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小学校国語教科書の接続詞 : 平成14年度M社版の調査結果

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(1)Title. 小学校国語教科書の接続詞 : 平成14年度M社版の調査結果. Author(s). 馬場, 俊臣. Citation. 札幌国語研究, 8: 13-22. Issue Date. 2003. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2675. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 小学校国語教科書の接続詞 −平成14年度M社版の調査結果− 馬. 臣. 加えていく。こうすることで約20年を隔てても変わらない部分. と変わった部分とを明らかにすることができる。. このような調査考察を通して、現在使用している教科書が、. はじめに. 接続詞は、文と文との意味的繋がりを明示し、文脈の展開を. 接続詞の点から見てどのような特徴があるのか、その一端を示. ﹁. 支える重要な言語的手段である。文章・談話の論理的な理解・. すことができるであろう。. ところで、国語科教育において、教科書教材は、それを通し. 表現、文章・談話構造や場面展開の把握などに際しては、接続 詞及びこれと同様の機能を果たす語句の適切な理解・運用が重 本稿では、国語科教育の学習指導上の一つの参考材料を提示. る。教科書教材は唯一の教材ではなく、教科書教材以外にも、. ともに、その教材文それ自体が習得させるべき言語表現でもあ. て様々な言語活動を展開させていくための一つの材料であると. することを目ざして、平成14年度版の小学校国語教科書︵M社. 広く読書・発表等種々の言語活動に伴って様々な教材が関与す. 要になる。. すなわち光村図書︶ ︵以下﹁14年度版﹂︶ の教材文中の接続詞の. ることは言うまでもない。しかし、国語教科書は、基本的な言. 語教材を提供しており、その教材文に用いられた語彙や表現が. 出現調査の結果と若干の考察を述べる。. 14年度版の調査結果のみを取り上げても特徴がつかみにく. るべきである。. 如何なるものであるかということは、学習指導上常に考慮され ︵注1︶。本稿では、この吉田一九八七の. を対象とした同様の調査と分析・考察が、吉田一九. い。幸いにして、昭和55年庭坂の小学校国語教科書︵以下﹁55 年度版﹂︶. 八七に示されている. 分析・考察と比較しながら、14年度版の調査結果を示し考察を. −13−.

(3) 二 調査対象及び接続詞の認定 調査対象とした教科書は、平成14年度M社発行の小学校国語 教科書一年上∼六年下の全12冊である。. なのに. ︵5上・1︶. ほいたら︵6上・2︶. なら ︵5下・3︶. 以上、16語︵﹁じゃあ﹂と﹁じゃあね﹂は同一語と考える︶、 頻度合計64である。. ただし、参考までに、14年度版でのこれらの語の使用状況を. 吉田一九八七は別表を対象から外しているため、これらの語 調査箇所は、甲斐一九八二の調査方法に準じ、表紙・付録・ は取り上げられていない。 漢字学習欄の漢字を除いた箇所をすべて対象とした。 本稿では、吉田一九八七との比較を行うため、以上の語は、 接続詞の認定に関しては、比較を行うことを主目的としてい るため、本稿では、基本的には吉田一九八七に準じて認定を行っ 以下の調査結果及び考察対象から除外することにした。 た ︵注2︶。. ︵5下・2︶. そしたら. ︵5上・1︶. ︵5下・1︶. それじゃあ︵4上・2︶. そんなら. だって. ︵3下・1︶ ︵2上・4︶. ︵1下・8︶ だけど. なのに︵6上・1︶. と﹁それじゃぁ﹂は同一語と考. ︵3下・1︶ ︵﹁それじゃあ﹂. だども. それじゃぁ. じゃあ︵2上・8︶. 同様に示すと、次のようになる。 じゃ. 以下で取り上げる接続詞に関して注意しておくべきことがあ. る。甲斐一九八二では、﹁古語・方言・俗語・話語・幼児語など、. そいで. ︵1下・3︶. 共通語としては扱いにくい語﹂を﹁位相語﹂として、他の一般. それじゃ. ︵5下・2︶. 自立語とは別扱いにして、別表︵鋤∼210頁︶に示している。そ. の表には初出箇所と全学年の総頻度のみが示されている。品詞 名は示されていない。その表から接続詞と考えられる語を抜き ︶内に併記すると、次のようにな. 以上、11語. けど ︵5下・7︶. じゃあ︵3下・4︶. して. ども﹂も以下の分析対象から除外している。なお、﹁けど・して・. はないが、﹁位相語﹂扱いされると考え併記した。従って、﹁だ. 出し、初出箇所と頻度を︵. る。 じゃ ︵1下・7︶. そいで ︵5下・2︶. そんでも・だけんど・なら・ほいたら﹂の6語は使用されてい. える︶、頻度合計34である。﹁だども﹂は甲斐一九八二の別表に. じゃあね ︵4上・1︶. それじゃ ︵3下・3︶. ︵6下・1︶. そしたら ︵2下・8︶. ︵2上 ・9︶. だって. なかった。 ︵2 上 。 8 ︶. そんでも ︵5下・1︶. そんなら ︵5下・3︶ だけんど ︵4下・2︶. だけど. それじゃあ︵2上・2︶. ー14一.

