Title
地域商業の構造変化と発展方向−復帰後沖縄における動
向の検討−
Author(s)
白戸, 伸一
Citation
沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 9(2): 75-103
Issue Date
1985-03-31
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/6746
地 域 商 業 の 構 造 変 化 と発 展 方 向
一 復 帰 後 沖 縄 に お け る 動 向 の 検 討 一 白 戸 伸 一 は じ め に 1. 本土復帰 前後の経済動向 2.商業機閑の特質 と問題点 む す ぴ に か え て は じ め に 小塙の課題 は、沖縄県 を対象に高度経済成長期以降の地方における流通構造 の変化 とその問題点 を解明す ることにある。 その分析にあた っては、 さしあた り二つの間超意識を もってい る。第-は、 全国的には1950年代後半のスー パーマーケ ッ ト登場 を顎機 とした、 いわゆる 「流通革命」 distribution revolutionの進行が、流通構造に実際には どのよ うな変革的作用 をもった のかを確認 したい、 とい うことである。佐藤肇氏 に従 えば、 「流通革命」 とは 流通程路 を短縮 しなが ら、大量生産 と大量消費を結ぶ大量流通 を可能 にす る流 通 上の変革である。具体的には、小型店舗の大型化 と中間卸売商の排除によ り 実現 され るものである(.1)その意味では、一般的には小売段階への大商業資本の 登場 と、独占的産業資本の流通分野への進出 -マーケテ ィング戦略の展開が、 流通分野 での中小零細経営 との対抗関係 を激化 させ ざるをえない。 したがって、 従来過小 ・過多が指摘 されている流通業界が、 どの ように再編 され、そこでは どのよ うな間竜が生 じているのかを検討する必要が ある。 第二は、基本的には資本主義的合理性追求の産物 である 「流 通 革 命 」 が 、相対的に立 ち遅れた地方経済 に、 どのよ うな変革的作用 をおよばすのか、とい うことである。一般的に 「流通革命」の担い手は、産業資本であれ商業資本で あれ、大消費地 -大都市 を拠点 として活動 してお り、地方進出の場合には大資 本 として参入 して くる。 しか も当然の ことなが ら、よ り進んだ販売方式や経営 形態 を伴 っている。対峰す るのは中小の地元資本であ り、零細 な個人経営であ る。販売方式等において も伝統的形態であ り、流通構造 もそれに対応 した低効 率な もので ある。 したが って、方向は事前に定まってい るように もみえるが、受 けてたつ地元資本 と、行政側の取 り細み方 によっては さま ざまな形態で進行 し てゆ くであろう。 1 9 7 0年代後半 よ り、 自治体では 「地域主義」が しばしば 議論 されている。背景には、 「行革」推進による地方への所得再分配縮小や、 過疎 ・過密問題、 「安定成長」 に対応 した地域経済の確立要請 な どがある。 し か し論者によっては、 「産業社会の次に期待すべ き新 しいゲイジ ョ月 として 捉 えるとい うスケ-ルの大 きい もの もある.いずれにおいて も経済的 自立を唱 え、 自給性の向上を主張 している。 しか しその場合、他地域や中央 との適正な 分業に関す る位置づけが弱いよ うに思われ る。地域 レベルで流通問題 を考える 場合、住民の生活向上に対す る頁献 とともに、外部 との合理的分業を促進する 流通柵 の整備 を視野 に入れなければな らない. それゆえ、流通政策の検討には このよ うな視点 も必要 と思われ る。 以上、本稿 での課超 と問題意識について述べたが、対象地である沖縄は、 19 72年にや っと本土に復帰 されたことや、米軍 支配 と復帰後ひき続 き巨大な基 地が存続 しているため、地域経済 として一般化 しに くい側面がある.経済政策 において も、 「格差是正」や 「基地経済」か らの脱却が重要なポイン トとなっ た。商業の実態 について も、 「基地経済」 が消費型経済 を形成 LT:ため、他県 とは異な る構造が み られ る。 それゆ え、 この特殊性の内容に関 して も吟味して おこ う。
1 本 土 裸 婦 前 後 の 経 済 動 向 流通構造 ・流通政策の検討に先立 ち、経済構造全体 を概観 しておこ う。 本土復帰 は沖縄経済に重大なインパ ク トを与 えた。政策面で も本土 との一体 化が推進 された。 しか し日本最大の米軍基地 を残存 させての復帰であ ったがゆ えに、復帰後の経済発展の 目標 とされた 「基地経済」か らの脱却
-
「自立的発 展」は、順調に進んで きた とはいいがたい。中島良昭氏の整理 に従 うと、 「基 地経済」 は、 1.政策決定権 を米軍が保持 し、政策の主眼を基地機能の維持 と安 上が りの運営 に置いている、 2.基地需要 (建設 ・拡張、雇用、用地料、その他 ) が経済発展 と密接不可分 である、 3.対外収 支に占める基地収入の割合が大 きい、 4.確業発展の乏 しい 「消費型経済」である, 5.基 地 周 辺 都 市 へ 人口が集中 し ている、 とい う特徴 をもっている53)すなわ ち、 「基地凝済」 とは単純 に県民所 得や対外収支に占め る基地収入の大 きさを意味 しているのではな く、県内の経 済構造の特質 を意味 していろ。 したが って 「基地経済」か らの脱却 を検証す る には、経済構造の解明が不可欠 といえる。 さらに、 「自立的発展」が議論 され る場合、基地収入依存の経済構造にかわ って 「各種産業の振興」 による 「平和経済」への移行が課題 とされて きたO具 体的には生構 ・確業轟盤の整備 を前提 として、 まず労働集約型工業 (電子工業、 機械工業、縫製加工業 )を誘致 し、次に重化学工業 (石油精製業等 )および観 光開発の推進が付置づけ られていT=≦4)その意味では、基地依存か らの脱却に と どまらず、第二次産業の振興によ り県外 (お もに政帝 )依存の経済構造 とな ら ないことをも展望 した課題であった。 したが って県域経済の再生産が、 どの程 席 日立的 におこなわれてい るかが問題 ときれねばな らない. これ らの問題に留 意 しなが ら、以下において若干の検討 を試みよ う。 まず就業者数の推移 をみた場合 (図1)、全就業者数は1 9 6 7年に ピーク (約42万人 )に達 したの ち急減 し、復帰直後の1973、 4年には19 50 年代後半の水準にまで減少 している(約3 6万人 )。 その後は再 び増勢に転 じ 19 7 9年には6 7年の ピークにまで回復 し、以後 も順調な増加 を続 けている。 この推移 を労働力人口の推移 と対照すると、 1 9 7 1年まで両者はパ ラレルな図 1, 沖縄県の産業別就業者数の推移 32万人 30 28 26
