北海道一世の生活語
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(2) . 小野米-・小野ツネ子:北海道一世の生活語. 北 海 道 一 世 の 生 活 語. 小. 野. 米. 一 り 小. 野. ツネ子. (注1). 北海道共通語が成立してきた土壌と思われるものは, さまざまに考えられる。 その種々の要素の うち, 他の日本全土の言語変遷上見られないものとして, 北海道共通語の場合には, 明治中 o 後期 の 開 拓 移 民 の こ と ば がそ の 母 胎 の - と な っ て い る こ と が あ げ ら れ る. (も っ と も, こ と ばは, そ の 土 地 の 自 然の な か に 生 活 す る 人々 に よ っ て は く くまれるものであるから, 北海道独自の風土もその 形 成 に あ ず か る も の と して, 他 の 地 方 と は お お い に 異 な る 一 因 と 言 え る か も しれ な い. ). これま でに, 移住者やその家族を対象として, かれらの故地の僅言等を藁集することはなされて (注2) ) きたが, 1世の生活語を, その実態に即して分析したものは少な 奥 北海道共通語の背景に, その 地 盤 と して, 1 世 た ち の. 方 言″ が あ っ た こ と を 考 え あ わ せ る な ら ば, こ こ に, か れ ら の 生 活 語 の. 一 端を報告することも, 意義のあることと思う。 (注1) 北海道で比較的広く使用されていることばを 「北海道共通語」 と呼ぶ. 見かたを変えれば, 「北海道語」 とか 「北海道方言」 と呼ぶこともできる. そういう地域共通語に対して全国共通語は単に 「共通語」 とも呼 . (注2) 出生後に北海道へ移住した人が1世であり, その子が2世である, 言語上は, 15才未満ぐらいで渡道した 人々 は 「2世」 と 考え ること が でき る. しか し, 何才 をも っ て 言 語上の 「1世」 と 「2世」 と を 区別 す るか は, 厳密 に は, むずか しい 問 題 を含ん でい る.. 9・8) を (注3) 文献等については, 拙稿 「北海道方言研究史稿」 (『北海道教育大学紀要』 第25巻第1号, 昭4 参照さ れたい,. 2日間臨 資 料 は, 1970年 7 月から翌年1月までの間に, 北海道北部の一農村士別市川西町に延 べ2 地して得た, 聞き語りの録音および自然傍受 による聴録カー ドである. 9年, 富山県氷見郡熊 無村大字中村 (現在氷見市) より渡道したM女 ( ここでは, 川西町に明 治3 明 治20年 生) の こ と ば を中 心 に と り あ げて み る こ と に し た い。. M 女 は19才 の と き に, 家 族 に つ れ ら れ て, 他 の 富 山 県 の 人々 と 共 に 川 西 町 に は い っ た。 川 西 町 は 起 伏 の 多 い 土 地 が ら で, あ ち ら の 沢, こ ち ら の 谷 あ い に 一 群 一 群 と 民 家 が 点在する。 富山団体は,. 岐阜その他の県の団 榛ふりぃち早く, 甥 姉 御こ近ぃ部位に入植した, M女は, 渡道後も数年は同 県人の集 まりの なかで生活し, 他団体が入植してきてのちも近隣は, ほぼ故地と同一の言語環境で あ っ た た め に, こ と ばづ か い の う え での 不 自 由さ は ほ と ん どな か っ た と いう. ま た, 川 西 町 入 植 後 は, ず っ と 川 西 町 に 定 住 し て い る. そ の 生 活 環 境 の た め も あ っ て か, 渡 道 後65年 を 経 て な お, 富 山. の色あい もそれとみとめられる. (M女はすぐ近くの同 じ富山県出身者と結婚 した.) 7戸, うち富山県出身者は6戸であり, 他は南部 (岩手), 宮城, 福島, 岐阜 (注4) 士別市川西町は, 調査時に8 な ど である.. 以下, M 女 の こ と ばに つ い て, ア ク セ ン ト・ 音 韻 ・ 語 法 o 語桑の順に報告する,. 13.
(3) . 小野米一・小野ツネ子:北海道一世の生活語 1. ア クセ ン ト M 女 の 会 話 文 中 に き か れ た 語 の ア ク セ ン ト を 整 理 す れ ば, 次 の よ う で あ っ た. (下 線 の あ る も の. は ア ク セ ン トに ゆ れ の み ら れ た 語 で あ る. ) 1 音節名詞 は 低 高 0 ◎ 型 … … 戸 〈1 類〉, 日 く2 類>, 手, 火 <以 上 3 類〉, 炉 高 低 ◎ 0 型 … … 木, 火, 夜 〈 1以 上 3 類>, キョ(今日) ショ (塩) , (冴) で, 富 山 ・. 3 類 o ◎ 型, 2 類 ◎ o 型 と は 異 なり を み せ, む しろ 東 京 式 に 近 い. た だ し, テ ー デ. シタ (手でした), ヒ:亨万デ (火をつけて) などは, 富山のなごりと思われる. (注5) 金田一春彦氏による, 2 音節名 詞 では ,. 低高高0◎◎型……顔, 金, 笹 〈以上1類〉, 人, 冬 〈以上2類〉, 草, 事 〈以上3類〉, 糸,. ) 6 臼, 中 〈以 上 4 類〉, 姉, 内, 縁, 殻, 器 具, 杭, こ こ, そ こ, そ れ, た 群 誰, と こ (所) どこ, 晩, 方, 棒, 溝, 籾, 横, 嫁, わ し (私). (注6) タ カ ガシ レテイ ルな どと いう とき の タカ をさ す,. 低 高 低 0 ◎ 0 型 … … 笹 〈1 類〉, 石, 川, 橋, 人, 冬 〈以 上 2 類〉, 足, 馬, 髪, 皮, 草, 靴, 一一一 いも うえ 事, 土, 年, 縄, 山 〈以上3類>, 今, 臼 <以 上 4 類>, 穴, 姉, 医 者, 薯, 上, う そ, 内, 餌, 親, お ら (俺), 暦, 熊, 鍬, こ こ, 粉, 米, こ れ, 事 故, す こ (曽 孫), そ こ, 欄, そ れ, て し ょ (小 皿), と こ (所) , - 一 もと. どこ, ど ぼ (濁 酒), 鍋, 二個, 場 所, 暇, 別, - f. ぼる, 孫, 豆, 元, 者, 星 趣 嫁 きう 高 低低◎00型……冬, 町, 雪 〈以 上2類>, 家, 山 〈以 上 3 類〉, 糸, 今, 奥, 肩, 今 日, 苓翰 下駄 種 中 舟 麦 〈以上4類〉 声 〈5類〉 あと 穴 あれ 薯 おじ, かか , , , , , , , , , , , (母), ここ, ゴム オ、屋, 事故, 蕊, 誓 そこ, 時, とと (父), どぼ 濁 酒), 肉, 前, 孫, 屋 根, よ そ, わ ら な ど がき か れ た. 