Author(s)
圓田, 浩二
Citation
沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL
OF LAW & ECONOMICS(25): 55-67
Issue Date
2016-03-31
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/20266
要約 本論文の目的は、日本型エコツーリズムの導入について、その成否を考察する。日本国内の5 つの地域に対してフィールド調査を行い、その地域でのエコツーリズムの取り組みを報告・分析 する。そして、日本型エコツーリズムはすでに観光地として成り立っている地域では成立しにく く、むしろ観光地ではない地域にその適合性がある。また、日本型エコツーリズムがメリットよ りもデメリットが大きく、全国的には普及しないという結論を得た。 Summary
The purpose of this paper is to consider the success or failure with the introduction of Japanese eco-tourism in Japan. Fieldwork was performed in five areas in Japan. Eco-tourism efforts in the areas were reported and analyzed. Conclusively, Japanese eco-Eco-tourism is hard to establish in area that have already been managed as a tourism area. It is difficult to do in areas that are already used as tourist destinations, and it is more compatibility in the area that rather is not a tourism area. In addition, Japanese eco-tourism has larger disadvantages than advantages and probably will not spread nationwide.
1.問題設定 1972年、ストックホルム国連会議が「環境」をテーマとして、開催された。1980年には、IUCN(国 際自然保護連合)がUNEP(国連環境計画と WWF(世界自然保護基金)との共同で、「世界環 境保全戦略」を発表した。この中で、「持続可能な開発(sustainable development)」が提案された。 そして、観光分野で、「持続可能な観光」が提唱され、「エコツアー」という言葉を生んだ。「エコツー リズム」という言葉は、メキシコ人のヘクター・セバロス・ラスクレインにって、1983年に、「風 景や野生動物などの現存する文化的創造物を特別に研究し、鑑賞し、享受する目的で荒らされて 【論文】 専 門 分 野:地域社会学、観光学、フィールド・スタディ キーワード:エコツーリズム、観光、環境保全、地域主体
Sociological Analysis of Eco-Tourism in Japan
― Hanno, Kerama Islands, Minakami, Shiretoko Peninsula, Ogasawara Islands as a Case ― 圓 田 浩 二*1
Koji MARUTA
日本におけるエコツーリズムの観光社会学的分析
いない、汚染されていない地域を旅する」として定義された[風見 2014 p.4-5]。1992年のリオ・ デ・ジャネイロで行われた通称「地球サミット」(環境と開発に関する国際連合会議) で、環境 と開発についての27原則からなる「リオ宣言」が採択された。そして、1999年の第53回国連総会 は、2002年を「国際エコツーリズム年」とした。開発と環境保全の両立が地球規模で意識される 中、観光においても、従来のマスツーリズムとは異なる観光のあり方が模索され、エコツーリズ ムは、その主要な観光の形態として、注目されるようになった。 本稿の目的は、今や、世界的に定着したエコツーリズムとエコツアーの、日本でのあり方を検 討し、今後の可能性を模索することにある。「エコツーリズム」は多様な解釈と定義をはらんだ 言葉であるが、本稿では、環境省の定義に従って、「地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地 域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながってい くことを目指していく仕組み」[環境省ホームページ 2015.11.30 閲覧]とする。エコツアー とは、このエコツーズムの理念を従って、実施される観光ツアーと定義する。 2007年6月に、エコツーリズムに関する総合的な枠組みを定めた「エコツーリズム推進法」(平 成19年法律第105号)が成立し、2008年4月より施行された。2015年11月30日時点で、この法律 によって認定を受けた自治体(地域)は、6自治体である。また、現在、13の地域がエコツーリ ズム推進モデル地域に指定され、環境省からの支援を受けている。 