〈判例研 究 〉
障 害 者 自立 支援 法 に基 づ く
介 護 給付 費 支 給 決 定 が
裁 量 権 を逸 脱 濫 用 した こ とに よる
違法 な処 分 で あ る と して
義 務 付 け判 決 が な され た事 例
天
本
哲
史
【事案 の概 要】 【判 旨】 【評釈 】判 決賛 成 目 次 キ ー ワ ー ド 義 務付 け訴訟,申 請満足 型 義務付 け訴 訟, 抽 象 的義 務付 け判 決
大 阪 高 裁 平 成23年12月14日 判 決 行 政 処 分 義 務 付 等 請 求控 訴 事 件 平 成23年(行 コ)第24号 原 判 決 変 更 原 審 ・和 歌 山 地 判 平 成22年12月17日 出 典 ・判 例 地 方 自 治366号31頁 賃 金 と 社 会 保 障1559号21頁 D1-Law28180807 裁 判 所 ウ ェ ブ サ イ ト 【事 案 の 概 要 】 本 件 は,和 歌 山市(以 下 「一 審 被 告 」 と い う。)よ り権 限 を委 任 され た くの 和 歌 山 市 福 祉 事 務 所 長(以 下 「処 分 行 政 庁 」 とい う。)か ら,障 害 者 自立 支 援 法(以 下 「自 立 支 援 法 」 とい う。)19条1項,22条1項,4項 に 基 づ き,4回 に わ た り,重 度 訪 問介 護 の1か 月 当 た りの支 給 量 を平 成 一 九 年 度 決 定 と して支 給 量 を1か 月377時 間,平 成 二 〇 年 度 決 定 と して 支 給 量 を1 か 月396時 間,平 成 ニ ー 年 度 決 定 と して 支 給 量 を1か 月407.5時 間,平 成 二 三 年 度 決 定 と して 支 給 量 を408時 間 とす る介 護 給 付 費 支 給 決 定(以 下 「本 件 各 決 定 」 とい う 。)を 受 け た 一 審 原 告 が,本 件 各 決 定 に お い て 定 め ら れ た 上 記 支 給 量 を不 服 と し て,一 審 被 告 に対 し,本 件 各 決 定 の 取 消 し を求 め る と と もに,重 度 訪 問 介 護 の支 給 量 を744時 間(う ち移 動 介 護124時 間)と す る介 護 給 付 費 支 給 決 定 をす る こ との 義 務 付 け を求 め る 事 案 で あ る 。 一 審 原 告 は ,脳 性 麻 痺 に よ る体 幹 機 能 障 害 及 び 四肢 の 著 しい機 能 障 害 等 の 障 害 を有 して お り,身 体 障 害 者 等 級 一 級 の 認 定 を受 け て い る 。 首 か ら下 の 部 分 を 自分 の 意 思 で動 か す こ とが 難 し く,足 を ほ とん ど動 かせ な く,ま た,脳 性 麻 痺 に よ る神 経 因性 膀 胱 の た め過 活 動 膀 胱(尿 意 切 迫 感,頻 尿, 切 迫 性 尿 失 禁)の 症 状 が あ る 。
原 審 で あ る和 歌 山 地 裁 の 判 決 は,平 成 一 九 年 度 決 定 ∼ 平 成 ニ ー 年 度 決 定 を取 り消 し,処 分 行 政 庁 に対 し,平 成19年 度 の 申請 に対 して470時 間 以 上 478時 間 以 下 とす る 介 護 給 付 費 支 給 決 定 を,平 成20年 度 の 申 請 に対 して495 時 間以 上744時 間 以 下 とす る介 護 給 付 費 支 給 決 定 を,平 成21年 度 の 申 請 に 対 して500.5時 間以 上744時 間 以 下 とす る介 護 給 付 費 支 給 決 定 をす る よ う義 く 務 付 け る 限 度 にお い て,一 審 原 告 の 請 求 を認 容 した 。 一 審 原 告 及 び 一 審 被 告 は,こ れ を不 服 と して 控 訴 を提 起 した。 また,一 審 原 告 は,平 成 二 三 年 度 決 定 に 関 す る取 消 請 求 及 び義 務 付 け請 求 を控 訴 審 に お い て追 加 した 。 【判 旨 】 1.本 件 各 決 定 につ い て 裁 量 権 の 逸 脱 濫 用 が あ る か,義 務 付 け の 訴 えが 本 案 勝 訴 要件(行 政 事 件 訴 訟 法 三 七 条 の 三 第 五 項)を 具 備 す る か に つ い て (1)判 断 の枠 組 み 「自立 支援 法 ニ ー 条 一 項 は,市 町 村 は,支 給 申請 が あ っ た と きは,政 令 で 定 め る と こ ろ に よ り,市 町村 審査 会 が 行 う当 該 申請 にか か る 障 害 者 等 の 障 害 程 度 区 分 に 関す る 審 査 及 び 判 定 の 結 果 に基 づ き,障 害 程 度 区分 の 認 定 を行 う もの と し,自 立 支 援 法 二 二 条 一 項 は,市 町 村 は,支 給 申請 に係 る障 害 者 等 の 障 害 程 度 区分,当 該 障 害 者 等 の 介護 を行 う者 の 状 況,当 該 申請 に 係 る障 害 者 等 の 障 害 福 祉 サ ー ビス の 利 用 に 関 す る意 向 そ の 他 厚 生 労働 省 令 で 定 め る事 項 を勘 案 して 介 護 給 付 費 等 の支 給 要 否 決 定 を行 う もの とす る 旨 規 定 し,同 条 四 項 は,市 町 村 は,支 給 決 定 を行 う場 合 に は,障 害 福 祉 サ ー ビス の種 類 ご と に 月 を単 位 と して厚 生 労 働 省 令 で 定 め る 期 間 に お い て 介 護 給 付 費 等 を支 給 す る 障 害福 祉 サ ー ビス の量 を定 め な け れ ば な らな い 旨規 定 し,本 件 規 則 一 二 条 は,当 該 申 請 に係 る 障 害 者 等 に 関 す る介 護 給 付 費 等 の 受 給 の状 況 や 当 該 申 請 に係 る 障 害 者 の 置 か れ て い る環 境 そ の 他 の勘 案 事 項 を掲 げ て い る。 以 上 の とお り,自 立 支 援 法 及 び本 件 規 則 は,市 町村 が 支 給 要 否 決 定 及 び 障 害 福 祉 サ ー ビ ス の 種 類 とそ の 支 給 量 の 決 定 をす る に つ い て, 勘 案 事 項 を勘 案 す べ き こ と を規 定 す る ほ か何 ら具 体 的 な 基 準 を お い て い な
