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西宮市の防災行政における情報技術と組織体制

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Academic year: 2021

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Ⅰ.はじめに

本稿は、2010 年 8 月、立命館大学大学院政策科学研 究科と公務研究科が合同で運営する「政治行政過程と法 政策研究」リサーチプロジェクトにおいて、自治体の防 災行政をテーマに、西宮市情報センターと防災・安全局 防災対策グループに対して、聞き取り調査を行った結果 をまとめたものである1) 調査目的は、①西宮市における GIS の導入・発展要因、 ② GIS を防災に応用することの利点と限界、③西宮市 における防災組織の編成過程と防災計画の策定過程、④ 情報通信技術(ICT)の防災体制に与える影響、の 4 点 を明らかにすることである。 周知のとおり、西宮市は、1995 年 1 月の阪神淡路大 震災により甚大な被害を受けた地域の一つである。ま た、度重なる台風や集中豪雨によって、幾度となく風水 害に見舞われてきた地域でもある。西宮市の防災行政に は、そうした過去の被災経験が少なからず活かされてい ることが予想される。 もっとも、自治体の防災行政は、一般的に、多くの部 局が様々な活動形態をもって関わっている複合的な行 政過程である。平時においては、防災に係る条例や規則 を制定し、組織を編制し、情報を収集し、計画を策定し、 資源を調達し、公共施設を設置し、河川や道路を管理し、 保有する情報を住民に提供する。災害が発生すれば、関 係諸機関が連携して鎮圧し、被災者を救助し、必要物資 を給付し、公衆衛生を確保する。災害が収束した後も、 被災状況を把握し、倒壊建造物を除去し、仮設住居を設 置し、住民の被災事実を証明し、復興資金等を助成する。 こうした一連の諸活動が、行政体によって、権力的、非 権力的な手法を組み合わせて行われる。西宮市も例外で はない。これらすべての内容を、限られた時間内で網羅 的にみていくことは困難である。 そこで、今回の調査では、防災行政における情報技術 の活用状況、防災組織の編成過程、及び地域防災計画の 策定過程に、調査対象を絞ることとした。その理由は、 後述するように、それらの諸過程に大規模な災害を経験 した西宮市独自の創意工夫が現れているように思われ るからである。現実の社会状況に対応して展開される行 政過程を行政領域ごとに事実の観点からみていくこと は、行政に関する様々な学問領域における新たな理論形 成につながると考える。また、GIS という情報技術に対 象を限定すれば、その都市防災への応用に関する研究 や、第三者の視点から西宮市を取り上げた事例研究が少 ないことから、調査の意義は十分にあると思われる。 今回の調査の結果、上記①∼④について、次のような ことが分かった。①は、キー・パーソンとなる職員の存 在や情報処理部門の「徒弟制度」等があったこと、②は、 利点として視覚化効果や分析機能、限界として個人情報 の保護等の問題があること、③は、防災行政を一元的に 統括する必要性から、2007 年 4 月に防災・安全局が設 置され、そこが現行の防災計画の策定に主導的役割を果 たしたこと、④は、業務の現場においては情報技術の影 響が限定的に捉えられていること、等の諸点である。 Ⅰ.はじめに Ⅱ.西宮市の概要 Ⅲ. 防災行政への GIS の応用∼情報センターでのヒアリ ング調査結果から  1.GIS の歴史・基本情報  2.GIS の導入・発展要因  3.GIS を防災に応用することの利点と限界 Ⅳ. 防災行政における組織体制∼防災対策グループでの ヒアリング調査結果から  1.防災・安全局の組織編制過程  2.地域防災計画への関わり  3.情報通信技術(ICT)への関わり Ⅴ.おわりに

西宮市の防災行政における情報技術と組織体制

新子眞佐夫・石川裕貴・加藤彰二・興梠壮寿・寺嶋由加利・中西賢

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各々の詳細については、次章以下で述べる。

Ⅱ.西宮市の概要

本章では、西宮市の概要について説明してゆく。項目 としては、西宮市の災害の歴史、面積・人口、年少人口 比率、老年人口比率・財政について、西宮市の特徴を論 じてゆく。 西宮市は、兵庫県の南東部にあり、大阪・神戸両市の 中間に位置し、面積は 100.18k㎡であり、市域は、東西 約 14km、南北に 19km と南北に細長い地形となってい る。中央部を東西に六甲山系が横断し、北部の山岳部と 南部の平野部に分かれる。東は武庫川下流で尼崎市に、 西は芦屋市に、北は六甲山地北部で神戸市、仁川および 武庫川中流で宝塚市にそれぞれ接し、南は大阪湾に面し ている。市内には武庫川をはじめとする二級河川が 17 あり、山地は約 70%を占め、市街地には西宮断層といっ た 13 の活断層の存在が明らかになっている2)。災害と の関わりにおいて、水害では、昭和 9 年の室戸台風によっ て死者 25 名、床上床下浸水が 5,274 戸、昭和 35 年の台 風 16 号では死者 25 名、床上床下浸水は 2,075 戸と甚大 な被害を受けた。平成に入ってからは平成元年の豪雨に よって床上床下浸水が 10,605 戸、道路冠水 624 といっ た被害や平成 10 年の台風 10 号、平成 11 年の梅雨前線 による豪雨の被害があげられる。また、震災については 昭和 21 年の「南海大地震」では、死者 1,330 人、全半 壊家屋 35,000 戸、平成 7 年の戦後最大の都市直下型地 震である「兵庫県南部地震」により、死者・行方不明者 合わせて 6,394 人、全半壊家屋 257,127 棟と多くの犠牲 者を出した。このように西宮市は、数多くの水害や震災 といった災害に見舞われてきた地域でもある3) 現在の西宮市の大きな特徴として、第一点目は、人口 について「多子高齢化」といわれるように、子供数の増 加と高齢化という現象が同時に起こっているということ である。子供数で言うと、市立小・中学校の児童・生徒 数は、阪神淡路大震災後、小学校では平成 10 年度に 22,819 人、中学校では平成 17 年度に 9,630 人まで減少 する。しかし平成 19 年度には小学生 27,832 人、中学生 数は 9,956 人まで回復し、小学校では震災前を上回るま で増加している4)。平成 17 年度版の国勢調査によれば 年少人口比率は 14.8%であり、全国平均の 13.6%よりも 高く、生産年齢人口比についても 67.9%と高いために老 年人口比 16.8%と低くなっている(図 1 を参照)。また、 人口推移の特徴としては、平成 7 年度の阪神大震災以降 一時減少していた人口が、平成 12 年度には震災前の人 口数を抜き、以降増加傾向にあるということである。震 災後は 3 万人を越える人口の流失によって 390,389 人ま で減少したが、震災復興後の大量の住宅の増設によって、 平成 12 年には 438,105 人、17 年には 465,338 人へと増 加へ転じており、特に 20 代後半から 30 代の子育て世代 の流入により、人口は増加傾向にあるといえる。 二点目は、西宮市の予算・財政状況についてである。 予算・財政状況の大きな特徴としては、震災における財 政負担が大きいということである。阪神・淡路大震災に より、住宅を中心とした市民の生活再建支援、公共施設 の災害復旧、市街地再開発や土地区画整理等の復興事業 など、巨額の財政負担をもたらした。平成 6 年度から 21 年度までの震災関連経費の合計額は、4,455 億円にの ぼっており、内訳は災害救助費で 324 億円、災害復旧費 で 1,142 億円、震災復興費で 2,989 億円となっている。 これらの災害復興関連費の財源としては、国庫支出金が 1,747 億円、県支出金が 96 億円と合計 1,843 億円と財源 全体の 41.3%を占めているが、借入金である市債が 1,700 億円、38.1%を占めており、今日でも重い財政負担となっ ている5)。また市債について、震災に伴い多額の市債を 発行したために普通会計の市債残高は膨大な額に昇って おり、平成 10 年度末には 3,133 億円、震災前の平成 5 年度末の 968 億円の 3.2 倍とピークに達する。しかし、 その後は減少に転じ、平成 20 年度末の市債残高見込み は 1,892 億円で、ピーク時の 10 年度末に比べて 1,241 億 円減少している。今後の市債残高見込みは、年次的に新 たに発行する市債を加えても減少傾向で推移し、平成 25 年度にかけ徐々に震災前の水準に近づいていくもの と予測されている6) 平成 22 年度の予算としては、総額 2,757 億 9,270 万円 であり、内訳として、一般会計 1,610 億 7,954 万円、特 別会計 722 億 9,946 万円、企業会計 424 億 1,370 万円と 前年度に比べ総額で 2.1%の増加で、一般会計では 1.7% 増加している(表 3 を参照)。