本稿では、フィールド調査地として、沖縄県の慶良間諸島・埼玉県飯能市・群馬県みなかみ町・ 北海道知床半島・東京都小笠原諸島を設定し、フィールドワークで得た調査データから、エコツー リズム推進法への取り組みと、エコツアーの実施状況について、報告と分析を行う。 問題設定は、「環境省が主導して導入した日本型エコツーリズムは成功したのか?」である。 環境省が主導するエコツーリズムを、「日本型エコツーリズム」と呼ぶ。日本型エコツーリズムは、 地域が主体となって、自然環境や歴史文化の観光資源としての利用と保全を兼ねた観光のスタイ ルと考える。そのために、これらの調査地の比較検討から、日本におけるエコツーリズムの浸透 と、それに即したエコツアーのあり方について、いくつかの問題提起と提案を行う。最後に、環 境省の主導するエコツーリズムが、日本各地の観光と環境保全とに、適合するかどうかについて 言及し、日本でのエコツアーの新しいあり方を提案する。事例研究からわかったことは、日本型 エコツーリズムに成功するためには、その地域は以下の条件を満たさなければならない。既にメ ジャーな観光地でないこと、大規模人口を抱える都市から比較的短距離・短時間で往来が可能な こと、マスツーリズムの名所(誰でも知っている、行きたくなる)にはならないこと、その地域 に主要な産業がないことである。 研究方法は、文献・資料の収集と比較検討と、エコツアーを実施している地域でのフィールド ワーク(参与観察、インタビュー)を採った。 2.日本におけるエコツーリズムの歴史 1992年のリオ・デ・ジャネイロでの「地球サミット」以降、日本国内において、エコツーリズ ムの模索やエコツアーの企画・実施が、行政や民間に手によって、なされていく。日本において、 最初に「エコツーリズム」の名前の付く団体が生まれたのは1996年に発足した「西表島エコツー リズム協会」である。しかし、この団体は、「エコツーリズム事業を実施するのではなく、島民
による島の資源の研究や、ガイドラインの作成、保全活動を行」うための支援活動を行う団体で ある[海津・真坂 2004 p.214]。また、民間団体である「エコツーリズム推進協会」が1998年 に設立された。2002年に、日本エコツーリズム協会(JES)に改名し、2003年にNPO法人化した。 現在は、エコツーリズムの啓発と健全な推進をはかるため、エコツーリズムに関する情報提供や 人材の育成などを目的として、活動している。現在の会員総数が487名である。 2003年、環境省が「エコツーリズム憲章」を制定した。この憲章では、地域が主体となって、 その地域の自然と文化を守り、受け継いでゆくという姿勢が呈示された。2007年6月に、「自然 環境の保全」、「観光振興」、「地域振興」、「環境教育の場としての活用」を基本理念とする「エコツー リズム推進法」が成立し、2008年4月より施行された。これに先立って、環境省は、2003年11月 に、環境大臣を議長とする「エコツーリズム推進会議」を設置し、エコツーリズムの普及・定着 を目的とした推進方策を検討した。その結果、3ヵ年継続事業の「エコツーリズム推進モデル事 業」が始まった。この事業は、環境省をはじめとする関係省庁が、モデル地区の個性を活かした エコツーリズム推進への取り組みを支援するためのものだった。2004年3月に、地方公共団体を 対象にモデル事業実施地区を公募したところ、53の地方公共団体から応募があり、その中から13 地区が選定された。選定は3つのグループに分けられた。 一つ目が、豊かな自然の中での取り組み(典型的エコツーリズムの適正化)として、知床地区(北 海道斜里町、羅臼町)、白神地区(青森県西目屋村、秋田県藤里町)、小笠原地区(東京都小笠原村)、 屋久島地区(鹿児島県上屋久町、屋久町)、2つ目が、多くの来訪者が訪れる観光地での取り組み(マ スツーリズムのエコ化)として、裏磐梯地区(福島県北塩原村)、富士山北麓地区(山梨県)、六 甲地区(兵庫県神戸市)、佐世保地区(長崎県佐世保市)、3つ目が、里地里山の身近な自然、地 域の産業や生活文化を活用した取り組み(保全活動実践型エコツーリズムの創出)として、田尻 地区(宮城県田尻町)、飯能地区(埼玉県飯能市、名栗村)、飯田地区(長野県飯田市)、湖西地区(滋 賀県)であった。このうち、エコツーリズム推進法によって、エコツーリズム事業が認定された のは、飯能地区のみである。エコツーリズム事業が認定されるためには、環境省を始め各省庁に、 エコツーリズム全体構想を提出し、認定を受けなければならない。ここに、エコツーリズム推進 法自体が抱える問題点が存在する。この問題点を、慶良間の事例に見ることができる。 2015年11月30日時点で、この法律によって認定を受けた自治体(地域)は、6地域である。 2009年9月に認定された埼玉県飯能市と名栗村、2012年6月に認定された沖縄県渡嘉敷村・座間 味村、群馬県みなかみ町、2014年3月に認定された三重県鳥羽市、2014年7月に認定された三重 県名張市、2014年11月に認定された京都府南丹市の6地域である(沖縄県は、渡嘉敷村と座間味 村の二つの自治体が認定を受けている)。 次節では、認定を受けた6つの地域のうち、埼玉県飯能市と沖縄県渡嘉敷村・座間味村、群馬 県みなかみ町でのフィールド調査と、2004年のエコツーリズム推進モデル事業地区に選定された 13地区に該当する北海道知床半島と東京都小笠原諸島を取り上げる。留意してもらいたいのは、 北海道知床半島と東京都小笠原諸島は、2004年にエコツーリズム推進モデル事業地区に応募し、 環境省によってモデル地区に選ばれながらも、エコツーリズム推進法によって、エコツーリズム 全体構想の認定を、2015年11月30日現在、受けていない点である。以下で、各自治体(地域)の エコツーリズムに対するスタンスを見てみよう。
