生殖補助医療を受療する場における女性の体験
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(2) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. ともに研究協力が可能な状態と判断された女性。なお、. 1)各参加観察終了後、その内容をできる限り詳細に記. 対象候補者のリクルート方法は、女性が前述の条件を満. 載した。半構造化面接の内容についても、逐語録とし. たすと判断できるのは主治医であると判断し、主治医に 研究依頼文書を手渡して頂く形をとった。. て同様に記載した。 2)データの「受療の場における体験」に関連する部分. 3.調査方法. を、文脈を損なわないよう抽出した。. データ収集方法は、不妊外来における参加観察を主と. 3)2)について、その意味を表すように記述ラベルを. し、同時に、対象者にとっての受療の場の体験について. 生成した。. 知るために、半構造化面接も行った。また、ART 治療. 4)気になった点や解釈が困難な点については、次回受. んでいくという特殊性があり、そのことを踏まえ、同一. 5)記述ラベル間の関係性を検討し、類似性、相違性に. は、卵胞刺激、採卵、胚移植など、様々な段階を経て進. 診の際に確認した。. の対象者に対し複数回のデータ収集を行った。. 基づきコードを生成し、サブカテゴリー、カテゴリー. 4.調査項目. と順を追って生成した。. 対象者が診察室入室から退室するまで、その言動、表. 6)分析過程で質的研究に精通した研究者にスーパーバ. 情、行動の様子を参加観察しデータを収集後、対象者の 許可を得て、外来内にある面談室(個室)で面接を行っ. イズを受け、妥当性客観性を確保した。 7.倫理的配慮. た。質問内容は、①外来での受療についての気持ちや認. 対象者には、研究目的、方法、内容及び研究への参加. 識、行動、その理由、②診療前後の体験、③受療の場で. は自由意思であり、途中でも辞退が可能なこと、それに. の体験が変化した場合には、そのきっかけとなった物事. よる不利益を一切受けないことを文書で説明し、文書に. や人物、環境などの状況、④印象に残ったと意味づける. て同意を得た。また、なお、所属施設の臨床研究倫理審. 受療の場の体験とその理由、⑤受療の場での体験に支え. 査委員会の承認を得て実施した(臨大18-131号:平成31. となった物事や価値信念、とした。対象者の概要は、診. 年2月22日承認)。. 療記録を閲覧した。. Ⅲ.結 果. 5.調査期間. 1.対象者の背景. 2019年3∼9月 6.分析方法 以下の手順でデータ収集を行い、並行して分析を行っ. 対象者は、研究協力施設で ART 受療中の女性4名で. あり、概要を表1に示した。4名の女性に対し、3∼5 回の外来受診時の参加観察および半構成面接を行った。. た。. 表1 対象者の背景およびデータ収集概要 A. B. C. D. 年齢. 30代後半. 30代後半. 40代前半. 30代前半. 職業. 介護士. 専業主婦. 専業主婦. 専業主婦. 不妊期間. 3年. 9年. 7年. 6年. 不妊原因. 女性. 女性. 女性. 不明. 治療内容. IVF:4回 ET:7回. IVF:1回. IVF:4回 ET:17回. 2回(流産). 0回. 1回(流産). 妊娠歴 データ収集 回数および 各データ収 集時の受療 理由. 5回 ①排卵誘発剤投与開始 ②卵胞発育の確認・投薬 ③卵胞発育の確認・投薬 採卵日決定 ④凍結胚移植日の決定 ⑤子宮内膜の確認・投薬. 前医にて IVF:4回 ET:10回。 4月に転院後初めての IVF 周期。 1回(流産). 4回 3回 3回 ①胚移植にむけて投薬開始 ①次回移植に向けてのス ①卵胞発育の確認・投薬 ②子宮内膜の確認・投薬 ケジュール調整 ②受精卵培養結果の確認 胚移植日の決定 ②子宮内膜の確認・投薬 (凍結受精卵0個) ③次回採卵に向けてスケ ③次回に向けての意思確 ③次回採卵に向けてのス ジュール調整 認⇒ ART を終結し、一 ケジュール調整 ④次回採卵に向けてスケ 般不妊治療をすること ジュール調整 を医師に伝える(夫同 席). ― 62 ―.
