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民家の風土性 : 住空間の史的展開過程に関する研究(その12)

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title

民家の風土性

-住空間の史的展開過程に関する研究(その 12)-

Climatic study on our farmers' dwellings

Author(s)

島村 昇(Shimamura Noboru)

Citation

生活科学論叢(Review of Living Science)

No.28:1-25

Issue Date

1997

Resource Type

Bulletin Paper / 紀要論文

Resource Version

URL

Right

(2)

民 家 の 風 土 性

住空間の史的展開過程 に関する研究{そ の12}

1.農 家 の風 土 性3,皿i熱 帯 型毘 家 の 住 空 間 1.ユ.口 本 列 島 の 風 土性3.ユ.小 型 住 空 間 の 伝 統 1,2,農 察 規 模 の 地域 差3,2,小 棟 分立 の 多 棟 構 成 L3.農 家 規 模 の 地域 的 風 土 性3.3.1棟 構 成 の 場 合 1.4.耳 ヒ陸 身曾風 土 の特 色3響4.2棟 構 成 の 場 合 1.5.秋 冬 季 降 水 量 と農 家 規 模3.5,き 棟 構:成の 場 合 L6、 冬 季気 温 と 農家 規 模3,6,亜 熱 帯 型 民 家 の住 空 間的 特 質 2、 農 寡 住 空 間の 風 土 性 2,1.農 豪 住 空 間の 決 定 國 2.2.農 家 の民 家 型 2.3,農 家 ・サ ー ビス 系 空 間 の 風 土性 2鴻,農 家 固有 の サ ー ビ ス 系 空 問 2.5.農 家 ・リビ ング 系 寵 間 の 風 土性 2.{}.ヒ ロ「マ 型 民 家 の ヒロ マ と甜 憲 一1一

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1.農 家 と 風 土 性 1,1日 本 列 島 の 風 土 性 農 家 に限 らず 建 築 の 第 一 義 的役 割 は寒 暑 風 雪 か ら 身 を ま も る人 工 的 な空 間 を獲 得 す る こ と で あ る 。 農 家 もま た例 外 で は な い。 寒暑 風 雪 の 気 候 風 土 は いや お う な く農 家 に 多 大 の 影 響 を与 え て い る で あ ろ う。 本 論 の 対 象 とす る加 賀 ・農 村 住 居 が 広 い ヒ ロマ や ドマ を もつ に 至 っ た の も多 雨 多 雪 な 気候 風 土 のせ い で あ る。 本 論 で は この よ うな 農 村 住 居 を大 ドマ ・ヒ ロ マ 型 と称 して い る が 、 全 国 的 にみ る と こ の よ う な気 候 風 土 との 関連 で い くつ か の民 家 型 が 存 在 す る 。 さ しづ め 日本 列 島 の 地 理 的 条 件 をみ る と、列 島 は 南 北 約2,000㎞ の 長 さ に わ た り、 北 の 北 海 道 と南 の 沖 縄 で は気 温 ひ とつ を と っ て も大 き な差 が あ る。 北 海 道 ・札 幌 の年 平 均 気 温 は8.0℃ で あ る が 、 沖 縄 ・那 覇 で は22.4℃ で そ の 差 は14℃ を超 え る。 また 、 日本 列 島 は 中 央 部 に長 く背 梁 山脈 が 走 り、 い わ ゆ る表 日本 と裏 日本 の2つ の 地 帯 に分 断 して い る。 と くに冬 季 の 日本 海 をわ た る季 節 風 は裏 日本 に多 量 の 雪 を 降 らせ 、 表 日本 で は晴 天 が つ づ く。 こ う して裏 日本 の多 雪 地 帯 、 豪 雪 地 域 と表 日本 の 少 雪 地 帯 が 対 照 的 な風 土 性 を示 す 。 以 上 の 寒 暖 の差 や 降 雪 の 多寡 は、 い う まで も な く シェ ル タ ー と して の住 居 建 築 に 多 大 の 影 響 を 与 え ず に は お か な い で あ ろ う。 温 暖 少 雪 な 地 域 で は 、戸 外 空 間 の 利 用 度 も高 くシ ェ ル タ ー と し て の住 居 建 築 は比 較 的 小 規 模 で も こ と た りる 。 これ に対 して 、 寒 冷 多 雪 な 地 域 で は シ ェ ル タ ー の 需 用 度 は 一 段 と高 く大 規 模 化 せ ざ る を え な い で あ ろ う。 本 論 の 対 象 す る加 賀 ・農 村 住 居 が 大 ドマ ・ ヒ ロマ 型 の 住 空 間 を 発 達 させ た の も と うぜ ん の こ とで あ っ た。 ち な み に、 日本 列 島 の 気 候 風 土 性 につ い て は 気 候 区 の 分 類 が あ り、 そ れ は南 か ら北 に向 っ て 、 ① 南 方 気 候 区 、 ② 南 海 気 候 区 、③ 瀬 戸 内気 候 区 、 ④ 山 陰 気 候 区 、 ⑤ 東 海気 候 区 、⑥ 内 陸 気 候 区 、 ⑦ 北 陸 気候 区 、 ⑧ 東 北 気 候 区 、⑨ 北 方 気 候 区 、 ⑩ 北 海気 候 区 の10気 候 区 で あ る。 1.2農 家規 模 の 地 域 差 シ ェル タ ー と して の 住 居 建 築 の 規 模 は 、 まず は そ の 床 面 積 に 現 わ れ る 。 全 国各 地 域(都 道 府 県 単 位)の 農 家 規 模 を住 宅 統 計 調 査 結 果(昭 和43年 ・1968)の 農 林 漁 業 併 用 住 宅 の 延 べ 面 積 で み る と大 き な地 域 差 が あ る 。 そ の 状 況 は次 の よ うで あ る 。 60㎡ 台1地 域(鹿 児 島) 70㎡ 台 な し 80㎡ 台1地 域(宮 崎) 90㎡ 台4地 域(北 海 道 、 茨 城 、 徳 島、 長 崎) 100m2台6地 域(千 葉 、 和 歌 山 、 愛 媛 、高 知 、 熊 本 、 大 分) 1ユ0㎡台7地 域(栃 木 、 東 京 、神 奈 川 、 静 岡 、 島根 、 岡 山 、福 岡) -2-一

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120㎡ 台9地 域(青 森 、 三 重 、 滋 賀 、 京 都 、 大 阪 、 鳥 取 、 広 島 、 香 川 、 佐 賀) 130m2台5地 域(宮 城 、 山 形 、 福 島 、 埼 玉 、 山 梨) 140㎡ 台5地 域(岩 手 、 長 野 、 兵 庫 、 奈 良 、 山 口) 150m2台3地 域(群 馬 、 福 井 、 愛 知) 160㎡ 台3地 域(秋 田 、 新 潟 、 岐 阜) 170㎡ 台1地 域(石 川) 180㎡ 台 な し 190㎡ 台1地 域(富 山) 全 国46地 域(当 時 は 沖 縄 復 帰 前)の 農 家 規 模 は 上 記 の よ う に60m2台 か ら190㎡ 台 ま で 大 幅 な 差 を も っ て 分 布 し て い る 。 最 小 の 鹿 児 島 は64㎡(住 宅 統 計 調 査 数 値 小 数1位4捨5入 、 以 下 同 様) で 最 大 は 富 山 の190㎡ で そ の 差 は 実 に120㎡ 以 上 、 倍 率 に し て 約3倍 で あ る 。 こ の 規 模 差 は き わ め て 大 き い と い わ ね ば な ら な い 。 な お 、 全 国 平 均 は126㎡ で あ る 。 上 記 の 規 模 ラ ン ク 別 の 地 域 名 を み て も あ ら か た の 傾 向 が 読 み と れ る 。 す な わ ち 南 方 の 南 九 州 方 面 は 小 型 で 多 雪 な 北 陸 方 面 は 大 型 で あ り 、 気 候 風 土 と 農 家 規 模(シ ェ ル タ ー 規 模)と の つ よ い 相 関 性 が 感 じ ら れ る が 、 先 に あ げ た 日 本 の10気 候 区 と の 関 係 は ど の よ う に な る の で あ ろ う か 。 次 項 で そ の あ た り を 検 討 し よ う 。 1.3農 家 規 模 の 地 域 的 風 土 性 全 国10気 候 区 と農 家 規 模 の 関 係 は 次 の よ う で あ る 。(1つ の 地 域 が2つ 以 上 の 気 候 区 に ま た が る 場 合 は 、 よ り多 く の 面 積 が 属 す る 気 候 区 に 所 属 さ せ る)。 (1)南 方 気 候 区 こ の 時 点 で は 沖 縄 の デ ー タ が な い が 、 鹿 児 島 の64㎡ 、 後 に み る 南 西 諸 島 の61㎡ か ら60m2程 度 と 推 定 さ れ る 。 (2)南 海 気 候 区 鹿 児 島(64㎡)、 宮 崎(88㎡)、 長 崎(99㎡)、 高 知(100㎡)、 徳 島(98㎡) 和 歌 山(108㎡)[6地 域 単 純 平 均93㎡] (3)瀬 戸 内 気 候 区 熊 本(103㎡)、 大 分(104㎡)、 愛 媛(105㎡)、 香 川(125㎡)、 広 島(120㎡)、 岡 山(119㎡)、 大 阪(120㎡)、 京 都(127㎡)[8地 域 単 純 平 均ll5㎡] (4)山 陰 気 候 区 佐 賀(122㎡)、 福 岡(114㎡)、 山 口(140㎡)、 島 根(116㎡)、 鳥 取(129㎡)、 兵 庫(141㎡)、 福 井(158㎡)[7地 域 単 純 平 均131㎡] (5)東 海 気 候 区 滋 賀(127㎡)、 三 重(126m2)、 愛 知(154㎡)、 静 岡(116㎡)、 神 奈 川(ll4 ㎡)、東 京(119㎡)、 千 葉(102㎡)、 茨 城(95㎡)[8地 域 単 純 平 均119㎡] (6)内 陸 気 候 区 奈 良(146㎡)、 岐 阜(161㎡)、 長 野(146㎡)、 山 梨(138㎡)、 群 馬(150㎡)、 埼 玉(137㎡)、 栃 木(114㎡)[7地 域 単 純 平 均142㎡] (7)北 陸 気 候 区 石 川(176㎡)、 富 山(190㎡)、 新 潟(162㎡)、 山 形(138m2)、 秋 田(160m2) -R一

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[5地 域 単 純 平 均165㎡] (8)東 北 気 候 区 福 島(135㎡)、 宮 城(132㎡)、 岩 手(142㎡)、 青 森(128㎡)[4地 域 単 純 平 均134m2]