3.事例研究 3-1.埼玉県飯能地区 飯能市は、2009年に、「里地里山の身近な自然、地域の産業や生活文化を活用した取り組み」で、 最も早い認可を受け、今では、「エコツーリズムの町」を謳っている。「エコツーリズムの町」と して、町おこしに成功した事例である。飯能市には、2011年9月24日から26日までと、2013年12 月7日から8日まで訪れ、エコツアーに参加し、関係者にインタビューを行った。 飯能市は、2005年度の10ツアーを企画し、参加者は481名であった。参加人数は年々増加傾向 にある。2012年、135のエコツアーが企画され、3,299人の参加者を得ている。リピート率46%で あり、市外からの参加者が55%である。ガイドは専業ではなく、兼業の市民(農家や商工業者な ど)である。1ツアー定員20名ほどで、ツアー金額は1,000円から6,000円までである。エコツアー は、飯能市のエコツーリズム推進協議会26人によって、計画を策定している。 筆者が参加した「固定種野菜カブの食べ比べエコ ツアー」(2013年12月8日)で飯能市の固定種のカブ など7種類を収穫し、レストランでカブ料理を食べ た。参加人数は、20人程度で、10時から13時までの 3時間、費用は3,000円という内容であった。この ツアーでも、市の職員が参加者にアンケートを行う という形でのモニタリングを行い、毎年『エコツー リズム推進事業報告書』を作成し、発行している。 飯能市は、もともと観光資源の少ない場所であ る。その証拠に、市内の宿泊施設数を数えてみれば わかる。エコツーリズムを導入するまで、ここはほ とんど観光資源のない過疎化が進む町だったので ある。2004年の環境省のエコツーリズム推進モデル事業に応募し、選択され、2005年度から事業 が始まった。この事業は、里地里山の身近な自然、地域の産業や生活文化を活用した取り組み、 つまり保全活動実践型エコツーリズムの創出である。飯能地区(埼玉県飯能市、名栗村)は、エ コツアーの実績を積んで行き、2009年に全国で最初に、エコツーリズム推進法による全体構想の 認可を受けた。筆者から見れば、エコツーリズム推進法に則った、最も成功した事例である。こ の要因は、飯能市が都心の池袋から、西武池袋線急行を利用して、乗り換えなしの1本の電車で、 48分・470円で行くことができることにある。つまり、都心からの距離と既存の観光産業がない こと、そして市民の取り組みが、「エコツーリズムの町」として、飯能市を成功させる原因と考 えられる。いわば、都心の住民にとって、ツアーメニューが充実し、「安・近・短」の飯能市は、 エコツアーによって、町おこしができたのである。 しかし、問題点は2つある。1つは、上にも書いたように、市役所職員がツアーに参加し、主 催者側を手伝いながら、モニタリングしつつ、ツアー参加者にアンケートを実施している点であ る。飯能市役所に、環境部エコツーリズム推進室を設置し、2人から3人の職員を配置している。 事務所を設け、人員を配置することは、その他の地域を見ればわかるように、たいへん実現困難 な問題である。市職員がツアーに参加するという試みもまた、難しい問題となっている。ツアー 画像1 固定種野菜カブの食べ比べエコツアー 2013.12.8 筆者撮影
が開催されるのは、土日が多いからである。例えば、群馬県みなかみ町の場合は、ツアーガイド による簡易モニタリングで対応している。飯能市が現状維持のまま、事務所の市役所内に設置し、 人員を配置できるかは、ツアー自体が利益の獲得を目指したものでないため、補助金の大きさと 市民の「やる気」にかかっていると言える。市の担当の職員に尋ねたところ、予算は、300万円で、 国と市が半分ずつ出すことになっている。 もう1つは、他のエコツーリズムが目指すような滞在型観光には結びつかない点である。都心 の池袋から、1時間以内に行き来できることから、都心のツアー客を獲得するには容易であるが、 それが滞在型観光や消費型観光に結びついていない点である。上にも述べたように、飯能市内の 宿泊施設が少なく、有名な観光名所もない。あるのは自然や歴史であった。飯能市は、それを活 かしたエコツアーを展開し、成功している。「日本型エコツーリズム」の成功例と言えるだろう。 市外からの参加者が55%、リピート率が46%であるという数字がそのことを物語っている。「エ コツーリズムの町」として成功した飯能市であるが、今後どのような方向性を打ち出せるかが課 題である。 3-2.沖縄県渡嘉敷村・座間味村 座間味村は、筆者が2003年以来、ずっと関わり続けているフィールドである。ここでは、座間 味村を中心に記述する。大きな変化は、2012年6月に環境省によって、沖縄県渡嘉敷村・座間味 村のエコツーリズム推進法の全体構想が認定されたことであり、2014年3月5日、慶良間諸島が 環境省から、国立公園に指定されたことである。エコツーリズム推進法では、日本で2番目に認 定されている。これには、環境省の強い意向があったようである*2。