異 な り 語 数93語 中, o◎◎型と o◎o型にま た がるもの11語, 0 ◎ 0 型 と ◎ 0 0 型 に ま た が る も の 8 語, 0 ◎ ◎ 型 と ◎ 0 0 型 に ま た が る も の 2語, 計2 1語, 三つの型全部 にまたがる も の 3 語 であ る. つ ま り, 三 つ の 型 の 間 で 相 互 に ゆ れ が あ る も の の, 0 ◎ ◎ 型 と ◎ 0 0 型 と で は ほ と ん どゆ れ が な い と 言 え る.. 岩井隆盛氏にょる. ) 越中 (富山県) できかれる2音節名 詞のアクセ ントは, 1類は高高高◎◎. ◎ (越中の呉西地域), 2類は高低低◎00, 3類は低高低0◎0, 4・ 5類 は 高 低 低 ◎ 0 0 と さ れる. 越中呉西 (氷見市) 出身のM女の場合, 2類 は起伏 型0◎0が大部分で, 頭高はむしろ特異 であ る. 2 類 の 「冬 ・ 町 ・ 雪」 が◎ 0 0 と な っ て い る の は, 越 中 の な ご り か. 全 体 と して 東 京 式 の ほう に 近 い. (注7) 『方言学講座』 第3巻, 97一98頁. 3 音 節 名 詞 は, 低 高 高 高 0 ◎ ◎ ◎ 型 … … 車, 魚, 昔 〈以 上 1 類〉, 女 〈4 類〉, 明 り, お ま え, 囲 い, か な や - - 一 一 こ ぼく (家 内), か ぼち ゃ, か ら だ, か わ り, 今 年, 子 供, 小 麦, し ご と, 実 家 時 分, 石 油, ど , な た, 富 山, 二 階, 二 年, ひ と つ 一 人 み ん な, 向 か い 炉 端, わ た し (私) , , ,. 低高高低0◎◎o型……男, 女 よ にん. <以上4 類〉, 一個, からだ, 五十, 士別, 所, 根っ子, -. 人, み ん な, 娘, 四 人, ラ ン プ, わ た し (私) は たち 低 高 低 低 0 ◎ 0 0 型 … … 着 物 〈1 類〉, 二 人 〈2 類〉, 二 十 才 〈3 類〉, 頭, む しろ, わ ら び 〈以 上4 類〉, 油 く5 類>, あ ね ま (姉 さ ん), あ ん た, あ ん ま (長 男), い く つ, お つ ゆ,. 14.
(4) . 小 野 米- ・ 小野ツ ネ 子 :北 海道 一世 の 生 活語. 覚 え, 子 供, 五年, ご は ん, 自 分, スコ プ (ス コ ッ プ), ス トフ (ス トー ブ), 世 間, 所, みんな 二 階, ひ と つ ,. はだち. くすり. コ型 … … ゆう べ (昨 夕) 〈2 類〉, 二 十 才 〈3 類〉, 薬 〈7 類〉, あ ん た, 親 高低低低◎0 0′ しょうず 子, ごはん, 小豆, せいよ (西洋), 内地, 二十, 農夫, ばさ ん (婆さん), 便利, 本家,. まっ た (丸太) な どと な っ て い る が, 一 定 の 傾 向 は み い だ し が た い。 2 音 節 形 容 詞 (無 い, 良 い) は 高 低 ◎ 0 型, 3 音 節 形容 詞 は, す べ て. 低高低o◎o型……青い, 痛い, うまい (美味) , こわい (疲 , 多い, 遅い, おぞい (粗末な) れ た), 寒 い, ひ どい, ゆ る い, 弱 い, 若 い, 悪 い であ る. 富 山 で は, 3 音 節 形 容 詞 が す べ て 0 ◎ 0 で あ る, こ の 点, 0 ◎ ◎ と 0 ◎ 0 と の 二 つ の 型 を. 有する東京式とは異なる. 音韻。音声. 2. 0 い わ ゆ る ズ ー ズ ー 弁 で あっ て, /i/ が /u/ に 替 わ るこ と が 多 い. (以下, 注目,如こはその下部に-- を施して示す. ) 例, ス バラ ク (し ば ら く), ア ス (足), ズ ブン (自分), ハ ズメ (始 め), ミ ツ G萱), シ ブ ル (せ びる) /山/が/i/ に 替 わ っ た も の は コ ンニ ャ キ (こ ん に ゃ く), イ デテ (ゆ で て) な ど で, 多 く な い。 つ ま た, /i/ は /e/ と 混用 さ れ る こ と が 多 い. 例 ふ ト (糸), 三 口 エ ロ (色 々), 之 - (木 を), ヘ ラ ッ テ (捨 っ て), ワ タ エ テ G度して) , イ サ (餌), ス イ ッ コ (末 っ 子), ダ ユ カ カ リ カ (誰 か か れ か), タ ビテ (食 べ て). り/e/はしばし ばロ蓋化さ れ 〔ie〕となる. 例, イ ェ ン バク (燕 麦), デ キ ェ マ シ テ (で き ま して), イ マ シ ェ ナ ン ダ (い ま せ ん で し た), ニ ェ マ ス (寝 ま す), ミ ェ ン ドナ (面 倒 な), ソ リ ェ オ (そ れ を) o /。/ と /u/ と の 交 替 で は, /ン/が /o/ に 替 わ る 場 合 が多 い. こ と に mu/ が mo/ に対応する例 が 多 い・ 例, 止 ン (運), オ ヤ シ ョ ー (親 衆), イ ジ ョ ー メ ン (移 住 民), ノ カ ッ テ (ぬ か る ん で), カ ン ボク ロ (紙 袋), ボラ オ (プラ ウ), ス コ ッ ポ (ス コ ッ プ), モ カ ス (昔), モ スメ (娘),. モスコ (息子), モスル (む しろ), 玉 ギ (麦), カワ圭ク (皮をむく), フョ (冬), ョ- ダツ (夕立) 0 以 上の 他 に, ケ ゾ ン デ (刻 ん で), モ コ ッ テ (向 か っ て), マ ス (燃 す), カ ヤ イ (か ゆ い). な ど, /a/と/。/, /≧)/と/ン/とが交替 した例 がある , o ま た, 短 音 化 す る こ と も し ばし ばで あ る.. 例, ホズ (法事), トード (とうとう), セイ ョ ノ (西 洋 の), キ ョ ワ (今 日 は), シ ョ ッ ケ テ サカナクヮ ンニャ - (魚を食わね ば) (塩をつけて) ,ウエナ ラ (産 もうなら), o /ai/ 連 母 音 が相 互 同 化 し, /ee/ ま た は/ei/ と なる こ と が あ る. 例, ヒ レ ー タ (拓 い た), タ イ ゲイ (た い が い), ゴ マ ケイ (こ ま か い). o/ui/連母音, /ei/連母音が逆行同化 し, /ii/となることがある. 」. 15.
