初期J.ブラームスにおけるソナタ形式楽章
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部A) 第46巻 第2号. 平成 8 年 2 月. f Educa I i do Un i i i i lof Hokka t t Journa onIA) VO ve r s on(Sect ‐2 yo .46 , No. Februa r y ,1996. 初期 J. ブラ ーム ス にお けるソ ナタ 形 式楽 章 大. 塚. 夏. 生. t ie Sonatenformsatze der iungen Zei Uber d johannes Brahmss--一Studien. zur. M us ikwerke J‐ Brahmss. 皿. Natsuo otsuka. はじめに ブラームスの器楽曲は数が多く, その形式も多様であるが, 多楽章作品にはソナタ形式による楽章を含ん だものが顕著である‐ これらは生涯にわたって形態と表現内容に新たなる創造をもたらし, 彼独自の境地を 深め高めてゆく プロセスを如実に示したものといえる‐ この傾向は既に若いころからあらわれているため本 論文においては初期の状況を検討していきたい‐ 初期の作品には声楽曲が多く器楽曲としてはピアノのため のス ケル ツ ォ op. 4, 変 奏 曲 op‐ 9, バ ラ ー ド op‐10, 変 奏 曲 と フ ー ガ op‐ 24な ど ソ ナ タ 形 式 以 外 の フ ォ ー ム が と りあ げ られ た例 も 少 なく な い. ソ ナ タ 形式 楽 章を含 ん だ 作 品の うち の ピアノ ・ トリ オ op ‐ 8 は後 年 に な っ て 全 面 的 にか き 改め られ たも の で あ り, ま た ピ アノ 協奏 曲op,15は種 目上 の 性 格, 即 ち ソリ ス トの 技巧. 5及 誇示などの演奏効果を狙うという特殊性の故に本分においては割愛したい‐ また弦楽4重奏曲op ‐24と2 びそれ以降のものは既に経験ゆたかな状況の許にかかれたが故に別の機会にゆずり, 本論文においては ピア ノ ・ ソ ナ タ op ‐18, 計 4 曲の各 々 第1楽 章を検 討 して ゆ きた いと おも う‐ ‐ 工, 2, 5 及 び弦楽 6重奏 曲 op. op ‐ 5 ヘ 短調 は第 2, 3楽 章 の み が 同 じ頃に かか ‐ 2嬰 へ短 調 は作 曲者20才 頃に か か れ, op . 1ハ 長 調 と op れ, 第 1 及 び5楽 章 が完 成 した の は29才 の 頃 である‐ 即 ち1854年 か ら62年ま でかか っ て や っ と 陽の 目を みた の が この 第 3番ソ ナタ な の であ る‐ これ ら 3つ の ソ ナタ の 第 1楽 章 に おい て は情 熱 的な 第 1 主題 でも っ て 始. まるのにもかかわらず, 形式上の均衡感が大きく崩れてはいない‐ ここには伝統的様式感覚とロマン的情調 が同居 しており, 時には構成上の大胆さもみられらるが, また歴史的天才の片隣もすでにうかがうことがで き, 彼の偉大なる栄光の出発 点に ふ さわ しい 堂々 た る コ ソス ティ テ ュ ー シ ョ ンを 有 して い る の である‐ こ れ らの楽章は後年になってかかれたラ プソディ ー等々にもみられるような内燃的激越と素朴な拝情, そして思 索的観想などが稚いながらも強い芽をだしており, 他の浪漫派のソナタとはひと味ちがった個性的な時空を 創造したといういみにおいて極めて注目に価する. またピアノ書法については内容の要求するところにした がうべき独自的方法の故に趣味判断による評価も多様に存在するのである‐ 第 1主題 の性 格 につ いて も op ‐ 2の 場 合 は あたかも ロ マ ン派 協 奏 曲の 独 奏 パ ッ セ ー ジを おも わ せる も の が あ り, ま た op . 5 の 場 合 はラ プソ ディ ー 風な 音 型 と 楽 想 の 故 に疑 問視 される む きも ある が, こ こ では後 続す る 諸々 の 素 材 と の か か わ りに お いて 「ソ ナタ 形式 楽 章」 が ひ とつ の ドラ マ テ ィ ク な構 想 に 近付 い て い る と い. う事実を無視してはならないのである. ここには本然的存在性と劇的緊張, そして豊かな情緒と内面的観想 という対比の姿勢がみられる‐ たとえここに 〈強烈と晦渋〉 の共存をみる場合であってもその実相を常に深 という理由から忌避されることが多い. く堀りさげて捉えるべきものなのであるが, 現実には悦楽に適さぬ- 然し, これらのソナタにたいしても分析的考察に立脚した劇的特性の把握と内的様相の洞察によって愛着が 深ま っ てゆ く の で ある. 91.
(3) . 大 塚. 夏 生. ブ ラ ー ムス が ソ ナタ形 式楽 章を用 い た作 品 はほか にも 多く 交響 曲 4 曲, 協 奏 曲 4 曲 弦 楽 6 重 奏 曲 2 , ,. 曲, 弦楽5重奏曲2曲, その他の5重奏曲2曲, 弦楽4重奏曲3曲, ピアノ 4重奏曲3曲, 同3重奏曲3 曲, そ の 他 の 3重奏 曲2 曲, V1 n ‐ソ ナ タ 3 曲な ど, 中・ 後期 の 曲に み られ ‐ソ ナタ 3 曲, Vc‐ ソ ナ タ 2 曲, cl. るソナタ形式楽章は一部の例外を除き概ね単純ならざる組織の故に決して●大衆性を持ってはいない‐ 楽想の 成熟とその組成化において秀れた頭脳, 高度の精神力などの働きが部分と全体に作用 していることがわか る‐ ここには伝統的形式の価値を充分に認識しつつも個人の内的発酵および楽想の構造化による魅力が充満 i している‐ 即ち この形式を用いる際には特に慎重な思索によって着想を展開し, 音組織体mu s caの成立を目 指して思惟的労作にエネルギーを費やした形跡がみられるのである‐ 斯様な音楽に晦渋の様相をみてとるむきも少なくないが, ここには繊密さと温かい人情の味, デュオニソ ス的情熱とアポロ的形式感覚, 気宇壮大な空間性と素朴さ等々が並存しており, 決して図式主義におちいる こと なく, 曲全 体と して の ドラマ チ ッ ク な構成 にた いす る 配慮 が 顕 著 に みう け られる‐ この傾 向 は既 に初期. の作品からあらわれており, ここでは伝統的書法の習熟に立脚した多種多様な思想表現と情緒表出がなさ れ, 歴史的巨匠の稀有な能力が如何なく発揮されており, その基盤をしているのが級密なるベートーヴェ ン 研究とおもわれるのである. もっとも彼はバッハほか数多くの音楽にも積極的に接し, 勤勉に学習していた ことも事実なのである. 次に本論においてとりあげる四曲の第1楽章 (ソナタ形式) の構成上の配分を小節数によっ て示すと op . ′ 大結 尾37 合計270 op 2は提示68 小 結 尾14 展 開48 再 現 1 は提示74. 小 結尾13, 展 開85, 再 現61, , , . , , , 48, 大結 尾20, 合計198, op ‐ 5 は提示55, 小結 尾16, 展 開59, 再 現47, 大結 尾45, 合 計212, op .18は 提 示 114, 小 結尾26, 展 開92, 再 現107, 大結 尾58, 合計398で あ り, 更 に細 かく みる な ら ば次の 如く になる.. Ex .I. 提. 示. 小結尾. 展. 開. 再. 現. 大. 結. 尾. 合計. 8 ) 74( 3 .36 68( 3 9 2 9 . ). 13. 85( 36‐29‐20 ). ) 61( 2 5 .36. ) 37(16.7.9.15. 270. op‐ 2. 1 4. ) 48( 9‐16‐4.て4‐8. 4 8( 1 3 5 ) ‐3. 20(3.9.8). 198. op‐ 5. 55( 3 8 7 ) .1. 16. 3‐13‐29‐14 ) 59(. 47(14‐16‐17 ). 45(22.4‐1.9.1‐8 ). 222. 26. 92(32.19‐42 ). 107(39‐38.30 ). 58(22.24.12). 398. op. 1. 30‐30‐54) op‐ 18 114(. この よ う に 4 曲 共に概 ね バ ラ ンス がと れ て お り, 曲毎 に 比率の 点 にお ける 幾 分 の相 違 はある も の の, そ れ. らは結尾部に含まれる素材などによって調節がつけられ, またはその表情質によって均衡が保たれるという 状況がみうけられる‐ 各部分の詳細な分析は後の章において取扱い, 第1主題, 副主題, 第2主題, 推移旬 等々 の 形相, 規 模, 調性 そ して 薬 想 な どが使用 さ れた ソ ナタ 形 式 と どの よう に かか わ っ お り, どの よう に活. きているかを検証してゆきたい. 全体としていえることは各素材間の性格上の対比による ドラマ的緊張の点 において他のロマン派作曲家よりベートーヴェンに最も近似しているのであるが, それと同時に浪漫的楽想 が 極め て ユ ニ ーク な書 体と な っ て 顕 れて いる 点 にも 注 目す る べ き である.. 〔1〕 主題提示部. l lung Themenaufste. ピアノ ・ソ ナタ 第1 番 op . 1の 主題 提示 部の 大ま か な素 材 配 分につ い て は前 節 に示 した 如く である が, 更. ), 推移部 ( にそれを細かくみれば第1主題 (1~8), 主題確保 (9~16 7~34 ), 挿入句 ( 34~8), 第2 1 主題(39~50 63~74 ), 小結 尾 (75~87 ) と いう こと になる‐ ), 副主題( 51~ 8), 確 保( 59~62 ), 推移 部 ( 92.
