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韓国自動車部品産業の現状と将来性の一考察 利用統計を見る 福岡大学機関リポジトリ C6204 0485

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Ⅰ は じ め に

本 稿 は,韓 国 自 動 車 部 品 産 業 の 現 状 を,世 界 乗 用 車 メ ー カ ー 年 鑑 (FOURIN)の公表資料に基づきながら分析・検討を試みるものである。ま た, 山外国語大学校にて平成24年3月∼26年3月 勤務し,その間学生と

韓国自動車部品産業の現状と

将来性の一考察

目 次 Ⅰ はじめに

!1 ルノーサムスン自動車工場見学 !2 蔚山自動車部品工場見学

Ⅱ 韓国自動車メーカーの現状 1.現代自グループ 2.起亜自グループ

Ⅲ 韓国自動車部品メーカーの現状 1.総合システムサプライヤー 2.エンジン・エンジン部品メーカー 3.駆動・伝動部品メーカー(駆動部品) 4.タイヤメーカー

5.伝動部品メーカー 6.制御部品メーカー

7.電装・照明/電子制御部品メーカー 8.電子・制御

9.シート・内装部品メーカー 10.外装部品・車体機構部品メーカー 11.車体材料メーカー

Ⅲ まとめ

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数箇所の工場見学を行った。見学した中で,代表的な部品メーカーを紹介 する。

!1 ルノーサムスン自動車工場見学

平成24年8月23日(木)ルノーサムスン自動車工場見学を学生3人と行っ た。工場内には,カルロス・ゴーン氏の写真などが飾られており,先月の報 道を裏付けるものが各所にあった。同年7月20日,ルノー/日産アライアン スは韓国のルノーサムスン自動車(RSM)に1億6,000万ド ル(約125億 6,000万円)を投資支援すると発表した。同時に平成26年からルノーサムス ン自動車の 山工場に日産「ローグ」の次期型モデルの生産を委託する。 山工場を輸出基地のひとつとすることで,ルノーサムスンが現在抱えている 課題を解消するとともに,今後の成長を促進するという。ルノーサムスン自 動車は,サムスン財閥の自動車メーカーとして日産の技術支援を受けつつ 1995年にスタートした。しかしアジア通貨危機の影響を受け,2000年に経営 破綻した。そこでルノーは同社の株式の70.1%を取得(その後80.1%まで高 めた)筆頭株主となりルノーグループ傘下に収め,社名もルノーサムスン自 動車(RSM)とした。なお同社と日産との直接的な資本関係はない。

ルノーサムスン自動車は平成24年,「RSM 2012 リバイバルプラン」を発 表した。その背景には,ルノーサムスン自動車の販売不振がある。同社の 山工場は年間30万台の生産能力があるにもかかわらず,現状では約半分程度 の操業率にまで落ち混んでいた。リバイバルプランは,不振を打破してル ノーグループの中での役割を明確にすることを目指している。そして同社の 余剰生産力は日産が活用し,次期型「ローグ」の生産を行う。ルノーと日産 のCEOであるカルロス・ゴーン氏は韓国を訪問し,「韓国での生産能力の増 強は,ルノーサムスンがコスト競争力と成長に対する目標を達成するため, アライアンス全体でサポートをしていくというコミットメントを明確に示し

(3)

たものである。今回の 山での発表は,ルノー,日産,ルノーサムスンに とってユニークな『win-win』の関係を表したものであり,全てのパート ナーにとってのアライアンスの柔軟性と,その力を証明するものである。私 はルノーサムスンの従業員ひとりひとりが,今回のプロジェクトを成功裏に 完了させるため,取り組んでいくと期待しています」と語っている。今回の 投資は,ルノーのグローバルな事業拡大の のひとつとして韓国を重視して いることを明確にしている。同時に日産にとっても韓国での生産はメリット がある。対米輸出で韓国とアメリカの自由貿易協定により関税ゼロとなるこ とや為替のウォン安などを利用することができるためだ。将来的には日産・ 九州と 山,さらに中国の工場を連携させ,部品の共通化を行うなどの東ア ジア構想も見通していると考えられる。ルノーは事業範囲をヨーロッパ諸国 以外,特にアジア太平洋地域に広げ,ヨーロッパ地域以外での販売台数比率 を50%以上とすることを目指している。その構想を進める上でルノーサムス ンを重要な資産と位置付けている。