い 上,こ れ らの 勘 案 事 項 に は,抽 象 的 ・概 括 的 な事 項 も含 ま れ て い る。 ま た,指 定 障 害福 祉 サ ー ビス 等 は,都 道 府 県 知 事 が 指 定 す る障 害 福 祉 サ ー ビ ス 事 業 を行 う者 等 … が 行 う も の で あ る が(自 立 支 援 法 二 九 条 一 項),指 定 障 害 福 祉 サ ー ビス 事 業 者 等 の指 定 は,障 害 福 祉 サ ー ビス 事 業 を行 う者 の 申 請 に よ り事 業 所 ご と に行 わ れ る もの で あ るか ら(自 立 支 援 法 三 六 条 一 項), 指 定 障 害 福 祉 サ ー ビス事 業 者 の 数,規 模,分 布 等 の 障 害福 祉 サ ー ビス の 提 供 に係 る 人 的,物 的諸 条 件 は,全 国 一 律 で は な く,人 口,年 齢 構戒,地 勢 及 び経 済 状 況 そ の他 の 地 域 の具 体 的 状 況 に応 じて市 町村 ご と に 当然 に異 な る も の で あ り,本 件 規 則 一 二 条 九 号 も,勘 案 事 項 の 一 つ と して,当 該 申請 に係 る 障 害福 祉 サ ー ビス の 提 供 体 制 の 整 備 の状 況 を掲 げ て い る 。」 「以 上 の よ う な 障 害福 祉 サ ー ビス の 支 給 に係 る 自立 支援 法 及 び 本 件 規 則 の規 定 並 び にそ の提 供 の 在 り方 等 か らす る と,自 立 支 援 法 は,障 害 者 につ い て 障 害 福 祉 サ ー ビス を支 給 す る か ど う か,支 給 す る場 合 に は,ど の よ う な種 類 の 障 害福 祉 サ ー ビス につ い て ど れ ほ どの 支 給 量 を も っ て支 給 す る か とい う判 断 につ い て は,勘 案 事 項 に係 る調 査 結 果 を踏 ま え た市 町村 の 合 理 的 な 裁 量 に 委 ね て い る もの と解 す るの が 相 当 で あ り,市 町 村 が 行 う支 給 要 否 決 定 並 び に支 給 決 定 を行 う場 合 にお け る 障 害福 祉 サ ー ビス の種 類 及 び支 給 量 の 決 定 は,そ の判 断 の 基 礎 と な る事 実 に 看 過 し難 い 誤 りが あ り,あ る い は そ の 判 断 内 容 が社 会 通 念 に照 ら して 明 らか に合 理 性 を欠 く こ と等 に よ り,そ の 裁 量権 の範 囲 を逸 脱 し,又 は濫 用 にわ た る もの と認 め られ る よ うな場 合 に 限 っ て 違 法 に な る もの とい うべ きで あ る。」 「自立 支援 法 は,勘 案 事 項 の 一 つ で あ る 障 害 程 度 区 分 の 認 定 及 び 支 給 要 否 決 定 を す る に 当 た っ て 考 慮 すべ き事 項 を規 定 す る に と ど ま らず,こ れ ら の 判 断 に 際 して とるべ き手 続 に つ い て 詳 細 に規 定 し,こ の 手 続 の 過 程 にお い て,当 該 申請 に係 る 障 害 者 等 の ほ か 医 師 そ の 他 の専 門 家 を 関与 させ る こ と に よ り,支 給 要 否 決 定 並 び に 支 給 決 定 をす る際 の 障 害福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び支 給 量 の 決 定 を,当 該 障 害 者 等 の個 別 具 体 的 な事 情 に即 応 す る よ う, そ の 判 断 の 過 程 を通 じて 合 理 性 の 確 保 を 図 って い る もの とい う こ とが で き る。 さ らに,自 立 支 援 法 にお け る 障 害 者 に は 多 様 な もの が 含 ま れ(自 立 支
援 法 四 条 一 項 参 照),そ の 障 害 の 種 類,内 容,程 度 は そ れ ぞ れ 異 な る か ら, 障 害 者 等 一 人 一 人 の個 別 具 体 的 な 障 害 の種 類,内 容,程 度 を考 慮 し な け れ ば,障 害 者 等 が そ の有 す る能 力 及 び 適 性 に応 じて 自立 した 日常 生 活 又 は社 会 生 活 を営 む こ とが で き る よ う必 要 な障 害 福 祉 サ ー ビス に係 る給 付 そ の 他 の 支 援 を行 う こ と(自 立 支 援 法 一 条 参 照)は 困 難 で あ る 。」 「こ の よ う な支 給 決 定 の手 続 に係 る 自立 支 援 法 の 規 定 ぶ りや 自立 支 援 法 の 趣 旨 目的,障 害 福 祉 サ ー ビス の 性 質 か らす る と,市 町 村 が行 う支 給 要 否 決 定 並 び に 支 給 決 定 を行 う場 合 にお け る 障 害 福 祉 サ ー ビス の種 類 及 び支 給 量 の 決 定 が 裁 量 権 の 範 囲 を逸 脱 し又 は濫 用 した もの と して違 法 と な る か ど うか は,当 該 決 定 に至 る判 断 の 過 程 に お い て,勘 案 事 項 を適 切 に調 査 せ ず,又 は こ れ を適 切 に考 慮 しな い こ とに よ り,上 記 の 各 決 定 内容 が,当 該 申 請 に係 る 障 害 者 等 の 個 別 具 体 的 な障 害 の種 類,内 容,程 度 そ の 他 の 具 体 的 な事 情 に 照 ら して, 社 会 通 念 上 当 該 障 害 者 等 にお い て 自立 した 日常 生 活 又 は 社 会 生 活 を営 む こ と を 困難 とす る もの で あ っ て,自 立 支 援 法 の 趣 旨 目 的(自 立 支 援 法 一 条) に反 しな い か ど うか とい う観 点 か ら検 討 す べ きで あ る 。」 (2)二 四 時 間 介 護 に つ い て 「一 審 原 告 は,脳 性 麻 痺 に よる 体 幹 機 能 障 害 及 び 四肢 の 著 しい機 能 障 害 が あ る等 …,一 審 原 告 の 事 情 を 踏 ま え る と,一 審 原 告 が 地 域 で 自立 した 日 常 生 活 を 送 るた め に は,二 四 時 間 介 護 が 必 要 で あ り,こ れ に満 た な い 支 給 量 の 決 定 は 許 さ れ な い と主 張 す る 。」 「一 審 原 告 に は,上 記 の 障 害 が あ る こ とか らす る と,二 四 時 間 介 護 が で きれ ば,望 ま しい こ と はい う ま で も な い。 しか し,二 四 時 間介 護 が な い と きで あ っ て も,一 審 原 告 が 自立 した 日常 生 活 を送 る に つ き,健 康 の 維 持 等 も含 め て支 障 が 生 じな い の で あ れ ば,二 四 時 間介 護 を必 要 不 可 欠 な も の と して,こ れ に満 た な い場 合 に は処 分 行 政 庁 の 裁 量 権 の 濫 用 とな り,直 ち に 違 法 に 当 た る と ま で い え ない 。」 「日中 一 時 間 半 の介 護 を受 け な い 時 間 が 生 じるが,こ れ に よ っ て 過 活 動 膀 胱 の症 状 や 日 中車 椅 子 で 過 ご す こ との点 で,一 審 原 告 が 自立 した 生 活 を 送 り,健 康 を維 持 す る等 につ い て 支 障 が 生 じ る と は認 め 難 い 。 次 に,夜 間