(4) 三 調査結果 平成14年度版M社小学校国語教科書の. たものと言える。. ただし、学習指導要領に示された国語の年間授業時数は、昭. 和55年度では、一学年からそれぞれm時間、謝時間、謝時間、. 剃時間、210時間、210時間であったのに対し、平成14年度では、. 調査結果を、﹁表1 接続詞﹂に示す。この表は、吉田一九八七の表︵97頁︶. 同様にm時間、別時間、鵠時間、誹時間、潮時間、175時間であ. の体裁. に準じ、初出箇所及び学年別の使用頻度、さらに学年別及び累. なるので単純な比較はできない。. 学年の約66%である。なお、両年度版は二∼四学年の版型が異. 頁、219頁である。減少率は、最小は一学年の約99%、最大は四. のに対し、14年度版では、同様に179頁、遁頁、畑頁、腸頁、誹. 年からそれぞれ畑頁、誹頁、創頁、247頁、湖頁、247頁であった. また、調査対象箇所の教科書の頁数は、55年度版では、一学. る。一・二学年以外の減少率は、約83∼86%である。. 昭和55年度版光村図書小学校国語教科. 積の延べ語数・異なり語数を示したものである。吉田一九八七 の表︵97頁︶を﹁表2. 分析・考察. 書の接続詞﹂として示す︵注3︶。. 四 本節では、表1及び表2に基づいて両年度版に使用された接. 続詞を比較しながら、14年度版数科書の特徴を分析していく。. 科書の頁数の減少の割合以上に、接続詞の延べ語数が減少して. これらの数値は、参考に示したものであるが、授業時数、教 四・一延べ語数・異なり語数の比較. ﹁書くこと﹂が﹁読むこと﹂に比べて、より重視されていると. いることが分かる。これは、14年度版は、﹁話すこと・聞くこと﹂. 版では餅語であり、14年度版は55年度版の約52%となっている。. いう指導内容の質的な変化も強く影響していると考えられる。. まず、全学年合計の延べ語数は、55年度版では1226語、14年度. また、異なり語数は、それぞれ46語、39語であり、14年度版は. の教材ではなく、広く読書に親しみ様々な表現に触れる機会が. なお、﹁はじめに﹂で述べたように、教科書教材のみが唯一. ると、延べ語数の減少率︵55年度版に対する14年度版の比率︶. 設けられており、上記の結果がそのまま学習内容の低下を意味. 55年度版の約85%となっている。また、各学年で同様に比較す は、一学年で66%程度である以外はほほ50%前後である。同様. するものではない。ただ、予想以上に、延べ語数は減っていた。. 異なり語数に関しても同様である。. に、異なり語数の減少率は、最大は四学年の約67%で、最小は 一学年の約91 % で あ る 。. 以上の数値は、学習指導要領の改訂に伴う授業時間数の減少 及びそれに応じた教材量の減少、また学習内容の変化を反映し. −15−.

