◇第68会期◇
朝鮮民主主義人民共和国──第2次・
第3次・第4次合併レポート
⑴ 積極的評価 ◦立法措置:女性の権利保護促進法(2010),子どもの 権利保護促進法(2010),産休・授乳休憩の増加を含む 妊 娠 し た 女 性 へ の 措 置 を 規 定 し た 労 働 者 保 護 法 (2010),女性の利用も可能とした社会保障法(2008)。 ◦制度・政策:国際人権条約履行のための国内委員会 の設置(2015)。 ◦条約批准:障害者権利条約(2016),子どもの権利条 約子ども売買議定書(2014)。 [阻害要因] 国際社会による経済制裁が女性に不均衡 な影響を与えている。女性の人権の尊重・保護・促進 に適切な措置を講じ,各勧告を優先して履行すること。 ⑵ 主要な関心事項および勧告 [条約・一般勧告の可視化] 国際人権条約履行委員会 の設置を歓迎。条約・一般勧告を十分に可視化し,本 総括所見を迅速に履行すること。 [立法,差別的法律] 前回総括所見を想起。⒜あらゆ る場面で直接・間接差別から保護されるよう条約1条 に基づく女性に対する差別の包括的な定義の制定・適 用,⒝婚姻最低年齢の18歳への引き上げ,⒞DVや性 犯罪の訴追回避のために女性の権利保護促進法や家族 法の調停を利用しないこと,⒟教育・雇用・社会権・ 労働権について女性に差別的な規定を特定・改正すべ く法律を見直すこと,⒠国内イントラやインターネット などで法律・命令・規則を公開する措置を講じること。 [司法へのアクセス] 一般勧告33号を想起。⒜ステレ オタイプ払拭のため司法職員や法学部生の意識向上や 能力開発措置,司法制度へのジェンダー視点の導入, 国際的法文書の適用確保,⒝一般勧告33号に基づく女 性に対するジェンダーに基づく暴力被害者の司法アク セスと救済を確保し,仲裁・調停などのADR(裁判外 紛争解決手続)を回避,⒞司法・準司法手続を含む迅 速・継続・効果ある法支援サービスの提供,⒟女性差 別の適切・迅速な救済の提供・確保と全手段へのアク セス,⒠権利主張のための権利の周知と法識字の確保。 [女性の地位向上のためのナショナル・マシナリー] ⒜国際人権条約履行委員会に十分な可視性と予算を確 保,⒝履行委員会に女性代表を均等に確保し女性の権 利分野の専門家を加える,⒞女性の権利・ジェンダー 平等の行動計画を策定・採択・履行し,達成度の監 視・評価を実施,⒟国家機関・朝鮮民主主義女性組合 に女性の権利や条約の施策指針を供与,⒠履行委員会 の勧告,条約履行とフォローアップに関する情報の利 用確保。CEDAW第68・69・70会期における各国レポート審議概要
──国連報告書の抄訳──
編集委員会 訳
ここで取り上げるのは,以下の12カ国のレポート審議に関する女性差別撤廃委員会(CEDAW)の総括所見の 抄訳である。 第68会期(2017年10月23日〜11月17日):朝鮮民主主義人民共和国,イスラエル,モナコ,ナウル,ノルウェー 第69会期(2018年2月19日〜3月9日):チリ,マーシャル諸島,韓国,サウジアラビア 第70会期(2018年7月2〜20日):オーストラリア,リヒテンシュタイン,パレスチナ 〈社会制度・人権状況・歴史的背景などから関心が高いと思われる国もしくはUN Womenの活動や懸念の対象 となっている国を基準に,3会期で審議された28カ国から12カ国を選んだ。その他の国については,前掲の委員 会報告を参照されたい(林報告9頁参照)。アンダーラインは,フォローアップの対象となった部分である。〉[国内人権機関] 期限を定めてパリ原則に基づいて広 範 な 権 限 を も つ 独 立 し た 国 内 人 権 機 関 を 設 置。 OHCHRに支援・助言を要請。 [市民社会,NGO] 女性の権利状況を独立して監視し 公的機関に進言すべく,女性NGOが自由に設立され, 国家機関から独立して活動する環境づくり。 [暫定的特別措置] ⒜条約4条1項・一般勧告25号に 基づき高等教育・司法・安全保障・警察・指導者・非 伝統的職種の管理職など女性が低い代表性・不利な立 場にある条約上の全領域で実質的平等を達成すべく, 制裁を伴うクオータ制等の暫定的特別措置に時間枠と 十分な資源を投入して実施,⒝条約5条に基づき職務 分類を是正するため雇用分野の女性の最低割合に関す る特別措置を見直す。 [ステレオタイプ] 家父長的態度や差別的ステレオタ イプの撤廃は政府高官が先導すべき。⒜情報・意識向 上運動や女性の権利・ジェンダー平等の全教育課程で の義務化など家族・社会内の男女の役割・責任につい て差別的ステレオタイプや家父長的態度を撤廃すべく, 社会の全領域を対象に事前的・継続的な包括的措置を 遅滞なく実現,⒝男女の実質的平等の理解を強化し, 教育制度を重点的に女性の積極的・非ステレオタイプ な描写を促進するためメディアを対象とした創造的措 置を講じる,⒞取組みの進捗を計る基準や指標を構築 し次回レポートで報告。 [女性に対するジェンダーに基づく暴力(GBV)] 一 般勧告35号・SDGsのターゲット5.・2を想起。⒜女性 に対する全GBVを犯罪化し,被害者に保護・支援を 提供するため女性の権利保護促進法を改正,⒝職場や 幼少・青年期等を含め強かんに均衡のとれた刑罰を科 すべく刑法規定を改正,⒞強かん・強制性交等の性的 暴行を個人の安全・身体的性的心理的尊厳の権利に対 する犯罪と位置づけ,夫婦間強かん・知人間強かんな どの性犯罪の定義は自由な同意の不可能性・強制され る状況を考慮すべき,⒟裁判所への被害者の効果的ア クセスを確保し,刑法に基づく容疑者の公平・公正・ 迅速・的確な手法での訴訟参加・十分な処罰を含め適 切に全事案に対処,⒠家族内の暴力撲滅策を強化すべ く女性の権利の知識・意識を向上させ,被害者に十分 な法的・心理社会的支援やシェルター等の安全へのア クセスの措置を講じ,被害者への烙印付けを除去,⒡ 司法官憲に女性に対する暴力の現状の認識と慎重対応 の必要性の訓練・能力開発を強化し,申立手続の支援 を含む被害者女性への適切な支援提供。 [人身取引,買売春による搾取] ⒜国際基準に基づく 人身取引の刑事罰化と被害者女性の非犯罪化と十分な 保護・支援の提供,⒝女性の経済状況改善による女性 の人身取引・搾取への根源的取組み,⒞人身取引被害 者の帰還女性が適切な支援を受け,処罰や強制労働施 設・刑務所へ送致されず,妊娠した女性が中絶を強制 されないよう確保,⒟国際組織犯罪防止条約人身取引 議定書の批准。 [政治的・公的活動への参加] ⒜最高人民会議,地方 議会,閣僚,外交官,研究機関,司法官の女性割合の法 定クオータ等,条約4条1項・一般勧告25号に基づく 暫定的特別措置を含む時間枠と目標を明記した措置の 採用,政治的・公的活動への参加を加速するため保 安・警察への女性の募集を増加,⒝政治的・公的活動 への女性の完全・平等・自由・民主的参加は条約履行 の条件であり,政治的安定や経済発展にも繋がること を政治家・メディア・伝統的指導者・世間に周知する, ⒞女性の権利の保護・促進のためフェミニスト運動を 強化・支援。 [国籍] 条約9条2項の留保撤回を歓迎。母親の国籍 に基づく無国籍児への遡及適用のため法律を再検討。 国外に居住する女性の子どもが母子ともに強制的に帰 還させられることなく出生登録・国籍取得が可能とな るよう二国間協定を再検討。 [教育] ⒜女性の権利・ジェンダー平等に関する教職 者研修の促進と女性の歴史的役割・貢献の教科書への 反映,⒝学級長・指導的立場等の学校活動への少女の 平等参加を促進,⒞科学技術等の男性支配的な領域へ の少女の参入を拒む伝統的ステレオタイプや障壁の除 去による高等教育の分断化克服を促進,非伝統的な職 種に関する職業指導を供与,非伝統的な職業訓練への 参加を奨励,⒟公正な教育と生涯を通じた学びの機会 を確保すべくSDGs目標4の履行のためにユネスコ・ ユニセフとの協力を強化。 [雇用] ⒜ジェンダーに基づく職業分離を解消するた め,女性の労働市場への参入を制限し低賃金労働に割 り当てる労働法制を再検討,⒝クオータや短縮選考過 程等の暫定的特別措置による管理・指導職への女性参 加を促進,⒞定年年齢を同一化し,女性の更なる雇用 機会と平等な年金を提供すべく労働法を見直す,⒟常 時利用可能な同一賃金の統計の作成,⒠産後の強制・ 分担父性休暇等の導入による家庭内責任の平等負担の 促進。 [職場におけるセクハラ] 職場におけるセクハラを定