麟薇麗丁蕪 膿 謙 凝 ξ

諜 継 霧鞭 禦 際 膿

家 規 模 の風 土 性 の 考 察 に際 して は北 海 道 を除 外 す る。 以 上 、日本 の 気 候 区 と農 家 規 模 の 関係 をみ て きたが 、気 候 区 に よ りか な りの 規 模 差 が み ら れ る 。 規 模 の 大 きい 気 候 区 か らあ げ る と、① 北 陸 気 候 区(165㎡)、 ② 内 陸 気 候 区(142㎡)、 ③ 東 北 気 候 区 (134㎡)、④ 山 陰気 候 区(131㎡)、 ⑤ 東 海 気 候 区(119㎡)、 ⑥ 瀬 戸 内 気 候 区(115㎡)、 ⑦ 南 海気 候 区 (93m2)、⑧ 南 方 気 候 区(60㎡ 程 度 、推 定)と な る 。 寒 冷 多 雪 な 気候 区 の 大 型 化 、 温 暖 少 雪気 候 区 の 中 型 化 、 亜 熱 帯 的気 候 区 の 小 型 化 が み て とれ る 。 本 論 の 対 象 とす る加 賀 濃 村 住 居 は 上 記 の気 候 区 で は い う まで もな く① の 北 陸 気 候 区 に属 し、 気 候 区 の 中 で は最 大 規 模 を誇 っ て い る 。 そ の最 大規 模 が 多 雪 に よ る で あ ろ う こ と は容 易 に推 測 で き るが 、 しか し多 雪 で も あ り さ らに 寒 冷 な気 候 区 で あ る③ 東 北 気 候 区 よ り も大 規 模 で あ るの は一 見 矛 盾 す る よ うに み え る。 つ ま り、 降 雪 量 な い し冬 季 の気 温 と農 家 規 模 と の相 関 関係 をい ます こ し正 確 に調 べ て み る必 要 性 が あ りそ うで あ る 。 そ の た め に 、 北 陸 的 風 土 とは 一 体 ど の よ う な もの な の か を次 に み て み よ う。 と くに冬 季 が 風 土 的 特 色 を発 揮 す る。 1.4北 陸 的 風 土 の特 色 北 陸 的 風 土 の特 色 につ い て は 、 北 陸 の 地 ・金 沢 出 身 の 文 学 者 ・室 生 犀 星 の 具 体 的 な 気 候 描 写 を 引用 す る。 そ れ は 次 の よ うで あ る。 し ぐ れ みぞれ みぞれ やが 十 月 下 旬 よ り時 雨 とな り、十 一 月 終 りは 冷 た き箕 とな る。 箕 とな りて 永 き冬 に 入 れ ば 漸 て あられ 霰 と な り、 雪 と な る。 二 三 尺 も積 る は例 年 の 事 に して、 時 に は 丈 余 に も な る事 あ りて 、犬 等 は 皆 屋 根 の上 にて 遊 び戯 る 。 雪 降 れ ば却 っ て温 く、 人 人 は夜 炬 燵 を 圃 み て 団 樂 す 。(「仔 情 小 曲 集 」 大 正7年 覚 書 よ り) 北 陸 地 方 で は 、 ほ と ん ど秋 と い う もの が な い 。10月に入 る と鉛 色 の雲 が 低 く重 く垂 れ こ め 時 雨 が や って くる。 そ れ はや が て 箕 と な り㍉ 霰 とな って 降 雪 期 に 入 っ て い く。 秋 は ひ とつ の季 節 とい う よ りは冬 の前 徴 と して の一 時 期 な の で あ る。 犀 星 文 に は さ ら に次 の描 写 が あ る 。 ll月 に な っ て 、 あ る 日、 ど っ と寒 さが 日暮 れ 近 くに した か と思 う と、 急 に 大 つ ぶ な カ ッ キ リ ・一一4一

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きゅ う さん した 寒 さ を含 ん だ 霰 に な っ て屋 根 の 上 の 落 葉 を た た い た 。 そ の 烈 しい急 霰 の 落 ち よ う は 人 の 話 し声 も聞 え な い ほ ど さか ん で あ っ た 。 私 が 書 院 の 障 子 を あ け て 見 る と、 川 の 上 に お ち る の や 、 は 庭 の お ち葉 を た た き なが ら刎 ね か え る 霰 は 、 ま る で 純 白 の玉 を飛 ば した や う で あ った 。 私 は 毎 年 この 季 節 に な る と、 こ と に こ の霰 を 見 る と幽 遠 な 気 が した 。冬 の 一 時 の し らせ が 重 重 し く叫 ば れ る や う な 、慌 し く非 常 に寂 しい気 をお こ させ る の で あ っ た 。 父 は茶 室 に こ も りは じめ た 。 (「性 に 眼 覚 め る頃 」 大 正8年 よ り) 以 上 の 引用 文 に よ っ て 、10月か ら翌 年 の2月 頃 ま で の 気 候 が よ く実 感 さ れ る が 、3月に 入 っ て も 根 雪 が 残 り冬 は 終 らな い 。 お そ ら く10月 か ら翌 年 の3月 頃 まで は 降 雪 期 を は さ んで 屋 内 生 活 が 気 候 的 に 要 求 され る。 シ ェ ル ター と して の家 屋 が そ の機 能 を発 揮 す る と きで あ る 。 た ん に 多 雪 とい う 自然 現 象 だ け で な くそ の前 後 の 気 象 状 況 も勘 案 して お か ね ば な らな い 。 これ が 北 陸 的 気 候 の特 色 で あ り、越 冬 型 民 家(大 ドマ ・ヒ ロ マ型 民 家)の 成 立 背景 で あ る 。 1.5秋 冬 季 降 水 量 と農 家 規 模 以 上 の よ う な北 陸 的 風 土 の特 色 は秋 季 か ら翌 年 の 初 春 に わ た る秋 冬 季 の 降水 量 で あ る 。 北 陸 地 方 民 家 が 全 国 で トッ プ レベ ル の規 模 を もつ の も この 降 水 量 と大 き くか か わ っ て い よ う。 こ の 降 水 量 の 多 さ は屋 内生 活 を余 儀 な く させ る と 同 時 に 、 農 家 に お い て は農 作 業 の 補 助 的 ス ペ ー ス と して の ドマ の 必 要 度 を も高 め た に ち が い な い。 前 者 で は ヒ ロ マ 、 後 者 で は ドマ の 大 型 化 の 大 きな 要 因 と な っ て い よ う。 『理 科 年 表 』 に よ り10∼3月 の秋 冬 季 降 水 量 を 求 め る と、 この6ケ 月 間 の 平 均 降水 量 は 北 陸 地 方 の4地 域 が 圧 倒 的 に多 く、 新 潟(248㎜D、 富 山(206㎜ 】)、石 川(240㎜)、 福 井(226㎜)で あ る 。 次 に 多 い の は100㎜ 台 で 青 森(131㎜)、 秋 田(142㎜)、 千 葉(134㎜1)、 神 奈 川(100㎜)、 三 重(144㎜) 滋 賀qO4㎜)、 和 歌 山(157㎜)、 鳥 取(166㎜)、 島根(128㎜1)、高 知(ll5㎜)、 宮 崎(114㎜)、 鹿 児 島(105㎜) で こ れ ら12地 域 の 単 純 平 均 は128㎜ で あ る 。 北 陸4地 域 の 単 純 平均230㎜ とで は約100㎜ の 大 差 が あ る(表1-1)。 そ の他 の29地 域 は100㎜ 未 満 で そ の 単 純 平 均 は74㎜ で あ る。 これ らの 地 域 と比 較 す る と 北 陸4 地 域 は約3倍 の 秋 冬 季 降水 量 を もつ こ と に な る 。 先 に引 用 した 犀 星 文 の 時 雨 、 箕 、 霰 、 雪 の 各 様 態 を降 水 量 に換 算 す る と この よ う な結 果 に な る 。 さて 、 こ の結 果 をふ ま え て 秋 冬 季 降水 量 と農 家 規 模 の相 関 を図 化 した もの が 図1-1で あ る。 この グ ラ フ を み て も北 陸4地 域Eグ ル ー プが 群 を抜 い て 降水 量 が 多 くまた 農 家 規 模 の 大 きい こ と が わ か る で あ ろ う。 北 海 道 を 除 く全 国45地 域 につ い て 秋 冬 季 降 水 量W(㎜)と 農 家 規 模Af(㎡)の 相 関 関 係 を求 め る と、 相 関 度 は0.3791と な る。 こ の 値 は け っ して 高 い 相 関 度 で は な い が 、 図 のA グ ル ー プ26地 域 に つ い て相 関 関 係 を求 め る と相 関度 は0.7067と な り強 い 正 の 相 関 性 を示 す 。 す な 一5一

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わ ち、 こ の26地 域 につ い て は秋 冬 季 降 水 量 の多 寡 が 農 家 規 模 に 与 え る 影 響 は きわ め て 強 い とい わ ね ば な らな い。 ち な み に 、 そ の相 関 式 はAf=0,3314W+84.41で あ る 。 以 上 の 秋 冬 季 降 水 量 相 関26地 域 以 外 の19地 域(図 のB、Cグ ル ー プ)に つ い て 相 関 関係 を求 め る と、 相 関度 は 一〇.4817と な り降水 量 との 関係 に お い て は負 の値 を と る。 つ ま り降 水 量 の 多 い 地 域 ほ ど農 家 規 模 は小 さ い とい う矛 盾 した結 果 を示 して い る の で あ る。 表1-1秋 冬 季 降水 量 、冬 季 気 温 と農 家 規 模 農 秋 冬 農 秋 冬

讃 譲

謹 甕

N・.繊

奎1早N・.繊

蛮,昴

AfwTAfwT m2n聾n℃m2㎜ ℃ 口 口 口 口 口 口 1青 森12813ユ0.924滋 賀1271045.9 2岩 手1428ユ0.425京 都127786.6 3宮 城132673,726大 阪120736.5 4秋 田1601422.227兵 庫141687.6 5山 形138840.428奈 良146745.9 6福 島135663.729和 歌 山1081578.1 7茨 城95805,130鳥 取1291666.0 8栃 木114654.331島 根ll61287.2 9群 馬150475.532岡 山119576.O lO埼 玉137585.833広 島120736.8 11千 葉1621348.634山 口1408282 12東 京ll9927.535徳 島98828.0 13神 奈 川1141007.536香 川125637,2 14新 潟1622484.737愛 媛105687.8 15富 山1902065.038高 知1001158.4 16石 川1762405.739福 岡114828.2 17福 井1582265.340佐 賀122767.7 18山 梨138594.741長 崎99899.O l9長 野146631.242熊 本103767.6 20岐 阜161983.043大 分104748.0 2工 静 岡116998.744宮 崎881149.3 22愛 知154756.445鹿 児 島641059,7 23三 重1261447.6平 均1261026.1 資 料 〉 『住 宅 統 計 調 査 報 告 』(昭和43年 ・1968)お よ び 『理 科 年 表 」 注)1.地 域 に つ い て は 北 海 道 を 除 外2.農 家 規 模 は 農 林 漁 業 併 用 住 宅 の 延 べ 面 積(小 数1 位4捨5入)3.秋 冬 季 降 水 量 は10∼3月 の 月 平 均 降 水 量 の 平 均4.冬 季 気 温 はll∼ 2月 の 月 平 均 気 温 の 平 均 一6一

