教育相談活動に関する校内研修
【不登校対応】実施計画
1 研修にあたって 不 登 校 対 応 に 関 し て は 、そ の 背 景 や 要 因 が いっ そ う複 雑 化・ 多 様化 し てい る 現在 、「 特 定の生徒だけでなく、どの子にも起こりうる」という基本認識に立って、生徒の実態の適 切な把握や支援の在り方についての見極め(アセスメント)を行うことが重要である。 さらに、学校全体としての組織的な取組、個々の生徒の実態に応じた適切な取組の在り 方、不登校解決に向けて関係機関等と連携したサポート体制の在り方など、全職員の共通 認識や協働実践につながる取組を把握することも重要である。 まず、不登校対の基礎であるアセスメントを個人カルテⅠやⅡを用いて実施し、不登校 に至った背景や現在の状況についてワークシートにまとめることにより、適切に実態を把 握する力量を身に付ける。 次に、個に応じた不登校対応の在り方を導き出すために、マッピングという手法を用い たグループ演習を実施し、本人の立場に立って、困っている事象は何か、どのような感情 に支配されているのか、どうなりたいと欲しているのかなど、具体的な分析を行う。 さらに、演習により共通認識できた課題や、解決への方向性を基に、サポートチームを 編成した上で短期的(1ヶ月)中期的(1学期間)にどのような対応ができるのか、意見 交流を通して検討する。 最後は、各チームで分析した生徒の実態や、短期的・中期的手だてを発表することによ り、共通理解を図ることとする。 2 目標 ①不登校生徒の事例検証を通して、生徒の実態について適切に把握する。 ②生徒の実態に応じた組織的な指導・援助の在り方を検討する。 3 準備 ・研修実施要項、レジュメ ・事例生徒の個人カルテⅠおよび個人カルテⅡ ・個人カルテ読み取り用ワークシート ・マッピング演習解説プリント ・模造紙、マジック ・個人カルテⅢの1(目指す生徒像、短期的・中期的目標の記入済み) 4 研修の展開 研修の内容・活動 時間 研修上の留意点 形態 資料・準備物等 1 オリエンテーション 5 ・ 事 例 検 討 を 基 に し た 不 登 校 生 全体 ・実施要項 ・ 研 修 会 の ね ら い に つ 徒 へ の 対 応 に つ い て の 研 修 目 ・レジュメ いて確認する。 的を説明する。 ・ 日 程 お よ び 研 修 内 容 ・ 研 修 会 の 進 め 方 お よ び 研 修 内 を把握する。 容について説明する。2 各 事 例 に つ い て 、 カ 10 ・ 日 常 の 生 活 状 況 を ま と め た 対 個人 ・個人カルテ ルテを用いた情報収集 象 生 徒 の 個 人 カ ル テ Ⅰ お よ び (ⅠおよびⅡ) ・ 個 人 カ ル テ Ⅰ ・ Ⅱ を Ⅱを資料として提示する。 ・ワークシート 見 て 生 徒 の 実 態 を 読 ・ 個 人 カ ル テ Ⅰ お よ び Ⅱ か ら 読 み取る。 み 取 れ る 生 徒 の 実 態 を 、「 手 だ て 」 を 中 心 に ワ ー ク シ ー ト ・「 手 だ て 」 を 中 心 に に書き込むように促す。 ワ ー ク シ ー ト に ま と ・ 不 明 な 点 や 、 情 報 と し て さ ら める。 に 必 要 な 内 容 に つ い て は 、 各 自 ワ ー ク シ ー ト に 書 き 出 す よ うに伝える。 3 事 例 生 徒 に つ い て の 5 ・ 事 例 の 各 生 徒 に 関 す る 情 報 の 個人 ・個人カルテ 追加情報収集 中 で 、 カ ル テ か ら の 読 み 取 り (ⅠおよびⅡ) ・ 事 例 1 か ら 順 番 に 、 で は 不 足 し て い る 内 容 や 、 さ ・ワークシート 不 明 な 点 や 情 報 と し ら に 必 要 な 情 報 な ど に つ い て て 不 足 し て い る こ と 質問を促す。 などを質疑応答する。 ・ 学 級 担 任 を 中 心 と し た 関 わ り の あ る 教 師 に 対 し て 、 質 問 へ の 回 答 や 、 新 た な 情 報 の 提 供 を依頼する。 