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大強度陽子加速器用超伝導空胴の開発;多連セル空胴特性

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Academic year: 2021

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* Toshiba Corporation ** Mitsubishi Heavy Industries

*** KEK:High Energy Accelerator Research Organization ****Mitsubishi Electric Corporation

DEVELOPMENT OF SUPERCONDUCTING CAVITY FOR HIGH POWER PROTON

ACCELERATOR ; CHARACTERISTICS OF MULTI-CELL CAVITIES

J. Kusano, N. Ouchi, N. Akaoka, O. Takeda*, M. Matsuoka**,

K. Saito***, S. Noguchi***, H. Inoue***, K. Mukugi****, M. Mizumoto,

Japan Atomic Energy Research Institute (JAERI)

2-4 Shirakata Shirane,Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken, 319-1195, Japan

Abstract

A development of 600MHz superconducting cavity has been continued for the high intensity proton accelerator at JAERI. The development is in progress with fabrication of multi-cell cavities and measurements of RF characteristics. This paper describes the design, the fabrication and the measurements for two kind of 5-cell cavities with β=0.5 and

β=0.89.  

大強度陽子加速器用超伝導空胴の開発 ; 多連セル空胴特性

図 -1 600MHz, β=0.5, 5 連セル空胴の 設計断面形状 221.4 221.4 221.4 216.8 216.8 200 200 R66.8 124 1097.8 1497.8 φ 3t 451 ID 150 φ 120.3 124.9 124.9 124.9 120.3 615.3 1015.3 459.7 200 200 R28.65 70 3t ID 150 4 4 35 5.4 10 10 5.4 62 5.7° 9.65° 図 -2 600MHz, β=0.89, 5 連セル空胴 の設計断面形状 1. はじめに  大強度陽子加速器計画[1]用の超伝導加速空胴開発 を原研ではKEKと共同研究として開始し、4年を経 過した。これまでに陽子エネルギー領域として 150MeV 近辺:β=0.5 および 1GeV 近辺:β=0.89 の2 種類の単セル空胴各2個ずつ計4個の試作・試験を 行い、所期の最大表面電界強度(Esp=>16MV/m)の 2倍以上の Esp を観測し、再現性の良い製作プロセ スの見通しを得た。その後、より実機に近い多連セ ル空胴の試作開発を開始し、1999 年から 2000 年前 半にかけβ=0.5 およびβ=0.89 の5連セル空胴につい ての性能試験を行ったので報告する。 2. 5連セル空胴の設計と製作  5連セル空胴の製作に当たり、各セル形状は基本 的には単セル空胴の設計製作指針[2]を踏襲してい る。β=0.5 およびβ=0.89 の5連セル空胴断面形状を 図 -1、図 -2 に示す。セル形状は共振周波数 600MHz で機械的強度を考慮したセル部傾斜角と、空胴内表 面の電解研磨の作業性を考慮したビームパイプ径 φ150とし、5連セルでの各セルに於ける電界分布を 同じようにするために、端セル部での電界の低下を 補償する目的で中央3セル部と端セルの形状を変え た。具体的には、セル赤道部直径、セル部傾斜角は 共通にし、セル赤道部ビーム軸方向直線部分の長さ を変え電界分布が平均化するようにした。尚、今回 の2種類の5連セル空胴とも、高周波の導入はビー ムパイプフランジ部からの同軸アンテナ方式として あり、実機に設けるビームパイプ直角方向の専用 RFカプラポートおよびHOMカプラポートは無いシ ンプルな形状の5連セル空胴である。  空胴材料には従来と同様にRRR200の高純度ニオ ブ3mm厚の板を採用し、空胴の製作は深絞りプレス 成形によるハーフセル製作、電子ビーム溶接による ハーフセル、ビームパイプ接合で5連セル形状に成 形した。その後、プリチューニング装置により、周 波数調整および各セル間の電界分布の平均化を図っ た。β=0.5 の空胴(識別名:J5003)は製作工程途中 において一部のアイリス部直線長が短くなってし −317−

Proceedings of the 25th Linear Accelerator Meeting in Japan (July 12-14, 2000, Himeji, Japan)

[13P-13]

(2)