!2 蔚山自動車部品工場見学

平成24年6月1日(金)に蔚山にある世鐘工業(SEJONG)に学生3人と 見学に行った。ここは,学生の友人の父親が同会社の重役ということで,見 学が許可された。世鐘工業は,主にマフラー,触媒コンバーター,車体プレ ス部品を製造している。また,米国,チェコ,スロバキアに生産拠点を保有 している。主な納入先は現代自動車が7割程度,他はキア自動車である。輸 入自動車部品市場と輸入業者の現状)によると,世鐘工業(SEJONG)は, 1976年6月に設立されている。図表1が検索した結果である。

(4)

図表1 検索結果

회사명 会社名

세종공업(주) 世鐘工業㈱ 대표자명

代表者名

한상준

ハン・サンジュン 종업원수

従業員数 793 명 주소

住所

울산광역시 북구 효문동 800-1 蔚山広域市北区ヒョムンドン800-1 대표전화

代表電話 052-219-1699 팩스번호

ファックス番号 052-219-1685 홈페이지

HP http://www.sjku.co.kr

이메일

Email webmaster@sjku.co.kr 인증획득

認証取得 ISO-14000 QS-9000 ISO/TS-16949

회사연혁 会社沿革

1976.6 世鐘工業㈱設立

1977.6   欧州経済共同市場(EEC)環境庁マフラーTEST合格 1978.7   自動車部品の専門メーカー選定(商工部)

1979.3   商工系列化品目指定 1983.12 プレス工場竣工

1983.6   ヒョムンドン県の位置第1工場竣工前 1984.10  有望中小企業指定(日韓銀行)

1985.9   自動車用マフラー“品”字獲得(工業振興庁) 1986.10 WALKER CO. LTD.とC/ CONV”T技術提携締結 1988.3   鉄塔産業勲章受賞

1989.2   第2工場竣工

1991.7   産業災害予防有功表彰(総理大臣)

1992.7   WALKER CO. LTD.とTU/ MANIFOLD技術提携締結 1993.2   SONATA MFL’R工場竣工

1993.8   技術研究所設立の承認(科学技術処) 1995.11  5千万ドル輸出の塔受賞

1995.11  ISO9001取得(イギリスLRQA社) 1995.4   技術研究所竣工

1995.6   全品100PPM達成(HMC認証) 1996.5   金塔産業勲章受賞

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Ⅱ 韓国自動車メーカーの現状

1.現代自グループ

2014年に世界製販800万台規模に成長を遂げた現代自グループは,今後の 持続的な成長に向けて,引き続き「質的経営」を推進している。こうした方 針のもとに,これまで課題とされていた自主技術力の確保に向けて経営リ ソースを集中するほか,近年先進国を中心に厳格化している環境規制への対

図表1 つ

회사연혁 会社沿革

1996.6   100PPM品質認証獲得(中小企業庁) 1996.6   100PPM(大統領賞)受賞

1997.12  コスダック市場登録

1997.4   HQS90001等級認証取得(HMC)

1997.8   インドSHARDA MOTOR INDUSTRIES LTD.と製造技術 提携

1999.2   インドSHARDA MOTOR INDUSTRIES LTD.と設計の請 負契約を締結

2000.4   QS9000品質認証獲得(イギリスLRQA社) 2001.6   国産新技術認定(科学技術部)

2002.10  中国北京世宗列車ベゴンユした工事単独投資法人設立 2002.7   中国塩城市世宗列車ベゴンユした工事単独投資法人設立 2002.9   取引所上場