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1.6冬 季 気 温 と農 家 規 模 秋 冬 季 降水 量 と正 の 相 関 を示 さ な い19地 域(岩 手 、宮 城 、 栃 木 、 群 馬 、 山 梨 、長 野 、 岐 阜 、 愛 知 、 京 都 、大 阪 、 兵 庫 、 奈 良 、 岡 山 、広 島 、 山 口、 香 川 、 佐 賀 、宮 崎 、 鹿 児 島)に つ い て は 、冬 季 に お け る寒 暖 の 差 が 次 の 因 子 と して働 くもの と考 え られ る。 冬 季 の 気 温 は や は り 『理 科 年 表 』 に よ り11月 か ら2月 ま で の4ケ 月 間 の 月 平 均 気 温 の 平 均 をT(℃)と し、 農 家 規 模Af(㎡)と の 相 関度 を 求 め る と 一〇.5776と な り負 の相 関 関 係 が み とめ られ る。 つ ま り冬 季 気 温 の低 い地 域 は住 居 規 模 が 大 き くな る傾 向 にあ る こ とを 示 して い る 。 関係 式 はAf=-5.4706T+160.94で あ る。 ち な み に 、冬 季 気 温 と全 国45地 域 の 相 関 関 係 は 、 相 関 度 一〇.5716、 関 係 式Af--5.8672T+ 162.60と な る 。 秋 冬 季 降水 量 との 相 関 度0.3791に 比 べ る と冬 季 気 温 との 相 関 度 の 方 が 高 い。 次 にB、C、Dグ ル ー プ34地 域 に つ い て 冬 季 気 温 との 相 関度 を求 め る と 一〇,6195と な り負 の 相 関性 を 示 す 。Dグ ル ー プ は先 にAグ ル ー プ に含 め て 秋 冬 季 降水 量 と の相 関 度0.7067と な っ た と こ ろ で あ る が 、 冬 季 気 温 との 相 関 も無 視 で きな い 。 そ こ でDグ ル ー プ(15地 域)の み につ い て而 者 の 相 関 度 を求 め る と、 秋 冬 季 降 水 量 に つ い て は 一〇.2208、冬 季 気温 につ い て は 一〇.6679と な り冬 季 気 温 と の相 関 の 方 が は る か に優 勢 で あ る。 こ の15地 域 は 図 に よ っ て も わ か る よ う に 秋 冬 季 降 水 量 はす く な く(単 純 平 均85㎜)冬 季 気 温 の 方 が つ よい 因 子 と して働 い て い る の で あ るが 、 よ りマ ク ロ なAグ ル ー プ の 視 点 か らみ れ ば 降 水 量 の 因 子 が よ りつ よ く働 い て い る。 以 上 に よ っ て 、Aグ ル ー プ26地 域 は秋 冬 季 降 水 量 に よ って 、B、Cグ ル ー プ19地 域 は 冬 季 気 温 に よっ て 住 居 規 模 が 決 定 さ れ て い る。Aグ ル ー プ 内 のDグ ル ー プ15地 域 は15地 域 内 で は冬 季 気 温 の影 響 下 にあ るが 、 マ ク ロ に は 秋 冬 季 降水 量 が よ り大 き く作 用 して い る。 最 後 に北 陸4地 域(新 潟 、 富 山 、 石 川 、福 井)のEグ ル ー プ は完 全 に秋 冬 季 降水 量 因子 に よ っ て 支 配 さ れ て お り、全 国 トップ レベ ルの 多 雨 多 雪 地 域 で あ る こ とに よ っ て最 大 級 の 農 家 規 模 を もっ て い る 。 そ の 対 極 に 立 つ の が 亜 熱 帯 型 民 家 の 系 譜 を ひ く南 九 州 地 方 、 と く に鹿 児 島で あ り、 こ の 民 家 型 は さ らに南 西 諸 島 に つ な が って い く。 2.農 家 住 空 間 の 風 土 性 2.1農 家 住 空 間 の 決 定 因 前 節 で は 民 家 の気 候 風 土 性 とい っ た と こ ろ を農 家 規 模 の 面 か らみ た 。住 空 間 の 地 域 性 に とっ て 、 まず は 気 候 風 土 と住 空 間 の総 量 と して の 規 模(全 床 面 積)の 関 係 は 、 今 後 そ の 内 容 を み る た め の 前 提 条 件 と な る。しか も農 家 は わ が 国 の 住 居 史 に お い て も っ と も永 い歴 史性 を もつ住 居 種 で あ り、 地 域 の 気 候 風 土 を そ の 歴 史 的 発 展 過 程 の 中で も っ と もつ よ く反 映 して い る住 居 種 と考 え られ る。 そ の 結 果 は前 節 で み た よ う に、 多 雪 地 域 に お け る大 型 化 、 温 暖 地 域 にお け る 小 型 化 が現 象 して 一8一

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い た 。 よ り具 体 的 に は秋 冬 季 降水 量 と冬 季 気 温 の2つ の 因 子 と規 模 の 関 係 をみ た の で あ っ た が 、 全 国45地 域 の 農 家 規 模 は 秋冬 季 降 水 量 の 多 い 地 域 で は 雨 雪 を さ け る た め 大 型 化 し、 降 水 量 の 少 な い 地 域 で は 中 型 な い し小 型 化 して い る 。 降 水 量 の 少 な い 地 域 で は次 に冬 季 気 温 が 因 子 と して働 き 寒 冷地 域 で は 大 型 化 、温 暖 地 域 で は小 型 化 す る傾 向 を示 して い た 。 こ う した 農 家 規 模 の大 小 は 、きわ め て つ よ くそ の地 域 の 気 候 風 土 性 を反 映 して い る とい え る が 、 そ れ は結 局 自然 条 件 に よる もの とい え る 。 しか し他 方 で は 、地 域 の 経 済 力(主 と して 農 業 生 産 力) や 住 居 観(と くに住 居 建 築 に対 す る投 資 志 向)等 の社 会 的 条 件 も作 用 す る もの と考 え られ る が 、 か りに こ の社 会 的条 件 と して 持 家 と借 家 の 割 合 を み る と、全 国2,116,600戸 の 農 家(農 林 漁 業 併 用 住 宅)の う ち 持 家 は2,091,800戸(99%)、 借 家24,800戸(1%)で 社 会 的 条 件 が そ れ ほ ど強 く 作 用 して い る と は考 え られ な い 。 ま た 、 全 国46地 域(北 海 道 を含 む)の 持 家 率(あ る い は借 家 率) も近 似 的 で 地 域 差 は ほ とん どみ とめ られ ない 。 自然 条 件 と同 時 に社 会 的 条 件 が 住 居 規 模 につ よ く作 用 して くる の は 専 用 住 宅 で あ っ て、 ち な み に 全 国46地 域 の専 用 住 宅19,461,400戸 の う ち持 家 は10,553,500戸(54%)、 借 家 は8,907,800戸(46 %)で 、全 国46地 域 の 持 家率(あ る い は 借 家 率)の 地 域 差 は大 きい 。 そ の意 味 で は 農 家 の 規 模 は す ぐれ て気 候 風 土 的 で あ る とい え る。 2.2農 家 の 民 家 型 民 家 の風 土 性 を まず 農 家 規 模 にお い て み た が 、 次 にそ の 内容 に つ い て み た い が 従 来 の 民 家 研 究 に お い て民 家 型 の 全 国 分 布 が 示 さ れ て い る の で 、まず そ れ を参 考 とす る(図1-2)。 図 に よる と、 まず 大 き く ヒロ マ 型 圏 と田字 型 圏 に分 か れ る。 ヒ ロマ 型 圏 は北 陸 か ら東 北 地 方 に分 布 し、 寒 冷 多 雪 地 帯 と よ く一 致 して い る。 ヒ ロマ 型 は 炉 の あ る ヒ ロマ を 中心 とす る住 空 間 構 成 が 特 色 で 、多 雪 型 民 家 あ るい は越 冬 型 民 家 とい っ て も よい 民 家 型 で あ る。 ヒロ マ 型 圏 の 中 に は 部 分 的 にチ ュ ウ モ ン ヅ ク リ(中 門造)や マ ガ リヤ(曲 屋)な どの 著 名 な 民 家 型 が あ るが 、 中 門 造 は玄 関 や 台 所 を モ ヤ か ら直 角 に突 出 す民 家 形 式 で あ る。 曲屋 は ウマ ヤ(厩) を モ ヤ か ら直 角 に突 出 す 民 家 形 式 で 近 世 南 部 藩 に お い て 発 達 した 。 い ず れ も棟 型 がL型 と き に はT型(モ ヤ に 対 して 突 出 部 分 を2つ もつ リ ョ ウ ツ ノ ヤ ・両 角 屋 の 場 合)と な る。 こ の よ う な 民 家 形 式 は、 や は り寒 冷 多 雪 な 地 域 に お け る1棟 化 過 程 に生 ず る 棟 型 で あ るが 住 空 間 型 と して は や は り ヒ ロマ 型 で あ る 。 な お 、 気 候 温 暖 と考 え られ る 九 州 方 面 に も局 部 的 に ヒ ロ マ型 が 存 在 す る が 、 こ れ は 山 岳 地 帯 で 標 高 が 高 く冬 季 の寒 冷 積 雪 のせ い と い う こ と も考 え ら れ る が 、 ヒ ロマ1室 の 原 始 的 単 室 住 居 の 系 譜 を今 日 まで ひい て い る 民 家 型 と も考 え られ る。 本論 第1巻 で扱 っ た 白 山 ・山 村 住 居 との 類 縁 性 を感 じ させ る 。 こ の 地 域 も近 年 まで 焼 畑 農 耕 を お こ な っ て い た で あ ろ う。 他 方 、 田 字 型 圏 は 関 東 か ら西 の 表 日本 、 四 国、 九 州 地 方 の温 暖 少 雪 地帯 に対 応 して い る。 気 候 一9一

