NON ONLINE NEWS(No.14) 2015 年 11 月 16 日号
コウノメソッドの話題1
バンクーバー講演。講演者 12 名が発表された。
スライドFM 点滴療法研究会会長の柳澤厚生先生から、学会の HP に私の名前が出ているとお知 らせをいただいた。スライドもだいたい完成しつつある。 参加者には、発表された全スライドが入った USB が配布され、希望者はプリントア ウトされた資料を購入する。日本人研究者が 15 名以上集まったら日本語シラバス も販売されるという。つまりコウノメソッド医療者以外でもスライドを手に入れる ことが可能となる。 柳澤先生は、コウノメソッドを海外に広めることを使命として考えておられ、今回 の大きなプロジェクトとなった。政治力、英語力のない私を支えてくれる方々によ って1人でも難治の神経疾患治療法が世に伝わることは極上の感謝として胸に抱い ているところである。 https://www.csom.ca/orthomolecular-medicine-today-conference/45
thAnnual International
Orthomolecular Medicine Today
Conference
(
2016.4.29-5.1, Fairmont Hotel, Vancouver
)
The Annual International Orthomolecular Medicine Today Conference is a continuing education event for MDs, PhDs, Pharmacists, NDs, RNs, and other health
professionals. Leading physicians and researchers present five sessions on current advances in orthomolecular medicine. To complement the educational experience, the Conference features an exhibit area for North America’s leading manufacturers and suppliers of orthomolecular products and services.
The Conference is presented by the International Society for Orthomolecular Medicine, which brings together orthomolecular associations established in 20
countries around the world. The orthomolecular research initially done on nutrition in relation to mental health has expanded over the years to all areas of health care from cardiovascular disease to cancer, from AIDS to Alzheimer’s. This work has been published since 1968 in the Journal of Orthomolecular Medicine. The ISOM and its affiliates sponsor professional and public education programs, including the
Orthomolecular Medicine Today Conference, now in its 45th year. .
The 2016 Conference will be held at the Fairmont Hotel Vancouver, April 29 – May 1, and include sessions on Orthomolecular Oncology,
sessions include: .
Michael Gerber, MD (Nevada, USA) – Integrative and Orthomolecular Medicine Michael Gonzalez, PhD (San Juan, Puerto Rico) – Orthomolecular Oncology Ron Hunninghake, MD (Kansas, USA) – Children’s Mental Health
Felice Jacka, PhD (Melbourne, Australia) – Effective Prevention and Treatment Strategies for Mental Disorders Bonnie Kaplan, PhD (Alberta, Canada) – Nutrition, Mental Illness and Brain Development
Kazuhiko Kono, MD (Aichi, Japan) – Dementia Therapy
Walter Lemmo, ND (British Columbia, Canada) – Antioxidants in Oncology
Thomas Levy, MD, JD (Colorado, USA) – The Toxic Tooth: Root Canals in Cardiovascular Disease and Cancer Jorge Miranda Massari, PharmD, RPh (San Juan, Puerto Rico) – Orthomolecular Oncology
Laurie Mischley, ND, MPH (Washington, USA) – Positive Deviants with Parkinson’s Disease Judith Pentz, MD (New Mexico, USA) – Clinical Experience in Orthomolecular Psychiatry Anne Zauderer, DC (Kansas, USA) – Children’s Mental Health
.