(4) . 初期J. ブラームスにおけるソナタ形式楽章. 第 1主 題 の和 絃形 態 とリ ズ ム が ベ ー トー ヴ ェ ンの ソ ナタop ‐106 「ハ ンマ ーク ラ ヴィ ア」 に近 似 して い ると い う 点以 外 にも ブ ラ ー ムス が ベ ー トー ヴ ェ ンをつ よく 意 識 して い た こと は, 作 品構 成 の 堅 固 さ と 2つ の 主題 間の コ ントラス ト, そ して全 体をつ ら ぬく ドラ マ性 等々 への 配慮 の うち に は っ き りと うか が える の で ある. シム フ ォ ニ ッ ク な 豪 快 さ と 分 厚 さの なか にも 何 か しら飾 らぬ素 朴 さを そ な えた第 1主題 部 は4 の倍 数 による ) で変 ロ長調 ~ ハ 長調 とな っ フ レー ズ か ら成 り立 っ て お り, 前半 (1~ 8) がハ 長調, 後 半 は確保 (9~16 て いる. T I~ 5 と T 9~13はほ ぼ 同 一 音価 であ る が, T‐ 13~5 は左 右 の 反進 行 によ っ て 緊 張が 甚 しく 増 大 して 第 1主 題 部 がま とめ られる‐ T. 16で は再 び主調 に も どり, 推移句 も 同 じ調性 で始ま り, 4十 4+ 3 十 6十 5 の 小節 配 分 と 共 に C: -d: -e: -E: -e:と す す む‐ ここ で は主題 動 機 の カノ ン的展 開 フ レー ズ を 形成 し, T‐ 30~ 3に おい て はア ウフタ ーク トと 音 量増 大 に よるも り あ げ を な す‐ こ れ こ そ 将 に 実 直 な h「D バ ッ ハ 的造形 法 と い える の で ある. T. 34~ 6に 入 っ て か ら は付点 音形. 07 に 急変 し, 希 薄 な が らも 厳 I しさ を増 してゆ く が, 最後 T. 37~ 8 は次 に 現れ る 第 2主 題 への 準 備 のた めの沈 潜 をな して いる‐ こ こに み. られる素材は主題のなかに含まれていたものであると同時に, 続く第2主題においても重要な部分を占める も の である ため, この 素 材 は両 主 題 の 架橋 と して の 役 割 りを 果 た して い る. これ らの 理 由によ っ て 第 1 主題 部 で は緊 密 と 均 斉 が 目立 っ て お り, この 動 機 に よ る 堅実 な組成 こそ は バ ッ ハ, ベ ー トー ヴ ェ ンの ドイ ツ 的伝 統 に 根 ざ した も の と い える の で ある.. 重厚さと厳しさ, そして躍動感にみちた第1主題に対して, つづく第2主題は真にやさしさに充ちた歌謡 51~ 8) もま た みず みず しい好情 をた た えて いる‐ 調性 は伝 統 的 39~50 ), 複縦 線 以 降の 副 主題 ( 性をもち ( l lであ り, 表 情 記号 も コ ントラス トの 明 瞭 なcon esprssione と な っ て い る. こ れ 論 理 に立 脚 した 平 行 調 a‐mo. ら2つの素材は共に無言歌的様相を呈しており, 極めて素朴なセソティメ ソトが横溢 している. 副主題は da unac o r ,pp及び伴奏型の変化によって音色と流動性における相違が生ずる. そのために前者の感傷美が後 ) ppsospirando (訴 へ 59~62 者の天上的超越美に変幻したかのような印象を与える‐ 続く第2の主題確保 ( るように) では内声部に第2主題素材が1拍ずれて潜在しているため, いぶし銀の如くにふかい内観的な沈 6 3~74 ) では一見して全く新しい素材が 静をかんじさせながら第2主題部はしずかに閉じる‐ 続く推移部 ( 軽やかな上向性の16分音符型によって反復されるが, このアラベスク風のフレーズも各動機の結 びに第2主 題のそれと同じ2度下行の型を同様の小節・拍節順序によって用いているのである. この楽節ではT.63~ 4の右手素材キト重曹 1 「「 が反復および若干の変化によって右手に4回, 左手に2回現れ, 特にT.67~9に おいては左右の絡み合いのうちにこの上昇的素材は音位を上げ最頂点をなしてc4から順次下降に転ずる‐ T‐ 70~ 2 は 8 分 音 符 に よ るsostenutol t ega oの 滑 らか な下 降 的半 音々 階に よ っ て 納 め の形 を とる‐ T‐75以. 51~8) の二短調によろしずかな開始の後T‐ 7 9以降が動機素材の反 降の小結尾句 Code t t aは前記副主題 ( i nant 復による漸次的なもりあがり, 即ち pp una cordaか ら pp sostenuto‐p‐cresc‐ed accel r e へ と変 異 --fb して 最後 はC : V7の 分 散下 降型 によ っ て こ の提 示部 を 閉 じてい る‐ ピアノ ・ ソ ナタ 第 2 番 op ‐ 2嬰 へ 短 調 の 提示 部 はあ らゆ る 点に おい て 第 1番 の そ れ と異 な り, 将 に浪 漫派 ら しい 特 異性 に み ちて いる. 小 節 配 分 は 第 1主題 (1~ 8), 確 保 (9~15 ), 副主 題 (16~39), 第 2 主 題 i i ( 40~50 ), 確 保 ( 51~68 ), 小 結 尾 (69~82 ). 第 1主 題f s‐mouと 第 2主 題 c s-monは 共 に ト ッ カ ータ 風 あ. るいはラ プソディ ー風であり, また両者共にオクターヴの重積平行型であるが, 前者はそれが下降的な左右 平行で16分音符を連続させるという単純な音型とそれをうけた上昇的な パ ッ セージ風の単調な素 材からな り, 確保において3度重積の平行による3連音型をも加えて締められ, また第2主題の場合は後述のように より多様である‐ 第1主題が極めて硬質単純であるのに対し, 副主題は対構的といえるほど静的かつ軟質で fenergicoに対して こ あり, 主要素材がなめらかに上行的な「「「o iFの動機を左右合計17回現すが, 冒頭のf こ では pp mezza vo i ce と1 egg e r oと いう特 性 が主 体 と な っ て い る‐ 組 成 はT‐ 16~22と T‐ 23~ 9 が 前 半, 93.