義・犯罪化する法律の制定,職場におけるセクハラや 性差別を申し立てる秘密・独立・安全の制度の開発,加 害者処罰を含む救済手段への効果的アクセスの確保。 自由な合意の欠如や強制される状況の考慮に基づく定 義を用いて職場における強かん(強制性交を含む)を 強かん罪と同様に処罰すべく刑法を改正。・ [健康] ⒜妊娠・授乳中の女性等の女性・少女の栄養 不足解消努力を強化,⒝思春期の少年少女へのセクシ ュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(SRHR) の助言と年齢に応じた教育へのアクセスを確保し,現 代的な避妊方法の周知と安全・安価なアクセスを増進, ⒞SRHRの情報や教育へのアクセスを妨害しないよう 青少年の性に関する否定的ステレオタイプ・差別的態 度への対策も含め,責任ある性行動と早期妊娠・性感 染症の予防等のSRHRの年齢に応じた教育を学習課程 に導入,⒟HIV/AIDSや責任ある性行動の情報・意識 向上運動を開発・実施し,HIV/AIDSをもつ女性・少 女に無料の抗レトロウィルス薬等の十分な治療へのア クセスを提供。 [農山漁村女性] ⒜条約4条の文脈で農山漁村女性の 大学進学を促進・奨励,非伝統的な学問領域を含む可 能な選択肢について職業指導・学問的助言を提供,⒝ 健康サービス,安全な飲料水,衛生状態へのアクセス を強化,⒞権利と権利侵害申立・利用可能な救済の知 識・認識の促進。 [障害のある女性] 教育・雇用・ヘルスケア・サービ スへのアクセスに着目して障がいのある女性・少女の 現状に関する情報を収集・分析。 [拘禁女性,帰還女性] ⒜女性看守による拘禁女性の 監視と,全看守に拘禁女性の尊厳・権利に関するジェ ンダーに敏感な義務的研修の提供を確保,⒝拘禁中の 女性が性暴力等の被害をジェンダーに敏感な形で申し 立てる制度と全事案の効果的な捜査・訴追を確保,⒞ 越境の非犯罪化や執拗な身体検査・性暴力・中絶強制 の防止,生命・公正な裁判の権利の尊重等,拘禁中の 帰還女性の現状に取り組む,⒟国際機関・特別報告者 等の独立機関に女性拘禁施設へのアクセスを提供。 [婚姻,家族関係] 一般勧告21号・29号を想起。⒜女 性の離婚の影響を特定すべく離婚原因を調査し,必要 な支援を提供,⒝不貞・婚外性交渉を犯罪とする法律 を見直し,非公式に結ばれた女性の法的保護を確保し, 養子縁組において子の最善の利益の尊重を確保。 (谷口洋幸)
イスラエル──第6次レポート
⑴ 積極的評価 ◦立法措置:婚姻最低年齢を引き上げた(17→18)婚 姻年齢法改正(2013),産休を拡張した(14週→15週) 女性雇用法改正(2017),高等教育機関のセクハラを明 記したセクハラ防止規則改正(2014),ユダヤ教裁判所 の判事指名委員会に政府・議会・弁護士会から2名中 1名を女性とする宗教判事法改正(2013),ラビ裁判所 (離婚判決執行)法改正(2012),化学・放射線治療を 受けた女性・少女に妊孕性温存術を提供する国民健康 保険法改正(2011)。 ◦制度・政策:安保理決議1325の国内行動計画(2015), 共 同 体 裁 判 所 の 始 動(2014),DV防 止 省 庁 間 会 議 (2014),警察ジェンダー平等ユニット(2013),司法副 長官を長とする人権条約機関の総括所見の検討・実施 の省庁間会議(2011)。 ◦条約批准:障害者権利条約(2012),ILO181号(民間 職業仲介事業所)条約。 ⑵ 主要な関心事項および勧告 [留保] 前回総括所見を想起。婚姻年齢・夫婦財産に 関連して,条約7条⒝・16条の留保撤回の時限を定め た再検討。16条の留保は婚姻・家族関係の男女の実質 的平等を損ない条約の趣旨・目的に反する。 [差別・無差別の定義] 前回総括所見を想起。条約1 条に基づく交差差別も含む公的・私的空間の直接・間 接の女性差別の包括的定義を法制化。アラブ系・ベド ウィン女性等の国民的マイノリティへの組織的差別撤 廃の包括戦略を採択。 [女性の移動の自由の制限,公共空間・商業・教育で の分離・排除] ⒜交通機関・教育・商業・宗教施設 等の公共空間に女性・少女のアクセスを保障すべく女 性の自由移動の制限や宗教活動の性別分断への対応努 力を強化,差別的行為に荷担する個人・組織を制裁, ⒝女性・少女の分離は容認できない慣行,女性・少女 の尊厳を害し基本法(人間の尊厳・自由)と両立せず 条約違反,⒞公共空間・高等教育を含む全場面で分離 を撤廃。 [条約の域外適用] 前回総括所見を想起。管轄下・実 効支配下の全領域に条約・国際人道法の完全な効力を 認め,支配下のパレスチナ占領地域の情報を次回レポ ートで報告。[司法へのアクセス] 一般勧告33号を想起。特にアラ ブ系・ベドウィン・庇護申請・移住女性等の司法アク セスを阻む物理的・経済的障壁に対処。⒜マイノリテ ィ集団を含む全女性に条約上の権利を周知,司法アク セスの障壁を除去,⒝女性の権利を支援する文化醸成 に判事等への条約・関連法規の継続的法教育が必要, ⒞子の支援・監護を含む家事事件等,女性の法支援指 針(2016)の影響を検証。 [女性と平和・安全保障] 一般勧告30号を十分考慮。 安保理決議1325の国内計画に十分な資源を投じ,CSO (市民社会組織)の女性達との協力を促進。⒜支配下 のパレスチナ占領地域へ施策計画を適用,⒝安保理決 議1325に基づき意思決定への直接参加も含め恒久平 和・紛争防止・復興に女性の役割を認識・活用する体 制を構築,以後一連の安保理決議も考慮,⒞国防軍の 性暴力加害者を捜査・訴追・処罰し,軍人の性的暴 行・搾取不寛容政策を厳格に適用,⒟暴力行為・反対 デモの対応や反テロ対策での女性・少女への武器使用 は均衡性と法執行官の武器使用基本原則との合致を確 保。 [国内人権機関] パリ原則を遵守した設置。 [女性の地位向上・ジェンダー主流化のためのナショ ナル・マシナリー] ⒜SDGsの達成監視を含む効率 的活動のため女性の地位向上局の調整力強化と資源提 供を継続,⒝国家予算のジェンダー予算評価基準との 適合,不適合への制裁も含め,ジェンダー主流化活動 の実施・連携を次回レポートで報告,⒞アラブ系・ベ ドウィン女性を含むマイノリティや不利な状況の女性 の関心事を扱うCSOとの協力を強化。 [暫定的特別措置] 地域議会・高等教育の意思決定機 関等の全領域で制定クオータを含む暫定的特別措置を 活用。条約4条1項・一般勧告25号に基づき,対象・ 時限を設定し,特にアラブ系女性に着目。 [ステレオタイプ,有害な慣行] 一般勧告31号,子ど もの権利委員会一般的意見18号,SDGsターゲット5.・3 を想起。⒜家庭・社会の男女役割・責任の差別的ステ レオタイプを撤廃するための影響評価・改善策を含む 包括的戦略の策定,⒝婚外子をもつ女性のステレオタ イプ・烙印付けを払拭する公教育等の拡張,⒞アラブ 系・ベドウィン等の複婚・強制婚を撤廃する法的・教 育的措置。 [女性に対するジェンダーに基づく暴力(GBV)] 一 般勧告19号・35号,SDGsターゲット5.・2を想起。⒜効 果的な捜査・訴追・十分な加害者処罰によりフェミサ イト・DV等の女性に対するGBVの撲滅努力を強化, ⒝裁判所の制裁等,離婚手続中の夫による心的暴力・ 虐待からの女性の保護,⒞訴追・処罰を確保したセク ハラ不寛容政策の実施,⒟女性に対する暴力・DV防 止・撤廃欧州評議会条約の早期批准。 [パレスチナ占領地域の女性に対する暴力・ハラスメ ント] 前回総括所見を想起。⒜パレスチナ占領地域 の女性・少女への人権侵害・暴力を即時終了,移動の 自由制限を除去,⒝人権侵害の免責を無くし被害者救 済を確保,⒞夜襲行動の適正手続・権利の確保。 [立退き命令,住居破壊] 前回総括所見を想起。⒜ア ラブ系・パレスチナ人女性・少女の身体的・心理的健 康に有害な懲罰的破壊・強制立退き施策を全廃,⒝差 別的な企図と区割り政策による立退き・破壊命令の即 時停止,⒞パレスチナ人の居住許可の差別的政策の改 正。 [人身取引,買売春による搾取] ⒜反人身取引調整機 関による人身取引被害者の早期特定制度の強化,⒝人 身取引・買売春の搾取撲滅法の監視機関間の連携強化, ⒞買売春の搾取の現状,性的搾取・農業労働者の搾取 による人身取引被害者の特定制度を次回レポートで報 告,⒟情報交換や人身取引従事者の訴追手続法の調整 等,人身取引防止の二国・地域・国際協力を促進,⒠ 買売春を望まない女性の離脱計画の導入。 [政治的・公的活動への参加] ⒜特に議会・官僚・学 術・外交等の政治的・公的活動の女性代表を増加する 特定措置を継続,ラビ判事の女性参加改革を関係者と 協議,⒝アラブ系・ベドウィン女性の政治的・公的活 動への参加増進のため暫定的措置を導入,⒞女性に党 員・候補者資格を与えず国会・地域・地方議会で女性 が不選出となる政党規則は条約7条・国内関連法に違 反するため,政党の選挙参加を禁止する法律を制定。 [人権擁護者,NGO] 海外からの援助等を不当に制約 されずイスラエル・パレスチナ女性やジェンダー平等 に取り組むNGOが自由に活動できる環境を整える法 改正等の特別措置。 [国籍,家族再統合] 前回総括所見を想起。安全保障 の法制度と人権の均衡を確保し,全市民・永住者の家 族再統合を促進すべく法制度を再検討。平等性・均衡 性などを案件毎に適用し条約9条・16条に沿って市 民・入国法(暫定命令)・政府決定3598号を再検討。 [教育] ⒜アラブ系・ベドウィン・超正統派の女性・ 少女の教育成果改善のため特定奨学金等の暫定的特別 措置の利用を含む計画を強化,教育省の出席管理官を
利用した退学防止,⒝暫定的特別措置等を利用し学術 の高位の女性代表を確保,⒞差別的ステレオタイプを 特定・除去すべくアラブ教育制度の教科書を検討。 [雇用] 前回総括所見を想起。⒜職業分断の撲滅によ り労働市場の平等な機会を保障,同一価値労働同一賃 金原則による賃金ジェンダー格差を減少,賃金調査の 実施,⒝デジタル技術開発に女性の平等参加を確保す る研修・職業訓練の確立,⒞ベドウィン・超正統派女 性の労働市場参加を改善,アラブ系女性の雇用機会の 障壁を除去する特別措置,⒟セクハラ防止法を施行し て特に国防軍におけるセクハラ撲滅の努力を強化,超 正統派男性の軍隊加入による国防軍の女性の職歴変遷 への影響を検証。 [健康] ⒜特にエチオピア系女性・少女への健康部門 の差別に関連刑法の厳格適用を含め適切な対応・行動 計画を策定,⒝肥満・肺癌・乳幼児妊産婦死亡等につ いてアラブ系・ベドウィン女性の健康状態改善のため 公費の乳癌検診や卵巣癌・肺癌治療等の努力強化を継 続,⒞妊娠中絶委員会への許可申請手続が女性・少女 の安全な中絶サービス利用を阻害しないよう影響調査 を実施。 [女性の経済的エンパワメント] ⒜貸付・信用取引等 の女性の利用と女性・少女の起業・デジタル技術の利 用の情報を次回レポートで報告,⒝SDGs達成に女性 の参加を確保。 [不利な状況にある女性の集団] (難民・庇護申請女 性・少女)前回総括所見を想起。庇護申請女性の申立 円滑化と基本サービスの利用のために潜入防止(犯 罪・管轄)法関連規定を撤廃。(拘禁女性)バンコク・ ルールズに基づき長期行政拘禁中の女性・少女に迅速 な裁判を保障,拘禁状態の改善と司法・ヘルスケア・ 行政サービスの利用確保。・ [農山漁村女性] (ベドウィン女性)前回総括所見を 想起。⒜明確な指標・目標のあるエンパワメントの行 動計画と監視・定期的評価の実施を含むベドウィン女 性・少女の教育・雇用・ヘルスケア・住居改善の特定 措置,⒝ベドウィン女性の社会支援・与信枠へのアク セスや現代技術利用を次回レポートで報告。 [婚姻,家族関係] 前回総括所見,一般勧告21号・29 号を想起。⒜男性の一方的な離婚協議(get)同意権の 差別的離婚規定を廃止,夫の恣意的な不同意への刑事 罰を強化,ラビ裁判所の離婚命令を尊重する監視権限 を拡大,⒝民事婚の締結と民事裁判所での離婚の選択 肢(外国で民事婚をした時)を導入,⒞婚姻・離婚の 宗教法を条約と調和させる,⒟試用期間の影響,増加 する子の共同親権,女性世帯主の貧困率,同意強要に 利用される共同親権について研究を実施,⒠厳格な 制裁や教育・意識向上運動を通して重婚・複婚制と 離婚時の遡及的破棄を禁止する努力の強化。 (谷口洋幸)
モナコ──第1次・第2次・第3次
合併レポート
⑴ 積極的評価 ◦立法措置:権利・自由の保護,調停に関する高等弁 務官事務所の設置国王令No.・4. 524(2013),暴力の防 止処罰に関する法No.・1. 382(2011),中絶に関する法 No.・1. 359(2009),国民の表現の自由に関する法 1. 299 (2005),国際組織犯罪防止条約実施国王令No.・605 (2006)。 ◦犠牲者支援協会の設立(2014)。 ◦条約批准:女性差別撤廃条約議定書(2016),子ども の権利条約個人通報議定書(2014),子ども売買議定書 (2008),女性に対する暴力・DV防止・撤廃欧州評議 会条約(2014),人身取引欧州評議会条約(2015)。 ◦SDGs:実現を確約,国民1人当たり500ユーロの ODAを供与。 ⑵ 主要な関心事項および勧告 [留保] すべての留保(7条⒝,9条,16条1項⒠,29 条2項)を撤回する。 [条約の可視化] 条約・選択議定書の周知・適用を図 る。司法関係者の条約・議定書・一般勧告に関する能 力強化計画を実施する。 [平等・無差別,司法へのアクセス] 公・私分野での 直接・間接差別,マイノリティ女性に対する交差的差 別を含む,包括的な差別禁止法を制定する。教育・雇 用・健康における女性差別に関する調査・データ収集 を行い,立法・政策策定において考慮する。 [差別的な法] 王位の男子優先継承を廃止し,絶対的 長子継承とする。女性を差別するすべての法を遅滞な く廃止する。 [女性の地位向上のためのナショナル・マシナリー] ⒜適切な意思決定力と人的・技術的・財政的資源を備 え,全女性の権利に取り組む,女性の地位向上のため のナショナル・マシナリーを設置する。⒝ナショナル・マシナリーと権利・自由・調停高等弁務官事務所 の密接な協力を確保する。⒞全省にジェンダー担当を 設置する。⒟ジェンダー関連予算を設け,立法過程で ジェンダー影響評価を必須とし,現行法のジェンダー 影響評価を実施する。 [暫定的特別措置] 政治・公的活動,意思決定,教育, 雇用など女性が過少で不利な分野で男女の実質的平等 を達成するため,クオータなどの暫定的特別措置を実 施し,期限付の目標を設定し,十分な資源を割り当てる。 [ステレオタイプ] 家庭・社会における男女の役割・ 責任に関する家父長的態度・ステレオタイプ撤廃のた め包括的戦略を採用する。⒜全レベルの教育課程にジ ェンダー平等を組み入れる。⒝メディアと協力して意 識啓発を行い,性差別的ステレオタイプに取り組む。 男性の役職との潜在的認識を防ぐため,女性が担当す る場合は男性形でない役職名を用いる。⒞大きなスポ ーツイベントの参加者の男女の不均衡に対処し,女 性・少女チームへの資金提供を増額する。⒟スポーツ イベントにおける単なる装飾的な女性の役割を廃止す る。 [女性に対するジェンダーに基づく暴力(GBV)] ⒜ 法No.・1. 382を改正し,GBV被害女性の具体的ニーズ に対処し,DVの定義を拡大して非同棲カップルにも 適用する。⒝刑法262条を改正し,レイプの定義は自 由な同意の欠如に基づくものとする。⒞女性に対する GBVの非許容・有害性に関する意識啓発プログラム を開発・実施し,法的救済に関する情報を提供し,通 報・介入を奨励する。⒟被害者の裁判所の効果的な利 用を確保し,刑法の厳格適用に関する能力強化,加害 者の公正・迅速な訴追・処罰などにより,女性に対す るGBV全件への当局の適切な対応を確保する。⒠金 銭賠償,法的・社会的・保健サービス,再発防止など, 被害者・サバイバーに対して効果的な補償を行う。⒡ 接見禁止命令・保護命令を活用する。⒢条約,一般勧 告 35 号,女性に対する暴力・DV 防止・撤廃欧州評 議会条約に関して法執行官の能力強化を図る。⒣ 法 No.・1. 299を改正し,性・ジェンダーに基づく憎悪・暴 力の扇動を犯罪とする。⒤女性に対するGBVの通報 数,保護命令の件数と種類,起訴・有罪件数,処罰内 容に関するデータを定期的に収集・分析・公表する制 度を設ける。・ [人身取引,買売春による搾取] ⒜近隣諸国と協力し て,女性の経済状況改善の努力強化により人身取引・ 買売春による搾取の根本原因に取り組む。⒝人身取引 の犯罪性の周知,ホットラインの設置,通報の奨励, 証言者の保護,一時在留許可など,潜在的被害者の保 護措置を強化する。⒞女性の従属性・モノ化の考え方 の撲滅などについて,教育・啓発措置を国民一般,特 に男性・少年を対象に実施する。⒟近隣諸国と協力し て,買売春に従事する女性の社会的・医療給付へのア クセスを確保する。⒠近隣諸国と協力し,買売春を廃 業したい女性の出口プログラムに特別資金を割り当て, 彼女らに他の収入源へのアクセス・教育・職業訓練を 提供する。 [政治的・公的活動,意思決定への参加] ⒜国民議 会・政府審議会・市議会への女性の平等な参加を確保 するため,法定クオータ,政党助成金などの措置をと る。⒝政治的・公的活動への女性の完全・平等・自由・ 民主的参加は,条約の効果的実施,自国の政治的安定 と経済発展の前提条件であることについて,政治家・ メディア・国民の意識啓発を図る。 [国籍] 国籍法を改正し,国籍の取得・保持・継承に 関して男女平等の権利を保障する。無国籍者地位条約, 無国籍削減条約,欧州国籍条約を批准する。 [教育] ⒜数学・情報技術・科学など伝統的に男性が 多い研究分野に少女が登録することを阻む構造的障壁 に対処する戦略を講ずる。⒝教科課程の一環で少女・ 少年のための年齢に応じたセクシュアル・リプロダク ティブ・ヘルス・ライツ教育を強化する。責任ある性 行動を奨励する。HIVなど性感染症の理解を高める。 [雇用] ⒜法No.・729の6条を改正し,外国人女性労 働者の産休後の解雇を撤廃する。・⒝採用・昇進差別撤 廃を含めて職業分離に対処し,必要な法改正を行い, 官民分野で同一価値労働同一賃金原則を実施する。⒞ 女性の就労制限を見直し,制限は厳密な意味で母性保 護に必要なものに限定し,労働条件の改善などにより 制限分野への女性の進出を促進・奨励する。⒟多くの 外国人女性が雇用されている清掃分野の労働条件に関 して,労働監督官による監視を強化し,民間住宅に対 しても監視を行う。⒠労働法を見直し,ILO基準に合 致させる。 [職場におけるセクハラ] 職場におけるセクハラ・性 暴力に関する法案No.・908を条約に合致させ,速やか に可決する。セクハラの通報・捜査・起訴の件数,処 罰内容を次回報告する。・ [移住家事労働者女性] 法を改正し,移住家事労働者 の採用・労働条件などに関する労働監督官の監視能力 と資源を強化する。彼女らに自身の権利に関する情報
を伝え,虐待の申立てを奨励する。ILO189号(家事労 働者)条約を遵守する。 [健康] ⒜刑法改正により母体の生命保護の場合の中 絶が認められたが,これを心身の健康保護の場合に拡 大する。⒝近親かんと胎児の重篤な障がいの場合の中 絶を合法とし,その他の場合を非犯罪化する。⒞十 分・安全・手頃・内密・公平な中絶・中絶後サービス を,中絶が違法の場合も含めて,すべての女性・少女 が利用できるよう確保する。⒟レイプ後の中絶に必要 な法医学検査で女性の人格・尊厳を確保する。⒠HIV その他の性感染症からの保護措置に関する国民の意識 啓発措置を強化する。 [経済的・社会的給付] 男性が家長であるとの認識を 除去するために迅速な措置をとる。 [LBTI女性] LBTI女性を差別・暴力から保護する。 ⒜性的指向・性転換・インターセックスを理由とする 暴力が犯罪であることを反差別法と刑法で明確に規定 する。⒝現行法を改正し,レズビアン・カップルの婚 姻,少なくとも公式パートナーシップと養子縁組を認 める。⒞性転換女性の公的文書における性別変更を認 める法を採用する。 [婚姻,家族関係] 法律を改正し,婚姻中に共同で得 た財産は共有とみなし,婚姻解消時に平等に分与する。 離婚後310日以内の女性の再婚を禁止する法を速やか に廃止する。離婚後の子どもの経済的福利を注意深く 監視し,男性の養育費減額目的での共同親権の請求を 阻止し,共同親権の場合の養育費が不当に減額されな いよう確保するため,必要な法改正と裁判官の能力強 化を行う。子どもの監護・面会・接触・訪問は女性と 子どもの生命と身体・性・精神の健康の権利に照らし て決定され,子どもの最善の利益が指針とされること を確保する。家庭内での女性に対する暴力と子どもの 成長との関係について裁判官を敏感にする。事実婚関 係にある女性の経済的権利の保護に必要な法改正を行 う。 (山下由紀子)
ナウル──第1次・第2次合併レポート
