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震災がれきを用いた高減衰性能を有する新しい地盤材料の開発及び実用化に関する研究 ○酒句教明(日大短大・教員・建築)・下村幸男(日大短大・元教員・建築)・佐藤秀人(日大短大・教員・建築)・岩井茂雄(日大理工・教員・交通)・深津 誠(日大短大・教員・化学)

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Academic year: 2021

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震災がれきを用いた高減衰性能を有する新しい地盤材料の開発及び実用化に関する研究

Study on development and utilization of a new geomaterial with high damping performance using recycling disaster

wastes due to the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake

○酒句教明1

, 下村幸男2, 佐藤秀人1, 岩井茂雄3, 深津誠4 *Noriaki Sako1, Yukio Shimomura2, Hideto Sato1, Sigeo Iwai3, Makoto Fukatsu4

Abstract: By the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake, a great amount of disaster waste and tsunami deposit was produced. Authors aimed to apply the research findings to reclaimed ground for residential land using useless disaster wastes. Laboratory element tests were performed to verify the mechanical properties, and field vibration tests were performed to confirm the seismic performance of the reclaimed ground.

1. はじめに 2011 年 3 月の東北地方太平洋沖地震では,大規模な津波により倒壊した建物などから発生した震災がれきや海から 運ばれた土などの津波堆積物(以降は,両方を合わせて災害廃棄物と呼ぶ)が多く発生した.本震災では過去の震災を 上回る経験のない膨大な量の災害廃棄物が発生し,被災地では自力で処理が不能であることから,地震発生後間もない 頃は産業分野でのリサイクル活用や広域処理などによる処理が推進された.そのような背景のもと,筆者らは地震工学, 耐震工学,地盤環境学,地盤材料力学および化学分析を専門とするメンバーにより研究組織を立上げ,平成 24 年度な らびに 25 年度の理工学部プロジェクト研究の採択により本研究テーマを遂行したので,ここにその概要を報告する. 2.宅地用造成地盤に着目した経緯および研究計画 研究メンバーらは主に仙台市,石巻市,女川町および名取市を 中心に被災の現地調査と自治体や建設関係者にヒヤリングを実施 した.石巻市,女川町では発生したがれきの多さと平坦な土地が 少ない事情から,がれきを集積するだけが精いっぱいの状況であ った.一方で仙台市は綿密な処理計画の下,分別をしながらの早 い処理を遂行できた.分別されたがれきの多くはリサイクルが可 能であったが,各産業分野で引き取ってもらえずにリサイクルが 望めなかった廃棄物は,瓦がら,割れたガラスの破片類,畳,庭 石,農地から浚った砂分の少ない津波堆積物,有機物を分離でき なかった土等であった。本研究ではリサイクルが困難ながれきの 内,瓦のくず,ガラス破片,泥土に着目している. 石巻市,女川町は沿岸部の被害が甚大であったため,仮設住宅 の土地の確保も問題になっていた。中でも数十世帯の規模ではあ るが,畦道を利用した道路予定地の脆弱な地盤上に仮設住宅を建 設していたため,住宅が不同沈下を起こしていた。仙台市内の折 立団地や緑ヶ丘では,1978 年宮城県沖地震と同様に宅地地盤の崩 壊による住宅の被害が確認された。名取市では,津波対策として 沿岸部を嵩上げ盛土による宅地の開発が進行中である。そこで本 研究では,近い将来に発生すると予想されている東海・南海地震 により本震災と同様の状況が起こることを想定し,災害廃棄物を 宅地の造成地盤に活用することに焦点を絞った.本研究の研究計 画を図 1 に示す.同図(1)から(5)までが理工学部プロジェク ト研究の予算による遂行ならび本報告の内容である. 1:日大短大・教員・建築 2:日大短大・元教員・建築 3:日大理工・教員・交通 4:日大短大・教員・化学 写真 1 災害がれきの集積所 写真 2 瓦がら 写真 3 泥土 写真 4 被災した擁壁 写真 5 傾いた仮設住宅 写真 6 嵩上げ地盤の試験造成(名取市) 平成 26 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集