(5) . 大 塚. 夏 生. T. 30~ 9 が 後半 と い う 2群 にわ か れ, T‐ 23, 25, 27, 29に は第 1主題 素 材の 音 型 がsempl epp で以て デ i i リ ケ ー ト に さ さ や く が ごと く 現 れ る. 和 声 は 前 半 が f s : V7ー 1 - V9- 1, C : 唖 一 n9 s : 1, c s: , Ci. i 隅 -=2一皿7す,後半 は c s: V9-1零-V9 :冊 と いう 色 付け がな されて いる‐ s ,但 しT. 32の み は右 手 が Gi. 後半は左右が各小節共に反進行関係をなし, 左手の動機反復に対して右手は常に下降的アルペッジョをく りかえしつつ沈潜してゆく‐ ここにみられる ” は続く第2主題のなかの重要素材でもあり, この楽章の バ ッ ク ボー ンの ひ とつ でも ある‐ 第 2 主題 は通例 に した が っ て 属調 であ り, ス タ ッ カ ー トによる 3連音型の跳躍的進行が嬰ハ短調によって. I 左手低音域から起こり, つづいて右手がそれを同型でうけつぎながら直ちに伸びやかな ド≠ FB F鉾田と F B 全てを8度重積型でもって継続し, 左右のどちらかが常にそれを順守しながら提示部の最終迄同類の型を続 行 す る. 第 2テ ーマ は3小 節 (9拍) を 3回, そ して 2小 節 が 1 回, 計11小 節か らな っ て いる が, 細 かく み 3 i 3 3 る と (4 十5) 拍 が 3 回, (4+ 2) 拍 が 1 回と いう こと に なる. 各 小節動 機の 最高 音 はc i s ,gs,h とい う 3(T 50 よ う に 回 を重 ね る 毎 に 上昇 し, 最 後 h i es s vo ‐ )を 以て急 に espr ,p に変 り, 主題確 保 に 入る‐ 確保楽 段. はホ長調からハ長調へと転じ, 推移句で二短調に変わる. 小結尾T. 6 9以降は再び嬰ハ短調に入って激烈さ が 増 大 し, 提 示 部 は しめく く られる. こ の長 大な 確保‐ (7十 ?十 4) に おいて も 最 高 h3は5 回に 亘 っ て ・節. 62~7) 音位が下方に移置される. 動機の頭で用いられているが, ハ長調に転じてからは ( 第1, 第2両主題を比較すると前者は戦闘的単純さがその音形及び組成においてみうけられるが, 後者は 構造的にみて伸展性があり, 劇的もりあげが秀れ, 更に確保部においても動機素材は活力を増大しつつ継起 し, 緊張にみちた野太い流れとなり, そのいきおいを更に爆発的なものに変えて小結尾 (3+ 3 + 4 十 4) 万 に 突 入す る. ト ッ カ ータ 風 の 第 1 主題 は別 と して, 動 機素 材 を最 優 先 して 主題 を造 る ベ ー トー ヴェ ン 的 思惟 が副 主題 と第 2主題 の 両者 (16~82 ) に充 満 して お り, こ こに 撤密 なテク ス チ ュ アと ドラ マ ト ゥ ル ギ イ の 共 存 が 実現 して いる の である‐. , ヘ短調もまた強烈な第1主題で始まるが, その形相は前2曲と全く異なっ. ピ ア ノ ・ ソ ナ タ 第 3 番 op ‐5. てい る. 構成 は第 1主 題 (1~ 6, 7~11, 12~16 ), 推 移、(23~30, 31~38), 第 2 主 題 ), 確 保 (17~22 ( 39~46, 47~55 ), 小 結尾 ( 56~61, 62~71 ). 第 1主題 の 構 造 は前 2 曲の そ れ と異 な り 6十 (5+ 5) の. ) は静的であり, この曲の主 小節規模をもつ. 前半の符点音動機と和絃の強烈さとは対比的に後半 (7~1 6 題 は前半 と後 半 と いう コ ントラス トに よ っ て 成 立 して いるの である‐ 前 半・ 後半 共 に動 機素 材 の 継 起 に よ っ. て主題を形成しているが, ここには大きな相違があり, 前半は 〆 阻 F, 後半は右 F 館 と左 mr m の同 時 的組 み 合 せと い う形 の 素 材が 各々 幾度 も 現 れる. バ ス の 進 行 は前半 が FーEーEs-DーDes-C の 半音下 降 l. i l. l. 2-des 3-ges 3-b 3-f 4-e 4-d 4-c 2の 線上 を上 昇 ・下 降 す る ハ 短 調 に よ る 後 半 は 線 を た どり, 上声 部 は a s ‐. ppによる低音域の小動機連鎖型フレーズが5+5小節からなり, 左手の保続的3達音の伴奏にのって右の和 lか ら as lに 昇 て再 び dlま で下 降す る この 間T 12~16は g : ~ c :と な り 上 声 部 の 進 行 は 絃 は es っ ‐ ‐ , 2 2 l b か らf と 昇 り, 再 び c ま で 降る. 即 ち 凸型 傾 向があ らわれてし・る の であ る. 主題確 保 フ レー ズ に は冒頭 3-des 3-es 3-f 3-a 3-b 3-c q- 楽 節 と 同 じ低 声 部 の F ÷ EーEs-DーDes- C の 流 れ が あ り, 上 声 部 に は b2-c. 4-d 4-e 4-c 4の 線 がひ そ ん でいる 即 ち (1~ 6) と ( ) に は 対旋律 が あ っ て, このラ ブソ ディ ッ ク 16~22 e .. な音形と共に緊張と充実を産んでいるのである. 推 移 部の 8+ 8は As: -Des:と B: -As:の調 性. 左 手 T,23~34の動 機 山宮「 は冒頭動 機 臼ず「及 び右. 手の第2動機 r汀「 等々と関りが深く, またT.27~9と35~8の動機 耳「F C 汀「「等は第1主題の , rrび, immtであ り, 後半 の 弱 奏 は対 後薬句 か らみ ち び きだ され たも の と いえ る. 前 半 (23~30 ) はf tundbe t es s ,f. 称性を明確にしている‐ 2つのフレーズ共に左手は上出の小素材を用いているが, 後半ではそれが[耳70に 変化する‐ 後半の弱奏は第2主題の前徴ともいえるような静かさ, 柔らかさそしてデリカシイがあり, 推移 94.
(6) . 初期J‐ ブラームスにおけるソナタ形式楽章. とはいえ極めて安定感にみちている‐ i e 第 2主 題の 小節 規模 は8十 9 (4十 5), 表情 はp con espr s s one, も の しず か で拝情性ゆ たか なフ レー ズ は将 にノ クタ ー ン風 であ り, 旋律 形 と 伴 奏形 の 両者 に おい て 冒 頭主題 と は甚 だ しい コ ントラス トを な して い t t る. 後 半 (48~55) は cresc o で 以て重 味 を増 じ, 左 ・右 の 反進 行 をく り返 し, T‐ 44~ 7 及 び s enu ‐e so T‐53の左 手 の ク ロマ ティ シ ズ ム と 共 にfpesant eに達 する. T.39~50の伴 奏 形 は 8分音 符の保 続 的分散 形 と ムル キイー ・ バ ス 型 である ため に, 控 え 目な 右 の 重音 と あわ さ っ て な にか しら 内省 的 に うち す ぎて ゆく が,. T‐51~5では急に形状が変化 し, 厚く ‐て重みのある和絃が継続する‐ つづく小結尾では低声部に変イ音が l 2→C2 es 2→ges 保 続 さ れ, そ の 他 の声 部 に は 3 つ ず つ の 半 音 下 降 線 が 潜 在 して い る‐ 前 半 に お い て は as , , l→c l es l l 2→es 1と い う 3本 の 長 い下 降 的半 音々 列 が 並存 し 後 半 に おいて はa sの 3本 が並 存 して s c , →f ,c →de , ce い る. ソ プラノ も 下 降 的 で はある が これ は デ ィ ア ト ー ニ ク で あ る. 斯 様 な 組 成 の 故 に 小 結 尾 句 (p dol. i l l t to ) はacce ega er andoくく 〉〉r ‐に も か かわ らず 極 め てスタ テ ィ ッ ク に 終始 す る. 8分 音 符の 連 続 に よる左. 手の伴奏は第2主題のそれをひきついだものといえる. 31~46 ), 副 主題 A ( 47~ ), 確 保 ( 11~30 ), 推移 ( 弦楽 6 重 奏 曲 op ‐18の 場 合 を みる と第 1 主題 (1~10 ) と いう 多様 な構 造に ), 小結 尾 (115~140 ), 第 2 主題 ( 85~102 ), 推 移 (103~114 60 ), 副主 題B (61~84 きがつ く‐ いま ま で みて きた よ う に ブ ラ ー ムス に は既 に作 曲家 と して 出 発 した20才 の 頃 か ら バ ッ ハ, ベ ー トー ヴェ ン, 更 に ロ マ ン派 音 楽 の 影 響 が濃く, そ して 作 曲の 水 準 が既 に op . 1な どに おい て お どろく 程 高度 のも の に達 して いた の で ある‐ そ こに は ベ ー トー ヴェ ン的ソ ナタ 構 成 と ブ ラ ー ムス 的個 性 の 合 体に よ る ドラ. マ性の産出という重要な事実が存在する‐ この曲の場合第1主題は明るく伸びやかなチ ェ ロの旋律で始ま り, T‐11以 降 はそ れ が 第 IV1 aにう けつ がれ, 合計30小節 に 亘 っ て 悠然 と次 第 に 厚 味を増 しな n. と 第 IV1 が ら大河 の よう に 流れ てゆく‐ こ れ が 前の 3 曲の ソ ナタ と大 きく 異 なる 点 であ り, ベ ー トー ヴ ェ ンの場 合 に あ っ て はop ‐28, ニ 長 調 の 冒 頭楽 章 が想起 され るの み である. (しか しシ ュ ー ベ ル ト, メ ンデルス ゾー ンのソ. ナタにおいては全く異なった意味における歌謡的主題がみうけられる) ) され, 続 く T.21~30Des: に ) の 悠 然 た る 継起 的 旋律 は確 保 部 に おい て反 復 (11~20 第 1 主題 (1~10 31~42 ) に みち びか れる‐ 更 お いて も ま た フル ・ス コ ア で 維持 され, 調 性浮 遊 の 後 にも りあ が っ て推 移句 ( に 挿 入 (47~60 ) に進 み この 主 題 部 は終 結す る‐ 推移句 で はT‐ 35~40の 内声 部 の上 昇 的ク ロマ ティ シ ズ ム が こ の 柔和 な流 れ に 更 に ニ ュ ア ンス を 加 え, も の しず か な エ ピソ ー ドへ と つ づ く. 即 ち (10十10十10) 十 ( 12十 4) と いう 配 分 に み られ る10小 節 単 位 の フ レー ズ 組成 に 性 格 的 特 徴 が あ らわ れて いる. ま た 冒 頭 部. 扇 肩 扉耐 霧 雨関 霧1ル 扇 卵 崩I の両チェロにょる主題に対する第1ヴィォラには川 風1川 風1ル 風 C e l l ol ‐. 期月労連J封 崩 自讃 の素材連鎖が主として分散和音型にょって用いられていることもまた注目すべきであ る‐. l lの Lず か で な め ら か な 楽 想 を l 副主題 A は第 1 ヴ ァィ オリ ンに よる 3連 音 符 ト 箇 節 ~ ( )f ‐mo ce p d。 2一g 2-as 2-c 3-b 2一g 2は冒 頭 主題 のb-a-b-d-c-aと は長 2度 の 移 置 関係に あ も っ て い る. この 音 素 材as 2-d 2-es 2- り, ま た T. 51~ 4 は第 1主 題 素材 の移 置 形 (同 音価), そ して T‐ 55は T. 47と 同 音 価 の es 2 2 2 i lに 始 ま っ て 長 調 g -f -d と い う 移 置 形 で あ り, 一 種 の 展 開 手 法 と み な しう る. 調 性 は 属 短 調 f- mo F-dur を 経 て cTmo l lに ゆ く. T. 57~ 9 の G→ci 56~60の F →ci s s, T. 57~ 9 の d → a の 半 音 階 法 の 共 , T‐. 存 が ソ プ ラノ を支 え, 柔 軟 さを うん でい る. この 副主 題 A は3重奏 に よる 希 薄 さ, 音 程 進行 の 滑 らか さ, 弱 l 奏と do ce によ る デリ カ シイ と や さ しさを 特 徴 と して いる の である. つ づ く 副 主題B は一 転 して はず む よ う l な若々 しいリ ズ ム を も っ て いる が, ppdo ceで ある た め一 貫す る r= r」 .音型も瑞々しく, 控えめな表情に徹 して い る. フ レー ズ 構 造 は 8十 8+ 8 であ り, イ 長調 でも っ て 2楽 節, 最後 はニ短調 ~変 ロ長 調 となる‐ 第 2 フ レー ズ は前楽 節 の 1 オクタ ー ヴ高 い 位 置 の反 復 である が V1 a= の ピ ッ チ カ ー トがや や 伸 展 して いる. 曲 95.
