• 検索結果がありません。

階段式魚道におけるプール間落差とオイカワの遡上率に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "階段式魚道におけるプール間落差とオイカワの遡上率に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)II-026. 土木学会西部支部研究発表会 (2008.3). 階段式魚道におけるプール間落差とオイカワの遡上率に関する研究 九州工業大学工学部. 学生員. 九州工業大学大学院. 学生員. 飯國洋平. 九州工業大学工学部. 正会員. 鬼束幸樹. 九州工業大学工学部. フェロー会員. 秋山壽一郎. 1. はじめに 魚類の遡上および降下を助ける目的で魚道は 設置されてきた.日本の既設魚道の主流は階段 式魚道である.高い遡上率を達成するためには, 遡上率に影響を与える隔壁形状,プール間落差, 切り欠きの有無,隔壁部の切り欠き率などに配 慮した建設計画を行う必要がある 1) .国土交通 省 2) はプール間落差に関して,0.1~0.2mの範囲 に設定することを推奨しているが,これを実証 したものはほとんどない.そこで本研究は,階 段式魚道のプール間落差および流量を系統的に 変化させて遡上率の変化を解明した.続いて, 流速測定および定位位置を測定し,遡上特性に 及ぼす影響を検討した.. 表-1. l h (m ). Q =1(l / s ). Q =4 (l / s ). 0.05 0.125 0.2 0.275 0.35 0.425. 0.05Q1 0.125Q1 0.2Q1 0.275Q1 0.35Q1 0.425Q1. 0.05Q4 0.125Q4 0.2Q4 0.275Q4 0.35Q4 0.425Q4. ○森悠輔・小林達也. 実験条件. Q =7 (l / s ). Q =10(l / s ). Q =13 (l / s ). 0.05Q7 0.125Q7 0.2Q7 0.275Q7 0.35Q7 0.425Q7. 0.05Q10 0.125Q10 0.2Q10 0.275Q10 0.35Q10 0.425Q10. 0.05Q13 0.125Q13 0.2Q13 0.275Q13 0.35Q13 0.425Q13. flow Hu. Ht. ∆x Bn. 2. 実験装置および実験条件 実験装置を図-1に示す.プール長 Lx =0.9m,. ∆y. Lx. B. z. 魚道幅 B =0.8m,プール底面から切り欠き下端 までの高さ0.7mの3つのプールを連結させた切 り欠き率(=切り欠き幅 Bn /魚道幅 B )が0.2の片側. y. x. 切り欠き付き階段式魚道を用いた.魚道は黒に 塗装した木製で,側壁方向からの撮影を可能に するため,切り欠きの対岸側の側壁材料にアク リル板を用いた.実験条件を表-1に示す.6通 りのプール間落差 l h (=0.05~0.425m)と5通りの. 図-1. 流量 Q (=1~13 l s )の組み合わせ(合計30ケース). 30. で実験を行った.実験項目は,魚の定位位置の 撮影と流速測定である.用いた実験魚はオイカ. 20. プール間落差一定条件下の定位位置. 50. (%). Zacco platypus. 40. ワ(平均体長 BL =5.3cm)の成魚80尾である.上流. Q =1 (l / s) Q=4 (l / s) Q=7 (l / s) Q=10 (l / s). Q=13 (l / s). 10. から2番目のプールの側壁および水路上部から ビデオカメラを用いて30分間の同時撮影を行い, 撮影後3次元的画像解析を行った.画像解析か ら600sごとのオイカワの位置が得られている. そこで,プールの鉛直断面( x − y )および水平断. 0. 0. 0.1. 図-2. 0.2. (m) 0.5 0.3 l h0.4. プール間落差と遡上率. 面( x − z )をそれぞれ10分割して得られる100(=10×10)メッシュ内の魚数 n を算出した. 流下方向( x ),鉛直上向き( y ),横断方向( z )にそれぞれ7点のメッシュをとった合計343点において,3次元電磁 流速計を用いて瞬間流速を0.05s間隔で25.6s計測した. 3. 実験結果および考察 (1) 遡上率とプール間落差との関係. -217-.

