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2016.12 Vol.11 N o.3
当院は2005年4月1日より総合周産期母子医療センター
に指定されています。岡山県では総合周産期母子医療セ
ンターとして倉敷中央病院と当院の2施設が指定され、岡
山大学病院、岡山赤十字病院、川崎医
科大学附属病院、津山中央病院の地
域周産期母子医療センターとして指定
された4施設と協力して、県内のハイリ
スク妊娠・分娩をカバーしています。
総合周産期母子医療センター
総合周産期母子医療センターは、産科(母体・胎児部門)
および新生児科・小児外科(新生児部門)を中心として構成
されています。種々の専門科の協力を得て、母体や胎児
に合併症を持つ妊婦さんを妊娠中から産後まで、赤ちゃん
を胎児期から新生児期まで一貫してケアしています。患者
様は妊婦・産褥婦、胎児・新生児ということになりますが、セ
ンター内では医師、助産師、看護師、臨床心理士を中心に
他のコメディカルの協力も得ながら、患者様の治療に当た
らせて頂くだけでなく、母子を中心としたご家族ごとサポート
できるようチーム医療を実践しています。
赤ちゃんにやさしい病院
(BFH:BabyFriendlyHospital)
旧 国 立 病 院 時 代、
1991年にWHOユニセ
フより先進国で初めて
「赤ちゃんにやさしい病
院」に認定されました。
私たちの病院では、母
乳育児を中心として母
子の幸せ、家族の幸せ
のために様々な取り組
みをしています。
毅分娩直後の早期接触と母子同室
生まれて間もない赤ちゃんとお母さんにとって、肌と肌の
触れ合いはとても大切な時間です。生まれたばかりの赤
ちゃんは状態が安定しないこともあるので、体温や呼吸状
態に注意し、スタッフが安全に十分配慮しています。
毅母乳哺育による糖尿病の発症予防効果
妊娠中に初めて発見された糖尿病を妊娠糖尿病と言い
ます。妊娠糖尿病は産後に改善することが多いですが、も
し治っていても、妊娠糖尿病になった方は、そうでなかった
人に比べて約7倍の頻度で糖尿病になることが知られてい
ます。
産後に母乳哺育をしたお母さんは、将来糖尿病になる割
合が減ることなど良い効果が知られていますが、日本での
はっきりしたデータはまだありません。国立病院機構成育
医療ネットワーク研究では、この関係を明らかにするため多
施設共同研究(主任研究者:長崎医療センター、安日一郎
先生)をしており、私たちの施設も参加しています。
先進医療
胎児の脈拍数は普通1分間に120~160回程度ですが、
心臓の電気刺激や電気の通り道に異常が起こると、200回
以上の脈拍数になることがあります。脈の速い状態(頻
脈)が長く続くと、赤ちゃんの心臓の働きが悪くなり、全身
がむくんで赤ちゃんが亡くなることがあります。この場合、
お母さんが不整脈の治療薬を飲むことで赤ちゃんの脈の
状態を収めることができますが、日本での定まった治療
法はありませんでした。現在、日本胎児治療グ ループ
(http://www.fetusjapan.jp/)では統一した治療法を決め
て、この治療法の有効性と安全性について研究しています。
■産婦人科・診療部長 多田 克彦
特集
診療科等紹介
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胎児の頻脈性の不整脈は極めてめずらしい病気のため、
胎児期の診断や出生後の新生児の診断・治療には一定の
スキルが必要で、現在日本で14施設が先進医療施設とし
て認定されています。私たちの施設も、循環器内科の協力
を得て、新生児科と共にこの研究に参加しています。
双胎(ふたご)妊娠への取り組み
双胎妊娠は早産や妊娠高血圧症、さらには一絨毛膜二
羊膜双胎(MD双胎)は、双胎間輸血症候群(TTTS)などを
発症する可能性があるハイリスク妊娠です。私たちの施設
では年間約40件の双胎妊娠管理を行っています。妊娠35
週未満に早産で出生する双胎の方は、全国平均よりは低い
ですが約30%おられ、NICUの病床の圧迫などの問題が
出てきます。またTTTSは発症した場合、両方の児の予後
が悪くなる可能性が高く、早期発症した場合は胎児鏡下手
術を行わなければならない疾患ですが、突然発症するケー
スもあり発症の予測が非常に困難です。
そのため双胎妊娠管理ではきめ細かな母体胎児観察が
必要であること、および妊婦さん自身がハイリスク妊娠であ
ることの認識をさらに強めていただく目的で、多胎専門外来
を開設しました。多胎外来では切迫早産、妊娠高血圧症、
さらにTTTSなどのリスクがないかを細かく確認し、妊婦さん
には多胎に関してのパンフレットをお読みいただき、気にな
る症状が診察時以外でもないか注意していただく様指導さ
せていただいて
います。今後さら
に双胎の早産率
低下やTTTSの早
期 発 見などにつ
ながれば、と考え
ています。
またTTTSの発
症の原因となる胎盤吻合血管の同定を行うため、出産後の
MD双胎の胎盤血管に色素を注入し吻合血管の詳細な観
察を行っています。
*多胎専門外来は毎週水曜日の午後で、担当は沖本直輝
医師です。
婦人科疾患
婦人科は非妊娠期の女性の診療を担当しており、「女性
骨盤外科」と「女性内科」の二つの役割を持った診療科で
す。
「女性骨盤外科」としての婦人科で診療する代表的な病
気が、子宮や卵巣の腫瘍です。当院婦人科では良性腫瘍
を中心に、経過観察、お薬による治療、手術を行っておりま
す。良性腫瘍に対しては積極的に腹腔鏡手術を行っており、
適応症例を増やすべく日々トレーニングに励んでおります。
「女性内科」としての婦人科で診療する病気は多岐にわたり
ます。月経異常や、更年期の体調不良、性感染症など、
人には相談しにくい症状で婦人科を受診される患者様は大
変多く、意を決して受診された患者様に少しでも安心して
診察を受けていただけるよう、専門的な知識と愛をもって診
療にあたることを心がけております。思春期の女性から、閉
経後のご婦人まで、特に月経に関するお悩みをお持ちでし
たらお気軽に婦人科へお越し下さい。
現在、子宮内膜症の患者様に対して、新しいお薬の治
験を行っております。子宮内膜症と診断されている方だけ
でなく、月経痛がひどい方は一度当科を受診してみてくださ
い。
*子宮内膜症の治験の担当医は政廣聡子医師です。