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小腸刷子縁膜小胞へのD-グルコース、L-ロイシン、L-ロイシルグリシン取り込みに及ぼす腸管内基質、オリゴペプチドとアミノ酸への影響

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Academic year: 2021

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小腸刷子縁膜小胞へのD-グルコース、L-ロイシン、

L-ロイシルグリシン取り込みに及ぼす腸管内基質、

オリゴペプチドとアミノ酸への影響

著者

小畑 寛純

発行年

1989-03-24

URL

http://hdl.handle.net/10422/1721

(2)

氏名・(本籍)

学位の種類

学位記番号

学位授与の要件 学位授与年月日 学位論文題目

お はた ひろ ずみ 小 畑 寛 純(京都府) 医学博士 医博第54号 学位規則第5条第1項該当 平成元年3月24日 小腸刷子縁膜小胞へのD−グルコース、L−ロイシン、L−ロイシルグ リシン取り込みに及ぼす腸管内基質、オリゴペプチドとアミノ酸への影 響 審 査 委 員 主 副 副 査 査 査 教 教 教 授 授 授 野 細 上 崎 田 田 光 四 洋 郎 潔 論 文 内 容 の 要 旨 〔目 的〕 腸管内基質としてのオリゴペプチドが、ラット刷子縁膜アミノペプチダーゼ活性を有意に上昇 させ、その反転腸管でのアミノ酸やジペプチドの吸収を元進させることが報告されている。この 吸収元進の機序を解明することがこの研究の目的である。 〔材料と方法〕 1.実験動物と飼料 オリゴペプチド成分栄養剤(SP−ED)とアミノ酸混合成分栄養剤(AA−ED)を用いて、4 過齢Wistar系雄ラットを4週間飼育した。飼料は1kcal/hlの水溶液として自由摂食させた。 SP−EDとAA−EDの成分は窒素源がオリゴペプチドか、アミノ酸かの違い以外は他の成分 に差はない。 2.小腸刷子縁膜小胞の精製 それぞれの飼料で飼育したラットの小腸粘膜から刷子縁膜小胞をKesslerらの方法に従い調製 した。小胞の形態確認を電子顕微鏡で行い、精製度を確認するためにマルターゼ、アルカリホス ファターゼなどをmarker enzymeとして測定した。 3.D一グルコース、L−ロイシン、L−ロイシルグリシンの刷子縁膜小胞への取り込み実験 取り込み実験はそれぞれの14C標識トレーサーを用い、Nd+勾配存在下でmillipore filter (HAWP pore size0.45pm)を用いてHopferらの急速濾過法にて行った。そしてその filter の放射能活性を測定することによりその取り込み量を算定し、kiIleticsを測定した。使

ー25−

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用したトレーサーの内、L−〔U−14C〕一ロイシルグリシンは1eucyl−tRNA synthetase を用いてL−〔U−14C〕−ロイシンとグリシンから作成した。 4.小胞内のL−ロイシルグリンの同定 小胞内に取り込まれたL−ロイシルグリンを同定するために、kinetics測定と同じ条件でL −ロイシルグリシンを取り込ませた小胸を過塩素酸で抽出し、高速液体クロマトグラフィーにて 分画採取し、その放射能活性を測定した。 〔結 果〕 1.ラットの体重変化や一日飼料摂取量 ともに飼育期間中SP群、AA群に有意差はなかった。 2.刷子縁膜小胞の確認 得られた刷子縁膜小胞分画の電子顕微鏡観察では多数の小胞を認め、得られた小胞の直径は両 群問に差を認めなかった。また精製度も両群ともほぼ同じで、良好なものであった。 3.D−グルコース、L−ロイシン、L−ロイシルグリシンの取り込み

