の経済性評価を行った場合 に、新規設備への交換の方がライフサイクルコストが安価と考えられ る場合、その寿命を指す。

表 3-1 寿命の種類

経済的寿命に関わる設備のライフサイクルコスト(LCC: Life Cycle Cost)は、以下のように 算出される[11],[12]。

DC OC AC

LCC = + +

ここで、各変数は以下を表している。

AC(Acquisition Cost):取得コスト。研究開発費、設備購入費、導入費、訓練費を含む。

OC(Operating Cost):運用コスト。運転費(人件費、燃料費など)、保全費(人件費、

予備品費など)などを含む。

DC(Disposal Cost) :廃棄コスト。解体工事費、運搬費、処分費用などを含む。

図 3.1 電力設備更新時期の総合的評価 設備更新時期の総合的評価

物理的要因 経済的要因

社会的要因

安 全 性

(事 故

・災 害 防 止

省 エネ

・地 球 温 暖 化 防 止

公 害 防 止

・廃 棄 物 の処 理 等

都 市 計 画 に伴 う 地 中 線 化

地 域 需 要 増 によ る電 送 容 量 増 強

技 術 革 新

・新 製 品( 安 全 性

・生 産 性)

保 守 性

(運 用 コス ト)

本体

劣 化( 機 械 的

・電 気 的 側 面)

偶 発 故 障 自

然 災 害

・人 的 災 害

周 辺 機 器

点検 保守

点検 交換 経

営 資 源 制 約( 人

・燃 料 費

・経 営 状 況)

(26)

設備の寿命は、表 3-1で示した各種寿命時期を考慮に入れて決定されるため、設備の更新 時期は、それを踏まえて評価・決定される(図 3.1)[11]。したがって、単に、設備の务化 のみが設備更新の時期決定要因にはならない。本研究における「設備の保全コスト平準化 問題」は、経済的要因から算定される寿命と位置付けられる。

本論文では、設備故障の記述においては、特に記載がなければ、以降、寿命を物理的寿命 の意味で利用する。ただし、設備の社会的寿命、経済的寿命を含めて、設備保全を研究す ることが、本論文のテーマの1つであり、設備故障に焦点を絞る以外は、他の意味を含め た寿命を示すこととする。

3.1.2

設備保全(Asset Management)

設備管理(Asset Management)は、JIS Z8141にて、「設備の計画・設計・製作・調達か ら運用、保全をへて廃却・再利用に至るまで設備を効率的に活用するための管理」と定義 されている。すなわち、設備の一生涯の管理を意味している。また、狭義では、「設備の保 守・点検とそれに使用される工具や治具,及び測定器等の改善や標準化」を意味しており、

設備自身の管理に加え、保守・点検に使用されるさまざまな要素の管理、および、それを 実施する人的作業の管理などを含んでいる。そのため、設備管理を行うにあたって、表 3-2 で挙げた3つの視点を考慮する必要がある。

設備管理の視点 内容

技術的側面 設備の開発や活用を有効的にするための技術に関する側面

経済的側面 会社方針に基づき利益計画と調整のうえ,企業構造体質の強化,設備費 低減,経済性評価,原価目標との整合を図るための設備の金銭的価値や 管理に関する側面

人間的側面 設備に強い人作りや規律ある職場作りといった活力あふれる人間集団 の形成を行うため,方針と目標,組識と要員,人材育成,行動規範等に 関する側面

表 3-2 設備管理の視点

「設備保全」の定義は、「企業の永続的な経営を可能にし、経営者、従業員、顧客、株主 などの利害関係者の利益を最大にするために、プラントおよび設備の全ライフサイクル、

すなわち、①設計・製作、②調達、③施行・試運転、④運転、⑤検査・整備(補修を含む)、

⑥廃棄の各段階で期待される機能を保ち、それによって、サイト内・外のロス・リスク低 減に寄与する役割および組織的機能」とされる[2]。したがって、単に、設備に対する点 検・保守など、設備が务化して、要求性能が実現できなかったり、機能が停止する状態を なくするための調整や修復を行う活動のみではなく、設備保全に関わる活動は、経営的視 点をも含んだ設備管理に包含される活動といえる。設備の活用により、企業、または、事