2002.9   シングルPPMの品質認証を取得(中小企業庁) 2003.6   アビンメリー土宗有限責任会社の設立

2004.1   ISO/ TS 16949の認証を取得(イギリスLRQA社) 2004.11 ISO 14001の認証取得(LRQA社)

2005.5 Single PPM優秀親会社大統領賞を受賞

2006.2 現代起亜車の品質,納入,技術5スター認定(現代,起 亜自動

2006.11 5億ドル輸出の塔受賞と大統領表彰

재무재표 財務諸表

(단위:백만원) 구분

区分

매출액 売上高

순이익 純利益

총자산 総資産

자본금 資本金 2009 357,391 0 289,929 10,027 2010 429,098 0 343,749 10,027

(6)

応に向けて電動車製品の拡充を急いでいる。また,燃費効率の向上とともに 安全性を改善するために研究開発(R&D)も加速させている。

現代自グループは,2012年以降本格化しているブランドイメージの強化政 策,製品ミックスの改善,独自の技術の確保などといった質的成長を引き続 き強化している。一方で,供給不足等により生産能力の増強が求められてい る中国や米国など主要地域を中心に新工場の設立を推進している。

現代自の,調達政策を見ると,韓国などではグループ傘下部品企業を多用 する一方,低コストで求められる中国やインドでは現地R&Dや調達機能を 強化することで現地メーカーからの調達は拡大している。但し,各種モ ジュールを生産する現代MOBISや韓国大手ブレーキメーカー萬都など,主 要部品メーカーについては,海外拠点の隣接地へ招き入れ,現地での安定的 な調達体制を構築している。

2.起亜自グループ

現代自グループ傘下の韓国第2位自動車メーカー起亜自は,2016年までの 経営ビジョンで「グローバル350万台販売」を目指していた。(2016年の世界 新車販売台数は,過去最高の300万7976台)目標達成に向けて,これまで推 進してきたデザイン戦略を一段と強化するとともに,製品競争力の向上のた めに求められている安全・走行・燃費性能の改善を目指すとしていた。また, 2016年以降は,世界各国で環境規制が厳格化する中,燃費向上を図った低燃 費モデルの拡充,自社初のハイブリッド専用車を展開する。

海外では,米国,中国,スロバキアの三か国に生産拠点を展開しており, いずれも現地需要に対応している。起亜自は,現代自グループ内でEVの開 発を担当しており,SKとの協業を通じて電気自動車のリチウムイオン電池 の開発を進めている他,SKの主事業所で起亜のEVの実証実験も行っている。

(7)

Ⅲ 韓国自動車部品メーカーの現状

韓国自動車部品メーカーの現状については部門別に記すことにする。

1.総合システムサプライヤー !1 現代MOBIS

現代MOBISは,現代自グループ傘下の韓国最大大手の部品メーカーで

ある。2014年は売上高基準で世界部品メーカートップ4になった。生産品 目はシャーシ/コックピットといったモジュールに加え,ブレーキ,ラン プ,エアバック,電動車部品を製造している。同社は2020年に世界部品 メーカートップ5入りを目指している。目標達成に向けてR&Dに注力す る方針である。R&D人員を2014年の約2,000人から2020年に3,000人規模 に拡大させる。また,先進運転支援システム(ADAS)向けで技術競争力 を強化する他,自動運転に関する技術獲得も目指す。既存事業(モジュー ル等)では主な顧客である現代自/起亜自への対応を強化している。

2.エンジン・エンジン部品メーカー !1 喜星触媒

喜星触媒は,ドイツBASFと韓国地場系資本の折半出資となる韓国排出 ガス浄化触媒の最大手のメーカーで,自動車用ガソリンおよびディーゼル エンジン向け触媒(コンバーター)を主力事業としている。自動車以外で は,化学触媒,鍍金素材などの事業を手がけている。本社は

Jeongwang-Dong,Shiheungnにある。設立は,1982年で従業員は2014年12月末時点で

409名となっている。主な取引先として現代自,起亜自,双竜自,現代 Glovis, 現代WIA, 喜星PM, Tech, 他である。 国内拠点としてShiheungn 本社(研究所付設)ソウル事務所,生産拠点3ヶ所となっている。子会社

は,喜星PMTechがあり,海外生産拠点は現在のところ展開していない。

(8)