4 グ ル ー プ に 分 か れ て 40 ・ 各 自 が 考 え た 生 徒 分 析 資 料 を グループ ・個人カルテ の不登校対応演習 も と に マ ッ ピ ン グ の 手 法 を (ⅠおよびⅡ) ・ グ ル ー プ に 分 か れ 、 用 い て 、 指 示 に 従 っ て 詳 細 な ・ワークシート 事 例 生 徒 に つ い て の 生徒理解を行うよう説明する。 ・マッピング資 マ ッ ピ ン グ を 用 い た ・ マ ッ ピ ン グ の 手 順 に つ い て 、 料、筆記用具 演習を行う。 解 説 を 行 い な が ら 演 習 を 進 め ・手順資料 ていく。 ・ 事 例 生 徒 に と っ て 有 効 な 手 だ て を 見 つ け 、 チ ー ム 対 応 に 活 用するよう促す。 ・ 活 動 中 の 状 況 を 踏 ま え 、 適 宜 SC による専門的見地からのア ドバイスを依頼する。 5 チ ー ム 支 援 に よ る 中 20 ・ 各 事 例 生 徒 に 関 す る 個 人 カ ル グループ ・個人カルテ 期 的 ・ 短 期 的 な 手 だ て テ Ⅲ の 1 の 目 指 す 生 徒 像 お よ (ⅠおよびⅡ) の検討 び 中 期 的 ・ 短 期 的 な 目 標 の 原 ・ワークシート ・事例生徒について、 案 は 、 事 前 に 学 級 担 任 に 対 し ・個人カルテⅢ 個 人 カ ル テ Ⅲ の 1 に て設定を依頼しておく。 ・マッピング資 書 か れ た 中 期 的 ・ 短 ・ 個 人 カ ル テ Ⅲ の 1 「 手 だ て 」 料、筆記用具 期的目標を確認する。 の 部 分 に つ い て の み 、 グ ル ー
プ ご と に 考 え を ま と め て い く ・ マ ッ ピ ン グ 演 習 を 参 よう伝える。 考 に 、 個 人 カ ル テ Ⅲ ・ マ ッ ピ ン グ に よ り 導 き 出 し た の 1 に 、 チ ー ム 支 援 有 効 な 手 だ て に つ い て も 十 分 に よ る 中 期 的 ・ 短 期 に参考にするよう促す。 的な手だてを検討し、 ・ 活 動 中 の 状 況 を 踏 ま え 、 適 宜 書き込みを行う。 SC による専門的見地からのア ドバイスを依頼する。 6 各 グ ル ー プ 協 議 に て 10 ・ マ ッ ピ ン グ お よ び 個 人 カ ル テ グループ ・ マ ッピ ン グ資 検 討 し た 対 応 に つ い て Ⅲ の 1 を 用 い て 、 生 徒 実 態 の 料 の発表 分 析 内 容 や 検 討 し た チ ー ム 支 ・ 個 人カ ル テⅢ ・各グループにおいて、 援 に つ い て の 発 表 時 間 を 3 分 の1 作 成 し た マ ッ ピ ン グ 間設定する。(合計9分) の 用 紙 や 個 人 カ ル テ ・ 協 議 の 中 で 出 た 多 様 な 意 見 な Ⅲ の 1 を 用 い て 、 事 ど も 積 極 的 に 報 告 し て も ら う 例 生 徒 に 関 す る 分 析 よう促す。 結 果 や 中 期 的 ・ 短 期 ・ グ ル ー プ 発 表 が 終 了 す る ご と 的 な チ ー ム 支 援 の 在 に 、 チ ー ム 支 援 の 中 心 的 な 対 り 方 に つ い て 全 体 に 応について確認を行う。 発表する。 ※資料の説明 ・個人カルテⅠとは、不登校生徒の実態が詳細に記入された基礎情報シート ・個人カルテⅡとは、不登校生徒に実施した個別対応が記録されたシート ・個人カルテⅢの1とは、チーム支援による目指す生徒像や、短期的・中期的な目標や手 だてが記入されたシート ・ワークシートとは、個人カルテⅠやⅡを用いたアセスメントの際に、記述内容から読み 取ることのできた実態を抜き書きするためのシート ・マッピング演習とは、東京学芸大学教授・教職大学院長である小林正幸氏が提案した、 不登校対応の在り方を導きだすための技法
氏名:
個人カルテⅠおよびⅡから読み取れる生徒の実態についてまとめてみましょう
○対象とする生徒氏名・・・
まとめの視点
カルテから読み取れる生徒の実態
1学期の出欠状況
出席日数
欠席
日
(4月~7月)
日
日数
授業日数
1年生:69日
2・3年生:72日
欠席のきっかけは
何ですか?