(2) II-026. 土木学会西部支部研究発表会 (2008.3). 遡上した魚数をプールに入れた初期魚数で割った ものを遡上数と定義する.図-2にプール間落差 l h と 遡上率との関係を流量別に示す.全てのケースにお いて,プール間落差が大きくなると遡上率は低く なっている.従って,プール間落差の減少に伴い, 遡上率は増加していることがわかる.プール間落差 l h =0.275m以 上 の ケ ー ス に お い て 遡 上 は 見 ら れ な かった.切り欠きを越流した流れの落下流速が突進 速度を超えているため遡上できなかったものと考え られる.すなわち,国土交通省の推奨値(0.1~0.2m) が妥当であることが証明できた.. (%). を示す.ここに, z ' は切り欠きの左岸端から右岸方 向の座標である.鉛直断面( x − y )においては,流量. 40. が増加しても定位位置は変化していない.水平断面 ( x − z )においては,遡上率が最も高い0.125Q7は切り 欠きに最も近い位置に定位している.遡上率が最も 低い0.125Q1は切り欠きに最も遠い位置に定位してい る.つまり,定位位置から遡上場所への距離が増加 するために遡上率が低下したものと考えられる.. rate of measured points. で,流量( Q =1,7,13 l s )の異なる場合の定位位置. 図-3. プール間落差一定時の流速ヒストグラム 50. non-orientation area. non-orientation area. (%). orientation area. Q 0.125Q1. Zacco platypus. orientation area. 40. rate of measured points. (2) 定位位置が遡上率に及ぼす影響 オイカワの定位位置がほぼ定常的と判明したため, 以下では30分間に得られた定位位置を平均したもの を用いる.図-3にプール間落差が一定( l h =0.125m) 50. 30. Q 0.125Q7. Zacco platypus. 30. VfB. 20. VfB. 20. 10. 10. 0 0.5. (3) プール内の定位位置と流速との関係 定位位置と遡上率との関係が求められたが,流量 が変化すると同時に定位位置が変化する理由が解明 されていない.魚の定位位置はプール内の流速に大 きく依存すると考えられる.そこで,魚の存在確率 ( n / N )が0.03以上の領域(orientation area)を3次元的に. 50 (%). rate of measured points. 40. 1. Vv / VfB. 1.5. 0 0.5. 1. Vv / VfB. 1.5. non-orientation area orientation area. Q 0.125Q13. Zacco platypus. 30 VfB. 20. 求め,その領域の平均流速 VV = U 2 + V 2 + W 2 を算. 10. 出した.図-4にプール間落差が一定( l h =0.125m)の. 0. 流量( Q =1,7,13 l s )が異なる場合の Vv の流速ヒス. 0.5. 図-4. トグラムを示す.ここで,突進速度 V fB は魚の体長. 1. Vv / VfB. 1.5. プール間落差一定時の流速ヒストグラム. の10倍程度である.non-orientation areaの流速は流量 が増加するにつれて大きなばらつきが生じるが,orientation areaの流速は一定の範囲に位置している.orientation areaの流速は突進速度 V fB の約5~25%であることが判明した.これは,オイカワがある流速範囲を選好して定 位していることを示唆している. 4. おわりに 本研究は階段式魚道のプール間落差および流量を系統的に変化させて遡上率の変化を確認し,流速測定および 定位場所を測定し,水理量が遡上特性に及ぼす影響を検討したものである.得られた知見を以下に示す. (1) プール間落差の増加に伴い,遡上率は減少する.プール間落差が0.275m以上では遡上は見られなかった.一 方,プール間落差を減少させるためには魚道長を長くする必要がある.従って,双方を考慮することにより国土 交通省2)の推奨値(プール間落差0.1~0.2m)が妥当であることが確認できた. (2) オイカワは突進速度の5~25%の流速場を選んで定位することを確認した.そのため,流量が増加してプー ル内の流速が増加すると,流脈直下流の流速の速い領域を避けて定位する.一方,遡上場所への距離が増加する ために遡上率が低下すると考えられる. 参考文献 1) (財)ダム水源地環境整備センター編:最新魚道の設計,信山社サイテック,1998. 2) 国土交通省河川局:魚が上りやすい川づくりの手引き,2005.. -218-.

(3)

参照

関連したドキュメント

14 グレーチングの状況が 不明な範囲 CRD交換機 グレーチングが 脱落している範囲 グレーチングが存在している範

空間周波数・運動速度のうちどの要因が時間知 覚の伸長に重要であるのかを検討し,運動速度 が説明変数として最もふさわしいという結果を

jejuni)による食中毒は、当 該菌に汚染した鶏肉に起因する割合が高い。鶏肉における高頻度の汚染実態を鑑

②の流れは ,基 本コンセプ トを軸に「デザインコンセプ ト形成」が行われたとみなす ことがで きる。ここで注目すべきことは ,『

落差を伴う水工構造物を流下する高速流を減勢させる方法として階段 状水路の利用が有効であると報告されている

上記(2)は,棚田式魚道のプール水深の是非を問うために,対象魚であるアユの能力あ

初等中等教育での論述・ICT

特別協定により,デンマーク特許商標庁はアイスランド特許出願に関する調査と審査を行