(5) 表1 平成14年度版M社小学校国語教科書の接続詞 初出. あるいは が. 5上. けれど. 2上. けれども. 1上. さて. 5下 3上. しかし しかも じつは. 2年. 1年. 2. 4. 2. 2. 2. 計. 2. 2. 7 9 8 3. 7. 12. 14. 35. 4下. 2. 5下. 2. 1. 3. 3. 3. 18. 2. 3. 9. そうして. 3. そこで. 1下. 4. そして. 1上. そのうえ. 1下. それから. 1上. それで. 2上. それでは. 2下. それでも. 1上. それどころか. 6上. それとも. 5上. それなのに. 3上. それなら. 5下. それに だが. 3下. だから. 1下. だからこそ ただ. 6下 5上. ただし. 3下. だったら. 4上. たとえば. 3上. つまり. 2下. ですから. 3上. では. 1下. でも. 1下. と. 4下. ところが. 2下. ところで. 3上. なお. 6下. また. 2上. または. 4上. 異なり語数(累積). 6年. 3. 1上. 延べ語数(累積). 5年. 5 2. 2上. 異なり語数(学年別). 4年. 1. すると. 延べ語数(学年別). 3年. 6下. 2. 4. 10. 20. 5. 3. 3. 3. 5. 7. 35. 21. 44. 32. 23 162 4. 3. 5. 5. 3. 9. 3. 2. 5. 5. 3. 3. 28 18. 3. 2. 9. 2. 2 2. 2. 6下. 1. 3. 2. 3. 1. 5. 1 2. 9. 6. 11. 30. 1. 2. 6. 2. 2. 5. 6. 4. 2. 9. 13. 2. 4. 6. 3 5. 10. 7. 9. 6. 4. 2. 27. 13. 3. 13 77 4. 3 4. 23 12. 3. 1. 12 3. 1 9. 20. 20. 32. 82. 637 39. 29 10. 57 15. lO5 22. 102 20. 186 30. 158 32. 29 10. 86 17. 191 24. 293 28. 479 34. 637 39. ー16−.

(6) 表2 昭和55年度版光村図書小学校国語教科書の接続詞 初出 あるいは いわば および. 5年. 4年 2. 6上 4上. けれど けれども さて しかし しかしながら しかも したがって じつは すなわち すると そうして そこで そして. 2上. そのうえ. 1下. それから それだから それで それでは それでも それどころか それとも それなのに それなら それに だが. 1上. 2 4. 2. 計. 6年 3. 6. 8. 12. 5. 7. 6. 2. 8. 4. 5. 4. 45. 28. 5上. 2. 9. 5下. 2. 3. 1下. 3下 3上. 7. 6. 12. 6上. 15 41 11 92 1. 3下. 2. 6. 9. 6. 22. 6下 1上. 4. 12. 26. 17. 6. 9. 1上. 6. 4. 5. 1. 3. 3. 1下. 1. 5. 1上. 14. 21. 28. 37. 12 77. 13 61. 2. 4. 9. 11. 8. 14. 18. 10. 67. 3. 4. 10. 23. 3. 3. 2. 8. 47 12 22. 口. 2 6. 5下 3上 2上. 5. 2. 1上. 2. 3. 3. 4. 9. 3. 3下 1. 2下. 3. 2. 2下. 1. 4. 2. 6. 3. 4 2. 3. 7. 1. 2下 3上. ですから でないと では でも というのは ところが ところで なお. 4. 1. 3下 4上. つまり. 2. 9. 7. 12. 4. 4. 9. 4. 3. 8. 7. 8. 6. 3. 11. 11. 25 28. 4. 2. 9. 17 61. 3. 2. 1下 3 1下 3. 1. 6. 4. 3. 14. 13. 10. 19. 2 1. 2. 6. 13. 13. 16. 9. 58. 5. 2. 8. 1. 1. 3. 3. 3. 40. 120. 4下 1下. 1. 3下 4上 6下 2上. また または もっとも. 4. 18. 3上 6上. I. 異なり語数(学年別)l. 22. 36. 1. l. I. l I. 8. 12 24 22 35. 13 12. 2下. にもかかわらず. 74 22 53 238. 2. 3下 2下. 4下 2上 3上. だから ただ ただし たとえば. 延べ語数(累積) 異なり語数(累積). 3年. 6上. が. 延べ語数(学年別). 2年. 1年. 4上. 2. 5. 2. 2. 4411041184120313651326 1226 111. 191. 301. 301. 361. 42 1. 4411481332 535190011226 111. ー17−. 201. 311I. 37 j 40 1. 46. 46.

