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高校生を対象とする抑うつ対処の自己効力感を高めるグループアプローチの実践的研究-論理療法の考えを活用した心理教育プログラムの開発及び実践-

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Academic year: 2021

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(1)高校生を対象とする抑うつ対処の自己効力感を高めるグループアプローチの実践的研究       一論理療法の考えを活用した心理教育プログラムの開発及び実践一 学校教育学専攻 学校心理学コース.    M08039B    松岡 均.  I 問題の所存と研究目的. 野ら1994)18項目を使用した。また自由記述によ.  抑うつは高校生の多くが経験しがちな問題であ. る調査.も行い、質的な面からの検討も行った。. るのにもかかわらず.効果的な抑うつ対処や予防.  授業の第1回は導入としてリフレーミンクの考え. に関する知識を学ぶ機会はほとんどないのが現状 であり,予防的心理教育の具体化は喫緊の課題で. 方を紹介し,認知を柔軟にし物事を多面的に捉え る意味を体験的に学習するプログラムを実施する。. ある。また,抑うつに対処するための知識やスキ. 第2回,3回は高校生の持ちがちな硬いビリーフ(信. ルを身につけておくことは1将来における精神保. 念)の柔らかなビリーフヘの変容を目指す論理療. 健の観点からも極めて重要であると考えられる。. 法の考え方を活用したプログラムを実施した。. 本研究の目的は.抑うつ対処のための心理教育プ ログラムの開発をめざすことにある。自己効力感.  皿 結果. を高めることが抑うつ対処において重要であると 考え.認知行動的アプローチのなかでも,多くの. 1 因子分析の結果  ①J1BT短縮版の因子分析. 思考パターンの選択肢を積極的に提示して,認知.  第I因子は,一「自己への期待(5項目、α=.82)」,. の幅を広げ,思考を柔軟にし,自己解決を促進す. 第皿因子は.「倫理的非難(5項目,α=.76)」,第皿. るr論理療法」に着目し,プログラム開発を行っ. 因子は.r問題の回避(7項目,α二.73)」、第IV因子. た。. は、「依存的傾向(4項目、α=.73)」と解釈された。. 以上,4因子構造20項目となった。.  I 方法.  ②抑うつ対処の自己効力感尺度の因子分析.  「論理療法」を活用した心理教育プログラムを.  第I因子は.r注目点(6項目,α=.875)」、第五. 開発し1学級全体へのグループアプローチ(50分. 因子はI「客観化1多面的評価(6項目,α三864)」. x3回)の実践を行い,その効果を検証する。その. と解釈された。以上.2因子構造12項目となった。. うえで,高校生の抑うつ対処の自己効力感を高め,.  ③ストレス反応尺度の因子分析. 抑うつを予防するプログラムとしての有効性につ.  第I因子は、「不機蝉・怒り(5項目、α=一870)」,. いて実証的な検証を行う。. 第皿因子は、「抑うつ不安(6項目、α=.847)」,第.  対象者は①A高等学校生徒 第2学年4クラス(内. 皿因子は.「無気力反応(6項目,α=.790)」とそれ. 2クラスは統制群)実践群69名、統制群72名.②同. ぞれ解釈された。以上.・3因子構造17項目となった。. 高等学校生徒 第1学年4クラス(内2クラスは統制 群)155名実践群76名、統制群79名。. 2 プログラム実施前後の変容 第2学年  ①不合理な信念(ビリーヲ)の変容. 実践時期は①2009年3月下旬実施、②2009年7月中.  全項目の合計得点に関して、分析の結果.時期. 旬実施である。質問紙として①ビリーフの変化を. において主効果年見られた(F(2,266)=20.63,p<。. 測定するものとして、不合理な信念測定尺度短縮. 001)。時期と群の交互作用が0.1%水準で有意であ. 版JlBト20(森ら1994)の20項目、②抑うつ対処の. り(F(2,226)・19.45,P〈.001)=17.70,P<.001),. 自己効力感を測定する毛のとして,抑うつ対処の. 実践群のほうが統制群に比べ,実践後に不合理な. 自己効力感尺度(及川・坂本2007)のうち.認知. 信念が減少していることが示された。一方.統制 群の値は、プログラム実施前後でほとんど変化が. 的側面に関する12項目,③ストレスの変化を測定 するものとして、高校生用ストレス反応尺度(一. 見られなかった。次に,各項目から構成された下. 一84一.