この2つの出来事によって、 慶良間諸島(渡嘉敷村・座間味村)の観光地としてのブランドが飛躍的向上した。座間味村には、 毎年に約7から8万人の観光客が訪れていたが、2015年度には10万を超えた。この数字は、統計 を採り始めて以来、初めてのことである。 エコツーリズムに関心を寄せる前から、座間味村では、ダイビングやシュノーケリング、シー カヤック、ホエールウォッチングなど、エコツアーが盛んで、実践されてきた。スクーバ・ダイ ビングは、1970年代から開始されている。ホエール・ウォッチングは、さきがけであった小笠原 諸島で視察を行い、1991年からツアーを実施している。スクーバ・ダイビングは、昔は水中銃に よる魚採りが目的であったが、漁協との軋轢から、今は魚を見たり、カメラに収めるスタイルへ と変化している[圓田 2009]。スクーバ・ダイビングは、魚介類の採集から「見る」スタイル へと変化したため、環境保全の意識が強いものとなっている。つまり、ダイビングでは、「見る」 スタイルが定着したため、「見る」価値をあるものを保全していこうという意識が強かったので ある。そのため、スクーバ・ダイビングはエコツアーに適したものとなった。加えて、日本のス クーバ・ダイビングのほとんどがガイド付きのツアーとなっているため、「エコツアー」を意識 する前に、エコツアーが成立していたのである。 このように、座間味村は、環境省が推し進めていた「エコツーリズム」に適したものであった。 エコツーリズム推進法が成立・施行されてから、環境省の那覇自然環境事務局はしばしば人を派 遣して、エコツーリズム推進法に則ったエコツアーの実施を働きかけてきた。そして、2012年、 その全体構想が認定されるに至った。座間味村では、「海」を中心とした観光が主流であったが、
陸域でもノルディックウォーキングなどの観光メ ニューを手がけることになった。 しかし、この事件は大きな問題を残すことになっ た。特定観光資源に指定した「サンゴ礁」の扱いで ある。座間味村の観光主流であるダイビング・ツ アーは、長期滞在者が多く、多くの消費を島で行っ てくれる。ダイビング客は、慶良間諸島が誇る透明 度の高い海と、サンゴ礁がもたらす生物多様性に魅 せられている。渡嘉敷村・座間味村では、ダイビン グとサンゴ保全に関する共同の条例を作ろうとし ているが、さまさまな利害対立があって実現してい ない[圓田 2011][圓田 2015]。 多くの問題が未解決のまま残っているが、2点を挙げておきたい。1つは、事務所の設置場所 と人員の問題である。関係者に尋ねると、事務所の家賃と人員の人件費、その他諸経費で1,000 万円を見ておかなくてはならないという。また、慶良間諸島の場合、渡嘉敷村内に設置するのか、 座間味村内に設置するのかでも、大きな問題となってくる。 もう1つは、ダイビング・ポイントへの人数規制の問題である。慶良間の有名なダイビング・ ポイントでは、1990年代から、オーバーユースの問題が持ち上がっている。今は、ブイを設置し、 一度の潜ることのできるショップの船の制限、そして「1ショップあたり週1回」という申し合 わせを行っている。しかし、実際には、管理・監視する者や団体がいないため、あやふやになっ ている。人数制限をかけたとき、誰がどのようにしてその規制を行うのか、誰がその費用を負担 するのかについても、大きな問題として残っている。国立公園化によって、観光客が増加し、オー バーユースが問題となってくると、特定観光資源である「サンゴ礁」の保全の問題が、今まで以 上に顕著に表面化する。 以上のように、エコツーリズム推進法は、渡嘉敷村・座間味村の場合、地域に混乱をもたらす ものとなった。というのも、エコツーリズム推進法は、当該地域に、「補助金を出すが、後のこ とはすべて自治体や地域で解決してください」という趣旨の法律だったからである。座間味村や 渡嘉敷村のように、すでに観光資源とその利用法が確立している場所に、上乗せする形でのエコ ツーリズムは、当該地域や当該自治体に、混乱をもたらすことになってしまった。「日本型エコツー リズム」の失敗例と言えるだろう。 3-3.群馬県みなかみ町 群馬県みなかみ町には、2014年3月15日から18日、2015年6月18日から22日まで滞在し、調査 を行った。環境省のエコツーリズム推進法による全体構想において、日本で3番目に認定された。 名峰「谷川岳」を中心としたエコツアー(年間150ツアー、6,000人)を展開しているが、他にも、 温泉やレジャーアクティビティ(スキー、バンジージャンプ、キャニオリング、ラフティング) などの観光メニューが充実している。 みなかみ町は過疎の町である。1965年に33,470人であった人口が、2015年9月1日現在の人口は 画像2 水上ブイポイント:西浜 2007.11.4 筆者撮影
