• 検索結果がありません。

学級集団に及ぼす教師の影響過程に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学級集団に及ぼす教師の影響過程に関する研究"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

神戸常盤大学紀要  第 5 号 2012 64 −  − 【問 題】今日の教育現場では、学級崩壊やいじめ、不登校等の課題が山積しており、これらの問題の最前線 に立つ学級担任教師には、適切な指導力や影響力が今まで以上に求められている。三島・淵上(2010)は、教 師の指導行動は、①学級集団全体を対象にした指導行動、②学級集団の中にいる児童個人を対象にした指導行 動、③個別指導時の児童個人を対象にした指導行動の3つに分かれるとし、これらの指導行動に対しては、潜 在的影響力である勢力資源や教育信念が大きく影響することを指摘している。このようなことから、本研究で は、学級集団(学級雰囲気)に対して、教師の教育信念、勢力資源、3つの指導行動がどのように影響を及ぼ しているのか、そのプロセスを明らかにしていくこととする。 【方 法】調査時期 2010年11月。対象者 岡山県・京都府・新潟県・高知県・兵庫県内の教育学部の学生343 名。質問紙 過去に1週間以上関わった小学校(実習等)を想起してもらい、学級雰囲気、教師の教育信念、 勢力資源、指導行動のそれぞれについて回答を求めた。教育信念尺度のみ7件法、その他は5件法で回答を求 めた。 【結果及び考察】学級雰囲気の因子分析 三島・宇野(2004)を参考に作成した10項目について主因子法プロ マックス回転をおこない、固有値の減衰状況と解釈可能性について検討し、「規律」、「協働」の2因子解を抽 出した。教育信念 教育信念6項目について主因子法でプロマックス回転を実施した結果、1因子解を示し た。教師の勢力資源(潜在的影響力)の因子分析 教師の勢力資源15項目について、主因子法プロマックス回 転で因子の抽出をおこなった結果、三島・淵上(2010)と同様の「自信・一貫性」、「親近・明朗性」、「受容」 の3因子が抽出された。教師の指導行動 3つの指導行動の場面ごとに各項目の平均値を算出した。パス解析 教育信念、勢力資源、指導行動、学級雰囲気の関連を検討するため、階層的重回帰分析をおこなった。教育信 念と「自信・一貫」、「親近・明朗性」、「受容」の3つに正の強い関連が示されたことから、教師は教育信念を 有することで、自信のある一貫した態度や親しみのある態度、公平で受容的な態度が生み出されやすいことが うかがえる。①の指導行動に対しては3つの勢力資源から有意な影響が認められた。②に対しては、「自信・ 一貫」と「受容」からの影響が認められた。また、③に対しては、「親近・明朗性」、「受容」との関連が示さ れた。さらに、「協働」に対しては教育信念、「親近・明朗性」、②の指導行動から有意な影響が認められた。 教師は、教育信念を基盤に、普段から自信のある一貫した態度、公平で受容的な態度を示して、学級集団の中 にいる個人への指導行動を有効にし、個人への影響のみならず、その指導を見ている学級の児童にも影響を与 えているのであろう。「規律」に対しては、教育信念、「自信・一貫性」、「親近・明朗性」からの影響が認めら れた。

学級集団に及ぼす教師の影響過程に関する研究

三島 美砂 

参照

関連したドキュメント

選定した理由

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

 大学図書館では、教育・研究・学習をサポートする図書・資料の提供に加えて、この数年にわ

高村 ゆかり 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 寺島 紘士 笹川平和財団 海洋政策研究所長 西本 健太郎 東北大学大学院法学研究科 准教授 三浦 大介 神奈川大学 法学部長.

(Yc) 、有楽町層砂質土層(Ys) 、埋没段丘堆積層(Bts)、東京層第一粘土層上部層(Tcu) 、東京

11 市川行徳測定局 千葉県 13.9 30.2 ○. 1年平均値が 15μg/m

計画道路及びその周辺は、台地に当たる立川段丘上に位置しています。計画道路