LPC症候群の話題1
運命の出会い。PSP+CBD+CCA のような 64 歳女性。二大学困惑。
スライド8978 札幌と福岡のPSPコンサルタントの女性たちから推薦を受けて 64 歳女性が初診 した。関東と九州の国立大学神経内科を受診し、精査し、その結果診断不能となっ ている。一方がMSA,一方がPSPと仮診断したものの、名古屋フォレストクリ ニックへのセカンドオピニオン依頼書には、鑑別診断に関する苦悩がつづられてい た。 鑑別診断のとっかかりは、MIBG 心筋シンチである。早期で H/M 比が 3.07。カッ トオフポイントはだいたい 1.6 なので 80%の確率でDLBは否定された。そして 彼女の顔つきは暗いというよりコミカルだった。つまり Pick complex のニュアン ス。歩行は決して小刻みではない。ときに大声を出すという。 しゃべり方は遅くて、こもっている。典型的な構音障害であり、PSP、CBD、CC A、MSAの4つに絞られた感じがする。MSAの改訂長谷川式スケールはだいた い25前後であるが彼女は30 点であり多少発汗が多いものの自律神経症状を欠き、 排尿障害はない。当院のCTでは小脳は萎縮傾向であり、先方の SPECT でも小脳 血流低下がみられた。F-Fテストは明らかに拙劣で指先が一度もくっつかない。 タンデムゲイトはできず右に大きくふらついた。 関東の大学はMSAと診断した。九州の大学は、PSP、CBDとしながらも自律 神経症状のないMSAを否定できないでいた。私は改訂長谷川式スケール30なの でCCAでいいのではないかと一瞬思った。 スライド8978BCBDの可能性:CBDの可能性は先方も否定できないでいた。当院のCTでは左 にCBD溝があり先方のSPECTでは前頭葉の血流低下が左優位だと言っている。 当院CTでは頭頂葉萎縮回避があり、PSP,CBDを強く支持しCCAは消さざ るをえなかった。鉛管様筋固縮が右上肢だけにあった。 FTDの可能性:先方のSPECTで前頭葉血流低下がありFTDは消去できない との判断。しかし私が知る FTDP-17 とはイメージが違う。 PSPの可能性:私が決定的に思えたのは眼球が上に全く動かないことである。ち ょっと彼女の顔を見ただけでも目が固まっているのがわかる。首を大きく動かして 物を見る。後方に倒れるのもPSP的で、小脳失調症状は PSP-C ということで説 明はつく。日本に少ないタイプなので私も経験が少ない。 それならなぜ小脳が萎縮しているのであろうか。小脳血流も低下しているそうだが、 それは二次的血流低下ということがありうる。なぜなら彼女は前頭葉が萎縮してい るからである。フロンタルアタキシアでは20%小脳血流が落ちるとされている。 二次性小脳萎縮ということもある。それにしても彼女の小脳失調は明確で軽度では ない。 もしMSA-Cということなら自律神経症状なしでもいいのかと思える。MSA-C と いうのは、私は経験が少ない。点滴療法がもし効いたらPSPだろうと決意して 無 料点滴を行った。グルタチオン 2400mg、シチコリン 250mg である。残念なが ら 15 分後にはまったく効かずタンデムゲイトをしてもらうと大きく右に倒れてい った。私は失望のまま九州の大学に返事を書き、PSP-Cと書いた。 彼女は遠方から来たので、タクシーを待っていたため待合室に長くいた。45分後 看護師が泡をくって走り込んできた。先生、歩けるようになったとおっしゃってい ます。再び診察室に招き入れると彼女は、モデルのように赤いラインの上を舞った。 点滴が効きやすい順から PSP、MSA-C、CBDである。また小脳失調は非常に治 しやすい。CBD で改善した症例は先回提示した CBD+NPH の 1 例のみである。薬 剤反応から鑑別診断する独特のコウノメソッドでいうと彼女は、PSP-C ということ になる。 今回、脳みそがパンパンになった。2 人のバリバリの神経内科医が知恵を出しあっ て鑑別不能とされた1症例についていろいろ勉強させてもらった。このような知識 と経験が試される日常の道場において、やはり私を育ててくれたのは患者であり神 経内科医なのである。そして札幌と福岡のサポーターが私と患者に大きなチャンス を与えてくれた。 補遺:メネシット 200mg、ドプス 200mg が処方されているが効かないという。 MRI で脳幹部の十字サインはない。髄液の初圧は 125、所見に異常なし。胸部レン
トゲンで肺がんはない。胃カメラ、大腸カメラで異常なし。子宮に悪性腫瘍なし。 傍腫瘍性症候群は否定された。膀胱スキャンで残尿0.シェロングテストで血圧は 130 まったく下がらず。においステイックで嗅覚低下 3/12(カットオフ 9 点)。