(7) ところで、吉田一九八七は、接続詞が﹁第五学年がもっとも 多量となっている﹂教科書が3社あることに注目し、﹁接続詞. それでは︵2上・2下︶・それどころか︵3下・6上︶・. それとも︵3下・5上︶・それなのに︵2下・3上︶・そ. C. B. わらず︵6下︶・もっとも︵6上︶. 14年度版のみにある語. ︵6下︶・だったら. 以上6語. 以上10語. ︵4上︶・と. ︵4下︶. 下︶・でないと︵2下︶・というのは︵4下︶・にもかか. したがって︵5下︶・すなわち︵6下︶・それだから︵5. いわば︵6上︶・および︵6上︶・しかしながら︵6上︶。. 55年度版のみにある語. 3上︶・ところで︵3下・3上︶. ︵3上・2上︶・だから︵2上・1下︶・たとえば︵4上・. けれども︵1下・1上︶・しかも︵5上・4下︶・それで. 以上16語. 下・6下︶・ただ︵3上・5上︶・ところが︵1下・2下︶・. に限れば、五年生の段階で、質量ともに小学校での達成点を示 れなら︵2下・5下︶・それに︵2下・3下︶・だが︵4 す﹂ことを確認しているが、この特徴は、14年度版も同様であ. 見 出し語の比較 両年度版ともにある語﹂︵初出. る。学年別異なり語数が五学年でもっとも多くなっており、六 なお︵4上・6下︶・または︵3上。4上︶ A−3 14年度版の方が初出箇所が早い語 学年で初出の接続詞も多くはない。 四・二 両年度版の見出し語を、﹁A. 55年度版のみに. ︶内は初出箇所である。Aに関しては、. 14年度版のみにある語﹂別に列挙すると次のよ. 箇所の違いによってさらに3分類する︶、﹁B ある語﹂、﹁C うになる。なお、︵ 両年度版ともにある語. 55年度版・14年度版の順で示している。. A 両年度版の初出箇所が同じ語. だからこそ. A−1. けれど︵2上・2上︶・しかし︵3上・3上︶・すると︵1. 以上3語. 丁二学年での初出が殆どであり、もっとも基本的な接続詞と 考えられる。. まず、Aの語群を見ると、両年度版の初出箇所が同じ語は、. 上・1上︶・そこで︵1下・1下︶・そして︵1上・1上︶・. そのうえ︵1下・1下︶・それから︵1上・1上︶・それ でも︵1上・1上︶・ただし︵3下・3下︶・つまり︵2. 以上14語. 下・2下︶・ですから︵3上・3上︶・では︵1下・1下︶・ でも︵1下・1下︶・また︵2上・2上︶. 年度版では初出箇所が遅くなっている傾向が見て取れる。一方、. 55年皮版の方が初出箇所が早い語は16語に上り、全体的に14. あるいは︵4上・6下︶・が︵4上・5上︶・さて︵3下・. 14年度版の方が初出箇所が早い語は6語であるが、すべて半期. 55年度版の方が初出箇所が早い語. 5下︶・じつは︵3下。5下︶・そうして︵1上・2上︶・. A−2. ー18−.