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表 1 西宮市の概要 面積 100.18k㎡ 人口 465,338 人 年少人口比率 14.5% 老年人口比率 14.6% 歳入総額(平成 21 年度) 2,701 億 1,972 万円 出所) 面積、人口、年少人口比率、老年人口比率は「平成 17 年度版国勢調査結果」から作成。歳入総額は平成 21 年 度予算の概要を参照。 図 1 西宮市の位置 出所)西宮市ホームページ http://www.nishi.or.jp/homepage/boutai/02kihon/01tisei/01.html 表 2 西宮市の人口推移と小中学生数 平成 7 年 平成 12 年 平成 17 年 総人口(人) 390,389 438,105 465,337 小中学生合計数(人) 35,761 36,517 35,854 割合(%) 0 − 14 歳 15.3 14.4 14.8 15 − 64 歳 72.2 70.8 67.9 65 歳以上 12.4 14.6 16.8 出所)平成 17 年度国勢調査より作成 表 3 西宮市一般会計の予算配分 (単位 千円) 出所)西宮市財務部財政課「2、一般会計・歳出(目的別)」http://www.nishi.or.jp/homepage/zaisei/yosan22/hikaku.html

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Ⅲ.防災行政への GIS の応用∼情報センター

  でのヒアリング調査結果から

1.GISの歴史・基本情報 現在、西宮市は、有数の電子自治体であると評価され ている。代表的なものは、自己開発による画期的な情報 システムが他の地方公共団体の模範となるなど、情報通 信に貢献をしたとして 2005 年に受賞した「総務大臣表 彰」、また、2005 年、2006 年連続で首位を飾った、「情報・ サービス」、「アクセシビリティ」、「庁内情報」、「情報化 政策」、「セキュリティ」の 5 分野で自治体の情報システ ムや取り組みを総合評価する日経パソコンの「e 都市ラ ンキング」などである7) 西宮市は庁全体をあげて情報化をすすめる体制を持っ ており、西宮市情報化推進本部という組織を持ち、市長 をトップとして一元的に情報化を推進できるようになっ ている。また、情報化の取り組みは中長期的計画に支え られており、「情報化推進計画」を策定している8) このように、西宮市は情報化へ力を注いでいるのであ るが、その情報システムには以下の 2 点の特徴がある9) 第一に、自己開発主義である。この信条は財政難に陥っ た阪神淡路大震災以降から強く現れ、自己開発によって 西宮市独自の情報システムを数多く生み出している。ま た、アウトソーシングの費用が抑えられるという費用対 効果の面での成果も上げている。 第二に、市民サービスの向上を意識した情報システム の構築である。西宮市は、震災後は財政難も重なって、 インフラの整備よりもコンテンツ制作を中心に情報化を 進めきた。ホームページ上の会議録検索システムや「西 宮市例規集検索システム」を開設し、市民へのアカウン タビリティの向上に資した。特に、GIS10)を使った市民 サービスに特色があり、後述する、阪神淡路大震災時に 立ち上げられた「被災者支援システム」や、当時全国初 の Web 上で GIS を使った地図案内サービス「道知る兵衛」 は、内外から多くの注目を集めた。これらの情報システ ムに見られるように、西宮市の情報システムは住民サー ビスの向上が強く意識されている。 現在では、西宮市の GIS は、震災時での活用や Web を通じた住民サービスなどに用いられることによって有 名であるが、現場で機能する GIS をつくり上げるまで には、様々な失敗の歴史があった11) 西宮市の GIS の導入は、建設省の UIS12)モデル事業が 始まった 1975 年まで遡る。このモデル事業は、GIS と 業務を結びつける戦略、方法論が欠如していたために失 敗に終わってしまった。 その後、1984 年に西宮市は第二次開発に着手し、住 民コードを備えた、「宛名データベース」を構築し、標 準的に使える位置座標方式を確立させた。1987 年から 第二次開発が稼動し、GIS は土木調査や固定資産税業務 などの中に定型業務化した。しかし、現場からの評価が 得られず、また開発業者の撤退も相まって、ホスト中心 の GIS はシステムそのものの消滅の危機に陥ることと なった。 そこで、ホスト中心で実務に反映できない机上の空論 の GIS ではなく、経費をかけず、かつ現場で使える GIS を目指すという方向転換が行われた。水面下でホスト機 の地図データのコンバート作業などを続け、独自のレイ ヤ構造を持つベクトル地図データ「西宮市 DM1/2500 地 図」を完成させた13) このような方向転換の最中に起こったことが、1995 年の阪神淡路大震災であった。復旧された電算システム を使って「被災者支援システム」をつくり上げ、被災者 証明や義援金の付与などの災害応急の効率化に貢献し た。さらに、被災者台帳から GIS を使って街区単位の 全壊世帯や避難所の分布図、共同住宅の危険度判定図な どを作成し、これらの分析によって状況把握や意思決定 に役立てた。このように、偶然発生した災害によって、 GISが現場で使えることを証明したのである。 GISを災害応急に活用した事例により、西宮市は注目 を集め、国土数値情報、数値地図などの電子国土の公開 など、全国的な GIS の環境整備を促進させるきっかけ となった14)。その後の国土空間データ基盤標準にも、 西宮市の方式に倣って「住所に対応した位置参照点」が 採用されている15) 震災後は財政難に陥ったが、自己開発を中心に GIS の 開発は進められ、特に、Web を使った多様なシステム が開発された。上述した、市内の住所・施設案内サービ スが提供できる「道知る兵衛」や、災害発生時に、災害 危険範囲に住所がある災害弱者の情報が表示され、救出 に役立てることができる「地域安心ネットワークシステ ム」など、地域住民へのサービス向上を目指した Web を用いた GIS システムが誕生している。