の 介 護 に つ い て は,過 活 動 膀 胱 の 症 状 及 び体 位 変 換 の必 要 性 を考 慮 す る と, 一 審 原 告 の 睡 眠 時 間 を確 保 す る と と もに健 康 を維 持 す る 等 の た め に 夜 間 を 通 して の見 守 り介 護 が必 要 で あ り,こ れ を欠 くと一 審 原 告 の 健 康 を維 持 す る等 に支 障 が 生 じる もの と認 め られ る。」 「一 審 被 告 が考 慮 す べ き勘 案 事 項 と して は,「 障 害 者 等 … の 心 身 の 状 況 」 に 該 当 し,こ れ を適 切 に考 慮 しな け れ ば,一 審 原 告 に お い て 自立 した 日常 生 活 を営 む こ と を困 難 とす る もの で あ っ て,自 立 支 援 法 の 趣 旨 目的(自 立 支 援 法 一 条)に 反 す る の に,一 審 被 告 は こ れ を適 切 に考 慮 して い な い もの と認 め ら れ る 。」 (3)日 常 生 活 の 支 援 に要 す る 時 間 「朝 食,昼 食,夕 食 の 各 食 事 の 摂 取 の介 助 自体 に 一 時 間 程 度 を 要 す る… 。 こ の こ とか らす る と,準 備 と片 付 け を含 め る と,一 時 間 半 ∼ 二 時 間程 度 (朝 ・昼 食),三 時 間程 度(夕 食)が 必 要 で あ る と認 め ら れ る 。」 「入 浴 に は,一 時 間 を要 し,入 浴 前 の排 便 に要 す る 時 間 も含 め る と二 時 間程 度 を要 す る… 。」 (4)想 定 可 能 な介 護 計 画 に基 づ く必 要 な基 本 時 間 「上 記(2),(3)か らす る と,一 審 原 告 に必 要 な基 本 時 間 を確 保 した 介 護 計 画 を策 定 す る と,一 審 原 告 の 睡 眠 時 間 を六 時 間 と して,そ の 間 は 見 守 り 介 護 を行 い,こ の後,起 床 に伴 う作 業,朝 食 ・昼 食 ・夕 食 の 準 備 ・摂 取 介 助 ・片 付 け の 時 間 を確 保 す る必 要 が あ る こ と に な る 。 具 体 的 に は平 成 一 九 年 一 〇 月 以 前 に一 審 原 告 が 受 け て い た介 護 の ス ケ ジ ュ ー ル … を基 に す る と, これ に午 後 二 時 三 〇分 か ら の介 護 を午 後 三 時 三 〇 分 ま で と し,午 後 五 時 半 か ら の 開 始 を午 後 五 時 か ら と し,午 後 九 時 か らの 開始 を午 後 一 〇 時 か ら と す る修 正 を加 え る と,そ の 間 に 介 護 が 行 わ れ ない 一 時 間 半 を 四 回含 む ス ケ ジ ュ ー ル とな る。 具 体 的 な時 間 を見 る と,○:○ ○ ∼ 〇 九:○ ○ 睡 眠,起 床 準 備,朝 食 等,一 〇:三 〇 ∼ 一 三:○ ○昼 食 等,一 四:三 〇 ∼ 一 五:三 〇 日常 の諸 活 動,一 七:○ ○ ∼ 二 〇:三 〇 夕 食 等,二 二:○ ○ ∼ 二 四:○ ○ 排 便,入 浴 等 とな る 。 こ れ に よれ ば,一 審 原 告 の介 護 時 間 は,一 日当 た
り一 八 時 間,一 か 月 で は五 五 八 時 間(一 八 時 間 ×三 一 日=五 五 八 時 間)を 少 な く と も必 要 で あ る と認 め られ る。 そ して,こ れ に 満 た な い 時 間 数 で は, 上 記 に説 示 した 介 護 の 時 間数 の うち,い ず れ か が 欠 け る こ と に な り,そ の 結 果 必 要 な 介 護 が 行 わ れ ず,一 審 原 告 が 自立 した生 活 を送 り,健 康 を維 持 す る等 に 困 難 を来 た し これ を損 な う具 体 的 か つ 明 らか な お そ れ が 生 じる も の と認 め られ る。」 「本 件 各 決 定 は,い ず れ も基 本 時 間 を一 か 月 五 五 八 時 間 を下 回 る 時 間数 と して い る か ら,そ の 限 度 に お い て,一 審 被 告 が 考 慮 す べ き,自 立 支 援 法 二 二 条 一 項 所 定 の勘 案 事 項 で あ る 「障 害 者 等 … の 心 身 の 状 況 」(本 件 規 則 一 二 条 一 号)を 適 切 に考 慮 せ ず,そ の 結 果,裁 量 権 の 範 囲 を逸 脱 濫 用 した もの と認 め られ る。」 (5)移 動 介 護 の た め の 加 算 時 間 「日常 生 活 の 必 要 を まか な っ た 上 で の加 算 分 と して,一 か 月二 〇 時 間 の 支 給 量 を算 定 した こ と に判 断 の基 礎 とな る事 実 に看 過 し難 い 誤 りが あ る な ど と い う点 は 認 め られ ない 。」 (6)小 括 「以 上 か らす る と,本 件 各 決 定 の う ち,平 成 一 九 年 度 決 定 は一 審 原 告 の 申請 した 四 七 八 時 間 を下 回 る 限 度 にお い て,平 成 二 〇,ニ ー,二 三 年 度 決 定 は一 か 月 当 た り五 七 八 時 間(う ち 移 動 介 護 二 〇 時 間)を 下 回 る 限 度 にお い て,処 分 行 政 庁 が 裁 量 権 の範 囲 を逸 脱 濫 用 した と認 め られ る 。」 2.結 論 (1)平成 一 九 年 度 決 定 に係 る取 消 し及 び義 務 付 け の請 求 につ い て は 「重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 三 七 七 時 間 を超 え る部 分 につ き支 給 量 と して算 定 しな い もの と した 部 分 の取 消 し及 び重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 を 四 七 八 時 間 とす る支 給 決 定 の 義 務 付 け」,(2)平 成 二 〇 年 度 決 定 に係 る 取 消 し及 び義 務 付 け の 請 求 につ い て は 「重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 四 〇 二 時 間 を超 え る部 分 に つ き支 給
量 と して算 定 しな い もの と した部 分 の 取 消 し及 び重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 五 七 八 時 間 を下 回 らな い 支 給 決 定 の 義 務 付 け」,(3)平 成 ニ ー 年 度 決 定 に 係 る 取 消 し及 び 義 務 付 け の 請 求 に つ い て は 「重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 四 〇 七 ・五 時 間 を超 え る部 分 に つ き支 給 量 と して 算 定 し ない もの と した部 分 の 取 消 し 及 び重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 五 七 八 時 間 を下 回 ら な い 支 給 決 定 の 義 務 付 け」, (4)平成 二 三 年 度 決 定 に係 る取 消 し及 び義 務 付 けの 請 求 につ い て は 「重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 四 〇八 時 間 を超 え る部 分 に つ き支 給 量 と して算 定 し ない も の と した部 分 の 取 消 し及 び重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 五 七 八 時 間 を下 回 ら な い 支 給 決 定 の 義 務 付 け」 る こ と と し,こ れ ら と異 な る原 判 決 を変 更 し,一 審 原 告 の 平 成 二 三 年 度 決 定 に係 る 当 審 請 求 を上 記(4)の 限 度 で認 容 す る こ と とす る。
【
評釈】判決賛成
