産学共同プロジェクト「聖路加・テルモ新健康カレッジ」 セミナー実施状況と参加市民の健康意識について
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(2) 7 0. 聖路加看護大学紀要. No . 3 62 0 1 0 . 3 .. 心がけていた。市民アカデ ミー参加者は 6 0代の主婦が多 く,一般的な健康情報収集に加 え,講師か ら生 き る喜びや気力 を得て元気 になることを期待 していた。年齢や ライフスタイルの違いは,健康情報入手方法 や健康管理方法の違いを反映 していた。また,本セ ミナーは市民の健康意識-の気づ きゃ健康知識 を高め るきっかけ作 りに貢献 していることが示唆 された。 〔キ ー ワーズ〕社会貢献,産学共同プロジェク ト,市民健康セ ミナー,健康情報. ク」( 1 0月 1 0日 ( 金)実施). Ⅰ.はじめに. この市民 アカデ ミーは,2 1世紀 coEプログラムl ) の. .. 一つ として過去 4年間に毎年 1回実施 されていたものを,. 1 「 聖路加 ・テルモ新健康 カレッジ」 とは テルモ株式会社か らの寄付 により聖蕗加 ・テルモ共同. 聖路加 ・テルモ共同研究事業の一環 として継暴 した もの. 研究事業が立ち上がった。「 聖路加 ・テルモ新健康カレッ. である。テーマは① 「 新健康の考 え方∼健やかに生 きる. ジ」はその一環である。地域社会への貢献 を目指 して,. とは∼」講師 聖路加国際病院理事長 ,伺名誉 院長 ・聖. 2 08年度 より一般市民向けに様々な健康支援セ ミナー. 路加看護学園理事長. 日野原董明氏,② 「 健康診断の上. を開講 し,市民に健康 についての学びの場 を提供 してい. 手な活か し方∼主体的健康管理のために∼」簿師 聖蕗. る。. 加国際病院附属 クリニ ック ・予防医療セ ンター長 平松 園彼氏であ り,講演後のミニコンサー ト ( カンツォーネ). 2.「新健康」のコンセプ トとは. 3:3 0-1 6:0 0に開催 された ( 写 も含 めて平 日の午後 1. 「 無病息災ではな くても,たとえ持病があったとして. 真 1) 0. ち,上手 くその持病 をコン トロール しなが ら,心身 とも により良 く心豊かに生 きることを目指す」 という本学の 日野原重明理事長の提唱によるものである。. Ⅰ.目的 より良いセミナーを提供することを目指 して,セミナー. 3.新健康カレッジセミナー2008年度企画. の企画内容や運営方法が市民のニーズに合 っているか ど. 2 0 0 8年度 は 6回の小規模 セ ミナー と 1回の大規模講. うかを知 る2)ことを日的 とし,アンケー ト調査では①参. 演 とを合わせ,全 7回開催 された。. 加者の理解度や満足度お よび②参加市民の健康意識につ. ( 1 )「もっと知 ろう, 自分のカラダ !はつ らつキャリア. いて質問 した。. ウーマ ン編」 ( 春期 に 3回実施) テーマは( ∋「 妊娠 を迎える女性の体づ くり ・健康づ く り」講師 聖路加看護大学母性看護 ・助産学教授. 森明. 子氏,② 「 体のサインに気づいて病気 を未然 に防ごう」. Ⅱ.アンケー ト調査方法 と倫理的配慮 新健康 カ レッジセ ミナーシ リーズは全 6回 とも定点. ウイミンズ ・ウェルネス銀座 クリニ ック医師 関. 4 0名 を,市民 アカデ ミーは定員 3 0 0名 をそれぞれ募集. 根 さお り氏,③ 「キャリアウーマ ンに増加 している若年. した.募集方法はポスター,ちらし,雑誌掲載,インター. 性更年期障害 とは」講師. ネット掲載等である。セミナー開催時に参加者 にアンケー. 講師. よしの女性診療所院長 吉野. 0 0 8年 5月 2 1日 ( 水),6月 1 8日 -彼氏で,それぞれ 2. ト回答 を依頼 し,セ ミナー終了時に自由意思 により回収. 6日 ( 水)1 8:3 0-2 0:0 0に開催 された。 ( 水),7月 1. 箱で回収 した。質問用紙 には目的及びプライバ シーを侵. ( 2) 「もっと知 ろう, 自分のカラダ !はつ らつ シニアス. さないことを明記 し,回答 は無記名 とした。アンケー ト. テージ編」 ( 秋期 に 3回実施). の質問内容は,年齢,職業,セ ミナー-の参加動機,セ. テーマは( ∋「 身近 にお きる高血圧症 とその対策」講師. ミナーの感想 ( 内容, 日程,時間,テーマについて),. 聖路加国際病院 副院長 ・内科チェアマン ( 統括部長). 日頃の健康情報入手方法, 日頃の健康管理,セ ミナーに. 林田意明氏,( 診「 健康診断で見つける糖尿病や糖尿病予. 関する意見感想 についての自由記載などである。. 備軍 とその対策」講師 聖路加国際病院内分泌代謝科医 長. 門伝 昌己氏,( 参「 知 ってお くべ き腎臓の働 きや慢性. 腎臓病」講師 聖路加 国際病院腎臓内科部長 小松康宏. 0 0 8年 1 1月 1日 ( 土),1 2月 6日 ( 土). 氏で.それぞれ 2 2 09年 1月 1 0日 ( 土)1 4:0 0-1 5:3 0に開催 された。 ( 3)市民アカデミー 「 生活習慣病予防のための健康チェッ. Ⅳ.結果 1.はつ らつキャリアウーマン編 はつ らつキャリアウーマン編では妊娠や女性特有の病 気や症状 に関する現状の問題 と受診の仕方, 日常のケア.
(3) 小口他 :産学共同プロジェク ト 「 聖路加 ・テルモ 新健康 カレッジ」セ ミナー実施状況 と参加市民の健康意識について 71. 写真 1 講義風景. などについて,働 く女性 を対象 に講演が行われた。各セ. 回の内容 を引 き継 ぎ次回へ繋げるという形式 をとり,坐. 0名,② 3 0名,③3 6名の参加者 ミナーではそれぞれ①3. 活習慣 と関連深い疾病であることが強調 された。各セミ. 3. 3%,8 6 . 7%, があ り, アンケー ト回収率 はそれぞれ 9. 0名,②3 6名,③3 7名の参加者が ナーではそれぞれ①4. 9 1 . 7% ( 平均 9 0. 6%) であった. アンケー ト回答者の年. あ り, ア ンケー ト回収率 はそれぞれ 9 2. 5%, 8 8 . 9% ,. 0代 ( 6 0. 0%)が最 も多 く,次いで 2 0代 ( 21, 1%), 齢は3. 9 4. 6% ( 平均 9 2%) であった。アンケー ト回答者 は男性. 4 0代 ( 9. 4%)の順であった.3回シリーズの本セミナー. 1 4%,女性 8 5 . 9%で,年齢は 7 0代 ( 5 0 . 0%)が最 も多 く,. -の 2回参加者 は 1 7名,3回参加者 は 6名であった。. 0代 ( 21 . 6%), 8 0代 以 上 ( 1 6. 7%), 5 0代 次いで 6. 9 6 . 4%),次い 講演内容の理解度は 「わか りやすい」 (. で 「 ふつ う」 ( 3. 6%) であった。. ,「興味があった」 と答 え. 参加の動機 ( 複数回答)は. 5 . 8%で最 も多 く,次いで 「 健康情報収集のため」 た人が 5. ,. ( 2 6 . 7%) 「 講師が魅力」 ( 1 0 . 8%) の順であったO. 健康 に関する情報収集 ( 複数回答)は,インターネッ 2 8 . 3%) が一番多 く,次いでテ レビ トか ら得 ている人 ( ( 1 5 . 8%),新聞 ( 1 3 . 8%),雑誌 ( 1 3 . 2%) の順であった。. ( 9 . 8%)の順であった。3回シリーズの本セミナーへの 2. 回参加者は 1 8名 .3回参加者は 1 1名であった。 8 8 . 2%),次い 講演内容の理解度 は 「わか りやすい」 ( l l . 8%) であったo で 「 ふつ う」 (. ,. 興味があった」 ( 3 5 . 5%), 参加の動機 ( 複数回答)は 「. ,. 28 . 3%) 「 友人 に誘 われて」 「 健康情報収集 のため」 ( ( 2 0 . 