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2.GISの導入・発展要因 (1)導入 聞き取り調査の結果、1975 年の UIS のモデル事業に よる西宮市の GIS 導入は、官僚機構内の縦割り競争から、 西宮市が建設省から UIS のモデル事業を頼まれたため であったことがわかった。 聞き取り調査の中で、西宮市がモデル事業に認定され たことは、西宮市の財政的余裕や、業務の電算化が以前 から行われていたことによって、情報技術に関する人材 が整っていたという理由もあるのではないかという質問 もしたが、そのような理由は、GIS の導入には当てはま らないという回答を得た。 よって、西宮市の GIS の導入は、官僚機構の縦割り 競争によって、GIS の導入を建設省から頼まれたことが 最大の要因であり、西宮市の財政的余裕や、情報技術に 関する人材の有無などは関係がないことがわかった。も ちろん、建設省が、他の自治体ではなく、西宮市を選ん だ理由には、財政的余裕や人材の有無が関っていたかも しれないが、その点は今回の調査では明白にはできな かった。 このような背景から、西宮市は実質的な GIS を利用 する計画がないままで GIS を導入したようであり、聞 き取り調査でも、当時の UIS の技術的未成熟を抜きに 考えても、方法論や戦略なしにプロジェクトに飛びつい ただけで、業務との結びつきが生まれずに失敗に終わっ たと述べられていた。 こうした経緯から、この段階での GIS の業務への利 用は失敗に終わってはいるものの、GIS の導入自体は達 成された。 (2)発展 上述のように、西宮市は GIS の導入時に、GIS を業務 に根付かせることに失敗している。そのような中で GIS が発展した要因は、聞き取り調査の結果、第 1 に吉田稔 氏の存在、第 2 に西宮市役所特有の徒弟制度の伝統、以 上 2 点であるとわかった。 今回のヒアリング対象者でもある吉田氏は、当時、情 報システム課に在籍していた。彼は、「被災者支援シス テム」をはじめ、「道知る兵衛」や「地域安心ネットワー クシステム」といった多くの情報システムの開発の中心 人物であり、西宮市の情報システムのあり方や組織体制 についてまで発言を行うという、西宮市の情報化のキー・ パーソンであった。吉田氏は行政のことは行政官が最も よくわかっているという信念から、システムの自己開発 を進めており、住民第一の視点を持って住民のための情 報システム目指してきた。 吉田氏が西宮市の GIS の発展に及ぼした影響は、① 自己開発主義、②少人数精鋭開発主義、③業務のニーズ に答える GIS への改革、④他の部局との協力関係、と いう 4 点にまとめられる。 ①吉田氏は自己開発にこだわることで、アウトソーシ ング等に必要な費用をほぼゼロとしながらも、様々なシ ステムを完成させ、費用対効果の最大化に努めた。もち ろん、吉田氏自身の給与や西宮市のインフラ等を使用し ていることを考えると、費用が全く無かったということ にはならないので、おそらく議会を通して予算を取る必 要がなかったという点で費用がほぼゼロであったという 意味だと思われる。さらに、自己開発主義によって、社 会の情報システムの発展を待つ前に、自前で先進的な技 術を取り入れることができたことで、西宮市の GIS は 他の自治体よりも開発をより進めることができたと考え られる。 ②吉田氏は、3 人職員を減らすかわりに、優秀な技術 者を 1 人採るという人事を行い、他の部局からの人事上 の反対を抑制しながら人材を確保することに成功した。 この人事の偏性によって生まれる情報システム課の激務 は、後に述べる徒弟制度でカバーされていたのではない かと考えられる。 ③吉田氏は GIS の開発初期段階での数度の失敗の経 験から、現場で通用する GIS を目指していた。吉田氏 は UIS に代表される失敗の原因を、システムありきで 物事を決め、業務と GIS の結びつきを考えていなかっ たからであるとし、戦略を持った上で GIS と業務の結 びつきを強めるべきであると主張してきた。また、バッ チシステム全盛期から、業務の縦割りシステムの弊害を 問題視しており、当初から関連システムの横断的活用を 考えていたことも重要である。こうした考えから、住所 と氏名という「宛名」を業務串刺しのキーとした総合管 理データベースである宛名管理システムをつくり上げ、 位置座標情報と連動させることで西宮市独自の位置座標 方式を完成させた。実務のための GIS という考えと、そ こから生まれた西宮市位置座標方式が、大震災時に現場 で成果を上げた被災者支援システムの基礎となったので ある16)

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④吉田氏には都市計画部、福祉部との協力関係があっ た。前者では「西宮市 DM1/2500 地図」を作成するため の材料として都市計画基本図の提供を受けている。後者 では、大震災の経験から、福祉・防災・消防の横断的な 仕組みづくりの必要性を吉田氏と福祉部の課長補佐との 間で共有していたようであり、課長補佐から吉田氏への 強い依頼から「地域安心ネットワークシステム」が生ま れている。このような協力関係が、庁横断的な性質を持 つ GIS の発展に貢献した。 第 2 の GIS の発展要因として、西宮市の徒弟制度が 考えられる。GIS が導入される以前から西宮市には徒弟 制度が根付いていたようであり、同時期に GIS を導入 した京都市や大阪市では GIS が発展しなかったが、徒 弟制度のあった西宮市では、GIS がそれらの市のように 衰退することはなかった。当時のバッチ処理中心の GIS は業務量が多く、労働者の反対を得やすかったが、西宮 市の徒弟制度のような特殊な環境では反対が起こりにく かったようである。 これらの要因以外では、世界的な情報システムの発展 やパソコンの低価格化・ダウンサイジングが西宮市の GISの発展に貢献したのではないかと質問したが、西宮 市では情報システムの自己開発主義を貫いてきたため、 外部の発展は西宮市の GIS にはほとんど影響がなかっ たという回答を得た。アウトソーシングする場合でも、 企業に丸投げせずに、行政が主導的にシステムの内容を 決めるため、システムのブラックボックス化に陥ること を防いできたようである。外部の技術に頼る必要がな かったことを示す顕著な事例として、震災直後、民間企 業からの無償での GIS エンジンやソフトの提供、職員 の派遣の打診を断ったことがあったという。慣れないソ フトや行政の内部事情を知らない職員は役に立たないと いう判断もあったと思われるが、民間企業の技術よりも 西宮市で培われたものの方が行政には有効であるという 自信の現われであると考えられる。 今回のヒアリングでは詳細まで聞くことはできなかっ たが、阪神淡路大地震の発生も GIS の発展要因に該当 すると思われる。震災後、西宮市が GIS による災害応急・ 復興で注目されたことに加え、災害による財政難で費用 を抑えて開発できる吉田氏中心の GIS システムの意義 が増し、また、行政の無駄を無くすために情報化推進の 拠点が統合された。このような GIS を促進させやすい 環境が整ったことは、災害による財政難のため、背に腹 はかえられない状態に陥ったためであるが、これは西宮 市の GIS 発展の要因の 1 つであると思われる17) 以上までに説明したように、西宮市の GIS の発展は、 吉田氏というキー・パーソンの存在、西宮市役所特有の 徒弟制度の伝統、そして、ヒアリングでは明確にならな かったが、震災による偶発的な財政危機状況、以上 3 つ の要因によるものであると考えられる。 3.GISを防災に応用することの利点と限界 今回、災害対応の最前線となる市の情報システム、特 に GIS に関して、防災に応用することの利点と限界に ついての整理・分析を一つのテーマとして、西宮市情報 センターでヒアリング調査を行った。あらかじめ、先行 研究から何点かの問題意識を持った上で聞き取りにあた り、行政側の職員の方々の認識を伺うという形で利点や 課題についての調査を行った。利点については①視覚化 による効果②分析ツールとしての利便性、限界について は①個人情報保護に関する事項②行政内の縦割り・異動 の頻度、この 4 点に関する項目に分類して整理する。 (1)利点に関して 1)視覚化による効果 西宮市情報センターでの聞き取り調査の結果、GIS 応 用の利点として挙げられるのはまず第一に、複数の情報 を組み合わせ、1 つの地図上に視覚的に把握しやすい形 で表示できる点である。阪神淡路大震災をきっかけとし て、GIS の災害対応への有効性が認識され、現在もその 応用可能性が研究されている。以前は紙地図での情報の 表示が主であったが、情報集約に当たって、その膨大さ と表示の困難性が問題視されていた18)。しかし、デジ タル化に伴い情報システムを用いることで情報の集約、 表示の一元化が可能となった。GIS は様々な情報を複数 のレイヤーという形で重ね合わせることが可能である。 物理的なスペースの省エネ化が図られるとともに、複数 の情報を一元的に地図上に表示することによって視覚的 に目で見て即決で判断することができるという利点を備 えている。職員の認識としても情報の視覚化による判断 の迅速化に注目されていることがわかった。西宮市にお いては震災時に「被災者支援システム」の構築を行い、 復旧・復興業務において、収集した情報を地理情報とし て活用した例を挙げることができる。被災者支援におい て収集される膨大な市民の戸別情報を管理し、それを地