は じめ に 本 件 は,処 分 行 政 庁 の した 自立 支 援 法 に基 づ く介 護 給 付 費 支 給 決 定 が, い ず れ も一 審 原 告 の 申請 した重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 に 満 た な い もの で あ り, 処 分 行 政 庁 に与 え られ た 裁 量 権 を逸 脱 濫 用 した こ と等 に よ る違 法 な 処 分 で あ る と主 張 し,本 件 各 決 定 の取 消 しを求 め る と と もに,処 分 行 政 庁 に対 し, 重 度 訪 問介 護 の 支 給 量 を1か 月744時 間(う ち移 動 介 護124時 間)と す る介 の 護 給 付 費 支 給 決 定 を義 務 付 け る こ と を求 め た 事 案 で あ る 。 なお,一 審 原 告 く ラ 及 び一 審 被 告 の 双 方 が 上 告 を 断念 して お り,本 件 は確 定 し て い る 。 自立 支 援 法 に基 づ く障 害 福 祉 サ ー ビス の種 類 及 び支 給 量 の 決 定 に つ い て, 近 年 に お い て は取 消 訴 訟 な い し義 務 付 け訴 訟 の 抗 告 訴 訟 が 幾 つ か提 起 さ れ くら て い る が,本 件 もそ の 一 つ で あ る 。 本 評 釈 は,本 判 決 にお け る義 務 付 け の訴 え に係 る部 分 につ き,そ の 点 を 中 心 に検 討 す る もの で あ る。1.判 断枠 組 み につ い て 本 判 決 に お け る司 法 審 査 の枠 組 み は,自 立 支 援 法 等 の 解 釈 に よ り,処 分 行 政 庁 に 障 害福 祉 サ ー ビス の種 類 及 び支 給 量 の 決 定 に つ い て の裁 量 権 が あ る こ とを前 提 に,当 該 決 定 に 関 わ る裁 量 権 の 行 使 が 逸 脱 濫 用 に 当 た る場 合 に,当 該 決 定 が 違 法 に な る とい う もの で あ る 。 そ して,そ の よ うな 処 分 行 政 庁 の 裁 量 権 の 逸 脱 濫 用 に当 た る か 否 か の 判 断 に つ い て は,「 そ の判 断 の 基 礎 とな る 事 実 に看 過 し難 い誤 りが あ り,あ るい は そ の 判 断 内容 が 社 会 通 念 に照 ら して 明 らか に合 理 性 を 欠 く」 場 合 に裁 量 権 の 逸 脱 濫 用 に 当 た る と しつ つ,自 立 支 援 法 は勘 案 事 項 を規 定 す る に と ど ま らず,こ れ らの 判 断 に 際 して とる べ き手 続 につ い て詳 細 に規 定 し,処 分 手 続 に専 門家 が参 加 す る こ と に よっ て 判 断 過 程 を通 じて合 理 性 の確 保 を図 っ て い る こ とや,一 人 一 人 の 個 別 具 体 的 な 障害 の 種 類,内 容,程 度 を考 慮 しな け れ ば な らな い こ と か ら,「 当 該 決 定 に至 る 判 断 の 過 程 にお い て,勘 案 事 項 を適 切 に調 査 せ ず, 又 は こ れ を適 切 に考 慮 しな い」 か 否 か を吟 味 す る こ と に よ っ て為 す と した。 す な わ ち,本 判 決 は,事 実 誤 認 や 社 会 通 念 に反 す る か 否 か を判 断 過 程 の 中 で 事 実 の調 査 と考 慮 事 項 を適 切 に 考 慮 した か 否 か に よ って 審 査 し よ う と し た も の で あ る。 こ の よ う に,本 判 決 で は,処 分 行 政 庁 の 自立 支 援 法 に基 づ く障 害 福 祉 サ ー ビ ス の種 類 及 び 支 給 量 の決 定 の 裁 量 権 の 行 使 が 逸 脱 濫 用 に 当 た る か 否 か の 判 断 につ き,行 政 処 分 に至 る まで の 問 に行 政 庁 の判 断 した くの 材 料 お よび そ の 判 断 の仕 方 を 問題 に した判 断 過 程 の審 査 が 用 い られ た 。 こ の よ う な本 判 決 の審 査 方 法 は,処 分 行 政 庁 の 判 断 過 程 の 当 否 を 中心 に審 査 す る障 害 福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び 支 給 量 の 決 定 に 関 わ る これ ま で の 過 去 の くの 判 決 の審 査 方 法 を踏 襲 す る もの で あ る。 障 害福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び 支 給 量 の 決 定 の 裁 量 行 為 の 司 法 審 査 に つ い て は,本 判 決 に 「社 会 通 念 に 照 ら し て 明 らか に 」 とい う文 言 が あ る よ う に,い わ ゆ る社 会 通 念 審 査 の 要 素 が 含 まれ る と思 わ れ るが,そ れ だ け で は な く判 断 過 程 の 中 で 処 分 す る に 際 して の 考 慮 事 項 を審 査 す る こ と に よっ て,裁 量 行 為 に対 す る 審 査 密 度 を高 め た く と評 価 で き る。 身 体 等 の 障 害 の有 無 とい っ た よ う に行 政 庁 が 客 観 的事 実 を確 認 す る よ う
な行 為 は,行 政 庁 以 外 の 者 の経 験 則 等 に よ って 判 断 で き る こ とか ら,処 分 行 政庁 の裁 量 余 地 は ない もの と見 倣 し裁 判 所 は い わ ゆ る判 断代 置 審 査 に よっ ゆ て 裁 量 権 の行 使 の適 否 を判 断 す る こ とが 可 能 で あ る 。 しか しな が ら,身 体 等 に障 害 が あ る と認 め られ た と して も,支 給 され る介 護 給 付 は鵜 束 的 に決 定 さ れ る もの で は な く,自 立 支 援 法 所 定 の 障 害福 祉 サ ー ビス の種 類 及 び支 給 量 の決 定 の 司 法 審 査 と して は,行 政 判 断 に際 して の 処 分 行 政 庁 が 考 慮 す べ き勘 案 事 項 が 列 記 され る と と も にそ れ ら を考 慮 す る た め の 詳 細 な 手 続 が 規 定 さ れ て い る複 雑 な 過 程 を経 て 行 政 判 断 が 形 成 さ れ る こ とが 予 定 され て い るか ら,裁 量 権 行 使 の 判 断 を 司 法 審 査 す る 方 法 と して は,行 政 判 断 の 内 容 的 な 当否 よ り も,そ れ ら を手 掛 か りに しな が ら処 分 行 政 庁 が 判 断 過 程 の 中 で 適 切 に そ れ らを考 慮 して い る か を検 討 す る審 査 が 合 理 的 な 司 法 審 査 と くゆ な る よ う に 思 わ れ る 。 2.義 務 付 け の 訴 え が本 案 勝 訴 要 件(行 政 事 件 訴 訟 法37条 の3第5項)を 具 備 す る か (1)平 成 一 九 年 度 決 定 につ い て 行 政 事 件 訴 訟 法36条 の3第5項 は 「義 務 付 けの 訴 え が … 行 政 庁 が そ の 処 分 若 し くは 裁 決 を しな い こ とが そ の 裁 量 権 の 範 囲 を超 え 若 し くは そ の 濫 用 と な る と認 め ら れ る と き は,裁 判 所 は,そ の 義 務 付 け の 訴 え に係 る 処 分 又 は 裁 決 を す べ き旨 を命 ず る判 決 をす る。」 