(7) . . 大 塚. 夏 生. 譜例l I 8 J hms h p e o o a 」 ゴ ロ oar ,OP1 8 9 7 3 3‐ 1 8 1 W Un ol 1 o l i Wo l ol p 哲 l o an ;. 1 。nt ! ℃ e g つ ぐ oman ノ ^,AI. ー 」. ; U ニ ^,. 蹴/馴Jも。. ー 二 : ;. .・.. ー ー ; t 、ー ▼ -. . , , i r‘ ” じ 耀 i u ▼ 1 “ ‘ 1. 爾/. LIF. △ ▲ ・ r L 1 i ゞ i 「 ▼ ー . ー▲ ;▲ ュ 』 i V i l l o C o oI ′ o o ー . 」 」 ′ - ′“ P o 一 閃′- ′. ・三. V I I l l l O O I 1 c o ol. 一JJ ▼ V 少 ▼} ソt ‐. ′. …. -. ぐ. ▲ ’ ′: 「± 」 ー. 「↑. 「 ・ i- ▼. 二. 1 赫 rf1F ,ュ. :圭. ± 一. :. ;i …. 」 L. i・ .′ .‘ eL ・‘ . 1▼ .◆ i . ‐. ‘1 i」▲ ‘ .」 ‘」 ▲」 ・ヒ▲ ‘7一三 」 ; ● .押 、▼ ▼ ′1 、 .. 一 」Y. 中. 篇と ≠へf”‘i須亡÷、. : c債 」. :. ÷ 「.. キ. ‐ .. ,. ー/. ・. 、 , 」. 一- ;r r ▲r -. ÷ ; ’ 」 -. 頭 か らフ ラ ッ ト系 の調 の み を た どっ て きて急 にイ 長調 と いう シ ャ ー プ 系へ の転 調 と いう コ ントラス ト, 及 び. はずみをもつリ ズムへの変化という対照性が新鮮な感動を与える‐ しかしT.77からは再びフラット系の調 にも どり, 第 2主 題 F‐durへ の流 入をス ム ー ズに して いる の であ る. 伝 統 に した が っ て 属調 で始ま る 第 2主題 は (9+ 9) (4 + 4+ 4) の 二 部 分か らな っ て い る‐ 第1 主題,. 副主題A・Bのいずれとも大きく異なった分散和音型の連鎖によって組み立てられているという意味におい て 甚 しい コ ントラス トを 形成 して いる‐ これ を ・数規模によってみれば第2主題9, 確保9, 推移1 2合計30 小節 で あ り,この 「9小節」 フ レー ズ の反 復 は個 性 的 である‐ここ で は第 1 チ ェ ロ がう けも つ 音 形 N1 r r qrl. t 「le o 「キ r ぽ目「 0 c ‐が動機反復的につ づくなかで分散和音計4回の音程関係が1回毎に漸次開きつつ上 ima 昇 し, 反 復 的な確 保 espr t es s ofに い た っ て ト ゥ ッ テ ィ と な り, ひ びき はよ りい っ そ う充 実す る‐ T. ‐an 103~14は減 7和 音 を 伴 う 推移句 であ り, ここ で主体 とな る7江”「の動 機 は既 に T‐ 92~ 7 の 第 1 チ ェ ロ 及 びT. 102~ 3 の 第1 ヴィ オラ で奏 で られたも の な の である. T‐ 107~1卿こおいて はF : V7- 工!の ひ びき i にの っ て この 動 機 は次第 に全 て の楽 器 に およん でゆく な か で p z zはa r co に変 っ て も りあ が りを きか せる‐ つ づ く 小結 尾 は 8十 8十 6+ 4: 1 -の小 節規 模 に よ っ て お り, 使用 素 材 は副主 題B, 第 2主題 ~ 推移句 な ど. に現れたもの, さらに最後の4小節では第1主題素材が用いられている‐ 即ち 「 F 分 - 「 7の」 」 ,《封一 《′ , , 1「「「等 々 に よ っ て 成 り立 っ て いる の である‐ こ こに み られる 対位法 と和 声 の 重厚 さに は将 に ブ ラ ー ムス F「 の 面 目躍 如 たる も の が あ り, す こぶる 充実 した code t t a と い え る‐ 上 記 の 第 1 素 材 は T. 115~22の 第 I V1 n と T. 123~30の 第 2Vc a n .等 に用 い られ, 第 2の素 材 は第 2Vcと 第 2 .及 び 第 2V1 ,T.131~ 4 の 第 2V1 V1 ), 第1, 第 =V1 ), Vc ( 131~ 4) に各々 1拍 ず れ た 2つ の楽 器 の か け合 い 書法 123~134 a (115~22 n(. で用いられている. これらを支える」「 一素材と りF素材及び 「「な ども重累 し, スコアは多元的なトゥ ッ ティ としてT.134まで続く‐ 即ちここには曲頭の動機をはじめ, 副主題A以外のあらゆる重要素材が集約的 小結尾. 移. 4. 推. 10 12. 保. 8. 確. 16. O X U. 10 20 16 14 24. n x U. 15 6. op ‐18. 副主題. op.5. 移. 24. 推. 7. 保. 8. 確. op‐ 2. 2 1 8 8 8. 8 22. 第 二主題. 8. 副主題 B. 移. 保. op. I. 副主題A. 推. 確. Ex .2. 第 一主題. に用いられており, 真に充実した結尾部をなしつつ更にT‐137~4 0には反復記号前の素材, 即ち曲頭主題の 再出現を暗示する書法もみられる‐ これはま. 12 13 14 9 16 26. た展開部の入りをかねた性格を当然のことな が らも っ て いる と いう意 味 に おいて 真 に興 味 深い も の が ある.. 以上は4曲の各主題提示部の素描的分析で ある‐ 次にこれらを図表で以て比較しよう‐ 数字は小節数である‐ 左記の如く各曲がそれぞれの配分状況にあ. 96.