本人の現状はどう
ですか?
家庭や保護者の状
況はどうですか?
これまでに行われ
た手だてにはどの
よなものがありま
したか?
この生徒への
最も有効な手だて
はどんな手だてだ
と思いますか?
今の自分にできる
手だてはどのよう
なことですか?
不明な事項や追加
情報として必要な
事項は何ですか?
校内研修資料( 不登校に対する事例検討)
クライエント(児童・生徒・保護者)理解のためのマッピングの手続き
1.クライエントになりきって、クライエントが困っている場面を想像します。 クライエントが何に困っていて、どのようなことを乗り越えたいと思っているのかを考 えます。そのクライエントは生活のなかで、どのような場面で嫌だと感じ、何に困ってい るのかを、クライエントの立場になりきって想像します。 2.マップを描き始める クライエントが困っていること、課題が浮かぶたびに、もやもやの雲を図の上に描きま す。 3.マップに描いたもやもやの雲の形(ターゲット)につける単語を選んで記入します。 その形の中に入っている心配事が一言で分かるような単語にします。 4.マップ上のそれぞれの雲にSUDSを付ける 人生最悪を100点とし、何ともないことを0点とすると何点であるのかの点数 (SUDS)を付けます。それを参考にしながら、自分にとって問題解決をしたい優先順 位をまる数字で書きます。 5.マップのターゲットとターゲットの間に線を引く 関連する悩みを線で結び、そのつながりの強さは、太さで表します 6.それぞれのターゲットにある「悪い考えは何か」を特定し、書く(NC) その場面で、自分について浮かんでくる考え、言葉は何でしょう。 それは、「自分(ぼく、私)は・・・である」のように、自分を主語にした言葉です。 「自分は・・ダメだ」「・・役立たずだ」「・・愛されていない」「・・馬鹿だ」などな どです。 7.それぞれのターゲットに伴う感情を特定する 複数の感情の種類を探します。「嫌だ」「腹が立つ」「悲しい」「恐い」「くやしい」 「さびしい」など、ひとつの悩みに多くの感情があることを確認し、一番強く感じる 感情を定めます。 8.ターゲット・感情の間の連結を特定する 同じような感情が起きている場面に、関連がないかを確認します。 9.同じ感情に連なっている養分を与える記憶がないかを考えます 時間的に古いもの、より強いものが、新しいもの、より弱いものに影響を与えますので、 そこを→で示します。10.最初に取り組み始めるターゲットを選び、NCのように考え、クライエントの感情に できるだけ近づいたときに、身体の感覚の変化をどこで感じるのかを特定し、その部位を 書く。 身体をスキャナーにかけるようにサーチして、違和感を感じます。そのお子さんが、 悩んでいるときによくする姿勢や表情を真似して、感じながら探してください。 11.そのターゲットについてのよい考えは何かを特定し書きます(PC) 6.と正反対の考えのことです。自分が課題を解決していきたい方向の先にある考えの ことです。 12.この場面でPCを持てるために、関わる者に何をしてほしいのかを考える 13.以下、10、11、12 を、最後のターゲットまで繰り返していく 注意) 1.これは、課題を抱えるクライエントを理解し、支援の姿勢を導き出すためのワークで す。 2.ご自身の悩みには用いないでください。 3.クライエントさんに直接なさらないでください。 2,3は、悩んでいる人本人の悩みを整理する上では役立ちますが、悩みの辛さに直面 します。悩みの辛さを直接援助できる臨床心理の専門家や医師が行う以外は、悩んでいる お子さん本人に直接行うことや、ご自分の悩みを一人で解決するような形での使用は避け てください。