(5) . 小野米-・小野ツネ子:北海道一世の生活語 例, ワ リ ー (悪 い), ア カ リ ー (明 る い), ア リ ー タ ラ (歩 いた ら) イ ー ヨ ー (栄 養) 0 次 に, 子 音 に 関 して は, メwa/ と/イba/ の 混用 が 越 中 の 特 色 を と ど め る も の と して 注 目 さ れ る . 例, カ バム イ テ (皮 を む い て), トー シ ェ ン バカ ラ ア ッ チ △ パ ラ ッ パ ラ ッ ト (渡 船 場 か らあ一っ ち は バラ パ ラ ッ と し か 人 家 が な か っ た) ヒ ラ キ ワ (拓 け ば), オ ツ レワ (落 ち れ ば) o /hi/ が/si/ に (さ ら に /su/ に) な る こ と も あ る . 例, と ト (人), シ ー ツ ケ テ (火 をつ け て), ス コ (曽 孫) , シ ッ カ ケ テ (ひ っ か け て), ス ッ パ リ ゴ マ レ テ (引 っ ぱ り こ ま れ て) 逆 に, ヘマイ (狭 い) の よ う な例 も あ る.. 0 ガ行子音は語 頭以 外は/ り-/である. 例, ナ ガイキ (長生き), ニンゲンガ (人間が), シラ ンガデスガ (知 らないん ですよ) 0 /za/ ・ /ra/ 行 音 に 対 して /da/ 行 音 が使 わ れ る こ と が あ る. 例, ダイ サ ン (財産), チ ョ ッ ト ダ ク ニ ナ ル ジ ャ ロ トモ テ (ちょ っ と ら く に な る だ ろう と 思って) 0 音 の 清 濁 の 点 で, 共 通 語 と 異 な る 場 合 があ る 語 に よ っ て は 濁 る 時 と 濁 ら な い 時 と が あ る , . .. 例, ゴヤ (小屋), ドゴノ (どこの), オ デンキ (お天 気) ハダチ (二十才), マイ ドス (毎 , 年) ス トフ (ス トー ブ), ハ と メ テ (は じめ て) , シ ン ポ- (しん ぼう). o ナ 行音の 前 で擬音添加 がなされることがある. 例, キ ンノ (昨 日), シメ トカ ンニ ャ (しめ て お か なく ち ゃ) 語. 3. (1) 動. 法 詞. 0サ行 五段動詞は, 連用形が多くイ 音便 となる. ・オ ッキ ー .カ ンザ シ. タ オ イ チ ャ ッ タ ン デス. (大きな木を倒 してあったんです ) . サイ テ (かんざしをさして). ・ ダ ン ゴオ. オ◆ トイ テ (だんごを落として). ・ ボツ ボツ ト ・ ユ ー ベモ. キ ーオ. フ ヤイ テ (ふやして) テノ ゴイ. ヌ ライ テ (ぬらして) も らっ て. イ 音 便 と な っ た も の がさ ら に 「ワ タ エ テ(渡して) モ ラ ッ テ ワ」 と な る こ と も あ る 同 一 の こ と ば .. で, イ 音便化 しない場合も ある. 力 行 五段 活用 の 連 用 形 でイ 音 便 が お こ る と ハ タ レ ー タ (働ぃた), ヒ レ ー タ (闇ぃた) , /ai/ 連 母 音 が /ee/ と な る こ と が あ る.. な ど,. ウ 音便の例 もある . ・ タ ヘキtアワ テ ユ ー タ ラ. オ ゾイ オ ゾイ.(食べ物といったら, 粗末で粗末で.) ま た, ヤイ テイ キ テ モ (焼ぃて行っても), モ グリ テ ア ルイ タ ラ (もぐって歩ぃたら) な ど, 促 音 便 と な ら な い例 の あ る こ と は, 注 目 し て よ い で あ ろう. o 力 変 . サ 変 の 終 止 形 と し て, ケイ バ ス ノ ニ (競馬をするのに), ツ ヅラ ガ オ チ テ ク (氷柱が落ちて くる) の よう に, 語 尾 の ル が 促 音 化 し, の ち に 省 略 さ れ た と 思 わ れ る も の が あ る. 0 上一 段 の 仮 定 形 に オ ッ レ ワ (落ちれば), 下 一 段 に タ ビョ ー (食べょぅ), ト ル ル カ トモ テ (楼れ るかと思って) な ど が き か れ た. 16.
