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学生論文賞受賞論文 要約 放射環状型交通ネットワークの適正配置とその整備効果に関する数理的研究

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Academic year: 2021

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■学生論文賞受賞論文

放射環状型交通ネットワークの適正配置と

その整備効果に関する数理的研究

藤田 学洋

(筑波大学大学院環境糾:≠研究糾環境糾学専攻 現所属・富山児) 指導教官 鈴木 勉肋教授 ら数えてz番目の環状路(環」大路z)を経由する経路 の距離d王は, d(γ,β,S,¢) 1.はじめに 大都市圏における交通・輸送ネットワークは,例え ば一般道路ネットワークに見るように,従来から存在 する都心と郊外の各地を結ぶ多数の放射路と,都心の 通過交通を緩和したり郊外間を連結したりするための 環状路で構成されている.とりわけ主要な環状路は, 自動車交通かもたらす渋滞や大気汚染,騒音等による 沿道の住環境悪化という問題を解消するために,計画 的につくられてきている.しかし,複数の環状路をモ デル化して環状路の適正な配置や環状路の整備効果を 数理的に解明した研究はほとんど見られない. そこで本研究では,放射環状型交通ネットワークを 有する都市モデルを用いて,環状路数は有限であるか 放射路か桐密に存在する場合と,桐密な環状路と有限 本数の高速な放射路・環状路か存在する場合の両者に ついて平均距離や流動量を解析的に導出し,放射路・ 環状路の本数・パター ンや速度の違いが移動距離・時 間に与える影響を数理的に明らかにする.

2.複数の環状路をもつ円盤都市における

移動経路パターン 無限に桐密な放射路と複数本の環状路(〝環状交通 網と呼ぶ)を有する半径βの円盤都市モテルを考え る.出発地A(γ,β)から目的地B(5,¢)まで最短経路 を移動するとしよう.中心経由のぶ巨離ぁと,中心か 1)0≦r<α1 2)dl≦r<α2 ( γ+5 Z=0 lγ−αz廿α∼l¢一例+ls−α之しz=1,2,…,乃 (1) と表されるので,最短距離はd=mnd之と表される・ 環状路が3本の場合(3環状交桓網)を例に,A(γ,の からの経路パターンと経由する環状路による領域分割 Sl(γ,の=(β(∫,¢)」d=d之)は図1に示す通りになる.

3.地点別平均距離と2地点間の平均距離

中心0からの距離γにおける人口密度をp(γ)とす ると,ある出発地Aから円盤都市内の任意の目的地 Bまでの地点別平均距離β完斤(γ)は,総移動距離を都 市内の総人口で除すことにより求められ,図1の領域 分割を用いて次の式で表される. =_卓 ̄ p(s)・d(γ,β,S,¢)sdsd¢ β完斤(γ)= (2) 上2万上斤p(5)sdsd¢ 人口密度分布が一様な場合(p(s)=1)の乃環状交通 網(乃=1,2,3)の地点別平均距離を,斤=1として無 数の放射路のみβ左,放射環状βユガ,直線距離βムの 場合と対比させなから図2に示す.放射路のみの分布 から環状路を1本加えると環状路の外側にある地点に 4)α3≦r≦月 3)d2≦r<α3 図1出発地A(γ,0)からの最短経路パターンと領域分割(乃=3) 9 4 ︶ 9 4 ︵ 2005年1月号 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

D一2地点間の平均距離 ♪地点別平均距離 135 b 簑瓜.♪ 0 5 0 5 ユノ 2 2 1 110 105 100 095 090 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 環状路の本数 図3 か環状交通網の2地点間の平均距離 中心からの距離 図2 経路パターン別のβ′の分布 おいて平均距離は大きく減少し,環状路の本数が増え ていくに従って乃環状交通網の地点別平均距離の分 布は,放射環メ大の地点別平均距離に収赦する. また,乃環状交通網における任意の2地点間の平均 距離∂畑は,前節で導出した地点別平均距離を用いて, 4 0 3 0 F環状路の流動量 上2井上ガp(γ)晶(γ)γdγdβ (3) β乃斤 J2汀Jβp(γ)γdγdβ 0 01 02 03 04 05 06 07 08 09 中心からの距離 図4 王買状路の最適配置と環状路上の流動量 と表せる.人口密度分布か一様な場合(p(γ)=1)を例 に導出すると, β乃斤=斤一

品か意α忌一旦α乃 方

ロ密度分布を与えた場合の環状路の最適配置パターン についても求めることかでき,一様な場合より都心側 に多くの環状路が必要であることが分かった. 5.おわりに 本研究の結果,環状路を数本設置するだけで都市内 の地点間の移動距離は大幅に短縮できること,人口分 布が一様の場合の環状路の最適位置は都心と都市境界 (縁辺)の中央よー)やや外側で最も密になること,同 様に環状路を通行する流動畳も都心と都市境界の中央 よりやや外側で最大となることが明らかとなった. また,(紙面の制約により本稿では割愛したか)有 限本数の高速な放射路・環状路が存在する場合につい て,移動経路による領域分割から平均距離や高速路を 用いるトリップの割合を導出すると,一定の高速路延 長で平均距離を最小にするには放射路と環状路のバラ ンスの取れた整備が必要であること,目標とする鉄道 分担率を達成するために必要なネットワーク整備量か 導出可能なことか明らかとなった. 参考文献 [1]R Vaughan.Uyban$PatlaltYq#ic pattems,PlOn Llmlted,334p,1987 オペレーションズ・リサーチ αl(α巨=−α‡) 十割 45方々4 ×(−13αヲ.1+18αラー11α汗1(Z乙(αい‖−αz) −30(αい=十2α㌦)] (4) となり,環状路の位置による平均距離の違いを記述で きる.

4.環状路の最適配置と環状路上の流動量

2地点間の平均距離β畑を用いて,これを最小にす

る環状路の位置の,α2,…,α乃を求めることができ,こ

れを環状路の最適配置と呼ぶ.人口密度分布が一様な 場合(β(γ)=1)について,環状路が10本までの最適 配置時の平均距離を図3に示す.無限に桐密な放射路 に環状路を1本加えるだけで2地点間の平均距離は大 きく減少し,環状路本数を増加させると放射環状交通 網の平均距離に収束する. 2地点間の平均距離を最小にするような環状路の最 適配置パターン(図4)は,人口密度分布が一様な場 合,都心と縁辺の中央よりやや外側で密になる.また, このときの環状路上の流動量を求めると,都心部と都 市縁辺部の中間的な地域で環状路に対する需要が大き いことが言える.さらに,線形およぴClark型の人 50(50) © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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