湿原における水理特性の深度依存性
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(2) VII‑065. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). が、底層部分では粘性土となりその値が低下した。強熱減量は. 強熱減量(%) 0. 4地点とも深度方向に減少する傾向がみられた。すなわち、表. 20. 40. -0.5. ST.1. で低下した。このことは、湿原の浅い部分では草の根・茎や枯れ. -1. ST.2. 草が多く、深部方向にそれが徐々に腐食分解し、有機物量が減. -1.5. 少していくことを示唆する。透水係数に関しては、どの地点に. -2. 深度(m). 層付近では 90〜100%で、深度とともに低下し底層では 16%ま. おいても明瞭な深度依存性はみられず、10‑5〜10‑3 cm/s となっ. 60. 80. 100. 0. た。泥炭土試料の中には植物の根や茎があるため水みちができ. ST.3 ST.4. -2.5 -3 -3.5. ていたり、成層となっていたり、また潅木を噛んでいたりして. -4. 均一性に欠ける場合もある。また、地下水面以下の深い場所か. -4.5. ら採取した試料では、土被り圧の減少により供試体が膨張し間. -5. 図3 強熱減量と深度の関係. 隙率が大きくなるので透水係数が過大となりやすいとも報告さ れている1)。しかし、今回の試料は極端に大きな植物の根や茎 を含まず、湿潤状態のまま保管し透水試験に供しており、さら. 透水係数(cm/s). に採取後の顕著な膨張も認められなかったことから、試料中を. 1.00E-06 0 -0.5. すると、深度の増加によって有機物量は減少するが、透水係数. -1. は変化しないことから、有機物が分解しても透水係数へはあま. -1.5. り影響しないといえる。 これらの結果およびその他の項目の特徴を表1に整理する。 湿原土に関する表中の数値はこれまで報告されてきた泥炭の結 果ともおおむね一致している 。 本試験を通して、以下のことが明らかになった。. (1) 本地点の湿原土の厚さは約 4.5mで、深度 5m付近では底質. 1.00E-04. 1.00E-03. 1.00E-02. 1.00E-01. -2 -2.5 -3. ST.1 -3.5. 2). 4.まとめ. 深度(m). 水が均等に浸透したと考えられる。強熱減量の深度分布と比較. 1.00E-05. ST.2. -4. ST.3. -4.5. ST.4. -5. 図4 透水係数と深度の関係. が認められた。また、湿原土の物理特性は、従来報告されてい る結果とほぼ一致した。 (2) 湿原土の透水係数は 10‐5〜10‐3 cm/s となり、明確な深度. 表1 採取湿原土の物理化学的性質. 依存性は認められなかった。一方、強熱減量は深度とともに減. 項目. 湿原土. 底質. 深度依存性. 少することから、有機物分解が起こっていることが示唆された。. 比重. 1.2~2.3. 2.3. 深度とともにやや増加. 含水比 (%). 500~1200. 150. 深度とともにやや減少. 乾燥密度 (g/cm3). 0.8~1.8. 0.55. 湿潤密度 (g/cm3). 1.0~1.1. 1.4. 間隙率 (%). 90~95. 75.9. 間隙比. 9.0~20. 3.2. 強熱減量 (%). 90~100. 16. 透水係数 (cm/s). 10-5~10-3. このことは、湿原土に含まれる有機成分が分解されても透水性 にはほとんど影響しないことを示す。 今後は、湿原におけるボーリング調査を実施し、完全な不撹 乱試料を採取し、各種特性の深度依存性や異方性に関して調査 する。さらに、湿原地下水についても調査し、各深度で採取し た地下水に関して、水質の鉛直分布を調査する。 〈参考文献〉1)地盤工学会 (2000) 土質試験の方法と解説−第一回改訂版− 2)能登 繁幸 (1991) 泥炭地盤工学、技報堂. ‑130‑. 深度とともに減少.
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