(6) . 小野米一.小野ツネ子:北海道一世の生活語 (2) 形 容 詞 0 連 用 形 に ウ 音 便 形 が用 い ら れ る. タ カ ク (高く) ナ ッ タ, ス ッ カ ク (す ぱく) ナ ル と も 言 う が っ , サ ブ (寒く) ナ ッ タ, シ ロ ー (白く) ナ ッ テ, オ ン (遅く) ナ ッ テ ア ツ (暑く) ナイ ワ な ど と 言う , 。 ま た, ア カ テ モ ク ロ テ モ (赤くても黒くても) が あ る ア カ テ モ は ア コ テ モ と は 言 わ な い 。 。. o巳然形 (仮定形) にヨケレド (よいけれ ど) がある. M女の夫は結婚前に 「カネワ. ホシカ リャ. ナ ン ボ デモ モ ー カ ル トコ ロ ヤ . (北海道は, お金がほしければぃくらでももうかる所だ. )」 と 言 っ て い た そう で あ る M 女 の 言 い か た に は, 仮 定 形 と 巳然 形 の 区 別 は み ら れ な い。 . o 打 消の 未 然 形 に 「コ メ モ ナ ケ ニ ャ ー ム ギ モ ナ ケ ニ ャ ー … …(米もなければ 麦もなければ…)」 , , があ る. (3) 助 動 詞 シャ ル, ナ サ ル, レル, マ ス デ ス な ど が あ る が こ れらは別 項( 6 )敬語 法 でと りあ げ る こ と に す る. , ,. 0断定の助動詞 では, ‘、.≧≦ ・コ;いずれもさかんに使われる. ・ 力 ラ ダニ. ヨク. ナイ ン ダ. .コ ーッタ ンダロ 。. ・ ノ ゾイ タ. (凍 っ た ん だろ う, ). モ ンナ ラ. ・ ロ ク ジ ュ ー ゴネ ン ジ ャ ・フユ. ネ -,. オオカタ. ,チョッ ト. ネ. (入植して以来65年だね. ). 夕 べタ. ダク ニ. モ ン ジャ ッ タ ,. ナ ル ジャ ロ. (か ぼち ゃ を冬 じゅ う だい た い 食 べた もの だ っ た,). トモ テ。 (少しはらくになるだろうと思って ) .. ミ ンナ ウ ソ ヤ ッ ユ ー ブ ン ョ ー (入植当時のことを話すと.) . リ ト ン デ ンヘイ チ ュ ノ ワ, ソ レ ヨ リ マ エ ヤ ッ タ ンカ. (士別市に屯田兵が入地したのは川西町入植 より 前 だ っ た の か ?). o 打 消 の助 動 詞 は ナイ ・ヌ と も に用 い ら れ る. , ・ サ カ ナ ク ヮ ンニャ ー イ ー ヨ ー ト レ ン (魚を食わないと栄養がとれない) ・コメ モ. ナ ケ ニ ャ ー (米もなければ). ・ ウ マイ. モン. 夕 べヨ ー. トモ ワ ナ (おいしい物を食べようと思わなければ). ・ ナ ン ダカ シラ ネ ド. (なんだか知らないけれど.) 仮 定 形 に は 直 前 に 擬 音 が 添加 さ れ て ン ニ ャ - と る こ と が あ る ニ ャ ー は ナ と 直 音 化 さ れ て も い る 。 . 巳 然 形 に ネ があ る の は 注 目さ れ る。. 過 去の打消にナ ンダを使う。 ー ・ ゴムノ. クツナ ンゾ. - ア リ マ セ ナ ン ダ.. ・イ ノ カ ナ ン ダラ, ク ル マ. ノ ッテテ モ. ÷/〆. ドー ニ モ ナ ラ ン デ シ ョ.(車が動かなかったら, 車に乗. っ てい て も どう に もな らな い で しょ ?). ヒト. o テ ル (て い る). ・ノコ ッ テル. o トノレ (て お る). . ネ ン パイ デ シタ カ ラ. o コ ンナ. バカ バナ シ バッ カ シ. シテ. アル. カ イ.. ス コ ミ トル. (年輩でしたから曽孫を見ている ) , ワ ラ ッ トル ン デス ワ.、 に んなばか話‘ ばかりして笑って. い る ん ですよ. ) .ノ ーフ . オ マイ. シ トッ タ ラ ハ ヤ イ モ ンノ サワ ・(農 夫 を して い た ら, 朝 は 早い こ と だ し ……-) , ……・ , ア , ダマ ッ トリ ャ ー イ ー。 (お ま えは 黙 っ て い れ ばいい ん だ. ). ・ コ ワ ケ 上2 ラ ン デ ショ れてい な い で しょ ?) 。 (こわ ・ ユ ー トラ シ タ ー . (言 って お ら れたよ. ). . テ ル にく ら べる と, トノレの 使 用 が 大 で あ る. 本 動 詞 と して も, イ ル の 使 用 は 少 な く オ ル の ほう が 多 17.
(7) . i ・野ツネ子:北海道一世の生活語 小野米-./ . チ ョノレ (て お る) も 稀 に 使 わ れ る, ・イ マ. チ ュ ー ガク. ・ デモ. イ ッ チ ュ ーノ. ア ッ カ ラ … … (今中学がある, あそこから……) ÷ノ (でも, 越 ワ カ リ ヤ ス イ ッ テ ドナ タ デ モ ユ ー チ ョ ー ヨ ー.. タツチョ ル コ ト バワ. 中の こ と ばはわ かり や す い っ て, どな た で も言 っ て い る よ.). お く), チ マ ウ (て しま う) も使わ れる. o チ ャ ル (て あ る) , トク (て 詞 「 o 格 助 詞 の の」 に 相 当 す る 個 所 に ガ が使 わ れ る こ と が あ る. 『ネマ ヒ ラ ク ガニ キ タ ン デ ス ョ.(アラャマを拓くのに来たんですょ.) . ア ラ÷ (4) 助. ・ シラ ン ガデス ガ.(知 らないんですよ.) ツカ ウノ ワ. , ワタ シノ. o 逆 接 の 接 続助 詞 と して, , ナ ン ダカ ,オラ モ. ワ. (私が使うのはそれなんですょ.) ケ レ ド ・ ケ ド を 使 う 一 方, ド・ ドモ も 使 わ れ る. ソイ ガ デ ス. シラ ネ ド. (何だか知 らないけれど.) ア ソラ エ イ ッ タ 下 キ ワ ワ カ イ. ア ッタ レ ド. シラ ネ ドモ. ・ ゴ ゾ ン ジカ. フ ユ デモ. ・ ドンナ. トキ デ. 0接 続助 詞 の バ. ョ カ ッ タ レ ド モ,. ホ ン トニ. ・ ワ レワ レ. イ ー ンデ. ア レバ. の よ う に, バ が 顕 在 す る こ と も あ る が, 次 の よ う に 隠 在 す る こ と が 多 い, ク レナ キ ャ. キイ テ. ユ ー コ トオ. ・カラ ダ ガ. イ ノ カ レ ン シ. (体がいうことをきいてくれなければ. 