3.駆動・伝動部品メーカー(駆動部品) !1 現代Dymos

現代Dymosは,現代グループ傘下の主要サプライヤーの一つで現代

WIA,現代Powertechと並ぶパワートレインメーカーである。主要生産品

目は乗用車用ダブルクラッチトランスミッション(DCT),商用車MTと なっており,子会社の現代M-Seatを通じてシート事業も展開している。 変速機等パワートレインについては,ほぼ現代自,起亜自向けに供給し, シートについては,GMなどの海外完成メーカー向けに供給している。本

社は,Seongyeon-Myeonにある。設立は,1994年で従業員は,2014年12月

末時点で5,100名となっている。主な取引先として現代自,起亜自,現代 WIAとなっている。国内拠点として,工場2(瑞山,蔚山)研究開発拠 点2となっている。子会社は,現代M-Seatがあり,海外生産拠点は中国 4,インド1,チェコ1,ブラジル1,メキシコ1,米国1となっている。 !2 現代Powertech

現代Powertechは,現代自グループのAT専業メーカーである。主要生

産品目は前輪駆動用AT,後輪駆動用AT,CVTで,前輪駆動用では4∼ 6速,後輪駆動用では,5速及び8速ATを展開している。生産能力は31 5万基/年でこのうち約130万基分の部品を中国と米国向けに供給してい る。納入先は現代自,起亜自がメインであるが,近年Chryslerなどから前 輪駆動用6速ATを受注するなど,海外完成メーカーへの販路開拓にも注 力している。最近の動向として,生産面では2014年12月にメキシコに生産 法人を設立している。本社は,Chungcheongnam-doにある。設立は,2001 年で従業員は,2014年12月末時点で1,908名となっている。

国内拠点として,工場1,研究開発拠点(現代WIA,現代Dymosとの 共同研究開発拠点)がある。海外生産拠点は中国1,米国1となっている。

(9)

4.タイヤメーカー !1 韓国タイヤ

韓国タイヤは,韓国の最大タイヤメーカーで,韓国,中国,インドネシ ア,ハンガリーで計6カ所の生産拠点を展開し,生産能力は約1億本/年 を持つ。これに2015年に稼動した中国重慶新工場,2016年に稼動した米国 の新工場を含めると世界6カ国8拠点となり,生産能力は1.3億本/年に 拡大した。現代自を含む世界完成メーカー20社以上にタイヤを供給してい る。一方,2015年6月には車載空調メーカー漢拏Visteon空調を韓国系私 募投資ファンドと共同買収した。本社は,Gangnam-gu(Seoul)にある。 設立は,1941年で従業員は,2014年12月末時点で7,014名となっている。 国内拠点として,工場2,(大田,錦山)研究開発センター1(大田)が ある。海外生産拠点は中国4,インドネシア1,ハンガリー1,米国2と なっている。

!2 錦湖タイヤ

錦湖タイヤ(Kumho Tire)は,韓国2位,世界10位の規模のタイヤメー カーである。韓国の大型財閥である錦湖アシアナグループの中核企業で, 韓国発のシーラントタイヤを商業化するなど,技術競争力を持っている。 本社は,Gwangsam-gu(Seoul) にある。設立は,1960年で従業員は,2014 年12月末時点で4,940名となっている。国内拠点として,工場3,(光州, 平澤,谷城)研究開発センター1(龍仁)がある。海外生産拠点は中国3, ベトナム1,米国1となっている。

5.伝動部品メーカー !1 平和クラッチ工業

平和クラッチ工業は,韓国の大手サプライヤーグループの一つであり, ドアモジュールとトルクコンバーターを製造する部品メーカーの傘下と

(10)

なっている。平和クラッチ工業は,1972年に設立し,ドア関連の部品を製 造していたが,2003年までに子会社の平和精工に事業を移管した。平和精 工を中心に国内外でドアモジュールやドア関連部品を展開しているととも に,もう一つの軸としてのトルクコンバーター(AT部品)を主力とする 韓国パワートレインを通じて,現代自,起亜自のみならず,ZF,ジャト コなど世界の大手パワートレインメーカーを供給先として確保している。