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2 2 20 18 16 14 12 0 8 6 4 1 48万人 46 -44 ---42 40 38 ′ / 32 /′ヽヽ ′/ 一・・一、 全就業者数 第3次産業就業者数 第2次産業 〝 第1次産業 〝 / ・--
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1955 第 1 次 席 菜 荊 2 次 席 兼 第 3 次 席 某 完 全 矢 車 者 fI 成 比 指 牡 18 成 比 招 致 偶 成 比胴 枚
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l 200 2.3 8.1 192 712 ●各就業者の構成比は対全就業者数、完全失集者は対労働力人口の割合。 ・各年 r盛時国勢調査報告Jないし r国勢諏査報告Jの数値より算出0 ている。 しか し第 2次産業は、 もともと農業県で あったため 1955年で全国平均の3分の1程度の構成比で しかなかった。 そして1 9 8 0年に至 って も全 国平均 に1 0パーセン ト以上 も劣 っている。 そ して、 ちょうどその分だけ第3 次産業 (軍 雇 用 者 を含 む )の比率が高 くな っていった。第3次産業は全構成 q)約3分の2を占めてい る。つま り、第2次産業、 とくに製造業の遅れは歴然 としている。 この ことは完 全失業者の急増 として も現われている。つま り労働 集約的諸製造業の未発達が、 全国平均の3倍 におよぶ失業率 を生みだした大 き な要因 といえる。 次に産業別県民純生産 の動向 をみてお こう(図2)。純生産額 全体は1 9 5 0年代後半 は比較的低調であったが、沖縄駐留米軍が ヴェ トナム出動 を開始 し た1 9 6 5年以降急増 し、本土復帰 (1 9 7 2年 )、海洋博 (1 9 7 5年7月 - 76年1月 )に至 る期間 も同様 であった。 しかし70年代後半 になると、本 土 と同様 に低成長の様相 を帯びて くる。産業別でみると、第3次産業がズバ抜 けて高い生産額 を示 している。 それに較ぺ ると第1、第2次産業の値はかな り 低いが、第2次産業 は、第1次産業が一貫 して低迷 しているのに対 し、 1 9 6 4年 にはそれ を抜いて第2位 とな り、 さらに6 0年代後半 には顕著な伸 びを示 してい る。 これは食料品 と建設資材の生産が著増 したためと思われる0 1 9 5 5年以降のお もな産業の生産動 向は表2のよ うになっている。 これ らの数値はこ 推計方法や表示形式が変わってい るため、累年的比較に必ず しも適当でないが、 ある程度の憤向 を把握す ることは可能 であろ う。すでにグラフでみたように、 第3次産業は耗生産額全体の主要割合 を占めている。 6 0年代ははば 6割台、 70年代 は7割台に遷 し、全体の4分の3を占めている。第2次産 業は製造業 と建 設 業 を主 軸 と して い るpi、 6 0年代末よ り恒 常 的に建設業が製造業を 凌駕 してい る(.6)すなわ ち、 6 0年代には基地建設、 7 0年代には海洋博 (19 75年 )や社会資本の充実を目指 した建設 ブー ムによ り、 全国動向 とは異な り 建設業に リー ドされた発展 となってい る (7 0年代後半の全国の建設業 と製造 業の割合は1 :3 )。なお7 0年代半ばか らの製造業の伸 びは、石油製品の急 増の結果 である。沖縄の場合、 1 9 7 0年代後半よ り製造業は石油製品 と食料 品への片寄 りが顕著である。第3次産 業では卸 ・小売業が、絶対額 では急増 し なが ら、相対的には2割台 に落 ち着いているのに対 し、観光関連産業の発達に
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≡ 至 芸 至 芸.1955- 71年度 は 1971年度 r国民所得報告割 (琉球政府 )の数値を使用。
表 2' 産 業 別 県 民 純 頒 額 (要 素 費 用 表 示 'の 驚 く 11;;…= :.0芸 一…言霊占ル 1 __
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a 第ak1 次 産 泉b農林 業 kb e 首 dC第 製 造 業2 次dk e産建 設 業業 ek 19 5 5 32.627.浴8 30.225′′.7 ll.710.′′0 6.2 ′′5.3 5.5 4.7% 1 9 6 0 26.3 15.0 24.4 13.9 21.2 12.1 ll.7 6.7 9.5 5.4 1 9 6 5 53.7 15.8 49.8 14.6 57.2 16.8 34.6 0.2 22i6 6.6 19 70 65.5 8.8 56.3 7.6 132.8 17.8 73.1 9.8 59.7 8.0 19 72 29月88 7.4 23,174 7.4 84.05420.9 40.06310.0 42.712 10.6 1 9 7 5 51,437 6.1 42.569 5.1177,071_21.0 71,529 8.5 103,213 12,3 f 第 3 次 産 業 k 合計 ∫ g卸′ト売集 ど 金 融保 険 h iス業サー ビ 1 翠 ユ 国 民 i k 也動産菓 k k J雇 用 良 総 生 産 73.0 62.%2 30.2 25形.7 金融 .不動産む兼を含 % ll.3 9.%6 19.0162浴 117.3 128ユ 72.9 68.8 9.2 lt3 8ユ 20.0ll.4 175.6 2292 67.4 114.0 33.5 28.4 8.4 31.7 9.3 340.1 545.7 73.4 254.9 34,3 71,0 9.5 73.1 9.8 743.9 301,413 75.0 91,388 2,7 50.050 12.5 77,307 19.2 23,994 6,0 401,889 638,602 75.8 193,930 23.0 95,062 ll.3 180,706215 36,082 4.3 842,414 .1955- 70年の製造業には鉱山業の数値 が含 まれている0 .I972年度以降の軍雇用の項札 県外受取 中の軍雇 用者所 得額を鳶用。 .1955- 70年の実数は 1971年度 r国民所得報告j (琉球政 府 )の数値を使 用。 1972年以降は昭和 55年度 r県民所得報告割 の数値 を使 FR伴い、サー ビス業が着実 に増加 している。 さらに軍雇用は、就業者の急減 とと もに最近では絶対額で も減少傾向にある。 その意味では 「基地経済」の重要な 要素の一つが、確かに減退 している。 さらに県域経済 と県外経済の関係 をみてみよ う。表3によれば、沖縄経済は 貿易 (移出 ・入 )依存度が一貫 して高 く、常に7- 8割台 を示 してい る。 