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JAIST Repository: 研究組織における人材の多様性・流動性と優秀な人材獲得に向けた取組状況 : 「科学技術人材に関する調査」より(1)

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Academic year: 2021

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 研究組織における人材の多様性・流動性と優秀な人材 獲得に向けた取組状況 : 「科学技術人材に関する調査 」より(1) Author(s) 齋藤, 経史; 中務, 貴之 Citation 年次学術大会講演要旨集, 24: 770-773 Issue Date 2009-10-24

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/8740

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2G02

研究組織における人材の多様性・流動性と優秀な人材獲得に向けた取組状況

―「科学技術人材に関する調査」より(1)―

○齋藤経史 中務貴之、(文部科学省 科学技術政策研究所)

1. 「研究組織における人材の現状と流動性に関する調査」の概要

本報告では、科学技術政策研究所が 2008 年度に実施したフォローアップ調査の一つである「科学技 術人材に関する調査」の調査結果の一部を論じる。第三期科学技術基本計画では「研究者全体の流動性 が高まることが必要」とされているが、流動性に関する詳細なデータは得られていなかった。このため、 国内の自然科学系の研究組織に対する大規模調査を行い、流動性や多様性の状況を把握した。 今回の「研究組織における人材の現状と流動性に関する調査」では、国内の自然科学系の研究組織に 調査を依頼し、人事担当部署、研究組織長、研究者から回答を得た。また、国内の研究組織と比較可能 なデータを得るべく、海外の有力研究組織に対して調査を行った。1 この報告では調査結果のうち、人 材の多様性と人材確保に関する取組を示す。(図表 1) 図表1:「研究組織における人材の現状と流動性に関する調査」の概要と回収率

2. 研究組織への調査

研究組織への調査においては、研究本務者の職階毎に研究者の属性を調査し、大学や公的研究機関の 機関種別に集計した。2 ここでは「研究者の職階」「外国人研究者」「研究者の任期」の調査結果を示す。 2.1. 研究本務者の職階 研究本務者の職階を見ると海外の有力研究機関では、「研究員、ポストドクタークラス」が多いこと 1 海外の有力研究組織は、論文成果や在籍者のノーベル賞受賞実績を考慮し、研究分野ごとに規模や設立形態が類似した組織を米国お よび欧州から一つずつを抽出した。 2 本調査では、文部科学省が発表している「国立大学法人の財務分析上の分類」に従い、東京大学、京都大学、東北大学、大阪大学、 九州大学、北海道大学、名古屋大学、筑波大学、広島大学、岡山大学、千葉大学、神戸大学、新潟大学を国立大学(大規模)として分 類している。 研究組織に在籍者数等を尋ねるとともに研究組織長、研究者への調査を依頼し、計3種類の調査を実施 ◆研究者への調査 (ウェブ形式) 研究人材のキャリアパス、流動性、各キャリアにおける論文数の把握 • 博士課程を有する国公私立大学(248大学、674組織) • 独立行政法人(28機関) • 公設試験場(355機関) • 回答数7組織(対象数18組織) 自然科学系の研究組織 • 大学共同利用機関(11機関) • 国立試験研究機関(22機関) • 財団法人・社団法人(169機関) 日本国内の研究機関・研究組織に対する調査 ◆研究組織への調査 (エクセル形式) 人材の現状および移動の状況の定量的な把握 ◆研究組織長への調査 (ウェブ形式) 優秀な人材の獲得への取組、優れた研究者の判断基準などの把握 調査対象組織 回答数・回収率 • 研究組織への調査:回答数 1,050組織(対象数 1,368組織) • 研究組織長への調査:回答数 894組織(対象数 1,384組織) • 研究者への調査:回答数 9,369名(対象数 15,250名) 海外の有力研究組織に対する調査 ライフサイエンス、環境エネルギー、情報通信、ナノテク・材料、基礎融合分野の各分野から 機関形態(大学、公的機関)ごとにアメリカおよびヨーロッパから1つずつ18組織を抽出 回答数・回収率 回答率76.8% 回答率64.6% 回答率61.4% 回答率38.9% 調査対象組織 ‹海外組織への調査(エクセル形式の調査票)人材の現状および組織長の意識の把握 研究人材の 流動性に関する調査 人材の多様性と 人材確保に関する調査 本報告

