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SBR を添加したコンクリートの乾燥収縮ひび割れに関する一実験

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Academic year: 2022

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(1)

図-1 圧縮強度試験結果

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

-5 0 5 10 15

P/C (%) 圧縮強度 (N/mm2

7日 28日

図-2 割裂引張強度試験結果

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

-5 0 5 10 15

P/C (%) 割裂引張強度 (N/mm2

7日 28日

表-2 使用材料の一覧

セメント 普通ポルトランドセメント

密度 3.15g/cm³,比表面積 3380cm²/g 野洲産川砂(S1)

表乾密度 2.60g/cm³,絶乾密度 2.58g/cm³ 粗粒率 2.68,吸水率 0.62%,

実績率 63.7%,微粒分率 1.07%

野洲産川砂(S2)

表乾密度 2.60g/cm³,絶乾密度 2.58g/cm³ 粗粒率 2.24,吸水率 0.85%,

実績率 60.0%,微粒分率 1.74%

粗骨材

高槻産砕石G

表乾密度 2.67g/cm³,絶乾密度 2.65g/cm³ 粗粒率 6.77,吸水率 0.73%

実績率 58.8%,粗骨材最大寸法 20mm SBR 密度 0.99g/cm³,固形分 45.3%

細骨材

表-1 示方配合

W C S1 S2 G SBR AE剤 消泡剤

0 54.4 185 340 510 255 942 2380

5 47.1 160 340 516 258 960 17.0 - 3696 10 35.3 120 340 534 267 993 34.0 - 3696

20 20±1 6±1 45.5 SBR(%) Gmax(mm) SL(cm)

混和剤(g/m³) 単位量(kg/m³)

W/C(%) Air(%) s/a(%)

SBR を添加したコンクリートの乾燥収縮ひび割れに関する一実験

摂南大学大学院 学生員 ○中川 佳祐 摂南大学工学部 正会員 熊野 知司 前田工繊(株) 井上 善彦

摂南大学工学部 正会員 矢村 潔

1.はじめに

コンクリート中へのポリマーの添加は,おもにモルタル中に比較的大量に使用し,高い接着力を利用したひ び割れの補修や断面修復を主目的に行われてきた.しかしながら,良質の天然骨材が枯渇し,砕砂や再生骨材 の使用が普及しつつある現在において,ポリマー添加による耐久性の増大や乾燥収縮の減少などの効果はコン クリートの改質材としての利用の可能性があるといえる.そこで,本研究ではポリマーとして,スチレンブタ ジエンゴム(以下,SBR と称す)を取り上げ,これを添加したコンクリートの力学的特性ならびに乾燥収縮 ひび割れ特性の検討を行うことにした.

2.実験方法

表-1に示方配合を,表-2に使用材料の一覧を示 す.本研究では大濱ら 1が提案している単位セメン ト量一定(340kg/m3),スランプ一定(20±1cm)を 配

合条件とした.SBRの添加量は,セメントに対する固形分の質量 比で(以下,P/Cと称す)0%,5.0%,10.0%の3水準とし,SBR 中の水分は単位水量に含めた.実験は,圧縮強度試験(JIS A 1108),割裂引張強度試験(JIS A 1113),直接引張試験によるひ ずみの検討,および乾燥収縮ひび割れ試験(JIS A 1151)を行っ た.なお,養生はJIS A 1171に準拠し,7日間の水中養生を行っ た後,温度20±2℃,湿度60±5%のチャンバー内で保存した.

3.結果および考察

(1)力学的特性の検討

図-1にP/Cと圧縮強度との関係を示す.7日,28日のいずれの材齢 においても,P/Cが増加するにつれて圧縮強度が増加する傾向となった.

これは,単位セメント量一定,スランプ一定の条件でP/Cを増加させる と,結果としてW/Cが小さくなることに起因していると思われる.

図-2にP/Cと割裂引張強度との関係を示す.圧縮強度と同様に,P/C が増加するにつれて割裂引張強度が増加する傾向となった.材齢7日に比 べて材齢28日がP/Cの増加に伴う強度の増加の程度が大きくなっている が,7 日間の水中養生の後,28 日間まで気中養生していることが影響し ていると考えられ,P/Cの増加による引張強度の増加には乾燥に伴うポリ マーフィルムの形成も影響を与えている可能性があると思われる.すなわ ち,SBR を添加したコンクリートの引張強度発現にはセメントの水和反 応とポリマーフィルムの形成との間で複雑な影響を受けているものと推 察される.