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図1-2気 候 風 土 と民 家 型

注)上 図;杉 本 尚次 「日本民 家の研 究 』(ミ ネ ル ヴァ書 房 、昭和44年 、 p,110)に よ り筆者 作 図 屡 ヨ ヒロマ 型お よび ヒロマ 的 間取 皿 皿 四間取(田 字型) 彪翻 ドマ極 小 ¶W二 棟造(主 屋無 土 間)T'r▼ イエ、ナ カエ 接 着 一一一 中門造 一 曲屋(南部)… 一 妻 入 下 図:寒 冷地 帯 積 雪地 帯 温 和 な 地 方 で は 、炉 の あ る ヒロ マ は寒 冷 多 雪 な地 方 に比 して需 用 度 が 低 く住 空 間 の 機 能 分 化 が 優 先 し田 字 型 の よ うな 室 構成 を と った の で あ ろ う。 な お 、 先 に お こ な っ た 農 家 規 模 の 観 点 か らみ る と、 ヒ ロマ 型 圏 に属 す る13地 域 の 単 純 平 均 農 家 規 模 は152m2で 、 そ の他 の 田 字 型 圏32地 域 の そ れ は1ユ2㎡で40m2の 差 が 存 す る。 こ れ に よ っ て も、 ヒロ マ型 の 大 規 模 、 田 字 型 の 中規 模 な い し小 規 模 で あ る こ とが わ か る。 田字 型 圏 も南 九 州 方 面 で は 多 少 状 況 が異 っ て くる 。 図 に お い て は イ エ ・ナ カ エ接 着 型 や フ タ ム ネ ヅ ク リ(二 棟 造)と 称 せ られ て い る民 家 型 で あ る 。 これ らの 民 家 型 の 分 布 域 は南 九 州 か ら さ ら に南 方 の 南 西 諸 島 に及 ん で い る 。 否 、 む し ろ南 西 諸 島 の 民 家 型 が 南 九 州 に まで 及 び 、 さ ら に北 九 州 方 面 に まで 波 及 して い る とみ るべ きで あ ろ う 。 先 に もふ れ た よ うに 、 多 雪 で大 型 化 した 北 陸方 面 の 民 家 と は対 極 的 な位 置 に 立 つ 南 西 諸 島 か ら南 九 州 方 面 の 民 家 は 、 本 論 の 対 象 とす る加 賀 ・農 村 住 居 、 す な わ ち 北 陸 型 民 家 の 特 性 を よ り明 確 に す る た め に もお ろ そ か にで きな い 。 南 西 諸 島 民 家 に つ い て は 、 後 に亜 熱 帯 型 民 家 と して と り挙 げ る が 、 図 にお い て 二 棟 造 と よ ば れ て い る 民 家 型 は 、 ひ ろ く南 西 諸 島 に分 布 す る民 家 型 で 一 般 に カ マ ヤ(釜 屋)と イ ヤ(居 家)の2 -10

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棟 か ら成 る 民 家 で あ る。 カ マ ヤ は も と も と戸 外 に あ る 露 天 の カ マ ドで あ る が 、 後 こ れ に屋 根 が 架 け られ カ マ ヤ と な る。 そ の た め カマ ヤ は炊 事 棟 、 イ ヤ は 居 住 棟 と もい わ れ て い る 。 高 温 な風 土 で は 火 どこ ろ を別 に し熱 気 を遮 け たの で あ ろ う。 この 発 展 過 程 は 、本 来 イヤ1棟 の み の 構 成 で あ っ た こ と を物 語 っ て い る が 、 イ ヤ の 中 に は小 規 模 な炉 が あ り、 原 始 的 な居 住 形 態 を示 して い る。 カ マ ヤ 、 イ ヤ の2棟 構 成 は さ らに発 展 す る と接 客 を受 け もつ オモ テ ヤ(表 屋)と よ ば れ る1棟 をつ け加 え て全 体 と して は3棟 構 成 とな る。 この よ う な住 空 間構 成 を本 論 で は小 棟 分 立 の 多 棟 構 成 と よ んで い る が 、 これ が 亜 熱 帯 型 民 家 の特 色 で あ る。 図 に み え る 南 九 州(鹿 児 島 、 宮Ill奇あ た り)の イ エ 、 ナ カ エ接 着 型 は上 記 の2棟 が 相 接 して建 て られ 平 面 的 に は1棟 の よ う にみ え る タ イ プで あ る 。 この 場 合 の イエ(家)は 居 住 棟 、 ナ カエ(中 居)は 炊 事 課 で あ る。 多棟 型 が1棟 化 して い くプ ロセ ス を示 す 例 と して 重 要 で あ ろ う。 また 、 こ う した亜 熱 帯 型 民 家 で は 戸 外 空 間 の利 用 度 が 高 く屋 内 の ドマ は 極 小 で あ る た め 、 図 に もそ の表 示 が あ る。 最 後 に 、 妻 入 り地 域 が 示 され て い る が 、 全 国 的 に平 入 りが 多 い 中で 妻 入 り地 域 は 今 日で は珍 し い もの とな っ た。 本 論 第1巻 で 扱 っ た 白 山 ・山村 住 居 や そ の 系 譜 を ひ く本 巻 の加 賀 ・農 村 住 居 は 全 国 的 に珍 しい 妻 入 り地 域 で あ る こ と はす で に述 べ た とお りで あ る。 2.3農 家 ・サ ー ビ ス系 空 間 の 風 土 性 以 上 、全 国 的 な民 家 型 をみ て も民 家 の 住 空 間 構 成 に は 地 域 的 な差 異 が あ る 。 本 論 で は住 空 間 の 内 容 を み る に あ た っ て 、 まず は サ ー ビ ス系 空 間 と リ ビ ン グ系 空 間 の 空 間量 や 配 置 手 法 等 につ い て 検 討 す る こ と に して い る が 、 こ こで はサ ー ビス 系 空 間 の 空 間量 につ い て み る。 先 に全 住 空 量 と して 農 家 規 模(全 床 面 積)を み 、 地 域 差 の大 きい こ と、 そ して そ れ が 地 域 の気 候 風 土 とつ よ く結 び つ い て い る こ と を確 め た 。 農 家 にお い て サ ー ビ ス系 空 間 とい う と まず ドマ 空 間 が 想 起 され る。 多 雪 地 域 で は ドマ が 勢 い 発 達 す る が 、 先 の 図 に もあ っ た よ うに南 九 州 方 面 で は ドマ は極 小 で あ る 。 ドマ は と うぜ んサ ー ビス 系 の 空 間 に含 まれ る の で 、 ドマ を も含 め た サ ー ビス 系 の 空 間 が 地 域 に よっ て どの よ う な ウ ェ イ トを もつ の か 、 そ の あ た り を検 証 して お き た い(表1 -2) 農 家 の サ ー ビス 空 間 量 ・Sf(㎡)に つ い て は 、全 床 面 積Af(㎡)か ら1住 宅 あ た り畳 数 に1.65(㎡ /畳)を 乗 じた値 ・Lf(㎡)を 引 い た も の と して い る(Sf=Af-Lf)。 全 国45地 域 に つ い てAfとSfの 相 関 関 係 を 求 め る と、相 関 度 は0.9267で きわ め て 強 い 正 の相 関 が え られ る 。 農 家 規 模 ・Afが 大 き く な る に つ れ て サ ー ビ ス 系 空 間 量 ・Sfも 正 比 例 的 に増 加 し て い る 。 関 係 式 はSf=0.5971Af-5.25で あ る。 こ の よ う に 、 農 家 にお け るサ ー ビス 系 空 間 は 全 住 空 間 量 に正 比 例 して い るの で大 型 の 多 雪 型 民 一11一

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家 で はそ れ に相 応 した サ ー ビス 系 空 間量 を もっ て い る。本 論 の対 象 と して い る加 賀 ・農 村 住 居(石 川 の 農 家)規 模 は176㎡ で そ の 中 の サ ー ビ ス系 空 間量 は93㎡(53%)で あ る。 これ に 対 して 亜 熱 帯 型 の 鹿 児 島 で は 農 家 規 模64㎡ の う ちサ ー ビス 系 空 間量 は29m2(45%)で あ る 。 サ ー ビス 系 空 間 表1-2地 域 別 農 家 住 空 間 の 諸 量 農 サ リ 室1農 サ リ 室l lビ 室1ビ 室 家 ビ ン あ 家 ビ ン あ ス グ た ス グ た

Nα地域 鵬

需 講Nα

地域 畿

需 誘

Af`f`f醤fffAf§fff西fff m2m2mZ室 畳m2㎡m2室 畳 1青 森12862665.67.124滋 賀12772555.66 .0 2岩 手14269735.87.625京 都12773545.55.9 3宮 城13264685.87.126大 阪12068525.75.5 4秋 田16085756.27.327兵 庫14183586。15.7 5山 形13872665.57.328奈 良14689575.95.9 6福 島13567685.57.529和 歌 山10862465,15.5 7茨 城9547484.46.630鳥 取12973565.76.0 8栃 木11464504.46,831島 根11665515.35.9 9群 馬15099514.66,732岡 山11969505.35.7 10埼 玉13785524.76.733広 島12065555.56.O ll千 葉10251514.76,634山 口14088526.35.O l2東 京ll968514.96.335徳 島9847515.35.9 13神 奈 川11462524.76.836香 川12583424.65.5 14新 潟16286765.97.837愛 媛10559465,15,4 15富 山190105857.56.838高 知10058425 .54,6 16石 川17693836.87,439福 岡11466485.05.8 17福 井15899595.36.740佐 賀12272505.06.4 18山 梨13876625.37.141長 崎9956434.45.9 19長 野14673736.07.442熊 本10358454.46.2 20岐 阜16193686.46.543大 分10454505.16.0 21静 岡11659575.26.744宮 崎8848404.25.8 22愛 知15485696.36,645鹿 児 島6429353.95.5 23三 重12671555.56.0平 均12670565.46.3 資 料)『 住 宅 統 計 調 査 報 告 』(昭 和43年 ・1968) 注)1.地 域 に つ い て は 北 海 道 を 除 外2.農 家 規 模 ・Afは 農 林 漁 業 併 用 住 宅 の 延 べ 面 積(小 数1位4捨5入)3.リ ビ ン グ 系 空 間 ・Lfは1住 宅 あ た り 畳 数 ×1.65(㎡/畳)(小 数 1位4捨5入)4.サ ー ビ ス 系 空 間 ・SfはAf-Lf5.室 数 ・Nfは 小 数2位4捨5入 6.1室 あ た り 畳 数 ・Tfは 小 数2位4捨5入 一12一