と規 定 され て い る か ら,下 記(2) の よ うな 「申 請 満 足 型 義 務 付 け訴 訟 」(行 政 事 件 訴 訟 法3条6項1号)に お い て は,本 案 勝 訴 要件 と して の 処 分 行 政 庁 の 裁 量 権 行 使 の 逸 脱 濫 用 に 当 く た るか 否 か を検 討 す る必 要 が あ る 。 と こ ろ で,申 請 とは 「法 令 に基 づ き,行 政 庁 の 許 可,認 可,免 許 そ の 他 の 自 己 に対 し何 らか の利 益 を付 与 す る処 分 … を求 め る行 為 で あ っ て,当 該 行 為 に対 して行 政 庁 が 諾 否 の応 答 をす べ き こ と とさ れ て い る もの をい う。」 (行 政 手 続 法2条3号)と 定 義 さ れ る と こ ろ,「 行 政 庁 に対 し一 定 の 処 分 … を求 め る 旨 の 法 令 に基 づ く申請 … が さ れ た場 合 に お い て,当 該 行 政 庁 が そ の 処 分 … をす べ きで あ る に か か わ らず こ れ が され な い と き。」(行 政 事 件 訴
訟 法3条6項2号)に そ の 義 務 付 け の 訴 え に係 る 処 分 をす べ き 旨 を命 ず る 「申請 満 足 型 義 務 付 け訴 訟 」 は,「 当 該 法 令 に基 づ く申 請 … を却 下 … す る 旨 の処 分 … が さ れ た 場 合 」(行 政 事 件 訴 訟 法37条 の3第1項2号)に 該 当 す る こ とが 訴 訟 要 件 と な っ て い る か ら,義 務 付 け の訴 え が 適 法 とな る に は そ れ に 関 わ る 申請 が な され て い る 必 要 が あ る 。 こ の点 につ い て は,申 請 を し た と認 め られ な い場 合 に は訴 え を却 下 す る べ き と解 す る こ とは 可 能 で あ く ラ る と思 わ れ るが,訴 え に係 る金 額 や 支 給 量 等 に満 た な い と は い え ど も一 応 申請 が な され て い る よ う な場 合 に お い て は,申 請 者 の 実 効 的 な権 利 救 済 を 実 現 す る観 点 か らは,訴 え を却 下 す る の で は な く申請 に係 る処 分 の 内 容 を 超 え る部 分 とそ れ に収 ま る部 分 を分 離 し,後 者 を 限界 に し なが ら訴 えの 提 起 を認 め る べ き と思 わ れ る。 ま た,下 記(2)の よ う に 「一 定 の 処 分 」(行 政 事 件 訴 訟 法3条6項1号,同2号 等)と い う語 が用 い られ て い る こ とか ら, 裁 判 所 の判 断 が 可 能 な程 度 に特 定 で きる必 要 は あ る が,義 務 付 け を求 め る くユの 処 分 内容 の 特 定 性 に 幅 が 認 め られ る と解 され るか ら,申 請 で 求 め た 処 分 の 内 容 が 義 務 付 け の訴 え に係 る処 分 の 内 容 に満 た な い よ う な場 合 で あ って も, 義 務 付 け の 訴 えが 認 め られ 得 る と思 わ れ る 。 したが っ て,本 判 決 に お い て, 裁 判 所 が処 分 行 政 庁 に義 務 付 け る こ とが で き る金 額 や 支 給 量 等 の な ん らか の 利 益 の上 限 と して も,申 請 で 求 め た処 分 の 内 容 に極 限 され る こ と に な る と思 わ れ る 。 そ して,本 件 で は,平 成19年 度 の 介 護 給 付 費 支 給 決 定 につ い て は,1か 月478時 間 とす る 申請 が な され て い た こ とか ら,1か 月744時 間(う ち 移 動 介 護124時 間)と す る平 成19年 度 の 介 護 給 付 費 支 給 決 定 を求 め る部 分 につ い て は,そ の よ う な 申請 そ の もの が さ れ て い ない こ とや,下 記(2)の よ う に1か 月 当 た りの 支 給 量578時 間 を 下 回 らな い 介 護 給 付 費 支 給 決 定 が 必 要 で あ る こ と を前 提 に,本 判 決 で は1か 月478時 間 を下 回 る 限度 にお い て 処 分 行 政 庁 が 裁 量 権 の 範 囲 を逸 脱 濫 用 した と認 め ら れ る と し,1か 月478時 間 とす る介 護 給 付 費 支 給 決 定 を 義 務 付 け た 。 上 記 の よ う に,裁 判 所 が 処 分 行 政 庁 に義 務 付 け る こ とが で きる 金 額 や 支 給 量 等 の な ん らか の利 益 の 上 限 と して も,申 請 で 求 め た 処 分 の 内容 に極 限
され る こ と に な る と思 わ れ る こ とか ら,平 成19年 度 の 介 護 給 付 費 支 給 決 定 につ き,1か 月478時 間 を下 回 る 限度 に お い て処 分 行 政 庁 が 裁 量 権 の 範 囲 を逸 脱 濫 用 した と認 め られ る と した 本 判 決 に賛 成 で きる 。 (2)平 成 二 〇,ニ ー,二 三 年 度 決 定 につ い て 一 審 原 告 は ,重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 を744時 間(う ち移 動 介 護124時 間) とす る 介護 給 付 費 支 給 決 定 を す る こ との義 務 付 け を 求 め た が,平 成 二 〇, ニ ー,二 三 年 度 決 定 に関 わ る介 護 給 付 費 支 給 申請 に か か わ り,ど の よ う な 処 分 をす る の か とい う内 容 部 分 に 幅 を持 たせ て 一 定 の 処 分 をす る こ と を行 政 庁 に命 じ る 「抽 象 的 義 務 付 け 判 決 」 と して,重 度 訪 問 介 護 の1か 月 当 た りの支 給 量578時 間 を 下 回 らな い 介 護 給 付 費 支 給 決 定 を す る よ う に命 じた。 この よ うな 「抽 象 的義 務 付 け判 決 」 の 可 否 につ い て は,本 判 決 理 由 の 中 に そ れ が で き る根 拠 に つ い て の言 及 は さ れ て い ない が,原 審 ・和 歌 山 地 裁 判 決 は 「行 政 事 件 訴 訟 法 三 七 条 の 三 第 五 項,三 条 六 項 二 号 が,処 分 行 政 庁 に お い て一 定 の 処 分 を し ない こ とが 裁 量 権 の逸 脱 濫 用 に な る と認 め られ る こ と を義 務 付 け の 訴 え の 本 案 勝 訴 要 件 と して い る こ とか らす れ ば,裁 量 権 の 逸 脱 濫 用 に な ら な い よ う な重 度 訪 問 介 護 の 支 給 量 を 一 義 的 に決 め る こ とが で き な い場 合 で あ っ て も,あ る程 度 幅 の あ る 支 給 量 の 介 護 給 付 費 支 給 決 定 を しな い こ とが 裁 量 権 の 逸 脱 濫 用 に な る と認 め ら れ る場 合 に は,裁 判 所 は, そ の 幅 の あ る一 定 の支 給 量 の介 護 給 付 費 支 給 決 定 を義 務 付 け る判 決 をす べ きで あ る と解 さ れ る」 と し,申 請 満 足 型 義 務 付 け訴 訟 にお い て抽 象 的 義 務 くゆ 付 け判 決 が 可 能 で あ る こ と を示 した 。 