(3) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. なお、女性は、ART を受療する前に受講が義務付けら. 希望を賭けて臨む】【周囲の思いを背負って診察の場に. れている ART 学級において、担当医より、妊娠生産率. 臨む】【診察の場を最大限に活かせるように整える】【自. は非常に低いことを理解した上で選択する必要があるこ. 分が子どもを持てる可能性を知ろうと努力する】【自分. とを告げられている。そのため、本研究の対象者は、非. なりに ART に対処する】【診察の場で精神的負担に耐え. 常に厳しい戦いと称される ART を、少ない希望に賭け. て自分で選択していた。受療環境としては、担当医が患. る】【治療環境に支えられる】の9カテゴリー、26サブ カテゴリーが抽出された(表2)。. 者の個別性に合わせて診療し、また、不妊外来配属の3. なお、カテゴリーを【 】、サブカテゴリーを《 》、. 名の看護師のうち、1名は生殖医療相談士の資格を持. 対象者の語りを斜字 にて示す。. ち、外来受診者の全容を把握し、必要時看護支援を調整. 1)【自分が ART に賭けた結果として引き受ける】 この体験は、女性が自分が選択した ART によって生. していた。 2.ART を受療する場における女性の体験. じる事柄を引き受けようとすることである。《何が起. ART を受療する場における女性の体験として【自分. が ART に賭けた結果として引き受ける】【子どもがいな. くても納得できる未来を模索する】【ART に子どもへの. こっても頑張ろうと覚悟の上で ART に臨む》《ART を. 選択した結果起こる事柄を引き受ける》《自分の努力で 叶うものではないと承知している》を内包していた。. 表2 ART を受療する場における女性の体験 カテゴリー 自分が ART に賭けた結果として引き受ける. サブカテゴリー 何が起こっても頑張ろうと覚悟の上で ART に臨む. ART を選択した結果起こるこ事柄を引き受ける 自分の努力で叶うものではないと承知している 子どもがいなくても納得できる未来を模索する. 辞めた先の未来に納得できるようベストを尽くしたい 納得できる ART の終結点を考える. ART に子どもへの希望を賭けて臨む. 妊娠成立した経験が希望を支える 治療が次の段階に進めることに安堵する 自分が子どもを得られる希望を ART に託す. 周囲の思いを背負って診察の場に臨む. 周囲の思いを背負って診察の場に臨む. 診察の場を最大限に活かせるように整える. 1回の受診を最大限に活かしたい 診察前に計画したことにやり残しがないか確かめる 診察がよりよいものになるよう準備する 自分と医師との関係性に気を配る. 自分が子どもを持てる可能性を知ろうと努力する. 自分の身体状態を必死に知ろうとする 状況を把握するために自分なりに解釈する. 自分なりに ART に対処する. 自分なりの ART との付き合い方をみつける 自分の感情をコントロールしようとする 生活と ART が両立できるよう調整する 妊娠できる可能性を高めるために努力する. 診察の場で精神的負担に耐える. 独特の緊張感を抱きながら診察を受ける 受診の結果に精神的な負担を負う 感情がジェットコースターのように変化する 先が見えない不安を抱きながら診察を受ける 子どもはもう無理ではないかと追い詰められる. 治療環境に支えられる. 日々の医師の対応に信頼を寄せる 必要な対応をしてくれる看護師の存在に救われる. ― 63 ―.
(4) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. せるか。悪い結果が出ても納得できる結果が出るよう. 女性は、受療開始前に、医師から ART のリスクを説. にどう動くかですよね、この時期はもう。(A4回目). 明されており、その上で受療するからには、 《何が起こっ ても頑張ろうと覚悟の上で ART に臨む》と考え、覚悟. していた。. 女性は、《納得できる ART の終結点を考える》ことを. しながら受療を継続していた。今までの自分を良く理解. 私、すぐ出血するんですよ。先生にね、治療始める時. している医師だからこそ、終結の判断を医師に委ねたい. かな。産科で亡くなる人は、出血だって。だから、B. 女性もいた。一方、自分の限界まで ART を継続しよう. さんはそこまで覚悟をして治療を始めたほうがいいっ. とする女性もいた。. て。でも、その位の覚悟がないと治療はできないって. 私も考えるけど、考えてもわかんないから、先生に. 思って、それはすごい大事だと思います。だから覚悟. 「先生がだめって思ったら言って下さい。そしたらや. してる。いつも何かあるだろう、何かあっても、頑張. めるから」っていってんです。全然見込みのない状態. らんといかんな。っていう。(B2回目). で、この治療大変だし、そんな感じで続けられないか. 女性は、様々な負担を負いながら、子どもが欲しい思. ら。覚悟はしてるって感じですかね。(B1回目). いに支えられて受療を継続していた。その負担につい. 3)【ART に子どもへの希望を賭けて臨む】 これは、女性が、ART の持つ子どもへの僅かな希望. て、自分が選択したから何があっても引き受けるしかな い、と《ART を選択した結果起こる事柄を引き受ける》. にかけて、繰り返し ART に臨むことである。《妊娠成立. 不安もそうだけど、その緊張みたいなのはずっとあっ. とに安堵する》《自分が子どもを得られる希望を ART に. 覚悟をして受療に臨んでいた。. て。