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の 絶 対 量 の 差 も さ る こ と な が ら 全 住 空 間 に 占 め る 比 率(配 分 率)の 差 も 注 目 さ れ る 。 2.4農 家 固 有 の サ ー ビ ス 系 空 間 農 家 は 一 種 の 併 用 住 宅 で あ る か ら、 サ ー ビ ス 系 空 間 の 中 に 併 用 部 分(ド マ な ど)を 含 ん で い る 。 こ れ は も ち ろ ん サ ー ビ ス 系 空 間 ひ い て は 住 居 規 模 そ の も の を 拡 大 し て い る 。 こ の 拡 大 状 況 は 専 用 住 宅 と 比 較 す る こ と に よ っ て あ き ら か に な る 。 か り に 全 国 平 均 を み て も 農 家 規 模126㎡ の と こ ろ 専 用 住 宅 規 模 は72m2で54m2の 大 差 が あ る 。 サ ー ビ ス 系 空 間 に 限 っ て も 農 家70㎡ 、 専 用 住 宅34㎡ で 36㎡ の 差 が あ る 。 農 家 の サ ー ビ ス 系 空 間 量 は 専 用 住 宅 の 約2倍 も あ る 。 も し 専 用 住 宅 の サ ー ビ ス 系 空 間 量 が 住 生 活 上 の サ ー ビ ス 的 機瀧 を 充 足 し て い る とす れ ば 、 農 家 の サ ー ビ ス 系 空 間 量(Sf)か ら 専 用 住 宅 の そ れ(Se)を 引 い た 残 余(Sf-Se)は 併 用 の た め の サ ー ビ ス 系 空 間 量 と考 え ね ば な ら な い 。 す な わ ち 農 家 固 有 の サ ー ビ ス 系 空 間 と 考 え ね ば な ら な い 。 こ れ をDfと す れ ば 、Df=Sf-Seで あ る(後 出)。 い ま 、 全 国45地 域 のDfとAfの 相 関 を 求 め る と 、 相 関 度 は0.7315で か な り強 い 正 の 相 関 が え ら れ る 。 す な わ ち 、 農 家 規 模 の 大 き い 地 域 で は 農 家 固 有 の サ ー ビ ス 系 空 間 ・Dfも そ れ に 比 例 し て 大 き く な る と い う こ と で あ る 。 な お 、 関 係 式 はDf=0.3750Af-11.37で あ る 。 し か し、 こ の 時 点(昭 和43年 ・1968)で は 都 市 化 の 影 響 に よ り専 用 住 宅 の サ ー ビ ス 系 空 間 も か な り切 り つ め ら れ つ つ あ る と考 え ら れ る の で 大 都 市 圏 の 影 響 す る と考 え ら れ る6地 域(埼 玉 、東 京 、 神 奈 川 、 愛 知 、 大 阪 、 兵 庫)を 除 い た39地 域 の 相 関 み る と、 相 関 度 は0.7918、 関 係 式 はDf=0.3613Af-1ユ .64と な る 。 や は り相 関 度 は す こ し高 く な っ て い る 。 こ う し た 農 家 固 有 のDfは す ぐれ て 風 土 的 と 考 え ら れ る の で 、 前 節 で み た 秋 冬 季 降 水 量 と の 相 関 地 域26地 域 か ら 上 記 の 都 市 化 地 域3地 域(埼 玉 、 東 京 、 神 奈 川)を 除 い た23地 域 に つ い てAf とDfの 相 関 を 求 め る と 、 相 関 度 は0.864ユ 、関 係 式 はDf=0.2692Af-2.60と な る 。 同 じ よ う に し て 冬 季 気 温 と の 相 関 地 域19地 域 か ら 都 市 化 地 域3地 域(愛 知 、 大 阪 、 兵 庫)を 除 い た16地 域 のAf とDfの 相 関 を 求 め る と 、 相 関 度 は0.8625、 関 係 式 はDf=0.5214Af-28.35と な る 。 以 上 か ら 、 農 家 規 模(Af)の 風 土 性 は サ ー ビ ス 系 空 間 量(Sf)お よ び 農 家 固 有 の サ ー ビ ス 系 空 間 量(Df)に も 同 じ よ う に 反 映 さ れ て い る と い う こ と が い え る 。 逆 に い え ば 、 風 土 的 サ ー ビ ス 系 空 間 量(Sf)の 大 小 が 農 家 規 模(Af)の 大 小 に 大 き く 影 響 し て い る と い え る の で あ る 。 2.5農 家 ・リ ビ ン グ 系 空 間 の 風 土 性 サ ー ビ ス 系 空 間 に つ づ い て リ ビ ン グ 系 空 間 の 風 土 性 に つ い て み る 。 ま ず 、 リ ビ ン グ 系 空 間 全 体 の 空 間 量(Lf)に つ い て み る と 、 全 国45地 域 の 平 均 は56m2で 農 家 規 模126㎡ の44%に 当 る 。 サ ー ビ ス 系 の 空 間 量70m2(56%)を や や 下 ま わ る 量 で あ る 。 全 国45地 域 の リ ビ ン グ 系 空 間 量(Lf)と 農 家 規 模(Af)の 相 関 を 求 め る と 、 相 関 度 は0.8571で 一13一

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ひ じ ょ う に 強 い 正 の相 関 を 示 し、 関係 式 はLf=0.4029Af+5.25で あ る 。 リ ビ ン グ 系 空 間量 も サ ー ビ ス系 空 間量 と同 じ よ うに 農 家 規 模 に比 例 して 増 減 す る 。 次 に リ ビ ン グ 系 空 間 は居 室 に よ っ て 構 成 さ れ る の で 、室 数(Nf)に つ い て み る と、 全 国45地 域 の 平 均 は5.4室 で あ るが 最 大 は富IL[の7.5室 、 最 小 は鹿 児 島 の3.9室 で3.6室 の 差 が あ る。 規 模 の ・ 大 きい 農 家 で は 室 数 も多 い こ とが 予 想 さ れ るが 、事 実 農 家 規 模(Af)と 室 数(Nf)の 相 関 を 求 め る と、相 関 度 は0.8049、関 係 式 はNf=0、0238Af+2.35と な る 。 農 家 規 模 と室 数 は よ く正 の相 関 性 を示 して い る 。 室 数 の次 に室 規 模(1室 あ た り畳 数 ・Tf)に つ いて み る と、 まず 全 国45地 域 の 平 均 は6.3畳 で 、 最 大 は富 山 の7.8畳 、 最 小 は鹿 児 島 の5.5畳 で あ る 。 室 規 模 に もか な りの 差 が あ り、 多 雪 地 域 の 大 室(ヒ ロマ の存 在 が大 き く影 響)、亜 熱 帯 地 域 の 小 室 が み て と れ るが 、 農 家 規 模(Af)と 室 規 模 (Tf)の 相 関 を求 め る と、相 関 度 は0.5393、 関 係 式 はTf=0.Ol62Af+4.29と な り、 室 数 ほ どの 強 い相 関性 を示 さ な い 。 以上 の よ う に 、室 数 と室 規 模 を比 較 す る と、 室 数 の 方 に ウ ェ イ トが お か れ て い て 、 室 規 模 は二 次 的 な もの と考 え られ て い る よ うで あ る 。 室 数 の 必 要 性 は 、 農 家 の 場 合 か な り保 守 的 な要 素 もあ り、祭 祀 空 間 と して の ブ ツ マ 、 儀礼 空 間 と して の ザ シ キ 、 あ る い は そ れ に つ づ くツ ギ ノマ 等 の 要 請 もつ よ く、 ま た実 生 活 面 で は 就寝 隔 離 の た め の 複 数 の ネマ 、台 所 の 合 理 化 の た め の ヒ ロ マ の 分 割 等 が 考 え られ る。こ う した室 数増 加 は主 と して 戦 後 の所 産 で あ り、資 料 の 調 査 時 点(昭 和43年 ・ 1968)で は 上 記 の諸 現 象 が か な り明 確 な か た ち を とっ て現 わ れ て い る と お も え る 。 2.6ヒ ロ マ 型 民 家 の ヒロ マ と諸 室 リ ビ ン グ系 空 間 の 風 土 性 は 、先 にあ げ た ヒ ロマ 型 と田字 型 の 民 家 型 と大 き くか か わ っ て こ よ う。 ヒロ マ 型 民 家 の 分 布 地 域 は 、 東 北 ・北 陸 地 方 で あ った 。 具 体 的 に は青 森 、 岩 手 、 宮 城 、秋 田 、 山 形 、福 島 、 群 馬 、新 潟 、富 山 、 石 川 、福 井 の11地 域 で あ る。 また 、 ヒ ロ マ 型 と田 字 型 の混 在 す る 地 域 が7地 域(茨 城 、 栃 木 、 長 野 、 岐阜 、 滋 賀 、京 都 、 兵 庫)あ る 。 そ の 他 の27地 域 が 田 字 型 地 域 で あ る。 ヒ ロマ 型 地 域 は ヒ ロ マ の せ い で 田 字 型 地 域 よ りリ ビ ング系 空 間 も大 型 化 して い る と考 え られ る が 、 い ま ヒ ロ マ 型 地 域ll地 域 と 田字 型 地 域27地 域 の 住 空 間 諸 量 の平 均 値 を表 示 す る と表1-3の よ う に な る。 ま ず 、 リ ビ ン グ系 空 間 量 を示 す全 畳 数 に つ い て み る と ヒ ロ マ型42.4畳 、 田 字 型30.6 畳 で ヒ ロマ 型 の 方 がll.8畳 大 きい 。 約12畳 の差 が 出 て い る 。 こ の12畳 が す な わ ち ヒロ マ 面 積 に相 当 す る か 否 か 。 そ こで ヒロ マ 型 民 家 の住 空 間構 成 を考 え る と、 ヒロ マ と諸 室(ブ ッ マ 、 ザ シ キ 、 ネマ 等)の 構 成 にな り、 こ の 諸 室 は 田 字 型 民 家 の 室(諸 室)と 大 き な差 が な い 。 ま た 、 ヒ ロ マ 型 民 家 に お け る ヒ ロマ は1室 で 大 き さは 諸 室2室 分 に相 当 す る の で 、 この 関係 か ら ヒ ロマ の面 積 、 諸 室 数 、 諸 室 一14一