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S3-14

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3.各検討項目の紹介 紙数の都合上,詳細については既発表の論文[2]-[4]に譲るこ ととし,ここでは簡単に検討項目の概略を説明する. ① 災害廃棄物の調査および材料の選定・調配合 概略は先に述べたとおりである.当初は東北の集積所から災害 廃棄物のサンプルを日本大学理工学部が所有する二和校地まで 運び込む予定であった.しかしながら,放射能の問題により船橋 市の許可が実質下りずに断念し,代替えとして産業廃棄物を用い て検討した.行政が発表した文献や現地調査をもとに,がれきが 被った海水による塩分や水分量を調整し,現地の廃棄物の再現を 試みた.調配合については,筆者らの内の数名が以前から実施し ていた産業廃棄物・建設副産物の再利用による複合基礎に関する 研究[1]を参考に,検討が進められた. ② 室内要素試験 調配合を検討した後,力学的特性の確認のため三軸試験を実施 した.確認した力学的性質は強度ならびに繰返し変形特性である. 写真 4 に示した擁壁の崩壊を懸念して,脆性破壊を避ける目的で つなぎ材に乳化アスファルトを使用した.乳化アスファルトを用 いると混合する廃棄物を地盤材料として安定的に扱うことがで き,泥土自体は埋戻しのできない土であるが,瓦がら,コンクリ ートがら等の材料と混合すると力学的に有利な材料として活用 できることが判明した. ③ モデル地盤の振動測定および性能試験 三軸試験で基本的な力学的特性を検討した後,適切な調配合を 特定しモデル地盤(試験造成地盤)を作成し,各種試験により性 能の確認を実施した.図 2 にフィールド試験の概略を示す.一軸 圧縮試験および準静的な試験により静的な力学特性を確認し,常 時微動および加振実験により試験造成地盤の動特性を確認した. その結果,静的な試験からは原地盤に比べ弾性係数および強度の 改善が確認され.動的試験からは改良地盤が原地盤と比較し.剛 性および減衰が増大することが確認された. 4.おわりに 近い将来,東海・東南海地震は必ず起こると予測されている.東日本大震災発生から 3 年以上経過した今,改めて震 災がれきの問題を考えるきっかけになれば幸いである. 5.参考文献 [1] 酒句教明他:「産業廃棄物および建設副産物を用いた高減衰性能を有する地盤材料の開発」,日本建築学会技術報告 集第 14 巻,第 27 号,pp. 43-48.,日本建築学会,2008 年 [2] 酒句教明他:「災害廃棄物を利用した宅地地盤の造成方法に関する研究 室内土質試験による力学特性の検討」,日 本建築学会大会学術講演会梗概集構造 1,pp.709-710,2013 年 8 月 [3] 酒句教明他:「災害廃棄物を利用した試験造成地盤の力学的特性に関する研究-各種試験による検討-」,第 49 回地 盤工学研究発表会,pp.517-518,2014 年 7 月 [4] 酒句教明他:「災害廃棄物を利用した宅地用造成地盤に関する研究‐室内要素試験による力学的特性‐」,日本建築 学会技術報告集第 46 号,日本建築学会,2014 年 10 月掲載予定 (1)災害廃棄物の視察 (2)材料の選定及び調配合 (3)室内試験 (5)モデル地盤の振動測 定および性能試験 (4)解析 (6)宅地地盤の試験造成 (7)災害廃棄物を利用した高い耐震性能を有 する宅地地盤造成マニュアルの作成 写真 6 三軸試験機 写真 7 試験造成の様子 試験造成地盤 原地盤 5m 基礎板模型 5m 振動ピックアップ サンプリング 準静的試験 A 準静的試験 B 図 1 研究計画 図 2 フィールド測定 平成 26 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集

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参照

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