図 4 J8903 空胴プリチューニング前後の空胴 中心軸上の加速電界分布 まった。プリチューニング装置を用い各セル形状の 修正・調整を繰り返した結果、電界分布の平均化は 分布誤差2%以下となったが、空胴全長が約60mmほ ど長くなり、共振周波数は 615.96MHz となった。 β=0.89 の空胴(識別名:J8903)は設計形状に対し各 部で最大寸法誤差が0.7mm以内と高精度に製作され た。J8903 のプリチューニングの結果は各セル間の 電界分布誤差が2% 以下、共振周波数は600.556MHz となった。各空胴のプリチューニング前後の相対電 界分布と SUPERFISH による計算値のグラフを最大 値を 1 に規格化して図 -3、図 -4 に示す。 3. 空胴の表面研磨と表面処理・実験系組立  プリチューニング後の両空胴とも表面研磨処理と して粗研磨(バレル研磨[3])と電解研磨を行った。 各研磨量はバレル研磨で空胴赤道部平均 70µm、ア イリス部平均30µm、電解研磨で平均35µmである。 この研磨方式では、バレル研磨は赤道部周辺が多く 削られ、電解研磨はアイリス部およびビームパイプ 部の研磨量がやや多くなる。研磨厚は研磨処理前後 の超音波厚み計による空胴各部の肉厚測定値と電解 研磨時の通電電流値から算出する研磨量の双方から 得ている。J8903 空胴のバレル研磨、電解研磨での 研磨量および全研磨量の分布を図-5に示す。各セル 赤道部周辺の研磨量が多い状況が示されている。  電解研磨後の空胴は大型真空加熱炉で 750℃・3 時間の加熱脱ガス処理を施している。500℃以上の 温度から吸蔵水素の脱離が多く観測され、750℃・3 時間保持の後には、水素の分圧はほぼ一桁低下す る。多連セル空胴はその体積が大きいため放出され る水素ガスの量も多く、これまでの単セル空胴の加 熱処理では頻度が少なかった昇温途中(500℃以上)の 真空加熱炉内圧力上昇(設定値 6x10 -2 Pa)によるヒー ター断のインターロックがしばしば発生し、空胴温 度昇降の多い熱処理となってしまった。熱処理の 後、約1日を経て室温まで温度が下がった時の炉内 真空圧力は 2x10 -6 Pa 程度である。  空胴の加熱処理の後、最終洗浄・清浄化処理とし て 18MΩ・cm の超純水約 1.7 トンを用い、8 MPa の 高圧水噴射洗浄(HPR)を約2時間行った。クラス 100のクリーンルーム内洗浄装置に空胴をセットし、 噴射ノズルは固定で空胴を回転、昇降させ空胴内面 全面を洗浄処理している。洗浄後の空胴は直ちにク リーンルーム内で真空・RF系を組立て、空胴のベー キングを行いながら真空引きを実施した。ベーキン グ条件は各セル赤道部を測温し、最高温で 120℃程 度の加熱を約30 時間継続、その後、室温で排気を続 け最終的に 10 -8 Pa 程度まで排気した。これら一連 の前処理を終えた各空胴を縦測定クライオスタット に入れ性能試験を行っている。 4. 空胴性能試験  多連セル空胴の性能試験として、4.2K と 2.1K の 液体ヘリウム環境のそれぞれについて、(1)空胴Q値 と表面電界強度(Esp)の関係(Q0-Esp 特性)と、(2) 4.2K から 2.1K への減圧降温プロセス中のQ値の変 化から求める残留表面抵抗値(Rs)の測定(Rs 1/T 特性)をそれぞれ測定した。図 -6 には J8903 空胴実 験系セットアップをクライオスタットから引き上げ た時の写真を示す。  Rs の測定では J5003、J8903 の両空胴ともβ=0.5 お よびβ=0.89単セル空胴の実験値とは表面処理工程毎 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 SUPERFISH J8903 Initial J8903 Result Field Position(mm) 図 -3 J5003 空胴プリチューニング前後の空胴中心 軸上の加速電界分布(空胴全長が変化) 図 -5 J8903 空胴表面研磨量の分布 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 -200 0 200 400 600 800 1000 1200 SUPEEFISH J5003 Initial J5003 Result Field Position(mm) 0 50 100 150 200 0 500 1000 1500 J8903表面研磨量 全研磨量 バレル研磨量 電解研磨量 研磨量 ( µ m) 空胴上測定位置(mm)

(3)