前頭側頭葉変性症(FTLD)の話題1
FTD-FLD type を考える
スライド 5452FTLD の認知症症候群は、別名FTDと言う。3 種類あって Pick type, MND type, FLD type である。頻度はこの順でピック病が圧倒的に多い。前頭側頭葉変性症(F TLD)というくらいなので前頭葉と側頭葉はセットで萎縮するのがふつうである。 FTD-FLD は、日本には患者がいないとすら言われているが愛媛大学グループはピ ック病と同じくらいいると言っている。私が考えていることは前者の考え方であり、 いままでに 3 人確実例を診たが、私の患者経験数の多さから考えるとこれは「ほと んどいない」と同義語と考えてよかろう。 彼女は、非常に特徴的な患者で初診時から第三期の現在まで笑い続けている。アパ シーになっても笑うということは他の疾患ではありえないことだと思う。二度童と いう点ではピック病と同じなのだが、笑う点で特異的である。 もう一人の FTD-FLD(男性)は錯語が非常に特徴的で、二人の共通点は側頭葉が 保存されているのに言語がやられているということである。彼女は現在まったくし ゃべれない。初期なら PNFA といえるが、認知症が先行しているので PNFA とは 言わないだろう。彼女は比較的初期から語義失語もあった。側頭葉が萎縮していな いけれど側頭葉症状があるというのが、FLD なのであろうか。 残念だが、3 人ではまだわからないことが多い。2 年に 1 人しか来ない疾患である。 私はじっと待つことにしよう。
アリセプト副作用の話題1
進行性核上性麻痺にアリセプト。突然歩けなくなった
スライド8624 DAT スキャンの存在意義というのは、レビー小体型認知症(DLB)を比較的早期か ら気づけるということらしい。少なくとも本態性振戦と PD 関連疾患の鑑別はでき る。アイソトープを静注して3-6時間後に頭部のシンチグラムを得る。DAT とは ドパミントランスポーターの意味で黒質線条体のドパミン神経のターミナルに発現 している。123I―イオフルパンがこれを標的として集積する。集積が落ちれば、黒 質線条体のドパミン神経が脱落、変性していることになる。いままでの検査はアルツハイマー型認知症と軽度の DLB を鑑別できなかったが、 DAT スキャンは可能になった。集積が落ちた場合でも PD と PD 類縁疾患の鑑別は できない。ただ、脳幹上部にドパミン集積が保たれれば PD、落ちれば MSA か PSP と言われる。 2014年の放射線科診断専門医試験問題に、DAT スキャンの所見が正常か PD 患 者かを当てさせる問題が出ており、DAT スキャンは、珍しい検査ではなくなってい る。 以上をふまえて82歳女性患者について言及する。彼女は7月28日車いすで初診 した。前医は多くの検査をしており、改訂長谷川式スケール14のレビー小体型認 知症と診断されていた。DAT スキャンでは集積が消えるほどひどかった。幻覚も薬 剤過敏性もあり、構音障害はなかった。脳血流シンチでは右後頭葉と前頭葉で血流 低下。ここまで言われるとレビー小体型認知症でいいと思える。しかし私はハミン グバードサインが陽性のように見えるのが気になった。無料でグルタチオン点滴を おこない効果はすぐに出た。グルタチオンは DLB より PSP のほうが効きやすい。 彼女は市民病院が処方したアリセプトで急に歩けなくなった。3mg が開始されて 10 日後から立ち上がりがしにくくなり、14日後に予定通り5mgになって歩けな くなった。家族の判断でアリセプト5mg錠を完全に中止し、再び歩けるようにな るのに7日かかったという。アリセプトはまだ63錠も残っており、私はリバスタ ッチを処方することができなかった。抑肝散2包のみ処方した。 2回目の外来は9月8日だったが、眼球はやはり動かなかった。市民病院に二度と 行かないと家族が決めたので、私からリバスタッチを処方開始。ほかにウインタミ ン 4mg×2、リントン 0.3mg昼も必要だった。幻視対策なので、ふつうはリント ン×3なのだが、パーキンソニズムを悪化させないために、ウインタミン主体で危 険分散したのである。私がこの処方をするということは、本能的に Pick complex を感じたからで、それは PSP であることを意味している。 3回目の外来は10月5日。歩いてきたが幻視はいっぱい増えたという。リバスタ ッチは増量せずに 4.5mg を継続し、リントンは 0.3mg×2に増量。ウインタミン は継続。抑肝散で下肢浮腫がおきたので中止。地元実践医で点滴を定期的に受けな いと治せないと家族にはっきり申し上げた。 4回目の外来は11月9日、ほぼ1人で歩けるようになっていた。実践医が毎週点 滴したからである。驚いたことは覚醒し自分でアリセプトをやめてから1週間後に 歩けるようになったという病歴をこちらが家族に聞いていたのに自分で説明したこ とである。 結局市民病院は、最先端の DAT スキャンも導入し、おそらく8万円程度の医療費を 使いながら結局アリセプトで患者を寝たきりにさせたという点末である。しかも神