治療する限り付きまとうものだから、自分がこの. した経験が希望を支える》《治療が次の段階に進めるこ. 託す》を内包していた。. 治療始めたいって言って始めた自分の責任だし、もう. 今までの受療経過の中で、妊娠した対象者もいた。失. どうしようもないって思って、受け入れようってなっ. 敗を繰り返す中での妊娠は、流産に終っても非常に嬉し. てる。(A1回目). く、《妊娠成立した経験が希望を支える》ように、妊娠. 女性は、妊娠に向けて必死に努力していたが、その努. の経験が治療を頑張る気持ちを奮い立たせていた。. 力をしたとしても妊娠できないことは理解しており、仕. 一度だけうまくいったことがあったんです。その時は. 方ないこととして捉え《自分の努力で叶うものではない. 嬉しかったです。忘れられないですね、あの時の嬉し. と承知している》状態にあった。. さは、本当に嬉しかったですね。ダメになっちゃった. 結果がね、努力したらついてくるようなものならね、. んですけど。そうですね(涙ぐむ)そこに向けてね、. どれだけでも努力するんですけどね。仕方ないです. 頑張ってて、それがあったから今まで頑張ってこれた. ね。わかってて始めたことですしね。(C3回目). のかなあって、本当に思います。(C2回目). 2)【子どもがいなくても納得できる未来を模索する】. また、女性は、一つ一つの段階で脱落してしまうかも. この体験は、ART を受療する中でも、子どもができ. しれない ART の経過の中で、治療が次の段階に進むこ. 未来を考えながら受療することである。《辞めた先の未. ことに安堵する》こととなっていた。女性は、自分用の. 来に納得できるようベストを尽くしたい》《納得できる. ART のプロトコルと照らし合わせて進行状況を確認し、. ない可能性を考え、子どものいない ART をやめた先の. ART の終結点を考える》を内包していた。. 子どもが得られる可能性は僅かであることを納得の上. とが受診により判明すると、《治療が次の段階に進める. 順調に ART が受療できていると感じた場合には、非常. に安堵していた。. (医師から「そうですね。大きいのも小さいのも併せ. で開始した受療であり、女性は自分なりの終結点を想像. て20個弱は見えてました。」と言われ)あ、そうです. しながら受療していた。. か。(と話したが、その時の心境について)本当にほっ. 女性は、妊娠できなかったとしても、受療経過に納得. としました。安心しましたね。すごく心配だったんで。. できるよう、《辞めた先の未来に納得できるようベスト. (D1回目). を尽くしたい》と思い、妊娠可能性を高める努力を続け ていた。治療の通過点を一つ一つ後悔せずに納得のいく. 女性は、自分の身体では自然妊娠はできないことを理. かたちで通過することはもちろん、胚移植がうまくいか. 解した上で、子どもを得るには ART を選択するしかな. なければ、今までの努力は水の泡になってしまう。その ため、女性は、なかでも胚移植を万全な状態で迎えたい. いと、《自分が子どもを得られる希望を ART に託す》こ. とをしていた。. 私なんて、外来に来て治療受けなかったら妊娠なんて. と願っていた。. その中で、自分でいかに後悔がないようにベスト尽く. ― 64 ―. できないんだから、それが唯一の可能性、子どもの持.
(5) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. てる可能性だって考えると、やっぱりそういうのが (外来にくる)支えなんだと思う。(B2回目). 確かめる》ことをして、この受診を終えてよいか考えて から退室していた。. 4)【周囲の思いを背負って診察の場に臨む】【診察の場. 診察室でる前に一回うーんて振りかえって、よし、大. を最大限に活かせるように整える】【自分が子どもを. 丈夫ねっていうのは、毎回。(D1回目). 持てる可能性を知ろうと努力する】【自分なりに ART. 診察室に入ると、女性は医師の機嫌の善し悪しや疲労. に対処する】【診察の場で精神的負担に耐える】. 具合を観察していた。また、《自分と医師との関係性に. これらの5カテゴリーは、女性が診察の場で体験して. 気を配る》が故に、質問できない状況も生じていた。. (医師から「これがね、今後のスケジュールだからね。」. いるものである。ここでいう「診察の場」は、診察室内. と言われ、差し出された用紙を受け取りながら)先. という意味である。 【周囲の思いを背負って診察の場に臨む】は、夫や母. 生、内膜増やすのに、何ができるかなあ。(と話した. 親、友人等が抱く、ART を受療する自分への思いを知っ. が、その時の心境について)紙をみた時に、こんなん. たうえで、その思いを背負って、周囲の人々の気持ちを. じゃホルモン足らないよね!と思って、先生に聞いた. 考慮しながら診察の場に臨むことである。《周囲の思い. んだよね。その時に先生に、薬足りないと思う、って. を背負って診察の場に臨む》を内包していた。. 言えばよかったけど、不満があるみたいで言えなかっ. 母親が結構反対してて。そう、もういいんじゃない. た。(A4回目). かって。もう1回(採卵を)しようかなってなった時. 【自分が子どもを持てる可能性を知ろうと努力する】. は、え?そうなの?ってあんまよく思ってない感じ. は、女性が、受診の機会に、見えない自分の身体状態を. だったんです。だから、私も後1回間をあけずにやっ. 把握し、自分が子どもを持てる可能性がどの程度あるの. て、その後は働こうかなって。