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規 模 が 算 出 で き る 。 ま ず 全 体 の 室 数(Nf)を み る と 、 ヒ ロ マ 型5.9室 、 田 字 型5.1室 で ヒ ロ マ 型 の 方 が0.8室 多 い 。 こ の 約1室 が ヒ ロ マ1室 に 相 当 す る で あ ろ う こ と は 容 易 に 推 定 で き る 。 次 に ヒ ロ マ 面 積(Hf) を 算 出 す る と12.3畳 で 先 の リ ビ ン グ 系 空 間 の 差11.8畳 に ほ ぼ 見 あ う 。 ヒ ロ マ を も つ ヒ ロ マ 型 民 家 の 大 型 化 の 主 因 は や は り ヒ ロ マ に あ る 。 次 に ヒ ロ マ 以 外 の 諸 室 に つ い て 室 数(Nf)を 求 め る と 、 ヒ ロ マ 型4.9室 、 田 字 型5.1室 で 両 者 と も5室 で ほ ぼ 等 し い 。 す な わ ち 、 ヒ ロ マ 型 で は ヒ ロ マ1室 と諸 室5室 の 合 計6室 でNfの5.9 室 と よ く一 致 す る 。 田 字 型 で は ヒ ロ マ は な く諸 室5室 の み で あ る か ら 室 数 は5室 で あ り、Nfの 5.1室 と よ く 一 致 す る 。 次 に 諸 室 の 規 模(Tf)に つ い て み る と 、 ヒ ロ マ 型6.2畳 、 田 字 型6.0畳 で ほ ぼ 一 致 す る 。 な お 、 諸 室 規 模 に つ い て は 多 少 ヒ ロ マ 型 の 方 が 大 き い 可 能 性 が あ る 。 以 上 か ら ヒ ロ マ 型 と 田 字 型 を 比 較 す る と 、 リ ビ ン グ 系 空 間 の 差 は あ き ら か で あ り 、 ヒ ロ マ 型 民 家 で は ヒ ロ マ1室(約12畳)分 が 田 字 型 民 家 よ り大 き く、 そ の 他 の 諸 室 は ヒ ロ マ 型 、 田 字 型 に 共 通 し5室(1室 あ た り6畳)を 保 有 す る 。 以 上 が ヒ ロ マ 型 の リ ビ ン グ 系 空 間 の 風 土 性 で あ る が 、 表1-3ヒ ロ マ 型 民 家 の 住 空 間 諸 量 1234567 、 、1、 、 、 、 農 全 室1ヒ 諸 諸

一 域 鴛

・'数 .'・ AfLfNfTfHfnftf m2畳 室 畳 畳 室 畳 1青 森12839.85.67.112.04,66.0 2岩 手14244.15.87.613.04。86.5 3宮 城13241.45.87.112.24。86.1 4秋 田16045.56.27.312.65.26.3 5山 形13840.35.57.312.44.56.2 6福 島13541.35.57.512.84,56.4 7群 馬15031.04.66.711.03.65.5 8新 潟16246.15.97.813.44.96.7 9富 山19051.37.56.812.06.56.O lO石 ノlI17650.56.87.413.05.86.5 11福 井15835.75.36.711.44.35、7 ヒ ロ マ 型 平 均15242.45.97.212.34.96.2 田 字 型 平 均11630.65.16.0-5.16.0 資 料)表1-2に 同 じ 注)5.∼7,は 筆 者 算 出 一15一

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この よ う な視 点 は ヒ ロマ 型 地 域(11地 域)と 田 字 型 地 域(27地 域)の マ ク ロ な 比 較 で あ るが 、 よ り具 体 的 に は本 論 の 対 象 とす る加 賀 ・農 村 住 居 の 実 態 が こ の こ と を示 して い る で あ ろ う。 3.亜 熱 帯 型 民 家 の 住 空 間 3.1小 型 化 住 空 間 の伝 統 北 陸 地 方 の多 雪型 民 家 の 対 極 的 な 民 家 は亜 熱 帯 型 民 家 で あ る 。 先 に 引 用 した 農 家 規 模 に お い て も両 者 の 差 は歴 然 た る もの が あ っ た 。北 陸4県 の 農 家 規 模 は 、 新 潟162㎡ 、 富 山190㎡ 、 石 川176 ㎡ 、福 井158㎡ で あ っ た。 他 方 、 亜 熱 帯 型 民 家 の 影 響 を受 け て い る 南 九 州 地 方 で は 、 鹿 児 島64㎡ 、 宮 崎88m2で あ っ た 。 本 論 の 対 象 と して い る加 賀 ・農 村 住 居 に 関 連 す る 石 川176m2は 鹿 児 島64㎡ の 2.75倍 で3倍 に近 い 。 この 差 の よ っ て くる と こ ろ は 、 基 本 的 に は住 居 の シ ェ ル ター 的 役 割 の 多 寡 にあ る で あ ろ う。 よ り具体 的 に い え ば 、 住 生 活 に お け る戸 外 空 間 の 利 用 度 、住 空 間 の1棟 集 約 化 の 度 合 等 で あ る 。 本 節 で は そ の よ うな状 況 をあ き らか にす る た め に亜 熱 帯 型 民 家 の 住 空 間 構 成 を み て お きた い 。 資 料 は 、 野 村 孝 文 『南 西 諸 島 の 民 家 』(相模 書 房 、増 補 版 、 昭和51年 、 初 版 昭 和36年)で あ る。 同書(PP.33∼77)に は南 西 諸 島 の 民 家 平 面 が 数 多 く採 集 され て い る の で 、 まず は そ の 住 空 間 構 成 の 実 態 を 図1-3に 示 す 。全60例 で あ る 。 亜 熱 帯 型民 家 は総 じて 小 型 を 特 色 と し て お り、 そ れ は先 の 鹿 児 島 の64㎡ に も現 わ れ て い た が 、 も ち ろ ん 亜 熱 帯 型 民 家 の 中 に もそ れ な りに規 模 の 大 小 が存 在 す る。60例中最 小 の 民 家 は2.0×2.0問(4坪 、13㎡)で 最 大 は38.5坪(127㎡)で あ る。 この よ う な気 候 風 土 的 条 件 の 一 定 な地 域 に お け る規 模 差 は、 い ちお う 階 層 差 とい う こ とに な る が 、 しか し、 そ の 階 層 差 は歴 史 的 に生 成 され る もの で あ る以 上 そ こ に は住 空 間の 古 式 か ら新 式 へ の 発 展 過程 もみ とめ られ よ う。 図1-3は60例 を規 模 の小 か ら大 へ 配 列 して い る の で そ こ に は お の ず か ら歴 史 的 発 展 過程 が 現 わ れ て い る は ず で あ る。 次 項 で は そ の あ た りを概 観 して お きた い 。 3,2小 棟 分 立 の 多 棟 構 成 南 西 諸 島 民 家 の特 色 は、 小 棟 分 立 の多 棟 構 成 に あ る 。 も っ と も発 達 した 居 住 棟 の 構 成 は 、 トウ グ ラ ・トコ ラ ・ トウ ラ ・ トグ ラ(外 倉 か)あ る い は カ マ ヤ(釜 屋)と よ ば れ る炊 事 棟 と ウ イ ヤ あ る い は イ ヤ(居 室)と よ ばれ る生 活 棟 、 オ モ テ(表)あ る い は オ モ テ ヤ(表 屋)と よ ば れ る接 客 棟 の3棟 で あ る。 これ らの 居 住 棟 に付 属 屋 を加 え る と、 さ らに棟 数 が 増 し多 棟 化 す る。 3棟 の居 住 棟 カ マ ヤ 、 イヤ 、 オ モ テ ヤ は 隣 接 して建 て ら れ る が 棟 相 互 の 連 絡 は戸 外 空 間 と な る 場 合 もあ り、 ま た ドカ(廊 下)と よ ば れ る ロ ー カ で つ な が れ る場 合 もあ り、 さ ら に鹿 児 島 や 宮 崎 で は1棟 化 され て い る 例 もみ られ る。 亜 熱 帯 的 気 候 風 土 の も とで は居 住 棟 の1棟 化 は 多 雪 地 域 の よ う に必 要 で な か っ た で あ ろ うが 、 い まひ とつ は構 法 の 問 題 もか らん で い た 。 -16一

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南 西諸 島 民 家 は基 本 的 に は ナ カバ シ ラ(中 柱)構 造 に よ って い る。 平 面 の 中 心 に 中柱 を建 て そ の頂 部 に向 って タル キ(種)を か け る 構 法 で 平 面 は正 方 形 に な る。 この 構 法 で は多 雪 地域 で 発 達 した平 行 サ ス 構 造 の よ う に住 空 間 を お も う よ う に拡 大 す る こ とが で きな か っ た 。 そ の た め 小 棟 分 立 の 多棟 構 成 と な ら ざる を え なか っ た が 、 そ の 由来 は 自生 す る樹 木 に ま わ りか らタ ルキ(丸 太 や 太 い枝)を さ しか け る原 始 的 構 法 に あ る とお も え る 。 こ の よ う な中 柱 構 法 に よ るか ぎ り平 面 の 形 状 や 規 模 は お の ず か ら決 定 さ れ2 .0∼4.0間 程 度 の正 方 形 平 面 とな ら ざ る を え な い 。 も し、住 空 間 を拡 大 す る とす れ ば 中柱 を何 本 か 建 て棟 木 を渡 して タ ル キ を か け る 棟 持 柱 構 法 に移 行 す る しか しか たが な か っ た が 、 風 土 的 条 件 か らそ の必 要 性 もな か っ た。 む しろ 、 亜 熱 帯 気 候 の も とで は 機 能 に応 じて棟 をわ け る方 が 有 利 で あ っ た。 カ マ ヤ の よ う に火 を使 用 す る とこ ろ で は 、熱 気 や 排 煙 の た め に イヤ とは 分 離 す る方 が 望 ま しい 。 お そ ら く、 も と は炊 事 は戸 外 で お こ な わ れ て い た で あ ろ う。 カ マ ヤ の 成 立 は 当 地 の民 家 発 展 過 程 の 一 プ ロ セ ス と考 え られ る 。 そ の 意 味 で は 当 地 の民 家 の 祖 型 は イ ヤ にあ る で あ ろ う。 戸 外 の 炊 事 場 に シ ェ ル ター を架 した もの が カ マ ヤ で あ る。 他 方 、 オ モ テ ヤ は い わ ばハ レ(晴)の 空 間 で 階層 的 に は上 層 、 歴 史 的 に は後 代 の 所 産 で あ る。 中心 とな る イヤ は カ マ ヤ とオ モ テ ヤ の 中 間 に位 置 す る と こ ろ か らナ カヤ(中 屋)と もよ ば れ る 。 3.31棟 構 成 の場 合 1棟 構 成 は イ ヤ の み の 住 居 で あ る。 この イヤ につ い て は 、 前 出 『琉 球 地 方 の 民 家 』(PP.69∼70) に次 の よ う に あ る 。 琉 球 地 方 で は 、 た とえ ば 沖 縄 島勝 連村 平 安 名 の よ う に明 治 中期 頃 ま で は 土 間 に藁 や 茅 な ど を 敷 い て そ の上 に ニ ク ブ ク(藁 製 蒲)を 敷 くだ け で 生 活 して い た全 土 間式 の 土 座 住 まい が80%も あ り、 明 治 中 頃 まで は全 琉 球 にか な り多 くの 土 間住 まい(土 座 住 ま い)が あ っ た もの と考 え ら れ る。 い ま も琉 球 列 島 に は 転 ば し根 太 の ゆか や 自然 石 の 上 に根 太 を渡 す ゆ か が あ って 、 ゆ か は 極 め て 低 く、 高 床 式 へ とか わ っ て い くの で あ る 。 この 論 述 を み る と、 亜 熱 帯 的 気 候 風 土 を もつ 沖縄 にお い て も も とは 土 座 ず ま い で 、 そ れ は 明 治 期 に まで 及 ん で い る。 こ れ は 本 土 の場 合 と 同様 で あ り、 そ の 後 の 低 床 か ら揚 床(引 用 文 の高 床) へ の発 展 も全 く同 様 で あ る 。 お も うに 、 床 形 式 か らみ る と 日本 列 島 の どの 地 域 もほ と ん ど 同様 の 発 展 過 程 をへ て い る。 高 床 式 の タ カ ク ラ(高 倉)を もつ 当 地 方 にお い て も一 般 の 庶 民 住 居 は な が ら く土 座 で あ っ た 。 本 論 第1巻 で扱 っ た 豪 雪 地 域 の 白 山 ・山 村 住 居 や 本 第1巻 の 加 賀 ・農 村 住 居 もな が ら く土 座 ず ま い を伝 統 と して きた 。 す くな く と も 日本 列 島 に お い て は 、 気 候 風 土 にか か わ りな く土 座 の単 室 一21一