経内科であるにも関わらず PSP の可能性も考慮できない。学会は最先端の検査ばか りを推奨し、アリセプトの副作用を隠し続けるということを16年たった現在も続 けている。こうして高齢者の医療費はどんどん上がり、高額なアリセプトの処方も 増えていく。その副作用に対して今度はパーキンソン病治療薬が加わるだろう、ト レリーフという1錠 1000 円もする薬も処方されている患者が増えてきた。
胃薬の副作用の話題1
進行性核上性麻痺に「毒マチール」大量。廃人化していた。
スライド8898 ドグマチール(スルピリド)は単なる胃薬でもあるため、高頻度に処方される。既 報のように、うつ表情だったためにドグマチールを 200mg も処方されて歩けなく なっていた PSP が、予定通り元気になって再来した。もちろん独立歩行。夏までは 社会集団のトップに立つ人だった。まだ PSP との確証はないが、歩幅広くふらふら 帰ってゆく姿は、やはりレビー小体型認知症とは違う。 私は海南病院時代(20 年近く前)に貴重な体験をした。80代の女性が歩けないと 来院したのだが、歯車現象がみられ大学病院の神経内科がドグマチール 150mg を 処方し、その後歩けなくなっていったのを半年以上高額医療の検査をしつづけて調 べていた事件である。私が神経内科医に不信感を持つようになったきっかけだった かもしれない。 また私が海南病院に認知症専門という大看板で入職したときに、河野は打腱器を外 来であまり使っていないとうわさを立てたのも神経内科医だった。私はこの発言に、 神経内科医は認知症を本当に知らないと感じ、背筋が寒くなったものである。 昨年の高額レセプトカットも神経内科医、ぺルマックス単独処方のオールカットも 神経内科医、ニューレプチル 4.5mg 以下すべてカット、シチコリン注射すべてカッ トも神経内科医の審査である。 審査員と昔電話でやりやったときに「国保は、医療費を下げるというようなことは 考慮しない。お前が悪い」と吐き捨てた。立派だったことは自分の名前をちゃんと 言ったことくらいだ。 私はすぐにドグマチールのせいだとわかり、すぐにやめて4日立ってもよくならな ければシンメトレルを処方しておくので、これを飲みなさいと言っておいた。する と患者は中止から3日めにすいすい歩いて近所の人たちを驚かせたという。結局4 歩目に予定していたシンメトレルは不要だった。 そんな話を伝えるために家族はわざわざ、海南病院にまた来てくれた。よくなった のだからもう来る必要はないのに、当時完成したばかりの東名阪自動車道(現在の 名古屋第二環状)を走ってきてくれた。実はこの家族報告は後々、重要なことになる。すっかり元気になった患者は、5 年後再び私の目の前に現れた。完全なパーキ ンソン病だったのである。今度は薬剤性ではない。 このたった 1 例の症例の経験から、高齢者は生理的にもドパミンが低下しており、 普通の用量でも薬剤性パーキンソニズムがおきるということがわかったし、12 年前 から急激に診察機会が増えたレビー小体型認知症はさらに薬剤過敏がのしかかる。 いまでも神経内科は、アリセプト 5mg で生じたパーキンソニズムをパーキンソン病 治療薬で治そうとする。学習能力、臨床医の能力に著しく欠ける。 神経伝達物質(NTM)どうしのバランスが重要であり、高齢者は多系統の NTM 欠 乏だと考えると、抗認知症薬、PD 治療薬、抗うつ薬の3種を用法用量の半分以下で カクテル処方しないかぎり治せないという現実があり、これはコウノメソッドの真 骨頂である。結局この考えは漢方の生薬配合に似ている。薬の副作用の医学書に、 副作用を減らすために老人への向精神薬は種類を減らしなさい、と書かれてある。 現実は、そんな簡単ではない。多種類だすことで安全を守るのである(危険分散)。 出回っている医学書の 9 割以上はだめである。いくら本を買っても無駄だ。 神経内科はなぜ幻覚を治せないのか。ドパミン阻害薬で歩行を悪化させたくないか らである。しかし、セレネースでも 0.3mg なら害はない。1 錠(0.75mg)単位で 考えるから治す糸口が見つからないのである。なぜ高校生でもわかるようなことが 神経内科にはわからないのか。コウノメソッドの奇跡は、副作用と有効域のmm単 位の隙間を狙って投薬するからで実現できる。新薬なんていらない。 