19,296人となっている。また、1960年代の登山ブームや高度経済成長期の団体旅行ブームで、み なかみ町は観光によって大いに潤っていた時期がある。戦後の高度経済成長期から1980年代まで 続いたこの昔の「繁栄の記憶」がみなかみ町の観光行政を難しくしている。 現在みなかみ町には200万人の観光客が訪れている。客層も昔とは変わり、団体客から、家族 連れや友人同士で訪れる少人数旅行へと推移し、温泉や登山、ラフティングなどの若者向けのア ウトドアが現在の観光スタイルとなっている。ただ、問題点は、みなかみ町を訪れる観光客の半 数近くが宿泊をしないこと、つまり、日帰り観光客や通過型観光となっている点である。 2012年に環境省から認定された「エコツーリズム推進法全体構想」では、谷川岳を中心とした エコツアーを実施している。みなかみ町役場職員に尋ねたところ、エコツーリズムのメリット は「登山客の増加と着地型観光」であり、それによる「観光客増」にある。デメリットは「町内 での合意形成ができていない」点にあるという。このように、みなかみ町は、過疎化が進む「町 おこし」のために、日本型エコツーリズムを導入したことがわかる。「合意形成」の難しさとは、 昔から温泉旅館を経営している人たちが大きな発言権をもち過去の「繁栄の記憶」にすがってい ることや、大人気となっているキャニオリングやラフティングなどの新規参入業者が協力的でな いことがある。そのため、町全体での「観光」に対する考え方や意識の違いが合意形成を難しく している。新たな問題としては、安全の確保と環境保全の問題がある。そのために、ガイドの育 成が急務であるが、これが難しい問題となっている。 問題点は、現時点では、ガイド業が「お金にな らない」点につきる。つまり、ガイド業だけでは、 生活できない点にあり、ほとんどのガイドが副業を もっていたり、定年退職者であったりする。ガイド 1人あたり、谷川岳エコツアーで行うトレッキング ツアーで、1日50,000円稼げるようになるのが目標 だという。また、みなかみ町では、ガイド育成を行っ ている。エコツアーを行うために必要な知識を修得 する研修である。ガイドの育成には、1人あたり 15,000円から20,000円の費用がかかるという。 また、エコツーリズム全体構想において認定され た谷川岳周辺では、送迎に関わる金銭を授受できない。当然のように、白タクや無料送迎が存在 することになる。現在、繁忙期のマイカーによる渋滞と自動車が排出する二酸化炭素の除去のた め、谷川岳一の倉沢までの電気バスが導入されている。しかし、このバスには、補助金と規制の 関係で、乗車賃が存在せず、バスがガイドが乗り込み、乗客である観光客はその説明を聞くとい う形でのガイド料を支払っている。登山客の増加によるトイレ問題も深刻であり、オーバーユー スによる自然環境の破壊も問題となってきている。 エコツアーで必要となるモニタリングは、ガイドがツアー終了後、モニタリングシートに記入 する「簡易モニタリング」で対応している。みなかみ町では、年間150ツアーを行い、6,000人を 動員しているが、エコツアーの一つ「星の鑑賞会」を除くと、エコツアー参加者は700人程度であり、 その人数の少なさが目立つ。しかし、みなかみ町には、エコツーリズムに関する資金が潤沢にあ 画像3 一の倉沢・エコトレッキングツアー 2015.6.21 筆者撮影
る。エコツーリズム協議会やJR高崎支社、環境省などから1,000万円以上の資金がある。これを うまく活用して、取り上げたような問題を解決できないかと考える。それには規制緩和が必要と なってくる。 みなかみ町としては、谷川岳を中心とするエコツアーを、みなかみ町全域に広げる意識はなく、 温泉やスキー、ラフティングなどの若者向けのアウトドアなどの、他の観光スタイルと並列でき るような観光メニューの一つとして考えているようである。つまり、一日目はラフティングやキャ ニオリングといったアウトドアを楽しみ、温泉に泊まり、翌日、谷川岳のエコツアーに参加して、 観光客が帰っていくというスタイルである。宿泊をともなう「着地型観光」によって、町の経済 が潤う。その意味では、みなかみ町のエコツーリズムは、他の似たような観光地とは異なること を表示するための、「ブランド化」と言えるかもしれない。 3-4.北海道知床半島 北海道斜里町には、2013年11月1日から3日まで滞在し、調査を行った。環境省からは、い ち早く、モデル地区に選択され、期待も大きかった。知床型エコツーリズムのあり方の検討に ついて2004年から2007年まで、環境省の支援を受けて、知床エコツーリズム推進モデル事業を 行った。2008年以降は、「地域で自主的に取り組む」べきエコツーリズム普及のために、知床エ コツーリズム推進協議会が事業を継続している[知床エコツーリズム推進協議会ホームページ 2016.1.22 閲覧]。そこで謳われているのが、「知床型エコツーリズム」である。それは、『自然 環境』・『観光』・『地域』が繋がりをもって『しれとこ』の価値を高め、誇りあるふるさとを創造 していく」取り組みをさす。「自然とのふれあい」、「地域とのふれあい」、「自然との共生」の理 念が掲げられている。 知床半島の自然は厳しく、半島部分では寒さと強風のため、人間が、居住・生活できない*3。 それは、1日ツアーを申し込んだ際のガイドの発言である。したがって、人間によって管理・保 全された「手つかずの自然」が残ることになった。知床半島は、世界遺産登録以来、一時的に観 光客が増えた。そのあと、観光客が落ち込み、倒産したホテルの建物なども、見ることができる。 知床五湖の場合、ゾーニングを行うことで、マス ツーリズムの観光客と、エコツーリズムの観光客 を、選別することができた。マスツーリズム客は、 観光バスや自動車でやってきて、知床五湖の外園に めぐらせた、ヒグマよけの電気柵付きの、木製の「地 上遊歩道」から知床五湖の風景を観賞する。設置さ れた展望台からは、第一湖と知床連山を見ることが できる。料金は取っていない。 エコツアーの観光客は、「ヒグマ」という危険動物 から、観光客の身を守るという目的で、ガイダンス を受け、ガイドの随行させなければならない。10名 以内の団体となる。ガイドは、ヒグマよけの鈴や接 近したときに使用する辛子スプレーを持参している。ガイドは、知床五湖を散策しながら、動植 画像4 知床五湖 ゾーニング・マップ 2013.11.2 筆者撮影