義 務 付 け の 訴 え は,一 義 的 な行 政 処 分 をす べ き とす る もの が 典 型 例 と認 く の 識 さ れ て い る と思 わ れ るが,行 政 事 件 訴 訟 法 上 「一 定 の 処 分 」 が され な い 場 合 に 義 務 付 け の訴 え は適 法 とな る と こ ろ(行 政 事 件 訴 訟 法3条6項1号, 同2号 等),こ の よ う に 「一 定 の 処 分 」 とい う語 が 用 い ら れ て い る こ とか ら,義 務 付 け を求 め る 処 分 内容 の 特 定 性 に 幅 が 認 め られ る と と もに,根 拠 法 令 の定 め る範 囲 内 にお け る一 定 の 幅 の あ る 処 分 の義 務 づ け を 求 め る 「抽 く の 象 的 義 務 付 け 判 決 」 が 可 能 と解 され て い る 。 義 務 付 け 訴 訟 は社 会保 障 給 付
く の 等 の 給 付 行 政 の 部 面 にお い て活 用 され る こ とが 期 待 され て い る が,本 判 決 の よ う な 「申請 満 足 型 義 務 付 け 訴 訟 」 に お け る抽 象 的 義 務 付 け判 決 は 金 額 や 時 間 の 数 量 等 を裁 判 所 が 一 義 的 に適 正 な もの を決 め る こ とが 困 難 で あ っ て も,な お 行 政 庁 へ の 義 務 付 け が 必 要 で あ る 場 合 に お い て,行 政 庁 の 効 果 裁 量 の余 地 を残 しつ つ も国 民 の 実 効 的 な権 利 救 済 の実 現 に期 待 で き る こ と く か ら,そ れ は 積 極 的 に活 用 さ れ る べ き と思 わ れ る。 ま た,行 政 庁 の 裁 量 権 の 行 使 が逸 脱 濫 用 に 当 た る か否 か の 判 断 に つ き,判 断 過 程 審 査 が用 い ら れ る よ う な場 合 にお い て は,申 請 か ら処 分 まで の 判 断過 程 にお い て行 政 庁 の 考 慮 が 適 切 で は な か った と い う こ とが 問 題 と な っ た の で あ る か ら,改 め て 行 政 庁 が適 切 な考 慮 をす れ ば裁 判 所 が 判 断代 置 的 に義 務 付 け し得 た 処 分 と は 異 な る 可 能 性 が あ り,ま た,そ うで あ る な ら ば行 政 庁 の 裁 量 判 断 の 余 地 を残 して本 来 専 門 的判 断 が 期 待 され て い る行 政 庁 に 内 容 選 択 を委 ね る方 が 決 定 内容 の 合 理 性 を よ り確 保 で き る可 能 性 が あ る か ら,判 断 過 程 審査 に よ る司 法 審 査 と抽 象 的義 務 付 け判 決 は 親 和 性 が 高 い よ う に思 わ れ る 。 こ れ ま で 裁 判 所 に よ っ て な され た 抽 象 的義 務 付 け判 決 を簡 単 に分 類 す る くユ な ら ば,① 上 限 な い し下 限 を示 して 判 断 余 地 を残 して 義 務 付 け る判 決 や, ② い くつ か の 選 択 肢 の 中 か らい ず れ か の選 択 を委 ね る 義 務 付 け判 決 に分 類 く す る こ とが で き る。 抽 象 的 義 務 付 け 判 決 の種 類 は,行 政 庁 が 行 為 をす るか し な い か 以外 の 効 果 裁 量 の 余 地 を如 何 に残 す か と い う こ と に合 わせ て 今 後 は 増 え る こ と に な る と思 わ れ る 。 そ して,本 判 決 は,上 記 の ① に分 類 す る こ とが で き る。 本 判 決 は,一 審 被 告 が 考 慮 すべ き勘 案 事 項 と して 「障 害 者 等 … の 心 身 の 状 況 」 を挙 げ,こ れ を適 切 に考 慮 しな け れ ば,一 審 原 告 にお い て 自立 した 日常 生 活 を営 む こ と を困 難 とす る もの で あ って,自 立 支 援 法 の趣 旨 目的 に 反 す る の に,一 審 被 告 は こ れ を適 切 に考 慮 して い な い もの と認 め られ る と し,本 件 各 決 定 は,い ず れ も基 本 時 間 を1か 月558時 間 を下 回 る時 間 数 と して い る か ら,そ の 限 度 にお い て,一 審 被 告 が 考 慮 すべ き勘 案 事 項 で あ る 「障 害 者 等 … の 心 身 の状 況 」 を適 切 に考 慮 せ ず,そ の 結 果,裁 量 権 の 範 囲 を逸 脱 濫 用 した もの と認 め られ る と した。 一 方 で,移 動 介 護 の加 算 時 間 に
つ い て は,1か 月20時 間 の 支 給 量 を算 定 した こ と に 「判 断 の 基 礎 と な る事 実 に看 過 し難 い 誤 りが あ る な ど とい う点 は認 め ら れ な い 。」 と した 。 そ し て,平 成 二 〇,ニ ー,二 三 年 度 決 定 は1か 月 当 た り578時 間(う ち移 動 介 護20時 間)を 下 回 る 限 度 にお い て,処 分 行 政 庁 が 裁 量 権 の 範 囲 を 逸 脱 濫 用 し た と認 め られ る と し,裁 判 所 は 支 給 量 を1か 月578時 間 を 下 回 らな い 介 護 給 付 費 支 給 決 定 を義 務 付 け た 。 上 記 の よ う に,本 判 決 は,裁 判 所 が 判 断過 程 審 査 を用 い て周 到 に 裁 量 権 行 使 の 当否 の 司 法 審 査 を した もの で あ り,一 審 原 告 が 求 め た24時 間 介 護 を 義 務 付 け る 内 容 の判 決 と は な らな か っ た が,結 論 と して 賛 成 で きる よ う に 思 わ れ る 。 本 判 決 の位 置 付 け 本 判 決 で は,処 分 行 政 庁 の 自立 支 援 法 に基 づ く障害 福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び支 給 量 の 決 定 の裁 量 権 の行 使 が 濫 用 逸 脱 に当 た る か 否 か の判 断 につ き, 行 政 庁 の判 断 した材 料 お よ び そ の 判 断 の仕 方 を問 題 に した 判 断 過 程 審 査 が 用 い られ た 事 例 で あ り,ま た,自 立 支 援 法 の 改 正 法 た る 「障 害 者 の 日常 生 活 及 び 社 会 生 活 を総 合 的 に支 援 す る た め の 法 律 」(平 成25年4月 施 行 ・改 く の 称 。 「障 害 者 総 合 支 援 法 」 と略 称 さ れ る 。)に 基 づ く障 害福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び支 給 量 の 決 定 の 当 否 を判 断 す る際 の先 例 の 一 つ と位 置 付 け る こ とが で き る。 ま た,本 判 決 は,「 申 請 満 足 型 義 務 付 け訴 訟 」 の 場 合 にお い て 「抽 象 的 義 務 付 け判 決 」 が 認 め られ る こ と を示 す 先 例 と な る もの で あ る 。 した が っ て,平 成16年 の 行 政 事 件 訴 訟 法 の 改 正 に よ って 導 入 され た 義 務 付 け 訴 訟 の 重 要 な先 例 と な る事 例 の 一 つ で あ る。 注 (1)和 歌 山 市 福 祉 事 務 所 長 に対 す る 事 務 委 任 規 則2条 参 照 。 (2)和 歌 山 地 判 平 成22年12月17日 賃 社1537号20頁 参 照 。 (3)本 判 決 に 対 す る先 行 研 究 と して は,青 木 志 帆 「判 批 」 賃 社1559号4頁 (2012)4頁,金 川 め ぐみ 「判 批 」 賃 社1559号(2012)11頁 の そ れ ぞ れ