取り込みのtime courseはD−グルコース、L−ロイシンでは0Ver Shootがみられた が、L−ロイシルグリシンでみられなかった。D−グルコースの取り込み値は両群に有意差はな かったが、L−ロイシンではそのpeak値がAA群に比べSP群で有意に大きかった。またL−ロ イシルグリシンでもSP群で取り込み値が有意に大きかった。 Kinetics はいずれも2相性のMichaelis−Menten型を示した。Wolfframらの方法で補 正し、求めたD一グルコースの臨rlとJmaxには両群間に差がなかった。またL−ロイシンとL −ロイシルグリシンのKmは両群問に差がなかったが、JmaxはL−ロイシンではSP群がAA 群に比べ約1.7倍、L−ロイシルグリシンではSP群がAA群に比べ約2倍有意に大きかった。 4.小胞内のL−ロイシルグリシンの同定 小胞内に取り込まれたL−ロイシルグリシンはSP群、AA群とも約27%が加水分解後のL− ロイシンとして存在していた。 〔考 察〕 SP、AA両群の体重や飼料摂取量に差がなかったことから、両群間に栄養学的な差はなかった と考えられる。またmarker enzymeのenrichmentや形態から、両群から得られた刷子縁 膜小胞もほぼ同程度に良好に精製されているといえる。さらに、同じ条件で測定した小胞へのD −グルコースの取り込みは両群間に差がないことから、AA群に比べSP群でのL,ロイシン取り 込みの元進は、能動輸送の元進によると考えられる。L−ロイシルグリシンの取り込みもSP群 でAA群に比べ有意に元進していたが、易分解性のL−ロイシルグリシンは加水分解されずに小 胞に取り込まれていることを確認した。即ち、L−ロイシルグリシンの取り込みのtime course はL−ロイシンの取り込みと違ってovershootがみられなかったことや、取り込まれたLq ロイシルグリシンの大部分が加水分解を受けていなかったことから、L−ロイシルグリシンは加 水分解されずに刷子縁膜小胸に取り込まれていた。 一26−

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以上のことからAA群に比べSP群でのL,ロイシン、、L−ロイシルグリシンの取り込みの元 進は、刷子縁膜小胞を用いた取り込みのkineticsよりア・ミノ酸やジペプチドの輸送担体数がA A群に比べSP群で有意に増加しているからで、これは腸管内基質としてのオリゴペプチドの影 響であると考えられる。 〔結 論〕 SP−EDとAA−EDで飼育したラット小腸刷子線膜小胞を用いて、D−グルコース、L−ロイ シン、L−ロイシルグリシンの取り込み実験を行らた結果、D−グルコースの取り込みは両群に 差はなかったが、L−ロイシン及びLPロイシルグリシンの取り込みはAA群に比べSP群で有 意に元進していた。このことから腸管内基質としてのオリゴペプチドが小腸刷子縁膜のアミノ酸 やジペプチドの輸送担体を増加させるという興味ある事実が明らかになった。 学位論文審査の結果の要旨 本論文は、腸管内基質としての飼料中のオリゴペプチドが小腸のアミノ酸やジペプチドの吸収 に及ぼす影響を調べたものである。オリゴペプチド成分栄養剤(SP−ED)、あるいはアミノ酸 混合成分栄養剤(AA∼ED)で飼育したラットの小腸刷子縁膜小胞を用い、D−グルユース、L −ロイシルグリシンの小胞内への取り込みを測定した。その結果、いずれの場合もMichaelis −Menten型に当てはまる担体輸送であることが示された。 D−グルコースの取り込みの最大 輸送能(Jmax)は両群間に差が認められないが、L−ロイシンやL−ロイシルグリシンのJmaxは AA群に比べ、SP群で有意に大きい値を示した。しかし、いずれの基質も、輸送担体との親和性 (Km)は両群間に差がなかった。 以上の実験結果をもとに、腸管内基質となるオリゴペプチドが、ジペプチドばかりでなく、ア ミノ酸の輸送担体をも誘導したと推察している。 飼料中のオリゴペプチドは、小腸刷子縁膜のアミノペプチダーゼを誘導し、その活性を上昇さ せることが報告されているが、本研究は腸管内基質としてのオリゴペプチドが、ジペプチドやア ミノ酸の輸送担体を誘導するという新山\事実を見出したものであり、臨床的にも輸液栄養の研 究に新しい知見を与えるものである。よって本研究は学位論文として価値あるものと認める。 ー27−

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