(27)

業者が収益をあげることを前提とすれば、設備単体を対象とする設備保全のみを考慮する のではなく、設備管理の視点から、設備保全の活動を捉える必要がある。そのため、一般 には、企業・事業体の設備保全方針をもとにした設備保全が行われる。

当研究では、電力会社の保有する電力設備を対象にした「設備保全活動」を、単に、設備 の維持管理活動として捉えるのではなく、その活動が「企業経営」を踏まえた活動の1つ であり、そのための「最適な保全の仕組み」を追求する活動として位置づける。

3.1.2.1 電力設備に対する設備保全

電力会社の使命の1つとして、「電力の安定的供給」が挙げられる。それに向け、如何に 設備の機能喪失や务化を抑え、電力設備を安定的に機能を維持するかが、電力会社におけ る設備保全活動の目的の1つといえる。この実現に向けた活動には、保全戦略の立案、保 全計画の策定、保全の実行(付帯作業を含む)などが含まれる。設備の保全活動には、企 業・組織としての保全方針を核とした組織活動として捉えられる側面と、個々の設備に対 する保全活動といった2つの側面が考えられる。電力設備の場合、それらが電力系統とい うネットワーク内に配置されているため、1つの設備が故障した場合でも、他の設備のバ ックアップにより目標である「電力の安定的供給」を損なわないことができる。このよう に、電力設備の保全を捉えるためには、電力系統というネットワークの存在を考慮して「設 備保全活動」を考慮する必要がある。

図 3.2 電力設備の保全管理体系

これらを踏まえ、電力設備に対する設備保全を考慮するにあたり、その保全活動は図 3.2 のように、3つの活動に区分することができる[3]。

戦略的意思決定

- 信頼性指標評価 - 経済性指標評価

運用方針 保全方針

保全効果 中長期

保全計画 アセスメント

(設備状態)

短期保全計画

アセスメント

(故障)

作業管理 システム

中長期計画停電 スケジュール

短期計画停電 スケジュール 企業志向

設備志向 ネットワーク志向

(28)

- 設備指向(Asset Oriented)保全活動 - 企業指向(Enterprise Oriented)保全活動 - ネットワーク指向(Network Oriented)保全活動

設備指向保全活動は、個々の設備に対する保全活動を指す。これは、個々の設備が故障状 態(機能不全)となることにより、電力供給ができなくなることのないよう、個々の設備 に対する保全活動を計画的に実施するものである。一般的には、短期に計画される設備保 全活動(short-term maintenance schedule)と中長期にわたって計画される保全活動 (long-term maintenance schedule)が計画される。これらの活動を計画するにあたり、当 該設備の状態把握や故障兆候分析などの活動を行い、その結果をもとに最適な設備保全計 画が策定されることとなる。

また、ネットワーク指向保全活動は、設備の故障や設備に対する保全活動の発生にあたっ て、電力系統の目的である電力供給にどの程度の支障影響を与えるか、その影響リスクを 踏まえた上で、その軽減に向けた保全活動計画の策定を行い、実施することを指す。また、

電力系統上の制約を軽減するための最適な電力系統構成を実現するための計画策定も含ま れる。日本の電力系統では、N-1 基準、すなわち、「単一故障(変電所1バンク事故、送電 線1回線事故など)では電力供給への影響を与えない、また、運用においては稀頻度な事 故(変電所母線事故、送電線1ルート2回線事故など)でも広範囲停電を極力起こさない」、 とするポリシーを基に、電力系統が構成されている。そのため、ネットワーク志向保全活 動では、単一故障発生時の系統回線の電力供給予備力の見積もり、2回線事故などでの電 力供給支障量の見積もりなど、N-1 基準配下での故障に伴う電力供給信頼性に対する影響 度を算定した上で、影響度軽減に向けた保全計画策定を行い、その計画を実施する。

保全活動は、人、コスト等の資源をかけて信頼性を維持する活動である。企業経営の立場 から、最適な保全活動は、「電力の安定的供給」を実現するためにかかるコストや人的資源 を最小化することにある。企業としての立場では、これを実現するために保全活動を指揮・