キーワード ポリマー,スランプ,単位セメント量,力学的特性,乾燥収ひび割れ特性

連絡先 〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町 17-8 摂南大学工学部都市環境システム工学科 TEL072-839-9123 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑873‑

Ⅴ‑438

(2)

-1000 -800 -600 -400 -200 0

0 10 20 30 40 50 60

乾燥日数(日)

ずみ(με)

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

実拘束率(%

P/C 5.0%-①(拘束ひずみ) P/C 5.0%-②(拘束ひずみ) 自由収縮ひずみ P/C 5.0%-①(実拘束率) P/C 5.0%-②(実拘束率) ひび割れ発生日数 P/C 5.0%-①:28日 P/C 5.0%-②:22日

(1)

図-3 に P/C と引張終局ひずみとの関係を示す.P/C0%と P/C5.0%では大差はないが,P/C10.0%の場合には大きく増加して いることがわかる.終局ひずみが大きくなることは,引張伸び能 力という観点では有利になり,温度ひび割れや乾燥収縮ひび割れ の抑制に効果的な可能性があるといえる.

(2)乾燥収縮ひび割れ特性の検討

図-4に乾燥日数と収縮ひび割れ試験の結果を示す.P/C0%は,

乾燥開始後15日および18日でひび割れが発生したのに対し,

P/C5.0%は,22日および28日となり明らかな差が生じた.また,P/C10.0%は,乾燥開始55日が経過しても ひび割れが発生しなかった.このように大きな差が生じたのは,SBR の添加によって自由収縮ひずみが抑制 されたこと,W/Cが小さくなり引張強度が増加したこと,などが要因となっていると考えられる.

図-5 に乾燥日数と乾燥収縮ひび割れ試験の結果から,式(1)を用い て,ひずみの実測値より逆解析的に求めた引張クリープ係数φの経時変化 を示す.

ここに,εf:自由収縮ひずみ,εc:コンクリートの拘束収縮ひずみ,

εs:拘束板のひずみ,Es:拘束板のヤング係数(kN/mm2),As:拘束板の 断面積(mm2),Ect:材齢 28 日におけるコンクリートの引張静弾性係数

(kN/mm2),Ac:コンクリートの断面積(mm2),εct:引張弾性ひずみ

図-5より,P/C5.0%とP/C10.0%はP/C0%に比べて,見掛けの引張クリープ係数が大きくなる傾向を示し ていることがわかる.これは,SBR を添加することによって持続的な応力下でのコンクリートの引張伸び能 力が大きくなることを示しており,このような現象も乾燥収縮ひび割れの抑制に関与していると思われる.

4.まとめ

(1) P/Cの増加に伴い圧縮強度および割裂引張強度が増加する傾向となった.また,引張終局ひずみもSBR を添加することにより大きくなった.

(2) P/Cの添加量を増加させると乾燥収縮ひび割れの発生が遅くなり,特にP/C10.0%の場合には,乾燥開 始55日が経過してもひび割れが発生しなかった.

(3) SBRを添加したコンクリートの乾燥収縮ひび割れの抑制効果には,SBR添加に伴う単位水量の減少や 水セメント比の低減に加えて,引張伸び能力の変化も関与している可能性がある.

参考文献

1) 橋本寛,大濱嘉彦:ポリマーセメントコンクリートの強度性状,コンクリート工学Vol.15,No.11,pp.117‐124,1977

0 20 40 60 80 100 120 140 160

-5 0 5 10 15

P/C (%)

ひずみ (με)

28日

図-3 引張終局ひずみ

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

0 10 20 30 40 50 60 乾燥日数 (日)

係数 Φ

P/C 0%

P/C 5.0%

P/C 10.0%

図-5 φの経時変化 図-4 乾燥収縮ひび割れ試験結果

-1000 -800 -600 -400 -200 0

0 10 20 30 40 50 60

乾燥日数(日)

ひずみ(με)

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

拘束率(%

P/C 0%-①(拘束ひずみ) P/C 0%-②(拘束ひずみ) 自由収縮ひずみ P/C 0%-①(実拘束率) P/C 0%-②(実拘束率) ひび割れ発生日数 P/C 0%-①:18日 P/C 0%-②:15日

-1000 -800 -600 -400 -200 0

0 10 20 30 40 50 60

乾燥日数(日)

ひずみ(με)

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

実拘束率(%

P/C 10.0%-①(拘束ひずみ) P/C 10.0%-②(拘束ひずみ) 自由収縮ひずみ P/C 10.0%-①(実拘束率) P/C 10.0%-②(実拘束率) ひび割れ発生 無し

ct c ct

s s s c

f E A

A

E

ε

ε ε ε

φ

/

 

 − −

=

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑874‑

Ⅴ‑438

参照

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