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高可用性ストレージシステムのためのSDNを用いた環境適応型通信方式の評価

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 78 回全国大会. 6C-06. 高可用性ストレージシステムのための. SDN を用いた環境適応型通信方式の評価 †. 1.. 和泉 諭 † 江戸 麻人 ‡ 阿部 亨 †,‡ 菅沼 拓夫 †,‡ 東北大学サイバーサイエンスセンター ‡ 東北大学大学院情報科学研究科. はじめに. 災害時における情報のバックアップのアプローチとして 高可用ストレージシステムに関する研究開発が行われてい る [1].[1] においては同時被災確率が低い近隣のストレージ にデータを複製し,残存データを再構成することによって 震災直後においても医療データなど重要なデータにアクセ ス可能とする方式を提案している.しかし,近隣のストレー ジにデータを複製する際にネットワーク経由で転送を行う が,災害時などはネットワークのトラフィックが急激に増加 したり,一部が不通になるなど,複製が非効率になる問題が ある. 本研究では,データの複製を効率化することでストレージ システムの高可用性に寄与する環境適応型ストレージ間通信 方式を提案する.本提案手法は Software Defined Network (SDN) を利用しネットワークの環境や状況に適応して動的 に経路を制御する.我々はこれまで本手法の設計と実装を 行い,基本性能を評価してきた [2].本稿では複数のデータ 複製を想定したシミュレーション実験により,より複雑な ネットワーク状況における提案の有効性を評価する.. 2.. 環境適応型ストレージ間通信方式の提案. データ通信の効率化に関する既存研究として,広帯域な 経路を利用するアプローチ [3] や複数の経路を同時に利用す る多重経路などのアプローチ [4] があるが,これらは予め設 定されたネットワーク帯域のみを考慮している.実ネット ワークを考慮すると,絶えず様々なトラフィックが流れ込 み,特に災害時においてはネットワーク状況がより不安定に なることが考えられる. 本研究で提案するストレージ間通信方式はこのような不 安定な状況下においても効率的なデータ通信の実現を目指 す.本提案手法の概要を図 1 に示す.本提案手法のアプ ローチとして,送信元から送信先の利用可能な多重経路を 計算し,同時利用する.さらに,各経路の利用状況をリアル タイムに把握し,他のトラフィックが発生した場合でも,複 製データを利用率の低い経路に動的に切り替えて転送する. これにより,ネットワークが混雑した状況においてもボトル ネックを回避することが可能となる.. 3. 他のトラフィック. 5. 2 1. 1. 6. 7 2. 4. 図 1: 環境適応型ストレージ間通信方式の概要. 実験. 3. 3.1.. 実験概要. 環境適応型ストレージ間通信方式の有効性を検証するた めに複数のデータ複製に関するシミュレーション実験を実施 した.実験環境としては,OpenFlow コントローラ (OFC) として OpenDaylight を, OpenFlow スイッチ (OFS) と して Open vSwitch を利用した.また,仮想ネットワーク 環境として Mininet を使用し,図 2 に示すネットワーク環 境を構築した.ここではホストが 8 台 (h1∼h8),OFS が 20 台 (s1∼s20) から構成されるネットワーク環境を構築し た.なお,スイッチ間のネットワーク帯域は 100 Mbps,ス イッチ-ホスト間の帯域は 1000 Mbps に設定した. 次に実験内容を説明する.本稿では,震災直後にデータ のバックアップのために,ホスト h1 はホスト h8 へ,ホス ト h3 はホスト h6 へデータを複製することを想定する.具 体的には,まずホスト h1 からホスト h8 へ利用可能な多重 経路とホスト h3 からホスト h6 へ利用可能な多重経路をそ れぞれ計算する.そして,複製データを想定した 1 Gbyes のデータをホスト h1 からホスト h8 へ,ホスト h3 からホ スト h6 へそれぞれ TCP で送信する.その後,ネットワー クを不安定にさせるために 50Mbps の UDP のトラフィッ. Evaluation of Adaptive Communication Method Based on SDN for Highly-Available Storage Systems Satoru IZUMI† , Asato EDO‡ , Toru ABE†,‡ , and Takuo SUGANUMA†,‡ † Cyberscience Center, Tohoku University ‡ Graduate School of Information Sciences, Tohoku University. 3-35. h2. h5. h1. h6. h3. h7. h4. h8. 図 2: 実験で利用するネットワークトポロジ Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 250. 200. 200. H8. 150. H6 100. H3 H5. 50 0. H7 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. H8. 150. H6 100. H5 H3. 50 0. 90 100 110. 250. H7 0. 10. 20. 30. 40. Time [s]. 50. 60. 70. 80. Throughput [Mpbs]. 