統制・管理を行う必要がある。企業指向保全活動は、企業としてのこのような保全活動へ の戦略的意思決定を行う活動を指す。企業指向保全活動には、各設備の保全に関わる方針

(保全方式、設備毎の信頼度など)、毎年の保全コストの設定、保全作業者・スキル保有者 の育成方針など、保全活動資源を含めた保全戦略の立案や、そのコスト制約等から必要と なる保全対象設備の優先順位付け、および、保全活動内容やその実施タイミングの設定な どを行う最適な保全計画策定活動が例として挙げられる。

これらの3つの活動の関連を示した図 3.2を見るとわかる通り、これらの活動は、相互に 活動の制約的影響を与えながら関連し合っている。すなわち、設備個々の信頼性を高める ことで電力供給安定性は維持される確率を高めることができるが、その保全活動を実施す るためにあたり、企業経営観点からの資源的制約、および、電力系統など設備の置かれた 環境制約などを考慮して初めて、最適な設備保全活動の計画を策定することができる。

(29)

3.1.2.2 保全方式の分類

設備に対する保全活動を行う上で、いくつかの保全方式がある。ここでは、その分類につ いて、記述を行う。

なお、一般的には、各設備に対して、これらの保全方式を組み合わせて設備保全計画が策 定されており、柔軟な運用がなされている。大きな分類としては、予防保全(preventive maintenance)と事後保全(breakdown maintenance)に分類される。

予防保全は、故障発生による経済的損出やリスクを踏まえ、その設備の運用中に、故障を 未然に防止し、使用可能状態を維持するために計画的に行う保全を指す。予防保全には、

状態基準保全(condition based maintenance)、予知保全(predictive maintenance)、および、

時間基準保全(time based maintenance)がある。

状態基準保全は、設備の使用前、および、使用中の動作状態の確認、务化傾向の検出、故 障や欠陥の箇所の確認、故障に至る経過の記録などの目的で、ある時点における動作状態、

または、傾向を監視することで、異常の兆候がある場合には、修理などを行う保全方式を 指す。特に、設備の务化状態や性能の状態を基準として保全の時期を決定する保全方式を 予知保全と呼ぶ。これらはさらに、オンコンディション保全(on-condition maintenance)と モニタリング保全(monitoring maintenance)に分類される。

オンコンディション保全は、定期的に点検,試験を行って品質を確認し,不具合な箇所が あれば,部品交換,あるいは修理に適切な処置をとる方式であり、モニタリング保全は、

定期的な検査や手入れをせずに,随時モニタリングを行い、発生する不具合状態に関する 情報を解析・検討し,随時的確な処置をとってゆく方式を指す。

保全活動

予防保全

事後保全

状態基準保全 予知保全

時間基準保全

緊急保全 通常事後保全

定期保全 経時保全 修復保全

オンコンディション保全 モニタリング保全

(出典)保全性設計技術(日科技連) 図 3.3 保全方式の分類

時間基準保全は、あらかじめ計画した時間間隔によって行う保全方式を指す。これには、

機能を維持するために、設備の故障発生前に行う定期的な点検および保全作業を行う定期 保全、設備が予定の累積稼働時間に達したときに保全作業を行う経時保全、および、設備

図  2.5  電力設備別事故率の推移(変電所)
図  3.4  RCM の業務適用フロー  RCM では、表  3-3 で示す事前準備資料(以下、RCM パラメタと呼ぶ)のもとに、点検結 果等のデータの分析結果や、発生した課題事象に対する適切な保全活動を抽出する手順を 提供する。一般的に、保全コストの制約があるため、このように抽出された保全施策の実 施有無については、その保全施策を実施しない場合のリスク値を指標として、実施優先度 を付与することで、設備保全施策の対象が決定される。RCM では、これらの手順により一 定の信頼性維持を実現する。  RCM パ
図  3.5  故障確率密度関数、信頼度関数、不信頼度関数の関係  図  3.6  信頼度関数、不信頼度関数  また、一般に、故障率 λ (t) は、その故障発生期間に応じて 3 つの期間に分けて考えられる ことが多い。  寿命 t故障確率密度0t 動作時間 t信頼度・不信頼度0F(t)R(t)f(t)R(t)F(t)
表  3-5  油入変圧器のFMEA(抜粋)
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参照

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