⑴ 積極的評価 ◦立法措置:⒜DV・家族保護法(2017),⒝同一価値 労働同一賃金,父親・母親の育休に関する公共サービ ス法(2016),⒞レイプの定義拡大,婚姻内レイプの処 罰などに関する新刑法(2016),⒟養子の機会を増やす 改正養子法(2015),⒠女性・少女の教育の機会,義務 教育年齢の引上げ(16歳から18歳),学校でのセクハラ 規制に関する教育法(2011)。 ◦制度・政策:⒜障がい者の問題に関する国家政策 (2015),⒝ジェンダー平等に関する国家女性政策 (2014−2024),⒞若年女性行動計画(2009−2015),⒟ 女性の生活向上に関する女性行動計画(2005−2015), ⒠女性の権利,平等な機会,ジェンダーの統合に関す る持続可能な開発国家戦略(2005−2025),⒡DV・ア ルコール・十代の妊娠の影響を受ける女性・少女の支 援に関するジェンダー計画。 ◦条約批准:⒜拷問等禁止条約(2012),選択議定書 (2013),⒝障害者権利条約(2012)。 ⑵ 主要な関心事項および勧告 [条約の可視化] 条約・一般勧告の周知,政府・議 会・裁判所による適用のためにあらゆる措置をとる。 [差別の定義] ⒜直接・間接・交差的差別,公私分野 での差別を含む女性差別の包括的な定義を憲法で規定 する。⒝男女平等原則を憲法で規定する。⒞婚姻・家 族関連法を含むすべての現行法を見直し,差別的な規 定を廃止する。 [司法へのアクセス] ⒜司法制度,法体系,それらへ のアクセスの方法に関する情報普及のアウトリーチ活 動を実施し,女性が権利主張する社会環境を促進する。 ⒝女性・少女の権利侵害に関する法律扶助や効果的救 済へのアクセスを確保する。⒞裁判官・検察官・警察 官・法執行官を訓練し,女性の権利侵害の調査・起 訴・解決に関する能力強化を図る。 [女性の地位向上のためのナショナル・マシナリー] ⒜女性局に十分な人的・財政的資源を配分する。⒝政 府内での女性局の権限・能力を強化し,関連機関との 協力を確保する。⒞ジェンダー予算を含め女性に関わ るすべての政策・プログラムで適用可能なジェンダー の主流化戦略を開発する。⒟2030アジェンダ実施の国 内行動計画を含めジェンダー平等のための具体的な計 画を策定・実施する。⒠ジェンダー平等・女性のエン パワメントの評価のためのデータ収集のメカニズムを 開発する。⒡関連政策の周知のため家庭保健・支援調 査(2014)の結果を活用し,女性団体・男性・メディ ア・民間機関と協力する。 [暫定的特別措置] 政治・公的活動・教育・雇用・健 康など女性が不利・過少な分野での男女の実質的平等のため,目標・クオータ・予算を含む暫定的特別措置 を策定・実施する。 [ステレオタイプ,有害な慣行] ⒜あらゆる社会レベ ルの男女に向けて,男女の実質的平等に関する教育・ 意識啓発活動を強化する。⒝女性差別の構造的・文化 的原因を改めるため,教育プログラム・カリキュラ ム・教科書を見直し,男性優位思考やジェンダー・ス テレオタイプを撤廃する。⒞メディア(ソーシャル・ メディアを含む)と協働して差別的ステレオタイプを 撲滅し,女性の肯定的イメージ,公的・私的活動にお ける男女の地位平等を示す。 [女性に対するジェンダーに基づく暴力(GBV)] ⒜ 女性に対するGBVの防止・対応のため,包括的な法・ 政策を整備・実施する。⒝GBV対処のため,裁判官, 地元警察官,ソーシャル・保健ワーカーなども包含し た効果的メカニズムを整備する。⒞GBV被害者のニ ーズに適切に対応し,特に障がい者・難民・庇護申請 者など不利な集団に留意するよう,法執行官・法曹・ 保健関係者・ソーシャルワーカーの訓練を行う。⒟ GBV被害者へのカウンセリング,法的サービス,職業 訓練,収入の機会の供与のため,シェルターを強化・ 拡大する。⒠ジェンダー不平等や女性に対するGBV を永続させる社会・文化規範を改め,被害者に対する 烙印を除去するため,女性・男性・少女・少年を対象 にした意識啓発活動を行う。⒢性,年齢,加害者・被 害者の関係に分類したデータ,起訴・有罪の件数,判 決に関するデータを収集する。 [人身取引,買売春による搾取] 人身取引の潜在的被 害者を特定・支援する能力向上のために職員などの訓 練を行う。人身取引・買売春による搾取に対するメカ ニズムを整備する。人身取引と買売春による搾取の防 止のため,危険性と犯罪性に関する国民の意識啓発活 動を行う。 [政治的・公的活動への参加] ⒜研修・ジェンダーに 敏感な採用などにより女性が意思決定権のある地位に 男性と同じ条件で任命されるための包括的戦略を開発 する。⒝議会・政府における女性代表に関して,法定 クオータなどの暫定的特別措置を採用する。⒞選任ポ ストや公職に備えエンパワーするため,女性に指導ス キルの研修を行う。⒟政治的・公的活動への女性の完 全・平等な参加の重要性に関する意識啓発活動を行う。 ⒠開発,気候変動,土地の相続・利用に関する政策・ 計画・行動計画の策定に女性を十分に関与させる。 [国籍] 憲法74条を改正し,国籍の取得・変更・保 持・継承に関する男女平等の権利を保障する。 [教育] ⒜奨学金,家族への奨励・補助金などにより, あらゆる教育レベルで女性・少女の修了・在学・就学 率を高める。⒝妊娠・育児による退学後に再入学した 少女の障壁を分析・対処することにより,卒業を確保 する。・⒞科学・工学・経営など非伝統的な研究・職業 分野を選択するよう女性・少女を奨励し訓練を行う。 ⒟十代の妊娠・性感染症の予防を重点にセクシュア ル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツに関して年齢 に適した総合教育を実施し,教員の訓練を行う。⒠教 育に関する法律・政策がジェンダーに敏感であること を確保し,あらゆる教育レベルにジェンダー平等を組 み入れる。 [雇用] ⒜官民分野の職場でのセクハラを禁止する法 律を制定し,被害者の救済申請のための正式な苦情申 立制度を設ける。⒝官民分野で有給の母親・父親の育 児休暇,授乳休憩,病気休暇の権利を保障し,妊娠に よる解雇や配偶者の有無による差別を明確に禁止する。 ⒞仕事と家庭生活の調和のため手頃な公立高齢者施設 や保育所の提供などにより,正規分野のフルタイム雇 用への女性のアクセスを拡大する。⒟家庭責任分担の 重要性などに関する国民意識啓発計画を強化する。⒠ 少額融資制度・情報・技術訓練・新技術への女性のア クセス拡大により,起業・企業開発を促進する。 [健康] ⒜女性の健康の権利強化のための公衆衛生法 と包括的国家戦略の採用を加速する。⒝内密のカウン セリング,家族計画サービス,手頃な最新の中絶,責任 ある性行動や若年妊娠・性感染症防止に関する正確な 情報など,セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス ケア・サービスへの女性のアクセスを促進する。・⒞中 絶の利用調査を含む明確な目標・指針を備えた若年妊 娠防止のための包括的国家計画を採用する。⒟あらゆ る場合の中絶を非犯罪化し,安全な中絶へのアクセス を確保する。⒠法律を改正して,リプロダクティブ・ ライツに関する健康上の決定における夫の同意の要件 を除去し,医療関係者に一般勧告24号を周知する。⒡ 子宮頸がんと乳がんに関する細分類データを収集し, 医療関係者に早期発見の訓練を行い,定期・適時の検 診を実施する腫瘍病棟の設立に資金を充てる。・⒢メン タルヘルス・サービスを難民・庇護申請者などの女性 に提供し,サービスの情報普及を図る。 [環境,リン採掘] 土地の回復・開発に関する政策・ 計画をジェンダーに敏感な方法で策定・実施し,女性 のニーズの考慮,意思決定への女性の参加を確保する。