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理情報として表示する、またシミュレーション等によっ て視覚的に状況把握が行いやすい点も GIS を防災に応 用することの利点である。 視覚化による効果は行政に対するものだけではなく、 市民に対してもその有効性を発揮する。西宮市 HP 上に は「道知る兵衛」という WebGIS が活用されており、市 内の避難所・防災倉庫などの情報を市民が把握しやすい 「地図」として見ることが可能である。その際に、縮小・ 拡大作業の容易さ、ルート情報の視覚化などにおいて 「GIS」としての特徴を活かしたものとなっている。市 民からの情報を組み込み、市民サービスの向上や、防災 啓発に対しての利用可能性があることがわかった。 2)分析ツールとしての GIS 利点としての第二に、「地図」としての利用だけでなく、 情報を組み合わせ、デジタル化することによる分析の手 段としての可能性が挙げられる。先に挙げたシミュレー ション分析においても、データの変化に反映させること ができる。減災・防災において有効に利用することが可 能であり、過去の履歴を整理することによって時系列で の情報を一元的に組み込むことができるのも GIS の特 徴である。情報を戸別に、ポイントで把握・分析するこ とが可能であり、人的・物的被害等の情報を重ねあわせ、 被害状況の分析を行い、復旧・復興業務においても有効 に機能する点が GIS の利点であると考えられる。 (2)限界に関して 1)個人情報に関する事項 事前調査においては、災害時の要援護者情報の収集の 手法に関しての問題が考えられた。要援護者として同市 では主に高齢者を対象としているとのことだが、その情 報収集に関して福祉部局等からの提供による目的外利用 の問題、及び個人情報に対する市民の意識向上から個別 の収集自体が困難になっているのではないかという問題 についての認識を持ち調査に当たった。しかし、今回の 調査では、そうした点に関してほとんど問題にならない との認識を持っているとの回答を得た。西宮市では個人 情報保護条例が制定され、市の取り組みとしても情報の 扱い方に対する高い意識をうかがう事ができる。どのよ うな要因が影響しているのかは今回の聞き取りでは明ら かにできなかったが、災害対応の最前線となる市役所に おいての職員の認識を知ることができた。 まず目的外利用の問題であるが、市役所内の人的関係 による連携やシステムの構築に際しての情報収集方法の 工夫等によって対処していると考えられる。災害時要援 護者情報に関しては、災害発生時、福祉部局等が保有す る情報を利用する。平時から市役所内の緊密な人的関係 を構築し、必要になった際にスムーズに提供が行われる ことで迅速な対応が可能となる。また、個別の情報収集 のあり方に関しては、手上げ方式による同意型の手法を 用いる、関係機関共有方式19)の場合にも民生委員が尽 力し、市民側の同意を重視するとの姿勢が伺える。さら に今回の聞き取り調査では、行政職員の人命への認識と 取り組み姿勢が重要であるとの回答を得た。「防災」と いう側面から個人情報の問題への対応を考えることに一 定の意義があると考えられる。一方で、限定的な状況の 想定から個人情報の問題を考えることの危うさへの配慮 も必要ではないかと思われる。特に GIS は様々な情報 を組み込むものであり、人命以外の権利保護・行政とし ての情報取り扱いへの姿勢等、より一層の検討が必要で あるとの認識を得た。 2)行政の縦割りの弊害・異動頻度等について 現状において、GIS(広く情報システム全般を含む) を防災に応用することの限界として、行政内の縦割りの 弊害や、部局間での異動の多さが挙げられる。まず第一 に情報収集段階における問題であるが、GIS には福祉部 局からの要援護者情報の他、目的に応じて土木、河川管 理などからの幅の広い情報を必要とする事が想定され る。それらの情報は個別の業務に最適化された形で各部 署が保有しており情報の統合が困難になる。近年では総 務省の政策をはじめとして「統合型 GIS」の構築が進め られており、西宮市でも早い段階から導入が試みられて いる。これに対する評価については検討の必要があるこ とも一言付け加えておく。第二に GIS に対する理解の 差異である。防災分野における GIS の応用が進められ ているが、部局間ごとにその利用可能性の認識には差が あり、縦割り行政の弊害と捉えることができる。第三に 異動頻度についてである。市役所内においても人事の異 動は頻繁に行われるが、GIS などの発展段階にある技術 を継続的に活用していくには人材育成が重要となる。し かし、人が異動することにより、システムの継続的な活 用の妨げとなる場合があり、特に防災のように平時から の訓練が重要となる問題において、その操作能力・有効

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性への認識が途切れることは大きな課題となる。仕様書 の作成を行うといった対処を迅速に行い、システムの継 続的な使用体制を整える必要があると考えられる。