物などの自然について、観光客に説明を行う。観光客は、知床五湖の間近で見ることができる。 このようなゾーニングが可能になったのも、「ヒグマ」という危険動物がいたため、ガイド制度 をそこにかぶせることができた。これは、他の地域にはない特徴である。そのため、ガイドは専 業で食べていくことができる。 1988年に公益財団法人「知床財団」が立ち上がり、1993年に世界自然遺産に登録され、独自の 環境保全と観光を行っている。財団が研究機関と行政機関の役割を担い、寄付を募り、国や北海 道から助成金を獲得し、公共工事のための調査やアセスメントを行っている。 知床財団の職員に尋ねたところ、「エコツーリズムは必要がない」と言っていたことが印象的 であった。このエコツーリズムとは、環境省のエコツーリズム推進法に則ったエコツーリズムで ある。「知床型エコツーリズム」も、環境省が推奨する「エコツーリズム」に沿ったもので、目 新しい点はない。ヒグマを絡めたガイド付きエコツアーの制度的確立と、知床五湖に見られるマ スツアー客とのゾーニング、そして知床財団の果たしてきた役割があって、エコツーリズム推進 法に則ったエコツーリズムの実施は、現時点では、見送られることになった。 知床半島の観光の取り組みは、ヒグマという危険動物の存在のおかげで、ガイド付きのツアー を制度的に定着させることができた点と、知床財団の果たした役割も大きいと言えるだろう。 3-5.東京都小笠原諸島 小笠原諸島には、2014年2月19日から23日まで滞在した。環境省からは、いち早くモデル地区 に選択され、エコツーリズム導入の期待も大きかった。2011年に世界自然遺産に登録された。 地元ガイドや観光業者による、離島ツアー、スクーバ・ダイビング、シュノーケーリング、トレッ キング、シーカヤック、ホエール・ウォッチングなど、小笠原諸島の自然を生かした観光が盛ん である。1988年には、日本初のホエールウォッチング協会が立ち上がり、全国に点在するホエー ルウォッチングの先駆けとなった。2002年に、「小笠原エコツーリズム推進委員会」が立ち上がり、 現在の「エコツーリズム協議会」となる。2014年2月当時、環境省のエコツーリズム推進事業の 助成を受けていた。 環境保全は、独特の生態系と固有種の多さを守るために、外来種の駆除と侵入の阻止、観光名 所の南島への上陸人数の制限などである。2003年に導入された、南島への上陸制限「1日100人」は、 名目的なものとなっており、現実には年平均の人数 が一定しているため、人数制限がなされているよう に見える。例えば、「おがさわら丸」のドッグ点検 中の半月間に合わせた上陸停止などである*4。この 点については、石原俊他著の「小笠原諸島のエコツー リズムをめぐる地域社会の試行錯誤:「南島ルール」 問題を中心に」に詳しい分析がある。 クルーズ船を除けば、小笠原諸島への唯一の交通 手段である「おがさわら丸」(750名定員)が週1便 東京から25時間かけてやってくるため、マスツーリ ズムのもたらす、さまざまな弊害から逃れることが 画像5 南島 2014.2.23 筆者撮影
できた。離島の不便さが、世界自然遺産に選定されるだけの、自然を残してきたとも言える。 エコツーリズム推進法について、小笠原村役場職員は、筆者のインタビューでは、次の通り 話している。エコツーリズム推進法にのっとるメリットについて、「環境省によるPRと補助金数 百万円」があるとし、デメリットについては、「エコツアーの送迎代」が取れない点をあげている。 「エコツアーの送迎代」とは、ガイドがエコツアーの観光客をホテルや民宿から現地まで送迎す る場合、国交省の道路交通法によって、無許可の送迎となってしまう事態を指している。エコツー リズム推進法の全体構想を提示する際、観光業で成り立っている村の経済や人間関係に、大きな 支障をもたらす可能性がある。筆者が聞き取りをした限りでは、小笠原村はエコツーリズム推進 法にのっとったエコツアーを実施する見込みはないと感じた。既に、観光の観点からも、環境・ 自然保全の観点からも、小笠原は十分な成果を収めている。また、資金の観点からも、小笠原諸 島が日本の「辺境」にあり、小笠原村が東京都であることから、多様な助成金が当てにできる。 環境省が主導する「日本型エコツーリズム」を導入すれば、地元住民(7割が第3次産業に従 事している)と、観光業者に対して、大きな足かせとなる。小笠原諸島の観光は、「おがさわら丸」 がもたらす人数制限と世界自然遺産登録とによって、観光業と環境保全問題が微妙なバランスの 上で成り立ち、成功している。そのため、観光ツアーに「エコ」という言葉を利用することはあっ ても、新たに日本型エコツーリズムを導入する必要がない。 4.日本におけるエコツーリズムの特色と今後の課題 以上、環境省のエコツーリズム推進法に関わっている、以前関わってきた5つの地域の、エコ ツーリズムやエコツアーを見てきた。環境省の推進する日本型エコツーリズムは、エコツーリズ ム推進法の認可を受けて、3つの地域で取り組まれている。