しか も輸 ・移出に較ペ、輸 ・移入の割合が きわめて高い。 このことは、県内での輪 ・移出向け産業が十分発達 してないと同時に、生活諸物 資の生産 も不十分であ ることを示 している。 つまり、県域経済が生産 面で脆弱であるため、県外の経 済動向に大 きく左右 されろことを意味 している。 たしかIこ、 7 0年代 にはいっ てか ら石油製品の輸 ・移出が急速に高 ま り、従来の砂糖 とパ インのモ ノカルチ ャー的生賭 -輸 ・移出のみではな くな り、比率も 20パーセン ト前後にまで伸 びている。 しか し輸 ・移 入 も増加 しているため、結局極端 に輸 ・移入依存度の 高い不安定な県外取引状況 は変わ っていない。 表3 貿易収支の動向 年 度 a県民総生産b商品輸移 出 C商品輸移入 ba Ca b+ ca 1955 百万 ド131.2ル 百万10.7ドル 百万 ドル5 4,7 8.2形 41.7浴 49.8浴 1960 204.1 24.0 126.2 ll.8 61.8 73.6 1965 386.6 83.4 229_9 21.6 59_5 81.0 1970 850.7 106.7 480.6 12.5 56.5 69.0 1972 488.636百万円 83,298百万円 260.789百万円 17.0 53..4 70.4 1975 1,014,696 215.741 605,775 21.3 59.7 81.0 1980 l,576,426 350,144 994,652 22.2 63,1 85.3 .琉球政府 r国民所得報告割 (1972年 2月刊 )、 沖縄県 r県民所得報告割 (1982年10月刊)の数値を使用。 さらに県外 との関連を、県外受取 全体 にまで拡大 して分析 してみると、 60、 70年代を通 じて県民総生産の6- 8割 に相 当する県外受取が継続 されてい る
(表3、 4)。 その内訳を復帰以前 と以後で対比 してみ ると、以前は5割前後 を軍関係 (軍雇用者所得、軍人 ・軍属の消費支出、軍用地料等 )が占めていた のに対 し、復帰後は5- 6割 を県外か らの財政への移転が占めている。 したが って県経済 を牽引する主軸が、米軍か ら日本政府の財政投資に転換 しているこ とを確認 しうるO それに次 ぐのが商品輸 ・移出である。商品輸 ・移出額は、 1960年代 には輸出の7- 8割 を占める食料品 (重要な ものは砂糖 とパ インで あ り、たとえば1965年商品輸出街中前者が64パ ーセント、後者が15パーセ ン トを占めていた )の伸 びによ り、 1965年 には8000万 ドル を、 1970年 には1億 ドルを突破 している。復帰後 も絶対額では急速 に増大するが、内訳を みると食料品の占め る割合が低 下 してい る (1971年食料品 の割合 は53パー セン ト).それ に代 わって急増 しT=のは石油製品 であ り、 1 9 7 2年以降第一 位 となってい る。そのほか新 たに、機械類、原料別製品 も増加 し、輸移出商品 の構成は復帰前後 でかな り異 な ってい る。 さらに復帰後の特徴 とな っているこ とに、観光収入の急増が ある。海洋博を契機 として急速に増加 し、その翌年は 急減す る ものの再 び増加 して、 19 7 7年以降、軍関係収入 を凌駕 している。 以上の検討を、 「基地経済」か らの脱却
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「自立的発展」 という課完副こ即 し て、簡単にまとめるな らば以下のよ うにいえよ う。 まず第1に、政策決定権は 日本政府および県に移管 されたが、米軍基地維持のための政策はひき続 き政肘 によ り遂行 されている。特 にそのための諸対策費だけで も、毎年多額にのぽっ (7) ている。第2に、基地需要が県域経済に占める割合 は、 全体 として後退 した。 ただし用地料や雇用 は相変 わ らず無視できない。第3に、対外収 支に占める軍 関係費は大幅に後退 している。ただ し観光収入 と対比 して もその額 は過小評価 で きない。第4に、消費型経済か らの脱却および経済的自立性の確保 は、就業 人口、県民純生産、貿易収 支、県外受取のいずれか らみて も達成 されたとはい いがたい。特に巨額 の財政投資抜 きで県域経済の発展が考 え られない現状は、 財政抑制策 との矛盾 を深刻化 させている。第5に、都市発展 はコザ市のよ うに 6 0年代には基地 に依存 して発展 して きた都市 も、都市化 ・市街化の進行のい っほ うで基地需要が減退 してい る今 日では、 全国的動 向 と同様 に中枢都市 ・中 心都市 としての発達に変貌 して きてお り、基地が都市計画の阻害要因 とさえな表4.県外受取の主要項 目別内訳 単 位
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商 業 機 閑 の 特 賞 と 間 麿 点 本土復帰 によ り、流通の担 い手 も改革を余儀 な くされた。 その改革は、 さし あた り本土の流通企業の進出と基地依存か らの脱却 を目ぎした経済諸政策によ って方向づ け られた といえよ う。 ここでは、流通 全般 を対象 とする準備がない ので、商品流通 に直接関与す る商業経営 の特質 と問題点を中心に検討 しよ う. 復帰前後の商業 に関 しては、すでに一定の研究蓄積があ(A). そこではば共通 して指摘 されているのは、第1に小売業 における零細性および非専門性 ("マ チャゲ ヮー''と目される各種食料品′小売業、その他の食料品小売業が多い )、 第2に販売効率 および経営効率の低 さ(1店当た り従業員数・1店当たり売上げ高 ・従業者1人当たり売上げ高 ・売場効率 などの低 さ )、第3に卸 .小売兼業率の 高 さ、第4に商業機能の那覇市への集中な どである。そのほかに も、中島良昭 氏は流通機構の非合理性 (相対取引による青果物消費者価格の割高 きおよび、 小売店の零細性や離島 ・過疎地域の存在による2次卸の必要性 )、運賃加算に ょる高物価な どを指摘 してい農 ところで、 これ らの諸見解は復帰後間 もない 統計に依 ってお り、傾向 として確定す るには追跡調査が必要である。 そこでこ こでは、零細性、百貨店 ・スーパーと一般個別経営の格差、協同化ないしチ ェ ーン方式によ る経営改善状況な どを中心に、最近の統計によって検討 してみよう。
まず卸 ・小売業の収益性 を他産業 と対比 してみよ う。図3によれば、就業者 1人当た り県内純生産 は、1970年代前半 に急速 に高ま り、後半にな るといわ ゆる低成長傾向 を示 してい るo各寝業別にみると、 全産業平均 に較べて第1次 産業はかな り低位であ り、第2次産業がほぼ平均に等 しく、第3次産業が全体万円 図3・ 就 業者1人当た り県内純生産