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究に注力する機関は「研究員、ポストドクタークラス」が増加する傾向が表れている。(図表 2) 図表2:研究本務者の職階別割合 4.9% 9.8% 28.1% 25.0% 8.0% 2.8% 3.1% 11.9% 24.8% 32.0% 56.7% 22.0% 30.5% 34.4% 27.4% 29.5% 21.9% 6.7% 16.5% 10.7% 6.3% 27.1% 12.0% 2.2% 8.4% 2.8% 24.8% 36.0% 13.2% 25.7% 26.8% 28.0% 26.1% 17.4% 22.8% 11.1% 6.3% 24.1% 12.5% 47.9% 36.0% 16.8% 54.2% 4.0% 42.6% 24.0% 6.7% 44.4% 37.7% 36.2% 44.1% 46.9% 34.6% 35.3% 72.3% 55.4% 53.1% 44.0% 78.2% 34.4% 81.3% 7.9% 4.0% 23.4% 7.9% 5.1% 1.4% 2.5% 6.3% 20.7% 46.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% MRC分子生物学研究所(英)[N=206] 自然科学研究機構基礎生物学研究所[N=112] ワシントン大学材料科学工学研究科(米)[N=32] 東京工業大学資源化学研究所[N=48] NISTナノスケール科学センター(米)[N=25] マックスプランク コロイド・界面研究所(独)[N=179] 物質・材料研究機構ナノテクノロジ ー基盤領域[N=131] JILA(コロラド大学・NIST共同研究所)(米)[N=176] 京都大学 化学研究所[N=101] 京都大学 基礎物理学研究所[N=24] フェルミ国立加速器研究所(米)[N=342] 高エネルギー加速器研究機構[N=381] 国立大学(大規模)[12機関,128組織,  総計16953人] 国立大学(大規模以外)[49機関,151組織,  総計18736人] 公立大学[26機関,52組織, 総計5410人] 私立大学[127機関,276組織, 総計35122人] 大学共同利用機関[11機関,11組織,  総計1346人] 独立行政法人[25機関,157組織,  総計11413人] 教授、部長、室長クラス 准教授、グループリーダクラス 講師、助教、主任研究員クラス 研究員、ポストドクタークラス 基礎生物学分野 加速器・物理学分野 ナノテク・材料分野 物理学融合領域 日本の機関種別平均 2.2. 外国人研究者 海外の有力研究機関に比べると、日本の研究機関は外国人の割合が少ない。しかしながら、「物質・材 料研究機構 ナノテクノロジー基盤領域」では 12.2%と日本国内では相対的に割合が高く、日本が優位 に立っている研究分野は外国人が集まる傾向が推察される。(図表 3) 図表3:研究本務者の外国人割合と外国人の出身地域 43.2% 96.4% 21.9% 100.0% 76.0% 23.5% 87.8% 67.6% 98.0% 100.0% 66.7% 95.5% 97.3% 97.8% 97.7% 98.5% 94.8% 95.5% 56.8% 3.6% 78.1% 24.0% 76.5% 12.2% 32.4% 2.0% 33.3% 4.5% 2.7% 2.2% 2.3% 1.5% 5.2% 4.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% MRC分子生物学研究所(英)[N=206] 自然科学研究機構基礎生物学研究所[N=112] ワシントン大学材料科学工学研究科(米)[N=32] 東京工業大学資源化学研究所[N=48] NISTナノスケール科学センター(米)[N=25] マックスプランク コロイド・界面研究所(独)[N=179] 物質・材料研究機構ナノテクノロジー基盤領域[N=131] JILA(コロラド大学・NIST共同研究所)(米)[N=176] 京都大学 化学研究所[N=101] 京都大学 基礎物理学研究所[N=25] フェルミ国立加速器研究所(米)[N=342] 高エネルギー加速器研究機構[N=381] 国立大学(大規模)[12機関,128組織,  総計16953人] 国立大学(大規模以外)[49機関,151組織,  総計18736人] 公立大学[26機関,52組織, 総計5410人] 私立大学[127機関,276組織, 総計35122人] 大学共同利用機関[11機関,11組織,  総計1346人] 独立行政法人[25機関,157組織,  総計11413人] 国内人材 海外人材 基礎生物学分野 加速器・物理学分野 ナノテク・材料分野 物理学融合領域 日本の機関種別平均 24 4 22 2 45 12 1 30 9 325 302 70 360 45 301 11 5 1 4 3 38 32 18 85 7 31 63 2 2 79 2 54 1 56 29 15 46 10 97 19 1 2 8 2 26 4 43 40 20 51 8 83 0% 25% 50% 75% 100% アジア 北アメリカ ヨーロッパ その他(不明を含む) 回答なし