薬を開発してくれた研究者への畏敬、多くの試行錯誤を繰り返させてくれた大勢の 患者さん。すべての経験を私はもったいない、とすくい上げてきた。初期のアリセ プト処方者は 3000 人まで詳細な個人カードが作成されている。いまは、私のカン ピュータの中にニューロンとして溶け込んでいる。 お詫び:いつも神経内科批判で不愉快な思いをされている先生方には、その都度誤 ります。私が言っているのは、神経内科医個々のことではなく、神経内科学という 学問体系や学会が認知症に対する正しい姿勢を指導せず、臨床医が治し方も知らず に薬剤を振り回していることに危機感をつのらせているのです。家族が、おかしい なと気づかず医師に従い続けると、死んでしまうという今の状況下では、私はいく ら憎まれてもこの危険な行為を公表して世に示す使命があります。
点滴療法の話題1
やはり奇異反応はありうる「いったん落ちる」現象。
スライド3343 自費点滴をおこなうと、いったん 1 日だめになって、そのあと改善してくるという 症例を経験したことはないであろうか。私は、複数経験したので、この奇異反応は間違いなく存在すると思うようになった。よく聞くのは点滴後眠くなるという話で ある。 この 86 歳女性は長い通院歴がある。もともと静かな方であり改訂長谷川式スケー ルは 20 から 18 に低下してきていた。病名はとくに特徴がないのでアルツハイマ ー型認知症と思っている。最近は二次性パーキンソニズムなども加わり、膝が折れ て意識を失ったなどと予定より4日早く車いすでやってきたのが 11 月5日だった。 とくに内服の追加の必要性は感じなかったので、この日は自由診療日に切り替えて グルタチオン 600mg、シチコリン 1000mg をおこなった。すると覚醒はした感 じだったので、次回からシチコリンを増やそうとカルテに書いておいた。その4日 後予約日だったので予定通り来院し、よくなったという。すたすたと 1 人で歩いて きたのでびっくりした。 ところが、娘が言うには点滴後から 1 日中寝てしまい、その後元気になったのだと いう。首たれが治り、デイサービスでも全量摂取した。奇異反応ではあったが、結 果オーライだったのである。この「いったん落ちる」現象の原因は、いまだ不明で ある。この日は保険診療日なので点滴は行わなかった。
サプリメントの話題1
プラズマローゲンは効くのか?
スライド 7428 医師仲間の間でもプラズマローゲンは効くのか?と気にしている者が散見される。 この 82 歳女性は LPC で昨年 6 月には歩いて初診した。左不全麻痺、よれよれで CT ではビンスワンガー虚血もある。歯車現象あり、夜のみ尿失禁あり。暴力があっ て要介護3.振戦はないが脳梗塞を起こす前から小刻み歩行、前方突進はあったと いう。娘さんが研究熱心でフェルラ酸と GABA を飲ませていた。 が、その後は車いすとなり、7 月誤嚥するもののカプサイシンは飲めないという。 ウインタミンは中止し、ルーランは 4mg を 1/4 にしても強すぎるという。フェル ガード 100M でもハイテンションになった。抑肝散は苦いと言って飲まない。暴力 にリスペリドンを屯用処方したが娘さんは使用せず。 8 月には、ニューレプチル 3mg の半分が合うという。グルタチオン 1200mg でも ハイテンションになり(1 週間効いていたが)、実践医に点滴依頼していた。グル タチオンで抑制系内服の節約効果は出ていた。 今年の 7 月マドパーで吐き気がおき、ドパコール 25mg×3で対応。グルタチオン はそのころは 1800mg としていたが、ソルコセリルは合わないと娘さんが言う。 ピック系なのでシチコリンを入れるのも怖かった。そのころサプリとしては GSH を 試していた。11 月車椅子ではあるが調子が良いという。ドパコールは少ないからだと思うが体幹傾斜は治らず、スラズマローゲンのモニタ ーに参加して3週間後から改善したように思うと言う。点滴療法は覚醒しすぎて不 安定になるし、プラズマローゲンでも独語が増えたため規定の半分しか飲ませてい なかったという。外来では笑顔や冗談も言い確かに良い感じだった。認知症責任疾 患は少なくとも2個あるようだが、AGD+脳虚血+二次性パーキンソニズムといっ たところであろうか。以上のようにピック系で猛烈に薬剤過敏のある女性である。 プラズマローゲンを飲んでいるという患者は 5 人ほど知っているが、皆さんが劇的 によくなったということはなく、必ず聞き取りをするようにしている。何%効いて、 どれほど持続して、どのタイプの患者に効くのか、コストはどれほどなのか。情報 を集めていきたい。 プラズマローゲンというのは抗酸化作用を持った脂質の中のリン脂質の一種で、グ リセロリン脂質の一つです。プラズマローゲンは哺乳動物の全ての組織に存在し、 人体のリン脂質の約 18%を占めます。特に、脳神経細胞、心筋、リンパ球、マクロ ファージ等に多く含まれ、抗酸化能など細胞の根元的な機能をコントロールする事 が分かってきました。(インターネットより)