6.制御部品メーカー !1 萬都

萬都は,韓国の大手シャシ系サプライヤーで1972年に設立された。ブ レーキシステム,ショックアブソーバーなど懸架系部品,電動パワーステ アリングシステムなど,操舵系部品等を手掛けている。韓国では,3カ所 で生産拠点を展開しており,海外では中国など13拠点を展開している。主 な顧客は現代自グループであるが,近年はGM,Ford,VWなど供給先の 多様化を進めており,供給先を拡大することで,現代自グループに対する 高い依存比率を引き下げる考えである。

7.電装・照明/電子制御部品メーカー !1 裕羅コーポレーション

韓国のワイヤーハーネスメーカー4)である裕羅コーポレーション(Yura

Corporation)は,1992年に世林工業の電装事業部門として設立された。

1999年に起亜のワイヤーハーネス事業部を買収して現代自グループとの関 係を深めた。従業員は,2013年12月末時点で1,716名となっている。生 産/開発拠点として,9カ国52工場(韓国,中国,ベトナム,ロシア, チェコ,スロバキア,セルビア,チュニジア,メキシコ)がある。また, 子会社として裕羅ハーネス,裕羅テックなどがある。

(11)

8.電子・制御 !1 LG化学

LG化学は,世界11位の化学大手企業で,韓国国内では売上規模トップ である。石油化学事業比率が75.6%となっており,エンジニアリングプラ スチック(EP)等コンパウンド素材や,IT機器用LCD自動車および家電 用リチウム電池の生産をしている。自動車分野では,リチウムイオン電池 (LiB)分野に注力しており,現代自,GMなどに供給している。近年は,

Renault,Daimlerグループなどグローバル自動車メーカーからの受注も増

加している。従業員は,2014年12月末時点で24,928名となっている。海外 生産拠点として,中国9,インド1,ベトナム1,台湾1,カザフスタン, ポーランド1,米国2となっている。国内拠点として,工場が10カ所ある。 また,子会社として幸福ヌリなどがある。

!2 現代Kefico

現代Keficoは, 現代自グループの電子制御装置および燃料噴射装置メー

カーである。エンジン,変速機などの制御装置(ECU)や各種センサー, アクチュエーター等を生産し全量を現代自,起亜自向けに供給する。同 社は,1987年に現代自,Robert Bosch(Bosch),三菱電機の3社 合 同 で

「Kefico」として設立され,2005年には現代自とBoschの折半合弁体制に

変更されている。その後,2012年に自前技術獲得への方針のもとに同年7

月にBosch側の持分を買収している。Keficoの完全子会社化とともに社名

を現社名に変更している。従業員は,2014年12月末時点で1,173名となっ ている。海外生産拠点として,中国2,ベトナム1となっている。国内拠 点として,工場が1カ所,研究開発センター1ヵ所ある。また,子会社と してKEFICO,KEFICO VIETNAMなどがある。

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9.シート・内装部品メーカー !1 韓一理化

韓一理化は,韓国の大手内装部品メーカーで1972年に設立された。ドア トリム,ヘッドライニング,パッケージトレイ,バンパー,ピラーなどを 生産しており,7割強を現代自,起亜自向けに供給している。現代自グ ループに対応する形で,中国,インド,トルコ,米国,ブラジル等に生産 拠点を設置し,安定的部品供給体制を構築してきた。従業員は,2014年12 月末時点で,970名となっている。海外生産拠点として,中国5,インド 2,トルコ1,スロバキア1,ポーランド1,米国2,メキシコ1,ブラ ジル1となっている。国内拠点として,工場が3カ所,研究開発センター 1ヵ所ある。また,子会社として斗陽産業がある。

10.外装部品・車体機構部品メーカー !1 星宇Hitech

星宇Hitechは,韓国最大の車体プレス部品メーカーで車体部品の中で

もバンパーレール分野では独自の技術力を持ち,韓国国内では市場を独占 している。バンパーレールの他,メンバー類,アーム類,ピラー類など約 200種類以上の部品を製造しており,現代自,起亜自,韓国GMに供給し ている。生産拠点については,自社基準で韓国4,中国2,インド2, チェコ1,スロバキア1,ロシア1となっている。