・統計処理の相違によると思われる不を合が1972- 1973、 1975- 1976、 1979-1980年には顕著である。
・197 1年 までの ドル表示額 は1ドル- 30 5円換井の数値。
を引 き上げる地位にあ ることがわかる。 ところが、第3次産業中の卸 ・小売業 をみると、 197 1年 を境 に全産業平均 を下回 りは じめ、 1980年 には第2 次産業よ りも約1 5万円低位にある。すなわち,第3次産業の収益性の高 さは 金融 ・保険業や運輸 ・通信業の高収益性に支えられての結果であ り、卸 ・小売 業は改善 を必要 とされているのである。 卸 ・小売業の収益性を低 く押 えてい る要因 を、統計的に把握す るとどうなる であろ うか。 この間題 を解 くにあた って、まず復帰後の商業の動 向をみておこ う。復帰後1 0年間に、沖縄の全商店数は1.3倍 (表5)、従業者数 もほぼ1.3 徳 (83,0 0 0人- 1 04,0 0 0人 )になった。中で も飲食店の伸びは著 しく、 その中で も特 にバー、酒場等が倍増 し、 沖縄商業の一特徴 となってい る。 全国 構成比 と対比 してみると、小売業の比率が高いかわ りに卸売業のそれが低 くな っている。一般的 に収益性の高い卸売業の構成比が小 さいのである。 問題点 を鮮明にす るため、 8年間の変化 と全国数値 との比較 を、表6によっ て試 みよ う。卸売業 は、 1店当た り従業者数 において全国的 に も減少 している。 しか し1店当た り年間販売額、従業者1人当た り年間販売額は、沖縄の場合、 全国数値の1.5 7倍 および1.8 5倍 を上回 り、 2倍前後の伸び率 となっている。 つま り
、1
店 当た り従業者数 では2.0人 も差があるけれど、販売効率は急速に 高 まっている。 ただし、それで も全国水準には遠 く及ばない。 小売業は どうか。 1店当た り従業者数は、沖縄の場合70年代末に急速 に増 加 した。 これは小売店数の伸びが鈍化す るいっほ うで、従業者敬が順調に増加 したためと患われ る。 しか しそれで も全国水準の7割にす ぎず (2.6人)、零細 な ものであ った。 1店当た り年間販売額 は2 3倍 で全国の伸び率 (2.1倍 )杏 上回 り、ギ ャップを多少は縮 めた. しか し常時従業者1人こiJIT:り年間販売額の 伸び率 は全国以下であ り、差 を拡大 してい る。 したが って、従業者数の増加 は 販売額の増加 を もた らしたけれ ども、全国水準 との対比では、効率的人員配置 となっていないのである。 小売業における効率性 を規制す る もの として、売場 面積の挟小 さを指摘 しう る。単純に広 ければよい とはいえないが、店舗販売形態においては販売効率 を 決定す る重要な因子 であ軌 沖縄の場合、小売業1倍当た りの完場面削 、 令休では8年間に 1.4倍 ( 4 1.1m' )となっているが, それで も全国水準よ り14 二 '一二定 .;I;_-三三:-_I:_二:'I-t--i-_-≡ -:I-三-I::≡ ::_--=--_‥三 三_-II;.;L--I-i 国水準 との比較で反対の傾向がでてい る。すなわち、前者では沖縄が全国平均 を上回 り、後者では下回 っている。沖縄の各種商品 小売店の1店 当た り売場面 積は、前回調査時 (19 79年 )には約2,22 3m9であった。 ま さしく急増で ある。 その原因は従業員1-- 4人規模の商店が淘汰 された ことにある (1 0店 - 3店 )。該当事業所数が少数である現 状では、過大評価で きないに して も、 全国水準を超えていることは十分注 目されてよい. いっは う織物等や飲食料品 の小売店は県内で もっとも多い。いわゆる "マチャゲ ヮノ 'も、多 くはこの飲 食料品小売業 に属す る各種食料品 小売業やその他の飲食料品小売業であるとい ゎれて凋 。 この分野での狭小 さが
、
小売業全体の売場 の狭小 さを規定 してい る。 以上のよ うな沖縄 における商業の小規模性は、従業員規模別 分類で も明瞭 で ある。表7 ・8は卸 ・小売業別の商店数 を示 した ものである。 もとよ り事業所 ごとの集計である限界はあるが、ある程度の 目安 とな りうるだろ う。 まず卸売 業の場合、 全国的には5- 9人規模が最 も多いが、沖縄では1- 2人が最 も多 く、零細性を象徴 してい るq Lか し10人未満規模の構成比率 は、年 々沖縄で は減少 し、全国 レベルでは増加 しているため、次第に接近 して きてい る。 いっ ほう5 0人以上の大規模商店 は、沖縄 ・全国 ともに構成比率 を下げてお り、 見 方によ っては卸売業の停滞 と受け取 め うる。 これに対 し小売業は、沖縄 ・全国 ともに1- 4人規模商店の分厚い滞留がま ず目につ く。 しか し沖縄の場合、その構成比 は減少 して きてお り、特に1- 2 人規模 は19 7 9年か ら19 82年の間に実数 で も減少 し、遂 に8割台 を切 っ てい る。 つま り1- 2人規模商店の限界が統計 的に も明確になったのである。 それ とは反対に 50人以上の大規模商店 は、 1982年に 10年前の数 をはじ めて突破 し、 それに続 く中規模商店 も着実に増加 してい る。それゆ え小売業に おいては、規模 面での上昇傾向は明確 な ものの、 まだ零細商店の過多を払拭で きていない といえよ う。.Ey 世 ゆ 埋 封 Q r f 僅 Q 喋 星 莫 」 せ L S 犀 昏 ・ 。 中 粛 吋 妄 り 7お 琳 昭 ′ T f 1線 ゴ ・ 好
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分年 沖 縄1 9 7 4全 年国 沖1 9 H 2縄 全年国 1 り致 店当I従(業人) 卸小 売 業 8.0 ll.3 7.5 9.5 売 業 2.1 3.4 2.6 3.7 1年 ( 店 問 万当販 円たり額売 ) 卸 売 業 実 数 17,950 59,254 35.012 92,930 指 数 100 100 195 157 小 売 業 実 数 1,074 2,603 2,477 5,459 指 数 100 100 231 210 常 人 販 時 当売 従 た額 薫 り( 者 年 方1間 円\_..′ 卸 売 業 実 数 2,254 5.262 4,667 9.742 指 数 100 100 207 185 小 売 業 実 数 512 760 936 1,475 指 数 100 100 183 194 'i: 7こ 業 各小 種売 商業 品計 2.129.29.83 2,486.43.25 4,008.41.11 2.947.55.43 1 店 当たり 売 場 面 柿 (tT)2) ( 百 貨 店 ) 5,830.5 5,874.3 7.184.2 6,944.4 禦習 孟 衣 服 .身 o'ま 24.9 52.6 40.8 62.8 飲 食 料 品 21.2 34.6 32.7 45.3 r]動申 . rl1転 申 117.5 21.2 ? 20.2 ' R 只汁,li .建 良 .じ ゆ う 53.6 64.5 74.2 82.2 ・?は面積記載が欠落 してい るので算出で きないo ・各年 r沖縄県の商業J,r