コウノメソッドの話題2
小倉、博多講演を開催(11 月 14 日、15 日)
ソフトバンクホークスの日本一で沸く?北九州地区で、土日2講演を行った。もと もとは小倉医師会からの招聘があり、その翌日に一般公演をドッキングした形であ る。先回の九州講演は鹿児島だった。新たに発見した副作用の話題1
バップフォー、桂枝、スタチンの注意事項について(中部支部実践
医)
いつもブログで有用な情報ありがとうございます。シンメトレルロケット(ブース ター)私も少しずつ症例を増やしているところです。ところで最近の認知症治療で の気づいた点についてご報告します。 1)バップフォーはせん妄を起こしやすくコウノメソッド禁忌薬にすべきでは? この 10 年で夜間頻尿に泌尿器科から処方されたバップフォーで突然のせん妄状態 になる患者さんが数例ありました。1錠のところ間違えて2錠内服してしまいラリ ッてしまった 患者さんもいます。ほかの先生方はそんなご経験はないのでしょうか?他のお薬(ベ シケア・デトルシトール・ブラダロンなど)ではそんなことはないようです。中枢 性に抗コリン作用を発揮するんでしょうか?2)桂枝(桂皮)はレビーの幻視を悪化させるのではないか? 抑肝散加陳皮半夏でむくみや高血圧が出るので、柴胡加竜骨牡蛎湯(甘草非含有) を処方している患者さん、悪夢をみるというので桂枝加竜骨牡蛎湯に変更したら、 とたんに 幻視が増悪しました。この方、以前夏ばての症状に十全大補湯を処方した時も幻視 が増悪した経緯があります。桂枝が共通した生薬と考えられます。桂枝は気を上に あげる作用があるのでそれがレビーに合わない可能性が示唆されました。 3)スタチンで嚥下障害が起きうる。 そもそも認知症患者さんのコレステロールを下げることは意味のないことで、むし ろ性ホルモンやコエンザイムQ10を減少させるので(添付資料)、どんなに高く ても処方しないように しています。先日認知症ではない患者さんで嚥下障害が良くならない患者さんがい て、他院で処方されているスタ チンをやめるように指示したら嚥下障害がすっかり 改善しました。嚥下障害や誤嚥性肺炎を懸念される患者さんではスタチン併用はよ くないものと考えられました。以上最近の診療における雑感です。ご参考いただけ たら幸いです。
ドクターコウノ
私には経験がない話ばかりでした。皆さんのご意見を募集します。 名古屋フォレストクリニック FAX 052-624-4005 まで なお、投稿された文章は、このブログに載せますが了解なく実名を出すということ は絶対にしませんのでご安心ください。コウノメソッドの話題3
コウノメソッドの基本骨格(たがしゅうブログより)
たがしゅう先生のことは個人的にして知っています。非常に立派な科学的で患者思 いの神経内科医です。たぶん、そのお人柄は彼の顔をみればわかります。今回コウ ノメソッドを解説してくれていたので転載します。 (引用開始)先週、認知症コウノメソッドの講習会に参加しました。以前も紹介し ましたが、講演された河野和彦先生は名古屋フォレストクリニックというクリニッ クの開業医の先生です。河野先生は老年医学を専門にこれまで臨床経験を積み重ね られてきた先生です。その河野先生が圧倒的な症例経験に基づいて導き出された独 自の認知症診療の公式、それがコウノメソッドです。 このコウノメソッド、認知症の専門医の先生達からみると「開業医の医師に何がわかる」と相手にされていないような風潮があるのですが、糖質制限、湿潤療法と同 様に一般内科医や脳外科医、患者さんを中心に広まってきています。なぜならこの 公式で実際に患者さんがよくなっているからです。一番コウノメソッドに否定的な のは、認知症専門医、次に認知症診療にプライドを持っている精神科医、神経内科 医です(私は違いますけど)。これってまたまたあの構図とそっくりですよね。 ここで、コウノメソッドの基本的な考え方についてまとめてみます。認知症は原因 の如何に関わらず脳内での神経伝達物質が不可逆的に障害されている状態です。例 えばアセチルコリンという神経伝達物質が少なくなると、記憶障害などが進み、ア ルツハイマー型認知症と呼ばれる状態になっていきます。 またドパミンという神経伝達物質が少なくなると、パーキンソニズム(動きが鈍い、 身体が硬い、手足がふるえるなど)という症状が出て、パーキンソン病と呼ばれる 状態になっていきます。そしてセロトニンという神経伝達物質が少なくなると、意 欲が低下し元気がなくなってしまい、大うつ病と呼ばれる状態になっていきます。 