(8) か一年の違いにしか過ぎず、初出箇所は余り変わらない語と見 ることもでき、やはり、上記の傾向を支持している。 Bの55年度版のみにある10語の初出箇所を見ると、殆どが五 学年ないし六学年であり、小学校段階では比較的高度な接続詞 であると考えられる。このような語が14年度版では使用されて. ㈱. ﹃でも﹄. ¶ところが﹄. ﹃そこで﹄. ﹃それから﹄. の6語﹂で、﹁いわゆる順. ﹁これらに続くのは、﹃けれども﹄ ﹃それで﹄. 接と逆接の接続語﹂である。 ㈱ 出現頻度の低い語のうち、﹁いわば・および・しかしな がら・したがって・すなわち・にもかかわらず・もっと. 接続語としてはやや難しいものと判断﹂される。﹁一年∼. も﹂の語は、﹁意味用法上、ないし文体上、小学校段階の. Cの14年度版のみにある語は3語あるが、﹁だからこそ﹂は﹁だ. 六年までの総出現回数がわずか1∼3にすぎず、しかも五. いない。 から﹂と同一語として扱うことができ、また、﹁だったら﹂﹁と﹂. 年か六年に初出する例だから﹂ である。. ることに注意しておく必要がある。14年度版では、通回のうち、. の接続詞が﹁学習の手引き・学習目標﹂に多出している点にあ. だし、﹁そして﹂﹁また﹂が多出している理由の一斑は、これら. 吉田一九八七の仰の指摘自体は14年度版でも同じである。た. 余り細かい順位の比較は意味がない。. ただし、14年度版では、出現総数自体が少なくなっているので、. がり、﹁でも・だから・たとえば﹂等の順位が上がっている。. 14年度版では、﹁すると・ところが・けれども﹂等の順位が下. た﹂がそれに続いている点は両年度版で共通している。しかし、. まず、出現総数の順位に関しては、﹁そして﹂が一位で、﹁ま. それぞれの指摘を14年度版と比較していく。. は﹁位相語﹂として扱うこともできる。つまり、Cに該当する 語は調査方法次第では皆無となる。 以上の結果から、14年度版の教科書の接続詞は、55年度版に 比べ、全体的に初出箇所が遅くなるとともに、比較的高度な接. 高頻度語・低頻度語の 比 較. 続詞は用いられなくなっていることが分かる。. 四・三. 吉田一九八七は、55年度版に関して、全学年を通じた出現総. ﹁ぬきんでて多いのは﹃そして﹄﹂であり、﹁﹃そして﹄. 数 に 着 目 し 、次のような指摘をして い る 。 旧 である。. の頻出は、小学校国語教科書における接続語の極めて目立 つ特徴﹂. ﹃また﹄. ﹁学習の手引き・学習目標﹂で少なくとも35回用いられている。. ﹁次にランクされるのは、﹃しかし﹄ Fすると﹄. の3語﹂である。﹁﹃すると﹄ の多出には、小学校国語教科. 同様に﹁また﹂も82回のうち少なくとも28回用いられている。. ㈱の﹁すると﹂に関する指摘であるが、14年度版では出現総. 書としての特徴が現れて﹂ぉり、これは﹁上学年よりもむ しろ下学年の方に多く用いられている﹂ことからも言える。. −19−.

(9) 年が高学年に比べ1∼2回多い程度であり、55年度版に見られ. 数自体が、18回で9位となっており、しかも、出現回数は中学 累加. ある。. るような目立った特徴は見られない。 展開. 以上8語. しかも・そうして・そして・そのうえ・それから・そ. れどころか・それに・また. 以上3語. 以上3語. 以上2語. 以上1語. 以上の考察の要点をまとめると次のようになる。. 以. すると・そこで・それで・それでは・それなら・だか. ら・だからこそ・だったら・ですから・では・と. ㈱の指摘に関しては、順接及び逆接の接続詞が上位に来る傾 向は同じであるが、14年度版では、﹁たとえば﹂︵同列又は同帰︶. 上11語. あるいは・それとも・または. 以上9語. 反対が・けれど。けれども・しかし・それでも・それをの. が相対的に多く使われている。 ㈱の小学校段階ではやや難しいとしている7語は、本稿四・. 選択. たとえば・つまり. に・だが・でも・ところが 同帰. ただ・ただし・なお. 二のBで示したように、いずれも14年度版では用いられておら ず、この指摘は妥当であると考えられる。14年度版は、質的に. 補充. さて・ところで. 以上2語. 易しくなっていると言うこともできる。. 転換. なし. 接続類型から見た比較. 四・四. 理由. じっは. れらの出現頻度も高い﹂のに対し、﹁選択﹂﹁同帰﹂﹁補充﹂﹁転. ・平成14年度版は、昭和55年度版に比べ、接続詞の延べ語. 終わりに. 換﹂﹁理由﹂などの接続類型の接続詞は、﹁もともと、日本語で. 数・異なり語数ともに、大幅に減少している。ただし、五. 五. その他. 吉田一九八七は、55年度版の接続詞に関して﹁意味用法の面﹂. の三つの接続類型の接続. に着目し、次のような特徴を指摘している。 すなわち、﹁累加﹂﹁展開﹂﹁反対﹂. はこれらの接続語の種類が限られているのであるが、小学校国. 学年の段階で質量ともにピークをなす点は両年度版ともに. 詞は、﹁種類もほぼ同数であり、同時に、接続表現におけるそ. 語教科書ではそれらの使用頻度もまた極めて低い︵﹃つまり﹄﹃た. 同じである。. いられなくなっている。. に初出箇所が遅くなるとともに、比較的難しい接続詞は用. 。平成14年度版の接続詞は、昭和55年度版に比べ、全体的. とえば﹄ ﹃さて﹄を除くとすべて一ケタの使用回数︶﹂ことを指. 摘している。 14年度版の接続詞を、上記の接続類型に当てはめて分類する と、次のようになる。14年度版も吉田一九八七の指摘と同じで. ー20−.