商業統計表Jの数値を使用。表7 卸売業の従業者規模別商店数
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模 1 9 7 2年 ー9 7 一 句: Ⅰ 9 7 6ff=. l 9 7 9咋 1 9 8 2 咋実 数 FJ 成 比 rLI致 LI 伐 比 '*'故 fA 成 比 '^'& 純 一鴫比 '^'& 捕 成 比 沖 縄 J;I国 沖 縄 今 岡 紳 輔 令同 神 純 乍 l月 沖 純 令 絹 計 I- 2^ 3一一 4人 5∼ 9^ 10J∼ 19^ 20一ヽ29人
30ll50∼X)人f、.99^一9人:Lt上 2.2825957475LO248726338910(26,1(22.32.2_3_O.l))+..ー477且2930I100.2一16_22.20.52_3.1I_形_.02I 1298503 ,9575462395025J8684137610(2527.26.12.2ー0.3.1I...浴935190752loo,20.21628.152_3.4_I..%6946020 2.7 6一52856467955478550338I25O(25ll313.2_0.l)_...今..30203342312)2一2f014.(ニ4.0.)1)L_E.ー..も7 2,99366407巨 J2貞 三52974636&73322:7二 形125.28.2100.l一0.I4.3..浴_087 3.0I556 4008J98178270759969Jヽ9 ◆100.27.2:2514,0.2.4.I1...ち0692I3397
・出典 :前掲 表に同 じ。 表8 小売業の従業者規模別商店数 勾'
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以上、復帰以降の沖縄 における商業の特徴 と問題点 を、 8年間の変化 と全国 数値 との対比か ら分析 して きた。零細性や販売効率の低 さはかな り正確に浮 上
さらに詳細に検討 してみよ う。小売業 における構造変化が、流通機構変革に、 しば しば先導的役割 を果た しているか らである。 19 8 2年の調査によると、沖縄では全商店中店舗数の最 も多いのは飲食料 品店 (29.80/o)であ 。、次に飲食店 (29..0/a)、その他の小売業諾 (1 5.20/a) であった。従業者数で最 も多 いのはその他の小売業 (2 1.6% )、次に飲食料 品小完業 (19.4%)、飲食店 (17.2% )であった。年間販売額で最 も多い のは卸売業 (62.50/a)、次に小売業 (37.50/o)、飲食店 (3.40/a)(バー ・キャバ レー ・酒場等 は含まない )であ り、問題の小売業では、その他の小売 業 (1150/o)、飲食料品店 (9.20/o)、家具 ・建具 ・じゅう器等小売店 (4.1 % )が多い。このことか ら、飲食料品小売業、飲食店 が店数 ・従業者数の比率 が高いのに、年間販売額が相対的に低 く、 そこに経営効率 上の問題が潜んでい ることがわか る。それゆえ、飲食料品小売業、その他の小売業に焦点 を合わせ なが ら検討 してみよ う。 表9で明 らかなよ うに飲食料品小売店 とその他の小売店の合計は、小売業全 体の商店数の約72パーセン ト、従業者数の約6 8パーセン ト、販売額 の約61 パーセ ン トを占めている.それゆ え、 これ らの分野での商店構成や経営効率の 動向は、全小売業の動向 を規定す ろといって も過言ではない。両分野の特徴 を 把握す るため、常時従業者数1- 4人規模 -小規模経営、 5- 4 9人規模 -中 規模経常、 5 0人以 上-大規模経営 と位置づけて検討す る。商店数 をみると、 両分野 とも小規模経営が圧倒的割合を占め、ことに従業者 1- 2人規模がほとん どである。表出 してないが、 T=とえば飲食料品小売業の小規模経営 は、 9 8パ ーセン トが個人経常であ り、そこでの従業者の9 3パーセン トは個人業壬 と家 族従業者である。 したがって、企業 とい うよ り 「生業 としての性格 を温存 して n専 いる」とい う評価は、いまだに妥 当す る。 この ことは、従業者数や年間販売額 が店数に比 して小さな割合で しかないことに もあらわれている。各規模の販売 効率をみると、 1括当た りおよび1人当た りの販売額では、総合 スーパ-、百 貨店等で構成 されてい る各種商品小売業の抜群の成績 がまず看取 しうる。 それ に次 ぐのは、かな り差 はあるがやは り大規模経営である。 小規模経営のそれは、 1店当た りは論外であ り、1人当た りで も大 規 模 経 営 の4割 ない し6割程度
表9 主要 小売業の販売効率
%
実商 店 致数 比率 実常時従妾有数数 比率 実 咋数 問比率 販J店 -1た り 1人 1fJ1=7.i: 敬(7=り 一m,1 た り)'円 ) 各 種 商 品(自 貨 店 ) 】16 0.0.00 11.,573515 2_2.54 3.3.831944..782035 6_6.5 7357 358..302549 2.2,564507 8993 飲 食 料従1、 2人占■llT 書 3- 4人 芸 5- 49人 別 50- 99人 ll.269 47_6 20.064 32_0 15.79L623 26.9 I.401 787 43 10.084 42.6 12,849 20_5 6.722.12g l1.5 667 523 26 755 3_2 2.510 4.0 2.316.321 ュrg 3.068 923 50 一23 1_8 6.748 JOーtE 6.076.4)2 JO.4 )4,365 900 一oo 70
,