(8) . るが, 伝統的規模は概ねまもられており, その枠内において劇的対比が描かれている‐. 〔=〕 展. ー ▼ ノ. 開. 部. Du「chfuhrung. Ex ‐1が示すごとく4曲共に展開部の規模が楽章内に占める割合いは長すぎず, また短すぎることもない が, その様相は各々が個性ゆたかであり, また書法の水準には若年をかんじさせない高さがみられるのであ る‐. 第1番の展開部の ・節規 模 を こま かく みる と12 (4十 4+ 4) 十24 (11十 ?十 6) 十29 (12十 7) 十20と なる. ここ で用 い られて る素 材 は 副主題 ・ 第1 主題, 第 2・ 第 1 主 題の 合 体, 第 2主題 と い う順 序 であ り,. 展開部は大きく4つの部分からなっている‐ 先立つ提示部との規模上の割合いは本論文でとりあげる四曲の なかで最も大きい‐ 即ちここでは作曲者が最初に第1主体の労作をせず, 先ず副主題を展開してゆくところ に特徴があり, 更に全体として装飾的 ビアニズムにおぼれることなく主題労作という知的で繊密な書法が若 いエネルギーと結合して静的要因と動的要因を過不足なく活用し, それを和声法と対位法の厳 しい選択に よって傑れた彫琢をなしたところに類稀な特質があるといえる. l l 2小節は歌謡的な副主題の同主短調 ( 開始の1 ) にによる弱奏が先ずアルトで現れ, 1小節おくれて c‐mo そ れ がソ プラノ に, カノ ン的手法 に よ っ て 現 れ る. こ れ は提示 部 に おい て は a-mon, 即 ち 平行 調 であ っ た も. のが主調に対して別の位置を確立したことを意味する‐ つづくT.100では突如として爆発的変化がおこり, 切分音的右手の和絃に呼応して左手が副主題を追奏し, T.104にはe Uによる右手の副主題労作, およ ‐mo s び 左 手 に よ る 第 1主題 労 作 の重 積 的展 開が始 ま っ て T‐ 123ま でこの手 法 がつ づ く. こ こ で は 様 々 な 転 調 と. 共にに濃密な対位法によって熱烈かつ重厚な素材の取扱いがその度を増しており, T.111~4においては 左の第2主題素材と右の第1主題素材が交互に用いられ, 更にT.11 5~7では左右の素材が重合 し, T. 118~21にお い て はロ短 調 に転 じて 右 手 に よる 第 1主題 素 材 の 労作 が つ づ け られ る. T. 124~35もま た第 2. 主題の労作に始まり, 第1主題のそれと共に 万 の継続によって烈しさがつづく. 伴奏部には8分音符の3連 音形が多用され, 2小節毎に主題動機が第2主題素材 ( 124~5) ~第1主題素材 ( 1 26~7) 等々と両素材 の交 叉 及 び 転調 を ま じえ な が らT. 137ま で燃 えつ づ け る‐ T. 136~ 7の伴 奏部 の 7連 音 は真 に効 果 的 であ り, これ は T.145~ 8 にも 独 自の 印象 を あたえ つつ 現 れ る. T‐136~152は第 1 主題 素 材の みの 労作 に整 理 さ れ, 急 激 なd im‐ 共 に T. 138以 降 はpp do l i imo に急変 し, 両手 の和 絃 的反進 行 の 連 続形 が po tament c ss r o main Tempo と な り,. 更に T. 149~151で は sempre dim‐ecalando,pocorit-と な っ て 展 開 部 の 第 3 薬 段 は. ま とめ られ る‐. 譜例2 ザ ー . ” ” “ ‐ ‐ “ ” “ “ ‐ ” ” . ” ” “ ” ” ” ” “ “ . … . “ “ - … “ ” . ……” - - -. 」 ‐. 1 し yl ‘ l y ガ c i c . r 客 ハ, , ‘ , , … = i「 , ー ‘’ 」 ’. 藤. 本 ト筈. 溝ぼ ;. #≠ ま. . ハ」 ¥≠ 陵. yl ’ 公. ザ r,. ・ え・ ;. . 11 ” ガ Y. 女 審 女 ・ 塔愛 薄 ぼ .. 97.
(9) . 大. 塚 夏. 生. 最 後の 薬 段 (153~172 ) は一 転 してノ クタ ー ン風 のも の しず か な薬 想 を お び た 第 2 主 題 の 展 開 で あ り, T.88~92に お いて 既 に み られ た よう なカノ ン手 法 がT‐153~58に用 い られ て いる. カノ ンはソ プ ラノ とア i oneの 指 示 の如く くく )〉 が 少く な ルトの声部で以て形作られ 左手は分散和音的伴奏であり conespress. ,. ,. い‐ T. 161~70の 内声部 に は第 2主題 動機 が毎 小節 に用 い られ, ppleggiero に よ っ て デ リ カ シ イ が 増 し, T. 170~ 2 に至 っ て cresc. piu f , h‐mon , D‐dur ,f‐mou と , pesante の 架 橋 部 に 転 ず る‐ こ の 楽 段 は e‐moU. l lのV7 (C : 1ギ) を 以て再 現部 に 入 っ て い る. 総 じて この 展 開部 は瑞々 しい拝 い う和 声 的俳 個 の後 にf ‐mo. 情にはじまり, 次に重厚かつ熱烈な中間部へと流入し, 更にふたたびしずかでデリケートな薬想にも どるな t かで対位法, 和声法, 音形変化, 音位配置e c ‐の多様性が活かされ, 提示部に現れた主要素材のすべてがゆ 5小節, 即ち31% たかに労作された頚稀な充実感がかもしだされている. 全271小節からなる楽章のなかの8 強を 占め, よく 在 り がち な ビア ニス ティ ク な 鎌 舌 が全く なく, 勤 厳 実直 なな かにも ドラ マ ティ ク な コ ントラ ス トが顕 著な この展 開部 に は ベ ー トー ヴェ ン, シ ュ ー ベ ル ト, シ ョ パ ン, シ ュ ーマ ン等 のソ ナタ の 展 開手法. からの影響がゆたかであり, ここに後年の室内楽曲, 交響曲に現れる創作姿勢の基盤がみとめられるのであ る.. 8小節からなり, 楽節規模は9 (6・3) 十16 第2番op ‐ 2の展開部は楽章全体の4分の1に満たない4 (4 ・ 4 ・4 ・ 4), 4+ 7+ 4+ 8とい う小 規 模 なも の であ り, 左 手 による 主題 労 作 が な され て い なく, ま. た副主題素材が労作されることもない‐ 前曲の展開書法にみられた両主題の重積による対位法的伸展もな く, 単 純 な 配置 に徹 して い る. 全 体 は5群 にわ か れ, 第 1, 3, 5群 が 第 1 主題 の 労作, 第 2, 4 群 は第 2. 主題の労作というように載然とした区分がみうけられるのである. 8 3~91 ) は第1主題素材の労作楽節として右手がもっぱら動機を展開し, 左手はトレモロの伴奏 第1群 ( i s: V6 s: V‐Wg に 徹 し て い る‐ 音 量 はf-p-f-p-f-p-dim, 和 声 は D :1 , A : V2 ,f , d : 1 ー V ー 眼, Fi. バ s-DーCi sと い うク ロマ チ ッ ク な下 降 ) s-F-E-Di (E:12 ,各 小節 を た ど りつ つ ス のう ごきを みて ゆく とFi 線 が あ り, この半 音変 化 は更 に 次の フ レー ズ のそ れ へ と う けつ がれ てい る. T. 83~ 8 は音 量 の コ ントラス istaccato), そ れ に つ づ く T‐ 89~91は 右 手 の レ ガ ー ト に トと 共 に 2小節ず つ の下 降 的主題 労作 3 回 (quas よる 上 昇 的 分散和 音と い うコ ントラス トが存在 す る.しか し,この フ レー ズ は曲頭 にく ら べ れ ばか な り線 が 細. く, 軽やかであり, 更に陰陽がいかされてはいるものの第1主題の展開としてはやや短いと思われる‐ 第二 群( ) は4小節4箇の大楽節であり, 明かに第2主題の展開的労作である‐ しかし提示部では左手が 92~107 オクタ ー ヴ重複 であるの に 反 して, 展 開部 の この楽 節 に おいて はそ れ が 単 音のスタ ッ カ ー トであ り, 形 状も. やや異なって分散和音形が全小節に充当されている. 右手のう ごきは下降性を示すものが12小節, 上昇性を 3 2 示すものは4小節のみである. 前者の場合各動機の最高 (初頭) 音と最低 (後尾) 音は各々 -gis2 ,e -h, 3 a‐a 2a l 3 l 2ーh a 2 i 2 後者の場合はa lf l 2 i 3-a 2c 3-e 2 e」 a f ‐a i s s s s s a , ‐a と い う よ う に 2 オ ク , , ーc ,i , , , -h,e -a , i. タ ー ヴ, 即 ち 前者 の ほう が 多様 である. バ ス声 部 に は Ci s‐E の 線 が潜 在 (92~ 7) (100~ 9) して を s‐D‐Di. り, 前の大楽節の半音変化との共通性が明らかである. 調性は提示部第2主題と異り, 前薬節をうけて. A:. m -a: w - A : m-h: 並 . m十一cお : 竜 一 班 -E : v 「 A : V 「 m -a: 暖 . A : m -h : 竜 一 m十一c篤 :. 徳 一w一 徳 即 ち T. 92~ 9と T. 100~ 7と の 間に和声 進 行 上の 共通性 をも ち, ま た 旋律 素材 に おいて も多 , 大 の 共通 点 がみ られ る. 即 ち, 形相 に は若 干の相 異 が ある と はい え T.92~ 7と T.100~ 5 は理論上 の 同値. 性が存在するのである‐ ) 4小節は頂度ほ どよいときに現れた第1主題素材の動機反復による労作 で 1 08~111 つづくエ ピソー ド ( i あ り, c s: 1 一 切 -h: 16一 瞳 と い う 4つの和音の進行にのって同型の動機が単純に反復される‐ 極めて短. く, かつ手法の単調な左右の同音同形を移置させたものであり, 展開部にふさわしいものとはいえないが, 11 2~8) は再 び第2主題の展開をな しているが, 先の第2群の場 衝激的効果はみのがせない‐ 続く7小節 ( 98.