を参 照 。 (4)読 売 新 聞2011年12月29日 大 阪 朝 刊26頁 参 照 。 (5)自 立 支 援 法 に 基 づ く障 害 福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び 支 給 量 の 決 定 に つ い て の 抗 告 訴 訟 と して は,大 阪 地 判 平 成22年4月23日 裁 判 所 ウ ェ ブ サ イ ト, 東 京 地 判 平 成22年7月28日 判 タ1356号98頁,本 判 決 の 原 審 で あ る 和 歌 山 地 判 平 成22年12月17日 ・前 掲 注(2),和 歌 山地 判 平 成24年4月25日 判 時 2171号28頁 な どが 存 在 す る 。 (6)山 村 恒 年 『行 政 過 程 と行 政 訴 訟 』(信 山 社,1995)51頁 は,こ の よ う な 審 査 方 式 を 「判 断 形 成 過 程 審 査 モ デ ル 」 と い う 。 (7)処 分 行 政 庁 の 判 断 過 程 の 当 否 を 中心 に 審 査 す る 障 害 福 祉 サ ー ビス の 種 類 及 び 支 給 量 の 決 定 に 関 わ る こ れ ま で の 過 去 の 判 決 と して は,前 掲 注 (5)で 挙 げ た各 裁 判 例 を参 照 。 ま た,障 害 者 自立 支 援 法 以 前 の 旧 身 体 障 害 者 福 祉 法 の 定 め る と こ ろ に よ る 居 宅 生 活 支 援 費 が 問 題 と な っ た 例 に つ き,東 京 地 判 平 成18年ll月29日 賃 社1439号55頁 も参 照 。 (8)行 政 庁 の 裁 量 権 の 行 使 の 司 法 審 査 に つ き,本 判 決 と 同 様 に 社 会 通 念 審 査 の 要 素 に よ る だ け で は な く処 分 す る に 際 して 適 切 に考 慮 した か 否 か を 審 査 す る こ と に よ っ て審 査 密 度 を 高 め た 司 法 審 査 が さ れ た 判 決 と して は, 国 家 賠 償 法 上 の 違 法 が 争 わ れ た 事 例 で あ る が,最 判 平 成18年2月7日 民 集60巻2号401頁 〔409頁〕 は,「 そ の 裁 量 権 の 行 使 が 逸 脱 濫 用 に 当 た る か 否 か の 司 法 審 査 に お い て は,そ の 判 断 が 裁 量 権 の 行 使 と して され た こ と を前 提 と した 上 で,そ の 判 断 要 素 の 選 択 や 判 断 過 程 に 合 理 性 を 欠 く と こ ろ が な い か を検 討 し,そ の 判 断 が,重 要 な事 実 の 基 礎 を 欠 くか,又 は 社 会 通 念 に 照 ら し著 し く妥 当 性 を 欠 く も の と認 め られ る 場 合 に 限 っ て, 裁 量 権 の 逸 脱 又 は濫 用 と して 違 法 と な る とす べ き もの と解 す る の が 相 当 で あ る 。」 とす る 。 な お,当 該 判 決 に つ い て は,土 田 伸 也 「学 校 施 設 使 用 許 可 と考 慮 事 項 の 審 査 」 宇 賀 克 也 ほ か 編 『行 政 判 例 百 選1』(有 斐 閣, 第6版,2012)156頁 以 下,南 博 方=高 橋 滋 編 著 『条 解 行 政 事 件 訴 訟 法 』 (弘文 堂,第3版 補 訂 版,2009)534∼535頁 の そ れ ぞ れ を参 照 。 (9)最 判 平 成25年4月16日 判 時2188号42頁 〔46頁〕 は,水 俣 病 罹 患 の 「認 定 自体 は,… … 客 観 的 事 象 と し て の 水 俣 病 の り患 の 有 無 と い う現 在 又 は 過 去 の 確 定 した 客 観 的 事 実 を 確 認 す る 行 為 で あ っ て,こ の 点 に 関 す る 処 分 行 政 庁 の 判 断 は そ の 裁 量 に 委 ね ら れ るべ き性 質 の も の で は な い と い う べ き で あ り,… … 処 分 行 政 庁 の 審 査 の 対 象 を殊 更 に 狭 義 に 限 定 して 解 す べ き もの と も い え な い 以 上,… … 処 分 行 政 庁 の 判 断 の 適 否 に 関 す る裁 判 所 の 審 理 及 び判 断 は,原 判 決 の い う よ う に,処 分 行 政 庁 の 判 断 の 基 準 と
され た 昭 和52年 判 断 条 件 に現 在 の 最 新 の 医 学 水 準 に 照 ら して 不 合 理 な 点 が あ る か 否 か,公 害 健 康 被 害 認 定 審 査 会 の 調 査 審 議 及 び 判 断 の 過 程 に 看 過 し難 い 過 誤,欠 落 が あ っ て こ れ に依 拠 し て され た 処 分 行 政 庁 の 判 断 に 不 合 理 な 点 が あ る か 否 か と い っ た 観 点 か ら行 わ れ る べ き も の で は な く, 裁 判 所 に お い て,経 験 則 に照 ら して 個 々 の 事 案 に お け る 諸 般 の 事 情 と関 係 証 拠 を総 合 的 に検 討 し,個 々 の 具 体 的 な 症 候 と原 因 物 質 との 間 の 個 別 的 な 因 果 関 係 の 有 無 等 を審 理 の 対 象 と し て,申 請 者 に つ き水 俣 病 の り患 の 有 無 を個 別 具 体 的 に 判 断 す べ き も の と解 す る の が 相 当 で あ る 。」 とす る 。 また,最 判 平 成25年4月16日 判 時2188号35頁 も同 旨 で あ る。 (10)原 田 尚彦 『行 政 法 要 論 』(学 陽 書 房,全 訂 第7版 補 訂2版,2012)154 頁 参 照 。 (11)行 政 事 件 訴 訟 法3条6項2号 の 義 務 付 け 訴 訟 を 「申請 満 足 型 義 務 付 け 訴 訟 」 とす る 呼 称 につ い て は,塩 野 宏 『行 政 法II』(有 斐 閣,第5版 補 訂 版,2013)241頁 の 例 に倣 っ た 。 ま た,同 書238頁 は,行 政 事 件 訴 訟 法 3条6項1号 の 義 務 付 け 訴 訟 を 「直 接 型 義 務 付 け訴 訟 」 と称 す る 。 (12)東 京 地 判 平 成19年8月29日 裁 判 所 ウ ェ ブ サ イ トは,「 原 告 は,原 告 に 対 し帰 化 を 許 可 し,原 告 に 日本 国 籍 を 取 得 させ る こ と の 義 務 づ け を 求 め る と こ ろ,帰 化 の 許 可 を得 る た め に は,そ の 申 請 を す る こ とが 必 要 で あ る か ら(国 籍 法19条,国 籍 法 施 行 規 則2条),上 記 の 義 務 付 け の 訴 え は, い わ ゆ る 申 請 型 の 義 務 付 け の 訴 え(行 政 事 件 訴 訟 法3条6項2号)に 該 当 し,原 告 が 帰 化 の 申請 を した こ と を 訴 訟 要 件 と す る もの と解 す べ きで あ る(同 法37条 の3第1項)。 