リン採掘に起因する女性の健康問題に対処する特別措 置をとる。 [気候変動の影響] 気候変動に関する政策・計画の策 定・実施への女性の参加を確保し,ジェンダーの視点 を組み入れる。 [土地へのアクセス] ⒜土地の所有・相続に関する女 性の平等な権利を確保する。コミュニティ指導者や裁 判官への女性の土地の権利に関する研修などにより, この権利の完全享有に影響をもたらす差別的慣行を撤 廃する。・⒝土地の賃貸・利用に関する合意交渉への女 性の完全・有意義な参加を確保し,彼女らの生活が合 意により悪影響を受けることがないようにする。 [障がい女性] 障がい者のための公共型ケア施設を整 備し,障がいのある少女が普通教育制度で学べるよう 合理的配慮を提供する。障がい女性・少女の権利を保 護し,保健・社会的活動・経済的機会へのアクセスを 確保する。 [難民・庇護申請者女性] 難民・庇護申請者女性・少 女に保健サービス,教育,雇用の機会を提供し,彼女 らの安全と安心を確保する。GBVを受けた彼女らに 適切な保護と救済を提供し,無料法律扶助へのアクセ スを確保し,加害者を処罰する。 [婚姻,家族関係] ⒜すべての婚姻・家族関係の現行 法を見直し,平等・無差別原則,CEDAW条約,子ど もの権利条約に合致させる。⒝法的能力・婚姻・離 婚・事実婚・土地相続・子の監護権・養子縁組に関す る差別的なすべての規定を改正・廃止する。⒞婚姻・ 離婚・相続・子の監護に関する男女平等の確保のため, 様々な家族法規定を包括的家族法に統合し強化する。 ⒟事実婚女性と婚外子の地位・経済的権利の法的保護 を確保する。⒠家庭裁判所に十分な人的・技術的・財 政的資源を充てる。裁判官に調停支援技術などに関す る十分な研修を行う。 (山下由紀子)
ノルウェー──第9次レポート
⑴ 積極的評価 ◦国際関係:女性と平和・安全保障に関する安保理決 議1325とその後の決議1327,1366,1408,1820,1888, 1889,1960,2106,2122,2242,2272,2331,北京宣言・ 行動綱領20年レビューに関する活動・関与。ジェンダ ー平等において上位国に位置。 ◦立法措置:憲法98条に平等と反差別の原則を明文化 (2014),平等・反差別法の制定と監視機関・裁判機関 の設置(2017),自己申告により法律上の性別変更を可 能とする法制定(2016)。 ◦制度・政策:ジェンダー平等のための国家行動計画 (2014),国家人権機関(2015),自己決定権確立のため の行動計画2017−2020(2017),人身取引撲滅・ヘイト スピーチ防止に向けた行動計画,女性に対するジェン ダーに基づく暴力の捜査・訴追体制の強化(2016), DV防止に向けた行動計画(2014−2017)。 ◦条約批准:女性に対する暴力・DV防止・撤廃欧州 評議会条約(2017),拷問等禁止条約選択議定書(2013), 障害者権利条約(2013)。 ◦SDGsへの取組促進。 ⑵ 主要な関心事項および勧告 [条約・選択議定書・一般勧告の実施・可視化] ⒜政 府,法執行官,裁判官等の全関係者へ統括所見,条約, 選択議定書,一般勧告を周知。個人通報・調査手続の 見解と一般勧告を司法研修・能力開発プログラムへ反 映。⒝少数民族・移住女性を含む全女性へ向け条約・ 選択議定書上の権利に関する意識向上キャンペーン実 施。 [立法的枠組みと女性差別の定義] ⒜一般勧告28号パ ラグラフ5に沿い,立法,政策立案においてジェンダ ーに敏感な方法の採用。⒝査定指針におけるジェンダ ー平等と反差別要素の強化。⒞平等・反差別法がジェ ンダー平等施策を後退させぬよう,法の履行状況の監 視,対策。 [域外的義務] 気候変動とエネルギー政策(特に石 油・ガス採取政策)が女性の権利に与える負の影響を 考慮。 [女性と平和・安全保障] 女性と平和・安全保障に関 する安保理決議1325とその後の一連の決議の紛争下の 国々での履行に向け,平和構築へ女性参画を進める国 家行動計画等の取組み継続。 [女性の地位向上のためのナショナル・マシナリー, 司法へのアクセス] ⒜平等・反差別法下の組織再編 による裁判機関・監視機関の役割低下の防止。⒝複合 差別などについて裁判機関へ訴える女性に対し監視機 関による無料法的支援を可能とする監視機関の資源強 化,セクハラなど雇用差別事案以外の賠償金支払裁定 を可能とする裁判機関の権限拡大。・⒞脆弱なグループ の女性の法的支援をするNGOへの予算削減案を撤回,女性原告への無料法的支援のため十分な人的,技術的, 経済的資源を配分。 [暫定的特別措置] 条約4条および一般勧告25号に沿 い,ジェンダー・スコアカード等の活用,国内企業上 位200社の女性役員・最高経営責任者の増加促進のた めの株主や意思決定機関対象のキャンペーン実施。 [ステレオタイプ,有害な慣行] ⒜国内の有害な慣行 に関する統計データを次回レポートで報告。⒝対マイ ノリティ女性も含め,あらゆるステレオタイプ,偏見, 性自認,性別役割に関する初等・中等教育の強化。⒞ メディアにおける少女・女性の過度な性的描写の根本 原因とその影響,特に少女に関しジェンダーに基づく 暴力の根本原因と性意識・ポルノグラフィとの関係性 調査のための予算確保。⒟交差的ジェンダー差別と人 種・民族・宗教・国籍に基づくヘイトスピーチに直面 する女性,LBTI・障がい女性に特に重点を置き,施策 の効果測定のための監視メカニズムと是正措置策を含 めたヘイトスピーチに対する行動計画構築。⒠刑法 185条を改正,犯罪となるヘイト表現対象にジェンダ ーを追加。 [女性に対するジェンダーに基づく暴力(GBV)] ⒜ 特にDV,レイプその他の性暴力の防止・撲滅のため 包括的対策の構築と導入。一般勧告35号に沿い,加害 者の訴追と犯罪の重大性に見合った処罰実施。⒝刑法 の厳格な適用と,(精神)障がい女性など脆弱なグルー プの女性が関係する事案などGBV事件のジェンダー に敏感な捜査について,警察・検察官・裁判官の能力 強化。⒞一般勧告35号に沿い,裁判官への系統的なジ ェンダー研修導入,能力向上。⒟以下につき細分類さ れたデータを集積し報告。ⅰ捜査後訴追に至った暴力 事件数と加害者への制裁内容,ⅱ法的,その他関連支 援を受けた被害女性数,ⅲ賠償を受けた被害女性数, ⅳ接近禁止命令(拘束命令)の発付数。⒠特にサーミ 女性と少女への性暴力の防止・保護・救済の強化のた め,文化的・言語的障壁の打開を視野に入れた行動計 画 の 立 案。 ⒡ 一 般 勧 告35号, 個 人 通 報No.・18 (CEDAW/C/46/D/18/2008),イスタンブール条約に 沿い,自由意思に基づく合意の欠如を刑法上のレイプ の法的定義の中軸に規定。⒢レイプおよび性暴力撲滅 のため新たな国家計画の構築と導入。⒣満室を理由と した被害女性の転居の必要性が生じぬよう,十分な数 のシェルター提供。⒤女性への暴力防止の効果的手段 として活用促進のため,反撃警報制度の実務的・法的 障壁を打開する対策導入。・ [人身取引,買売春による搾取] (人身取引)⒜人身取 引被害者に関する統計データを次回レポートで報告。 ⒝発生・再発防止,被害者保護,加害者訴追を重視し, 被害撲滅に向け人権を尊重した施策の採用。⒞被害者 の法的地位・居住地変更時に権利・資格の継続維持を 確保,被害に関する意識向上キャンペーン実施,ダブ リン規約下での人身取引被害者の帰還中止,被害女性 の特定と支援継続のため包括的制度構築。⒟外国籍女 性の国外退去に関する法および政策の差別的適用防止, 移住者・難民・庇護申請者の被害の通報促進,被害者 の特定・保護と加害者の訴追努力の強化のため,移住 政策を改定。 (買売春)⒜買売春に関する白書を早急に議会へ提出。 従事する女性の搾取からの法的保護と訴追されないこ とを保障する包括的な政策・立法・規制枠組みの構築 促進。⒝社会保障へのアクセス,健康,暴力からの保 護を含めた人権保護プログラム構築のため,女性たち の生活状況に関する長期的調査実施。⒞離脱を望む女 性のための離脱プログラム強化。 [政治的・公的活動への参加] 少数民族やマイノリテ ィ女性の地方議会議員数増加のため,地方選挙改革プ ロジェクトの拡大。 [国籍] ⒜外国籍配偶者がノルウェー国籍配偶者との 婚姻解消後に無国籍となりノルウェーで出生した実子 の親権を失うリスク軽減のため,二重国籍を認める国 籍および市民権法の改正案採択。⒝難民・庇護申請女 性が出産した子の出生登録を確実に実行。⒞パートナ ーからの虐待を立証する際の永住権取得のための3年 間の在留要件の影響を再考察。パートナー以外からの 虐待を受けた外国籍被害女性への在留権付与案の採用。 ⒟少数民族・難民・庇護申請女性および少女に対し不 均衡な結果をもたらさないか,移住者法および移住者 政策を再考察。 [教育] ⒜社会文化的要素も考慮し,非伝統的分野や 職業選択を含む全教育領域でのジェンダー分離撲滅に 向けた計画の再強化。⒝教育機関の上位職におけるク オータなど暫定的特別措置の導入検討。⒞移住出身者 および低学歴の両親を持つ生徒の高等教育における退 学抑止。 [雇用] ⒜同一価値労働同一報酬の原則を定める平 等・反差別法34条の遂行。ILO100号(同一報酬)条約 に沿い,男女の賃金格差是正のため,包括的労働協約 におけるジェンダー差別防止の監視体制構築。⒝家庭 生活への夫婦同等な参加促進のための施策継続。両親
の出産・育児休業の取得率向上,両親間の休業割当制 度の適正実施,削減された休業期間を早急に14週間に 戻す。⒞職場環境法が認める正規雇用希望のパートタ イム雇用者の優遇を制限した2016年最高裁判決に対す る法的対応を加速。⒟家庭内での強制労働・搾取防止 のため,オペア制度撤廃の検討。 [健康] ⒜妊娠・出産・産褥期の女性およびその子へ の適切な医療サービス提供に十分な員数の助産師の確 保。⒝サーミ女性への適切な医療および福祉の提供。 サーミ医療センター構築過程につき民族コミュニティ へ情報普及。⒞サーミ女性の健康状況に関する情報と データ,医療分野での交差的差別対策の効果を次回レ ポートで報告。 [女性の経済的エンパワメント] 改正後の公的年金制 度および厚生年金制度につき,2018年報告で男女同様 の効果があるか確認,必要に応じ年金最低額受給者に 占める不均衡な女性の割合是正措置を取る。・ [障がい女性] 人権委員会報告書(2016)は精神障が い者の報告のみで,性暴力の捜査・訴追状況の評価に おいて,認知障がい・心理社会的障がいのある女性の 搾取に関する評価がない。⒜報告書の範囲を拡大,障 がいのある全女性を対象とする。⒝認知障がい・心理 社会的障がいのある女性への性暴力の捜査・訴追状況 につき考察。 [難民・庇護申請女性・少女] 一般勧告32号および30 号に沿い,難民・庇護申請女性の受入れにジェンダー に敏感な手続の採用を継続。 [拘禁女性] ⒜女性被拘禁者の処遇および女性犯罪者 の非拘禁処置に関する国連規則(バンコク・ルールズ) に沿い,男性被拘禁者と同レベルに女性被拘禁者の処 遇を改善。⒝精神疾患ケアと薬物乱用治療を含めた医 療サービス改善。 [婚姻,家族関係] ⒜一般勧告29号に沿い,離婚時の 夫婦共有財産の範囲を年金・保険金・その他職業関連 利益等の無形財産に拡大,財産形成の貢献度に関わら ず平等な財産分与の実施,無償労働従事による結果的 な財産的不平等是正のため,別居手当や扶養手当の受 給可能性拡大を含めた更なる法整備。・⒝一般勧告21号 に沿い,事実婚女性の経済的保護強化への法整備。⒞ 家庭内でのジェンダーに基づく暴力の関連事案では, 子の親権や面会交流の決定時にその事情を十分に考慮。 (鋤柄利佳)
◇第69会期◇
チリ──第7次レポート
⑴ 積極的評価 ◦立法措置:⒜妊娠中絶の完全禁止を和らげる法律 (2017),⒝人権次官事務所設立に関する法律(2016), ⒞障がい者の労働市場統合促進に関する法律(2017), ⒟重病の子をもつ働く親への保険適用に関する法律 (2017),⒠女性・ジェンダー公平省設立に関する法律 (2015),⒡シビル・ユニオンの合意採用に関する法律 (2015),⒢女性候補者の最低40%保障によるジェンダ ー同等(parity)に関する法律(2016),⒣議会選挙での 比例制度確立に関する法律(2015),⒤家事労働者の労 働状況改善に関する法律(2014)。 ◦制度・政策:⒜ジェンダー平等と差別禁止国家政策 (2018),⒝人権国家計画(2018−2021),⒞男女平等第 4次国家計画(2018−2030),⒟人身取引禁止国家行動 計画(2015−2018),⒠女性に対する暴力国家行動計画 (2014−2018),⒡最高裁判所におけるジェンダー公平 および差別禁止事務局(2016)。 ◦条約批准:⒜無国籍者地位条約・無国籍削減条約 (2018),⒝ILO189号(家事労働者)条約(2016)。 ⑵ 主要な関心事項および勧告 [条約・選択議定書・一般勧告の履行] 選択議定書の 批准を促進すること。 [女性差別の立法上の枠組み・定義] ⒜優先事項とし て,公的・私的領域の直接的,間接的および交差的差 別を含む女性差別の包括的な法的定義を採用するこ と。憲法や法律に条約2条⒜の男女の形式的・実質的 平等原則の規定をおくこと。・⒝女性差別事件を取り扱 う司法上の苦情申立制度を確立し,裁判官の訓練を含 め,適切な人的,財政的および技術的な資源を割り当 てること。・⒞ジェンダー・アイデンティティに関する 法案の採用。⒟LBTIの人々の差別と人権侵害に関し 裁判官や国家官憲の訓練をすること。 [司法へのアクセス] ⒜女性の権利について体系的な 能力構築,ジェンダーに敏感な捜査,通報の促進およ び再被害防止を拡大すること。⒝被害を受けた先住民 や障がい女性への法的救済に関する情報提供を確保し, 農山漁村などの女性に移動裁判所や無償の法律扶助の制度を導入すること。⒞先住民女性の権利に関し裁判 官や国家官憲の訓練を導入し,先住民女性に報復の恐 れなく司法にアクセスする権利を保障すること。⒟司 法におけるLBTIに対する差別的な規則や実務を撤廃 すること。⒠差別・暴力の被害者の救済へのアクセス を確保し,通報を奨励し,捜査し,加害者を起訴する こと。 [女性の地位向上とジェンダー主流化のためのナショ ナル・マシナリー] ⒜ジェンダーの主流化への統合 されたアプローチを強化し,法の体系的なジェンダ ー・インパクト評価を含めた効果的な監視と責任制度 を導入し,評価がターゲット・指針に基づき,効果的 なデータを利用するよう確保すること。