!2 和信

和信は,韓国の大手シャシ及び車体部品メーカーで1975年に設立された。 主な製品として,メンバー類,アーム類,カップルトーションビーム (CTBA)5),フレーム,フロアパネルなどプレス部品を生産しており,ほ ぼ全量を現代自,起亜自向けに供給している。和信は,現代自グループの 海外移転戦略に伴い,国内外で生産拠点を展開しており,2014年時点で韓 国,インド,米国,ブラジルでそれぞれ展開している。

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11.車体材料メーカー !1 POSCO

POSCOは,韓国最大手の製鉄会社で,自動車用鋼板を含めて造船,建

築,プラント用など様々な分野への鋼板を製造する。2009年以降鉄鋼以外 の事業(建設,不動産,発電,電動車用素材)に投資を拡大したが,これ らの新事業は業績不振で売上は伸び悩んでいる。同社は,1968年に設立さ れ,従業員は,2014年12月末時点で,17,877名となっている。海外生産拠 点として,中国7,タイ2,インドネシア1,ベトナム4,マレーシア1, ミャンマー1,トルコ1,米国2,メキシコ1,ブラジル1となっている。 国内拠点として,工場が2カ所,研究開発センター1ヵ所ある。また,子 会社としてPOSCO Chemtech,大宇Internationalがある。

Ⅲ ま と め

韓国では過去,自動車輸出を促進する中,部品の多くを日本を始め海外か ら調達する時期が続き,サプライヤーの技術蓄積は停滞した。しかし,2001 年に部品・素材発展基本計画,2009年には自動車産業活性化法案等の政策が 打ち出され自動車産業の梃入れが行われた。また,研究開発支援として,準 公的機関によるサプライヤーへの経営・技術指導などが行われている6)。

末筆ながら,森 正紀先生の古希を心からお祝い申し上げるとともに,長 年賜ったご高配に感謝申し上げ,本稿を締めくくることにしたい。

1) http://autoprove.net/2012/07/20795.html

2) これは,自動車部品産業振興財団(KAP : Foundation of Korea Automotive Parts In-dustry)が実施したアンケートである。(ギムジョンハン/自動車部品産業振興財団研 究委員)全文,ハングルであるので筆者が翻訳している。自動車部品産業振興財団は,

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2002年に発足した。日米欧の先進部品企業水準の品質と技術の確保と,先進経営シ ステム構築,および産学連携への支援事業を主目的とする財団である。

3) KOSDAQ(コスダック,Korean Securities Dealers Automated Quotations)は1996年 に設立された韓国の証券市場である。

4) ワイヤーハーネスは複数の電線を結束帯やチューブ,粘着テープなどでまとめ,端 部に複数の電線を一度に接続できる多芯コネクタを取り付けた物で,組み込まれる機 械に固定するフックなどを備える場合も多い。(wikipediaより)

5) トーションビーム式サスペンション(Torsion beam suspension)とは,自動車のサ スペンション形式のひとつ。

6) (出所)自動車産業における韓国部品サプライヤーの変化「日本政策投資銀行」 http://www.dbj.jp/pdf/investigate/mo_report/no187.pdf

参考文献

1) 世界自動車部品産業年鑑 2015 『世界新車市場の成長が減速する中,欧米系によ るアジア事業拡大が加速』 FOURIN

2) 世界乗用車メーカー年鑑 2016 『自動運転につながるADASなど安全技術の開 発競争が激化』 FOURIN

3) 世界自動車統計年刊2010『金融危機による影響を新興国の内需拡大と先進国の販 売支援策が緩和』FOURIN

4) 世界自動車統計年刊 2013 『世界市場の8,000万台の成長とともに新興国比重が 増す自動車生産』 FOURIN

5) 世界乗用車メーカー年鑑 2015『次世代EV・FCV開発をめぐり活発化するメー カーの間の提携』FOURIN

参照

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