(B3回目). かを知ろうと努力することである。《自分の身体状態を. 【診察の場を最大限に活かせるように整える】は、女 性が、1回1回の受診を充実させようと準備した上で受. 必死に知ろうとする》《状況を把握するために自分なり に解釈する》を内包していた。. 診に臨み、診察室内で、この機会を最大限に活かそうと. 女性は、診察室に入室後、電子カルテが表示されるパ. 場を整えることである。《1回の受診を最大限に活かし. ソコン、超音波機器を操作する音、医師の表情など、あ. たい》《診察前に計画したことにやり残しがないか確か. らゆる情報源を駆使し、情報を必死に集め、《自分の身. める》《診察がよりよいものになるよう準備する》《自分. 体状態を必死に知ろうとする》努力していた。. 内診の時にさ、かちっかちって卵図るときの音がする. と医師との関係性に気を配る》を内包していた。 女性は、受診を貴重な機会と捉え、《1回の受診を最. でしょ。あれでいつもかちっかちの時間の空き具合. 大限に活かしたい》という思いを持ちながら受療してい. で、ああ、大きく育ってんなーとか、逆にえ?もう?. た。医師と直接話せる診察時間を、自分の疑問を解決で. 小さくないか?なんて、音で感じてる部分があるんだ. きる場として考え、考えてきた質問をする等、1回の受. けど。(A2回目) 女性は、必死に得た情報を《状況を把握するために自. 診を最大限に活かすために精一杯努力していた。. 自分のことはやっぱり自分で知っときたい。家に帰っ. 分なりに解釈する》ことをしていたが、必ずしも正しく. てから、あれ?わかんない?てなりたくない。すっき. 解釈できていないこともあった。自分の身体への自信の. りとまではいかなくても、わかんないことはないよう. なさや失敗体験の積み重ねから、否定的な思考回路をも. にしたいっていうのもあり、聞くように。(A2回目). つこともあった。. (「内膜の状態が良好だったこと」について忘れていた. そのため、医師への質問を考えたり、下調べするなど、. B さんに、研究者がそのことを伝えると)あそうか、. 《診察がよりよいものになるよう準備する》ことをして. そうですよね。ここ最近、出血とか卵巣機能も低いと. いた。. やっぱり聞く前の準備じゃないけど、調べてから、. かそういう悪いことばかり言われて、そっちのことし. ネット見てから聞くことの方が多いかな。結局は先生. か予測できなくなってきてるんですかね。(B1回目). に聞かないと、自分にあてはまるか分かんないんだけ. 【自分なりに ART に対処する】は、女性が、ART と. ど、知っておいた方が先生の話が分かりやすい。1回. 付き合う為の方策をみつけて対処すると同時に、自分自. ネットで読んどくと、言葉で聞いた時よりもよくわか. 身の感情に対処しようとすることや、妊娠可能性の低さ. るって言うか。(B2回目). や急なスケジュール調整などの ART の特性について対. 女性は、受診前に準備した質問ができたか、疑問点が ないか等、《診察前に計画したことにやり残しがないか. 処するものである。《自分なりの ART との付き合い方を. 見つける》《自分の感情をコントロールしようとする》. ― 65 ―.
(6) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. てくれるって言ったから、自分は自分のできる、食事. 《生活と ART が両立できるよう調整する》《妊娠できる. とか、運動とか、そういうの頑張らないといけないの. 可能性を高めるために努力する》を内包していた。. かな、って。頑張ろうって。(D2回目). 女性は、ART 受療を継続する中で、自分が可能な限. り安寧な状態で過ごせるよう、《自分なりの ART との付. き合い方を見つける》ことをし、実践していた。. 最近はあんまり考えないように。とにかく、ちゃんと. 【診察の場で精神的負担に耐える】は、女性が、診察 室内で精神的な負担を負うことである。《独特の緊張感 を抱きながら診察を受ける》《受診の結果に精神的な負. 言われたことをやってストレスためないで、穏やか. 担を負う》《感情がジェットコースターのように変化す. にって思って。そうしないと、辛くなっちゃって嫌に. る》《先が見えない不安を抱きながら診察を受ける》《子. なっちゃうからなあ。(D1回目). どもはもう無理かもしれないと追い詰められる》を内包. 女性は、ネガティブな感情を自分の中で処理してい. していた。. た。また、受診時に感情が揺れないように努力し、よく. 女性は、《独特の緊張感を抱きながら診察を受ける》. ない結果を覚悟して受診することで、その後の落胆を軽. 状態にあった。その緊張感は、その治療周期のどの時期. 減しようとしていた。このように、女性は、《自分の感. かによっても異なるものであった。. 情をコントロールしようとする》ことをしながら受療し. 採卵日に向けてさ緊張感っていうか、そういう気持ち. ていた。. が高まっていくし、診察の時間の意味が変わってく. フラットにしとかないと。できないでしょ。先生、前、. る。胚移植の時も判定日に向けて高まって、少し判定. 説明会の時にね、この治療は、一喜一憂する方には. 日で落ち込む。診察の結果ですごい左右されるから、. 向きません、そういうのはやめていただきたいって、. 診察の結果でわかることとかだんだん増えていくで. はっきり言われて。あーそうなのか、そうだよな。っ. しょ。誘発始めたときはそうでもないけど、その後の. て納得したっていうか。確かにすごく期待はしちゃう. 卵の成長だとか。