(10) . ‐ ブラームスにおけるソナタ形式楽章 初期J ‐. l lつ ま り主調 の V7でも っ て は じま っ て いる‐ こ こに 現れ た 新 i 合 よ り は短く, 調 性 は完 全 4度 たか い f s- mo. 手法は右手の切分音であり, ‐これが7小節中の4小節を占めている‐ 前半は以前のものが似ているが, 後半 i ) は単 なるf 119~22 s:V7の 分散和 音 の下 降~ 上 昇 に よ は上 昇性 傾 向を得 ても り あ が り, 次 の パ ッ セ ー ジ ( るも の であ り, つ づ く T.123~30に 入 っ て 再 び 第 1主 題 の展 開 と なる‐ この 楽節 は外相 が 第 1 主題移 調 の よ. うに映るが, 音程関係をよくみると細部にはかなりの相違の存在に気がつく. 初頭の6小節のみをみても提 i s:孤7の和絃 示部においては嬰へ調和声的短音階内の音のみを用いているが, T‐123~8においては先ずc i か ら始ま り, 直 ち にa-h-h sの 半 音々 程, 嬰ハ 短 調 の 導 音 のフ ェ ル マータ, T. 125~ 7に入 る と f : V9, i s:V7とな T. 128~ 9 は左 手 が記 譜 上 の h: Wg- Vg, 右 手 は記譜 上 の d:W7, そ して T. 129に 入 っ てf る. 即 ち 冒頭 T‐ 3~ 7と T‐ 123~ 9 と は 一 見相 似形 の よ う ではある が, 組成 原 理 が 異 な っ て いる‐ 然 し つ づく 半 音々 階 はT. 7~ 8と T‐129~30が同 音 とな っ てい る‐ これ に よ っ て 再 現 部 の調 性 確 立が 容易 と な る の である‐. この展開部は総じて右手主体であり, 内声部と低声部に主題労作的, 素材的配慮がないために立体的緊感 に 乏 しく, ま た 和声変 化や 転 調 な どに よる ニ ュ ア ンス の 妙 味 にも 幾 分欠 けて い るの である‐ 第 1 楽 章 全198. 小節中の48小節, 即ち24%強という比較的小規模のものといえる‐ ソ ナ タ 第 3 番 op ‐ 5 に おい て は展 開部 への 導 入句 が 4/ 4 拍 子 2小節, 5 / 4拍 子1 小 節, 計13拍 と いう も の であ り, この楽 章の 3/ 4拍 子 が ここ で急 変 する と い う衝 激 性 およ び 拍数 の 自 由さ が ュニ ーク である‐ こ こに 現れ る オクタ ー ヴ・ユ ニ ゾンのスタ ッ カ ー ト16分 音符 の 連 続 はむ しろ op ‐ 2の 第 1楽 章 ・ 冒頭 主題 中 の T. 8, 第 2・ 3拍 の 展 開 的 労作 である。 op ‐ 5 に あ っ て は既 に T. 16即 ち 主題確 保 へ の 架 橋 部 に ほん の. 束の間だけ現れた素材であり, 両者共にひとつの楽段と次の薬段との間に挿入されたものなのであり, 展開 l lの 増 5 度 高 い 調 性 i 部に あって はc s: 海 -v,に よ っ て 拡 大さ れ て い るの である‐ こ の 調 が 冒 頭 部 f- mo i c s- mouである 点 に 注 目す べ き であ ろ う‐ しか し, この 大 胆 さも T.88以 降の 同鍵長 調 である フ ラ ッ ト系 の. 変ニ長調を考慮に入れるとき, この調が再現部の主張より変記号の数が1箇多いだけの近親関係にあること 5~8は第1主題前薬節の動機労作 から, この大胆にみえて必然の状況として納得しうるのである. T‐7 i i i i ) -c s: V7で あ り, T‐ 79~87は 提 示 部 T. 7 ~16, 即 ci s: 1 - V,f s: V - V7 s: 16 s: IG( c s; W6 , Fi ,f. ち第1主題後楽節の左手音型を上声部に, 右手音型を内声及び低声部に配置転換したものである. T‐ 79~ 8 3は嬰ハ短調, T‐84~7は嬰へ長調に転じつつ同型の労作を続行している‐ # #の調 か ら』れ の調 へ と いう 急激 なも の に み える が, T‐ T. 88以 降 は変 ニ長 調 に転 ず る‐ こ れ は譜 面上 #. 87の嬰ニは変ホ, 嬰ハは変ニ, 重嬰へはト音と同じであるため, 直接変ニ長調にゆくのは異名同音的解釈上 lか ら始ま て漸 次上 昇 し 最 後 に 容易 な の で ある‐ T‐ 88~117は右 手 に 長々 と 切 分 音 コ ー ドが つ づ き, a s っ ,. 4にまで達する T 91以降は主旋律がテノール声部にあり 他の声部がもっ ぱら和声的位置にのみ在る はe s . . , ため, 楽想は内省的な渋味に徹している. 総計38d・節もの長さに亙っ て地味な表情を持続するという内観 性, そ して 続く T.117以 降 の爆 発 な どが い か にも ブ ラ ー ムス ら しいと いえ る. 右手 の 和 絃 は弱奏を つ づ け な. がらも厚味を増しつつ漸次上昇のみちをたどり, 随所に半音変化音をもま じえつつ pp e sostenuto を 保 持 し, 霧の 中 を たゆ た ふ が如 き幻 想 的ひ びきを た な びか せつ つ T. 115~ 6にも り あ が り, T. 117以 降は変 ト 長調 に よる 第 1 主題 動 機 の 労 作 に も どり爆 発 的強 奏を T‐ 122ま で お こな う‐ つ づ く T. 123以 降 は急 に弱 奏. に変じ, 左手が動機労作を連続するのにたいして, 右手は切分音による和絃をしずかに継続する‐ 再現部の直前に第1主題素材を用いるという点においてはop ‐ 2と似てるが, 内容は全く異りここでは前 曲のように近似した音形を単純直裁に列べるのではなく, あくまでも動機素材の連続的労作に徹しているの で ある‐ T‐75~131の 展 開過 程 の なか の 僅 か10小 節 の み が強 奏 であ り, そ の 他の47 ・節が抑制的慎重さに徹. したところに ブラームスの特質がある。 特に若さにもかかわらず斯様な書法のうちに精神的奥行の深さをあ 99.
