第11回群馬食道疾患談話会
日 時:平成 21年 3月 6日
場 所:群馬ロイヤルホテル
代表世話人:桑野 博行(群馬大院・医・病態 合外科学)
当番世話人:竹吉 泉(群馬大院・医・臓器病態外科学)
一般演題>
1.食道癌に対する TomoTherapyの 用経験
河村 英将,高 夫,岡本 雅彦
吉田 大作,江原 威,中野 隆
(群馬大院・医・腫瘍放射線学)
安藤 義孝 (日高病院 腫瘍センター)
食道癌治療において放射線治療は重要な役割を担って
いるが, 腫瘍の部位や進展範囲によっては正常組織の線
量をおさえながら腫瘍に十 な線量を投与することが難
しい場合がある. 特に食道癌は腫瘍の存在範囲が広範で
あったり, 頸部・胸部では腫瘍と危険臓器が近接してい
たりするため, 根治治療が困難であることがしばしばあ
る. 一方, コンピューターや治療装置の進歩によって, 病
巣の形状に合わせ正確に放射線を照射する技術が進歩し
ており, そのひとつとして強度変調放射線治療 (IMRT)
が注目されている. TomoTherapyは IMRT 専用装置の
一つであり, コンピューター断層撮影装置 (Computed
Tomography; CT) の技術を応用し, ヘリカル CT のス
リップリングに, X 線管球の代わりに 6MVのライナッ
クを搭載した放射線治療装置である. そのユニークな構
造により CT の撮影とヘリカル走査による線量 布の良
い放射線治療とを実現している. 今回, 従来の放射線治
療では治療が困難と えられ TomoTherapyを用いて放
射線治療を行った食道癌症例について報告する. まだ,
治療症例数は少なく, 解決すべき問題点も多いが, 有望
な治療法の選択肢のひとつになると えられる. 【症例
1】 50歳代男性.臨床病期 IVb期 (T3N1M1b)(Mt).ラ
イ ナック で 前 後 対 向 2門 に て 30.6Gy照 射 後, Tomo
Therapyにて 30Gy照射した. 脊髄の線量を低減しなが
ら広範な腫瘍に照射が可能であった. 【症例2】 60歳
代男性.臨床病期 III 期 (T3N1M0)(Mt).ライナックで前
後対向 2門にて 37.8Gy照射後, Tomo Therapyにて
24Gy照射した. ライナックでの通常照射に比べ肺の線
量を低減して照射が可能であった.
2.食道癌に対する Photodynamic therapy(PDT)の有
用性と縦隔炎の合併例の検討
下山 康之,草野 元康
(群馬大医・附属病院・光学医療診療部)
河村 修,保坂 浩子,森 昌朋
(群馬大院・医・病態制御内科学)
前田 正毅,堀越 勤
(下仁田厚生病院 内科)
【目 的】 食道癌に対する PDT は化学・放射線療法後
の局所再発に対して有効であるとの報告があるが当科で
も第 10回の本研究会においてその有用性について報告
した. 一方合併症として照射後の縦隔炎の報告も少なか
らず認められる.当科では平成 12年よりエキシマ・ダイ
レーザー (浜 フォトニクス社) を導入し平成 21年 2月
現在食道表在癌 6例・進行食道癌 1例に施行し, そのう
ち 4例に縦隔炎を認めた. 今回食道癌に対する PDT の
有用性と縦隔炎の合併例についての検討を行ったので報
告する. 【方 法】 対象は食道表在癌 6例・進行食道癌
1例 (男性 5例, 女性 2例, 平 年齢 78.7歳). 方法は光感
受性物質としてポルフイーマー・ナトリウムを 2 mg/kg
静注 48時間後 (必要があれば 72時間後も) 波長 630nm
のエキシマ・ダイレーザーを照射した. 照射はスコープ
の先端に透明キャップを装着させ病変との距離を一定化
し 1回ごとの照射量が一定になるようにつとめ, 80Hz
で 1回につき照射時間 3 とした. 【成 績】 経過観
察 (5ヵ月∼ 2年 5ヵ月) が可能であった食道表在癌の 5
例中 4例は癌陰性が継続した. PDT 後に発熱や胸痛や呼
吸困難を認め, かつ画像上胸水貯留が確認された縦隔炎
症例は, 食道表在癌 6例中 4例に認められた. 縦隔炎合
併 4例の平 レーザー照射量は 1117±440 (SD) Jで, 非
合併例は 1514±356 (SD) Jであった. 縦隔炎を認めた 4
例中 3例は抗生剤投与や胸水穿刺にて照射後 1ヵ月まで
に軽快したが, 1例は胸水貯留が継続し, 1年 11ヵ月後の
現在まで外来にて定期的に胸水穿刺を行っている. 【結
論】 PDT 後の縦隔炎には抗生剤治療などで比較的短期
間に消失する症例と長期間持続する症例とがある. PDT
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Kitakanto Med J
2011;61:99∼100