Ⅳ.防災行政における組織体制∼防災対策

  グループでのヒアリング調査結果から

1.防災・安全局の組織編制過程 本節では、平成 19 年 4 月に新設された防災・安全局 の設立過程を述べると同時に、今現在の防災・安全局の 組織体制を論じる。 昭和 38 年の防災対策は、山や海が近いという立地状 態から水害対策を主とするものであった。その対策を土 木局が主体となり、事務管理を総務局や総合企画局が担 当する体制であった。具体的には、自然災害や大規模事 故などは土木局防災対策課、市民の生活安全については 総合企画局安全・安心対策グループ、防犯関係について は市民局が担当していた。しかし、この体制は課題に対 し的確かつ迅速に対応することが困難であり、また各地 で発生する地震や風水害といった自然災害、子供に対す る事件事故などの市民が安全で安心した暮らしを脅かす 事態が次々と発生したことから組織体制のあり方が問題 視された。 こうした事態や問題点を解消するために、平成 19 年 4 月の事務分掌条例の一部改正案から防災や安全に関す る庁内組織を統合・整理したのが、総合的な調整機能を 備えた防災・安全局である。その後、平成 20 年 4 月に 局内に防災・安全総括室が新設され、防災・安全グルー プ、防災対策グループ、安全・安心対策グループの 3 つ のグループに分担された。グループ別業務内容は以下の 通りである。 〈防災・安全計画グループ〉 ・危機管理全般の業務 ・防災や国民保護等の企画立案 ・防災計画や国民保護計画等の見直し ・ 各局の業務遂行中に発生する危機事態に対する総合 窓口及び調整 〈防災対策グループ〉 ・防災や国民保護に係る初動対応 ・設備の整備や管理 ・研修や訓練 ・治山や砂防事業に関する業務 〈安全・安心対策グループ〉 ・防犯に関する施策 ・地域との連携による市民の防犯活動の支援 ・情報収集や提供 ・教育委員会と連携して子供の安全・安心の確保 これらのグループは「連携型」と言われ、特徴は各部 の中で仕事の関連性の深い複数のグループ間相互の連携 を図ることによって業務を進めていくことである。また、 他のグループに所属する職員をそのグループの構成員と してチームを作ることができる。この「連携型」とは別 に西宮市役所内には、「単独型」と言われるグループも 存在し、一つのグループが全て単独で業務を行うという 特徴を持つ。しかし、他のグループとの関連性が薄れる というデメリットもある。このように西宮市では、事業 の効率化を図るため業務内容別に西宮市独自のグループ 制を導入している。現在は 162 のグループが存在し、う ち 97 が「連携型」、65 が「単独型」である。グループ 制のメリットとして、職員の配置や予算編成の権限が一 部譲渡されるので、主体性と自律性を持って行政を執行 でき、また近年の急速な社会変化や市民一人一人のニー ズに合った行政活動が可能になる。 防災・安全局は、グループ制と一元化を行い、設立前 の災害の種類別に担当部署が異なる場合と違い、一つの 局が全ての事態に関して取りまとめることは、自然災害 や安全・安心に関する関係部局内の調整、またリーダー シップのもと、事態解決に対処できると同時に、所管が 不明確な事態に対しても、一元的に受け止め、関係部局 に指示、命令の役割を担うことができる。このように一 元化することによって、事態への迅速かつ円滑に対処可 能である。それに加え、多くの問題が一局に集められる ことによって専門性が増し、新しい事態に対応するため の調査研究機能が強化されるというメリットがある。設 立後は、24 時間体制で業務に当たっている消防局との 機密な連携を目指し、防災・安全局から消防局へ、また 消防局から防災・安全局へ職員を派遣している。これに より、連携力を強化させるとともに、緊急連絡体制の円 滑化及び災害情報の共有化などの危機管理体制の充実強 化を図り、地域防災力の維持向上に取り組んでいる。

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2.地域防災計画への関わり この節では、ヒアリングの結果をもとに実際に防災・ 安全局がどのようにして部局横断的な活動を行ったのか を防災計画の策定過程から説明してゆく。はじめに地域 防災計画の特徴とその改訂作業の一般的流れについてに ついて述べ、西宮市においてはどのように策定されたの かについて、ヒアリング結果をもとに説明してゆく。 はじめに、地域防災計画とはどんなものであるのか、 その特徴について論じてゆく。地域防災計画は、1961 年に制定された災害対策基本法の中で、都道府県防災会 議(40 条)および市町村防災会議(42 条)において策 定が義務づけられている法定計画である。防災計画には、 災害対策基本法 40 条、42 条により、自治体が行うべき 業務の大綱や災害予防、災害応急対策、および災害復旧 に関する計画の施設や資金、物資等の整備・備蓄・調達 に関する計画がまとめられている。それらは、毎年計画 に検討を加え、修正の必要がある場合には、修正を行わ なければならない。このようなことから、地域防災計画 の特徴は、災害対策基本法によるところが大きいといえ る20)。この地域防災計画策定にあたっては、自治体の 自然的、社会的条件等を勘案し各事項を検討の上、必要 な事項を記載することが求められている21)。地域防災 計画は、地域で発生する各種災害にいかに対応できる内 容になっているのかが、重要な点となってくる。 以上のように、災害対策基本法によって規定された地 域防災計画の基本的な特徴として以下の 3 点が挙げられ る22)。1 点目は複合性の高さである。このことは、災害 の性格によるところが大きい。災害は一旦発生すれば発 生地域の様々なところで、多くの障害を引き起こす。こ のために防災計画は、行政におけるほとんどすべての部 局が関連する、複合的で部局横断的対応を求められるも のであり、単なる一自治体の行政計画としてではなく、 陸上自衛隊といった域内関係機関すべてにとっての計画 という理由からである。2 点目は既存の法体系・所掌体 系を所与するということである。災害対策基本法は、防 災関係の一般法であり、他の災害関連法規を特別法とす るものである。特別法の規定は、一般法に対し優先され るために基本的には、災害対策基本法の制定によって、 それまでに存在していた法体系に大きな変更を加えると いうわけではない。これを認めたうえでの総合的調整が 求められる。3 点目が防災計画間の強いヒエラルキー構 造である。都道府県の地域防災計画は災害対策基本法第 40 条によって、計画の統合性、統一性を図るために防 災基本計画に基づいて策定されなければならず、作成・ 修正を図る際には内閣総理大臣に協議し、中央防災会議 の意見を求められる。また、指定行政機関が定める防災 業務計画にも接触してはならない。よって都道府県の地 域防災計画は防災基本計画だけではなく、防災業務計画 をも上位計画とするために両方の制約を受けることに なっている。一方、市町村の地域防災計画も防災計画に 基づき作成され、防災業務計画および都道府県の地域防 災計画に抵触してはならないと定められている。しかし、 修正の時には都道府県知事に対して行うとされており、 市町村が直接的にすべての省庁と意見照合を行うわけで はない。それにより、市町村の方が都道府県と比べ策定 過程の自由度は高いといえる。しかし、都道府県の地域 防災計画同様に、複数の上位計画の制約を受けるという 点では、強いヒエラルキー構造ということは変わりない。 次に、地域防災計画改訂の流れについて説明してゆく。 (財)消防科学総合センターによれば、一般的な地域防災 計画の改訂作業の流れは以下のようになるとしている23) はじめに地域における災害の危険性と防災資源を把握す る「地域の災害危険性の把握」し、現行の計画の問題点 や課題の把握・整理といった「基本方針の作成」、最後 にそれらを踏まえて改訂を行う「改訂案の作成」である。 以上のような流れで地域防災計画の改訂を進めること が、理想的となってくるが、実際には現行計画の問題点・ 課題の整理において担当部局間での利害の対立や予算配 分といった問題が挙げられる。ヒアリング調査を行った 西宮市の防災政策策定の過程から、どのようにして調整 を行ってきたのかについて記述してゆく。 今回ヒアリング調査を行った西宮市防災・安全局では 地域防災計画の策定にあたって、防災・安全局が中心と なって各部局間との調整を行ったということだった。は じめに防災・安全局が中心となって各局課長級以上の人 にヒアリングを行い、様々な意見について相互調整を 図って改訂を行った。ヒアリング調査を行って作った素 案を基に庁内素案を作り、全職員・有識者(見直し委員 会)・市民から意見をもらい、またパブリックコメント により外部の市民団体からも指摘を受け、改訂を行って いった。この改訂作業の中ではコンサルタントも関与す るということだった。コンサルタントの主な役割として は、文書のまとめや書き方や各部局から出された様々な 意見の取りまとめといった事務作業的なことだけであ