(11) . 夏 生. 大 塚. ・あま り らわ した こと は注 目に価す る の で ある. た だ しこ こ で は推移句 と 第 2 主題 は展 開 が 省 略 されて いる. にも 夜 想 曲 的な この素 材 は労作 に よ っ て 奥床 しさをう しなうよ りは, そ のま ま に して おい て 再現部 で用 いる. ほうが適切と′おもわれるのである‐ 第1楽章全222小節中の59小節, 即ち22%強という規模は比較小 さいも の であ る. 弦 楽 6重 奏 曲. ) は93小 節か らなる‐ 大 きく みれ ば 4つの 薬 段141~72, 173~ 141~233 op .18の展 開部 (. 91, 192~213, 214~33か らな っ て お り, 前 段 を細 かく わ ける と141~57, 158~72, 173~81, 182~91に な る. 各 々 ・節 数 は17十15 , 9十10, 22, 20である が, ここ で は第 2主 題の労作 が な され な いた め, 全 体の長. さは提示部よりも21小節ほど短い. ここでは第1主題, 副主題A, 副主題Bが順序に従って整然と展開され て い る. 調 性 は g : -a: -d : -g : : と 大 ま か に と ら え う る‐ (141~1 , g : -c: -f: , Es: ーb・ ,e: -d:. 57 ) はg :V-1,a:V‐V7で あ り, 第 1 主題 労作 に よ っ て いる. ピッ チカ ー ト声 部 3, ア ル コ声 部 2によ る 希 薄 な 書法 でも っ て 始 ま り, 途 中 か ら様々 に変 る. 始め に V1 a n ‐ 1 と V1 ‐ 1 が交 互 に第 1 主題素 材 を 分 奏 し, T. 153か ら は V1 158~ n ‐ 江 と Vc . = が 主題変 容を継 起 的に う けもつ. ここま でが g:V-a:V7で あ り, ( 72) は a: V - 1 - n, C : V - 1, d; 虹 - V,g : W. の和声に基いて主題後部 の素 材 を V1 n .1が .n と Vc. 交 互に取扱う間に V1 a ‐ 1 と 亘 が半 拍 おく れの 内声 部 に おける 分散 和音 を う けも つ‐ . この薬 段 は弱 奏 に 始 ま り, 漸 次 音量 を増 して T. 172のf t or e に到 達 す る.. 173~91 ) の楽段は副主題Aの労作部であるが, ここにはまた提示 部の推移句 展開第2部ともいえる ( ( ) の主要素材が内声部に用いられ, 更に低声部では異なった音程関係によりながら同素材を労作 01~11 1 4 し, 見事 な 対位 法 的立 体性 を うん でいる. そ れ は更 に T.182~ 8に おし・て 分厚 い ト ゥ ッ テ ィ に 伸展 し〔甘 口「 ,. プロ 阻 止r 幽 幽 囚÷の3っの音価が重積して熱のこもったひびきとなる ここには第1主題頭部の音程関 . , 係 (中・低声部) も存在しており, またこれが副主題Aの頭部の音程関係とも一致することからみて, 濃密 な有機的関連性によって展開がなされていることが明瞭である‐ 音程関係をみると冒頭主題の 譜例3. 陸 嘩. 訂ヱ. r L 、 ., ′; 、. .; ー 一 も. ム,ガラ リ ガヂ ″. .マ ず … 「… 』 ‘ ; ~ . . . J.H Tす .す 」 ÷ 二 ÷! ▼. r. 万. 100. 工t,. ‘ヒ ゞ :; も亡--” ー▲▲. 望 - 「癌つ ぶ . iL L 1 トてr . ‐ r ″; ー ム = ; :r r ミ ‘ γ; . ″~ 乞・ q\2. へ. r ▲; TI ′▼ヤ r トー“ .. L 1 ▲. ▲▲. も. : ;ーェ.. 軍. 閥塵垂葺. 蟻 霊露響 等逆 襲. 距離. ? 、r÷÷で. 1 寒国 自筆 日豪 ー. 蓋孝幸馨弾 奏. ’ /”偶. h. N▼ h. 「蓬塵. 嘉. ,. - I. ▼ h ご ^. ′*渉 で. ‘=ゴニ 丁 .. 「 「. 1. 「. 「 「 i. 」 V. -一 三 , .. 仁 』 」“ 」÷ ”!. ▲.・ 一. 1. J r ・ ±. L 一 ◆、 ▲ ’ r・ . . .. ト L -- , ′ P ー▲ ー ・ ▲ ▲ ‘ ▲ ÷ ▲′ 、 ‘‘ ▲ ・・ ・▲▲ ] ▲ ▲ ] ””. J★ ′. -十 ず ・ r÷ r -L ‐ー r e y ″ ” . . 1 . , , 1 . 1 -. 1 ’ t ; r「 ‘ ー r : : , T ; l t r 1 . ・ 】 . l . r r , て ., 下 r γ.. ”L 一t l ‐. ーー--. ; =“?; ▼. - ・. ;- ‘,, .「 「 ー・ も ---- . f’. L 1 . も ... ▲--; ▲. . ー{ー△^こ{ー. も L -. ′-‘ .・ - ‐‐ - ‘--1 -r . ・‘ 「 .‘ ‘‐ ー ′ ‐. r ‐上 1」 .▲ ・‘▲ ‘」 ▲‘ ・ i. . r t ‘r 1 ’ ; . i l 上 七 七 七 七 七. 三. 一・. . . 『 1 ▲. 」 - . 、 「 ・ ′ 1 ‐ ;’ . ‐ 1 ー . ・ . 七 ▲ ‘ 七 ‘ 七 セー 七 七 七. 二. 、 ▲. 三 、.
(12) . 初期J‐ ブラームスにおけるソナタ形式楽章 2-c 3-b2- 2-b2 そ し て T 182~ 3 の B- As-B-des-c- 2一 2-as b-a-b-d-c-a と 副 主 題 A の as g g .. As-c の 3つ の音 列 素材 は 同質 の 間柄 にあ る と い える の である. 第 1 ・ 2 ヴ ァ イ オリ ンは前 薬 節 の 型 を 3 連 音型 に して う けつ い でい る が, V1 n ‐ =はf:V-1-V を 分散 的 に 扱 っ て いる. ヴィ オ ラ 1 ・= は16分 音符, チ ェ ロ 1 ・= は 8分音 符 でも っ て 主題 の 音 程 関 係をく り返す が, 両群 は6度 平行 で始ま り, T.184の 途 中 か ら10度 平 行 に変 っ て T‐ 187の 第 1拍ま で続く‐ ま た中 ・低 音 部 の 音 列 にも 第 1 主題 と 副 主 題 に 含 ま れ て い. る主要音程関係の他に種々の要素が潜在的反復をつづけている‐ このような分厚いトゥッティ において堅固 な複音楽に徹する書法にはルネ ッサンス期以降の立体性の伝統が如実に活きつづけているとし、える. 89~91の 架 橋 はホ 短調 の 主和 音 へ と移 る‐ 第 3部 は 副主 題B の 展 T‐ 199のf: V はe:W で ある た め T. 1 開楽 段 で あ り, 小 節 は T‐ 192~214, 配 分規模 は 8+ 8十 7, 調 性 は提示 部 の 場 合 はイ 長 調 で始ま っ て いた が, こ こで はホ短 調 で始 ま っ て いる‐ 即 ち第1薬 節 ( ), 第 2楽 節 (200~ 9), 第 3 楽 節 (210~ 192~200 13 ) に わ け られ る が調 性 プロセ ス は次 の如く である. 第 1と第 2の フ レー ズ は調性 こそ 異 っ て はいて も音 形. がほ ぼ同じであり, 第3フレーズのみが後半になって変形している‐ 主旋律をうけもつのは第1楽節 が両 ヴァイ オリ ン, 第 2楽 節 は第 1 チ ェ ロ, 第3楽 節 は両 ヴ ァイ オリ ンと第 1チ ェ ロ で ある. 和声 進行 は第 1楽 節 が e: 1 - F : V7- 1 -e: 1, 第 2 楽 節 は e: 1 -d : V - 1 一 辺?-B : W - m, 第 3 楽 節 は B : 皿 -Es:. V7-As: V7- 1-d: 嶋-V7-W (Es: V)と な っ て いる. 両 ヴィ オ ラの 小 き ざみな 中声 部 と 第 2 チ ェ ロ の ピ ッ チカ ー ト伴 奏 に支 え られ て 主 旋律 はの びの びと ひ ろ が り, T.200で第 1チ ェ ロ に引 き継 がれ, 幾 分地 味 にな る が, T‐208~14ま で両 ヴァイ オリ ンと 第 1 チ ェ ロ がう けも ち, 他 の楽 器 と共 に ト ゥ ッ テ ィ でこの薬 段 を 閉 じる. 軽 快 でい きい き と して いる‐. 214~ 第4部T.2 14~33では第1主題の主要動機を楽器によ分割書法ですすめ, 低声部に保続的切分音 ( .次い で (221~28 ), ) 第 2チ ェ ロと 両 ヴァ 214~21 28 ) を用 いて いる. 動 機 は先ず 第 1チ ェ ロ と 両 ヴィ オ ラ ( イ オリ ン (保 続 音 は第 1 チ ェ ロ と 両 ヴィ オ ラ) が 分 割 的 に 取 り 扱 っ て い る. 和 声 は Es: V一皿-1,b:. W9一切9「γB :1,楽節は8+8+4の小節規模, 再現部の直前の楽段で第1主題の素材を充分に用いて次の 冒頭 テ ー マ に つ な げる 書 法 は op . 5 の ピア ノ ・ソ ナタ の第 1楽 章の 展 開部 に おい て 既 に みた と お り ‐ 2と op であ り, この 6重 奏 曲と 合わ せて 3つ の 展 開部 に 共通 す る特 徴 である‐ 全398 ・節 中の93小 節 を 占 め る こ の 展 開部 は26% 弱 に 当た り, 決 して み じかく はな いの で ある. 最 後 に全 4 曲の 展 開部 を楽 章 の 比率 でみる と op ‐ 5 の 場 合 は低 い が, 大 . 1 は31% 強, op . 2 は24% 強, op 結尾45小節 の 規模 が これ を 補 っ て いる こと が, そ の 全 体 との 比 率 か らみて も う なず ける の である‐ 展 開部 内. の素材規模は次の如くである‐. Ex ‐3. 第. 1 部. 第. 2. 部. 第. 3 部. 第. 4. 部. 合 計. 欠 けているもの. op.I. 4 +4 +4. 11十 7 十 6. 12十 7. 8 十12. 85. op.2. 9. 16. 4十7. 4十8. 48. 副主題の展開. op.5. 3+4 +9. 3 十19十 7. 2十4+ 8. 59. 第2主題の展開. 17十15. 9十8+2. 8+ 8+ 7. 93. 同. op‐18. 8+8+4. 上. 〔皿〕 再 現部 と大 結屋. Repr i se & Coda. ) は規 模 と書法 に おい て概 ね 伝 統 の 範 囲 内 に あ る ソ ナタ 第1 番 の 再 現部 ( 173~237 ) と大 結尾 (238~70 が, 第 1 主題 の 推 移句 (提示 部 に おいて はT. 17~33の17小節) が 省 略 さ れ て い る‐ 主 題 再 現 の 直 前 の フ 101.