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2.3. 任期付研究者 研究本務者に占める任期付割合を見ると、国立大学では保健分野で 55%、独立行政法人では理学分野 で 29%と他の分野に比べて高くなっている。3 機関種や研究分野によって雇用制度が大きく異なること が推察される。(図表 4) また、原則として全研究者に任期を付する研究組織があり、任期付割合が 100% の研究組織があるなど、同一の機関種、同一の研究分野でも広く分散していることが分かる。(図表 5) 図表4:研究本務者に占める任期付研究者の割合 機関数 組織数 研究本務者総数 任期付人数 任期付割合 224 617 76320 20938 27.4% 61 279 35689 10756 30.1% 大規模 12 128 16953 5361 31.6% 大規模以外 49 151 18736 5395 28.8% 理学 23 41 3873 600 15.5% 工学 51 84 12825 2097 16.4% 農学 32 41 3458 535 15.5% 保健 57 65 11023 6028 54.7% その他の分野 11 13 803 48 6.0% 複数分野 18 33 3707 1448 39.1% 教授 61 273 11617 2002 17.2% 准教授 61 263 9775 1872 19.2% 講師 59 198 2234 752 33.7% 助教 61 263 10943 5280 48.3% 助手 40 91 349 84 24.1% ポストドクター 13 68 771 766 99.4% 26 52 5410 2387 44.1% 126 275 33875 7284 21.5% 11 11 1346 511 38.0% 36 172 12787 3291 25.7% 25 157 11413 3224 28.2% 11 15 1374 67 4.9% 9 34 2057 596 29.0% 15 56 4130 470 11.4% 5 42 1748 87 5.0% 6 6 450 40 8.9% 9 30 2314 1549 66.9% 204 204 7225 183 2.5% 47 47 1718 179 10.4% 大学 国立大学 公立大学 私立大学 大学共同利用機関 独法・国研 独立行政法人 国立試験研究機関 理学 工学 農学 保健 複数分野 公設試験場 財団法人・社団法人 図表5:研究本務者数と任期付割合の分布 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0人 300人 600人 900人 1200人 0人 300人 600人 900人 1200人 0人 300人 600人 900人 1200人 国立大学(大規模) 国立大学(大規模以外) 公立大学 私立大学 独法・国研 理学 工学 農学 保健 その他 複数分野 任期 付き 割合) 割合 研究本務者数     任 期 付 割 合 3 研究組織の分野は『理学』『工学』『農学』『保健(医学、歯学、薬学、その他の保険)』『その他の分野』の人数割合が 5 割を超える場 合は該当する研究分野に分類した。5 割を超える研究分野がない場合は『複数分野』として計上している。

(5)

研究組織長への調査においては、「優れた研究者を判定するための基準」「優れた研究者を確保するた めの取り組み」等を尋ねた。 3.1. 優れた研究者を判定するための基準 海外の有力組織においては日本の組織よりも「教授・部長・室長クラスに関する優れた研究者を判定 するための基準」として、「研究コミュニティにおける知名度」を重視している。講師・助教・助手ク ラス・主任研究員クラスに関しては、日本の組織と海外の有力組織の両方で「発表論文数」の回答が突 出している。(図表 6) 図表6:優れた研究者を判定するための基準(クラス別) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大学 (N=506) 国立大学 (N=224) 公立大学 (N=42) 私立大学 (N=233) 独法・国研 (N=132) 海外機関 (N=7) 講師・助教・助手・主任研究員クラス 0% 20% 40% 60% 80% 100% 大学 (N=506) 国立大学 (N=224) 公立大学 (N=42) 私立大学 (N=233) 独法・国研 (N=132) 海外機関 (N=7) 教授・部長・室長クラス 発表論文数 競争的資金の獲得実績 研究コミュニティにおける知名度 論文の被引用数 受賞実績 特許の出願数 一般社会における知名度 3.2. 優れた研究者を確保するための組織としての取組 海外の有力研究組織では、優れた研究者を確保するための組織としての取組に「自由度の高い研究費 の提供」や「支援人材の充当」と回答する割合が高い。一方、日本では組織として柔軟な取組を行って いない割合が高い。(図表 7) 図表7:優れた研究者を確保するための組織としての取組

4. 結び

本調査の結果、海外の有力研究組織では人材構成が多様であり、優れた研究者を確保するために柔軟 な取り組みを行っていることが明らかとなった。また、国内の研究組織において、任期制度等の運用実 態が大きく異なることが確認された。加えて、調査の過程で研究人材に関する情報を電子的・統一的に 管理している研究組織はわずかであることが判明した。多様な実態に対応する科学技術政策および研究 組織のマネジメントのために、情報基盤整備の必要性が示唆される。 「ワシントン大学 病理・免疫学科」は 「研究人材の在籍・転出入」に関する回 答は得られなかったが「組織長の研究人 材に関する意見」の回答は得ることがで きた。このため、図表2、3 よりも海外 機関の数が1 つ多い。 53.2% 50.9% 54.8% 56.2% 31.8% 17.0% 14.7% 28.6% 17.6% 25.0% 85.7% 15.8% 18.8% 14.3% 12.4% 15.9% 42.9% 5.1% 6.7% 2.4% 3.9% 6.8% 57.1% 3.0% 3.6% 3.0% 13.6% 42.9% 1.2% 1.3% 1.3% 0.8% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 大学計 (N=506) 国立大学 (N=224) 公立大学 (N=42) 私立大学 (N=233) 独法・国研 (N=132) 海外機関 (N=7) 特に取り組みはしていない 自由度の高い研究費の提供 充実した研究スペースの提示 支援人材の充当 高い給与の提示 人材獲得サービスの利用

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