動 か れ な い し,). ,コア モ. ム ギモ. ナケニャー ・ ワタ シワ. 0副助詞 キリ. ココ エ. ・ ン ョ ッ パイ. 0副助 詞 ヤッ パ. (米もなければ, 麦もなければ, ……). ナケニャー. キ タ ツ キリ デス.. モ ンヤ ッ パ. ナ カ ツ タ. (入植当初の食べ物といえば, しょっ ぱいもの. しか な か っ た.). (5) 文 末 詞 や わ ら か い 問 い か け を あ ら わ し, 女 性 が 好 ん で 用 い る. ÷十 ナ ン ダ z 三. (そのままょくならなかったの?) . ソ ノ マ マ ラ ク ナ ラテ o ヤ い く ぶん 親 近 感 を も っ た, さ ま ざ ま の 気 も ち の も ち か け を あ ら わ す. .- ァ し, ドコ ノ ク ニ ギ. (ぁの人は, た の国 〈旧国名〉 の出身か?) ・イ ロイ ロ デス ネ ヤ. (いろいろなんですょ.) ・ ラ ー オ ポ エ ト ル モ ン デ ス カ ラ, ソ レイ キ マ ッ タ ン デ シ ョ ー ヤ. (よく知っているものです. 0 カイ. か ら, 縁談 がそ の 人に き ま っ た ん で し ょう よ.). . ニ ー チ ャ ン, マ ー ソ ト. コッチ. ォ ア デ÷÷〒. な ど, 問 い か け, 断 定 ・ 推 量 . 意 志 の も ち か け,. (にいちゃん, もぅちょっと, こっちへぉいでょ.) 命 令 の 呼 びかけ に 用 い ら れ る.. 0 デ あまり 強くはな い自己主張をあらわす. ・ トー シミ. チューモナ. ムカ シ. アッタ. デ ー. (トー シミというものが, 昔, あ っ た よ, <明 り の 移り. 変わりの話〉 ). 0サ. 自己の判断を客観的な形 で投げ出す.. ・ホテ. ・タ マ ニ. o』 18. ドー カ コ カ. オ テ ンキ ニ. ヤッテ. キタ ンデショ ー. ナ レ バ, イ ン ガ シ ー. サ.. サ ネ ー.. 自己の 感情をあまりまじえない で, 伝聞 したこ とを表白する..
(8) . 小野米-・小野ツネ子:北海道一世の生活語 ・ オ バス テ ヤ マ. ナ ゲタ. モ ッテテ. ト. (親をう ば捨て山につれて行って, 捨てたんだって,) E÷ 三言;ル ン デス ト (白菜はねぇ 食べると体が冷えるんですって ) . , . 自 分の 気 も ち を ひ か え め に 表 白 す る .. . ハ ク サイ ワ oワ. ・タノ シン デ. ネ ー. カ ラ ダ. キ ヲ÷シタ. ワ,. ・ コ ツ チ ヘ マイ ン ダ ワ. (こっちは狭いんだよ.) 0 モノ ・ モ ン 自 分 が当 然 だ, どう し よ う も な い と 思 う こ と に 相 手 も 同 情 して 共 感 を 示 して く れ る. こと を期 待する気もちをあらわす. ・ ア トワ. モ ギ バッ カ リ ダ ッ タ. . オ テラ サ ンモ. 0 トコ. モノ. (入植当初は少しばかりの米を食べて しまうと). イ ワ シタ. ソー. モン .. (お 坊さ ん も そう お っ しゃ っ たん だもの. 無理 な い と思うわ ) .. 自 分の 知 見 を や や ひ か え め に 客 観 化 して 表 明 す る. 富 山 の な ご り で あ ろう,. ・カオオ. オ ボエ トッ タ. トコ. (顔を覚えていたんですよ. ). (6) 敬 語 法 助 動 詞 の シ ャ ル ナ サ ル な ど, 敬 語 表 現 が 豊 富 で あ る . , 0 シャ ル. ・ ア ルカ ッ シャ ーゴ .. (歩 かッ シャ ィ. ). のよう な命令形もある が, 多く は, ・オツツア ン. オ ラ シタ ,. (お じさ んは お らツ シ ャ ッ た, ). ・ ドコ エ イ カ シタ ヤ ラ, ニ ゲ テ イ ッ テ ス マ ッ テ, イ ナイ ン ダ . (どこへ行かッ シャッたやら) の よう に, 連 用 形 シ が 「シ た」 の 形 で 頻 用 さ れ る シ と な っ た も の は, 敬 意 の 比 較 的 高 い も の か ら . さ ほ どで な い も の ま で, 使 わ れ る は ばが 広 い。 一 方 サ ッ シ ャ ル は 本 動 詞 の み につ い て, , ・ アノ ヂーサ ンワ イ ッツモ アイ サ ツ サ ッ シ ャ ル ン ダ. , . コ ーチ ヨ ーセ ンセ ーモ サ シタ . (校長先 生 も あ いさ つ を サ ッ シ ャ ッ た, ) ・マー. サ ッ シ ャ イ, (首 の痛 いの は ま あ がま んサ ッ シャィ ) , , .. シ ン ポー. の よう な 例 がき か れた. oナサル. シ ャ ル よ り は 高 い 敬 意 をあ ら わ す よう で あ る,. ・ セ ケ ンワ. ミ ンナ. ソ ッ ジャ カ ラ ト. イ イ ナ サ ル ケ ド, ワ タ シ ワ. ソ レガ. キ ライ ナ ン デ ス. ワ.. ・ オ テ ン トサ マ が . トオイ. デナ サ ッ ト. トコ ロ エ, ヨ ー オ. スー グ. トケ テ. ハ ナ シナサ ッタ. シマイ マ ス.(富山の雪は) ナ ー. (お母さんは息子を遠い土地へよくまぁ離しナ. サ ッ た も ん だね え,) 0 レル. 敬 語 表 現 と して は, 敬 意 の 高 い も の で は な い.. ・オク サ ンガ. 0オイ デル ・ イ マノ. トオ キ ョ オ. イ カ と 夕.. 高い敬意を上品に表現する. ワカイ. モノ モ. イー. カ ミオ. モッテ. オ イ デ ル ケ ド.. ・ ア ンタ, ミ テ オ イ デタ デ シ ョ ー ケ ド ネ ー , 0イ タ ダク 敬 意 の 高 い 謙 譲 表 現 を した て る, ・ ヤク ト. キテ. イ タ ダイ テ. ナ ンモ. ハ ナ シモ. ナイ ノ ニ . (わざわざ来てィタダイて, これとい. っ て 格別 お 役 に立 て そ う な話 も ない の に. すみ ませ んね え. ). 0 て い ね い 表 現 と し て, マ ス . デ ス が 使わ れ る. ・タッテ. イ マ シ ェ ナ ン ダ,. ・ ウチノ. ヂ ー チャ ンモ. ウマノ. スキナ. ヒ トデシテ , 19.