(13) . 大. 塚 夏. 生. レー ズ の T-169~70(d: 並 , T171~ 2 (F: V 「 C: 窟) と いう和 声 の変 。音 がそ のま ま 再 現部の 開. 始T‐17 3~5の重要素材音として貫用されている‐ 確保部は提示部の場合よりは2小節短く, 調性は提示部 の B : .Es: -C:に 対 して 再現 部 では C: -De s:D: -g:と な り, 上記 の 如く 推移句 を省 略 して 直 ち に. 架橋 ( 187~97 ) に入る. この架橋は提示部の場合は僅かの5小節であったが再現部の場合は11小節に拡大さ lま で半 音 階 的 れて お り, ダイ ナミ ズム も増 大 してゆく. この 間に バ ス の流 れ はd-es( i d )-eを た どっ てe s s に上昇 して いる‐ こ こま で が2別・節 か らな り, 提 示 部 のそ れ よ りも13小節 短 いの である. 第 2 主題198~209は同主調 であるハ 短調, 以下 副主題210~ 7, 確 保218~21等 も 同 じく ハ短 調を 守 る と い う意 味 にお いて 伝 統 的ロ ジ ッ ク を 捨て て はい ない‐ 推 移句122~33もま た 第 2主題, 副主 題, 確 保 な どの 場 合. と同じく, 提示部のそれらと同規模かつ同形相書法を採っている‐ しか し推移句の場合は調性 関係 が 異 っ て, 提示 部の そ れ よ りも 短 3度 た か いの である.. この単純な再現形態を補うかのような展開内容をもつ大結尾が最後にあらわれる‐ T. 2 34~70に亘るこ の薬 段 (374・節) は大 きく わ け, て 4つ の大楽 節 (234~49 )( 250~57 )( 257~66 266~70) か ら な っ て い )( る‐ 第 1薬 節 は副 主 題の 展 開 であ り, ヘ短 調 ( 234~ 9), 嬰 へ短調 ( 238~41 ), ホ 短調 (242~ 4), 嬰 ハ短 調 - ニ短調 な どを経 てゆく うち に T. 234~41の 右 手主 題 か らT‐ 242~ 5 の 左 手 主 題書法 に移 り, 再 び T‐ 246~ 9が右手主題書法と進むなかで, pp una co・da か ら poco piu f, pesante,. to pesantef mol fと漸次もり. あ が っ てゆく. ここ で更 に 第 1主 題変 容楽 節 ( 250~57 ) が 現れ る. G音 を オ ル ゲル プ ソク トにも ち, 全体 を. 分厚な和絃でもって貫き, 右手の動きに対してテノール声部が反進行によって緊張をつくり, 主調の主和音 と属和 音 に よる 単純 で あかる いひ びきをも つ ト ゥ ッ ティ 的書法 が一 貫 して い る. ま さに 大結 尾句 の名 にふ さ わ しい 威風堂々 た る フ レー ズ に 次い で あ らわ れる の が ピ アニス ティ ッ ク な 分散音 形 を もつ楽 節 (257~66) 07 であ る. こ こ でも G音 はオル ゲル プ ソク トと して用 い られ, テノ ール声 部 は全く あた ら しい素 材「 図「1 で は じま り, 4 小節後 にそ れ が上 声 部 に移 る‐ この テノ ール声 部 に は c i i i s-d-d s-e-f-f s-g とい うク ロ 2-c 2-d 2 (261~ 2) の みが これ を うけつ マ ティ シ ズ ム が 潜在 して い る が, 次 に上声 部 に移 行 して か らは c i s い でい る の である. 9小 節 か らなる この楽節 は各声 部 共 に この 楽 章の どこにも な か っ た もの である と い う 意. 味においてまさに衝激的である‐ この新素材はT‐266の完全終止でもってしめくくられると同時に最後の終止形をかねた第1主題素材が t 方l a r eで現れ る. この5 小節 こそ が 前楽 節 の 緊 張 を解決 へ と みち び く カ デ ンツ であ り,37小節 か らな gamen. るこの大結尾, そしてこの楽章全体をしめくくる論理的帰結なのである. この重厚にして壮大なる楽想にふ さわ しく, ま た ベ ー トー ヴェ ンのソ ナタ とス ィ ム フ ォ ニイ を 想わ せ る書法 こそ が この ブラ ー ムス の 出 世作 の 特質 なの であ り, そ して そ の しめくく りと して この 大 結尾 部 の 特徴 と い える の である. ソ ナタ 第 2番op .2 で は前 章 で若 干 ふ れ た ごとく 展 開部の 末尾 T.123~30に調 整 は異 る が 形相 上 冒 頭 主題. に似たフレーズが現れる‐ これは解釈上まぎらわしくもおもえるが, また再現部の開始を自由な形状にする た め に はか え っ て 効 果 的 で あると みる こと も で きる‐ これ は第 1番の 冒頭楽 章 に はなか っ たもの であ り, フ ラ ームス に と っ て はひと つ の 選 択 であ っ て, 続く 第1 主題 ( 131~43 ) は主調 ではあ っ て も形相 が あま りにも 変 っ て いる‐ そ の ため そ れ が調 性 に お ける ソ ナタ の 論 理の 枠 内に ある と はい え, これの もつ ドラ マテ ィ ッ ク. な性格からみてむしろ展開的表情をつよくみせていることも否みがたいのである. 第 2主題 の再 現 は伝 統 的ロ ジ ッ ク に した が っ て 主調 で始ま り, T. 144~54, 確 保 T‐ 155~61, 副主題 の 変 形 T‐ 162~72, 推移 句 T‐ 173~ 8, 大結 尾 T.179~98と な っ てい る. 提示 部 に お いて 第 1主 題 の 直後 に. 現れた24小節の長きにわたる副主題がここでは省略され, それは確保句の後に僅か11小節の変容フレーズと して処理されているにすぎない‐ 第2主題は提示部の場合と同規模であるが, 確保部は提示部の18小節に対 してここではわずかの7小節 (平行調 A‐du ) に圧縮されている‐ 副主題は提示部と同じく左手に主旋律が r 102.
(14) . 初期J‐ ブラームスにおけるソナタ形式楽章. 譜例4. ” ” . ” . “-” ‐ , . ・ … ▼ - . ” … - - ‐ ”” ” . 押 , . ・ “” - ・ . . - . @ : 評 ≠・..÷ と .に “ .寅ン 、. 。 。創 ;醐伽” ゑ. ~一 L ↑ I ▼ ′ 箱・ p ” ‘ 。”p卿 “ ‘ . , にU .. 。z c m p q. ザ-. 纂ず. - 全. 紫. づ〃‘ m O P c. ;伐 ”.イ. 一一. 泰. ぼ. 現れ, 右手には第2主題素材のひとっでぁる 金 と 門 好 評 の両者が重積的に用ぃられてし・る‐ 調性は平 行調である‐ 続く推移句6小節は主調にもどり, 第2主題素材を用いて強烈な刺戟的 メエ部 “ をくり返しつ つ も りあが っ てゆ く.. 豪華絢欄たろ大結尾は20(3十9+6十2) 小節からなり, T‐ 17 9~81は第2主題素材を低声部にもち, i f i s: V, D : V7 s: , E : V, A : 眼 と い う 経 路 を た どる‐ 次 の 9小節は3小節1単位 が 3 箇 で あ り, f 嶋-VーW e t c - ,和 絃 と 2オクタ ー ヴ・ ユ ニ ゾンの 素 材 か らなる. T‐191~96は最 後 の 爆 発 的燃焼 であ り, や. はり第2主題部素材が豪快になりひびく. しか し, 最後の2 ・節 の 和 絃 c i :藩 -6s :1 が 急 変 して p una s corda と なる‐ こ の よ う な急 変 は拙 文 でと り あげて いる 4 曲の な か では この 曲の み である‐ ソ ナタ 第 3 番 op ‐ 5 の 再 現部 も ま た op . 2の そ れ と おな じく 一 見 してま ぎらわ しい‐ 見 方 に よ っ て はT‐ 107~ 8を再 現 へ の 導 入, T‐ 109~12を 第 1主題 の再 現, T‐ 113~20を確 保, T‐ 121~34を 展 開 的 な性 格. をもつ推移句とかんがえるむきもあろう‐ それは形相上の理由からなのであろうが, ソナタ形式の調性原理 に立 脚 して 解 釈す れ ばあ く ま でも T. 130ま でが 展 開部 であ り, T. 131~34は再現 部 第1 主題 と い う こと に なる. この 見方 は先 程 の op ‐ 2の 場 合 と 同 じで あ り, そ れ によ る と 再現 部 の 構成 は第 1主 題 の変 容 (121~. 譜例5. ー ー ー ・ . . ー . ・ ・ ・ ′ ” . ! c m P o .d r. ” o り′ ク c .. 文. 一;. 認. ず 『. .. *・. i. C d ′ i c ‐. : “ .. iw. bU ず ぎ “. ま デ ,. - - “…” ‐ ‐ - - ‐ 一 -…‐ . ‐ ‐ ぶ”… ”…“ - - - - - . - - - - - ‐ ‐ ”“””””” . - ” - -. ー 雲も討尋耐- -,. - i 言′¥ 言 語 二‐ ¥ - - -. 憲三 サ. ギ ~塚 ‐f ‐. 103.
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