ぺた語義:教員養成系大学における1人1台のPC貸与実践 -ICTを活用して指導できる教員を目指して-
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(2) 図 -2 グループ学習時の様子(2012 年度). 第 01 回 第 02 回 第 03 回 第 04 回 第 05 回 第 06 回 第 08 回 第 09 回 第 10 回 第 11 回 第 12 回 第 13 回 第 14 回 第 15 回. 図 -3 食堂での昼休みの様子(2013 年度). 畿央大学の情報環境と学習システムの使い方 データとファイル(1)データとその表現 データとファイル(2)ファイルとその利用,コンピュータの機能 データとファイル(3)ファイル体系,アクセス権限,クラウドとは ソフトウェア(1)インターネット接続,クラウド保存領域 ソフトウェア(2)Web アプリケーションとローカルアプリケーション,クラウド活用 Excel(1)表計算のアプリケーション,プログラミング Excel(2)ファイルとのデータ入出力,PowerPoint(1)プレゼンテーション作成 Excel(3)グラフ表示,関数 Word 文書処理と必要機能,現実のモデル 動画編集(1),PowerPoint(2)画像,動画ファイルの利用 動画編集(2),PowerPoint(3)プレゼンテーション Word,Excel,PowerPoint の連携利用 *第 07 回と第 16 回は考査 ファイルの保存とバックアップ. 表 -1 「情報処理演習Ⅰ」シラバス. クアップを作ったりする必要がなくなった.さらに, 「情報処理演習Ⅰ」のシラバスを示す(表 -1). グループで動画を制作するなど,共同編集を行うこ. また,スマートフォンで等利用される「フリック. ともできるようになった(図 -2) .. 入力」には慣れているものの,キーボードからの入. また,食堂や空き教室,昼休みや放課後など,日. 力は苦手という学生も多いため,タッチタイピング. 常的に Surface を使っている様子を見ることができ. の時間も設けている.紙でキーボードをカバーし,. るようになった.授業の課題はもちろんのこと,自. まったく手元を見ることができない状態でタイピン. 主的にアプリをダウンロードし,授業の復習をした. グできることが目標である.. り,サークル活動ではアプリを利用し譜面を作った. また,後期から始まる「情報処理演習Ⅱ」では,ま. り,ダンスの様子を撮影したりなど,幅広く活用し. ず Surface の初期化(工場出荷状態への強制リセッ. ている (図 -3) .. ト)から行った.貸与された日から行った設定を各 自で行うことにより,仕組みを理解しながら使うこ. ❏❏情報の科学的な理解のために. とができているかどうかを確認した.. 文部科学省の定める「情報教育」の目的は,①情報 活用の実践力 ②情報の科学的な理解 ③情報社会 1). ❏❏情報プレイスメントテストの結果. に参画する態度の 3 つであるが ,1 年生全員が必. 「情報プレイスメントテスト」とは,文部科学省と. 修科目である 「情報処理演習Ⅰ」においては,特に情. いくつかの大学や学会により開発されたテストであ. 報の科学的な理解の分野の内容を重視して行った.. り,大学入学時の「情報」に関する知識や理解度を測. 情報処理 Vol.57 No.5 May 2016. 479.