(9) . 小野米一・小野ツネ子:北海道一世の生活語. 4. 語. 麟. M 女 の こ と ばで 注 目 さ れ る も の を 挙 げ る. ま ず, 富 山 県 で も 使 っ て い た と 思 わ れ る も の.. ①ソマ ( 「柚」, 草深い田舎) ② タ シ ッ ポ ( 「虎 杖」, い た どり). ③ヨー ダツ (夕立) ④ ツ ヅラ (氷柱) ⑤ テ シヨ (小皿) ⑥ ョ ( 「余」, よそ, 他) ⑦ オ ヤ シ ョ ー ( 「親 衆」, 親 た ち) ⑧ コ ワ ケ ル (こ わ れ る. ク ズ ケ ル も 使 う). ⑨ホッカラ ガス (放 っ ぽりだす) ⑬イノ ク (動く) ⑪ ク モ ツ テ ア ル ク (う ず く ま っ た よ う な か っ こ う で 歩く). ⑫ネマル (座る) ⑬カナワ ン ⑭ ゴメ ン シ テ. ・サムク テ. カ ナ ワ ン.. . ゴメ ン シ テ. モラ ワニャー (許 して も らわ なく っ ち ゃ.) .. ⑮ケナルイ (う らやま しい) ⑯オ ゾイ (粗末な, 悪い, つまらない) ⑰スッカイ (すっ ぱい) ⑱ ジキノ マ (ほ ん の ち ょ っ と の 間) ⑲ ア ンマ ラ (あ ん ま り). ・ノ トト. ア ンマ ラ. トオ ク ナイ. ない所です.) ⑳ ヤ ッ トコ ス ッ トコ (どう に か こ う に か). ⑪ヤク ト (わざわ ざ) 次 に, こ と に 北 海 道 で よ く 使 わ れて い る こ と ば.. ⑫アメユキ (みぞれ). ⑳ナイチ (内地) ⑳ノーフ (農夫) ⑮ ボラオ (プラウ. 馬に引かせて耕す道具) ⑮ ゴショイ モ (馬鈴 薯. イ モ とも言う) ⑰ストフ (ストー ブ) ⑳シ バレル (寒さ が厳しい) ⑳タ ガク (持ちあげる) ⑳ナ ゲル (捨てる) ⑪ バク ル (交換する) ⑳カマ ドモヘソ (世 帯をもつ, 結婚する) ⑳コワイ (疲れた, だるい) ⑭イ タ ワ シイ (も っ た い な い) ⑮メ ン コイ (か わ い い, か わ い ら しい). 20. トコ ロ デ ス. (氷見は能登とあまり遠く.
(10) . 小野米-,小野ツネ子:北海道一世の生活語. M 女 の 場 合 入 植 して か らの ち の こ と ばへ の 影 響 は 比 較 的 少 な い と 言 え よ , う. 他 の 1 世 の 場 合 は. どうか. 次に岐 阜県加 茂郡川辺町中川辺出身のH男 (明治17年 生) のこと ばをとりあ げ ことにす る る. H 男 は明 治40年 に 渡 道 した . 1. アクセ ン ト 1 音 節 名 詞 は, 低 高 0 ◎ 型 … … 葉 〈2 類〉 , 炉 高 低 ◎ 0 型 … … 葉 〈2 類〉, 木, 手, 火 目 〈以 上 3 類〉 ,. であった. 2類の 「葉」 は, 岐阜では頭高型であるメ号8h 男は尾高型にも発音した 後者は北海道 。. 式 (東 京 式) であ り ア ク セ ン ト が い く ぶん か ず つ ゆ れ て い る , . G主8) 鏡味明克氏 「方言の実態と共通語化の問題点 愛知・岐阜 」, 『方言学講座』 第2巻, 343頁. 2 音 節 名 詞 では , 低 高 高 0 ◎ ◎ 型 …… 枝, 金 口 笹, 酒 〈以 上 1 類〉 , , , 人 〈2 類〉, 家 <3 類〉, 内, 丘, お れ (俺), こ こ, 小 屋 城, 籍, 幅 晩 薪 右 水 嫁 , , , , , , 低 高 低 o ◎ o 型 … … 紙 川 橋 人 町 〈以 上 2 類〉 家, 腕, 馬 竿 茎 骨 山 <以 上 3 , , , ,一 , , , , , いも うえ 一 一さき 類〉, 薯, 上 内 親 株 岐 阜 熊 こ こ 事 米 先 土 地 店 , , , , , , , , , ,. 高低低◎oo型…… 今 奥 鎌 苓晶 種 中 舟 松 麦 〈以上4類〉 秋 雨 蔭 婿 〈 , , , , , , , , , , , , 以 上 5類〉, 板 運 寄 付 ノ汽 車 熊 こ こ 損 鱈 土 地 と ど 場 所 婆 捕 慮 本 , , , , , , , , , , , , , , 前, 柾, 皆, ロ ハ. であ っ て, 数 例 をの ぞ き 東 京 式 と 一 致 す る 語 の ア ク セ ン トの ゆ れ は 文 全 体 のイ ン トネ ー シ ョ , . , ンと か かわ る 点 があ る よ う で あ る 。 3 音 節 名 詞 につ い て は 類 別 で き る 語 例 が 少 な い の で 省 略 す る が 東 京 式 と ほ 一 致 る す . , ぼ , 3 音節形容詞 では , 低 高 高 o ◎ ◎ 型 … … 堅 い 〈1 類〉 低 高 低 0 ◎ 0 型′…・ ・偉 い, 長 い, 古 い, 安 い 若 い 悪 い く以 上 2 類> , ,. で, 東京 式に一致する. 以 上, ア ク セ ン ト は 岐 阜 県 ・ 北 海 道 と も に 東 京 式 で H 男 の ア ク セ ン の ゆ れ は 少 な い ト , 。. 2. 音韻。音声. o時に/ai/連母 音が同化をおこ し/陀i/な どとなる場合があるが そう多く はない 岐阜 県の 特 , 。 徴 が な ご り を と どめ て いる . 例, ナ ェ イ (な い), ハ エ イ ッ テ (は い っ て) o l 音節名 詞 を長 呼することがある. . 例, キ ー (木を).. M 女 の 場 合 に も あ っ た が, 北 海 道 で 多 く き か れ る.. o清濁が共通語と 異なる場合がある。 バナナ (バナナ), オダル (小樽) など 老年層に多い . . 3. 語 (1) 動. 法 詞. 0サ行五段 活用動詞の 連用形がイ 音便化すること が時にある . 21.