現時点では、飯能地区(埼玉県飯能 市、名栗村)は成功し、慶良間諸島は認可を受けたものの、条例作りの段階で停滞し、みなかみ 町は観光の1つのメニューとして、谷川岳で行っている。知床半島と小笠原諸島では、2004年か ら2007年まで、環境省の支援を受けて、エコツーリズム推進モデル事業を行った経緯があるもの の、日本型エコツーリズムには前向きではない。 この2つの地域は、豊かな自然の中での取り組み(典型的エコツーリズムの適正化)として、 全国から選ばれた4つの地域である。この4つの地域で、エコツーリズム推進法を導入していて いない。このことから推測できることは、豊かな自然をもち、既に観光の仕組みが成立している ところでは、日本型エコツーリズムは難しいということである。 むしろ、飯能地区のような地域こそ、日本型エコツーリズムに適合的である。飯能地区(埼玉 県飯能市、名栗村)は、目立った観光資源のない過疎の地域であったが、日本型エコツーリズム を導入することで、地域住民が主体となって、観光メニューを創出し、関東圏からの日帰りのツ アー客の需要に応えた。飯能地区が成功したのは、一つ目に、膨大な人口を抱える関東圏の位置 し、池袋から電車一本で往来することができるということにある。二つ目は、目立った観光資源 がなく、観光客の滞在施設も少なかったため、いわゆる「地元の観光業者」との利害対立が生じ なかったため、自由にエコツアーを創出し、行うことができた点にある。 逆の事例が慶良間諸島である。慶良間諸島は、スクーバ・ダイビングやホエール・ウォッチン グがエコツアーとして存在し、多くの観光客を呼び込んでいた。そこに、エコツーリズム推進法
による日本型エコツーリズムという型をはめようとすると、保全や規制をめぐって、既存の地元 観光業者間や住民間、当該自治体内で、大きな混乱を招くことになった。エコツーリズム推進法 が認可を行うだけで、エコツーリズム推進法に基づくエコツアーの運用が当該自治体に任せると いう性格のものであったためでもある。保全、観光、地域主体の3つがうまく連携できなかった 事例である。ちなみに、慶良間諸島では、スクーバ・ダイビングに関しては、保全と観光の問題 は、試行錯誤を繰り返しつつ、成り立っている[圓田 2007b][圓田 2011][圓田 2015]。 また、日本型エコツーリズムが豊かな自然の中での取り組み(典型的エコツーリズムの適正化) で挙げられた地域や慶良間諸島でうまくいかないのは、エコツアーそのものが儲からないという 点にある。エコツアーでは、環境保全と安全に配慮せざるを得ないので、ガイドが少人数の観光 客を引率する。すると、観光客1人が支払うツアー料は高くなってしまう。既に観光業で成り立っ ている地域で、日本型エコツーリズムが導入されない、難しいのは、エコツアーが儲からない点 につきる。みなかみ町では、ガイドの育成と生計維持が大きな問題となっていることは上に見た。 以上から、環境省が推進する日本型エコツーリズムは、条件付きでしか成功しない。これに適 合する地域は、2004年から2007年まで、環境省が行ったエコツーリズム推進モデル事業の区分け で言うと、里地里山の身近な自然、地域の産業や生活文化を活用した取り組み(保全活動実践型 エコツーリズムの創出)である。その成功例が飯能地区である。 逆に言うと、豊かな自然の中での取り組み(典型的エコツーリズムの適正化)や、多くの来訪 者が訪れる観光地での取り組み(マスツーリズムのエコ化)では、既存の観光業者や観光業から 恩恵を受けている住民との軋轢を生み出してしまい、うまくはいかない。その地域では、当該自 治体や観光業者間で、既に、保全と観光のバランスをとる方法が生み出されており、そこに日本 型エコツーリズムをかぶせてしまうと、その地域に大きな混乱をもたらす。この事例が慶良間諸 島である。 また、一部日本型エコツーリズムを受け入れて、観光地としてのブランドに利用するというみ なかみ町の事例がある。みなかみ町では、数多くある観光メニューのうち、谷川岳とその麓で行 う登山やトレッキングなどで、日本型エコツアーを取り入れている。みなかみ町のエコツアー参 加者が少ないのは、その地域に、他の観光ツアーやメニューが数多く存在しており、また、日帰 りでエコツアーのみに参加すると、多額の交通費と長い時間を要してしまうからである。また、 関東圏からの日帰り観光が多いみなかみ町の観光スタイルと異なっているからである。 つまり、エコツーリズムが第一にその対象として考えてきた、豊かな自然の中での取り組み(典 型的エコツーリズムの適正化)では、日本型エコツーリズムは難しいことになる。既に、観光地 として有名であり、観光資源の利用法と保全方法が確立している。そのため、後から、行政が、 枠をかぶせるような日本型エコツーリズムの導入はうまくいかないのである。すると、行政と自 治体、観光業者と観光客、地域住民に混乱をもたらしてしまう。エコツーリズム推進法が理念的 に掲げる日本型エコツーリズムを導入することに、現時点で、メリットを見い出せないと判断し た知床半島と小笠原諸島がある。ちなみに、この2つの地域には、エコツーリズム推進協議会は 存在している。 結論を述べてみよう。日本型エコツーリズムは、事例から見るように一部の地域で成功してい る。成功するには、いまだに観光地として十分に開発されていない地域で、発展する可能性があ