(2) うが自己効力感が高まっていることが示された。. 位尺度においても検証したが1結果はいずれも交 互作用が有意であった。一方、統制群の値は、プ. 一方.統制群の値は.プ1コグラム実施前後でほと. ログラム実施前後でほとんど変化が見られなかっ. んど変化が見られなかった。下位尺度においても.. た。1ヶ月後に継続調査をおこなったところ、不 合理な信念はプログラム実施直後に比べて増加し. 実践群は統制群1こ比べ.抑うつ対処の自己効力感. てきてはいるものの1実践群において,不合理な. たところ,両群に有意な差は認められなかった。. 信念の減少は持続していることが明らかにされた。.  ③ストレスの変容. なお.男女の性差に関しては,いずれも有意な差.  全体では有意差は見られず、下位尺度の「抑う. は見られなかった。. つ不安」に関してのみ交互作用が有意であり(F(2,.  ②抑うつ対処の自己効力感の変容. 304)=3.64,pく.05)、プログラム実施後の有意な減.  分析の結果,時期において主効果が見られた。(F. 少が見られた。継続調査をおこなったところ,両. (2,264)=13.06.p<.001)。分析の結果0.1%水準で. 群に有意な差は認められなかった。. の有意な高まりが見られた。継続調査をおこなっ. 交互作用が有意であり(F.(2,264)=12.30,p<.001)、. 実践群のほうが統制群に比べ,実践後に自己効力.  π 考察. 感が高まっていることが示された。一方、統制群.  高校生を対象に.抑うつ対処の自己効力感を高. の値は.プログラム実施前後でほとんど変化が見. めることを目的とする論理療法を活用した心理教. られなかった。下位尺度においても,実践群は,. .青プログラムを学級において実施した結果,実施. 抑うつ対処の自己効力感の有意な高まりが見られ. 直後では不合理な信念は減少.抑うつ対処の自己. た。統制群は,各内容に関して,プログラム実施. 効力感悼高まり,その効果が実証された。また精. 前後でほとんど値に変化はなかった。実践群は1 ヶ月後に継続調査をおこなったところ、プログラ. 神保健の観点から、認知的側面に働きかけるグル ープアプローチの抑うつ予防1こおける有効性が示. ム実施直後に比べて.抑うつ対処の自己効力感の. された。. 低下がみられたものの,実施前と比較して自己効 力感の高まりは持続していることが示された。.  ③ストレスの変容  同様な手法で分析をおこなったが,第2学年に関.  しかし.1ヶ月後の継続調査においては.改善 状態は元に戻りつつあった。このような心理教育 プログラムの実施にあたっては.単発的なプログ ラムヒおいても効果は上がるものの,プログラム. しては交互作用は有意ではなかった。(F(2,264)=. の効果を持統させていくため1こは,年間計画を基. 1.39,n,s.)。. に継続的な取り組みを行うことがより一層効果的. 3 プログラム実施前後の変容 第1学年  ①不合理な信念(ビリーフ)の変容. であることが示唆された。以上の問題点を考慮し、.  時期こおいて主効果が見られた(F(2,306)=20.4. 果的なものしていくことが今後の課題である。. プログラムの精緻化を図り.より生徒にとって効. 3,P<.001)。時期と群の交互作用が0.1%水準で有 意であり(F(2,306)=17.70,p<.001)、。実践群のほ.   カウンセリングの考え方や技法の活用が、生徒 を育てるという視点から教育現場で広カミりをみせ. うが、実践後に不合理な信念が減少していること. つつあるなかで,すべての生徒を対象とする1次支. が示された。一方,統制群の値は1ほとんど変化. 援モデルとしての心異教育プログラムを.各々の. が見られなかった。下位尺度においてもいずれも. 教育現場に応じて柔軟に活用することで.開発的. 交互作用が有意であった。継続調査をおこなった. ・予防的な教育相談活動の定着を図ることが望ま. 結果,不合理な信念の減少は持続していることが’. れる。. された。なお.男女の性差に関して検証したが. いずれも有意な差は見られなかった。.  ②抑うつ対処の自己効力感の変容. 主任指導教員 浅川 潔司.  分析の結果、時期において主効果が見られた。(F.   指導教員 新井 肇. (2,304):7,761p〈.01)。0.1%水準で交互作用が有. 意であり(F(21304)=14.07,p<.001),実践群のほ. 一85一.

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