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住 居 が 初 原 的 な姿 で あ る。 低 床 に しろ揚 床 に しろ床 張 り とい う建 築 行 為 は一 定 の 発 展 段 階 に 達 し な い と現 わ れ な い の で あ る。 さ て 、先 に例 示 した60例 の南 西 諸 島 民 家 の う ち1棟 構 成 の もの は15例 あ る。 この15例 は 他 の 例 と 同 じ よ うに す で に床 張 りが か な り進 行 し ドマ が 少 な くな っ て い る が 台 所 部 分 に火 処 との 関 係 で 多 少 の ドマ空 間 が 残 っ て い る 。 単 室 住 居 の場 合 、 屋 内 の一 角 に 火 処 の ドマ を設 け他 の部 分 を土 座 に して起 居 の ス ペ ー ス と して い た の で あ ろ う。 土 座 部 分 は低 床 か ら揚 床 へ と移行 して い く。 そ れ と同 時 に室 分 割 も進行 す る 。 この1棟 型15例 の平 均 規 模 は50㎡ で 先 の鹿 児 島 の64㎡ よ りか な り小 さい の は そ の 下層 性 を示 し て い る の で あ り、2棟 構 成 か ら3棟 構 成 と上 層 化 す る に つ れ と と うぜ ん 平 均 規 模 も大 と な っ て い く。 ち な み に 、2棟 構 成 の平 均 規 模 は63m2、3棟 構成 の そ れ は77㎡ で あ る。 1棟 型 は先 に ふ れ た よ うに イ ヤ の み の住 居 で あ る か ら平 均 規 模 も3タ イ プ 中最 小 に な るの は と うぜ ん で あ る が 、 しか し、1棟 型 に は1棟 型 な りの 発 展 型 が あ り、 カ マ ヤ を 下 屋 と して付 属 す る もの や 起 居 ス ペ ー ス が 発 展 して2∼3室 と な る場 合 もあ る 。 そ の結 果 と して1棟 型 の 平均 規 模 は 上 記 の よ う に50㎡ と な っ て い る が 、 そ の 内訳 は次 の よ うで あ る 。 まず50㎡ の う ちサ ー ビス 系 空 間 は22㎡(44%)、 リ ビ ン グ系 空 間 は28㎡(56%)と な る。 サ ー ビ ス 系 空 間22㎡ の 内 訳 は① 台 所 ス ペ ー ス10㎡(う ち ドマ面 積 は5㎡ 、 残 り5㎡ は低 床 等 の 床 張 り部 分)、② エ ン ・ドエ ン10m2、 ③ そ の 他 収 納 ス ペ ー ス等 が2㎡ で あ る 。 フ ロ ・便 所 等 は 戸 外 の 別 棟 で あ る。 こ う して み る と 、サ ー ビス 系 空 間 の 約 半 分 は 台 所 、 残 り半 分 は エ ンで あ り、 亜 熱 帯 的 気 候 にお け る エ ンの発 達 が 注 目 され る。 他 方 、 リビ ング系 空 間28㎡ の 内訳 は 、い う ま で も な く居 室 が大 半 で あ り僅 少 量 が 床 の 間 、床 脇 、 仏 壇 、神 棚 に当 て られ る 。 平 均 室 数 は2.7室 、1室 あ た りの 畳 数 は6.0畳 で あ る。 こ れ らの 値 か ら 少 室 、 小 室 の南 方 系 住 居 の 特 質 が うか が え るが 、 と くに1棟 型 で は そ の 傾 向が つ よい 。 3.42棟 構 成 の場 合 2棟 構 成 は イヤ と カ マ ヤ の 構 成 で あ る。 こ の2棟 は と うぜ ん 隣 接 して 建 て られ て い る が 分 離 し て い る場 合 と ロ ー カ(渡 り廊 下)に よ って 連 結 され て い る場 合 が あ り、 後 者 が 進 展 す る と平 面 上 は1棟 の建 物 の よ う に み え る 場 合 も生 ず る。 ま た 、 イ ヤ に カマ ヤ を 下 屋 と して 付 属 させ る 場 合 も あ り、 こ の場 合 の モ ヤ と下 屋 の 関係 は 白 山 ・山 村 住 居 に み られ た モ ヤ とサ シ カケ の空 間構 成 に 類 似 して くる 。 2棟 構 成 の 中 心 とな る の は イ ヤ で 、 炊 事 棟 の カマ ヤ は い わ ば副 屋 で あ る 。 南 西 諸 島 にお い て は カマ ドを屋 外 の 露 天 に 設 け る もの もみ られ る か ら、 こ れ に屋 根 を 架 け て1棟 と した もの が カ マ ヤ で あ ろ う。前 出 『日本 農 民 建 築 ・第6輯 』(P。170)に は外 カマ ドに つ い て次 の よ う な 記 録 が あ る 。 -22一

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宅 地 内 の配 置 図 に示 す 様 に 、 宅 地 内 に は 母 家 の 下 モ 手横 に高 倉 が あ り、 そ の 背 後 の 石 垣 の垣 根 に釜 が あ る が 、 是 を釜 、 ヘ ッ ッ イサ マ 、 ホ ド等 と称 して 居 る。 私 の 調 査 した 日は 釜 をか け蒸 籠 を上 に置 い て正 月 の 餅 を作 っ て 居 っ た。 こ の事 例 はや は り亜熱 帯 的気 候 風 土 を もつ八 丈 島 の こ とで あ る。 や は り外 カ マ ドの 例 で あ る。 オモ ヤ に付 属 す る カ マ ヤ は 下 屋 に な って お り、 これ をハ リ ダ シ(張 り出 し)と よ ん で い る。 火 処 と して炉 が 切 られ て い る が 、 こ れ を カマ ドと よん で い る 。 この例 の み な らず 亜 熱 帯 的気 候 風 土 の も と で は 、 住 生 活 に か か わ る火 処 が い くつ か に分 散 して お り、 そ の 歴 史 的 発 展 過 程 を もふ ま え て 遠 望 す る と、① 屋 外 炉 、② 屋 内炉 、③ 屋 外 カ マ ド、④ 屋 内 カ マ ドが 考 え られ る 。 上 の 事 例 で は ② と③ の 火 処 を もっ て い るが 、 そ の他 に もい くつ か の 組 合 わ せ が 考 え られ る 。 さ ら に、② 屋 内 炉 、 ③ 屋 内 カマ ドが カ マ ヤ にあ る か イ ヤ に あ る か に よ っ て もそ の時 代 性 が 異 っ て く る 。 こ の時 代 性 に さ らに 階層 性 が 加 わ っ て くる の で 話 しはす こ し複 雑 に な る が 、 下 層 を よ り前 時 代 的 と考 え れ ば 火 処 の 形 式(炉 か カ マ ドか)お よび位 置(屋 外 か カマ ヤ か イ ヤ か)に よ っ て す く な く と も発 展 過 程 の 段 階 は特 定 さ れ よ う。 そ して 、 炉 に しろ カマ ドに しろ火 処 は屋 外 か ら屋 内 へ 移 行 して い き、 屋 内 で は カマ ヤ か ら イヤ に移 行 し て い くか ら、火 処 か らみ た 発 展 段 階 は 、1.屋 外 炉 、1.イ ヤ 屋 内 炉 、 皿.屋 外 カ マ ド ・ イ ヤ 屋 内炉(以 上 、1棟 構 成)、IV.カ マ ヤ 屋 内 カマ ド ・イ ヤ屋 内 炉 、V.イ ヤ 屋 内 カ マ ド ・イ ヤ 屋 内 炉 の5段 階 とな る 。 カ マ ヤ が 別 棟 か モ ヤ の 下 屋 に な るか に よ って 住 空 間 的 に は 多 少 意 味 合 い が 異 っ て くるが 、 こ れ はIV段 階 の 中の 細 分 類 で あ る 。 本 項 の2棟 構成 タ イ プ は こ の よ う な観 点 か らみ る と第IV段 階 に位 置 す る もの で あ る 。 以 上 の よ う に カ マ ヤ 、イ ヤ の2棟 構 成 が基 本 的 な2棟 型 で あ る が 、い ま ひ とつ の2棟 型 が あ る 。 そ れ は カ マ ヤ を イ ヤ と一体 化 した1棟 と オ モ テ ヤ と よ ば れ る 接 客 用 の1棟 か ら成 る2棟 型 で あ る 。 この 場 合 、 前 者 の カ マ ヤ つ き イヤ を ナ カヤ(中 屋)と よ ん で い るの で そ の 呼 称 を採 用 す れ ば 、 ナ カヤ ・オ モ テ ヤ2棟 型 と な る 。 す な わ ち、2棟 構 成 は カマ ヤ ・イ ヤ 型 と ナ カ ヤ ・オモ テ ヤ 型 の 2種 類 に な る 。 こ の よ う な2棟 型 は 、例 示 した全60例 中36例 で もっ と も多 く標 準 的 な もの とい え よ う。 この36 例 の 平均 規 模 は63m2で 鹿 児 島 の64㎡ と よ く一 致 し、規 模 的 に も標 準 的 で あ る こ とが わ か る 。さて 、 こ の平 均 規 模63m2の 内 訳 は 、 まず サ ー ビ ス系 空 間25㎡(40%)、 リ ビ ン グ系 空 間38mz(60%)で1 棟 型 よ りや や リ ビ ン グ系 の 割 合 が 多 くな っ て い る。 ナ カヤ 、 オ モ テ ヤ と もに 居 室 が 多 くな っ て い るか らで あ る。 2棟 型 の 台 所 ス ペ ー ス は11㎡ で 、1棟型 の10m2と ほ とん ど変 らず 、 ま た エ ン ・ ドエ ン も9㎡ で異 動 が な い 。2棟 型 が1棟 型 と異 る の は2棟 を つ な ぐロ ー カ、 収 納 ス ペ ー ス 合 わ せ て4㎡ が 多 い こ とで あ る。 室 数 は3.9室 で1棟 型 の2.7室 よ り1.2室 多 い 。 室 規 模 は5.5畳 で1棟 型 の6 .0畳 よ り小 室 化 して い る 。 室 規 模 よ り も室 数 の増 加 を 重視 して い る こ とが わ か る。 -23一