(11) . 小野米一.小野ツネ子:北海道一世の生活語 . ソ シタラ. カ ンダク ン トコ イ ッ テ. オラ. ハ ナ エイ テ. クル. ワ. (そしたら, 俺は, 神田君宅へ. 行って話してくるよ. ) o 五段 活 用 の 仮 定 形 でラ 行 の 場 合 は 語 尾 が ナ ク ナ リ ャ, カ ケ リ ャ な ど と な る こ と が 多 い. があ る. 0 上 一 段 , 下 一 段 の 命 令 形 に, ミ .ョ (見 よ), デョ (出 ょ), ミ ッ ケ ョ (見 つ け よ) な ど ミ レ, デ レ な ど と は な ら な い. (2) 形 容 詞 0 未 然 形 に, ナ カ ロ ー, ナ ケ ニ ャ の 例 が あ る.. く て は) と も な る. 0 連 用 形 は, ハ ヤ ク ッ イ タ (早 く 着 い た) の 他 に, ハ ヤ カ エ ラ ニ ャ (早 く 帰 ら な ど ば な も あ る. ウ 音 便 の ハ ズ カ シ ュ ー テ (は ず か しく て), タ コ ス リ ャ ー (高 く す れ ) (3) 助 動 詞 志 形 カ o 尊 敬 の 表 現 は き か れ な か っ た. て い ね い の 助 動 詞 と し て デス, マ ス があ る. デス の 向 を ネ. 敬語表現が少ないの も ア ル ッ シ ョ ー (お 金 が あ る で しょ う !) というのは北海道的である. 全体に 北海道語の特色である.. 未然形 に接続し, 否定の 形の勧誘をあらわす. 岐阜の方 言である.. 0勧誘の助動詞 マイ. カ .. カ ワマイ. ・オルガン. (オ ル ガンを買 おぅ で は な い か. ). カ. (学校を建てよう ではないか. ) よ う), コ 勧 誘 の 表 現 に は, 他 に, カ エ ロ ヤ (帰 ろう よ), フ タ リ ディ ッ テ カ ッ テ ー (買 っ て 来 こ と は 少 な い. ナ ン トカ シテ ヒ トモ ー ケ シ ョ ー (しよう) な ど が あ り, じ っ さ い に は マイ を 使 う か 0 断 定 の 助 動 詞 に は ぎ ・ ごま ・ 上 があ る. い ず れ も 盛 ん に 用 い ら れ る. ジ ャ が 最 も 多い . タ テ マイ. ・ ガッコ. ナ. (二分蕊 だからね. ) {/ トコ ジ ャ ッ タ ヨ ,. ・ ニ ブ シ ン ジャ カ ラ ・ タイ ヘ ン ナ. ・ ブ ド ー ヅル ジ ャ ロ ノ. ト コ ダ ッ タ ン ダ ロ ー,. ユー. ・ ナ ンテ. ソ ヤ. ・ タ イ シ ョ ー ゴ ネ ンノ. ・アー. カ.. トキ ヤ ッ タ. 0打消の助動詞にはナイ ・ヌ がある. 接続助詞 バと 融合して, .フタク ミ. リョーホー デ. カ ワナ. ヤラ ナ. ナ ラ ン. (剣道の道具を二組買わなくちゃ. 二人一組で. や らなき や な らな い. ). ・ハ ヤ. カ エ ラ ニ ャ (早く帰らなくちゃ). な どと な る. 過 去 の 打 消 に ナ ン ダ を使 う. ・ トー キ ョ ー マ デ ・カ ネ. コ ナ ン ダ.. カ サ ナ ン ダラ. 0希望のタイ は連用形 が ・カ エリタ テ. シ ョ ー ナイ ン ダ. ワ. (帰りたくてたまらないんだよ, ). の よう に, 単 に 夕 と な る こ と があ る.. ) 0推量の助動詞 うス を, H男の妹の夫であるT男 (明治25年生, 岐阜県加茂郡川辺町比久見出身 は使 っ た. ・ サイ ゴ ンサセ タ ラ た ん だ が. ). H男は2二gを使う. 22. ヨカラース ト. オモーテ. オ ッ タ ン ダ ガ.. (再 婚さ せ た らよ かろう と 思 っ て い.