[1] [4] 図 -6 J8903 空胴実験系    セットアップ のバラツキの範囲で一致した。図 -7 に得られた Rs 1/T特性のグラフを単セル空胴の値と比較して示す。 図-8に多連セル空胴のQ0-Esp特性測定結果を示す。 J5003 空胴の最大表面電 界強度(Esp)は 19MV/m 程度であり、所期目標値 の 16MV/m を超えている ものの、これまでに得た 単セル空胴の実験結果: 40MV/m ∼のほぼ 1/2 程 度であった。また、J8903 空 胴 の 1 回 目 の 測 定 で は、空胴への導入 RF パ ワーを徐々に上げて行く 過程で、低い Esp からX 線の放出があり、Q値の 低下が観測された。ここ で、パルスRFパワー導入 による表面エージング効 果 ("Process":図 -8 中の 白 矢 印 部 ) を 図 っ た 結 果、Q値の回復が見られ たものの、Esp は 4.2K、 2 . 1 K の 条 件 に 拠 ら ず 20MV/m に至らなかった。この原因として空胴表面 が電解研磨処理以後のプロセス中に汚れたことを推 定し、表面洗浄∼実験系組立系機器の清浄化を行う 共に、J8903 空胴を電解研磨で合計 45µm追加研磨 し、HPR 洗浄の後、Q0-Esp 特性の再測定を行った。 得られたRs 1/T特性は初回測定時と全く同じであっ たが、Esp は 4.2K で 23MV/m, 2.1K では 31MV/m と 単セル空胴性能の平均的な値(40MV/m ∼)に近づ き、かなり改善された。 しかし、この測定の時にも低い Esp からX線の放出 が持続しため、この原因を検討中である。 5. まとめと今後の予定  陽子加速器用超伝導加速器開発の第2ステップと して 5 連セル空胴2台の試作と性能試験を行った。 単セル空胴の性能試験結果と比べると、Q値はほぼ 同等で、得られた最大表面電界強度は 16MV/m の所 期目標値を超えているが、単セル空胴性能の平均的 な値には至っていない。いくつかの性能低下原因が 考えられるが、特に空胴の最終洗浄工程と真空排気 工程について見直しを行っている。また、電解研磨 後の水素脱ガス熱処理では真空加熱炉の排気能力不 足が見られたため、クライオポンプを増設し、排気能 力を 8,000L/s から 28,000L/s へ増力した。これらの改 良結果は今後の多連セル空胴試験及びプロトタイプ機 加速空胴試験に反映させ、空胴性能向上を図る。  本報告の5連セル空胴実験の継続と並行して、超 伝導加速空胴のパルス運転特性詳細把握を主目的と する600MHzプロトタイプクライオモジュールの製作を 進めている。また、陽子加速器実機で採用予定の 972MHz 空胴の R&D 性能試験を 2001 年から行うた めに、空胴の設計検討[4]と試作準備を開始した。 [2] [3] 図 -7 液体ヘリウム温度の逆数を関数 とした空胴残留表面抵抗値の変化

The Joint Project Team of JAERI and KEK, “The Joint Project for High-Intensity Proton Accelerators”, JAERI-Tech, 99-056(1999).

N. Ouchi et al., “Development of Superconducting Cavities for High Intensity Proton Accelerator at JAERI”, Proc. of 1998 Applied Superconductivity., PalmDesart, U.S.A., p.1030.

(1998)

T. Higuchi et al., “Investigation on Barrel Polishing for Su-perconducting Niobium Cavities”, Proc. of the 7th Workshop on RF Superconductivity, Gif-sur-Yvette, France , p.723 (1995).

E. Kako, “Cell Shape Design of 972 MHz Superconducting Cavities for High-Intensity Proton Linac”, these proceedings.

図 -8 多連セル空胴の Qo-Esp 特性 参考文献 10-9 10-8 10-7 10-6 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 J5002 (single) J5003 (5-cell) J8902 (single) J8903 (5-cell) Rs[ Ω] 1 / T [1/K] 4.2 3.0T [K]2.5 2.0

s(T) = A/T exp[-∆/k B T] +Rres

108 109 1010 1011 0 5 10 15 20 25 30 35 40 J5003 4.2K Qo Esp(MV/m) J5003 2.1K J8903 2.1K(#3) J8903 4.2K(#3) Process J8903 4.2K(#1) J8903 2.1K(#1) Design value(16MV/m)

図 4    J8903 空胴プリチューニング前後の空胴 中心軸上の加速電界分布 まった。プリチューニング装置を用い各セル形状の修正・調整を繰り返した結果、電界分布の平均化は分布誤差2%以下となったが、空胴全長が約60mmほ ど長くなり、共振周波数は 615.96MHz となった。β=0.89 の空胴(識別名:J8903)は設計形状に対し各部で最大寸法誤差が0.7mm以内と高精度に製作された。J8903 のプリチューニングの結果は各セル間の電界分布誤差が2% 以下、共振周波数は600.556MHzとなった
図 -8 多連セル空胴の Qo-Esp 特性 参考文献 10 -910-810-710-6 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6J5002 (single)J5003 (5-cell)J8902 (single)J8903 (5-cell)Rs[Ω]   1 / T [1/K]4.23.0T [K]2.5 2.0

参照

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