(A2回目). けど、その言葉があるから違うんだよな、そうだよな、. 女性 は、診 察でよ くない こと が判明 し た場 合には. そんなにすぐできるもんじゃないんだよなと。(A3. ショックを受け、治療が思うように進まない場合には落. 回目). ち込むなど、《受診の結果に精神的な負担を負う》状態. 女性は、ART という身体的、社会的、精神的負担の. にあった。また、医師から説明を受けた後、悪い事態を. ある治療に対して、今までの受療での体験を踏まえなが. 予測して不安に駆られる状態に陥ることもあった。同時. ら、日常と両立できるように様々なところに気を配って. に、繰り返す失敗体験により自分の身体は駄目であると. ART に臨んでいた。このような《生活と ART が両立で. 感じていた。. きるように調整する》ことをしながら、急に決まるスケ. 結婚したと同時くらいに、子どもが欲しいってなっ. ジュールに対処していた。. て、そっからずっと、時々あきながらも6年位やって。. そうすると……(カレンダーをみて)この辺りがおば. うまくいかないことも多くって。本当に何回やっても. あちゃんの一周忌だから、採卵で薬とか使い始める. うまくいかないことばかりで。いや、なんか、本当に、. と、出血のこと気にしなきゃいけないし、何にもでき. だめだめでしたね、そんな繰り返しで。(C2回目). なくなるから。そうなると、終わってからのほうがい. 女性は、受療の経過の中で、期待しては落胆する、そ. いかな?(B3回目). の繰り返しの中で感情が大きく変化し、《感情がジェッ. 妊娠するかどうか不確かな ART への対処として、女. トコースターのように変化する》体験をしていた。. 性は、診療を受けるだけではなく、《妊娠できる可能性. 激しいですね。何回、繰り返したんだろうって思いま. を高めるために努力する》ことをしていた。インター. すね。期待しては駄目になって、みたいな、その繰り. ネット等で入手した情報や、過去の自分の経験から、妊. 返し。(D3回目) また、女性は、妊娠の確約のない ART を受療するこ. 娠のために必要と考える方策をとっていた。また、女性 は、受けている治療に満足しているからこそ、自分がで. とにより、《先が見えない不安を抱きながら診察を受け. きる努力を頑張っていきたいという気持ちが芽生えてい. る》体験をしていた。. 常に常に、付きまとう、その不安っていうのか、不安. た。. 先生が、今度は違うことをして対応してくれるって. もそうだけど、その緊張みたいなのはずっとあって、. 言ったし、次はこう(20個近く採卵できたものの、培. 外来にきてる。見通しのつかないこと、ね。(A1回. 養した結果、凍結できる受精卵が0になってしまっ. 目). た)ならないって言ってくれたから。ちゃんと工夫し. 女性は、うまくいかない結果に直面したり、医師か. ― 66 ―.
(7) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. ら、妊娠の可能性が低いことを再度通告されたりするこ. に子どもへの希望を賭けて臨む】【周囲の思いを背負っ. とで、子どもができないことへの覚悟を迫らていた。こ. て診察の場に臨む】【診察の場を最大限に活かせるよう. のように受療の場でも《子どもはもう無理かもしれない. に整える】【自分が子どもを持てる可能性を知ろうと努. と追い詰められる》体験をしていた。. 力する】【自分なりに ART に対処する】【診察の場で精. 治療の最初のころはやっぱりできることしか考えてい. 神的負担に耐える】【治療環境に支えられる】の9カテ. なかったけど、こうなってくると、もう、ね。考えま. ゴリーが明らかになった。これらの体験は、自分には自. すよね。(D3回目). 然妊娠する可能性がないことを自覚する女性が、子ども. 5)【治療環境に支えられる】. を得られる僅かな可能性に賭けようと ART を受療する. この体験は、女性が、ART の受療環境である医師や. ことを選択し、そのうえで生じた結果を引き受けようと. 看護師に支えられていると感じることである。《日々の. する、主体的な女性の姿勢を示していたと考えた。以下. 医師の対応に信頼を寄せる》《必要な対応をしてくれる. に、この体験の特徴および看護ケア上の示唆について述. 看護師の存在に救われる》を内包していた。. べる。. 女性は、診察を繰り返し受ける中で、医師の手腕を実. 1.ART を受療する場における女性の体験の特徴 本研究で明らかとなった体験のうち、【自分が ART に. 感し、この医師に任せられると満足していた。また、自 分の身体状態に対して、必要な治療を追加、変更したり. 賭けた結果として引き受ける】【子どもがいなくても納. する医師に対して、臨機応変な対応をされていると感じ. 得できる未来を模索する】【ART に子どもへの希望を賭. る等、《日々の医師の対応に信頼を寄せる》状況にあっ. けて臨む】【周囲の思いを背負って診察の場に臨む】は、. た。. 女性が ART の妊娠可能性の低さや ART 受療の負担につ. 私、若い頃からずっと超音波みてるから、みると何と なくわかっちゃう、卵巣とか卵とか。今、卵巣は本当 に僅か、映んない位しか残ってないのが分かって。他 の先生じゃわからないだろうけど、先生は見つけてく. いて理解したうえで、それでも妊娠の可能性に賭けた. い、その自分の背後には、周囲の人々の ART 受療への. 思いが存在する、という、ART へ臨む女性たちなりの 覚悟や信条が背景にあると考えられた。