(12) . 小野米一・小野ツネ子:北海道一世の生活語. 0接続助詞 「て」 と動詞が融合して助動詞となった ヱ& (ている), トノ レ (ておる), タル (てある, て や る), チ マ ウ (て しま う) などを使う . (4) 助. 詞. 0 逆 接 の助 詞 と し て H 男 は ケ ド ケ レ ド を使 う さ き の T 男 に は ドモ も き か れ た , . . o 原 因 理 由 を示 す 接 続 助 詞 と して, カ ラ の ほ か に ヶ が あ る . ・ バ ラ マ キ ジ ャ ケ (ば ら ま く もの だか ら). (5) 文 末 詞. H男の使う文末詞のうち, 主要 なもの を挙げる. や わ ら い 問 い か け を あ らわ す. 北 海 道 的 で あ る.. 0 カイ. コ レワ. 0ヤ. ニワカニ. イ ル. ノ カ イ.. (こ れは す ぐに 要 るの カイ ?). 自 分 の 気 も ち を 相 手 に お しつ け る 感 じ。. ・ハン. オセ. ヤ,. ○ ガヤ カ シタ ラ. ・ トチ. エー. ガ ヤ.. (土地 を 貸 して く れた らい い じゃ な い か. ). 岐 阜 県の も の を そ の ま ま も ち こ ん だも の か. 0 デョ. 次 の 1例 の み 北 海 道 的 か. .. ・タ ツタノ ワ. 0サ. ウチノ. カケ. デ ヨ.. 北海道的.. ・ トチ モ. ナ ンニ モ. オイ テ. サ. (土地も何もかも郷里にそのままにして きてサ,) 自 分 の 気 も ち を ひ か え め に 表 白 す る.. oZ. . シベツニ. フ ルイ. オ レヨカ. ・ ヒ ド才÷フ ニ. ア ッタ ンダ. ヒ トワ. ヨケ. オラ ン. ワ.. (士別 に私 より 古 い 人 は 多く い な い よ ) .. ワ. (ひどいめにぁつたんだょ, ). あ と の ~ ダ ワ は こ と に 北 海 道 的。 リ モノ ・ モ ン・ モ ・セキ. ミツカ ダ. モラツテ. ・イ コ シテ. モ ノ, ク ル. ナイ. モ ン. (結婚 して 籍 をも ら っ て や っ と 三 日 だもの !) ワケ ナイ モ ナ. (よ こ して ない ん だか ら, 送 っ て く る わ け がな い. よね. ). oノ ョ. 自分の気もちを断定的に強く 訴えかける,. o シカ タ. ナイ. ノ ヨ,. 男性も自由に使うところ が北海道的. 4. 語. 藁. H 男 の こ と ばで 注 目 さ れ る も の を 挙 げる 。 ま ず, 岐 阜 県 でも使 っ て い た と 思 わ れ る も の .. ① オイ コ (甥) ② イコス (よこす) ③カヤス (返す) ④ デカス (作る) ⑤ フ ルウ (ふ る え る). .テ ガ. ⑥ ニ ワ カ ニ (す ぐに). ・コ レ. フ ル ッ テ (手がふるえて) ÷# ニワ力ニ. イ ル. ノ カ イ.. 次 に, こ と に 北 海 道 でよ く 使 わ れ て い る こ と ば . 23.
(13) . 小野米-・小野ツネ子:北海道一世の生活語. ⑦ナイチ (内地) ⑧ノ ーフ (農夫) ⑨ ゴショイ モ (馬鈴薯). ⑩ラクヨー(諸楽寝) ⑪ナゲ ル (捨てる) ⑫ バク ル (交 換する) ⑬イタワ シイ (もっ たいない) ⑭ウマクナイ (まず い) 後者の場合, M女と似ているち . 以 上 に, 2 人の 1 世 の こ と ば を 観 察 して き た. 一 つ の 開 拓 農 村 に, 時 を ほ ぼ 同 じく して 入 植 し, そ の 後60年 余 を 経 過 す る な か で, 生 活 に お い て は い う ま で も な く, こ と ばの 上 でも 互 い に 影 響 を 与 え あ っ て き た は ず の 1 世 た ち で あ る. し か し, その 実 態 と して, そ れ ぞ れ の 方 言 の も つ 特 色 に も ま. た性別や生活の しかた にもよるものとは思われるが, 現在なお1世のこと ばの北 海道共通語化はさ ま ざま で あ る. ア ク セ ン トの 面, 音 韻 の 面, 語 法 の 面, 語 桑 の 面 に お い て. 北 海 道 共 通 語 は, た と え ばこ の よ う な, 1 世 た ち の こ と ばを 種 に, 生 え育 っ て き た の で あ る, 今 日, 2 世 の こ と ばは 1 世 と は か な り の へ だ た り が み ら れ る し, 3 世 と な る と さ ら に へ だ た り が 大 き い 4 世 は 1 世 の 出 身 地 と は ほ と ん ど無 関 係 に, 北 海 道 各 地 で ほ ぼ一 様 の こ と ばに な っ て い る. . 2 世 以 後 の 人々 の 多 く は, 自 分 た ち の こ と ばは 標準語だ″ と 考 え て い る か, そう で な く て も 全 国 どこ へ 行 っ て 使 っ て も は ず か し く な い こ と ば づ か い だ と 考 え て い る. そう いう 北 海 道 共 通 語 は, 移 住 と いう 特 殊 な 体 験 を し た 1 世 た ち の こ と ばが そ の 基 底 と な っ て, 築 き あ げ ら れ て き た. 現 在 に も, 1世, 2世, 3世, 4世 たちの さ ま ざ ま な こ と ばの 層 を 織 り ま ぜ な が ら, 北 海 道 共 通 語 が 息 づ い て い る.. わ れ わ れの 生 活 語 を将 来 へ の 展 望 を も っ たも の と して 考 え る た め に も, 身 近 か な こ と ば を 静 か に み つ め, 1 世 た ち の こ と ば を 人 1 人 の 生 き ざ まと し て 大 切 に 受 け と め た い と 思 う. (1974 0) . 3. 2. 主要参考文献 1 6・1 伊藤曙覧編著 『越中射水の昔話』, 三弥井書店, 昭4 遠藤嘉基他編 『方言学講座』 (2・3巻), 東京堂, 昭36・3~4 0・3 国立国語研究所 『共通語化の過程-北海道における親子三代のことば-』, 秀英出版, 昭4 6・12 東条操編 『全国方言辞典』, 東京堂, 昭2 1・12 日本放送協会 『全国方言資料』 (第3巻) , 日本放送出版協会, 昭4 5・6 平山輝男編 『全国アクセント辞典』, 東京堂, 昭3 〈付記〉 夏 の 日 に 汗 して 丘 をこ え, 冬の 日 に 凍てつ く な か を, 川 西 町 の 家々 を訪 ね ま わ っ た. 本 文 中の M女 とは, 大橋. 伊織氏の母堂である. 大橋氏宅には, 二人して泊めてもらった. こう して, 勉強の一端が報告できる今, このさ. さ や か な レポー トを, 先 年 亡く な っ た M さ ん の 御 霊 前 に, お 捧 げ い たしま す.. (本学助教授・旭川分校, 藤学園旭川高等学校講師). 24.
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