そのほかにもノルエピネフリン(=ノルアドレナリン)、グルタミン酸、ガンマアミ ノ酪酸(GABA)など様々な神経伝達物質の欠乏、およびバランス不良が複雑に重 なり合って認知症の発症に関わっているわけですが、 基本的には「枯渇した神経伝達物質を適切に補ってやればよい」ということになり ます。この時に「適切に」補ってやることが最大のポイントになるわけですが、多 くの場合、この適切な投与ができていないのです。それはなぜかと申しますと、一 番の大きな原因は「薬剤の増量規定」です。 たとえば、アルツハイマー型認知症という認知症の原因として最も多いといわれる 病気に使われる「アリセプト」という薬があります。この薬は販売元の製薬会社の 規定によって、最初の 1~2 週間は 1 日 3mg という用量ではじめて、その後は 5mg で維持して、さらに症状が進んだ場合に 10mg まで増量できる、というルールにな っています。このルールに基づいてアリセプトを 5mg もしくは 10mg を進行予防 のため継続的に飲み続ける、というケースが多いのですが、 実は増やせば増やすほど効くという単純なものではなく、患者さんの状態に注目し ているとむしろ 6mg 以上に増やすと副作用だけが増えます。臨床経験を積み重ねら れた河野先生によると、アリセプトは「超ストレートの興奮系薬剤」だそうです。 すなわちアリセプトを飲ませ過ぎることによって怒りっぽくなったり、眠れなくな ったり、暴言・暴力、介護へ抵抗されるなどのいわゆる問題行動(これを医学用語 で BPSD と言います)を呈する場合が結構多いのです。 実際にはアルツハイマー型認知症でのアリセプトの至適用量は 3mg 周辺にあるこ とが多いので、増量規定に基づいて普通に上げていってもあまり良い事はないとい うことになります。そしてそれが証拠に、実際にそういう人のアリセプトを減量も
しくは中止をするとそれだけでよくなるというのです。 ここでのポイントですが、認知症の症状悪化が「アリセプトのせいかもしれない」 と思えるかどうかが運命の分かれ道です。そういう発想のない医師は「認知症は治 らない」という固定観念のもと、その問題行動を認知症が進行した症状だと判断し てしまうものですから、アリセプトはそのまま維持した上で、さらに鎮静系の薬を 上乗せしたりして、今度はぐったりと眠り込んでしまうという、泥沼コースへ進ん でしまいます。 じゃあ、どうすればよいのかですが、これは患者さんの症状をよく観察することに つきます。もっと言えば患者さんの家族の訴えにしっかりと耳を傾けるということ です。河野先生の理念の中に「患者と家族のどちらかしか救えないとしたら、私は 迷うことなく家族を救う」という言葉がありますが、認知症患者さんに携わる御家 族の訴えにどうすればいいかのヒントがあるというのです。そしてそれに対するコ ウノメソッドでの対応は極めてシンプルです。 まず興奮しているのか、抑制されているのかを区別し、興奮している人へは抑制系 薬剤(抑肝散、グラマリール、コントミンなど)を、抑制されている人には興奮系 の薬(サアミオン、シンメトレルなど)を処方します。 「え?そんなの当たり前のことでは?」と思うかもしれませんが、意外とそうでも ありません。多くの医師は認知症と聞くと認知症進行を抑える 4 つの薬(アリセプ ト、メマリー、リバスタッチ、レミニール)の処方の使い分けのことしか頭になく なります。しかも、特にあまり勉強していない医師は、ただアリセプトを処方する だけというパターンになりますし、先ほどの増量規定に基づいて量を出しすぎると いう泥沼パターンにはまります。 コウノメソッドでは認知症の中核症状を抑えるよりまず周辺症状(興奮 or 抑制)を 抑えることが最優先、それだけで本人の本当の姿がはっきりし、その先どうすれば いいかが見えてくるそうです。 ここで患者さん家族が具体的に何で困っているかを、どうしてほしいかの希望を聞 き出します。例えば「患者を穏やかにさせてほしい」のか、「患者を元気にさせてほ しい」のか、「認知症の進行をおくらせてほしい」のか、「夜、熟睡させてほしい」 のか、「患者の歩行をよくしてほしい」のか、「幻覚、妄想を減らしてほしい」のか、 「食欲を出してほしい」のか、といった具合です。 その中で一番の希望が何であるかを踏まえて問題点を絞り、そして診察も加えて脳 内でどんな神経伝達物質がどれくらい不足しているのかを想定して薬を選ぶわけで す。そのときに増量規定に縛られない姿勢、場合によっては適切な量として通常量 の 3 分の 1 くらいの処方をし続けるという工夫も必要です。