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3.53棟 構 成 の 場 合 3棟 構 成 は 、 カマ ヤ 、 イ ヤ 、 オ モ テ ヤ の3棟 よ り成 る 。 い ま ま で の1棟 型 、2棟 型 に比 べ て 、 オ モ テ ヤ1棟 が 多 い か ら、 平均 規 模 も77㎡ と最 大 で あ る。 オ モ テ ヤ は 、先 に も述 べ た よう に接 客 用 の座 敷 を1棟 化 した もの で ハ レの空 間 で あ る 。 オ モ テヤ の あ る住 居 は 時代 的 に は 新 し く、 ま た 階 層 的 には 上 層 に属 す る 。 3棟 型 は 全60例 中9例 で 、1棟 型 よ り も少 な い 。 この 少 数 性 が と り もな お さず 上 層 性 を示 し て い る。 平均 規 模77㎡ の 内訳 は 、 サ ー ビス 系 空 間 が27㎡ で 、1棟 型 の22㎡ 、2棟 型 の25㎡ に比 べ や や 大 きい が大 差 が あ る わ け で は な い。 サ ー ビ ス系 空 間 の 内 容 に つ い て み る と、 ま ず 台 所 スペ ー ス は 10m2で1棟 型 の10m2、2棟 型 のll㎡ と 同等 で あ る 。 い わ ば カマ ヤ の 規 模 は3型 を通 して 固 定 さ れ て お り、 旧 態 を温 存 して い る と い え る 。 エ ン ・ ドエ ンの ス ペ ー ス はll㎡ で1棟 型 の10m2、2棟 型 の9㎡ と変 りな い 。 サ ー ビ ス系 空 間 の 差 は棟 問 をつ な ぐロ ー カ と収 納 ス ペ ー ス に よ っ て 多 少 増 加 して い る に す ぎ な い 。 お も うに 、 亜 熱 帯 的気 候 風 土 の も とで は 、 戸 外 空 間 の サ ー ビ ス 的 機 能 が 大 き く住 空 間量 へ の影 響 が す くな い の で あ ろ う。これ に対 して寒 冷 多 雪 な地 域 にお い て は 、サ ー ビス 系 機 能 を も住 空 間内 に 組 み 込 む結 果 、 そ の ス ペ ー ス量 は住 居 規 模 に相 応 して 増 加 す る の で あ る。 ち なみ に 、南 西 諸 島 民 家 の サ ー ビ ス系 空 間 の全 住 空 間 に 占 め る割 合 は 、1棟 型44%、2棟 型40%、3棟 型35%と 低 率 化 して い る。 他 方 、 リ ビ ング系 空 間 は50m2で 、1棟 型 の28㎡ 、2棟 型 の38㎡ に比 べ て 断 然 大 きい 。 南 西 諸 島 民 家 の規 模 差 は一 義 的 に リ ビ ング系 空 間 の差 に よ っ て い る とい え よ う。 室 数 は4.9室 で 、1棟 型 の2, 7室 、2棟 型 の3,9室 に 比 べ て相 応 に多 室 で あ る 。 室 規 模 は6.1畳 で1棟 型 の6.0畳 、2棟 型 の5.5畳 と比 べ て 大 き な差 は な く、 室 規 模 よ り も室 数 を主 眼 と して い る こ とが わか る 。 こ れ は 全 国 的 に 共 通 す る傾 向 で あ る 。 3棟 型 は 、 他 の1棟 型 や2棟 型 に比 べ て 上 層 の 住 居 で あ り、 また そ の こ と に よ っ て 規模 も大 き い が 、 サ ー ビ ス系 の 空 間 量 は大 差 が な く、 と くに台 所 ス ペ ー ス は ほ と ん ど等 しい 。 規 模 差 の生 じ る の は室 数 で あ り、 小 棟 分 立 の 多 棟 構 成 の 中 で 室 機 能 の 分 化 を追 求 して きた こ とが わ か る。 3.6亜 熱 帯 型 民 家 の 住 空 間 的 特 質 以 上 、南 西 諸 島民 家 を1棟 型 、2棟 型 、3棟 型 そ れ ぞ れ につ い て み て きた が 、 こ こで は全 体 を通 して の 空 間 的 特 質 とい っ た と こ ろ を み て お き た い 。南 西 諸 島民 家 にみ られ た 小 棟 分 立 の住 空 間 構 成 は 、亜 熱 帯 的 気 候 風 土 に お け る戸 外 空 間 を も含 め た 全 体 的 な構 成 が 基 本 で あ る 。例 示 した60例 も そ の こ と を よ く示 して お り、 イヤ の み の1棟 型 、 カマ ヤ ・イ ヤ の2棟 型 、 カマ ヤ ・イヤ ・オ モ テ ヤ の3棟 型 が あ っ た 。 全60例 に お い て 、棟 数 型 は1棟 型15例(25%)、2棟 型36例(60%)、3棟 型9例(15%)で あ る。 も ち ろ ん 、 この60例 は 民 家 調 査 が 目 的 で あ るか らあ ま り統 計 的 に処 理 す る こ とは 危 険 で あ る が 、 -24一

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各 タ イ プ が 採 集 さ れ て お りそ の 分 布 状 況 もか な りよ く母 集 団 を反 映 して い る と考 え られ る 。 そ の 証 拠 に 、 民 家 規 模(全 床 面 積)の 平 均 は61m2で 鹿 児 島 の64㎡ に きわ め て 近 い 。 また 、 平 均 室 数 は調 査 例 で は3.8室 、 鹿 児 島3.9室 で ほ とん ど一 致 す る 。 ま た 、平 均 室 規 模 は 調 査 例5.8畳 、 鹿 児 島5.5畳 で こ れ もほ ぼ 一 致 す る。 こ の 事 実 は 、 鹿 児 島 か ら南 西 諸 島 に わ た る 亜 熱 帯 型 民 家 の 特 質 を示 す もの で あ り、 日本 列 島 にお け る一 方 の 典 型 的民 家 型 とい う こ とが で き よ う 。他 方 の典 型 的 民 家 は 、 い う まで もな く北 陸 地 方 に代 表 され る多 雪 型 民 家 で あ る 。 さて 、 亜 熱 帯 型 民 家 の平 均 規 模61㎡ の 内容 は 、 サ ー ビス 系 空 間24㎡(39%)、 リ ビ ン グ系 空 間37 m2(61%)で 割 合 と して は リ ビ ン グ系 空 間が サ ー ビ ス系 空 間 を上 ま わ る。 ち な み に、 鹿 児 島 の 場 合 は サ ー ビ ス系 空 間29㎡(45%)、 リ ビ ング系 空 間35㎡(55%)で や は り リ ビ ング系 空 間 の 割 合 が 上 まわ っ て い る 。 他 方 、 多 雪 地 域 の石 川 で は 平 均 民 家 規 模176㎡ の う ち 、 サ ー ビ ス系 空 間 は93㎡ (53%)、 リ ビ ング系 空 間 は83㎡(47%)で サ ー ビス 系 空 間 の 方 が 割 合 が 大 き い。 多 雪 型 民 家 で は 民 家 規 模 も大 きい が 、 サ ー ビ ス 系 空 間 に費 され る空 間 量 は リ ビ ング系 空 間 の そ れ を上 ま わ って い る とい う点 が 重 要 で あ る。 こ の よ う に亜 熱 帯 型 民 家 は も と も と小 規 模 で あ るが 、 こ とサ ー ビス 系 空 間 に 配 分 さ れ る 空 間 量 は リ ビ ン グ系 空 間 に 比 して 少 量 で あ りそ の 面 積 は24㎡(14.7畳)に す ぎ ない 。 さ ら にそ の 内訳 は 、 台 所ll㎡(6,5畳)で ドマ部 分 と床 張 り部 分 が 折 半 す る 。 次 に必 要 と さ れ て い る サ ー ビス 系 空 間 は エ ン(少 量 の ドエ ン を含 む)の9㎡(5.8畳)で 、 残 り4㎡ は 棟 を つ な ぐ ロ ー カ2㎡ 、 タナ ・ 物 入 等 の収 納 ス ペ ー ス2mZで あ る 。 そ の 他 の サ ー ビ ス系 空 間 、 玄 関 、 便 所 、 プ ロ等 は ひ じ ょ う に僅 少 で あ る。 玄 関 は ほ とん どが 戸 外 か らエ ン に上 る形 式 を と っ て お り、 多 雪 型 民 家 にみ ら れ る ソ ト玄 関(防 雪 空 間)と ウチ 玄 関 の 2重 構 造 の よ う な玄 関 は 皆 無 で あ る 。 多 少 玄 関 ら しい ス ペ ー ス を求 め て も60例 中7例(12%)に す ぎ な い。 また 、 便 所 は 戸 外 に別 棟 とす る ものが 多 くオ モ ヤ に便 所 を 付 属 す る もの は60例 中4例 (ユ%)に す ぎ な い 。 さ ら に、 プ ロ は60例 中1例 をみ と め る にす ぎな い 。 次 に リ ビ ン グ系 空 間37㎡ につ い て そ の 内 容 を み る。 リ ビ ン グ系 空 間 は 、 い う ま で も な く大 半 が 居 室 で 占 め られ るが 、先 に もふ れ た よ う に平 均 室 数 は3.8室 、平 均 室 規 模 は5.8畳 で あ る。 少 室 小 室 型 の 民 家 で あ り、 多 雪 型 民 家 の ヒ ロ マ に相 当 す る よ うな 室 は み られ な い 。60例の 室 を 規 模 別 に み る と、全227室 の 内 訳 は2畳5室 、3畳28室 、4畳20室 、5畳42室 、6畳61室 、7畳10室 、8畳44室 、 9畳4室 、10畳7室 、11畳4室 、12畳1室 、14畳1室(1.0畳 未 満4捨5入)と な る 。 5畳 未 満 の 小 室 が42%、6畳 か ら10畳 まで の 中 型 の 室 が56%、11畳 以 上 の 大 型 の 室 は3%で あ る。 全 体 と して 小 型 の 室 に 傾 斜 して お り、2畳 か ら8畳 ま で の 室 が 全 体 の93%を 占 め る。 また 、 民 家 規 模 が 大 き くな っ て も室 規 模 は 大 き くな らず 、 そ の場 合 は室 数 が 増 加 す る 。 これ も多 雪 型 民 家 との相 違 点 で あ る。 -25一

参照

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