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467 07 676.761 1.2 96.680 L449 162 そ の 他 従 1∼ 2人 芸 3- 4人 震 5- 49人別 古O- 99人 5.761 24_3 22.410 35ー7 ー9.883.607 33_9 3.45】 887 9J 3.735 15.8 5.299 8.4 3.019.079 5,1 808 570 27 951 4.0 3.214 5_I 2.269.761 3.9 2.387 706 53 1,061 4.5 13.037 20.8 23_3 12,904 ).050 234 14 0.1 860 1.4 904.002 1.5 64.5,72 I,05Ⅰ 135 ・比率は小売業計に対する割合。 ・昭和57年 r沖縄県の商業Jの数値を使用。 (飲食料品小売 )である. ところが、 1m'当た り販売額 では少 し異なった状況が 窺 える。 小規模経営の効率の低 さは他 と同様 であるが、飲食料品小売業 ・その 他の小売業双方の中規模 および大規模経営の販売額は、各種商品のそれ を大幅 に凌駕 してい る。近年、 スーパーチェーン、 ミニ ス-パ-、坂寄品 conveni -- ence goods を中心 としたコンビニエンスス トア、 7 7-ス ト7-ズ fast foodS のチ ェーン、各種専門店 チェー ンの進出が顕著であろ。 しか も これ らの経営効率は きわめて高 く、 この数字にその一端があらわれているとい えよ う。 ともか く、 中規模経営 における売場 面積に関す る販売効率の高 さは、 十分注目 されてよい。 このよ うな動向 を、 セルフサー ビス店 とチ`ェ-ン店の普及状況か ら検討 して おこ う。表 10はセルフサー ビス店 の普及状況 を追跡 した ものであ る。 セル フサー ビ ス店 は、売場面積の5 0パ ーセ ン ト以上にセ ル フサー ビス方式 を採用 した店 舗 であり、スーパーマーケ ッ トの普及 とと もに発達 して きた。沖縄 の場合復帰後特 に増 え、 1 9 7 2年 に1 8 2店舗であったのが、 1 9 8 2年 にtヰ 9 1 9店舗 (約5倍 )とな った。 1982年現 在で、小売店 の 3.9パーセ ン ト、販売額では 1 5パ ーセン トを占めている。内訳 をみる と、大型店 の販売額 がやは り大 きい 割合 を占めてい る。 全国比でみ ると、や は り劣 ってはい るが、 むしろ発達 は近 年にな ってか らとい うこと もあ り、 さほ ど大 きいギ ャップはないO 表1 0 セル フサー ビス店の普及状況 (竿芸%lR)q
実数 賢
一 19 7 4年 19 82年 計 商年間版完額店 数 1,291,359158 8,880,9 1 9827 大型店 商 店 数 125 355 年間販売額 929,648 7,591.078 小 商 店 数 234 564 年間販売額 361,510 1,289.749耕成比
沖縄 全国 沖縄 全国 計 商 店 数 1.7 2.7 3.9 5,1 年間販売額 5,7 13.0 15.1 19.6 大型店 商 店 数 0.6 I.1 1.5 I.9 年間販売額 4,1 ll.3 12.9 17.0 小型店 商 店 数 I.1 I.6 2.4 3.1 ・構成比は,)、売業全休に対するそれぞれの比率. ・大型店は売場面積100打㌔以上、小型店は100ロ㌔未満のものD ・1976年の大型店と小型店の実数計算の合計と計との誤差は 資料 による。 ・出典 :表8に同 じ。セル フサー ビス店の普及 している分野 をみておこう。表11でわかるよ うに 小売業 「椴 と同様沖縄では飲食料品 ・その他および織物 関係の小売業分野 に普 及 している。各分野の商店数か らみればまだ少数であるが、相対的に大規模経 営中の普及率が高い。 そのことは年間販売額に占める割合でみると、飲食料品 店中の中規模経営 (6 7.70/o)、大規模経営 (7 0.80/o)、織物 ・衣服 ・身の 回 り晶店中の大規模経営( 78.1% )における比率の高 さとな ってあ らわれて い る。 さらに販売効率 をみ ると、1店当た り販売額は飲食料品店では約6倍、 その他の小売店 では約2倍 (表9との対比 )、織物 ・衣服 ・身の回 り品店では 約12倍 である。 1人当た り販売額では、 それぞれ約2.4倍、約2.9倍、紬 .4 倍である。 これ らのことよ り、 」投の小売業店に較ペてセル フ店がいかに高い 販売効率 を持 っているかが明 らかである。 さらに規模別 にみた場合、小規模経 営で も1人当た り約12 0 0万円 (飲食料品店 1- 2人規模 )、約2 50 0万 円 (その他の店 1- 2人規模 )の販売額に遷 してお り、「生業」を脱却 しつつあ るといえよ う。 そして中規模経営であって も、 2 0 0 0万円前後の販売高に達 し、百貨店の水準に近ずいてい るのである (その他の店では突破--・表9・11)。 な お1m2当た り販 売額 で は、 飲 食料 品店 の中 .大規模経営、その他の店 の 中規模経営が、百貨店 の水準 を凌駕 してい る。 ところで、セルフサー ビス店の成長 は、食料品、最寄品 を中心に、大量仕入 れによ る仕入価格の引 き下げと、流通経費の削減による低価格販売 を実現 した スーパ-マーケ ッ トの成長 に負 う所 が大であ る。 スーパーマーケ ッ トの販売形 態は、大量販売実現のための多店舗中小規模店の普及 と不可分である。_それゆ え、 チ ェーン方式 (レギ ュラーチ ェーンregular chain)の採用 と不 可分であった。 チェーン方式の持つ経営的有利 さは、所有と経営の分化が進む 中ではボ ランタ リーチェーンvoluntary chain (以 下
V
Cと略記 )の 普及 と もなって あ らわれ る。政策的に も、 中小資本 による商業経営の効率化 ・合理化の ため推進 された. そして仕入等の共同事業化や経費節減、最寄品等 の大手 メーカー品が」投化する中で、セル フサ- ビス店 も拡大 したのである。 チ ェーン形態 として、 さらにフランチ ャイズチェーンfranchiSe Cham (以下F
Cと略 記 )があ る。 これは本部 が 加 盟 店 に対 し、 自己の 商号、 商表1 1 セルフサー ビス店の主要分布状況 g X * 9 5 実 数商 店 率比 1数 実年 数 間也率 1販店当た り売当た り1 額 (万円 )人 当た りl d 飲 食 料 品 755 6.7% 6,332.874 40.1C/0I 8,388 1.883 69 鯖 408 4.0 791.295 ll.8 1.939 1.190 31 181 24.0 950.479 41.0 5,251 1,538 46 163 38.5 4,111,703 67.7 25,225 2,187 97 3 42.9 479.397 70.8 159,799 2,397 151 そ の 他 74 1.3 554,968 2.8 7.500 2,569 80 49 1.3 191,121 6.3 3,900 2,548 67 1一一 1.7 56,169 2.5 3,511 1.060 43 9 O.8 307.678 2.2 34,186 3,496 112 地物 .衣服 .身の旬 り.品 51 1.4 990.835 16.7 19,428 1.825 60 醍 20 0.7 35,463 2.0 1,773 I.144 39 ll 2.4 35,309 3.0 3,210 954 40 19 8.2 750.508 27.5 39.500 1.881 60 ・その他には医薬品 ・化粧品、香港 ・文具、時計・眼鏡等の小売店が含まれている。 ・比率は当該産業中分類および規模別分類の各項全体 に対す る比率0 ・出典 :表 9に同 じ。 標および経営 ノウハ ウを提供 し、同一イメー ジの もとで供給商品の販売 をおこ なわせるものであ り、資本的 には独立 していて も、VCに較ペて統一性が強化 されている。近年 では コ ン ビニ エ ンス ス トアやバ ラェテ ィス トア、 ファース トフーズという新たな形態の小売店で急速に増加 してい る。 表1 2 ・ 1 3は、 1 9 8 2年調査のVCとFCの沖縄での普及状況 を示 した ものである。双方 ともいまだ十分発達 してないが、 VCの 場 合 医 薬 品 ・化粧 品小売業において、 FCの場合はその他の飲食料品小売業、医薬品 ・化粧品小 売業等において比較的普及 している。法人、個人別にみると、 VC ・FCと も