で CT、MRI などの画像検査はあくまで予想した診断の確認作業と、たまにある外科 的に治療可能な認知症(慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症など)を除外するために行 います。従って多くの場合は画像がなくても認知症診療ができるというのが河野先 生のお考えです。本日はコウノメソッドの骨格部分のみ御紹介させて頂きました。 細かいところでは、いろいろなテクニックや参考になる考え方もまだまだたくさん あるのですが、それについてはまた後日ということで(引用おわり)
コウノメソッドの話題1
コウノメソッド流臨床認知症学は臨床内科で 61 位
日本医事新報社の第四弾は、現在脳神経科学・神経内科学部門の 3 位にいるものの、臨床内 科部門となると 61 位でしかない。まだまだ認知症はマイナーな分野なのだと痛感させられ る。臨床医の責務として、認知症はやってもらわないといけない状況になりつつあるのだが、 専門医が、まったくいない地域で自治医大的な先生が孤軍奮闘しているのだろうなと想像す る。 先生の近著「コウノメソッド流 臨床認知症学」を小説のようにワクワクして読ん でいます(九州支部実践医) フジメデイカル出版「ピック病の症状と治療」を読んで。どうしてこの本にもっと はやく出会わなかったのか。それが残念です。この本を読んでいれば、救えた人が あったのにと思います。(出版社に送られてきたはがきより)認知症の社会問題についての話題1
認知症徘徊の列車事故訴訟、二審判決を見直しか 最高裁
朝日新聞デジタル 11 月 10 日(火)18 時 32 分配信 認知症で家を出て徘徊(はいかい)中に列車にはねられて死亡した愛知県大府市の 男性(当時91)の遺族に対し、JR東海が約720万円の損害賠償を求めた訴訟 で、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は10日、当事者の意見を聞く弁論を 来年2月2日に開くことを決めた。 二審の結論を変える際に必要な弁論が開かれることから、男性の妻の監督義務を認 めて約360万円の支払いを命じた二審判決が、何らかの形で見直される公算が大 きい。弁論を経て、判決は早ければ年度内にも言い渡される。第三小法廷は、責任 能力がない人が起こした不法行為に、親族の監督義務がどこまで及ぶのかについて、判断を示すとみられる。 「要介護度4」と認定されていた男性は2007年12月、徘徊中に愛知県内のJ R東海道線共和駅の構内で列車にはねられて死亡した。訴訟では、男性と同居して いた事故当時85歳の妻と、横浜市に住む男性の長男の2人に、男性を見守る監督 義務があったかが争点となった。 13年8月の一審・名古屋地裁判決は、男性を見守ることを怠った妻の過失のほか、 長男にも監督義務があったと認め、JR東海の請求通り約720万円の支払いを2 人に命じた。一方、昨年4月の二審・名古屋高裁判決は、妻の監督義務を認めた上 で、賠償額については約360万円に減額した。長男に対する請求は退けた。 この判決に対し、妻とJR東海の双方が上告していた。(河原田慎一)
ドクターコウノ講演 2015 年
●11 月 25 日(水)長久手南クリニック認知症勉強会 午後 6 時 30 分 認知症点滴療法カクテルの考え方 主にケアマネ対象 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――ドクターコウノ講演 2016 年
●1月 10 日(日)第一回フェルラ酸研究会(東京)基調講演 午後1時 ガーデンアンゼリカとの配合比による標的症状の違い ●3 月 13 日(日)第二回認知症治療研究会(パシフィコ横浜 1000 席)午前 10 時から大 会開演 歩行障害系認知症への対応 ●3 月 14 日(月)サンケイホール(東京 600 席)午前 10 時 認知症は、治そうと思わないと治らない ●4 月 30 日(2 日めの土曜日) 第 45 回国際オーソモレキュラー医学会(カナダ・バンクーバー・フェアモントホテル)Epoch-making dementia medical therapy, Kono Method ●9 月 25 日(日)日本ホスピスケア研究会プレ大会神戸 午後 この大会は認知症がテーマになるもようです。 11 月 23 日(祝)午後2時―午後 5:45 東京において一般社団法人「抗認知症薬 の適量処方を実現する会」を開催します。講演は、私、K さん、H 先生となってい ます。15:30-16:15 は記者会見をおこない、マスコミからの質疑に答えます。一 般の方の入場は会議室の大きさの関係もありできませんのでご了承ください。会議 のもようは新聞、テレビなどでご覧ください。