先行研究におい. れるし、すごい安全に安全に注意してやってくれてる. ても、不妊治療の終結を視野に入れながら、受療を継続. のも分かって。やっぱ信頼できるから、先生のあんな. する女性の存在が報告されている13)。子どもを得るとい. 感じだったらうまくいくって。(B2回目). う希望に賭け、成功する未来だけを信じて受療するので. 研究協力施設では、通常看護師は診察室にいない。女. はなく、無理かもしれないと思いながら、それでも少な. 性は、注射等の処置がある場合に限り看護師と接点をも. い可能性に賭けようとし、希望をもちつつ引き際を考え. つが、その中で、看護師との何気ない会話や気遣ってく. ざるを得ない女性の苦しい心情が伺えた。. れたと感じる言葉をかけられることで、女性は、《必要. 戈木14)は、子どもの先端医療技術の場で、両親が治療. な対応をしてくれる看護師の存在に救われる》体験をし. に賭けても後悔させないための仕組みとして、同様の状. ていた。診察結果に落ち込んでいた時に、その心情を察. 況を報告している。戈木の研究は、医師が両親に対して、. して面談の場を設けた看護師に対して、泣くことができ. 成功の可能性が低い治療であることを何度も確認し、非. る場を提供してくれたことを感謝し、次も頑張ってみよ. 現実的な期待をもたせない配慮をしたうえで、両親が自. うと奮起していた。. 分たちで治療に賭けることを決め、自分たちで決めたと. (受精卵が凍結できなかったと判明した診察後、看護. 思えることが、治療が成功しなくても患者側を後悔させ. 師との面談を終えて)こんな場がなかったんです。前. ない大前提であると明らかにしている。本研究において. の病院だと本当に流れ作業で。何のフォローもなく。. も、女性は、ART 学級で妊娠生産率の低さについて説. 今日みたいにお話を聞いてくれる所があるっていうの は本当にありがたいと思いました。いつも家に帰って から、誰にも見られないように泣いてたんです。(D 2回目). 明を受け、理解したうえで受療を選択していた。この. 「理解」と「選択」は ART 受療中に女性にとっても、自 分が受療を決意したからこそ引き受けようとするため. に、必要なことであると考える。同時に、このことは、 やがて納得して治療を終結するうえでも重要な概念であ. Ⅳ.考 察. ると考えた。. 分析の結果、ART を受療する場における女性の体験. として、【自分が ART に賭けた結果として引き受ける】. 【子どもがいなくても納得できる未来を模索する】 【ART. 今回は「受療の場」での女性の体験を明らかにする 目的で、「受療の場」での参加観察とその直後のインタ ビューを行った。そこで得られた【診察の場を最大限に. ― 67 ―.
(8) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. 活かせるように整える】【自分なりに ART に対処する】. 女性の心情や必死に得た情報の解釈、治療への望みや精. 察の場で精神的負担に耐える】【治療環境に支えられる】. ば、その場で必要な看護が提供できるのではないかと考. のカテゴリーはまさに受療の場での女性の体験を示して. える。. 【自分が子どもを持てる可能性を知ろうと努力する】【診. 神的負担を理解して、その場に同席することができれ. いる。これらのカテゴリーは、医療の力は借りるけれど. また、女性がより主体的に受療に取り組むためには、. も、あくまでも主体的に受療しようとする女性の努力が. 情報を適切に解釈し、自らの意思で選びとることが重要. 背景にあると考えた。本研究の対象者は、いずれも自. である。しかし、本研究の対象者の中にも、自分の過. 然妊娠を望めないと自覚していた。そのような女性が、. 去の経験値や思いこみ、自分自身へのネガティブなイ. ART が不確かであるからこそ子供の希望を見出し、受. メージから、時には誤った解釈をしている女性がいた。. が、本研究で明らかにできたと言える。この不確かであ. 女性の持つ自己の身体への不全感や繰り返す失敗(妊娠. るが故の努力は、妊娠可能性を少しでも高めるための身. しないこと)ことから、自分へのネガティブイメージを. 体づくり、適切な薬剤の自己管理、受療の場で少しでも. 抱きやすい19)という。そのような状況にある女性が、女. 多くの情報を得たいと、医師の表情や機械の操作音をく. 性自身のフィルターを通して解釈することで、必要以上. 療の場でも、不確かであるが故の努力をしていること. ART を受療する女性は、数年の不妊期間もあり、不妊. まなく観察し、そこからの情報の解釈など多岐にわた. にネガティブに捉えて落ち込むこともあろう。看護師. り、女性たちは、決して医療者に依存することなく、主. は、情報が提供されたからといって正しく理解できてい. 体的に受療に取り組んでいた。不妊治療を受療する女性. ると思いこむのではなく、女性が事実に基づいて適切に. の努力については、先行研究では、就労と不妊治療の両. 解釈できているか、納得のいく選択が行えているか、コ. 15). 16). 立 や、日常生活との両立について が報告されている. ミュニケーションを図る中で知る必要があると考える。. が、このような ART を継続するための努力だけではな. そうすることで、女性がより主体性をもって受療に臨む. 受療の場でも女性が主体的な姿勢で努力し続けているこ. 2)機を逸しない関わりをすること. く、ART へ対処する努力や診察の場を整える努力など、. ことを支えられると考える。. とが明らかになり、この状況が長期間継続することでの. 