に個人経営 での普及が進んでいる。相対的に経営 規模の小 さい個人経営で チ ェ ーン化が進 む場合、 どのよ うな メ リッ トが期待 され るだろうか。答 え うる材料 を多 くもっていないが、「般的 には経営の安定化が 促進 されているよ うであ る。 これ らの動向 については、今後の発達状況 を さらに検討す る必要があ る。 表 12 ボ ランタ l)一 ・チェ「 ン加盟店 の構成 (仮毒額 :万円 ) 産 業 分 類 計 法 人 個 人 店数 販 売 額 店数 販 売 額 店 数 _販 売 額 計 実 数 64 579.158 17 491.448 47 87.710 構成比 0.3 1.0 0.1 0.8 0.2 0.1 そ(完霊宝 、 )の 他 実 数 43 255,849 6 201,195 3-7 54,654 構成比 0.7 1.3 0.1 1.0 0.6 0.3 実 数 36 53.064 1 1.300 35 51.764 構成比 2.6 3.0 0.1 0.1 2.5 2.9 飲 食 料 品 (各種食料品 ) 実 数 13 211,400 10 190.253 3 21,147 構成比 0.1 1.3 0.1 1.2 0,0 0.1. 実 数 9 ? 8 134,653 1 ? 構成比 0.2 ? 0,2 1.7 0.0 ? 家具、建具、 実 数 6 108.209 1 100,000 5 8.209 じゆう器(芸芸芸機 ) 構成比 0.3 1.5 0.0 1.4 0.2 0.1 実 数 5 8,209 - - 5 8,209 ・販売額は年間販売額。 ・計は、表出以外のものを含む。 ・構成比は各産業分類別ごとの組数に対する比率, ・()内は小分類項 目。 ・該当商店数が1の場合.販売額は合計から逆算し、不可能なものは?とした。 ・出典 :前掲表に同じ。
表13 フ ランチ ャイズ ・チ ェーン加盟店 の構成 (販売原 :万円 ) 産 業 分 類 計 法 人 個 人 店数 販 売 額 店数 販 売 額 店数 販 売 額 計 実 数 109 1.069.433 51 946,939 58 122.494 構成 比 0.5 1.8 0.2 1.6 0.2 0.2 飲食料品
(
;
芸
粉
(
孟軽食 当 実 数 67 291,999 37 222,171 30 69.828 構成比 1.2 1,5 0.6 1.1 0.5 0.4 実 数 53 136.187 31 111,282 22 24.905 構成 比 3.8 7.7 2.2 6.3 1.6 1.4 実 数 8 ? 2 ? 6 42.783 構成 比 0.1 ?0
.
0
? 0.1 0.3 そ の 他 (毘蓋宝 り 実 数 19 3.4,722 2 15,157 17 19.565 構成 比 0.4 0.5 0.0 0.2 0.4 0.3 実 数 ll 10,767-
- ll 10,767 構成比 0.8 0.6-
-
0.8 0.6 家具 ,じゆ う器建具 (霞霊異 機) 実 数 ll 188,825 8 179.345 3 9.480 構成比 0.5 2.7 0.3 2.5 0.1 0.1 実 数 10 184.82.5 7 175,345 3 9.480 構成 比 1.0 512 0.7 5.0 0.3 0.3 挽物,身の回 り品衣 服 ,実 数 8 ? 2 ? 6 22.321 ・前掲 表に同 じ。む す ぴ に か え て 以上、沖縄 における経済動向の概観 と商業機 関の特質の分析 を試みた。第2 次産業発達 の不十分 さのため、 第3次産業が異常 に肥大化 した経済構造 とな り、 商業分野における零細経営 は潜在的過剰人口の プール とみる見解 もあろ。確か に商店数では飲食料品店 や飲食店が きわめて多 く、 しか もその経営 は零細で不 安定な ものが多い。 その ことは、全国水準 との 対比 において も明 らかである。 しか し、小売業の分析 で明 らかなよ うに、従業者1- 2人 とい う県内で最 も大 きい商店割合 を占める零細経営 (いわゆ る"マチャグヮー"を含む )が、相対 的のみな らず絶対的に も減少 しは じめていることは、今後の商業構造のあ り方 を考 える場合重視すべ き点である。 それ とは反対 に、セル フサービス店の急速な成長がみ られ、 それ らは販売効 率 の点では中規模経営で も大規模経営 に有効 に対抗 しうる要素 を持 っている。 この ことは地域商業のバ ランスの とれ た展開を考 える場合、やは り留意すべ き であろう。 ところで、流通構造 の変化 を分析す る場合 に、大都市を拠点 とした大商業資 本 と地元資本 との乱棟 を具体的に把握すべ きことを指摘 したが、本稿では把握 しきれなか った。三越、 ダイエーが出店 して1 5ないし1 0年が経過 した今 日、 多数の本土資本が参入 してお り、 その ことが沖縄の商業構造 を大 きく変 えて き たことは間違 いない。最近 で はスーパ ーの間際を縫 って、コンビニ エンスス トア が普及 し、消費者の価値観の多様化のなかで、バ ラエティス トアやDIYが普及 . して きている。 しばしばそれ らの担い手は、本土系企業である。 このような新 しい商業音域の展開を、地域経済 の発運 とい う視点か ら分析す る必要があろう。 さらに最近 では地域経済の活性化推進のため、 トー村一品運動」や 「村おこ し」が しば しば提唱 され、商工会での取 り組み も具体化 されている0 30年前、 琉球改称 まrF#済振興第一次五ケ年計画鞄 (.9 5 5年6月 )を作成 し、戦 後復興の指針 とした。 その時に も 「村起 し運動」 を脚 呂したが (1 8 8頁 )、 それが意図 した ものや方法においては、かな り異なっている。特 に、かつてはと