る。その地域に必要なのは、営利目的のエコツアーではないこと、地域住民が主体的に参加する こと、多くの交通費と時間がかからずに、エコツアーを利用する大規模な人口を抱えた大都市圏 の近くに存在することである。飯能地区が成功した理由がこれである。しかし、観光業単体とし ては成立しておらず、住民主体のボランティア的活動と「地域おこし」として、成立している。 今後の課題として、資金の確保の問題や当該自治体任せの行政体制、規制緩和、すでに観光地 として成功している場所にどのようにエコツーリズムを取り組んでいくかなどがある。日本型エ コツーリズムの理念は、今後の日本の観光のために必要な考え方であり、今後の成り行きを調査 しつつ、考えていこうと思う。 謝辞 本研究は、文部科学省による科学研究費助成事業、課題番号23530715、「エコツーリズム導入 に関する社会運動論的考察―環境保全と観光利用の両立―」による研究成果の一部である。 注釈 *1 沖縄大学法経学部・教授。 *2 3番目に認定されたみなかみ町の職員から聞いた話である。環境省からすれば、2番目に 慶良間諸島を位置づけたいという意向があったようである。 *3 エコツアーのガイドの案内で、半島部分の民家の跡を見学した。知床半島の自然は厳しく、 冬の強風と、大木が凍って割れてしまうほどの寒さは、入植者たちを受け付けなかったの だという。逆に考えれば、それほど厳しい自然であるからこそ、世界自然遺産に指定され るほどの自然環境が残ったとも言えるだろう。 *4 「1日最大100人」という南島の上陸規制は、おがさわら丸の半月のドッグ点検期間による 観光客の小笠原諸島への上陸が不可能なここと、台風時や冬の海が荒れる時期には上陸が 不可能になることによって、トータルでなされているようだ。南島は、無人島で監視員な どはいないので、実数の把握は難しい。筆者が上陸した日には、時間差で観光業者の船が 寄港し、少なくとも100人以上は上陸していたと思う。3泊4日の小笠原諸島滞在中、観 光客の多くは、南島に行きたいと望んでいる。天候や海峡によって、船が出ない日が続く と、観光客は大挙して訪れることになる。そこには人数制限などは関係ない。制限すれば、 観光業者のなんらか優先度による選別、たとえば、「早い者勝ち」などによって、観光業 者間での対立と、行政と観光業者の対立を生み出してしまうだろう。 参考文献・参考資料 石原俊・小坂亘・森本賀代・石垣篤 2010 「小笠原諸島のエコツーリズムをめぐる地域社会 の試行錯誤:「南島ルール」問題を中心に」『小笠原研究年報』33号 pp.7-25 海津ゆりえ・真板昭夫 2004 「第二世代を迎えた日本型エコツーリズムの課題と展望に関す る研究」『国立民族学博物館調査報告』No.51 pp.211-228 環境省ホームページ 「エコツーリズムとは」 http://www.env.go.jp/nature/ecotourism/ try-ecotourism/about/index.html 2015.11.30 閲覧
風見信昭 2014 『楽しもう!エコツーリズム:里山から世界自然遺産まで』 秀明出版 圓田浩二 2006 「沖縄への本土移住者たち:『ダイビングの島』の発展と変容」三浦耕吉郎編 『構造的差別のソシオグラフィ』世界思想社 pp.274-299 圓田浩二 2007a 「座間味村におけるスキューバ・ダイビングの歴史とその課題」『沖縄大学 人文学部紀要』9:33-41 圓田浩二 2007b 「海洋観光資源の保全の試みに対する社会学的考察-座間味村におけるダイ ビング・ポイントの利用と保全を事例として-」『沖縄大学人文学部紀要』10号 pp.65-76 圓田浩二 2009 「日本におけるスクーバ・ダイビングの変容-1950年代から1990年代まで-」 『沖縄大学人文学部紀要』第11号 pp.1-11 圓田浩二 2011 「排除と共生-座間味村のダイビング・ショップ問題-」『沖縄大学人文学部 紀要』12号 pp.83-94 圓田浩二 2015 「慶良間国立公園化における海域設定の社会学的考察-水深30メートルとい う設定を巡って-」『沖縄大学人文学部紀要』17号 pp.49-59 三部和哉・川崎興太 2014 「全国のエコツーリズム推進地域団体の現状とエコツーリズム推 進に関わる問題点に関する研究- 全国のエコツーリズム推進地域団体へのアンケート調査 に基づいて-」『共生のシステム:磐梯朝日遷移プロジェクト』14号 pp.172-186 日本エコツーリズム協会ホームページ http://www.ecotourism.gr.jp/ 2015.11.30 閲覧 日本生態系協会編 2013 『平成24年度飯能市エコツーリズム推進事業報告書』 飯能市エコ ツーリズム推進協議会 知 床 エ コ ツ ー リ ズ ム 推 進 協 議 会 http://shiretoko-eco.net/modules/pico1/index.php/ content0001.html 2016.1.22 閲覧 渡嘉敷村エコツーリズム推進協議会・座間味村エコツーリズム推進協議会 2012「慶良間地域 エコツーリズム推進全体構想」 環境省 http://www.env.go.jp/nature/ecotourism/try-ecotourism/ecotourism/certification/kerama/kousou/images/document/kousou.pdf 2015.11.30 閲覧