女性は、【子どもがいなくても納得できる未来を模索 する】ことを体験していた。自分の意思で始めた受療だ. 女性への負担の大きさが改めて危惧された。 このように、女性は、子どもへの希望を ART に託し、. 受療の場で主体的に努力をし続け、その結果を引き受け るような体験をしており、看護師が、このような女性た. からこそ、自分が納得できる着地点を探りながら受療し ていたといえる。また、【自分が ART に賭けた結果とし. て引き受ける】体験が明らかにされ、その場その場で、. ちのぎりぎりの努力を理解し、受療する場で支えていく. 女性が一喜一憂しながらも、その日の受療で起こったこ. ことは急務であると考える。. とや自分の感情を引き受けるような体験をしていること. 2.ART を受療する女性への必要な支援. が明らかにできた。これは、やがて納得して治療を終結. 1)受療の場にいる女性を理解し、その場で支援するこ. するうえでも重要な概念であると考えられる。. と. 松本20)は、外来の場における「きちんとした看護」の. 不妊治療の現場にいる多くの看護師は、実践は診療介. 要素を明らかにし、その一つとして、機を逸しない関わ. 助を主としている。また、看護師は、不妊治療を受ける. りを挙げている。機を逸しない関わりとは、患者の表情. 17). 女性とかかわる際に困難感やストレス 、ジレンマを抱. や態度、状況に意識的に注意を向け、周囲の状況や患者. いていること18)、我が国では、欧米と比して不妊看護が. の状態を見極め、タイミングを逸することなく的確に介. 12). 立ち遅れている ことが指摘されている。. 入していくことを示す。この体験にあるように、女性が. 本研究結果から言えることは、女性にとって、ART. 引き受ける時に、看護師が機を逸しないよう関わること. を受療する場において、精神的な負担を抱えながらも、. で、いずれ来るであろう治療の終結を、女性が可能な限. 主体的に受療に取り組んでおり、自分が選択した ART. り納得できる形で迎えるためのサポートができると考え. に伴う結果を引き受けようとしていたことである。ま. る。それは、場を代えて改めて行うカウンセリング以上. た、自分が妊娠可能性を高めるためにできる努力を検討. に、女性への有効な支援になるのではないだろうか。こ. し、その努力に主体的に取り組もうとしていた。. のようなきめ細やかな機を逸しない関わりをするために. 現在の外来では、看護師は診療の補助や注射などの処. は、看護師が診察室へ可能な限り同席し、女性の表情や. 置に追われ、診察室内での出来事を把握することは非常. 態度、言動やその心理状態等をより注意深く観察してい. に難しい状況にあると考える。しかし、看護師が、その. くことが大切である。その上で、必要時には、看護師が. ― 68 ―.
(9) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. 看護を必要とする女性に関われるよう、現場で人員調整. 謝 辞 ご協力頂きました女性の皆様、研究協力施設の医師、. を行うなど、マネージメントができるスキルを持つ人材. 看護師の皆様に心より感謝申し上げます。なお、本研究. を育成していくことも重要である。 社会の情勢から、今後も ART を受療する女性は増加. は、自治医科大学大学院看護学研究科に提出した博士論. すると考えられる。同時に、不妊カウンセラーなど、学. 文の一部に加筆、修正したものであり、第22回日本母性. 会認定資格をもつ看護職も増加している。特にクリニッ. 看護学会学術集会で発表した。. クでは、そのような看護職が中心となり、主に診療の現 場での看護を担っている現状がある。まずは、学会認定. 利益相反. をもつ看護職のように、ART 受療中の女性への一定以. 本研究における利益相反はない。. 上の関心をもつ看護職が、リーダー看護師としての役 割が担えるように働きかけ、その職場全体の看護師の. 引用文献. ART 受療中の女性への関心と、ケアへの意識を高めて. 1)長岡由紀子:不妊治療を受けている女性の抱えている悩み と取り組み.日本助産学会誌,14(2),18-27,2001.DOI:. いくことが必要である。. 10.3418/jjam.14.2_18. 2)岸田佐智:体外受精適応となった不妊女性の情緒的反応.. Ⅴ.本研究の限界と今後の課題 本研究の対象者は4名と少なく、また、【治療環境に 支えられる】ような特殊な状況下での体験である。研究 協力施設のシステムの関係上、医師に、対象候補者に協 力依頼文書を手渡していただいたため、医師や医療環境. 高知女子大学紀要自然科学編,44,51-63,1995.. 3)Olshansky, EF.: Identity of self as infertile:an example of theory-. generating research. ADVANCES IN NURSING SCINECE, 9(2), 54-63, 1987. DOI: 10.1097/00012272-198701000-00009. 4)堀弘子,小野純平:不妊治療経験者の治療終結期の心理─ 治療終結後に養親になった女性の語りから─.日本不妊カ. を好意的に捉える女性の参加に偏った可能性も否めな い。同時に、研究者自身が道具となるデータ収集方法で. ウンセリング学会誌,9(2),105-110,2010.. 5)中込さと子,横尾京子,田口智子:体外受精─胚移植に よって子どもが得られなかった女性のライフヒストリー研. あり、研究者の能力自体が研究の限界となる。