(3) 情報活用の実践力. 4 月実施. 7 月実施. 58.28%. 92.62%. 情報の科学的な理解. 44.64%. 93.71%. 情報社会に参画する態度. 50.66%. 93.63%. 表 -2 情報プレイスメントテストの結果. 定できる.たとえば, 「情報システム」についての「情 報化の進展により普及した情報システムの例として, 適切でないものはどれか?」という問いに対し,「① URL ② ETC ③ ATM ④ POS ⑤分からない」 という選択肢が出題される.2014 年 4 月実施時の この問題の正答率は 15.43% と全 40 問中一番低い 結果となった.しかし,前期終了後の同年 7 月に 実施したときは,同じ問題ではあるが軒並み正答率 が 90% を超え,半年で情報に関する知識・理解が 深まったと考えられる. 設問は高等学校「情報科」の学習指導要領に準拠し ている.先の示した文部科学省の定める「情報教育」 の目的により分類した結果,表 -2 のようにすべて の項目において正答率が大幅に上昇した.. 教育方法に踏み込んだ活用と今後の展開 について. 図 -4 (上)自作したフラッシュ型教材を利用した模擬授業 (下)ストアアプリを利用した模擬授業. ❏❏さまざまな教科での活用 Surface は,レポート作成やノートテイキングは. ❏❏教育専門科目「教育方法・技術論」にて. もちろんのこと,情報処理演習以外の教科でも活用. 2014 年度入学生は Surface 貸与 2 年目となり,. されている.たとえば,音楽科では鍵盤アプリを使. 教育学部では専門課程の授業「教育方法・技術論」で. いピアノ室に入れないときでも演奏の練習をしたり,. も活用している.たとえば,スライド資料作成ソフ. 体育科では各自の運動の様子を録画し相互評価を. トウェアを用い,フラッシュ型教材を制作したり,. 行ったりしている.また,図工科では教科書会社と. ストアよりダウンロードした教育用アプリを用いた. 契約し,教科書準拠のデジタル教材を利用した指導. 模擬授業を行ったりなどである(図 -4).フラッシュ. 案の作成も行っている.. 型教材とは,従来,九九や地図記号,漢字の読みな. 今後,各教科での教具としての活用実践例を蓄積. ど基礎基本の徹底を図るため,紙のカードを素早く. するとともに,特別支援教育の分野においても,子. めくりながら提示するカード教材があったが,これ. どもの障がいや特性に合わせた活用方法を検討およ. をデジタル化したもののことをいう.デジタル化す. び開発する予定である.. ることにより,タブレット端末などでも利用でき, 教材の内容を児童の実態に合わせカスタマイズしや すくなる,また教材の共有も可能になるなどのメ リットがある.. 学生の声と今後の展開 2015 年 7 月に学生 5 名(教育学部 1 年生 2 名,同学. -【解説】教員養成系大学における1人1台の PC 貸与実践 -. 480. 情報処理 Vol.57 No.5 May 2016.
(4) 部 2 年生1名,健康科学部 1 年生 1 名,同学部 2 年生. レット端末がすでに導入されている学校も少なくない.. 1 名)を対象に行ったグループインタビューでは,以下. Surface を携え,デジタルネイティブと呼ばれる子ど. 2). の発言が見られた .. もたちと一緒に学び,現場の先生と現状についてじっ. 「Surface が思い通りに動かないときは難しいなと思. くり議論し,より実践的な知識を得ることを期待する.. います」 (教育学部1年生) , 「クラウドについて最初に. また,現在,大学に在籍している学生が教壇に立つこ. 教えていただけたらよかった」 (教育学部 1 年生)など,. ろには,タブレット端末を始め,情報環境は大きく変. 情報処理演習科目での大変さが浮き彫りになった.ま. 化していると想定される.その上でなお,教員養成系. た, 「授業で聞いたことはメモ機能を活用してファイ. 大学においては,将来の子どもたちに身に付けさせな. ルに書きこんでいます」 (教育学部 2 年生) 「 ,ダウンロー. ければならない能力を考え,従来の教育方法と融合さ. ドしたスケッチブックのアプリを使って絵を描いてい. せながら実践できる教員の養成を目指し, 「次の次の. ます」 (健康科学部 2 年生)など,2 年目になると自分. 世代の育成」 を考えなければならない.. 自身のツールとして活用している様子も聞くことがで きた.また, 「実際の建築現場では,現場監督が片手 にタブレットを持っているのを見たことがある」 (健 康科学部 2 年生) , 「小学校の先生になったら,児童に. 参考文献 1) 文部科学省「教育の情報化に関する手引き」,http://www.mext. go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1259413.htm(2016 年 3 月 10 日現在) 2) 冬 木 学 園「 カ ト レ ア 通 信 第 30 号 」 ,http://www.kio.ac.jp/ fuyuki/pdf/cattleya/cattleya_30.pdf(2016 年 3 月 10 日現在). 『PC って楽しい』って思ってもらえるような授業をし. (2016 年 2 月 1 日受付). たい」 (教育学部 1 年生)など将来像も見据えての発言 もうかがえた. さて,2016 年度は,Surface を最初に貸与した学年 が 3 年生となり,9 月には多くの学生が小学校に 1 カ 月の教育実習に行く予定である.その中には,タブ. 西端律子 [email protected] 大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了.博士(人間科学・ 大阪大学).大阪府立工業高等専門学校助手,専任講師,大阪大学人 間科学部助教を経て,畿央大学教育学部准教授,教授および教育学研 究科准教授.Microsoft MVP for Surface.. 情報処理 Vol.57 No.5 May 2016. 481.
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