250. Throughput [Mpbs]. Throughput [Mpbs]. 情報処理学会第 78 回全国大会. 200. H6 100. H5 H3. 50 0. 90 100 110. H8. 150. H7 0. Time [s]. (a) 既存手法(単一経路固定). 10. 20. 30. 40. 50. 60. 70. 80. 90. Time [s]. (b) 既存手法(複数経路固定). (c) 提案手法(複数経路動的変更). 図 3: 各ホストへ送信したトラフィックのスループット 表 1: 複製データの転送時間とネットワーク全体の平均ス ループット. h8 の 転 h6 の 転 平 均 ス ル ー 送時間. 送時間. プット. 既存手法 単一経路固定. 115.2s. 115.0s. 186.5Mbps. 複数経路固定. 98.3s. 106.2s. 205.1Mbps. 92.7s. 93.6s. 251.8Mbps. 提案手法 複数経路動的変更. クを複数送信する.具体的には実験開始から 10 秒後にホス ト h2 からホスト h5 へ,20 秒後にホスト h6 からホスト h3 へ,30 秒後にホスト h4 からホスト h7 へそれぞれ 30 秒間 送信する. この時,各 OFS はネットワークの利用状況を定期的に観 測し,OFC に送信する.OFC は受信した利用情報を基に データ転送に利用する経路を決定し,OFS にその設定情報 を送信する.本実験では,複製データのトラフィックのス ループットが 50 Mbps を下回った場合に,提案手法により 最も利用率が低い経路に切り替えるようにした.本実験で は,従来手法として単一経路のみを利用して経路を切り替え ない場合(単一経路固定),複数経路を利用して経路を切り 替えない場合(複数経路固定)を取り上げ,データ転送時間 とネットワーク全体の平均スループットを提案手法(複数経 路を利用して経路を動的に切り替える場合)と比較した.. 3.2.. クのスループットが低下することが分かった. 提案手法のグラフ(図 3(c))では,他の UDP のトラフィッ クが発生した場合でも,それを検出し,利用率の低い経路に 動的に素早く切り替えることができたため,複製データのト ラフィックのスループットはある程度,維持できることが分 かった. また,表 1 に各手法の複製データの転送時間と,ネット ワーク全体の平均スループットを示す.ここでネットワー ク全体の平均スループットは実験開始から 30 秒後から 60 秒後までの間の全てのトラフィックのスループットの平均 を示す.実験結果から提案手法により,経路を動的に切り替 えることで,データの転送時間を短縮できることを確認し た.また,その結果としてネットワーク全体のスループット も向上することが分かった. 以上より,環境適応型ストレージ間通信方式によりネット ワーク状況に応じて素早く経路を切り替えることで,災害時 のような不安定なネットワーク状況においてもより効率的 なデータ転送を実現することが可能となった.. 4.. おわりに. 本稿では環境適応型ストレージ間通信方式を提案し,シ ミュレーション実験によりその有効性を評価した.今後は 災害の状況やリスクなども考慮するよう経路を切り替える アルゴリズムを拡張し,さらに本提案手法を実ネットワーク へ展開し,その実用性を評価する. 謝辞 本研究の一部は,文科省委託研究「高機能高可用性情報 ストレージ基盤技術の開発」の支援を受けて実施している.. 参考文献. 実験結果. 図 3 に従来手法と提案手法の場合の,各ホストに送信した トラフィックのスループットのグラフをそれぞれ示す.図 3(a) のグラフから,単一経路を固定して利用した場合は,他 の UDP のトラフィックが複製データのトラフィックと同 じ経路を利用したため,ホスト h8 とホスト h6 へ送信した 複製データのトラフィックのスループットが大きく低下す ることが分かった. 図 3(b) のグラフから,多重経路を固定して利用した場合, 利用可能なネットワーク帯域が増加するため単一経路より も複製データのトラフィックのスループットが向上するこ とを確認した.しかし,他の UDP のトラフィックが発生す るにつれて,その影響により徐々に複製データのトラフィッ. [1] 高機能高可用性情報ストレージ基盤技術の開発,http: //www.it-storage.riec.tohoku.ac.jp/ [2] 和泉諭 他:高機能高可用性ストレージシステムのため の SDN 型ストレージ間通信方式の設計と実装,第 23 回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ (DPSWS2015) 論文集,Vol.2015, No.5, pp.172–177 (2015). [3] Ferraz, L., et al., A Two-phase Multipathing Scheme based on Genetic Algorithm for Data Center Networking, Proc. of GLOBECOM2014, pp.2270–2275 (2014). [4] Nagata, A., et al., Delivering a File by MultipathMulticast on OpenFlow Networks, Proc. of INCoS2013, pp.835–840 (2013).. 3-36. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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