しかし、 受療の場における女性の体験を明らかにしたことは、対 象理解に基づく看護を提供すること、外来看護師の増員. 究.日本生殖看護学会誌,6(1),4-15,2009.. 6)Lee. T. Y: The effect of infertility diagnosis on treatment-related. stresses. Archives of Andrology, 46( 1), 67 - 71 , 2001 . DOI: 10.1080/01485010150211173. の必要性を提唱する一助になり得たと考える。 今後は、不妊治療の現場である外来看護が充実するよ. 7)石山君代,渡邊実香,森田せつ子:不妊治療中の夫婦の夫 婦関係満足─不安状態との関連から─.愛知母性衛生学会. う、より具体的な看護支援について検証すると同時に、 診察室での看護が提供できるよう、システム構築を行う 必要がある。. Ⅵ.結 論 1.ART を受療する場における女性の体験は、【自分が ART に賭けた結果として引き受ける】【子どもがいな くても納得できる未来を模索する】【ART に子どもへ. の希望を賭けて臨む】【周囲の思いを背負って診察の 場に臨む】【診察の場を最大限に活かせるように整え. 誌,23,15-22,2005.. 8)Liying Y ing, Lai Har Wu: The effects of psychosocial. interventions on the mental health, pregnancy rates, and marital function of Infertility couples undergoing in vitro fertilization:a systematic review. J Assist Reprod Genet, 33(6), 689-701, 2016. DOI: 10.1007/s10815-016-0690-8 9)Ka-MingChow, Mei-Chun Cheung: Psychosocial intervention for infertility couples: a critical review. Journal of Clinical Nursing, 25( 15 - 16), 2101 - 2113 , 2016 . DOI: 10 . 1111 / jocn.13361. 10)不妊患者支援のための看護ガイドライン作成グループ編: 不妊患者支援のための看護ガイドライン.初版,42,不妊. る】【自分なりに ART に対処する】【自分が子どもを. 持てる可能性を知ろうと努力する】【診察の場で精神 的負担に耐える】【治療環境に支えられる】であった。 2.これらの体験の背景には、女性たちの ART のもつ 不確かさへの覚悟と、医療の力を借りながらも、主体. 患者支援のための看護ガイドライン作成グループ,2001. 11)Sherrod, RA: Understanding the Emotional Aspect of Infertility:. Implications for Nursing Practice. Journal of Psychosocial Nursing & Mental Health Services, 42(3), 40-47, 2004.. 12)渡邊知佳子:看護者が不妊症患者と関わる中で感じる困 難や. 的に受療に臨もうとする努力があると考える。 3.看護師は、可能な限り診察に同席し、女性の表情や. 藤.日本助産学会誌,20(1),69-78,2006.DOI:. 10.3418/jjam.20.1_69. 13)三尾亜喜代,佐藤美紀,小松万喜子:子どもを得ず不妊治. 態度、言動やその心理状態等を観察し、女性を理解し たうえでその場で支援することが必要である。. 療を終結する女性の意思決定プロセス─複線径路・等至 性モデル(TEM)による分析─.日本看護科学会誌,37, 26-34,2017.DOI: 10.5630/jans.37.26. ― 69 ―.
(10) 日本母性看護学会誌 Vol. 21 No. 2 2021. 14)戈 木 ク レ イ グ ヒ ル 滋 子: さ い ご の 賭 け ─ 第 2 報: 治 療. 18)糠塚亜紀子,森恵美:不妊女性に対する看護におけるジレン. が失敗しても両親を後悔させないための仕組み.Quality. Nursing,8(2),151-159,2002.. 15)坪井陽子,田中満由美,中村康彦他:就労女性の不妊治療. マと意思決定の過程に関する研究.千葉看護学会誌,10 (1) , 33-40,2004.. 19)森恵美:女性における不妊体験の影響に関する海外文献レ. における困難やストレスの内容と就労と治療の調整を困難 にしている要因.母性衛生,56(2),391-398,2015.. ビュー.母性衛生,38(2),3-5,1997.. 20)松本理恵子:外来の場における「きちんとした看護」の要. 16)鶴巻陽子,江守陽子,村井文江他:不妊治療の長期化が女性 の日常生活と健康に与える影響について.母性衛生,54(1), 78-85,2013.. 17)森明子,有森直子,村本淳子:不妊治療にかかわる看護者 のストレスと対処.日本助産学会誌,16 (1) ,24-34,2002.. DOI: 10.3418/jjam.16.24. ― 70 ―. 素とその構造.高知医療センター医学雑誌,2(1),11-20, 2007..
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