3%) の順であった。. 健 康 に関す る情 報 収 集 ( 複 数 回答 ) は, テ レ ビ. 日頃の健康管理 ( 複数回答)は,食事 に気 をつけてい. ( 28 . 5%)か ら得ている人が最 も多 く,次いで新聞 ( 27 . 8. 3 2. 6%),睡眠や休養 をきちん と取 る ( 28 . 0%),サ る (. %),口コミ ( 1 4. 6%),雑誌 ( 1 2. 7%),インターネッ ト. プ リメ ン トや栄養補助飲料 を摂 る ( 1 2, 6%),家でで き. ( 3. 2%) の順だった。. る簡単エ クササイズ ( 1 0. 9%),戸外等 での まとまった. 日頃の健康管理 ( 複数回答)は,食事 に気 をつけてい. 8 . 6%) の順 であ った。参加者 は会社帰 りの OL 運動 (. 4 3 . 0%) が最 も多 く, 睡眠や休養 を きちん と取 る る (. が多 く,平 日開催希望者 は 9 5 . 3%であった。. ( 1 9 . 5%),戸外等でのまとまった運動 ( 1 8 . 6%),家でで. きる簡単エクササイズ ( 9 . 0%),サプリメ ン トや栄巷補. 2.はつ らつシニアステージ編 はつらつシニアステージ編のシリーズでは,各セミナー はそれぞれの病気 に関する現状の問題 と対策 を整理 し前. 助飲料 を摂 る ( 6 . 3%) の順 であった。土 日開催希望者 1%であった ( 図 1- 3)0 は8.
(4) 7 2 聖路加看護大学紀要 No. 3 62 01 0 . 3 .. 講演後のカンツォーネコンサー トについては 「 必ずやっ 79%),「カンツォーネは気持 ちが よ く,元 てほ しい」 (. キャリア編. ∩-8 7. 気が出た」 などの意見があった。要望 については 「 病気 にかか って しまった後 の ア ドバ イス等教 えてほ しい」 「 土曜開催 のほうが うれ しい」 な どがあった。. シニア編. ∩-1 0 4 0 1. 2 0 %. 4 0 %. 醐. 8 0%. 1 0 0 %. V.まとめと考察. 田興味があった□講師が魅力 D余暇活用 4友人の誘い■健康情報収集. 「はつ らつキャリアウーマ ン編」-の参加者 は主 に働. 図 1 参加の動機. く女性であ り, 日頃健康情報 をインターネ ッ トか ら取 り 入れてお り,積極 的な興味か ら健康情報 を得 るために参 加 した。 日頃の健康管理 には,食事 に気 をつけ,睡眠や. キャリア編. ∩-8 7. 休養,サ プリメン トを十分 に摂 り,戸外等でまとまった 運動 をす るよりも家でで きる簡単エ クササイズで健康管 理 を していた。 「はつ らつ シニアステージ編」への参加. シニア編. ∩-1 0 4. 者 は主 に地域 の高齢者であ り, 日頃健康情報 をテ レビや 2 0 %. 0 %. 4 0 %. 6 0 %. 8 0 %. 1 0 0 I i. E j新開 E 3雑誌 ■テ レビ■インターネットE g口コミE a その他 E 3入手 しない. 図 2 健康に関する情報収集方法. 新聞,次いで口コミか ら得 てお り,インターネ ッ トか ら はほとん ど得 ていなかった。参加動機 は友人 に誘われて と答 えた人の割合が高 く, 日頃の健康管理 は,食事 に気 をつけ,睡眠や戸外等での まとまった運動 を心がけてい た。. キャリア縮. セ ミナーシリーズ参加者 は 「 今後 も婦人科系疾患 と自. ∩-8 7. 分の健康管理 を学 びたいので継続 してほ しい」「わか り やす くて参加 して有意義だった」などの意見 を寄せ,テー. シニア編. ∩-1 0 4. マに好意的でかつ意欲的であった。 2 0 %. 0 %. 4 0 %. 6 0 %. 8 0 I i. 1 O O I i. ロ食事 口睡眠休養 ■屋内エクササイズ ●サプリメント 田まとまった運動 田その他田特になし. 