⒝男女平等第 4次国家計画の十分な履行のため人的,技術的および 財政的な資源を女性・ジェンダー公平省へ適切に割り 当てること。・⒞効果的な監視と責任制度とともに国家 予算プロセスのジェンダー主流化をすること。⒟公的 政策およびプログラムの策定・実施では議会と市民社 会の連携を強化し,不利な状況にある女性の集団を含 めること。 [暫定的特別措置] チリ大学理科系学部でジェンダー 公平の優先導入の結果,少女入学者が増加した。女性 が過少な政治的・公的活動や移住・先住民女性のアク セスが限定的な教育や雇用で,実質的平等の達成のた めに暫定的特別措置を検討すること。 [ステレオタイプ] 家庭・社会での男女の役割・責任 に関する差別的ステレオタイプがジェンダー平等を妨 げている。男性優位の文化・ステレオタイプと交差的 女性差別の撲滅に包括的な戦略を採用すること。 [有害な慣行] ⒜インターセックスの子どもがインフ ォームド・コンセントが可能な年齢になるまで,不必 要な外科的・医学的治療を禁じる法律を採用すること。 ⒝インフォームド・コンセントなく不必要な外科的・ 医学的治療をされたインターセックスの人々の裁判へ のアクセスを確保し,国家補償を検討すること。 [ジェンダーに基づく女性に対する暴力] ⒜あらゆる 形態の暴力と戦う努力を高め,子どもに対する暴力防 止の包括的戦略をとり,被害者に心理的なサポートを 提供すること。⒝暴力から自由な生活をする女性の権 利に関する法案の採用を急ぐこと。移住女性,先住民 女性,障がい女性およびLBTIの人々に関する暴力や 差別の交差性を法律で認めること。・⒞法改正により女 性殺人の定義にジェンダーに基づく殺害を含め,女性 殺人防止措置を強化し,捜査・訴追・処罰を確保する こと。⒟未成年者に対する国家サービス施設における 少女の権利の監視制度をつくり,少女に対するあらゆ る暴力事件を捜査・訴追・処罰すること。⒠LBT女 性の尊厳と高潔さを確保する措置,憎悪犯罪の防止・ 捜査・訴追・処罰や賠償・補償を含む救済を確保する 措置を採用すること。⒡マピュチェ女性に対する暴力 を撤廃し,捜査・訴追・処罰し,被害者への賠償や補 償を確保すること。 [人身取引,買売春による搾取] ⒜人身取引に関する 20.・507号法律の履行のために適切な人的,財政的およ び技術的な資源を割り当てること。⒝人身取引に関す るデータの収集・分析のための独立の制度をつくり調 査すること。⒞人身取引の被害者に対するジェンダー に敏感な手続に関する警察やソーシャルワーカーの訓 練を改善すること。捜査・訴追・処罰を行うこと。被 害者特定のための国家指針をつくり,再被害を防止す ること。⒟保健・カウンセリング・補償・シェルター の提供などによって,被害女性のサポートを強化する こと。⒠人身取引を防ぐために経由国・目的国との協 力を強化し,女性の強制労働・人身取引などの特定の ために労働監視官・警察官・国境管理官の能力・財源 を強化すること。 [政治的・公的活動への参加] 政治的・公的活動への 女性の参加は著しく増加したが,意思決定の地位への 女性の選出・任命を排除する構造的障害・ステレオタ イプがある。目標と時限を設定し,女性の平等な参加 を加速すること。 [人権擁護者] 女性の人権擁護者への攻撃や虐待を阻 止・捜査・訴追・処罰すること。先住民女性の土地の 権利主張に対しテロリズム禁止法を適用しないこと。 [国籍] 親の出生証明書の修正による子どもへの国籍 付与の規則化を促進すること。 [教育] ⒜ジェンダーにステレオタイプなカリキュラ ムを改善し,ジェンダーに敏感な教材を使用し,ジェ ンダーの問題・指導学習への影響について教員を訓練 すること。⒝妊娠している少女や若い母親の教育継続 の奨励制度のために,女性・ジェンダー公平省と教育 監督官事務所の共同議定書を十分に実施すること。⒞ 農山漁村の先住民少女・女性の教育への平等なアクセ スを促進すること。⒟女性の高等教育進学を妨げる差 別的ステレオタイプ・構造的障害に対処し,理科系な どの男性優位の研究分野への女性の入学を高めること。 [雇用] ⒜同一価値労働同一賃金に関する9.・322-13号 法案の採用を促進すること。⒝ジェンダーによる賃金
格差を撤廃し,労働市場における男女の平等な機会を 確保すること。⒞公的・私的分野における水平・垂直 的な職業分離を撤廃すること。⒟ILO189号条約や労 働法の家事労働者への適用を確保すること。⒠不利な 状況にある女性の集団に対する雇用の機会を創設する こと。 [健康] ⒜強かん,妊娠女性の生命の危険,胎児の危 篤の場合の妊娠中絶を合法化した法律の範囲を拡大し, すべての場合の中絶を非処罰化すること。⒝妊娠中絶 を拒否する医師に厳格な正当化要件を適用すること。 ⒞安全な中絶,中絶後のケア,性暴力を受けた少女に 心理的サポートを提供すること。⒟すべての女性・少 女が現代的な避妊具を手頃に利用できるようにするこ と。⒠すべての女性の婦人科などの保健サービス利用 を確保すること。⒡不妊に関する国家指針を実施し, 不妊前のインフォームド・コンセント,同意のない手 術の場合の医師への制裁,救済や賠償を保障すること。 [経済的なエンパワメント] ⒜先住民・農山漁村女性 などの貧困削減国家戦略を強化すること。⒝年金制度 を見直し男女同額の年金とすること。⒞女性・少女の スポーツ施設の平等な利用を促進し,競技への参加を 奨励すること。 [農山漁村女性] 女性起業家支援の国家銀行プログラ ムなどにより農山漁村女性への支援を強化すること。 季節労働者などの農山漁村女性に適切な保健や教育へ のアクセスを保障し,防災に関する意思決定への女性 の参加を確保すること。 [不利な状況にある集団の女性] (移住女性)移住に 関する法案を採用し,保護に敏感な入国制度とジェン ダーに敏感な難民の地位決定手続を確保すること。意 識向上キャンペーンやメディアとの協力により,移住 女性に対する交差的差別を撤廃すること。 (先住民女性)⒜先住民省の創設を急ぎ,先住民女性と の対話を増やすこと。⒝先住民女性の土地の保有や所 有を認め,土地所有に関して差別的な規範や慣習を撤 廃し,意思決定への参加を確保すること。⒞先住民女 性の自然の資源や土地の利用に関する義務的カウンセ リング制度を立ち上げること。 [拘禁女性] 多くの女性がドラッグを理由に予防的に 拘禁され,保健へのアクセスが制限されており,妊娠 女性は産婦人科へのアクセスの欠如により危険に直面 している。刑務制度にジェンダーの視点を導入するこ と。司法手続により過剰な予防的拘禁を回避すること。 適切なヘルスケア施設を拘禁センターに置くこと。 [婚姻,家族関係] ⒜婚姻財産制度は女性に差別的で あり,夫が共同財産や妻の財産を管理し,法的手続の 際には妻は夫に権限を付与しなければならない。婚姻 財産制度に関する民法などを改正し,婚姻中・婚姻解 消時の男女平等な権利を保障すること。⒝同性婚に関 する草案を採用し,親子関係および親権を保護するこ と。⒞DVは子どもの監護・訪問決定において考慮さ れ,DVと子どもの発達の関連について司法の意識を 高めること。⒟婚姻最低年齢を18歳に引き上げ,少女 のための司法によるセーフガードを設けること。 (有澤知子)