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り、直接的な内容に関してのかかわりは、ないというこ とであった。あくまでも、防災・安全局が中心となって、 調整、訂正を何度も行い 1 年をかけて策定を行ってきた。 また、防災・安全局は今回の改訂作業において、職員 行動マニュアルの作成も行っていた。平成 19 年度の地 域防災計画では、災害対策専用の組織が部局横断的であ り、連絡や指令系統が普段の業務体制と異なっていたた めに、職員が動き難く混乱を生んだ。そのため、改定後 は災害対策と通常業務の 2 体制とし、普段の業務に似た 枠組みの組織体制へと簡素化し効率化を図った。横断式 組織体制では局間での連携の妨げとなるために、通常の 業務間の係わりを中心とした通常業務体制に近い枠組み で災害対策を行ってゆこうとする理由からだった。有識 者委員会からは時代に逆行的であるという指摘を受けた が、防災・安全局は通常体制の方が動きやすく、また、 災害時は時系列的に忙しい部局が変化してゆくことか ら、この組織体制については良いという考えてを持って いた。マニュアル策定についても地域防災計画同様、防 災・安全局が中心となって日頃から啓発活動の中でいざ という時に動けるよう調整を行っていた。市職員の啓発 運動において、緊急連絡網が末端まで繋がるかの確認や 聞き込みを行い考えさせ、各部局の役割を決めておくと いったことも防災・安全局が中心に行っているというこ とであった。 前回の改定作業の時には、文章のみの通達によって行 うといった、他局間との連携が困難だったのが、今回、 平成 20 年度における改訂作業では防災・安全局が関与・ 主導し中心的役割を演じてきたといえる。地域防災計画 の流れでの、策定の最初から最後まで、問題点の把握と 課題の整備といった基本方針の作成、各担当部局との協 議・調整という改定案の作成、そして計画書の作成とい う各段階において、防災・安全局が関わり、調整を図っ てきたといえる。このことは、防災・安全局が、全庁的 な問題に対して対応可能な部局としての活動が行えると いう当初の設置された目的に沿って活動できてきたこと であり、想定していたリーダーシップを発揮することが できたとも言える。 3.情報通信技術(ICT)への関わり 全国に先駆けて情報化への取り組みを開始した西宮市 は、総合型 GIS や被災者支援システムなどの特徴的な 情報技術を有している。阪神・淡路大震災時に構築され た震災業務支援システムが被災者支援及び復興業務に役 立ったという経験を持つ西宮市は、自治体行政の危機管 理における情報システム活用が重要であるという認識を 持っていると考えられる。 近年の情報化の進展にともない、国では「e-Japan 戦略」 や「IT 新改革戦略」といった取り組みがそれぞれ 2001 年、 2006 年から行われ、西宮市においても、「西宮市情報化 推進計画」が策定され、情報化に向けた取り組みが実施 されてきた。2006 年からは、「第二次西宮市情報化推進 計画」において、基本目標②「あんしん ひろがる コ ミュニティ」という目標の実現のための方策「安全確保 と安心して暮らせるまちづくり」の具体的な施策として、 1)防災マップ等の作成や災害・防犯情報の迅速な提供 など、関係機関と連携した総合的な安心安全システムの 構築と全市域への展開、2)GIS を活用した住民による 地域防災マップの作成支援、3)防災情報サービスを中 心とする双方向行政サービスを地上デジタル放送の活用 により提供することの検討、4)市の防災要員への迅速 な連絡と参集のための防災用緊急情報伝達システムの整 備、以上 4 つの取り組みが記載されている。また、基本 目標④「はかどる ささえる 行政効率化」の方策の一 つ「ICT24)による業務改革」の中には GIS システムの活 用範囲拡大を検討すると書かれている。このような情報 化への取り組みを推進している西宮市において、防災安 全局は ICT とどのような関わりを持っているのか調査 した25) 西宮市役所では、防災関係部署間の縦割り行政を改め るため、2007 年 4 月に庁内の防災・防犯に係る指揮命 令及び情報処理機能を集約したのに併せ、消防局と人事 交流を含めた連携も強化し、防災・安全局を新設した26) そのため、防災安全局内の職員はそれぞれ、1)安全・ 安心対策グループ:事務職員 5 名、嘱託職員(交通指導 員、運転手)、11 名、2)防災対策グループ:課長、課 長補佐(技術職の土木)2 名、係長(消防職・技術職の 土木)各 1 名、係員(技術職、電気 1 名と土木 2 名)3 名、 事務職員 1 名、消防、OB の嘱託職員 2 名、3)防災・ 安全総務グループ:事務職員 3 名、以上の職員によって 構成されている。 防災安全局の業務のうち、特に ICT を用いたものと しては、防災対策グループが担当している「にしのみや 防災ネット」とポータルサイト「にしのみや防災・安全 ガイド」がある。前者は災害時等に市から避難勧告等の

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緊急情報や気象警報・土砂災害警戒情報、津波・地震情 報が、あらかじめ登録していた携帯電話のメールアドレ スに自動で配信される情報提供サービスで、後者は西宮 市がインターネット上に配信している防災・安全に関わ るさまざまな情報を一元的に管理・配信するものである。 このように防災安全局では一部 ICT を用いた行政サー ビスを提供している。 ICTの進展による変化について、現場で働く防災安全 局の職員としてどのような認識を持っているのか訪ねた ところ、以下のような回答が得られた。まず、「(第二次 西宮市情報化推進)計画には推進するとは書いてあるが、 ICTの活用は少なく、業務に直接的な影響はない」とい う。次に、ICT を活用する上での最大の欠点として挙げ られるのが、電気がなければ動かないという点である。 また、例えば、「にしのみや防災ネット」のようなメー ルサービスの運用はあるが、高齢者には取っ付き難いと いう欠点があるという。そして、阪神・淡路大震災直後 はあまり普及していなかった携帯電話がここ 10 年の間 に普及したように、ICT 技術の発展は未知数であるため、 長期的視野は持っていないということである。非常時に おける信頼性や行政サービスとしての汎用性が防災に関 わる行政分野における ICT 活用に向けての障壁となっ ていると考えられる。 一方、前述した西宮市に特徴的な情報技術である被災 者支援システムなどに活用されている GIS の今後の活 用については、「今後の活用は考えていく。消防局にお いて活用されている GPS など使い勝手のよいものは 使っていく」という回答が得られた。また、兵庫県が持 つ防災システムであるフェニックス防災システムと西宮 市が持つ被災者支援システムがどのように連携している のかという質問に対しては、県と市、それぞれに役割の 違いがあり、システムの棲み分けができているという回 答であった。フェニックス防災システムは県が把握する 広域のものであるのに対し、被災者支援システムは対市 民用で市の中で使うものだという。市だけでは情報を収 集できないものは、フェニックス防災システムから情報 の提供を受け、県と市の間で細かな情報共有がされると いう。