図 3 日頃の健康管理方法. 「 市民 アカデ ミー」単回講演 は毎年の開催 を心待 ちに す る近隣お よび遠方か らの高齢 の参加者が多 く,本催 し は市民 に定着 した感があった。参加者 は一般的な健康情 報 を得 るためだけではな く, 97歳 とい う高齢 に もかか わ らず溌刺 と講演する 日野原氏か ら生 きる喜 びや気力 を. 3.市民アカデ ミー 「 生活習慣病予防のための健康チェッ ク」. 得 て自らも元気 になるために参加 していると思われる。 以上か ら,健康情報入手や健康管理の方法 は,参加者. 講演内容 は,新健康 の考 え方や,生活習慣病 に関す る. の年齢やライフス タイルによ り異 なることがわかったD. 特定検診の数億 の読み方 と対策 についてであった。参加. セ ミナーシ リーズでは,前回配布の資料 を希望する参加. 2% であった。 者 は 292名であ り,アンケー ト回収率 は 59.. 者が複数いたことか ら,健康 に関す る市民の関心の深 さ. 回答 者 は男 性 8% , 女性 92% であ った。 年齢 は 60代. や学 びへの熱心 さがわか り,セ ミナーのニーズが高い こ. ( 37%) が最 も多 く,次いで 70代 ( 25%),50代 ( 1 7%). とが うかがわれた。 「 聖路加 ・テルモ新健康 カ レッジ」. の順 であった。. セ ミナーは,市民の健康意識への気づ きゃ,健康知識 を. 講演( 丑( 参の内容 に関 してはそれぞれ 98% , 64% の人 がわか りやすい と答 えた。. 高めるきっかけ作 りに貢献 し,地域 に定着 3)しつつある と思われる。. 自由記載 は,全体 に対 しては 「来年 も参加 したい」 充実 していた」 な どの好意的な 「 有意義 な時間だった」「. 文献. 意見が多かった。 日野原氏の講演① については 「 前向 き. 1)菱沼典子. ( 2008). 大学で開設する市民- の健康情. 元気 をもらった」 に生 きることの大切 さがわかった」「. 報 サ ー ビス.聖路加看護大学 21世紀 coE プログラ. 「 先生の ような生 き方 を したい」「 感動 した」 な どが多数. ム研 究結果報告書 .8085.. あった。平松氏 の講演② については. 「 『目か らうろこ』. 2)高橋恵子,菱沼典子,石川道子,山岡栄里,大久保. 専 門的であったが,一般の人 には難 しい 感があった」「. 菜穂子,松本直子,内田千佳子,山田雅子,金棒淳子,. のではないか」 などの意見があった。. 2008). 看護大学が市民 に提供する 『ラン 鈴木久美. (.
(5) 小口他 :産学共同プロジェク ト 「 塑蕗加 ・テルモ 新健康カレッジ」セミナー実施状況 と参加市民の健康意識について 73 チ タイム ミニ講座 & ミニ コンサ ー ト』 の意義 と特徴 .. Er i Ya ma ok a,Ke i kol ndo. ( 2007 ). He a l h i t nf or ma ion t. 聖路加看護学会誌 .1 2( 2),809 0.. s e r ic v ea c d ide v sa tanur s i ngc ol l e gei nJ a pa n;Eva l ua ion t. h i, Mi c h j ko Hi s h i numa, Na ok o 3)Ke i ko Ta ka ha s 0' os hi k a wa )Oku bo,Na okoMa t s umot o,Chi k a koUc hi d a ,. f r om t hepe r s pe c dveofc ommun i t y ba s e da c dv ide s .n e6 h t I nt e ma dona lNur s i ngConf e r e nc e ,259・.
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