にか く生産 が第一で あったが、 今 日の それ はいか に して広 いマーケ ッ トを持 ち うる 「商品」 を作 り上げ、 いか に して流通網 に乗せ るかが重視 されてい る。 し たが って、今後 の施通構造 の分析 に あた って は、 このよ うな下か らの運動 をフ ォロー しうる流通形債の検 討 も考慮 す る必要 が あ る。 その意 味で は、協同組合 (農協、生協等 )の購販活動 の分析 が重要 と思 われ る。 総 じて、 「流通 革命」 を議論 す るに必要 な流通 に関す る機構 的分 析 には至 っ てな い。 多 くの残 された課題 につ いては、今後少 しずつ検討 したい と思 う。 注 1. 佐 藤輩 『日本 の流通 機屯 (有斐 閣昭和4 9年 )1 7頁。 なお.林周二 氏 はかつ て 侮 通 草勉 (中央公論社 19 6 2年 )を著 した蕨 に、 この 変革の結果 は 1-販売 の社会 的意義 が まるで変 -・'た もの にな るで あろ う」 と 予測 したO しか し安 部文彦氏 の指摘 に もあ るよ うに、 「革命」 とい う言葉 の もつ根本的変 革性 を、進行 中の流通再編 に認め るには疑問 な しとしない (安部 文彦 「地域 商業の現状 と革新 の方 向」《r琉 球大学経 済研究J 第1 9 号 19 5 3年3月 所収 )参用 )。 2・ 杉同項 夫 馳 域 主義の 源流を求めTA (東洋 経済新報社 19 8 0年 ) 19 8頁。 3. 中島艮 昭 「沖組 経済1 0年の軌跡」(九州 経済調査 協会 『丸 州経済統 計月
鞄
V。1・37-2,19 8 3・2) 参照。 41 琉球政府 晦 駒経 済開発計鞄 (
1970年 )で は、本土 の諸制 度適用 と 「交通通信 休系,水 電源、 エネルギー部 門, 教育、医療 部 門 等 県 土 開 発 の粍糠を 繋備 し, 各掩招 集の振興を はか り, もって 日本経済 の一環 と して の本県経済の 自立的発展の方途を 確立す るこ とが焦 眉 の急務」 とされ(Pl)、 労働集 約刊工業 ・電化学 工 業 ・観 光部門 は 「戦略産 業」 とい う位置づけ が されてい る(P IG- 20 )。5. 安 部 文彦 氏 が、 全 産 業就 業 人 口 が 19 6 7年 を ピー ク と して減少 して い る理 由を. 「経 済生 活 の 高 度 化 に よ り通 学 , 家 事等 働 く必要 の ない人 が増 加 した た め」 (「商 業構 造 論
」
t 職 球 大学 経 済 研 鞄 第 1 6号 1975. 3 )1 13頁 )と して い るの に対 し.富 永 斉 氏 は 「第一 次産 業就 業者 の減 少 を 他 産 業 就 業者 の増 加 で カバ ーで きなか っ た」 た め だ と して い る (山里 将 晃 監著 『図 で み る沖 縄 の経 鞄 新 報 出版 1 9 7 9 日 頁 )0 Ui91働 経 済 結句 と国勢 調 査 の 同 項 目の 数 値 にか な り誤差 が あ るこ とを考 慮 す る と、 即 断 は で きな い が、 19 7 1年 まで は労 働 力 人 口 自休 の減 少 で説 明す るこ と も可 能 で あ るが, 1 9 7 2年 以 降 は 富永 氏 の見 解 が 妥 当 と思 われ る。 6・ 昭 和 4 8年 度 鞄 民 所 得 統 計報 告 屯 で は, 19 6 9年 以 降建 設 業が ト ップに立 って お り, 表2の数 値 とは 異な ったものとな ってい る。 以後 他 の統 計書 で も同 様 の形 態 とな 1て い る。 7. 19 7 2年 以降 、 防 衛 施 設 庁 が 基 地 対年 経費 と して予 策 計上 して い る額 は, 1 9 7 2年 2 3 5億 円, 19 7 5年 5 1 7億 円、 19 8 0年 7 2 6億 円 で あ り、 県 外 か らの財 政 移 転 の 10- 13パ ー セ ン トに該 当す る (沖 縄 県労 働 渉 外 部 鞠 縄 の米 軍 基 鞄 昭 和58年 3 69頁 参 照 )。 8・ 真 栄 城 守 定 和 親 地 域 開 発 鞄 19 8 4年 ひ るぎ社 8 1- 8 9頁参 照。 9. た とえ は, 安 部 文 彦 「席 業構 造 論 -沖縄 県 を 中心 に して-
」 (前 掲 )、 「地 域 商 業 の 現状 と革新 の方 向 一沖縄 ・那覇 市を 中心 Iこして-」 (前 掲) 「戦 後沖 縄 に おけ る流通 機構 の変副
(
『同 七 第2 3号 昭 和5 7年 1月) 。 伊 波 美 智 子 「戦 後 沖 縄 に おけ る流 通政 策 (I) 」 (梅 垣 剰 7 号 昭 和 5 1年 3月) 、 中島良 昭 「沖 縄 に おけ る商品流通 の特 色」 (前掲 5'JL州 経済統 計 月鞄 Vol・31- 1 2 1 9 7 7年 1 2月) 、 山里将 晃 監 ・著 前 掲 書 、 沖 縄 社 会 経 済 調査 委 員会 『本土 復帰 に よ る沖縄 社 会経 済変 動 調 査 報 告書 (要 旨)』 (昭 和5 5年) ・ 島 袋嘉 昌編 ・著 『戦後沖 縄 の企 業 経鞄 (中央 経 済 社 昭 和 5 7年 ) ・通 産 省 産 構 審 沖 縄 地 域産 業分 科会 『8 0年代 の沖 縄 地域 産 業 ビジョ yA (19 8 2年) な どが あ るO10. 中島 「沖 縄 におけ る商品流通 の特 色」 (前 掲) ll.売場効率に関 して は,産 業構 造 審議会流 通 部会 で、 近年停 滞 傾 向 にあ る こ と,大型 の総合 スーパ ーの それ が低 下 して い るこ とが指 摘 され てい る。 その 原因 として、 周辺 地域 の コ ンビニ エ ンス ス トア等 の成 長、 スーパ ー 間 の競争 の激 化 が いわれている(産構 音流通 部会 ・中小企 兼政 要 審 議会 流通 小 委 員会 『8 0年代 の流通 産 業 と政策 o)基 本方 向 (秦)』 昭 和5 8年4 9頁 )0 12・ 通 産省 U?・相葉統 計和 に よれ は、 これ に韓 当す る事 業所 は、衣 ・食 ・住 に わた る各席 商品 を,J片 寄 るこ とな く販 売 t;て い るo したが って上 は百 貨 店、総 合 スー パー か ら、 下は よ ろず屋 まで含 まれるが、いわゆ る雑 貨店 はむ しろ飲 食料 品小 売 業や その他 の小 売 業 に分類 され るこ とが多 い。 13 中島 「沖縄 におけ るlh'品流 通 の特 色」 (前 掲) 1 6頁。 な お各種 食料 品 小 売 業 とは、 酒 ・掴味料、 食肉,鮮 魚, 乾物 、野菜 、 果物、菓 子 ・バ ン, 米穀類 、 その他 の うちの三 種 以 上を片 寄 りな く小 売 してい るもので あ る。 その 他の飲 食料 .I.]n小売 篭 とは、牛乳 、 料 理 品,茶 、豆 腐、氷 ・清涼飲料 等 を小 売 してい る もので あ る。 14. その他 の小 売業 (産 業 中分 類 )とは、 医 集 晶 ・化 粧 品、 燃料小 売 店、 青 煮 ・文具小 売店 な どが含 まれ る。 15. 安部 「地 域 商 業の現状 と革新 の方 向」 (前 掲 )18 0頁。