(10) 出現頻度の点から比較すると、﹁すると﹂﹁たとえば﹂等 の接続詞が上位に来る傾. 若干の語で順位の異同はあるが、﹁そして﹂が一位である こと、反対・展開︵逆接・順接︶ 向は両年度版ともに同じである。 接続類型別に見ると、累加・展開・反対 ︵添加・順接・. 山. ㈱. 善田一九八七の97頁の表︵以下﹁吉田﹂︶記載の語のうち、. で﹁連語﹂表示のある語は、接続詞として摸う。. 副詞としての用法を持たない語及び甲斐一九八二︵以下﹁甲 斐﹂︶. 吉田記載の語のうち、副詞としての用法を持つ語で、甲. 斐で接続詞・副詞別に集計しておりかつ吉田に接続詞のみ. の度数を採用している語は、接続詞の用法と判断した用例. の接続詞が出現頻度が高いという傾向は、両年度版. 逆接︶. ︵すなわち副詞. 載されていない語は、個別に接続詞か否かを判断する。. 指示語系接続詞︵指示語を語形の一部に含む接続詞︶. ついては、指示語本来の用法で用いられ2語以上に分離で. に. 吉田に記載されておらず、かつ甲斐に見出し語として記. 計されている語は、接続詞として扱わない。. 吉田に記載されておらず、かつ甲斐に副詞としてのみ集. としてのみ見出しを立てている︶語は、接続詞として扱う。. 斐で接続詞としての見出しを立てていない. 吉田記載の語のうち、副詞としての用法を持つ語で、甲. のみを対象とする。 ㈱. ㈲. ともに同じである。 本稿では、平成14年度版の1社のみの教科書を対象としたが、 より詳細な分析のためには、他社の教科書また平成元年告示学. 吉田一九八七には、甲斐一九八二の調査結果︵昭和55年度. 習指導要領の時期の教科書の調査分析も必要である。. 注 1. 版・光村図書発行教科書対象︶ 及び教育技術研究所一九八三. きる場合は、接続詞としては扱わない。ただし、この判断. は、意味解釈がかかわるため、文脈に即し、個別に判断を. の2種の. 語彙等調査に基づいた考察が述べられている。本稿では、前. 行う。. ︵昭和56年度版・5社の出版社発行の教科書対象︶. 者の調査・考察のみを取り上げる。なお、吉田一九八七は﹁接. なお、﹁いっぽう、こうして、さらに、そうしたら、そう. ︵岡本一九九九・. 馬場一九九九︶が、甲斐及び吉田では接続詞と認定していな. は、接続詞と認定している国語辞典もある. かわらず、それも、つぎに、どうじに﹂のような語について. すれば、そうなると、そのかわり、それだけに、それにもか. 続語﹂という用語を用いているが、本稿では﹁接続詞﹂とい 甲斐一九八二と吉田一九八七とで接続詞か否かに関して認. う用語を用いた。 2. 定が異なる語がある。本稿では、次の基準を設けた。煩現に. な る が 、 示しておく。. ー21−.

(11) いと判断されるので、比較を目的とする本稿では、接続詞扱. いはしなかった。 3 吉田一九八七の表︵97頁︶の﹁﹃分類語嚢表﹄での分類番号﹂. 及び﹁他の四つの語嚢関係文献との関連﹂を示した欄は割愛 した。なお、学年別及び累積の延べ語数・異なり語数欄は、 青 田 一 九 八 七にはなく、筆者が新た に 設 け た 。. 参考文献 岡本宜子一九九九﹁国語辞典の品詞表示における接続詞認定肘﹂ ﹃日本語・日本文化研究﹄6号、京都外国語大学留学生別科 甲斐睦朗礪一九八二﹃小学校国語教科書の学習語彙表とその指 導﹄光村図書 教育技術研究所編一九八三﹃資料 国語教科書文例︵小学校編︶ −文型・分野−﹄教育社. 馬場使臣一九九九﹁複合接続詞の体系的考察の試み−動詞の条 件表現形式による複合接続詞を対象として﹂﹃語学文学﹄即号、 北海道教育大学語学文学全 書田則夫一九八七﹁国語教科書の接続語﹂﹃日本語学﹄6巻9. 号. ー22−.

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