Ⅴ.おわりに

以上でみてきたように、今回の調査によって、「はじ めに」で掲げた調査目的のうち、①西宮市における GIS の導入・発展要因、② GIS を防災に応用することの利 点と限界は、ある程度明らかになったといえる。しかし、 ③西宮市における防災組織の編成過程と防災計画の策定 過程については、防災組織の統括部門とその防災計画へ の関わりをみるにとどまった。防災組織の構成要素であ る各部局の防災計画への関わりや、市の防災計画の性質 そのものにまで踏み込むには至らなかった。従って、④ 情報通信技術(ICT)の防災体制に与える影響も、その 限度での検討にとどまっている。調査の計画や方法等の 検証も含めて、課題が残った。 その他、今後の課題として浮上したものは、隣接する 基礎自治体間や基礎自治体と広域自治体間の、情報技術 に関する連携や調整の問題である。例えば、ある基礎自 治体がその地域における災害弱者の存在を地図上で完全 に把握できていたとしても、他の自治体がそのことを把 握できていない場合、災害の発生によって当の自治体の 機能が麻痺してしまうと、せっかくの情報が他の自治体 の救援活動に活かされないことも考えられる。特定の基 礎自治体が有するすぐれた情報技術やそれによって管理 されている情報を、隣接自治体を中心に他の自治体も活 用できるような仕組みを講じておく必要がある。基礎自 治体間の連携や、広域自治体による調整にも目を向けて いく必要があるだろう。その際にも、個人情報保護法制 が障壁の一つになる可能性がある。究極的には、同法が 保護する個人の尊厳・人格権といった諸利益と、災害対 策基本法が保護する国民の生命、身体及び財産といった 諸利益との間の調整問題といえるだろう。ただ、諸利益 や諸価値が輻輳する今日、両者が保護する諸利益を明確 に区別し、互いに対立するものとして把握できるかどう かは、子細な検討を要するだろう。 謝辞 本調査の実施にあたっては、西宮市情報センター及び 防災・安全局防災対策グループにご協力をいただいた。 お忙しい中、親切にご対応くださった(財)西宮市都市 整備公社副理事長 吉田稔 様をはじめ、市と公社の担当 役職員の方々には、あらためて感謝を申し上げる次第で ある。

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1 )西宮市調査に参加した教員は、今仲康之、佐藤満、山本隆 司。研究生は、鶴谷将彦。大学院生は、博士後期課程、新子 眞佐夫、博士前期課程、Erdenechuluun Delgertsetseg、池浦 健太郎、井上智史、大内章平、馬場理江、石川裕貴、岡本彩、 加藤彰二、興梠壮寿、竹中友美、寺嶋由加利、中西賢であっ た。この研究ノートは、「はじめに」と「おわりに」を新子が、 第 2 章を石川が、第 3 章 1 節 2 節を加藤が、3 節を中西が、 第 4 章 1 節を興梠が、2 節を石川が、3 節を寺嶋が執筆した。 事前の文献調査、質問事項の整理、現地での質問、及びノー トテイクは参加者全員の共同作業である。もちろん、上記執 筆者が、各自の執筆部分について文責を負うのはいうまでも ないが、この研究ノートが「政治行政過程と法政策研究」リ サーチプロジェクト全体の成果であることも記しておきた い。 2 )西宮市「西宮市の地勢と災害」http://www.nishi.or.jp/home page/boutai/02kihon/01tisei/01.html(2010/10/30) 3 )西宮市「西宮市の大雨・台風災害の履歴および西宮市の地 震災害履歴」http://www.nishi.or.jp/homepage/boutai/04jisin/ rireki/rireki.html(2010/10/30) 4 )西宮市「第四次西宮市総合計画」p.76、http://www.nishi. or.jp/contents/00010539000200001.html(2010/10/30) 5 )西宮市「西宮市財政の現状―西宮市の財政を考える(Ⅵ-1)―」 平成 20 年 2 月、p.2 6 )同上、p.4。 7 )西宮市「第一次情報化推進計画」2002 年、http://www.nishi. or.jp/contents/00005273000200001.html(2010/10/28) 8 )西宮市「第二次情報化推進計画」2006 年、pp.16-17、http:// www.nishi.or.jp/media/2007/suisinnkeikaku_2nd.pdf.pdf (2010/10/28) 9 )公益法人日本生産性本部「先進自治体等のチャレンジに学 ぶ∼ e-Japan の 5 年を超えて(第 5 回『西宮市』)」『健全な 情報社会をめざして』第 63 号、2006 年、p.3、http://www3. jpc-net.jp/cisi/pdf_file/sensinjititai05.pdf (2010/10/28) 10)GIS(Geographic Information System)とは「位置情報を

有するデータを効率的に蓄積、検索、変換して、空間解析や 地図出力、さらに意思決定支援を行うコンピュータ・システ ム」である。村山祐司『地理情報システム』朝倉書店、2005 年、はしがきⅰ。位置・空間データと、それを加工・分析・ 表示するための GIS ソフトウェアから構成されており、GIS ソフトウェアで様々なデータを電子地図の上に層(レイヤ) ごとに分けて載せ、位置を軸にして多くの情報を結びつける ことができる。こうしたシステムによって、相互の位置関係 の把握、データ検索と表示、データ間の関連性の分析などが 可能になる。国土交通省国土計画局参事官室 GIS ホームペー ジ http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/gis/index.html (2010/10/28) 11)吉田稔「真の住民のための自治体 GIS」『測量』日本測量 協会、2007 年、pp.14-15。