」 と して,原 告 の 訴 え を却 下 した 。 (13)福 井 秀 夫 ほ か 著 『新 行 政 事 件 訴 訟 法 一 逐 条 解 説 とQ&A-』(新 日本 法 規 出 版,2004)368頁 は,義 務 付 け の 訴 え の 対 象 と な る行 政 庁 の 処 分 を 「一 定 の 処 分 」 と して い る の は,「 具 体 的 な 「特 定 」 に 至 ら な い 「一 定 」 の 処 分 で 足 りる とす る趣 旨」 で あ る とす る 。 (14)和 歌 山 地 判 平 成22年12月17日 ・前 掲 注(2)〔35頁 〕。 ま た,和 歌 山 地 判 平 成24年4月25日 ・前 掲 注(5)も 同 判 決 と 同 じこ と を 述 べ て い る 。 (15)社 会 保 障 行 政 分 野 に お い て 一 義 的 な 義 務 付 け 判 決 が され た 例 に つ き, もの と して,東 京 地 判 平 成23年11月8日 賃 社1553・1554号63頁 〔63頁〕 は 「処 分 行 政 庁 は,原 告 に対 し,… … 生 活 保 護 を 開 始 す る 旨 の 決 定(保 護 の 種 類 及 び方 法 に つ き居 宅 保 護 の 方 法 に よ る 生 活 扶 助 及 び 住 宅 扶 助 と す る もの)を せ よ」 と す る 。 (16)直 接 型 義 務 付 け判 決 に つ き,抽 象 的 義 務 付 け 判 決 が 可 能 とす る 旨 の も の と し て,房 村 精 一 政 府 参 考 人 答 弁(第159国 会 衆 議 院 法 務 委 員 会 第20
号)(平 成16年4月27日)は,「 今 回 の 法 案 の 三 十 七 条 の 二 の 三 項 を見 ま す と,「 第 一 項 の 義 務 付 け の 訴 え は,行 政 庁 が 一 定 の 処 分 をす べ き 旨 を 命 ず る こ と を求 め る に つ き」,こ う い う 規 定 に な っ て お り ます 。 こ こ で 「一 定 の 処 分 」 と 申 して お り ます の は,ま ず は,義 務 づ け の 訴 え の 要 件 に つ い て,裁 判 所 の 判 断 が 可 能 な 程 度 に特 定 を さ れ て い な け れ ば い け な い 。 漠 然 と,何 を,ど うい う処 分 を 求 め る の か が は っ き り し な け れ ば, これ は 訴 訟 そ の もの と して 成 り立 ち ま せ ん の で,そ う い う意 味 で,特 定 が 必 要 で す と い う こ と が 入 っ て い る わ け で ご ざい ま す が,た だ,こ の 一 定 の 処 分 と して 具 体 的 に ど の 程 度 特 定 す べ き で あ る か とい う こ と に つ き ま して は,… … 必 ず し も具 体 的 な 処 分 に 限 らず,あ る程 度 の 幅 が 許 さ れ る の で は な い か と い う ぐあ い に は 考 え ら れ ま す 。 こ の 特 定 の 程 度 に つ い て は,当 然,当 該 処 分 また は 裁 決 の 根 拠 法 令 の 趣 旨 及 び 社 会 通 念 に従 っ て 判 断 す べ き もの と考 え ら れ ます が,そ う した 観 点 か ら は,特 定 の 必 要 性 の 限 度 を 超 え て 過 度 に 厳 密 な特 定 が 必 要 と され る と い う こ と は な い だ ろ う と思 い ま す し,例 え ば,是 正 措 置 の 具 体 的 な方 法 に つ き ま して,そ の 根 拠 法 令 に お い て 複 数 の 選 択 肢 が 定 め られ て い る 場 合 に,そ の 根 拠 法 令 の 定 め る 範 囲 内 に お け る 一 定 の 幅 の あ る 処 分 の 義 務 づ け を 求 め る訴 え で あ っ て も,そ の 根 拠 法 令 の 趣 旨 に照 ら して,義 務 づ け の 対 象 と な る 一 定 の 処 分 と して そ の 対 象 が 特 定 され て い る と い う ぐあ い に解 さ れ れ ば, そ う い っ た,あ る程 度 幅 の 持 っ た 一 定 の 処 分 を義 務 づ け 訴 訟 で 求 め る と い う こ と も可 能 で は な い か,こ う考 え られ ます 。」 と す る 。 ま た,抽 象 的 義 務 付 け 判 決 が 可 能 とす る 旨 を 述 べ る もの と して は,大 貫 祐 之 「義 務 づ け 訴 訟 ・予 防 訴 訟 」 芝 池 義 一 ほ か 編 『行 政 法 の 争 点 』(有 斐 閣,第3 版,2004)129頁,福 井 秀 夫 ほ か ・前 掲 注(13)368頁 の そ れ ぞ れ を 参 照 。 これ ら に加 え て,申 請 満 足 型 義 務 付 け 訴 訟 に つ い て も抽 象 的 義 務 付 け 判 決 が 可 能 で あ る 旨 を述 べ る もの と して は,神 橋 一 彦 『行 政 救 済 法 』(信 山 社,2012)248頁,橋 本 博 之 『解 説 改 正 行 政 事 件 訴 訟 法 』(弘 文 堂, 2004)67∼68頁 及 び 同書74∼75頁 の そ れ ぞ れ を参 照 。 (17)司 法 制 度 改 革 推 進 本 部 行 政 訴 訟 検 討 会 「行 政 訴 訟 制 度 の 見 直 しの た め の 考 え 方 」(2004年1月6日),房 村 精 一 政 府 参 考 人 答 弁 ・前 掲 注(16)の そ れ ぞ れ を 参 照 。 (18)行 政 庁 に 抽 象 的 義 務 付 け判 決 が な され た 例 と して は,行 政 庁 に 「い ず れ か の 保 育 園 へ の 入 園 を承 諾 せ よ。」 と命 ず る も の と し て,東 京 地 判 平 成18年10月25日 判 時1956号62頁 参 照 。 ま た,本 判 決 の 原 審 で あ る 和 歌 山 地 判 平 成22年12月17日 ・前 掲 注(2),本 判 決 の 後 の 和 歌 山 地 判 平 成24年
4月25日 ・前 掲 注(5)の そ れ ぞ れ を参 照 。 (19)本 判 決 以 外 に は,和 歌 山 地 判 平 成22年12月17日 ・前 掲 注(2),和 歌 山 地 判 平 成24年4月25日 ・前 掲 注(5)の そ れ ぞ れ を参 照 。 (20)東 京 地 判 平 成18年10月25日 ・前 掲 注(18)参 照 。 (21)公 文 書 等 に お い て 「障 害 者 総 合 支 援 法 」 と い う 略 称 が 見 られ る 例 と し て,社 援 発0627第3号 「地 域 社 会 に お け る 共 生 の 実 現 に 向 け て 新 た な 障 害 保 健 福 祉 施 策 を講 ず る た め の 関 係 法 律 の 整 備 に 関 す る 法 律 の 公 布 に つ い て(通 知)」(平 成24年6月27日)参 照 。