12)UIS(Urban Information Systems)とは、道路管理、固定 資産管理、建築確認などの都市計画に関する政策的意思決定 を支援するシステムの開発を目的とした実験・研究であり、 日本における GIS の先がけ的存在。国土空間のグラフ構造に よる把握、データの構造化と統合化を図るデータ管理手法の 確立がシステムのコンセプトとなっており、その後の GIS の 発展のベースとなった。「第一特集 日本の GIS―その軌跡 をたどる」『GISNEXT』18 号 2007 年、pp.15-16。他方、UIS は地理情報データベースを構築というシステムコンセプトを 持っているため、詳細で大量のデータ収集が必要とされるが、 そのデータリソースを日常業務分野に依存しているという欠 点があった。この日常業務分野への支援機能が欠如していた ため、データの維持更新が困難となり、UIS を業務で利用す ることは困難であった。岡部篤行「日本における 1970・80 年代の GIS 開発」『地学雑誌』Vol.117(2)、2008 年、pp.314-315。 13)MapInfo Japan「国内導入ケース、西宮市」http://japan. mapinfo.com/location/case/jp/nishinomiya.html(2010/10/28) 14)「第一特集 日本の GIS―その軌跡をたどる」『GISNEXT』 18 号、2007 年、pp.21-22 15)碓井照子「G-XML 国際セミナー、イントロダクション」 2002 年、http://www.dpc.jipdec.or.jp/gxml/contents/shiryou/ download/seminar/Seminar_Usui.pdf(2010/10/28) 16)前掲記事 注 14)、p.23 17)総務省「西宮市ヒアリング(システムの自己開発、職員研 修 の 強 化 他 )」http://www.soumu.go.jp/denshijiti/system_ tebiki/jirei/siryo-nishinomiya_interview.pdf、p.21(2010/10/28) 18)矢野(1999)を参考にした。 19)山崎ら(2007)の論文による分類を用いた。手上げ方式と は、避難支援の担い手による広報等によって要援護者自身が 自主的に存在を知らせるものであり、関係機関共有方式とは、 あらかじめ要援護者の情報を他の部署等から提供してもら い、戸別訪問を行うものである。後者において目的外利用が 問題となりうる。 20)松永伸吾・林春男・河田惠昭「地域防災計画にみる防災行 政の課題」『地域安全学会論文集』No.7、2005 年、p.2 21)中央防災会議「防災基本計画」2008 年 2 月 18 日、中央防 災会議、p.4 22)前掲論文 注 20)、pp.2-3 23)消防科学総合センター「地域防災計画改訂作業の流れ」、 http://www.isad.or.jp/cgi-bin/hp/index.cgi?ac1=IS07&ac2=&ac3 =72&Page=hpd_view(2010/10/30)

24)ICT と は、 情 報 通 信 技 術(Information Communication Technology)の略称で、従来の IT(Information Technology) に比べ、通信や協働などの意味合いを強調する意味で使われ る。

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26)西宮市「平成 21 年度「西宮市地域防災計画(素案)」及び 「西宮市水防計画(素案)」へのパブリックコメント結果報告」 http://www.nishi.or.jp/media/2008/20090313kekkahoukoku. pdf、p.5(2010/11/2) 引用・参考文献 ・碓井照子「G-XML 国際セミナー、イントロダクション」 2002 年、http://www.dpc.jipdec.or.jp/gxml/contents/shiryou/ download/seminar/Seminar_Usui.pdf(2010/10/28) ・岡部篤行「日本における 1970・80 年代の GIS 開発」『地学雑 誌』Vol.117(2)、2008 年 ・公益法人日本生産性本部「先進自治体等のチャレンジに学ぶ ∼ e-Japan の 5 年を超えて 第 5 回 西宮市」『健全な情報社会 をめざして』第 63 号、2006 年、http://www3.jpc-net.jp/cisi/ pdf_file/sensinjititai05.pdf(2010/10/28) ・国土交通省国土計画局参事官室 http://www.mlit.go.jp/kokud okeikaku/gis/index.html(2010/10/28) ・消防科学総合センター「地域防災計画改訂作業の流れ」  http://www.isad.or.jp/cgi-bin/hp/index.cgi?ac1=IS07&ac2=&ac3 =72&Page=hpd_view(2010/10/30) ・総務省「西宮市ヒアリング(システムの自己開発、職員研修 の強化他)」 http://www.soumu.go.jp/denshijiti/system_tebiki/ jirei/siryo-nishinomiya_interview.pdf(2010/10/28) ・ 中 央 防 災 会 議「 防 災 基 本 計 画 」2008 年 2 月 18 日、http:// www.bousai.go.jp/keikaku/kihon.html(2010/10/30) ・西宮市「第一次情報推進計画」2002 年、http://www.nishi. or.jp/contents/00005273000200001.html(2010/10/28) ・西宮市「第二次情報推進計画」2006 年、http://www.nishi. or.jp/media/2007/suisinnkeikaku_2nd.pdf.pdf(2010/10/28) ・西宮市「第四次西宮市総合計画」 http://www.nishi.or.jp/ contents/00010539000200001.html(2010/10/30) ・西宮市「西宮市財政の現状―西宮市の財政を考える(Ⅵ-1)―」 平成 20 年 2 月、www.nishi.or.jp/media/2007/h20%20genjyo. pdf(2010/10/30) ・西宮市「西宮市の大雨・台風災害の履歴および西宮市の地震 災害履歴」 http://www.nishi.or.jp/homepage/boutai/04jisin/ rireki/rireki.html(2010/10/30) ・西宮市「西宮市の地勢と災害」http://www.nishi.or.jp/home page/boutai/02kihon/01tisei/01.html(2010/10/30) ・西宮市「平成 21 年度「西宮市地域防災計画(素案)」及び「西 宮市水防計画(素案)」へのパブリックコメント結果報告」 http://www.nishi.or.jp/media/2008/20090313kekkahoukoku.pdf (2010/11/2) ・西宮市議会「西宮市議会録」平成 19 年 3 月(第 16 回)定例 会 ― 02 月 22 日 ― 01 号、02 月 28 日 ― 02 号、03 月 01 日 ― 03 号、03 月 06 日 ― 06 号、03 月 07 日 ― 07 号、03 月 20 日 ― 08 号 ・西宮市情報化推進本部「第二次西宮市情報化推進計画」2006 年、http://www.nishi.or.jp/media/2007/suisinnkeikaku_2n d.pdf.pdf(2010/11/2) ・松永伸吾・林春男・河田惠昭「地域防災計画にみる防災行政 の課題」『地域安全学会論文集』No.7、2005 年 ・村山祐司『地理情報システム』朝倉書店、2005 年 ・矢野桂司『地理情報システムの世界:GIS で何ができるか』 ニュートンプレス、1999 年 ・山崎栄一他「災害時要援護者の避難支援―個人情報のより実 践的な収集・共有を目指して」『地域安全学会論文集』No.9、 2007 年 ・吉田稔「真の住民のための自治体 GIS」『測量』日本測量協会、 2007 年 ・MapInfo Japan「国内導入ケース、西宮市」 http://japan. mapinfo.com/location/case/jp/nishinomiya.html(2010/10/28) ・「第一特集 日本の GIS―その軌跡をたどる」『GISNEXT』18 号、2007 年

表 1 西宮市の概要 面積 100 . 18 k ㎡ 人口 465,338 人 年少人口比率 14 . 5% 老年人口比率 14.6% 歳入総額(平成 21 年度) 2 , 701 億 1 , 972 万円 出所)  面積、人口、年少人口比率、老年人口比率は「平成 17 年度版国勢調査結果」から作成。歳入総額は平成 21 年 度予算の概要を参照。 図 1 西宮市の位置 出所)西宮市ホームページ http://www.nishi.or.jp/homepage/boutai/02kihon/01tisei/01

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